説明

ケーブル探索システムおよび発光タグ装置

【課題】所望のケーブルを短時間で探索することができる。
【解決手段】読み取り装置20の無線送信部は、探索対象の光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を送信する。発光タグ30の記憶部は、取り付けられている光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を記憶する。発光タグ30の無線受信部は、読み取り装置20から送信されるケーブル識別子を受信する。発光タグ30の発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を無線受信部が受信すると発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望のケーブルを探索するケーブル探索システムおよび発光タグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルなどの配線作業を実施する際、多数のケーブルが束になっている状況において所望のケーブルを探索することは難しい。従来は番号や記号などの識別子が記入されたプラスチック板などのタグを各ケーブルに取り付けておき、探索時に作業者が番号や記号などの識別子を目で見て所望のケーブルを探索する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−328344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者がタグに記入されている番号や記号などの識別子を目で見て探索する方法は、ケーブルが多いときにはケーブル探索に時間がかかってしまう問題がある。さらに、タグの向きによっては見えづらくなることもあり、さらにケーブル探索に時間がかかってしまうことがある。また、作業者がタグに書かれた識別子を読み取るためには、識別子の文字をある程度大きくする必要がある。そのため、タグを小さくすることが困難であり、光ファイバ心線といった細いケーブルには適用しづらい。
【0005】
また、作業者が読取り可能なタグの代わりに、識別子を無線で送信するRFタグや2次元バーコードを取り付けておく方法もあるが、この場合作業者は識別子を目で見て読み取ることができないため、ケーブルごとのRFタグまたは2次元バーコードを読み取り機で順次読み取り、読み取り機に表示された情報を確認することで所望のケーブルを探す必要があり、短時間で探索することは難しい。
【0006】
本発明は、所望のケーブルを短時間で探索することができるケーブル探索システムおよび発光タグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を送信する送信部を備えた読み取り装置と、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子を記憶する記憶部と、前記読み取り装置から送信される前記ケーブル識別子を受信する受信部と、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると発光する発光部と、を備えた発光タグ装置と、を含むことを特徴とするケーブル探索システムである。
【0008】
この構成によれば、読み取り装置の送信部は、探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を送信する。また、発光タグ装置の記憶部は、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶しており、発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を受信部が受信すると発光する。これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部が発光するため、発光部が発光する光を頼りに探索対象のケーブルを探索することができるので、短時間で探索対象のケーブルを探索することができる。
【0009】
また、本発明のケーブル探索システムにおいて、前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部が発光する長さと回数とを指定する発光パターンを記憶し、前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光パターンの指定に基づいて発光することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、タグ装置の記憶部は、自装置が取り付けられているケーブルの状態を一意に特定する、発光部が発光する長さと回数とを指定する発光パターンを記憶しており、発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を受信部が受信すると、記憶部が記憶する発光パターンの指定に基づいて発光する。これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部は、取り付けられているケーブルの状態を一意に特定する発光パターンで発光する。従って、ケーブルの探索作業を行うと同時に、探索したいケーブルの状態を把握することができる。
【0011】
また、本発明のケーブル探索システムにおいて、前記送信部は、接続させる1対の前記ケーブルのうち、一方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子と、他方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子とを送信することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、読み取り装置の送信部は、接続させる1対のケーブルのうち、一方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子と、他方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子とを送信する。また、発光タグ装置の記憶部は、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶しており、発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を受信部が受信すると発光する。これにより、接続させる一対のケーブルのうち、一方のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部と、他方のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部とが発光するため、発光部が発光する光を頼りに接続させる一対のケーブルを探索することができるので、短時間で接続させる一対のケーブルを探索することができる。
【0013】
また、本発明のケーブル探索システムにおいて、前記読み取り装置は、接続先のケーブルを一意に特定する接続先識別子と、当該接続先のケーブルに接続させる前記ケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子とを関連付けて記憶する接続先記憶部と、前記接続先識別子が入力される入力部と、前記入力された前記接続先識別子と関連付けて前記接続先記憶部が記憶している前記ケーブル識別子を前記送信部に送信させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、読み取り装置の接続先記憶部は、接続先のケーブルを一意に特定する接続先識別子と、接続先のケーブルに接続させるケーブルを一意に特定するケーブル識別子とを関連付けて記憶する。また、読み取り装置の制御部は、入力部に入力された接続先識別子と関連付けて接続先記憶部が記憶しているケーブル識別子を送信部に送信させる。また、発光タグ装置の記憶部は、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶しており、発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を受信部が受信すると発光する。これにより、接続させるケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部が発光するため、発光部が発光する光を頼りに接続させるケーブルを探索することができるので、短時間で接続させるケーブルを探索することができる。
【0015】
また、本発明は、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶する記憶部と、読み取り装置から送信される、探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を受信する受信部と、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると発光する発光部と、を備えたことを特徴とする発光タグ装置である。
【0016】
この構成によれば、記憶部は、自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶する。また、受信部は、読み取り装置から送信される、探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を受信する。また、発光部は、記憶部が記憶するケーブル識別子と同一のケーブル識別子を受信部が受信すると発光する。これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部が発光するため、発光部が発光する光を頼りに探索対象のケーブルを探索することができるので、短時間で探索対象のケーブルを探索することができる。
【0017】
また、本発明の発光タグ装置において、前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部が発光する長さと回数とを指定する発光パターンを記憶し、前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光パターンの指定に基づいて発光することを特徴とする。
【0018】
これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部は、取り付けられているケーブルの状態を一意に特定する発光パターンで発光する。従って、ケーブルの探索作業を行うと同時に、探索したいケーブルの状態を把握することができる。
【0019】
また、本発明の発光タグ装置において、前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する色を指定する色情報を記憶し、前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記色情報で指定される色を発光することを特徴とする。
【0020】
これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部は、取り付けられているケーブルの状態を一意に特定する色を発光する。従って、ケーブルの探索作業を行うと同時に、探索したいケーブルの状態を把握することができる。
【0021】
また、本発明は、複数の前記発光部を備え、前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部の発光と消灯とを指定する発光消灯パターンを記憶し、前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光消灯パターンの指定に基づいて発光することを特徴とする発光タグ装置である。
【0022】
これにより、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の複数の発光部は、取り付けられているケーブルの状態を一意に特定する発光消灯パターンの指定に基づいて発光する。従って、ケーブルの探索作業を行うと同時に、探索したいケーブルの状態を把握することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、探索対象のケーブルに取り付けられている発光タグ装置の発光部が発光するため、発光部が発光する光を頼りに探索対象のケーブルを探索することができるので、短時間で探索対象のケーブルを探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における読み取り装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における発光タグの構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態において、発光タグの発光部が、光ファイバ心線の使用可否情報に対応して発光する発光パターンを示した説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における発光タグの記憶部が記憶する内容の例を示した説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における発光タグの動作手順を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態において、発光タグの発光部が、光ファイバ心線の使用可否情報に対応して発光する色を示した説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における複数の発光部を備えた発光タグの外観図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において、発光タグの発光部が、光ファイバ心線の使用可否情報に対応して発光および消灯する発光消灯パターンを示した説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における読み取り装置の記憶部が記憶するケーブル識別子の組み合わせの例を示した説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。
【図14】本発明の第4の実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における読み取り装置の記憶部が記憶するケーブル識別子の組み合わせの例を示した説明図である。
【図16】本発明の第4の実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明のケーブル探索システムの第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。図示する例では、ケーブル探索システムは、光コネクタプラグ110に取り付けられた発光タグ30と、読み取り装置20とを含んでいる。
【0026】
光ファイバケーブル10は、複数の光ファイバ心線100を備えている。光ファイバ心線100は、光によって信号の転送を行う通信ケーブルである。なお、各光ファイバ心線100を一意に特定することができるケーブル識別子が予め決められており、ケーブル識別子を特定することで、光ファイバ心線100を一意に特定することができる。光ファイバ心線100の先端には光コネクタプラグ110が取り付けられている。光コネクタプラグ110は、他の装置(例えば、光伝送装置)または他の光ファイバ心線に取り付けられている光コネクタアダプタと接続するための部品である。光コネクタプラグ110には、発光タグ30が取り付けられている。
【0027】
発光タグ30は、発光部340を備えている。発光部340は発光ダイオードなどの発光素子であり、作業員に情報を伝えるために発光する。また、発光タグ30は、取り付けられている光コネクタプラグ110が取り付けられている光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を予め記憶している。発光タグ30の構成については後述する。
【0028】
読み取り装置20は、探索する光ファイバ心線100の光コネクタプラグ110に取り付けられている発光タグ30(以下、光ファイバ心線100に取り付けられている発光タグ30と記述する)の発光部340を発光させるためのデータを送信する装置である。読み取り装置20の構成と、発光タグ30の発光部340を発光させる方法については後述する。
【0029】
次に、読み取り装置20の構成について説明する。図2は、本実施形態における読み取り装置20の構成を示したブロック図である。図示する例では、読み取り装置20は、制御部210と、無線送信部220と、入力部230と、表示部240と、記憶部250とを備える。制御部210は、読み取り装置20が備える各部の制御を行う。無線送信部220は、発光タグ30に無線通信にてデータを送信する。入力部230は、キーボードを備え、入力を受け付ける。表示部240は、例えば液晶ディスプレイであり、情報を表示する。記憶部250は、例えばRAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)であり、読み取り装置20の各部の動作で必要な情報を記憶する。また、読み取り装置20は、各部の動作に必要な電力を供給する図示せぬ電力供給部(例えば電池)を備えている。
【0030】
次に、発光タグ30の構成について説明する。図3は、本実施形態における発光タグ30の構成を示したブロック図である。図示する例では、発光タグ30は、制御部310と、無線受信部320と、発光部340と、記憶部350とを備える。制御部310は、発光タグ30が備える各部の制御を行う。無線受信部320は、読み取り装置20から無線通信にて送信されるデータを受信する。発光部340は、例えば発光ダイオードであり、制御部310の制御により発光する。記憶部350は、例えばRAMであり、発光タグ30の各部の動作で必要な情報を記憶する。また、発光タグ30の記憶部350には、上述した光ファイバ心線100を一意に特定することができるケーブル識別子が予め記憶されている。なお、発光タグ30の動作および発光部340の発光のための電力は、発光タグ30に電池を内蔵して電池が供給するようにしてもよく、RFタグのように読み取り装置20から供給するようにしてもよい。
【0031】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作について説明する。なお、読み取り装置20から送信されるケーブル識別子(発光タグ30の発光部340を発光させるためのデータ)を発光タグ30の無線受信部320が受信していない場合、発光タグ30の発光部340は消灯している。
【0032】
初めに、作業者は、読み取り装置20の入力部230に、探索したい光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力部230に入力されたケーブル識別子を記憶部250に記憶させる。なお、作業者が読み取り装置20の入力部230にケーブル識別子を入力する入力作業は、光ファイバケーブル10が設置されている作業現場で行ってもよいし、別の場所で予め行っていてもよい。また、入力部230がUSBコネクタやメモリカードリーダや通信コネクタ等を備える構成とし、USBケーブルや、メモリカードや、通信回線を介して入力部230にケーブル識別子を入力するようにしてもよい。
【0033】
続いて、作業者は、読み取り装置20が、記憶部250に記憶しているケーブル識別子を発光タグ30に送信するように、読み取り装置20の入力部230の操作を行う。この操作により、読み取り装置20の制御部210は、記憶部250が記憶しているケーブル識別子を、無線送信部220に送信させる。すなわち、読み取り機20は、探索対象の光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を発光タグ30に送信する。
【0034】
発光タグ30の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子を受信する。発光タグ30の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する(照合する)。制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であると判定した場合には、発光部340を発光させ、それ以外の場合には、発光部340を消灯したままとする。また、制御部310は、発光部340を発光させた場合、一定時間経過後(例えば、5秒後)に発光部340を消灯させる。
【0035】
これにより、作業者が探索したい光ファイバ心線100に取り付けられている発光タグ30の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光を頼りに光ファイバ心線100を探索することができるので、短時間で探索したい光ファイバ心線100を探索することができる。
【0036】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例について説明する。図4は、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。図示する例では、光ファイバケーブル10は、7本の光ファイバ心線100−1〜100−7を含んでいる。光ファイバ心線100−1〜100−7には、光コネクタプラグ110−1〜110−7が取り付けられている。光コネクタプラグ110−1〜110−7には、発光タグ30−1〜30−7が取り付けられている。発光タグ30−1の記憶部350は、光ファイバ心線100−1を一意に特定するケーブル識別子「00A」を記憶している。また、発光タグ30−2の記憶部350は、光ファイバ心線100−2を一意に特定するケーブル識別子「00B」を記憶している。他の発光タグ30−3〜30−7の記憶部350が記憶しているケーブル識別子は図示するとおりである。
【0037】
この構成において、作業者は、ケーブル識別子「00C」で一意に特定することができる光ファイバ心線100−3を探索したい場合、読み取り装置20の入力部230に、探索したい光ファイバ心線100−3を一意に特定するケーブル識別子「00C」を入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力部230に入力されたケーブル識別子「00C」を記憶部250に記憶させる。
【0038】
続いて、作業者は、読み取り装置20が、記憶部250に記憶しているケーブル識別子「00C」を発光タグ30−1〜30−7に送信するように、読み取り装置20の入力部230の操作を行う。この操作により、読み取り装置20の無線送信部220は、記憶部250が記憶しているケーブル識別子「00C」を発光タグ30−1〜30−7に送信する。
【0039】
発光タグ30−1〜30−7の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子「00C」を受信する。発光タグ30−1〜30−7の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00C」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一であるか否かを判定する。
【0040】
発光タグ30−3の記憶部350は、ケーブル識別子「00C」を記憶している。そのため、発光タグ30−3の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00C」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00C」とが同一であると判定する。そのため、発光タグ30−3の制御部350は、発光部340を発光させ、一定時間経過後に発光部340を消灯させる。
【0041】
一方、発光タグ30−1の記憶部350は、ケーブル識別子「00A」を記憶している。そのため、発光タグ30−1の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00C」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00A」とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−1の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。なお、発光タグ30−2,30−4〜30−7についても、発光タグ30−1と同様に、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−2,30−4〜30−7の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。
【0042】
これにより、作業者が探索したい光ファイバ心線100−3に取り付けられている発光タグ30−3の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30−3の発光部340が発光する光を頼りに光ファイバ心線100−3を探索することができるので、短時間で探索したい光ファイバ心線100−3を探索することができる
【0043】
上述したとおり、本実施形態のケーブル探索システムによれば、作業者が、探索したい光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を読み取り装置20に入力し、ケーブル識別子を読み取り装置20から発光タグ30に送信させる。発光タグ30は、予め記憶されているケーブル識別子と読み取り装置20から送信されたケーブル識別子とが同一の場合、発光部340を発光させる。これにより、作業者が探索したい光ファイバ心線100に取り付けられている発光タグ30の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光を頼りに光ファイバ心線100を探索することができるので、短時間で探索したい光ファイバ心線100を探索することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、記憶部350が記憶しているケーブル識別子と同一のケーブル識別子が読み取り装置20から送信された場合、発光タグ30の発光部340は、取り付けられている光ファイバ心線100の使用可否情報に対応した発光を行う。なお、読み取り装置20と、発光タグ30と、光ファイバケーブル10と、光ファイバ心線100と、光コネクタプラグ110との構成は、第1の実施形態の各装置と同様の構成である。
【0045】
図5は、本実施形態において、発光タグ30の発光部340が、光ファイバ心線100の使用可否情報に対応して発光する発光パターンを示した説明図である。図示する例では、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が未使用中である場合(使用可否情報が未使用中である場合)の発光パターンは、8秒間発光することを示している。この発光パターンを「8秒間発光パターン」とする。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が使用予約中である場合の発光パターンは、3秒間発光し、その後1秒間消灯し、その後3秒間発光することを示している。この発光パターンを「3秒間発光1秒間消灯パターン」とする。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が故障中である場合の発光パターンは、8秒間の間1秒毎に発光と消灯を繰り返すことを示している。この発光パターンを「1秒間発光1秒間消灯パターン」とする。
【0046】
発光タグ30の記憶部350は、ケーブル識別子と発光パターンとを記憶している。図6は、本実施形態における発光タグ30の記憶部350が記憶する内容の例を示した説明図である。図示する例は、発光タグ30の記憶部350は、ケーブル識別子「00A」と、発光パターン「8秒間発光」とを記憶している。なお、発光タグ30の記憶部350に発光パターンを記憶させる方法としては、操作者は読み取り装置20に使用可否情報を入力し、読み取り装置20は入力された使用可否情報に対応した発光パターンを発光タグ30に送信し、発光タグ30の記憶部350は、送信された発光パターンを記憶する方法がある。また、発光タグ30の製造時などに、既定の使用可否情報に対応した発光パターン(例えば、未使用中に対応する「8秒間発光パターン」)を記憶部350に記憶させる方法がある。
【0047】
次に、本実施形態における発光タグ30の動作について説明する。図7は本実施形態における発光タグ30の動作手順を示したフローチャートである。なお、読み取り装置20から送信されるケーブル識別子を発光タグ30の無線受信部320が受信していない場合、発光タグ30の発光部340は消灯している。
【0048】
(ステップS101)発光タグ30の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子を受信する。その後、ステップS102の処理に進む。なお、読み取り装置20がケーブル識別子を送信する手順は第1の実施形態と同様の手順である。
(ステップS102)発光タグ30の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する(照合する)。その後、ステップS103の処理に進む。
【0049】
(ステップS103)制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であると判定した場合には、ステップS104の処理に進み、それ以外の場合には処理を終了する。
【0050】
(ステップS104)制御部310は、記憶部350が記憶している発光パターンを読み出す。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)制御部310は、ステップS104で読み出した発光パターンに基づいて発光部340を発光させる。その後、処理を終了する。例えば、図6に示したように発光パターン「8秒間発光パターン」を記憶部350が記憶している場合、制御部310は、発光部340を8秒間発光させる。
【0051】
これにより、発光タグ30の発光部340は、取り付けられている光ファイバ心線100の使用可否情報に対応した発光パターンで発光する。そのため、作業者は、予め使用可否情報と発光パターンの対応を把握しておくことで、ケーブルの探索作業を行うと同時に、探索したい光ファイバ心線100の使用可否情報を把握することができる。
【0052】
なお、使用可否情報の代わりに、光ファイバ心線100の用途(例えば、一般サービス用や試験用など)や、光ファイバ心線100の接続先(例えば、Aさん宅やBさん宅など)や、工事実施者(例えば、工事会社Xや工事会社Yなど)などの情報と発光パターンとを対応させることも可能である。
【0053】
また、発光タグ30の発光部340の発光パターンによって使用可否情報を表したが、発光部340が発光する色で使用可否情報を表すようにしてもよい。この場合、発光部340は、複数種類の色を発光することができる発光素子とする。図8は、本実施形態において、発光タグ30の発光部340が、光ファイバ心線100の使用可否情報に対応して発光する色を示した説明図である。
【0054】
図示する例では、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が未使用中である場合(使用可否情報が未使用中である場合)の発光色は、黄色であることを示している。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が使用予約中である場合の発光色は、青色であることを示している。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が故障中である場合の発光色は、赤色であることを示している。
【0055】
また、発光タグ30の発光部340の発光パターンによって使用可否情報を表したが、発光タグ30は複数の発光部340を備え、複数の発光部340の点灯および消灯によって使用可否情報を表すようにしてもよい。図9は、本実施形態における複数の発光部340を備えた発光タグ30の外観図である。図示する例では、発光タグ30は、光ファイバ心線100に取り付けられた光コネクタプラグ110に取り付けられており、3つの発光部340を備えている。
【0056】
図10は、本実施形態において、発光タグ30の発光部340が、光ファイバ心線100の使用可否情報に対応して発光および消灯する発光消灯パターンを示した説明図である。図示する例では、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が未使用中である場合の発光消灯パターンは、1つの発光部340が発光し、2つの発光部340が消灯するパターンであることを示している。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が使用予約中である場合の発光消灯パターンは、2つの発光部340が点灯し、1つの発光部340が消灯するパターンであることを示している。また、発光タグ30が取り付けられている光ファイバ心線100が故障中である場合の発光消灯パターンは、3つの発光部340が点灯するパターンであることを示している。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、複数の光コネクタアダプタと複数の光コネクタプラグがある状況において、接続する組み合わせの光コネクタアダプタと光コネクタプラグとを探索するためのケーブル探索システムについて説明する。
【0058】
図11は、本実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。図示する例では、ケーブル探索システムは、光コネクタプラグ110に取り付けられている発光タグ30と、光コネクタアダプタ410に取り付けられている発光タグ50と、読み取り装置20とを含んでいる。なお、読み取り装置20と、発光タグ30と、光ファイバケーブル10と、光ファイバ心線100と、光コネクタプラグ110との構成は、第1の実施形態の各装置と同様の構成である。
【0059】
光ファイバケーブル40は、複数の光ファイバ心線400を備えている。光ファイバ心線400は、光によって信号の転送を行う通信ケーブルである。光ファイバ心線400の先端には光コネクタアダプタ410が取り付けられている。光コネクタアダプタ410は、光ファイバ心線100に取り付けられている光コネクタプラグ110と接続するための部品である。光コネクタアダプタ410には、発光タグ50が取り付けられている。発光タグ50の構成は、発光タグ30と同様の構成である。発光タグ50の記憶部350には、取り付けられている光ファイバ心線400を一意に特定するケーブル識別子が記憶されている。
【0060】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作について説明する。なお、読み取り装置20から送信されるケーブル識別子を発光タグ30,50の無線受信部320が受信していない場合、発光タグ30,50の発光部340は消灯している。
【0061】
初めに、作業者は、読み取り装置20の入力部230に、接続する光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子と、接続する光ファイバ心線400を一意に特定するケーブル識別子との組み合わせを1組以上入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力部230に入力されたケーブル識別子の組み合わせを記憶部250に記憶させる。なお、作業者が読み取り装置20の入力部230にケーブル識別子を入力する入力作業は、光ファイバケーブル10が設置されている作業現場で行ってもよいし、他の場所で予め行っていてもよい。また、入力部230がUSBコネクタやメモリカードリーダや通信コネクタ等を備える構成とし、USBケーブルや、メモリカードや、通信回線を介して入力部230にケーブル識別子を入力するようにしてもよい。
【0062】
図12は、本実施形態における読み取り装置20の記憶部250が記憶するケーブル識別子の組み合わせの例を示した説明図である。ケーブル識別子の組み合わせは、光コネクタアダプタ410のケーブル識別子(光コネクタアダプタ410が取り付けられている光ファイバ心線400を一意に特定するケーブル識別子)と、光コネクタプラグ110のケーブル識別子(光コネクタプラグ110が取り付けられている光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子)との組み合わせである。図示する例は、読み取り装置20の記憶部250は、組み合わせ(1)として、光コネクタアダプタ410のケーブル識別子「00K」と、光コネクタプラグ110のケーブル識別子「00P」とを記憶している。その他の組み合わせについては図示するとおりである。
【0063】
続いて、作業者は、読み取り装置20が、記憶部250に記憶しているケーブル識別子の組み合わせのうち、接続する光ファイバ心線100のケーブル識別子と接続する光ファイバ心線400のケーブル識別子との組み合わせを発光タグ30,50に送信するように、読み取り装置20の入力部230の操作を行う。この操作により、読み取り装置20の制御部210は、記憶部250が記憶しているケーブル識別子の組み合わせを無線送信部220に送信させる。
【0064】
発光タグ30,50の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子の組み合わせを受信する。発光タグ30,50の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子の組み合わせに含まれているケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されている自身に付与されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する(照合する)。制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子の組み合わせに含まれているケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一であると判定した場合には、発光部340を発光させ、それ以外の場合には、発光部340を消灯したままとする。また、制御部310は、発光部340を発光させた場合、一定時間経過後(例えば、5秒後)に発光部340を消灯させる。
【0065】
これにより、接続させる光ファイバ心線400に取り付けられている光コネクタアダプタ410に取り付けられている発光タグ50の発光部340と、接続させる光ファイバ心線100に取り付けられている光コネクタプラグ110に取り付けられている発光タグ30の発光部340とが発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光と、発光タグ50の発光部340が発光する光とを頼りに、接続する光ファイバ心線100と接続する光ファイバ心線400とを探索することができるので、接続する光ファイバ心線100と光ファイバ心線400とを短時間で探索することができる。
【0066】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例について説明する。図13は、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。図示する例では、光ファイバケーブル10は、4本の光ファイバ心線100−11〜100−14を含んでいる。光ファイバ心線100−11〜100−14には、光コネクタプラグ110−11〜110−14が取り付けられている。光コネクタプラグ110−11〜110−14には、発光タグ30−11〜30−14が取り付けられている。発光タグ30−11の記憶部350には、光ファイバ心線100−11を一意に特定するケーブル識別子「00P」が記憶されている。他の発光タグ30−12〜30−14の記憶部350に記憶されているケーブル識別子は図示するとおりである。
【0067】
また、光ファイバケーブル40は、4本の光ファイバ心線400−11〜400−14を含んでいる。光ファイバ心線400−11〜400−14には、光コネクタアダプタ410−11〜410−14が取り付けられている。光コネクタアダプタ410−11〜410−14には、発光タグ50−11〜50−14が取り付けられている。発光タグ50−11の記憶部350には、光ファイバ心線400−11を一意に特定するケーブル識別子「00K」が記憶されている。他の発光タグ50−12〜50−14の記憶部350が記憶しているケーブル識別子は図示するとおりである。
【0068】
この構成において、作業者は、図12に示した組み合わせ(3)で特定される光コネクタアダプタ410−13(光ファイバ心線400−13)と光コネクタプラグ110−13(光ファイバ心線100−13)とを接続させたい場合、組み合わせ(3)を指定して、光コネクタアダプタ410−13のケーブル識別子「00M」と光コネクタプラグ110−13のケーブル識別子「00R」とを発光タグ30−11〜30−14,50−11〜50−14に送信するように、読み取り装置20の入力部230の操作を行う。この操作により、読み取り装置20の制御部210は、無線送信部220に、組み合わせ(3)として記憶部250が記憶しているケーブル識別子「00M」とケーブル識別子「00R」とを発光タグ30−11〜30−14,50−11〜50−14に対して送信させる。
【0069】
発光タグ30−11〜30−14,50−11〜50−14の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子「00M」とケーブル識別子「00R」とを受信する。発光タグ30−11〜30−14,50−11〜50−14の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00M」または「00R」と、予め記憶部350に記憶されている自身に付与されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する。
【0070】
光コネクタプラグ110−13に取り付けられている発光タグ30−13の記憶部350は、ケーブル識別子「00R」を記憶している。そのため、発光タグ30−13の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00R」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00R」とが同一の識別子であると判定する。そのため、発光タグ30−13の制御部350は、発光部340を発光させ、一定時間経過後に発光部340を消灯させる。
【0071】
また、光コネクタアダプタ410−13に取り付けられている発光タグ50−13の記憶部350は、ケーブル識別子「00M」を記憶している。そのため、発光タグ50−13の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00M」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00M」とが同一の識別子であると判定する。そのため、発光タグ50−13の制御部350は、発光部340を発光させ、一定時間経過後に発光部340を消灯させる。
【0072】
一方、光コネクタプラグ110−11に取り付けられている発光タグ30−11の記憶部350は、ケーブル識別子「00P」を記憶している。そのため、発光タグ30−11の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00M」と予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00P」とが同一ではないと判定する。また、発光タグ30−11の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00R」と予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00P」とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−11の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。なお、発光タグ30−12,30−14,50−11,50−12,50−14についても、発光タグ30−11と同様に、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されている自身に付与されているケーブル識別子とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−12,30−14,50−11,50−12,50−14の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。
【0073】
これにより、接続させる光ファイバ心線100−13に取り付けられている発光タグ30−13の発光部340と、接続される光ファイバ心線400−13に取り付けられている発光タグ50−13の発光部340とが発光する。従って、作業者は、発光タグ30−13の発光部340が発光する光と、発光タグ50−13の発光部340が発光する光とを頼りに、接続する光ファイバ心線100−13と接続する光ファイバ心線400−13とを探索することができるので、接続する光ファイバ心線100−13と光ファイバ心線400−13とを短時間で探索することができる。
【0074】
上述したとおり、本実施形態のケーブル探索システムによれば、作業者は、接続させる光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子と、接続させる光ファイバ心線400を一意に特定するケーブル識別子とを読み取り装置20に送信させる。発光タグ30,50は、予め記憶されているケーブル識別子と読み取り装置20から送信されたケーブル識別子とが同一の場合、発光部340を発光させる。これにより、接続させる光ファイバ心線400に取り付けられている発光タグ50の発光部340と、接続させる光ファイバ心線100に取り付けられている発光タグ30の発光部340とが発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光と、発光タグ50の発光部340が発光する光とを頼りに、接続する光ファイバ心線100と接続する光ファイバ心線400とを探索することができるので、接続する光ファイバ心線100と光ファイバ心線400とを短時間で探索することができる。
【0075】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、複数の光コネクタプラグが存在する状況において、ある1つの光コネクタアダプタに接続させる光コネクタプラグを探索するためのケーブル探索システムについて説明する。
【0076】
図14は、本実施形態におけるケーブル探索システムの構成を示した概略図である。図示する例では、ケーブル探索システムは、光コネクタプラグ110に取り付けられている発光タグ30と、読み取り装置20とを含んでいる。なお、読み取り装置20と、発光タグ30と、光ファイバケーブル10と、光ファイバ心線100と、光コネクタプラグ110との構成は、第1の実施形態の各装置と同様の構成である。
【0077】
光ファイバケーブル60は、光ファイバ心線600を備えている。光ファイバ心線600は、光によって信号の転送を行う通信ケーブルである。光ファイバ心線600の先端には光コネクタアダプタ610が取り付けられている。光コネクタアダプタ610は、光ファイバ心線100に取り付けられている光コネクタプラグ110と接続するための部品である。また、光ファイバ心線600には、プラスチックタグ620が取り付けられている。プラスチックタグ620には、光ファイバ心線600を一意に特定するケーブル識別子が記載されている。
【0078】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作について説明する。なお、読み取り装置20から送信されるケーブル識別子を発光タグ30の無線受信部320が受信していない場合、発光タグ30の発光部340は消灯している。
【0079】
初めに、作業者は、読み取り装置20の入力部230に、接続先の光ファイバ心線600を一意に特定するケーブル識別子(接続先識別子)と、接続させる光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子との組み合わせを1組以上入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力部230に入力されたケーブル識別子の組み合わせを記憶部250(接続先記憶部)に記憶させる。なお、作業者が読み取り装置20の入力部230にケーブル識別子を入力する入力作業は、光ファイバケーブル10が設置されている作業現場で行ってもよいし、他の場所で予め行っていてもよい。また、入力部230がUSBコネクタやメモリカードリーダや通信コネクタ等を備える構成とし、USBケーブルや、メモリカードや、通信回線を介して入力部230にケーブル識別子を入力するようにしてもよい。
【0080】
図15は、本実施形態における読み取り装置20の記憶部250が記憶するケーブル識別子の組み合わせの例を示した説明図である。図示する例は、読み取り装置20の記憶部250は、光コネクタアダプタ610(光ファイバ心線600)のケーブル識別子「00K」と、光コネクタプラグ110(光ファイバ心線100)のケーブル識別子「00P」とを関連付けて記憶している。その他の組み合わせについては図示するとおりである。
【0081】
続いて、作業者は、接続先の光ファイバ心線600に取り付けられているプラスチックタグ620に記入されているケーブル識別子を読み取り、読み取ったケーブル識別子(接続先識別子)を読み取り装置20の入力部230に入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力されたケーブル識別子と関連付けて記憶部250が記憶しているケーブル識別子を検索し、検索したケーブル識別子を発光タグ30に無線送信部220を介して送信する。
【0082】
発光タグ30の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子を受信する。発光タグ30の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する(照合する)。制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であると判定した場合には、発光部340を発光させ、それ以外の場合には、発光部340を消灯したままとする。また、制御部310は、発光部340を発光させた場合、一定時間経過後(例えば、5秒後)に発光部340を消灯させる。
【0083】
これにより、接続先の光ファイバ心線600に接続させる光ファイバ心線100に取り付けられた発光タグ30の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光を頼りに、接続させる光ファイバ心線100を探索することができるので、短時間で接続させる光ファイバ心線100を探索することができる。
【0084】
次に、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例について説明する。図16は、本実施形態におけるケーブル探索システムの動作の具体例を示した概略図である。図示する例では、光ファイバケーブル10は、4本の光ファイバ心線100−21〜100−24を含んでいる。光ファイバ心線100−21〜100−24には、光コネクタプラグ110−21〜110−24が取り付けられている。光コネクタプラグ110−21〜110−24には、発光タグ30−21〜30−24が取り付けられている。発光タグ30−21の記憶部350には、光ファイバ心線100−21を一意に特定するケーブル識別子「00P」が記憶されている。他の発光タグ30−22〜30−24の記憶部350に記憶されているケーブル識別子は図示するとおりである。また、光ファイバケーブル60は、1本の光ファイバ心線600を含んでいる。光ファイバ心線600には、プラスチックタグ620が取り付けられている。プラスチックタグ620には、光ファイバ心線600を一意に特定するケーブル識別子「00M」が記入されている。
【0085】
作業者は、光ファイバ心線600に接続させる光ファイバ心線100−23を探索する場合、光ファイバ心線600に取り付けられているプラスチックタグ620に記入されているケーブル識別子「00M」を読み取り、読み取ったケーブル識別子「00M」を読み取り装置20の入力部230に入力する。読み取り装置20の制御部210は、入力されたケーブル識別子「00M」と関連付けて記憶部250が記憶しているケーブル識別子「00R」を検索し、検索したケーブル識別子「00R」を発光タグ30−21〜30−24に無線送信部220を介して送信する。
【0086】
発光タグ30−21〜30−24の無線受信部320は、読み取り装置20から送信されたケーブル識別子「00R」を受信する。発光タグ30−21〜30−24の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00R」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一の識別子であるか否かを判定する。
【0087】
光ファイバ心線100−23に取り付けられている発光タグ30−23の記憶部350は、ケーブル識別子「00R」を記憶している。そのため、発光タグ30−23の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00R」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00R」とが同一であると判定する。そのため、発光タグ30−23の制御部350は、発光部340を発光させ、一定時間経過後に発光部340を消灯させる。
【0088】
一方、光コネクタプラグ110−21に取り付けられている発光タグ30−21の記憶部350は、ケーブル識別子「00P」を記憶している。そのため、発光タグ30−21の制御部310は、無線受信部320が受信したケーブル識別子「00R」と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子「00P」とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−21の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。なお、発光タグ30−22,30−24についても、発光タグ30−21と同様に、無線受信部320が受信したケーブル識別子と、予め記憶部350に記憶されているケーブル識別子とが同一ではないと判定する。そのため、発光タグ30−22,30−24の制御部350は、発光部340を消灯したままとする。
【0089】
これにより、接続先の光コネクタアダプタ610に接続させる光ファイバ心線100−23に取り付けられている発光タグ30−23の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30−23の発光部340が発光する光を頼りに、接続させる光ファイバ心線100−23を探索することができるので、短時間で探索したい光ファイバ心線100を探索することができる。
【0090】
上述したとおり、読み取り装置20は、接続先の光ファイバ心線600を一意に特定するケーブル識別子と、この光ファイバ心線600に接続させる光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子とを関連付けて記憶している。また、読み取り装置20は、作業者によって入力される接続先の光ファイバ心線600を一意に特定するケーブル識別子と関連付けて記憶している光ファイバ心線100を一意に特定するケーブル識別子を発光タグ30に送信する。これにより、接続先の光ファイバ心線600に接続させる光ファイバ心線100に取り付けられている発光タグ30の発光部340が発光する。従って、作業者は、発光タグ30の発光部340が発光する光を頼りに、接続先の光ファイバ心線600に接続させる光ファイバ心線100を探索することができるので、短時間で接続させる光ファイバ心線100を探索することができる。
【0091】
なお、光ファイバ心線600には、プラスチックタグ620の代わりに、ケーブル識別子が記憶されたRFタグを取り付けてもよい。この場合は、作業者が読み取り装置20にケーブル識別子を入力するのではなく、読み取り装置20がRFタグから無線によりケーブル識別子を読み取るようにする。
【0092】
なお、上述した第1の実施形態から第4の実施形態におけるケーブル探索システムが備える各装置を構成する各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0093】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0094】
以上、この発明の第1の実施形態から第4の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0095】
例えば、第1の実施形態から第4の実施形態では、ケーブルの例として光ファイバが備える光ファイバ心線を用いて説明したが、これに限らない。例えば、LANケーブルや、音声ケーブルや、映像ケーブルなど、どのようなケーブルでもよい。
【符号の説明】
【0096】
10,40,60・・・光ファイバケーブル、20・・・読み取り装置、30,30−1〜30−7,30−11〜30−14,50−11〜50−14・・・発光タグ、110,110−1〜110−7,110−11〜110−14・・・光コネクタプラグ、100,100−1〜100−7,100−11〜100−14,400−11〜400−14・・・光ファイバ心線、210,310・・・制御部、220・・・無線送信部、230・・・入力部、240・・・表示部、250,350・・・記憶部、320・・・無線受信部、340・・・発光部、410−11〜410−14,610・・・光コネクタアダプタ、620・・・プラスチックタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を送信する送信部
を備えた読み取り装置と、
自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子を記憶する記憶部と、
前記読み取り装置から送信される前記ケーブル識別子を受信する受信部と、
前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると発光する発光部と、
を備えた発光タグ装置と、
を含むことを特徴とするケーブル探索システム。
【請求項2】
前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部が発光する長さと回数とを指定する発光パターンを記憶し、
前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光パターンの指定に基づいて発光する
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル探索システム。
【請求項3】
前記送信部は、接続させる1対の前記ケーブルのうち、一方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子と、他方のケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子とを送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のケーブル探索システム。
【請求項4】
前記読み取り装置は、
接続先のケーブルを一意に特定する接続先識別子と、当該接続先のケーブルに接続させる前記ケーブルを一意に特定する前記ケーブル識別子とを関連付けて記憶する接続先記憶部と、
前記接続先識別子が入力される入力部と、
前記入力された前記接続先識別子と関連付けて前記接続先記憶部が記憶している前記ケーブル識別子を前記送信部に送信させる制御部と、
を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のケーブル探索システム。
【請求項5】
自装置が取り付けられているケーブルを一意に特定するケーブル識別子を記憶する記憶部と、
読み取り装置から送信される、探索対象のケーブルを一意に特定するケーブル識別子を受信する受信部と、
前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると発光する発光部と、
を備えたことを特徴とする発光タグ装置。
【請求項6】
前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部が発光する長さと回数とを指定する発光パターンを記憶し、
前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光パターンの指定に基づいて発光する
ことを特徴とする請求項5に記載の発光タグ装置。
【請求項7】
前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する色を指定する色情報を記憶し、
前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記色情報で指定される色を発光する
ことを特徴とする請求項5に記載の発光タグ装置。
【請求項8】
複数の前記発光部を備え、
前記記憶部は、自装置が取り付けられている前記ケーブルの状態を一意に特定する、前記発光部の発光と消灯とを指定する発光消灯パターンを記憶し、
前記発光部は、前記記憶部が記憶する前記ケーブル識別子と同一のケーブル識別子を前記受信部が受信すると、前記発光消灯パターンの指定に基づいて発光する
ことを特徴とする請求項5に記載の発光タグ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−123654(P2011−123654A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280556(P2009−280556)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】