説明

ケーブル取り出し構造および光電センサ

【課題】シース内部を経由して筐体へ液体が浸入することを防止可能なケーブル取り出し構造および光電スイッチを提供する。
【解決手段】筐体のケーブル取り出し孔に装着される成形体20は、ケーブル1の電子部品に接続される先端部でシース2を剥がして絶縁被膜3が露出した領域Aとその端部A1に残ったシース2とを覆うと共に、領域Aのうちの電子部品に接続される領域B2とは異なる位置で絶縁被膜3を剥がして撚線4を露出した領域B1とその両端側に残った絶縁被膜3とを覆うことにより、シース2および絶縁被膜3に浸透した液体の筐体内への浸入を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子部品を収納した筐体に挿通するケーブルの取り出し構造、およびこのケーブル取り出し構造を利用した光電スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品が実装された回路基板を収納した筐体の内外にケーブルを挿通する場合、筐体にはケーブルを挿通するための孔が必然に設けられるため、この孔を通って筐体内へ液体(水、油など)が浸入する可能性がある。浸入した液体は、筐体内の回路基板上に到達し、電源間で絶縁破壊を発生させるなどの悪影響を与えることがあった。
【0003】
また、光電センサの場合、筐体内に浸入した液体が蒸発すると、その蒸気が筐体内部のレンズ表面を曇らせて光電センサの光量を低下させるなど、誤作動を引き起こすことがあった。
【0004】
このような問題を解決するために、従来、様々な手法が取られている。
例えば特許文献1に係るケーブル取り出し構造は、本体ケースのケーブル取り出し孔を挿通させて設けられるケーブルの周囲を覆って、当該ケーブルとの密着性の良い素材(合成樹脂など)からなる成形体をあらかじめ一体成形し、この成形体を介して本体ケースのケーブル取り出し孔にケーブルを装着する。これにより、ケーブルシースの外径と本体ケースのケーブル取り出し孔径との微小な違いにより生じる隙間を封止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−205894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、筐体内への液体の浸入経路は、ケーブルシースとケーブル取り出し孔との隙間だけとは限らない。例えば図6に示すように、軟質塩化ビニル製のシース2を有するケーブル1の場合、このシース2に油が浸透してシース内へ浸入し、シース2と撚線4を覆う絶縁被膜3との隙間を経由して筐体内へ到達したり、さらには絶縁被膜3内に浸入して撚線4との隙間を経由して筐体内へ到達したりすることがある。
【0007】
従って、上記特許文献1のようにケーブルシースの外径と筐体の孔径との微小な違いにより生じる隙間を封止するだけでは、シース内部を経由する液体の浸入を防ぐことができないという課題があった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、シース内部を経由して筐体へ液体が浸入することを防止可能なケーブル取り出し構造および光電スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1に係るケーブル取り出し構造は、撚線と、当該撚線を被覆した絶縁素材からなる被覆体とを有するケーブルと、ケーブルの電子部品に接続される先端部とは異なる位置で被覆体を剥がして撚線が露出した露出領域とその両端側に残った被覆体のうち、少なくとも露出領域に接する部分とを覆ってケーブルに一体成形され、筐体のケーブル取り出し孔に装着される成形体とを備えるものである。
【0010】
この発明の請求項2に係るケーブル取り出し構造は、複数の撚線と、当該撚線を個別に被覆した絶縁素材からなる第1の被覆体と、当該第1の被覆体を束ねて被覆した絶縁素材からなる第2の被覆体とを有するケーブルと、ケーブルの電子部品に接続される先端部で第2の被覆体を剥がして第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った第2の被覆体のうち、少なくとも第1の露出領域に接する部分とを覆うと共に、第1の露出領域であって電子部品に接続される部位とは異なる位置で第1の被覆体を剥がして撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った第1の被覆体のうち、少なくとも第2の露出領域に接する部分とを覆ってケーブルに一体成形され、筐体のケーブル取り出し孔に装着される成形体とを備えるものである。
【0011】
この発明の請求項3に係るケーブル取り出し構造は、成形体が、第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った第2の被覆体とを覆う、一次成形によりケーブルに一体に成形された第1の成形体と、撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った第1の被覆体とを覆う、二次成形によりケーブルおよび第1の成形体に一体に成形された第2の成形体とから構成されるものである。
【0012】
この発明の請求項4に係るケーブル取り出し構造は、成形体が、第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った第2の被覆体とを覆ってケーブルに一体に成形された第1の成形体と、撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った第1の被覆体とを覆ってケーブルに一体に成形された第2の成形体とから構成され、第1の成形体と第2の成形体とは別体であるものである。
【0013】
この発明の請求項5に係るケーブル取り出し構造は、露出した撚線の導線の隙間が樹脂封止されているものである。
【0014】
この発明の請求項6に係る光電スイッチは、上述したケーブル取り出し構造を用いて、電源ケーブルを筐体から外部へ引き出すようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の請求項1によれば、成形体により被覆体と撚線の隙間および撚線の各導線の隙間を封止するようにしたので、被覆体を浸透して撚線の隙間から筐体内へ液体が浸入することを防止できる。
【0016】
この発明の請求項2によれば、成形体により第1の被覆体と第2の被覆体の隙間、第1の被覆体と撚線の隙間および撚線の各導線の隙間を封止するようにしたので、これら被覆体を浸透して撚線の隙間から筐体内へ液体が浸入することを防止できる。
【0017】
この発明の請求項3,4によれば、第1の被覆体と第2の被覆体の隙間を覆う成形体と、第1の被覆体と撚線の隙間および撚線の各導線の隙間を封止する成形体を別々に成形するようにしたので、加工性を向上できる。
【0018】
この発明の請求項5によれば、撚線の導線の隙間を予め樹脂封止するようにしたので、より確実に液体浸入を防止できる。
【0019】
この発明の請求項6によれば、光電スイッチの筐体内への液体浸入を防止するようにしたので、浸入した液体が筐体内部に収納されているレンズ表面を曇らせて光電センサの光量を低下させるなどの誤作動を引き起こすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1に係る光電センサの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1に係る光電センサに用いるケーブル取り出し構造の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1によるケーブル取り出し構造の別の例を示す図である。
【図4】実施の形態1によるケーブル取り出し構造の別の例を示す図である。
【図5】実施の形態1によるケーブル取り出し構造の別の例を示す図である。
【図6】一般的なケーブルの断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光電センサ10の全体構成を示す縦断面図である。この光電センサ10は、投光素子11および受光素子12などの電子部品を筐体13に収納し、これらの電子部品に接続されたケーブル1を、筐体13に開設したケーブル取り出し孔14から外部へ引き出している。投光素子11の対面には、投光素子11から発せられた光を集光して検出領域に照射する投光レンズ15が配置されており、また、受光素子12の対面には、検出領域から到来する光を集光して受光素子12に導く受光レンズ16が配置されている。
【0022】
ケーブル1は回路基板に電気的に接続される電源ケーブルであり、先立って説明した図6に示す通り、複数の導線を撚った撚線4と、撚線4を個別に被覆した絶縁素材である絶縁被膜(第1の被覆体)3と、この絶縁被膜3を束ねて被覆した絶縁素材であるシース(第2の被膜体)2とから構成されている。
【0023】
図2は、本実施の形態1に係る光電センサ10にケーブル1を取り出すためのケーブル取り出し構造を示す図であり、ケーブル1に成形体20を設ける。この成形体20を構成する素材としては、例えば耐水性および耐油性を有する樹脂を用いる。成形体20(と後述する掛止部21)を射出成形で形成する場合、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)およびこれら樹脂のガラス繊維強化タイプ、ならびにエラストマ樹脂等が好ましい。トランスファ成形の場合、エポキシ樹脂等が好ましい。
【0024】
ケーブル1をケーブル取り出し構造に適用するために、先ず、ケーブル1の先端部においてシース2を剥がして絶縁被膜3を露出させ(領域A;第1の露出領域)、さらに領域Aにおいて絶縁被膜3の各2箇所(領域B1,B2)を剥がして撚線4を露出させる。そして、絶縁被膜3を露出させた端部A1から撚線4を露出させた領域B1(第1の露出領域)までを覆うように、成形体20をケーブル1に一体成形することで、ケーブル1と成形体20とを密着させて一体化する。ケーブル1の先端部の撚線4を露出させた領域B2は、筐体13内に収納されている回路基板に電気的に接続されることになる。
【0025】
また、図示例では、成形体20に、外側へ突出する形状の掛止部21を一体成形しておき、成形体20を筐体13のケーブル取り出し孔14に装着した際に掛止部21がケーブル取り出し孔14の縁に掛止して抜けを防止する構成にしている。ただし、成形体20を筐体13のケーブル取り出し孔14に固定する方法はこれに限定されるものではなく、成形体20に凹部を形成してケーブル取り出し孔14に嵌合する構成などにしてもよい。
【0026】
このような構成により、露出した撚線4とその周囲が成形体20に密着するため、シース2と絶縁被膜3との隙間、および絶縁被膜3と撚線4との隙間がそれぞれ封止されることになる。また、撚線4の各導線の隙間に樹脂が浸潤し、樹脂封止される。従って、シース2を浸透して当該シース2と絶縁被膜3との隙間に浸入した液体、および絶縁被膜3を浸透して当該絶縁被膜3と撚線4との隙間に浸入した液体が、筐体13内の回路基板に到達するのを阻止することができる。
さらに、シース2と成形体20との間の隙間も封止されているので、この隙間から筐体13内への液体の浸入も阻止することができる。
【0027】
また、成形体20を設けることにより、シース2および絶縁被膜3に油が浸透してもよいので、耐油性は低いが安価な軟質塩化ビニル製のケーブルを使用可能である。このケーブルを使用すれば光電センサ10全体も安価にできる。
なお、軟質塩化ビニル製のケーブルに代えて、耐油性の高いポリウレタン樹脂製のケーブルを使用してもよい。ただし、ポリウレタン樹脂製のケーブルは特定用途(油環境)には適しているが、高価であり、加えて一般的な用途では温度範囲および難燃性の要求を満足できないという性質がある。そのため、用途等に応じた素材のケーブル1を使用することが望ましい。
【0028】
さらに、成形体20によりケーブル1、絶縁被覆3、撚線4が一体成形で樹脂封止されることによりケーブル1の引き抜き強度が向上するので、ケーブル引き抜き強度に優れた製品を、品質のばらつき無く量産できる。
【0029】
なお、撚線4の導線に対する樹脂の浸潤度合い(浸潤の長さ、出来栄え等)を管理するために、一体成形の前処理として、予めエポキシ樹脂などを撚線4の露出した領域B1に塗布しておいてもよい。
【0030】
次に、ケーブル取り出し構造の別の例を説明する。
図3に示すケーブル取り出し構造において、成形体20aを、シース2を剥がして絶縁被膜3を露出させた領域Aの少なくとも端部A1を覆う第1成形体22を一次成形し、さらに、この第1成形体22の掛止部21より筐体13側に、シース2と絶縁被膜3を剥がして撚線4を露出させた領域B1を覆う第2成形体23を二次成形して構成する。これにより、ケーブル1と第1成形体22、ケーブル1と第2成形体23、および第1成形体22と第2成形体23をそれぞれ密着させて一体化している。
【0031】
この構成により、露出した絶縁被膜3とその周囲が第1成形体22に密着するため、シース2と絶縁被膜3との隙間が封止されることになる。また、露出した撚線4とその周囲が第2成形体23に密着するため、絶縁被膜3と撚線4との隙間が封止されることになる。さらに、撚線4において、各導線の隙間に樹脂が浸潤して隙間が封止される。従って、シース2を浸透して当該シース2と絶縁被膜3との隙間に浸入した液体、および絶縁被膜3を浸透して当該絶縁被膜3と撚線4との隙間に浸入した液体が、筐体13内の回路基板に到達するのを阻止することができる。
また、シース2と成形体20aとの間の隙間も封止されているので、この隙間から筐体13内への液体の浸入も阻止することができる。
さらに、図2に示す構造に比べ、図3に示す構造では、ケーブル1のシース2を剥がす端部A1から絶縁被膜3を剥がす領域B1までの距離が伸びるため、領域B1において絶縁被膜3を剥がす際の加工性が向上する利点がある。
【0032】
図4に示すケーブル取り出し構造において、成形体20bを、シース2を剥がして絶縁被膜3を露出させた領域Aの少なくとも端部A1を覆う第1成形体24をケーブル1の表面に一体成形し、さらに、シース2と絶縁被膜3を剥がして撚線4を露出させた領域B1を覆う第2成形体25をケーブル1の表面に一体成形して構成する。これにより、ケーブル1と第1成形体24、およびケーブル1と第2成形体25をそれぞれ密着させて一体化している。
図示例では、別々に形成した第1成形体24と第2成形体25の間を離間させたが、接触させてもよい。
【0033】
この構成により、露出した絶縁被膜3その周囲が第1成形体24に密着するため、シース2と絶縁被膜3との隙間が封止されることになる。また、露出した撚線4とその周囲が第2成形体25に密着するため、絶縁被膜3と撚線4との隙間が封止されることになる。また、撚線4において、各導線の隙間に樹脂が浸潤して隙間が封止される。従って、シース2を浸透して当該シース2と絶縁被膜3との隙間に浸入した液体、および絶縁被膜3を浸透して当該絶縁被膜3と撚線4との隙間に浸入した液体が、筐体13内の回路基板に到達するのを阻止することができる。
また、シース2と成形体20bとの間の隙間も封止されているので、この隙間から筐体13内への液体の浸入も阻止することができる。
さらに、図3と同様、図4に示す構造では、ケーブル1のシース2を剥がす端部A1から絶縁被膜3を剥がす領域B1までの距離が伸びるため、領域B1において絶縁被膜3を剥がす際の加工性が向上する利点がある。
また、図2と同様に、図3および図4に示す構造においても、露出した撚線4に予めエポキシ樹脂等を塗布しておいてもよい。
【0034】
なお、図2〜図4の例では、撚線4を露出させる領域B1が筐体13内に配置されるように成形体20,20a,20bを構成したが、筐体13より外に配置されるようにしてもよい。一例を図5に示す。
図5に示すケーブル取り出し構造において、成形体20cを、シース2を剥がして絶縁被膜3を露出させた領域Aの端部A1および撚線4を露出させた領域B1を覆うようにケーブル1の表面に一体成形する。このとき、掛止部21を領域B1,B2の間に配置する。この構成の場合にも、図2と同様の効果を有する。
【0035】
また、図2〜図5に示すケーブル取り出し構造を光電センサ10の筐体13に適用した場合、筐体13内への液体浸入を防止できるので、ひいては、液体が蒸発して投光レンズ15および受光レンズ16を曇らせセンサの光量低下などの誤動作を引き起こすことも防止できる。
【0036】
以上より、実施の形態1によれば、光電センサ10は、投光素子11などの電子部品を収納した筐体13と、筐体13に開設したケーブル取り出し孔14と、撚線4、絶縁被膜3およびシース2からなる電源用のケーブル1と、このケーブル1の電子部品に接続される先端部でシース2を剥がして絶縁被膜3が露出した領域Aとその端部A1に残ったシース2とを覆うと共に、領域Aであって電子部品に接続される領域B2とは異なる位置で絶縁被膜3を剥がして撚線4を露出した領域B1とその両端側に残った絶縁被膜3とを覆ってケーブル1に一体成形され、ケーブル取り出し孔14に装着される成形体20とを備えるように構成した。このため、成形体20により、シース2の内部を経由する液体の浸入を防ぐことができると共に、シース2の外径とケーブル取り出し孔14の孔径の微小な違いにより生じる隙間を封止することができる。さらに、撚線4の各導線の隙間も封止することができる。従って、筐体13内への液体浸入に起因した電源間の絶縁破壊などの回路基板の損傷、光学部品への悪影響による誤動作などを防止することができる。
【0037】
なお、上記実施の形態1では光電センサの筐体を例に用いてケーブル取り出し構造を説明したが、光電センサに限定されるものではなく、筐体に電子部品を内蔵し、この電子部品に接続されるケーブルを筐体から外部に引き出す構造の各種電子機器にも同様に適用可能である。また、筐体を水密に封止する必要のある電子機器に適用することが望ましいが、必ずしも封止を必要としない筐体にも適用可能である。
【0038】
また、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、上述した実施の形態の構成に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、撚線と、この撚線を被覆した絶縁素材からなる被覆体とを有するケーブルを用いて、このケーブルの被覆体を剥がして撚線を露出させ、この露出領域とその両端の被覆体とを覆うようにケーブルに成形体を一体成形してもよい。この構成の場合にも、被覆体とケーブル取り出し孔との間の隙間から筐体内への液体浸入を防止すると共に、被覆体を浸透してこの被覆体と撚線との隙間に浸入した液体が筐体内へ浸入するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ケーブル
2 シース(第2の被覆体)
3 絶縁被膜(第1の被覆体)
4 撚線
10 光電センサ
11 投光素子
12 受光素子
13 筐体
14 ケーブル取り出し孔
15 投光レンズ
16 受光レンズ
20,20a,20b,20c 成形体
21 掛止部
22,24 第1成形体
23,25 第2成形体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電子部品を収納する電子機器の筐体に、ケーブル取り出し孔が形成され、前記電子部品に接続されるケーブルを前記ケーブル取り出し孔から外部へ引き出すためのケーブル取り出し構造であって、
撚線と、当該撚線を被覆した絶縁素材からなる被覆体とを有するケーブルと、
前記ケーブルの前記電子部品に接続される先端部とは異なる位置で前記被覆体を剥がして前記撚線が露出した露出領域とその両端側に残った前記被覆体のうち、少なくとも前記露出領域に接する部分とを覆って前記ケーブルに一体成形され、前記筐体のケーブル取り出し孔に装着される成形体とを備えることを特徴とするケーブル取り出し構造。
【請求項2】
内部に電子部品を収納する電子機器の筐体に、ケーブル取り出し孔が形成され、前記電子部品に接続されるケーブルを前記ケーブル取り出し孔から外部へ引き出すためのケーブル取り出し構造であって、
複数の撚線と、当該撚線を個別に被覆した絶縁素材からなる第1の被覆体と、当該第1の被覆体を束ねて被覆した絶縁素材からなる第2の被覆体とを有するケーブルと、
前記ケーブルの前記電子部品に接続される先端部で前記第2の被覆体を剥がして前記第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った前記第2の被覆体のうち、少なくとも前記第1の露出領域に接する部分とを覆うと共に、前記第1の露出領域であって前記電子部品に接続される部位とは異なる位置で前記第1の被覆体を剥がして前記撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った前記第1の被覆体のうち、少なくとも前記第2の露出領域に接する部分とを覆って前記ケーブルに一体成形され、前記筐体のケーブル取り出し孔に装着される成形体とを備えることを特徴とするケーブル取り出し構造。
【請求項3】
成形体は、
第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った第2の被覆体とを覆う、一次成形によりケーブルに一体に成形された第1の成形体と、
撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った前記第1の被覆体とを覆う、二次成形により前記ケーブルおよび前記第1の成形体に一体に成形された第2の成形体とから構成されることを特徴とする請求項2記載のケーブル取り出し構造。
【請求項4】
成形体は、
第1の被覆体が露出した第1の露出領域とその一端側に残った第2の被覆体とを覆ってケーブルに一体に成形された第1の成形体と、
撚線が露出した第2の露出領域とその両端側に残った前記第1の被覆体とを覆って前記ケーブルに一体に成形された第2の成形体とから構成され、
前記第1の成形体と前記第2の成形体とは別体であることを特徴とする請求項2記載のケーブル取り出し構造。
【請求項5】
露出した撚線の導線の隙間が樹脂封止されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のケーブル取り出し構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のケーブル取り出し構造を用いて、電源ケーブルを筐体から外部へ引き出したことを特徴とする光電スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−41739(P2013−41739A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177532(P2011−177532)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】