ケミカルヒ−トポンプコンテナ
【課題】小型化してもエネルギ−効率の高いケミカルヒ−トポンプコンテナを提供すること。
【解決手段】
化学蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、化学蓄熱反応器と蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、を有するケミカルヒ−トポンプコンテナであって、化学蓄熱反応器および蒸発凝縮器は、柱状または球状であることを特徴し、2CaSO4またはCa(OH)2のいずれかを用いるケミカルヒ−トポンプコンテナを提供すること。
【解決手段】
化学蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、化学蓄熱反応器と蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、を有するケミカルヒ−トポンプコンテナであって、化学蓄熱反応器および蒸発凝縮器は、柱状または球状であることを特徴し、2CaSO4またはCa(OH)2のいずれかを用いるケミカルヒ−トポンプコンテナを提供すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルヒ−トポンプコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や発電所等からの廃熱および未利用熱を有効利用することが、化石燃料の使用を抑え、資源・エネルギ−問題等の観点から進められている。特に、蓄熱によるヒ−トポンプは、省エネルギ−効果が高く、CO2の発生が少ないため、有効利用するシステムが提案されている。中でも化学蓄熱によるヒ−トポンプは、可逆的な化学変化を利用し、排熱等を高密度に長期間ロスが少なく蓄え、高温熱だけでなく冷熱を生成できる点で、その他の蓄熱方法より注目を集めている。
【0003】
公知の化学蓄熱方式のケミカルヒ−トポンプの例として、例えば下記特許文献1には、CaOを充填した反応器と水を蒸発又は凝縮させる蒸発凝縮器が熱交換部で連結されたCaO/Ca(OH)2系のケミカルヒ−トポンプが提案されている。これにより、温・冷熱を反応器及び蒸発凝縮器内部から外部へ取り出すことができ、さらに、CaOとH2Oが一定速度で反応することで、一定温度の温冷熱を同時に外部へ連続的に出力することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−89799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、反応部内にコイル状に巻かれた熱交換部または蓄熱用ヒ−タ−が設置されていたため、ケミカルヒ−トポンプ自体を小型化し車両で搬送することを阻害していたという課題があった。
【0006】
また、従来の技術に使用されていた蓄熱材には、固体反応粒子を用いるため、反応部の伝熱性能が低いにもかかわらず、熱交換率を高めるための工夫が少なく、熱源から得られた熱を効率良く熱交換することに対して課題が残されていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、小型化をして車輌で搬送することができ熱交換率の高いケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、次の点に着目して本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明の一形態に係るケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、本コンテナという。)は、蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、外部と熱交換のための流体導入出口と、前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器と前記パイプと前記バルブと前記流体導入出口とを有するコンテナを有する。
【0010】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、柱状または球状であることが望ましい。
【0011】
また、この形態におけるコンテナは、特段限定されるわけではないが、柱状であることが望ましい。
【0012】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数1】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【0013】
また、この形態における化学蓄熱反応器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数2】
【0014】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数3】
(N(OH)2は水酸化物であり、Nは限定されないが、例えばCaでもMgでもよい。)
【0015】
また、この形態における化学蓄熱反応器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数4】
【0016】
また、この形態における蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数5】
【発明の効果】
【0017】
以上のように構成された本発明により、搬送できるほど小型化しても熱交換率の高い新規なケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に関るケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、「本コンテナ」という。)を、図面を用いて説明する。なお、温熱とは常温より高い温度の熱を示し、冷熱とは0℃付近の熱源より低い温度の熱を示すものとする。また、本明細書においては同一または同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
【0019】
図1は、本コンテナの概略構造を示す図である。図1で示すとおり、本コンテナは、コンテナ1、反応部2、蒸発凝縮部3、パイプ4、断熱壁5、バルブ6、高温流体導入口7、低温流体導入口8、高温流体導出口9、低温流体導出口10を少なくとも有して構成されている。
【0020】
コンテナ1は、形状は直方体状が好ましく、道路輸送の重量規制が25t以下であること、及び蓄熱材の比重を考慮すると、最大コンテナ容積は25m3程度が望ましい。材質は、耐圧性を有するものが望ましく、特に限定されるわけではないが、ステンレスが好ましい。
【0021】
図2は、本コンテナの内部構造を示す図である。本コンテナ内部は、反応部2と、蒸発凝縮部3を断熱壁5が分けており、バルブ6を有するパイプ4が断熱壁5の上部を通るように接続されている。反応部2は化学蓄熱反応器21の集合であり、凝縮部3は蒸発凝縮器31の集合である。
【0022】
断熱壁5は、反応部2と蒸発凝縮部3とを分け、熱を遮断するものであり、特段限定はされないが、ロックウ−ル等を内蔵する多層壁が望ましい。
【0023】
反応部2は、蓄熱時には高温流体導入口7から流体を供給することで化学的反応を用いて蓄熱し、放熱時には放熱反応により高温流体に温熱を供給する役割を担う。ここで、流体とは、熱源から熱回収した流体のことをいい、特に限定されないが、高温流体導入口7を通ることができれば液体でも気体でもよい。液体である場合は、汎用性を考慮すれば水系が望ましい。また、より高温の温熱を得たいときには、油系が望ましい。蒸発凝縮部3は、低温流体導入口8から流体を供給することで、蓄熱時には凝縮熱により低温流体に温熱を供給し、放熱時には水の蒸発潜熱により低温流体に冷熱を与える役割を担う。
【0024】
図3は、化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4のより詳細な構造とその反応系を示す図である。化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とをパイプ4が結んでおり、化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4で一つの反応系を構成している。また、化学蓄熱反応器21内には化学蓄熱材11を封入している。なお、本コンテナが直方体であるときは化学蓄熱反応器21、蒸発凝縮器31ともに柱状であることが望ましい。
【0025】
化学蓄熱材11はCa(OH)2やCaSO4・1/2H2O等の反応粒子であり、その半径は特に限定はされないが、1.00×10−3[m]程度であることが望ましい。化学蓄熱反応器21内部には化学蓄熱材11が最密充填状態で含まれており、反応によって得られたH2Oガス(後述)は、パイプ4を通って蒸発凝縮器へと移動する。
【0026】
図4は、本コンテナを車両に搭載し、熱源地、需要地間の輸送を示す図である。蓄熱過程では熱源地で廃熱を回収し、輸送手段を介して、需要地で放熱を行う。本コンテナの輸送手段は特に限定されることはなく、例えば鉄道、船にも積載し、輸送することができる。
【0027】
以下、本コンテナにおける蓄熱過程、蒸発凝縮過程を、図5を用いて示す。
図5(A)は蓄熱過程を示す図である。蓄熱過程では、反応部2内の化学蓄熱反応器21を高温流体が通過することで、化学蓄熱材11に高温熱が加わり脱水反応を起こし、熱が蓄えられH2Oガスが生成される。化学蓄熱反応器21内のH2Oガスは、パイプ4に付属するバルブ6を開くことで気圧差により蒸発凝縮部3内の蒸発凝縮器31へと移動する。さらに、H2Oガスは熱交換部4を通って蒸発凝縮器31内で凝縮して水となり、凝縮熱を放出する。
【0028】
図5(B)は、放熱過程を示す図である。放熱過程では、バルブ6を開くことで気圧差により蒸発凝縮器31内のH2Oが蒸発する。この際蒸発潜熱は冷熱として利用される。発生した蒸気は化学蓄熱反応器21内で水和反応を起こし、反応熱を発生させる。なお、放熱過程においては自然発生的に水が蒸発するときの蒸発潜熱を利用してもよい。
【0029】
なお、実施形態1における化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内での反応は下記反応式であることを特徴とする。
【数6】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【0030】
また、熱源温度を120℃程度とし、化学蓄熱材11にCaSO4を使用してもよい。CaSO4を使用したときの化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内の化学反応式は以下の通りである。
【数7】
【0031】
また、熱源温度を400℃程度とし、化学蓄熱材11にCa(OH)2を使用してもよい。Ca(OH)2を使用したときの化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内の化学反応式は以下のとおりである。
【数8】
【0032】
以上、本実施形態に係るケミカルヒ−トポンプコンテナによると、搬送できるほど小型化しても熱交換率の高いケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することができる。
【0033】
(実施形態2)
本実施形態におけるケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、本コンテナという。)は、実施形態1とほぼ同様であるが、図6が示すとおり、コンテナの形状が円柱状であり、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31が球状であることを特徴とする。
【0034】
図7(A)は、本実施形態における化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の概観を示す図であり、図7(B)は本実施形態における化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の内部構造を示す図である。化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31を合わせたものを1ユニットとして考え、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31はパイプ4でつながれている。化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31が球状である場合、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の半径は、特に限定はされないが、6.00×10−2[m] 程度であることが望ましく、体積は9.05×10−4[m3] 程度であることが望ましい。また、化学蓄熱材11の体積比により蒸発凝縮器311つに対する化学蓄熱反応器21の数を設定することとし、CaSO4・1/2H2O:1/2H2O=16:1、Ca(OH)2:H2O=4:1であるので、1つの蒸発凝縮器に対してCaSO4は16個、CaSO4系は4個の化学蓄熱反応器10がパイプ4によって結合されている。
【0035】
なお、この化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4は耐熱性を必要とし、例えば、金属または樹脂でできていることが望ましい。
【0036】
図8は、本コンテナをトラックに車載したときを示す図である。本コンテナが、円柱状である場合、トラックに搭載するため、トラックとコンテナとの接合面の両脇に枠12があることが望ましい。
【0037】
(実施例1)
次に、本発明に係る第1の実施例について、基礎実験結果に基づきシミュレ−ションを踏まえ具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図9は、120℃蓄熱過程の化学蓄熱材11の温度変化を示す図である。化学蓄熱材11にはCaSO4を使用し、比較対象として従来の顕熱蓄熱、潜熱蓄熱を参照した。293[K]から加熱を開始したとき、373[K]に達するまでに、顕熱蓄熱では30分程度、潜熱蓄熱では40分以上要することに対し、本コンテナでは8分程度であることが確認できた。
【0038】
図10は、1ヶ月の120℃輸送過程の化学蓄熱材11の蓄熱量変化を示す図である。蓄熱量で比べてみると、1日では各蓄熱方法とも熱ロスが小さいが、輸送に長時間かかる場合、顕熱・潜熱の蓄熱量は次第に下降することが確認でき、一方で、化学蓄熱を使う本コンテナの場合、顕熱蓄熱量分は同様に次第に下降するが、化学反応熱がロスしないため、熱ロスが小さいことが確認できた。1ヶ月間輸送した場合、それぞれの蓄熱量に対する熱ロスの割合は、顕熱蓄熱68.7%、潜熱蓄熱43.2%であることに対して、化学蓄熱32.5%であることが確認できた。
【0039】
(実施例2)
次に、本発明に係る第2の実施例について基礎実験結果に基づきシミュレ−ションを踏まえ具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図11は400℃放熱過程の熱交換量の時間変化のグラフを示す図である。従来の化学蓄熱では蓄熱量が小さいので放熱時間は短くなるが、本コンテナでは蓄熱密度が大きいため、熱交換にかかる時間が長く、熱交換量が大きいことが確認できた。
【0040】
以上から、本コンテナは、120℃の蓄熱では、顕熱、潜熱蓄熱に比べると蓄熱に要する熱量は小さいが、蒸発凝縮熱を考慮すると、最終的に利用できる熱量は顕熱、潜熱蓄熱量より大きくなることが確認できた。さらに本コンテナでは、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱では不可能な冷熱を発生できることが確認できた。また、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱では不可能な400℃という高温の熱を蓄熱することも出来て、この場合は、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱よりはるかに大きな熱量を蓄熱、輸送、放熱することができることが確認できた。1日では輸送時の蓄熱量に大きな変化は見られないが、1ヶ月を超える期間輸送するとき、顕熱・潜熱蓄熱では下降することに対して、化学蓄熱を使う本コンテナの場合には下降せず、熱ロスが少ないことがわかることが確認できた。以上から、上記課題を解決することがきる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は、課題を解決し、効果も期待できる。また、長期輸送するとき熱ロスが小さいため、熱の需要量が多い場所へ輸送し、利用することができ、極めて有用である。また、熱供給地域においては、別途にヒ−トポンプ等を必要とせずに本コンテナ自身のケミカルヒ−トポンプ機能用いて、温水供給やスチ−ム供給、冷水供給を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係るコンテナの概略構造図である。
【図2】実施形態1に係るコンテナの内部構造を示す図である。
【図3】実施形態1に係るコンテナの反応系を示す図である。
【図4】実施形態1に係るコンテナの熱源、需要地間の輸送を示す図である。
【図5】実施形態1に係るコンテナの蓄熱過程、蒸発凝縮過程を示す図である。
【図6】実施形態2に係るコンテナの概略構造図である。
【図7】実施形態2に係るコンテナの化学蓄熱層を示す図である。
【図8】実施形態2に係るコンテナを車載したときの図である。
【図9】実施例1に係るコンテナの化学蓄熱材の温度変化を示す図である。
【図10】実施例1に係るコンテナの化学蓄熱材の蓄熱量変化を示す図である。
【図11】実施例2に係るコンテナの熱交換量の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・・コンテナ
2・・・反応部
21・・・化学蓄熱反応器
3・・・蒸発凝縮部
31・・・蒸発凝縮器
4・・・パイプ
5・・・断熱壁
6・・・バルブ
7・・・高温流体導入口
8・・・低温流体導入口
9・・・高温流体導出口
10・・・低温流体導出口
11・・・化学蓄熱材
12・・・枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルヒ−トポンプコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や発電所等からの廃熱および未利用熱を有効利用することが、化石燃料の使用を抑え、資源・エネルギ−問題等の観点から進められている。特に、蓄熱によるヒ−トポンプは、省エネルギ−効果が高く、CO2の発生が少ないため、有効利用するシステムが提案されている。中でも化学蓄熱によるヒ−トポンプは、可逆的な化学変化を利用し、排熱等を高密度に長期間ロスが少なく蓄え、高温熱だけでなく冷熱を生成できる点で、その他の蓄熱方法より注目を集めている。
【0003】
公知の化学蓄熱方式のケミカルヒ−トポンプの例として、例えば下記特許文献1には、CaOを充填した反応器と水を蒸発又は凝縮させる蒸発凝縮器が熱交換部で連結されたCaO/Ca(OH)2系のケミカルヒ−トポンプが提案されている。これにより、温・冷熱を反応器及び蒸発凝縮器内部から外部へ取り出すことができ、さらに、CaOとH2Oが一定速度で反応することで、一定温度の温冷熱を同時に外部へ連続的に出力することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−89799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、反応部内にコイル状に巻かれた熱交換部または蓄熱用ヒ−タ−が設置されていたため、ケミカルヒ−トポンプ自体を小型化し車両で搬送することを阻害していたという課題があった。
【0006】
また、従来の技術に使用されていた蓄熱材には、固体反応粒子を用いるため、反応部の伝熱性能が低いにもかかわらず、熱交換率を高めるための工夫が少なく、熱源から得られた熱を効率良く熱交換することに対して課題が残されていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、小型化をして車輌で搬送することができ熱交換率の高いケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、次の点に着目して本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明の一形態に係るケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、本コンテナという。)は、蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、外部と熱交換のための流体導入出口と、前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器と前記パイプと前記バルブと前記流体導入出口とを有するコンテナを有する。
【0010】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、柱状または球状であることが望ましい。
【0011】
また、この形態におけるコンテナは、特段限定されるわけではないが、柱状であることが望ましい。
【0012】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数1】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【0013】
また、この形態における化学蓄熱反応器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数2】
【0014】
また、この形態における化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数3】
(N(OH)2は水酸化物であり、Nは限定されないが、例えばCaでもMgでもよい。)
【0015】
また、この形態における化学蓄熱反応器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数4】
【0016】
また、この形態における蒸発凝縮器は、特段限定されるわけではないが、下記の反応を用いることが望ましい。
【数5】
【発明の効果】
【0017】
以上のように構成された本発明により、搬送できるほど小型化しても熱交換率の高い新規なケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に関るケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、「本コンテナ」という。)を、図面を用いて説明する。なお、温熱とは常温より高い温度の熱を示し、冷熱とは0℃付近の熱源より低い温度の熱を示すものとする。また、本明細書においては同一または同様の機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
【0019】
図1は、本コンテナの概略構造を示す図である。図1で示すとおり、本コンテナは、コンテナ1、反応部2、蒸発凝縮部3、パイプ4、断熱壁5、バルブ6、高温流体導入口7、低温流体導入口8、高温流体導出口9、低温流体導出口10を少なくとも有して構成されている。
【0020】
コンテナ1は、形状は直方体状が好ましく、道路輸送の重量規制が25t以下であること、及び蓄熱材の比重を考慮すると、最大コンテナ容積は25m3程度が望ましい。材質は、耐圧性を有するものが望ましく、特に限定されるわけではないが、ステンレスが好ましい。
【0021】
図2は、本コンテナの内部構造を示す図である。本コンテナ内部は、反応部2と、蒸発凝縮部3を断熱壁5が分けており、バルブ6を有するパイプ4が断熱壁5の上部を通るように接続されている。反応部2は化学蓄熱反応器21の集合であり、凝縮部3は蒸発凝縮器31の集合である。
【0022】
断熱壁5は、反応部2と蒸発凝縮部3とを分け、熱を遮断するものであり、特段限定はされないが、ロックウ−ル等を内蔵する多層壁が望ましい。
【0023】
反応部2は、蓄熱時には高温流体導入口7から流体を供給することで化学的反応を用いて蓄熱し、放熱時には放熱反応により高温流体に温熱を供給する役割を担う。ここで、流体とは、熱源から熱回収した流体のことをいい、特に限定されないが、高温流体導入口7を通ることができれば液体でも気体でもよい。液体である場合は、汎用性を考慮すれば水系が望ましい。また、より高温の温熱を得たいときには、油系が望ましい。蒸発凝縮部3は、低温流体導入口8から流体を供給することで、蓄熱時には凝縮熱により低温流体に温熱を供給し、放熱時には水の蒸発潜熱により低温流体に冷熱を与える役割を担う。
【0024】
図3は、化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4のより詳細な構造とその反応系を示す図である。化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とをパイプ4が結んでおり、化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4で一つの反応系を構成している。また、化学蓄熱反応器21内には化学蓄熱材11を封入している。なお、本コンテナが直方体であるときは化学蓄熱反応器21、蒸発凝縮器31ともに柱状であることが望ましい。
【0025】
化学蓄熱材11はCa(OH)2やCaSO4・1/2H2O等の反応粒子であり、その半径は特に限定はされないが、1.00×10−3[m]程度であることが望ましい。化学蓄熱反応器21内部には化学蓄熱材11が最密充填状態で含まれており、反応によって得られたH2Oガス(後述)は、パイプ4を通って蒸発凝縮器へと移動する。
【0026】
図4は、本コンテナを車両に搭載し、熱源地、需要地間の輸送を示す図である。蓄熱過程では熱源地で廃熱を回収し、輸送手段を介して、需要地で放熱を行う。本コンテナの輸送手段は特に限定されることはなく、例えば鉄道、船にも積載し、輸送することができる。
【0027】
以下、本コンテナにおける蓄熱過程、蒸発凝縮過程を、図5を用いて示す。
図5(A)は蓄熱過程を示す図である。蓄熱過程では、反応部2内の化学蓄熱反応器21を高温流体が通過することで、化学蓄熱材11に高温熱が加わり脱水反応を起こし、熱が蓄えられH2Oガスが生成される。化学蓄熱反応器21内のH2Oガスは、パイプ4に付属するバルブ6を開くことで気圧差により蒸発凝縮部3内の蒸発凝縮器31へと移動する。さらに、H2Oガスは熱交換部4を通って蒸発凝縮器31内で凝縮して水となり、凝縮熱を放出する。
【0028】
図5(B)は、放熱過程を示す図である。放熱過程では、バルブ6を開くことで気圧差により蒸発凝縮器31内のH2Oが蒸発する。この際蒸発潜熱は冷熱として利用される。発生した蒸気は化学蓄熱反応器21内で水和反応を起こし、反応熱を発生させる。なお、放熱過程においては自然発生的に水が蒸発するときの蒸発潜熱を利用してもよい。
【0029】
なお、実施形態1における化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内での反応は下記反応式であることを特徴とする。
【数6】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【0030】
また、熱源温度を120℃程度とし、化学蓄熱材11にCaSO4を使用してもよい。CaSO4を使用したときの化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内の化学反応式は以下の通りである。
【数7】
【0031】
また、熱源温度を400℃程度とし、化学蓄熱材11にCa(OH)2を使用してもよい。Ca(OH)2を使用したときの化学蓄熱反応器21内および蒸発凝縮器31内の化学反応式は以下のとおりである。
【数8】
【0032】
以上、本実施形態に係るケミカルヒ−トポンプコンテナによると、搬送できるほど小型化しても熱交換率の高いケミカルヒ−トポンプコンテナを提供することができる。
【0033】
(実施形態2)
本実施形態におけるケミカルヒ−トポンプコンテナ(以下、本コンテナという。)は、実施形態1とほぼ同様であるが、図6が示すとおり、コンテナの形状が円柱状であり、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31が球状であることを特徴とする。
【0034】
図7(A)は、本実施形態における化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の概観を示す図であり、図7(B)は本実施形態における化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の内部構造を示す図である。化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31を合わせたものを1ユニットとして考え、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31はパイプ4でつながれている。化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31が球状である場合、化学蓄熱反応器21および蒸発凝縮器31の半径は、特に限定はされないが、6.00×10−2[m] 程度であることが望ましく、体積は9.05×10−4[m3] 程度であることが望ましい。また、化学蓄熱材11の体積比により蒸発凝縮器311つに対する化学蓄熱反応器21の数を設定することとし、CaSO4・1/2H2O:1/2H2O=16:1、Ca(OH)2:H2O=4:1であるので、1つの蒸発凝縮器に対してCaSO4は16個、CaSO4系は4個の化学蓄熱反応器10がパイプ4によって結合されている。
【0035】
なお、この化学蓄熱反応器21と蒸発凝縮器31とパイプ4は耐熱性を必要とし、例えば、金属または樹脂でできていることが望ましい。
【0036】
図8は、本コンテナをトラックに車載したときを示す図である。本コンテナが、円柱状である場合、トラックに搭載するため、トラックとコンテナとの接合面の両脇に枠12があることが望ましい。
【0037】
(実施例1)
次に、本発明に係る第1の実施例について、基礎実験結果に基づきシミュレ−ションを踏まえ具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図9は、120℃蓄熱過程の化学蓄熱材11の温度変化を示す図である。化学蓄熱材11にはCaSO4を使用し、比較対象として従来の顕熱蓄熱、潜熱蓄熱を参照した。293[K]から加熱を開始したとき、373[K]に達するまでに、顕熱蓄熱では30分程度、潜熱蓄熱では40分以上要することに対し、本コンテナでは8分程度であることが確認できた。
【0038】
図10は、1ヶ月の120℃輸送過程の化学蓄熱材11の蓄熱量変化を示す図である。蓄熱量で比べてみると、1日では各蓄熱方法とも熱ロスが小さいが、輸送に長時間かかる場合、顕熱・潜熱の蓄熱量は次第に下降することが確認でき、一方で、化学蓄熱を使う本コンテナの場合、顕熱蓄熱量分は同様に次第に下降するが、化学反応熱がロスしないため、熱ロスが小さいことが確認できた。1ヶ月間輸送した場合、それぞれの蓄熱量に対する熱ロスの割合は、顕熱蓄熱68.7%、潜熱蓄熱43.2%であることに対して、化学蓄熱32.5%であることが確認できた。
【0039】
(実施例2)
次に、本発明に係る第2の実施例について基礎実験結果に基づきシミュレ−ションを踏まえ具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図11は400℃放熱過程の熱交換量の時間変化のグラフを示す図である。従来の化学蓄熱では蓄熱量が小さいので放熱時間は短くなるが、本コンテナでは蓄熱密度が大きいため、熱交換にかかる時間が長く、熱交換量が大きいことが確認できた。
【0040】
以上から、本コンテナは、120℃の蓄熱では、顕熱、潜熱蓄熱に比べると蓄熱に要する熱量は小さいが、蒸発凝縮熱を考慮すると、最終的に利用できる熱量は顕熱、潜熱蓄熱量より大きくなることが確認できた。さらに本コンテナでは、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱では不可能な冷熱を発生できることが確認できた。また、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱では不可能な400℃という高温の熱を蓄熱することも出来て、この場合は、顕熱蓄熱や潜熱蓄熱よりはるかに大きな熱量を蓄熱、輸送、放熱することができることが確認できた。1日では輸送時の蓄熱量に大きな変化は見られないが、1ヶ月を超える期間輸送するとき、顕熱・潜熱蓄熱では下降することに対して、化学蓄熱を使う本コンテナの場合には下降せず、熱ロスが少ないことがわかることが確認できた。以上から、上記課題を解決することがきる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は、課題を解決し、効果も期待できる。また、長期輸送するとき熱ロスが小さいため、熱の需要量が多い場所へ輸送し、利用することができ、極めて有用である。また、熱供給地域においては、別途にヒ−トポンプ等を必要とせずに本コンテナ自身のケミカルヒ−トポンプ機能用いて、温水供給やスチ−ム供給、冷水供給を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係るコンテナの概略構造図である。
【図2】実施形態1に係るコンテナの内部構造を示す図である。
【図3】実施形態1に係るコンテナの反応系を示す図である。
【図4】実施形態1に係るコンテナの熱源、需要地間の輸送を示す図である。
【図5】実施形態1に係るコンテナの蓄熱過程、蒸発凝縮過程を示す図である。
【図6】実施形態2に係るコンテナの概略構造図である。
【図7】実施形態2に係るコンテナの化学蓄熱層を示す図である。
【図8】実施形態2に係るコンテナを車載したときの図である。
【図9】実施例1に係るコンテナの化学蓄熱材の温度変化を示す図である。
【図10】実施例1に係るコンテナの化学蓄熱材の蓄熱量変化を示す図である。
【図11】実施例2に係るコンテナの熱交換量の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・・コンテナ
2・・・反応部
21・・・化学蓄熱反応器
3・・・蒸発凝縮部
31・・・蒸発凝縮器
4・・・パイプ
5・・・断熱壁
6・・・バルブ
7・・・高温流体導入口
8・・・低温流体導入口
9・・・高温流体導出口
10・・・低温流体導出口
11・・・化学蓄熱材
12・・・枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、
溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、
前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、
外部との熱交換のための流体導入出口と、
前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器と前記パイプと前記バルブと前記流体導入出口とを有するコンテナと、を有するケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項2】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、柱状であることを特徴とする請求項1記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項3】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、球状であることを特徴とする請求項1記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項4】
前記コンテナは柱状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項5】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数1】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【請求項6】
前記化学蓄熱反応器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数2】
【請求項7】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数3】
(N(OH)2は水酸化物であり、Nは限定されないが、例えばCaでもMgでもよい。)
【請求項8】
前記化学蓄熱反応器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数4】
【請求項9】
前記蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数5】
【請求項1】
蓄熱材を充填した化学蓄熱反応器を有し、蓄熱時には温熱流体を加えることで吸熱反応により蓄熱し、放熱時には反応熱により温熱流体を発生する反応部と、
溶液を充填した蒸発凝縮器を有し、蓄熱時には凝縮熱による温熱流体を発生し、放熱時には蒸発潜熱による冷熱流体を発生する蒸発凝縮部と、
前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器とを接続するパイプおよびバルブと、
外部との熱交換のための流体導入出口と、
前記化学蓄熱反応器と前記蒸発凝縮器と前記パイプと前記バルブと前記流体導入出口とを有するコンテナと、を有するケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項2】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、柱状であることを特徴とする請求項1記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項3】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、球状であることを特徴とする請求項1記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項4】
前記コンテナは柱状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【請求項5】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数1】
(M・H2Oは水和物であり、Mは限定されないが、例えばCuSO4でもCaCl2でもよい。)
【請求項6】
前記化学蓄熱反応器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数2】
【請求項7】
前記化学蓄熱反応器または蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数3】
(N(OH)2は水酸化物であり、Nは限定されないが、例えばCaでもMgでもよい。)
【請求項8】
前記化学蓄熱反応器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数4】
【請求項9】
前記蒸発凝縮器は、下記の反応を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のケミカルヒ−トポンプコンテナ。
【数5】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−25853(P2008−25853A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195094(P2006−195094)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【Fターム(参考)】
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