説明

ゲノム情報表示システム

【課題】ユーザにとってとても使い勝手がよく、しかも、ゲノムを構成する各遺伝子等を表示した画面上でその表示内容の移動等の操作を迅速に行うことができるゲノム情報表示システムを提供する。
【解決手段】端末80は各種の検索画面を表示手段に表示する検索画面表示制御手段を備える。ユーザが所望の検索画面を用いて得られた検索結果の中から一の検索結果を選択すると、端末80はその選択された検索結果に関するマップ画面の表示要求をサーバ10に送信する。その後、サーバ10はマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等を当該端末80に送信する。端末80のマップ画面表示制御手段は、それら一まとまりのマップ表示用データ等に基づき、その選択された検索結果に対応するエレメントが略中央に位置するような拡大マップを作成してマップ画面の所定領域に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゲノムに関する研究を行う際にゲノム情報を閲覧するために用いられるゲノム情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲノムに関する研究の進展に伴い、遺伝子等の塩基配列やその機能に関するデータ等が多数獲得されている。このようなゲノムデータは、公共の専門機関、例えば米国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)等においてデータベース化されている。公共の専門機関は、自己の管理するゲノムデータを公開運用するに際して、そのゲノムデータを閲覧するための表示ソフトを提供している。研究者は、その表示ソフトの機能を利用して、当該専門機関の公開するゲノムデータを閲覧することができる。尚、ゲノムデータを閲覧するための表示ソフトとしては、遺伝子配列情報をさまざまな形式でグラフィック表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−125929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、ゲノムデータを閲覧するための表示ソフトでは、HTTPプロトコルを用いて公共のデータベースとデータ通信を行っている。このため、このような表示ソフトを用いると、公共のデータベースからゲノムデータが1ページずつ送られ、研究者のコンピュータの画面上に表示される。研究者は、次のページを閲覧する場合には、ページを指定して公共のデータベースにアクセスし、その指定したページデータを公共のデータベースから送ってもらう必要がある。したがって、研究者は、次のページが表示されるまで一定時間待たなければならず、不便であるという問題があった。このため、ゲノムデータを表示した画面上で、その表示内容の移動等の操作を迅速に行うことができるシステムの実現が望まれている。
【0005】
特に、かかるシステムの実現に際しては、ユーザの使い勝手をよくすることが望まれる。例えば、そのシステムには遺伝子を検索する多様な方法が備えられており、ユーザがそのような方法を利用して所望の遺伝子を選択することにより、当該遺伝子をグラフィック表示した画面に直接的にアクセスすることができれば、とても便利である。また、ユーザが単に既存のゲノムデータを閲覧するだけでなく、例えば、遺伝子に注釈情報(アノテーション)を付与したり、自己の研究対象を識別するために所定の遺伝子配列情報に名称を付したりすることができれば便利である。
【0006】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、ユーザにとってとても使い勝手がよく、しかも、ゲノムを構成する各遺伝子等を表示した画面上でその表示内容の移動等の操作を迅速に行うことができるゲノム情報表示システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、ゲノムを構成する各エレメントの位置データを含む複数種類のマップ表示用データを管理するサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された複数の端末とを有し、前記各端末の表示手段の画面上に、各エレメントをグラフィカルに示すマップ画面を表示するゲノム情報表示システムであって、前記サーバは、各エレメントの名称及び位置データを含む複数のエレメントデータが含まれる前記各マップ表示用データをその種類毎に格納する第一データ格納手段と、各ユーザによってエレメントに付与されたアノテーションを含む各アノテーションデータを所定の前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データと関連付けて格納する第二データ格納手段と、前記各エレメントデータから抽出されたエレメントの名称及び前記各アノテーションデータから抽出されたアノテーションの各文言をキーワードとし、そのキーワードを含む各キーワードデータを所定の前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データと関連付けて格納する第三データ格納手段と、前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記キーワードデータを前記第三データ格納手段から取得し、その取得した前記キーワードデータに関連付けられた前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データに基づいて検索結果データを作成し、且つ、前記アノテーションデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記アノテーションデータを前記第二データ格納手段から取得し、その取得した前記アノテーションデータとそれに関連付けられた前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成する検索手段と、前記検索手段により検索して得られた検索結果データを当該端末に送信すると共に、前記各端末からある検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得して当該端末に送信するデータ管理手段と、を備え、前記各端末は、前記キーワードデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第一の検索画面と、前記アノテーションデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第二の検索画面とを前記表示手段の画面上に表示する第一表示制御手段と、前記各検索画面において入力された検索データを当該検索画面に対応する内容の検索を行う旨の検索要求とともに前記サーバに送信すると共に、前記各検索画面に表示された検索結果データのうち一の検索結果データが選択されたときに、当該選択された検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求を前記サーバに送信する通信制御手段と、前記サーバから送られた、前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを一時的に格納する記憶手段と、前記各検索画面において選択された検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータが前記サーバから送られたときに、その送られた一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、前記マップ表示用データの種類毎に、当該選択された検索結果データに対応するエレメントが略中央に位置するように各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示す拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示すると共に、前記サーバから送られた一まとまりの前記マップ表示用データに対応するゲノム上の範囲をバンド構造で示す全体マップと前記拡大マップに表示されているゲノム上の範囲を前記全体マップ上で指し示す指示手段とを前記マップ画面の第二領域に表示し、且つ、入力手段の操作により前記指示手段が前記全体マップ上で移動されたときに、前記記憶手段に格納されている一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、当該移動後の前記指示手段が指し示す範囲についての前記拡大マップを作成して、前記第一領域に表示する第二表示制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記第一の検索画面には、検索条件を入力するための一又は複数の入力欄と、検索対象を選択するための一又は複数の選択欄とが設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記第二表示制御手段は、前記拡大マップ上で所望のエレメントが選択された後に所定のボタンが押されたときに、その選択されたエレメントに付与するアノテーションを登録するためのアノテーション登録画面を前記表示手段の画面上に表示し、前記通信制御手段は、前記アノテーション登録画面で入力されたデータを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記アノテーション登録画面で入力されたデータが前記各端末から送られたときに、その送られたデータに基づいて前記アノテーションデータを作成して前記第二データ格納手段に登録すると共に、その作成した前記アノテーションデータに基づいて前記キーワードデータを作成して前記第三データ格納手段に登録するアノテーションデータ登録処理手段を備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記アノテーション登録画面には、当該アノテーションの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す開示区分を指定する欄が設けられており、前記アノテーションデータに基づいて作成された前記キーワードデータには、前記開示区分が含まれており、前記検索手段は、前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが送られたときに、前記第三データ格納手段に格納されている前記複数のキーワードデータの中から当該検索要求を行ったユーザに開示が認められる前記キーワードデータを前記開示区分に基づいて識別し、当該ユーザに開示が認められる前記キーワードデータであって当該検索データに該当するものを前記第三データ格納手段から取得することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記サーバは、各ユーザによって新規に登録された新規エレメントの名称及び位置データを含む各新規エレメントデータを所定の前記マップ表示用データと関連付けて格納する第四データ格納手段を備え、前記第一表示制御手段は、前記新規エレメントデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第三の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、前記検索手段は、前記新規エレメントデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記新規エレメントデータを前記第四データ格納手段から取得し、その取得した前記新規エレメントデータとそれに関連付けられた前記マップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記第二表示制御手段は、前記マップ画面において所定のボタンが押されたときに、新規エレメントを登録するための新規エレメント登録画面を前記表示手段の画面上に表示し、前記通信制御手段は、前記新規エレメント登録画面で入力されたデータを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記新規エレメント登録画面で入力されたデータが前記各端末から送られたときに、その送られたデータに基づいて前記新規エレメントデータを作成して前記第四データ格納手段に登録すると共に、その作成した前記新規エレメントデータに基づいて、当該新規エレメントデータから抽出された新規エレメントの名称をキーワードとする前記キーワードデータを作成し、その作成した前記キーワードデータを当該新規エレメントデータ及び所定のマップ表示用データと関連付けて前記第三データ格納手段に登録する新規エレメントデータ登録処理手段を備えることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記新規エレメント登録画面には、当該新規エレメントの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す開示区分を指定する欄が設けられており、前記新規エレメントデータに基づいて作成された前記キーワードデータには、前記開示区分が含まれており、前記検索手段は、前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが送られたときに、前記第三データ格納手段に格納されている前記複数のキーワードデータの中から当該検索要求を行ったユーザに開示が認められる前記キーワードデータを前記開示区分に基づいて識別し、当該ユーザに開示が認められる前記キーワードデータであって当該検索データに該当するものを前記第三データ格納手段から取得することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記サーバは、各ユーザによって直接入力された任意のクエリー配列を用いて実行された第一相同性検索についてのクエリー配列及び実行結果を含む各第一相同性検索実行結果データを格納する第五データ格納手段を備え、前記第一表示制御手段は、前記第一相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求を指示すると共にその検索結果データを表示するための第四の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、前記検索手段は、前記第一相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求が前記各端末から送られたときに、当該ユーザによって実行された第一相同性検索についての前記第一相同性検索実行結果データを前記第五データ格納手段から取得し、その取得した前記第一相同性検索実行結果データに基づいて検索結果データを作成することを特徴とするものである。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記データ管理手段は、前記第一相同性検索実行結果データに基づいて作成された検索結果データのうちから選択された一の検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が前記各端末から送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得すると共に、当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データを前記第五データ格納手段から取得して、これら取得したデータを当該端末に送信し、前記第二表示制御手段は、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータと共に当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データが前記サーバから送られたときに、前記マップ表示用データの種類毎に、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示すと共に当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データの内容をグラフィカルに示す前記拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示することを特徴とするものである。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記サーバは、前記拡大マップ上で所望のエレメントが選択された後に所定のボタンが押されたときに表示される当該エレメントの塩基配列表示画面においてクエリー配列を指定することにより実行された第二相同性検索についてのクエリー配列及び実行結果を含む各第二相同性検索実行結果データを格納する第六データ格納手段を備え、前記第一表示制御手段は、前記第二相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求を指示すると共にその検索結果データを表示するための第五の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、前記検索手段は、前記第二相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求が前記各端末から送られたときに、当該ユーザによって実行された第二相同性検索についての前記第二相同性検索実行結果データを前記第六データ格納手段から取得し、その取得した前記第二相同性検索実行結果データに基づいて検索結果データを作成することを特徴とするものである。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のゲノム情報表示システムにおいて、前記データ管理手段は、前記第二相同性検索実行結果データに基づいて作成された検索結果データのうちから選択された一の検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が前記各端末から送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得すると共に、当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データを前記第六データ格納手段から取得して、これら取得したデータを当該端末に送信し、前記第二表示制御手段は、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータと共に当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データが前記サーバから送られたときに、前記マップ表示用データの種類毎に、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示すと共に当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データの内容をグラフィカルに示す前記拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示することを特徴とするものである。
【0018】
上記の目的を達成するための請求項12記載の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のいずれかに記載のゲノム情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したものである。
【0019】
上記の目的を達成するための請求項13記載の発明に係るプログラムは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のいずれかに記載のゲノム情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、端末は各種の検索画面を表示手段の画面上に表示する第一表示制御手段を備えており、ユーザが所望の検索画面を用いて得られた検索結果の中から一の検索結果を選択すると、端末はその選択された検索結果に関するマップ画面の表示要求をサーバに送信する。サーバは端末からマップ画面の表示要求を受けたときに、当該端末に対してマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等を送信する。そして、端末の第二表示制御手段は、それら一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて、その選択された検索結果に対応するエレメントが略中央に位置するような拡大マップを作成して、マップ画面の所定領域に表示する。このように、本発明では、ユーザが検索結果の中から一の検索結果を選択するだけで、その選択された検索結果に対応するエレメントをマップ画面の拡大マップに直接、表示することができる。特に、複数種類の検索画面を設けたことにより、ユーザは拡大マップに表示しようとするエレメントを検索するのに適した検索画面を用いることができるので、本発明のシステムは、ユーザにとってとても使い勝手がよいシステムである。また、例えば、ユーザがマップ画面上で拡大マップの表示範囲を移動、拡大・縮小等する操作を行ったときに、端末は、サーバとデータ通信することなく、記憶手段に格納されている一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて当該操作後の表示範囲を表す拡大マップを迅速に作成して、ユーザの操作に合わせて高速に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態であるゲノム情報表示システムの概略構成図、図2はそのゲノム情報表示システムのサーバの概略ブロック図、図3はそのゲノム情報表示システムの各端末の概略ブロック図である。
【0022】
本実施形態のゲノム情報表示システムは、図1に示すように、サーバ10と、複数の端末80,80,・・・とを備える。サーバ10と複数の端末80,80,・・・とは、ネットワークを介して接続されている。これにより、サーバ10と複数の端末80,80,・・・との間でデータ通信を行うことができる。ここで、ネットワークとしては、例えばインターネットが用いられる。
【0023】
サーバ10は、ゲノムを構成する遺伝子等のエレメントについての位置データを含む複数種類のマップ表示用データ等を管理するものである。サーバ10は、例えば、当該システムを利用する社内又は当該システムを管理する管理会社に設置される。また、各端末80は、サーバ10から送られた所定の一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて、各エレメントをグラフィカルに示すマップ画面を作成し、それを表示手段の画面上に表示するものである。各端末80は、遺伝子研究を行う研究所や製薬会社等に設置される。
【0024】
サーバ10は、図2に示すように、データ群格納手段21と、検索手段41と、BLAST実行処理手段51と、データ管理手段61とを備える。データ群格納手段21には、ユーザ管理データ、複数種類のマップ表示用データ、アノテーションデータ、新規エレメントデータ、キーワードデータ、個別設定データ、マップ画面設定データ、BLAST実行結果データ、塩基配列データ等が格納されている。このデータ群格納手段21の構成については後に詳述する。検索手段41は、各端末80からデータ群格納手段21内のデータを検索するための検索データが送られたときに、当該検索データに基づいてデータ群格納手段21内のデータを検索するものである。
【0025】
BLAST実行処理手段51は、各端末80からBLASTの実行要求が送られたときに、BLASTを実行したり、そのBLASTの実行結果データをデータ群格納手段21に登録したりするものである。ここで、BLASTとは、相同性検索を行うためのプログラム(ツール)であり、クエリー(問合せ)配列として入力された塩基配列と相同又は類似している配列部分を所定の塩基配列データの中から検索するものである。また、検索手段41は、各端末80からBLAST実行結果データの検索要求が所定の検索データと共に送られたときに、当該検索データに基づいてデータ群格納手段21内のBLAST実行結果データを検索する。
【0026】
データ管理手段61は、データ群格納手段21に格納されたデータを管理するものであり、図2に示すように、通信制御部63と、マップ表示用データ登録処理部64と、アノテーションデータ登録処理部65と、新規エレメントデータ登録処理部66と、個別設定データ登録処理部67と、ユーザ管理データ登録処理部68とを有する。通信制御部63は、検索手段41により検索して得られた検索結果データを当該端末80に送信すると共に、各端末80からある検索結果データに関するマップ画面の表示要求が送られたときに、当該検索結果データに関するマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータをデータ群格納手段21から取得して当該端末80に送信するものである。また、通信制御部63は、各端末80から最初にアクセスされたときに、所定の表示用プログラムを当該端末80に送信する。かかる表示用プログラムはデータ群格納手段21に格納されている。さらに、通信制御部63は、BLAST実行処理手段51により作成されたBLAST実行結果データを当該端末80に送信する。
【0027】
マップ表示用データ登録処理部64は、公共のゲノムデータやユーザが個人的に所有しているゲノムデータを所定のデータ形式に変換し、その変換したデータをマップ表示用データとしてデータ群格納手段21に登録するものである。また、マップ表示用データ登録処理部64は、マップ表示用データの登録の際に、そのマップ表示用データに含まれるエレメントの名称をキーワードとして抽出し、その抽出したキーワードを用いて作成されたキーワードデータをデータ群格納手段21に登録する。
【0028】
アノテーションデータ登録処理部65は、各ユーザがマップ画面に表示された所定のエレメントにアノテーションを付与し、そのアノテーションを含むデータが端末80から送られたときに、そのデータに基づいてアノテーションデータを作成し、そのアノテーションデータをデータ群格納手段21に登録するものである。ここで、アノテーションとは、エレメントに付けられた注釈情報である。例えば、コメント、実験者名、解析結果等、さまざまな内容をアノテーションとしてエレメントに付与することができる。また、アノテーションデータ登録処理部65は、アノテーションデータの登録の際に、そのアノテーションデータに含まれるアノテーションから抽出された各文言をキーワードとするキーワードデータを作成し、そのキーワードデータをデータ群格納手段21に登録する。
【0029】
新規エレメントデータ登録処理部66は、各ユーザがマップ画面に表示された所定のマップ表示用データに対して新規にエレメントを登録し、その新規エレメントについてのデータが端末80から送られたときに、その送られたデータに基づいて新規エレメントデータを作成し、その新規エレメントデータをデータ群格納手段21に登録するものである。また、新規エレメントデータ登録処理部66は、新規エレメントデータの登録の際に、その新規エレメントデータに含まれる新規エレメントの名称をキーワードとして抽出し、その抽出したキーワードを用いて作成されたキーワードデータをデータ群格納手段21に登録する。
【0030】
個別設定データ登録処理部67は、各ユーザがマップ画面に表示された所定のエレメントに対して個別の設定を行ったときに、その設定した内容に基づいて個別設定データを作成し、その個別設定データをデータ群格納手段21に登録するものである。ここで、個別設定の内容としては、例えば、マップ画面にグラフィカル表示されたエレメントの表示色や表示形式等に関するものがある。
【0031】
ユーザ管理データ登録処理部68は、サーバ10にアクセスすることができるユーザに関するユーザ管理データをデータ群格納手段21に登録するものである。ここで、ユーザ管理データには、ユーザID、パスワード等が含まれる。また、ユーザ管理データ登録処理部68は、各端末80からユーザID及びパスワードが送られたときに、かかるユーザIDとパスワードに基づいて認証処理を行う。
【0032】
次に、データ群格納手段21の構成について説明する。データ群格納手段21は、図2に示すように、ユーザ管理データ格納部211と、複数のマップ表示用データ格納部(第一データ格納手段)212,212,・・・と、アノテーションデータ格納部(第二データ格納手段)213と、新規エレメントデータ格納部(第四データ格納手段)214と、キーワードデータ格納部(第三データ格納手段)215と、個別設定データ格納部216と、マップ画面設定データ格納部217と、BLAST実行結果データ格納部218と、塩基配列データ格納部219とを備える。ここで、アノテーションデータ格納部213、新規エレメントデータ格納部214及び個別設定データ格納部216には、本システムの運用開始時にはデータは格納されていない。これらのデータ格納部213,214,216に格納されるデータはいずれもユーザが任意に登録するものだからである。
【0033】
図4はユーザ管理データ格納部211に格納されているデータの内容を説明するための図である。ユーザ管理データ格納部211は、各ユーザ管理データをテーブル形式で格納するものである。ユーザ管理データには、図4に示すように、「ユーザID」と、「ユーザ名」と、「パスワード」と、「グループID」、「グループ名」とが含まれる。「ユーザID」は、登録されたユーザに付与された識別情報であり、「ユーザ名」は、そのユーザの氏名である。「パスワード」は、そのユーザがサーバ10にアクセスする際に本人であることを証明するための情報である。このパスワードは暗号化してユーザ管理データ格納部211に格納するようにしてもよい。「グループID」は、そのユーザが本来的に所属するグループのIDであり、「グループ名」は、そのグループの名称である。ユーザ管理データ登録処理部68は、各端末80から認証要求と共にユーザID及びパスワードが送られたときに、その送られたユーザID及びパスワードがユーザ管理データ格納部211に格納されているものと一致するかどうかを調べる。そして、ユーザID及びパスワードが一致すると判断すると、ユーザ管理データ登録処理部68は、当該ユーザを認証し、通信制御部63が認証OKフラグを当該端末80に送信する。こうして認証がなされると、当該端末80はサーバ10とデータのやり取りを行える状態となる。
【0034】
複数のマップ表示用データ格納部212,212,・・・にはそれぞれ、各種のマップ表示用データが格納される。各マップ表示用データは、ゲノムを構成する各エレメントの位置データを含むものであり、マップ表示用データ登録処理部64によって、例えば公共のゲノムデータに基づいて作成される。公共のゲノムデータとしては、例えば、RefSeq Genes、GenScan Gene Predictions、Clone Coverage/Fragment Position等がある。RefSeq Genesは、NCBI(National Center for Biotechnology Information)のReference Sequence プロジェクトによって管理されているmRNAシーケンスに基づいて、UCSCで作られたヒトゲノム遺伝子配列データである。GenScan Predictionsは、Clone Coverage/Fragment Positionに、GenScanと呼ばれる遺伝子予測プログラム(ツール)を使用して得られた遺伝子の予測データである。Clone Coverage/Fragment Positionは、染色体を実験で利用できる単位まで断片化し、その断片化したそれぞれについての遺伝子配列データである。これらGenScan Predictions、Clone Coverage/Fragment PositionもUCSCで作られたデータである。このとき、RefSeq Genesに基づいて作成されたマップ表示用データ、GenScan Gene Predictionsに基づいて作成されたマップ表示用データ、Clone Coverage/Fragment Positionに基づいて作成されたマップ表示用データ等はそれぞれ、別のマップ表示用データ格納部212に格納される。このため、データ管理手段61は、例えばマップ表示用データの名称が指定されると、その名称に対するマップ表示用データ格納部212を認識し、当該名称を有するマップ表示用データにアクセスすることができる。ここで、マップ表示用データはゲノムデータに基づいて作成されるので、本実施形態では、マップ表示用データの名称として、元のゲノムデータの名称を用いることにする。以下では、RefSeq Genesに基づいて作成されたマップ表示用データを「RefSeq」、GenScan Gene Predictionsに基づいて作成されたマップ表示用データを「GenScan」、Clone Coverage/Fragment Positionに基づいて作成されたマップ表示用データを「Coverage」と称することにする。
【0035】
図5は各マップ表示用データ格納部212に格納されているデータの内容を説明するための図である。各マップ表示用データ格納部212は、図5に示すように、エレメントデータ格納領域212aと、エクソンデータ格納領域212bと、アミノ酸配列データ格納領域212cと、サイトデータ格納領域212dと、特性値データ格納領域212eとからなる。
【0036】
エレメントデータ格納領域212aには、各エレメントについてのデータがテーブル形式で格納される。ここで、エレメントとは、マップ画面に表示する上で意味のある塩基配列の単位である。具体的には、遺伝子、クローン、コンティグ等がエレメントである。これに対し、エクソンはエレメントではない。マップ表示用データ毎にエレメントとして何を用いるかが決められている。例えば、RefSeqの場合、エレメントとして遺伝子を用いており、Coverageの場合、エレメントとしてクローンを用いている。エレメントデータには、図5に示すように、「エレメントID」、「エレメント名」、「染色体番号」、「開始位置」、「終了位置」、「ストランド」、「コメント」が含まれる。「エレメントID」は、当該エレメントに付与された識別情報である。異なる種類のマップ表示用データとの関係では、エレメントIDは重複しても構わない。「エレメント名」は、当該エレメントの名称である。通常、エレメント名としては、元のゲノムデータに含まれていた名称がそのまま用いられる。特に、エレメントがコンティグである場合には、エレメント名として、例えば当該コンティグに付されたコード名等が用いられる。
【0037】
「染色体番号」、「開始位置」、「終了位置」は、当該エレメントの位置データである。「染色体番号」は、当該エレメントを含んでいる染色体の番号である。もしゲノムに染色体が含まれない場合には、当然、染色体番号はエレメントデータに含まれない。「開始位置」は、当該エレメントの存在するゲノム上の範囲の開始位置であり、「終了位置」は、当該エレメントの存在するゲノム上の範囲の終了位置である。ここで、ゲノムに染色体がある場合には、開始位置及び終了位置としては、当該エレメントを含んでいる染色体を基準とした位置が用いられる。具体的に、本実施形態では、染色体毎に、その塩基配列に順番に番号を付与し、その付与した番号によって各塩基の位置を特定している。そして、かかる塩基の位置により、エレメントの開始位置及び終了位置を指定している。したがって、染色体番号と開始位置及び終了位置とが指定されると、当該エレメントの存在するゲノム上の範囲がユニークに特定される。尚、以下では、ゲノムに染色体が含まれる場合を考えることにする。
【0038】
ところで、DNAは二本の鎖が絡み合った二重らせん構造を有しており、両鎖は相補的な塩基配列となっている。遺伝子の塩基配列データは、一方の鎖についての塩基配列を5’末端から3’末端への方向に沿って読み取った配列データと、他方の鎖についての塩基配列を5’末端から3’末端への方向に沿って読み取った配列データとに区別される。そして、これらの二つの塩基配列データについては、染色体の短腕から長腕に向かう方向に沿って読み取られた配列データを+とし、他方の配列データを−とする符号表現がなされる。かかる二つの塩基配列データを識別する符号情報が「ストランド」である。また、「コメント」は、元のゲノムデータに含まれていた、当該エレメントに関するテキスト情報である。
【0039】
エクソンデータ格納領域212bには、各エレメントに含まれるエクソンのデータがテーブル形式で格納されている。エクソンデータには、図5に示すように、「エレメントID」、「Alternative番号」、「エクソン番号」、「開始位置」、「終了位置」が含まれる。「エレメントID」は、当該エクソンが含まれるエレメントに付与された識別情報である。「Alternative番号」は、Alternative splicingを識別するために付与された番号である。「エクソン番号」は、当該エクソンに付与された番号である。エクソン番号により、そのエレメントの中で当該エクソンをユニークに識別することができる。「開始位置」は、当該エクソンの存在するゲノム上の範囲の開始位置であり、「終了位置」は、当該エクソンの存在するゲノム上の範囲の終了位置である。ここで、ゲノムに染色体が含まれる場合には、開始位置及び終了位置としては、当該エレメントを含んでいる染色体を基準とした位置が用いられる。
【0040】
アミノ酸配列データ格納領域212cには、各エレメントのアミノ酸配列データがテーブル形式で格納されている。エレメントのアミノ酸配列データには、図5に示すように、「エレメントID」、「シーケンス」が含まれる。「エレメントID」は、当該エレメントに付与された識別情報である。「シーケンス」は、当該エレメントのアミノ酸配列を表すデータである。
【0041】
サイトデータ格納領域212dには、各エレメントに関連する情報を提供する一又は複数のサイトのデータがテーブル形式で格納されている。かかるサイトとしては、例えば、元のゲノムデータを管理しているサイト、当該エレメントについてのデータ又はそれに関連するデータを管理しているサイト等がある。サイトデータには、図5に示すように、「エレメントID」、「サイト名称」、「サイトURL」、「サイト別固有ID」が含まれる。「エレメントID」は、当該サイトと関連のあるエレメントに付与された識別情報である。また、「サイト名称」は当該サイトの名称であり、「サイトURL」は当該サイトのURLである。「サイト別固有ID」は、当該サイトの固有IDである。例えば、元のゲノムデータを管理しているサイトにアクセスする場合、当該サイトが自己の管理するデータに固有のIDを付与し、ユーザがその固有IDを入力しなければ、データを見ることができないことがある。このような固有IDがサイト別固有IDである。かかるサイト別固有IDをサイトURLと共にデータ群格納手段21に格納しておくことにより、端末80は、サイトデータを用いて当該サイトにアクセスすると、所望のデータを確実に取得し、表示手段の画面上に表示することができる。
【0042】
特性値データ格納領域212eには、各エレメントの特性値データがテーブル形式で格納されている。かかる特性値データには、図5に示すように、「エレメントID」、「特性値」が含まれる。「エレメントID」は、当該エレメントに付与された識別情報である。「特性値」は、元のゲノムデータにおいて当該エレメントに付与されていた特性値である。特性値の例としては、例えば、BLASTを利用して得られる、「スコア」、「期待値」、「類似度」等を挙げることができる。
【0043】
このように、エレメントデータ、エクソンデータ、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データにはすべて、エレメントIDが含まれている。このため、データ管理手段61は、マップ表示用データの名称とエレメントIDとが指定されると、当該マップ表示用エレメントのうち、当該エレメントIDが付与されたエレメントについての、エレメントデータ、エクソンデータ、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データをユニークに特定することができる。
【0044】
上述したように、マップ表示用データには、エレメントデータと、エクソンデータと、アミノ酸配列データと、サイトデータと、特性値データとが含まれる。このうち、マップ画面と直接関連があるのは、位置データを含むエレメントデータ及びエクソンデータである。これに対し、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データは、マップ画面と直接関連がないが、マップ表示用データに含まれている。これは、本実施形態では、マップ画面のメニュー操作により、これらのデータを用いた各種の表示を行うことにしているからである。また、元のゲノムデータによっては、マップ表示用データに、エクソンデータ、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データのすべて又はいずれかが含まれないことがある。マップ表示用データは、少なくともエレメントデータを含むものであればよい。
【0045】
塩基配列データ格納部219は、ゲノム全体の塩基配列データを格納するものである。かかる塩基配列データは、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の配列を表すデータである。塩基配列データは染色体毎に区別され、また、塩基配列データには染色体を基準とした各塩基の位置データが含まれている。このため、データ管理手段61は、例えば、染色体番号が指定されると、その指定された染色体の塩基配列データを特定することができ、また、染色体番号とその染色体における開始位置及び終了位置とが指定されると、その指定された範囲の塩基配列データを特定することができる。
【0046】
図6はアノテーションデータ格納部213に格納されているアノテーションデータの内容を説明するための図である。アノテーションデータ格納部213は、各アノテーションデータをテーブル形式で格納するものである。かかるアノテーションデータには、図6に示すように、「データ名」、「エレメントID」、「アノテーションID」、「アノテーション」、「ユーザID」、「グループID」、「開示区分」、「更新日」が含まれる。
【0047】
「アノテーション」は、当該アノテーションの内容である。「アノテーションID」は、当該アノテーションに付与された識別情報である。「データ名」は、当該アノテーションが付与されたエレメントの属するマップ表示用データの名称であり、「エレメントID」は、当該アノテーションが付与されたエレメントの識別情報である。かかるデータ名とエレメントIDとにより、アノテーションデータは、エレメントデータ及びマップ表示用データと関連付けられている。「ユーザID」は、当該アノテーションを登録したユーザのIDであり、「グループID」は、そのユーザが所属するグループのIDである。「開示区分」は、当該アノテーションの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す区分である。例えば、本実施形態では、ユーザは、所定のデータを登録する際に、開示区分を「personal」、「group」、「public」の三つの区分の中から指定することにしている。「personal」が指定されると、そのデータの内容は登録したユーザ本人のみに開示される。「group」が指定されると、そのデータの内容は登録したユーザの所属するグループと同じグループに所属するユーザのみに開示される。「public」が指定されると、そのデータの内容はすべてのユーザに開示される。また、「更新日」は、当該アノテーションデータの内容を登録・修正した最新の日時である。
【0048】
図7は新規エレメントデータ格納部214に格納されている新規エレメントデータの内容を説明するための図である。新規エレメントデータ格納部214は、各新規エレメントデータをテーブル形式で格納するものである。かかる新規エレメントデータには、図7に示すように、「データ名」、「エレメントID」、「エレメント名」、「染色体番号」、「開始位置」、「終了位置」、「ストランド」、「コメント」、「ユーザID」、「グループID」、「開示区分」、「更新日」が含まれる。
【0049】
「エレメントID」は、当該新規エレメントに付与された識別情報であり、「エレメント名」は、当該新規エレメントに付けられた名称である。「データ名」は、当該新規エレメントの属するマップ表示用データの名称である。かかるデータ名により、新規エレメントデータは、マップ表示用データと関連付けられている。「染色体番号」、「開始位置」、「終了位置」は、当該新規エレメントの位置データである。ここで、「染色体番号」は、その新規エレメントを含んでいる染色体の番号である。「開始位置」は、その新規エレメントの存在するゲノム上の範囲の開始位置であり、「終了位置」は、その新規エレメントの存在するゲノム上の範囲の終了位置である。「ストランド」は、当該新規エレメントの属するマップ表示用データのストランドである。「ユーザID」は、当該新規エレメントを登録したユーザのIDであり、「グループID」は、そのユーザが所属するグループのIDである。「開示区分」は、当該新規エレメントの内容についての開示区分である。「更新日」は、当該新規エレメントデータの内容を登録・修正した最新の日時である。
【0050】
図8は個別設定データ格納部216に格納されている個別設定データの内容を説明するための図である。個別設定データ格納部216は、各個別設定データをテーブル形式で格納するものである。個別設定データには、図8に示すように、「データ名」、「エレメントID」、「エレメント名」、「色」、「描画タイプ」、「描画形式」、「ユーザID」、「グループID」、「開示区分」、「更新日」が含まれる。
【0051】
「エレメントID」は、当該個別設定に係るエレメントに付与された識別情報であり、「エレメント名」は、そのエレメントの名称である。「データ名」は、当該個別設定に係るエレメントの属するマップ表示用データの名称である。「色」は、そのエレメントに対して個別設定された表示色に関するデータである。「描画タイプ」及び「描画形式」は、そのエレメントに対して個別設定された表示形式に関するデータである。表示形式の具体的な内容は後に詳述する。「ユーザID」は、当該個別設定を行ったユーザのIDであり、「グループID」は、そのユーザの所属するグループのIDである。「開示区分」は、当該個別設定データの内容についての開示区分である。「更新日」は、当該個別設定データの内容を登録・修正した最新の日時である。
【0052】
図9はキーワードデータ格納部215に格納されているキーワードデータの内容を説明するための図である。キーワードデータ格納部215は、各キーワードデータをテーブル形式で格納するものである。キーワードデータには、図9に示すように、「データ名」、「エレメントID」、「キーワード番号」、「キーワードタイプ」、「キーワード」、「キーワードポジション」、「ユーザID」、「グループID」、「開示区分」、「アノテーションID」が含まれる。
【0053】
「キーワード」は、マップ表示用データ登録処理部64によって各マップ表示用データから抽出されたエレメントの名称、アノテーションデータ登録処理部65によって各アノテーションデータのアノテーションから抽出された各文言、又は新規エレメントデータ登録処理部66によって各新規エレメントデータから抽出されたエレメントの名称である。「データ名」は、当該キーワードに対応するエレメントの属するマップ表示用データの名称であり、「エレメントID」は、当該キーワードに対応するエレメントの識別情報である。例えば、キーワードが各マップ表示用データから抽出されたエレメントの名称である場合には、データ名は当該マップ表示用データの名称であり、エレメントIDは当該エレメントのIDである。キーワードが各アノテーションから抽出された文言である場合には、データ名はそのアノテーションが付与されたエレメントの属するマップ表示用データの名称であり、エレメントIDはそのアノテーションが付与されたエレメントのIDである。キーワードデータが各新規エレメントデータから抽出された新規エレメントの名称である場合には、データ名はその新規エレメントの属するマップ表示用データの名称であり、エレメントIDは当該新規エレメントのIDである。かかるデータ名とエレメントIDとにより、キーワードデータは、エレメントデータ又は新規エレメントデータ、及びマップ表示用データと関連付けられている。
【0054】
「キーワード番号」は、データ名及びエレメントIDが同じであるキーワードが複数ある場合に、それらのキーワードに付与される識別番号である。「キーワードタイプ」は、当該キーワードがアノテーションから抽出されたものであるか否かを特定するデータである。「キーワードポジション」は、アノテーションから抽出されたキーワードについて、当該キーワードがそのアノテーションにおいて何番目の位置に配置されていたのかを特定するデータである。
【0055】
「ユーザID」、「グループID」及び「開示区分」は、当該キーワードがアノテーションデータ又は新規エレメントデータから抽出されたものである場合にキーワードデータに含まれる。これらは、当該アノテーションデータ又は当該新規エレメントデータに含まれる「ユーザID」、「グループID」及び「開示区分」と同じものである。また、「アノテーションID」は、当該キーワードがアノテーションから抽出されたものである場合にキーワードデータに含まれる。これは、当該アノテーションデータに含まれる「アノテーションID」と同じものである。
【0056】
マップ画面設定データ格納部217は、マップ画面を作成する際に用いられる設定データを格納するものである。かかる設定データには、画面構成スクリプト、レイアウトスクリプトという二種類のデータが含まれている。画面構成スクリプトは、マップ画面の画面構成を設定するためのものである。本実施形態では、マップ画面の画面構成を、シングル画面構成、同期画面構成、非同期画面構成の中から選択することができる。かかる三種類の画面構成に対応して、画面構成スクリプトも三つ用意している。これらの画面構成については後に詳述する。一方、レイアウトスクリプトは、マップ画面のレイアウトを設定するためのものである。かかるレイアウトスクリプトにより、マップ画面内に表示するマップ表示用データの名称、数及び表示順番等を指定することができる。かかる画面構成スクリプトやレイアウトスクリプトは、通常、サーバ10の管理者によって予め用意されている。
【0057】
また、設定データは、XMLというデータ形式で作成されている。このXMLでは、HTMLと同様にタグを使って、データが階層構造で記述される。もちろん、マップ画面の画面構成やレイアウトの内容は、マップ画面の作成プログラムの中で指定することも可能である。しかし、それでは、マップ画面の画面構成やレイアウトを変更しようとした場合に、プログラムそのものを書き換えなければならなくなる。実際、マップ画面の画面構成やレイアウトについては、ユーザの要望等に応じて変更する機会が多いと考えられる。このため、本実施形態では、マップ画面の画面構成やレイアウトを設定する設定データをプログラムから切り離し、プログラムを改変することなく、設定データだけを改変することにより、マップ画面の画面構成やレイアウトを容易に変更することができるようにしている。画面構成スクリプト及びレイアウトスクリプトは、マップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データとともに端末80に送信される。
【0058】
図10はBLAST実行結果データ格納部218に格納されているBLAST実行結果データの内容を説明するための図である。BLAST実行結果データは、BLAST要求データと、BLAST応答データと、BLAST応答詳細データと、BLAST応答オリジナルデータとを含んでいる。かかるBLAST実行結果データは、BLAST実行処理手段51によって作成されたものである。BLAST実行結果データ格納部218は、図10に示すように、BLAST要求データ格納領域218aと、BLAST応答データ格納領域218bと、BLAST応答詳細データ格納領域218cと、BLAST応答オリジナルデータ格納領域218dとからなる。
【0059】
BLAST要求データ格納領域218aには、各BLAST要求データがテーブル形式で格納される。BLAST要求データには、図10に示すように、「BLASTリクエストID」、「レイアウトスクリプト名」、「データ名」、「シーケンス」、「染色体番号」、「エレメント名」、「開始位置」、「終了位置」、「ストランド」、「オフセット値」、「ユーザID」、「開示区分」、「グループID」、「更新日」が含まれる。
【0060】
ところで、BLASTを実行する場合、ユーザはクエリー(問合せ)配列を指定する必要がある。本実施形態のシステムでは、かかるクエリー配列を指定する方法として二つの方法を用いることができる。すなわち、第一のクエリー指定方法は、ユーザが任意の塩基配列をクエリー配列として所定のBLAST実行指示画面上で直接入力する方法である。例えばある塩基配列が新規なものであるかどうかを確認する場合に、この第一のクエリー指定方法が用いられる。第二のクエリー指定方法は、あるエレメントの塩基配列を表示した画面において所定の範囲をクエリー配列として指定する方法である。ここで、この塩基配列表示画面はマップ画面でメニュー操作をすることにより表示させることができる。例えばある塩基配列と相同又は類似する配列が他の生物種において存在するかどうかを調べる場合に、この第二のクエリー指定方法が用いられる。
【0061】
BLAST要求データは、クエリー配列に関するデータである。第二のクエリー指定方法によりクエリー配列を指定した場合には、BLAST要求データには、上記のすべての項目が含まれる。これに対し、第一のクエリー指定方法によりクエリー配列を指定した場合には、BLAST要求データには、「BLASTリクエストID」、「シーケンス」、「ユーザID」、「グループID」、「開示区分」、「更新日」だけが含まれる。
【0062】
「BLASTリクエストID」は、今回のBLASTの実行要求に対して発行された識別情報である。本実施形態では、BLAST実行処理手段51は、第一のクエリー指定方法によるBLASTの実行か、第二のクエリー指定方法によるBLASTの実行かを識別することができるように、BLASTリクエストIDを発行する。例えば、第一のクエリー指定方法か、第二のクエリー指定方法かに応じて、BLASTリクエストIDの接頭語の種類を変えている。これにより、例えば、検索手段41は、BLAST実行結果データ格納部218の中から、第一(又は第二)のクエリー指定方法によるBLAST実行結果データだけを識別することができる。
【0063】
「シーケンス」は、クエリー配列として指定されたクエリー配列の内容である。「ユーザID」は、そのBLAST実行要求を行ったユーザのIDであり、「グループID」は、そのユーザの所属するグループのIDである。「開示区分」は、そのBLAST実行結果データの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す区分である。本実施形態では、この開示区分を、デフォルトで「personal」に設定しているが、例えば、ユーザが、BLAST実行指示画面上でBLAST実行結果の開示区分を自由に指定することができるようにしてもよい。「更新日」は、そのBLAST実行要求が受け付けられた日時である。
【0064】
また、「レイアウトスクリプト名」は、第二のクエリー指定方法によりクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列の表示画面に関連するマップ画面に対応するレイアウトスクリプトのタイトルである。「データ名」は、そのクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列を有するエレメントの属するマップ表示用データの名称である。「染色体番号」は、そのクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列を有するエレメントが含まれる染色体の番号である。「エレメント名」は、そのクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列を有するエレメントの名称である。「開始位置」は、その染色体上におけるそのクエリー配列の開始位置であり、「終了位置」は、その染色体上におけるそのクエリー配列の終了位置である。「ストランド」は、そのクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列を有するエレメントの属するマップ表示用データのストランドである。「オフセット値」は、そのクエリー配列を指定する際に用いられた塩基配列を有するエレメント上におけるそのクエリー配列の最初の塩基の位置である。
【0065】
BLAST応答データ格納領域218bには、各BLAST応答データがテーブル形式で格納される。BLAST応答データには、図10に示すように、要求データ、設定条件データ、結果データ、及び更新日に関するデータが含まれる。BLAST応答データに含まれる要求データは、BLAST要求データ格納領域218aに格納されているBLAST要求データと略同じであるが、「FASTA番号」、「FASTAコメント」という二つのデータ項目が追加されている。本実施形態では、第一のクエリー指定方法を用いてクエリー配列を指定する場合、クエリー配列をFASTAフォーマットで入力することにしている。このため、ユーザは、複数のクエリー配列を入力し、各クエリー配列にコメントを付けることができる。「FASTA番号」は、一のBLAST実行要求に対して複数のクエリー配列が入力された場合に各クエリー配列に付与された識別番号である。「FASTAコメント」は、そのクエリー配列に付けられたコメントの内容である。また、BLAST応答データに含まれる要求データでは、BLAST要求データ格納領域218aに格納されているBLAST要求データにおける「更新日」が「要求登録日時」というデータ項目名に変更されている。
【0066】
設定条件データは、BLASTを実行する際に所定のBLAST実行指示画面上で入力されたパラメータや設定条件等の内容であり、「検索対象データ名」、「実行プログラム名」、「マトリクス」、「アライメント」、「フレームシフトペナルティ」、「Query Genetic Code」、「期待値の最大値」、「Descriptions Max」、「フィルター」、「その他の拡張オプション」を含んでいる。また、結果データは、要求データ及び設定条件データに基づいて実行されたBLASTの実行結果の内容であり、「総ヒット数」、「総HSP数」、「スコアの最大値」、「ビットスコアの最大値」、「期待値の最小値」、「応答時間」、「エラーコード」を含んでいる。これらの各データ項目の内容は、通常、BLASTを実行する際に設定する条件、BLAST実行により得られる結果の内容と同じであるので、ここではその詳細な説明を省略する。また、BLAST応答データに含まれる更新日に関するデータは、そのBLAST実行により結果が得られた日時についてのデータである。
【0067】
BLAST応答詳細データ格納領域218cには、各BLAST応答詳細データがテーブル形式で格納されている。BLAST応答詳細データは、BLAST実行により得られた結果の詳細な内容であり、図10に示すように、「BLASTリクエストID」、「FASTA番号」、「ヒット連番」、「ヒットID」、「HIT DEF」、「ヒット長」、「HSP連番」「ビットスコア」、「スコア」、「期待値」、「アイデンティティ」、「クエリーストランド」、「検索対象データヒットストランド」、「クエリーヒット開始位置」、「クエリーヒット終了位置」、「検索対象データヒット開始位置」、「検索対象データヒット終了位置」、「クエリーシーケンス」、「検索対象データヒットシーケンス」、「更新日」を含んでいる。
【0068】
「検索対象データヒット開始位置」は、BLAST実行によりヒットした塩基配列の範囲の開始位置であり、「検索対象データヒット終了位置」は、BLAST実行によりヒットした塩基配列の範囲の終了位置である。本実施形態では、BLAST実行結果も、例えば染色体をベースとしたマップ画面上にグラフィカルに表示することができる。このため、「検索対象データヒット開始位置」、「検索対象データヒット終了位置」としては、どの染色体上のどの位置であるかが分かるようなデータを用いている。通常、BLASTはコンティグ等のデータに対して実行されており、そのBLAST実行結果には、検索対象データ(コンティグ等)上での位置データは含まれるが、染色体上での位置データが含まれることはなかった。この意味で、BLAST実行結果データ(BLAST応答詳細データ)に、ヒットした塩基配列についての染色体上の位置データを含めている点は、本実施形態の一つの特徴である。実際、本実施形態では、例えばヒトゲノムのすべての染色体に対する塩基配列データを、BLASTの検索対象データとしてデータ群格納手段21に格納している。そして、BLAST実行処理手段51が、そのすべての染色体(ゲノム全体)に対する塩基配列データに対してBLASTを実行する。このため、本実施形態では、BLASTの実行によりヒットした塩基配列が、どの染色体上のどの位置に存在するのかを容易に特定することができる。尚、BLAST応答詳細データのその他の各データ項目の内容は、通常のBLAST実行により得られる結果の詳細な内容と同じであるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0069】
BLAST応答オリジナルデータ格納領域218dには、各BLAST応答オリジナルデータがテーブル形式で格納されている。BLAST応答オリジナルデータは、図10に示すように、「BLASTリクエストID」、「コンテントタイプ」、「コンテント」、「更新日」を含んでいる。本実施形態では、BLASTの実行結果データは、HTML形式のデータで作成され、当該端末80に送信される。「コンテントタイプ」には、そのデータ形式が記述される。「コンテント」は、そのBLASTリクエストIDに対するHTML形式のBLAST実行結果データそのものである。「更新日」は、そのBLAST実行結果データが作成された日時である。
【0070】
尚、上記の説明から分かるように、BLAST実行結果データ格納部218は、本発明の第五データ格納手段及び第六データ格納手段としての役割を果たす。すなわち、BLAST実行結果データ格納部218には、第一のクエリー指定方法を用いて実行されたBLAST(第一相同性検索)についてのBLAST実行結果データが格納されると共に、第二のクエリー指定方法を用いて実行されたBLAST(第二相同性検索)についてのBLAST実行結果データが格納される。但し、第一のクエリー指定方法を用いて実行されたBLASTについてのBLAST実行結果データと第二のクエリー指定方法を用いて実行されたBLASTについてのBLAST実行結果データとを別個のデータ格納部に格納するようにしてもよい。
【0071】
次に、各端末80の構成について説明する。各端末80は、図3に示すように、キーボードやマウス等の入力手段81と、液晶表示装置等の表示手段82と、制御手段83と、記憶手段84とを備える。記憶手段84は、サーバ10から送られた、マップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データと、それに関連するデータ(アノテーションデータ、新規エレメントデータ、個別設定データ、塩基配列データ)と、所定の画面構成スクリプトと、所定のレイアウトスクリプトとを一時的に格納するものである。
【0072】
制御手段83は、端末80の各部を統括して制御するものである。この制御手段83は、認証画面表示制御手段83aと、検索画面表示制御手段(第一表示制御手段)83bと、マップ画面表示制御手段(第二表示制御手段)83cと、通信制御手段83dとを有する。
【0073】
認証画面表示制御手段83aは、所定の認証画面を表示手段82の画面上に表示するものである。ここで、認証画面はウェブブラウザの画面に埋め込まれて表示される。図11は認証画面の一例を示す図である。この認証画面110には、「User Name」と記されたユーザIDの入力部111と、パスワードの入力部112とが設けられている。ユーザがユーザIDとパスワードを入力し、「OK」ボタン113をクリックすると、通信制御手段83dは、認証要求と共にその入力したユーザID及びパスワードをサーバ10に送信する。
【0074】
検索画面表示制御手段83bは、サーバ10から認証OKフラグが送られたときに、検索画面を表示手段82の画面上に表示するものである。ここで、検索画面はウェブブラウザの画面に埋め込まれて表示される。本実施形態では、検索画面として6種類の画面を設けている。すなわち、Simple Search画面、Advanced Search画面、BLAST Search画面、Annotation List画面、New Element List画面、及びBLAST Result画面の6種類である。検索画面の上部に6個のタブが設けられている。ユーザが所定のタブをクリックすると、そのタブに示された名称の検索画面が表示される。
【0075】
図12はSimple Search画面を説明するための図である。このSimple Search画面は本発明の第一の検索画面に該当する。Simple Search画面120は、エレメントの名称を検索条件として入力し、その名称に該当するエレメントデータを検索する場合に用いられるものである。ここで、詳しくは後述するが、実際、Simple Search画面120による検索では、キーワードデータの検索が行われ、その検索で得られたキーワードデータに基づいてエレメントデータが特定される。このSimple Search画面120には、図12に示すように、「Select Display Data」と記されたマップ表示用データ選択部121と、「Input Query」と記された検索条件入力部122と、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部123と、「Search」ボタン124と、「Clear」ボタン125と、サーバ10から送られた検索結果データを表示する検索結果表示部126とが設けられている。
【0076】
マップ表示用データ選択部121は、マップ画面に表示しようとするマップ表示用データを選択するためのものである。このマップ表示用データ選択部121で選択されたマップ表示用データが、検索手段41による検索の対象となる。実際、マップ表示用データ選択部121のコンボボックスには、レイアウトスクリプトのタイトルの一覧が表示され、ユーザがその一覧から所望のタイトルを選択することにより、マップ表示用データ選択部121にその選択したタイトルが入力される。レイアウトスクリプトには、マップ画面に表示するマップ表示用データの名称が記述されているので、本実施形態では、マップ画面に表示しようとするマップ表示用データを、レイアウトスクリプトのタイトルによって指定することにしているのである。図12の例では、マップ表示用データ選択部121に、レイアウトスクリプトのタイトルである「UCSC Golden Path」が入力されている。「UCSC Golden Path」というレイアウトスクリプトには、マップ画面に表示するマップ表示用データの名称として、RefSeq、GenScan、Coverageが記述されている。
【0077】
検索条件入力部122は、検索しようとするエレメントの名称を文字列で入力するためのものである。文字列を入力する際に、ワイルドカード(*)を使用することができる。図12の例では、「rb*」が入力されている。また、染色体番号を入力することもできる。例えば「chr13」と入力すると、これは13番染色体に含まれるすべてのエレメントということを意味する。マップ表示用データ選択部121に入力されたデータと検索条件入力部122に入力されたデータと当該ユーザのIDとが検索データとなる。尚、「Clear」ボタン125は、検索条件入力部122に入力されたデータを消去するためのものである。
【0078】
また、画面構成選択部123は、マップ画面の画面構成を選択するためのものである。この画面構成選択部123には、「Single」、「Sync」、「Non Sync」の三つの選択欄が設けられている。「Singe」を選択するとシングル画面構成が選択され、「Sync」を選択すると同期画面構成が選択され、「Non Sync」を選択すると非同期画面構成が選択される。マップ画面表示制御手段83cは、マップ画面を表示する際に、画面構成選択部123で選択された画面構成のマップ画面を作成することになる。この画面構成選択部123で選択された内容は検索データではないが、ユーザの操作の便宜上、この時点でマップ画面の画面構成を指定することにしている。
【0079】
ユーザがマップ表示用データ選択部121及び検索条件入力部122にデータを入力し、「Search」ボタン124をクリックすると、通信制御手段83dは、Simple Search画面による検索(キーワードデータの検索)を行う旨の検索要求と共に、その入力したデータ、当該ユーザのIDをサーバ10に送信する。サーバ10の検索手段41は、マップ表示用データ選択部121で選択されたレイアウトスクリプトのタイトルを含む検索データが各端末80から送られたときに、当該タイトルに対応するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21から取得し、その取得したレイアウトスクリプトの記述内容から検索対象となるマップ表示用データの種類を決定する。
【0080】
検索結果表示部126には、サーバ10から送られた検索結果データが一覧表示される。各検索結果データは、「Name」、「Chrom」、「Strand」、「Chrom Start」、「Chrom End」、「Comment」の各項目に分けて表示される。サーバ10は、検索データに該当するエレメントについてのエレメントデータ又は新規エレメントデータを、検索結果データとして端末80に送信する。このため、上記の各表示項目はエレメントデータの内容と略同じである。すなわち、「Name」の欄には、検索データに該当するエレメントの名称が表示される。「Chrom」の欄には、そのエレメントを含んでいる染色体の番号が表示される。「Strand」の欄には、そのエレメントを含んでいるエレメントデータのストランドが表示される。「Chrom Start」の欄には、その染色体における当該エレメントの開始位置が表示され、「Chrom End」の欄には、その染色体における当該エレメントの終了位置が表示される。また、「Comment」の欄には、所定のコメントが記載される。ユーザが、検索結果表示部126における検索結果データの一覧から、一の検索結果データを選択すると、通信制御手段83dは、その選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に、当該選択した検索結果データに含まれる染色体番号、マップ表示用データ選択部121に入力されたレイアウトスクリプトのタイトル、画面構成選択部123で選択された画面構成の内容をサーバ10に送信する。その後、そのマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのデータがサーバ10から当該端末80に送られると、マップ画面が表示される。
【0081】
図13はAdvanced Search画面を説明するための図である。このAdvanced Search画面も本発明の第一の検索画面に該当する。Advanced Search画面130は、複数の条件を検索条件として指定し、その検索条件に該当するエレメントデータを検索する場合に用いられるものである。ここで、Advanced Search画面130による検索でも、Simple Search画面120による検索と同様に、キーワードデータの検索が行われ、その検索で得られたキーワードデータに基づいてエレメントデータが特定される。このAdvanced Search画面130は、図13に示すように、「Select Display Data」と記されたマップ表示用データ選択部131と、「Input Query」と記された検索条件入力部132と、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部133と、「Search」ボタン134と、「Clear」ボタン135と、サーバ10から送られた検索結果データを表示する検索結果表示部136とが設けられている。尚、マップ表示用データ選択部131、画面構成選択部133、「Search」ボタン134、「Clear」ボタン135及び検索結果表示部136の内容は、Simple Search画面120におけるものと同じである。
【0082】
検索条件入力部132には、検索条件を入力するための二つの入力欄132a,132aと、「Chromosome」欄132bと、「Lane」欄132cとが設けられている。各入力欄132aでは、検索対象としてエレメント、アノテーションのうちいずれかを選択し、その選択した検索対象について検索しようとする文字列を入力する。すなわち、入力欄132aのコンボボックスには「Name」、「Annotation」が表示され、ユーザがそのうちのいずれか一方を選択することにより、当該入力欄132aの左側にその選択した検索対象の名称が入力される。また、各入力欄132aには、検索条件である文字列を二つまで入力することができる。二つの検索条件を入力した場合、それらの検索条件については、「or」条件で検索が行われる。このように、Advanced Search画面130では、エレメントの名称だけでなく、アノテーションに含まれる文言を用いてエレメントデータの検索を行うことができる。
【0083】
「Chromosome」欄132bは、検索対象となる染色体を選択するものである。「Chromosome」欄132bのコンボボックスには、染色体の番号が一覧表示される。ユーザがその一覧から所望の項目を選択することにより、「Chromosome」欄132bにその選択した項目が入力される。この場合、検索手段41は、その選択された染色体に対して当該検索条件を用いて検索を行うことになる。尚、マップ表示用データ選択部131で選択されたマップ表示用データが染色体という区分を持たない場合には、「Chromosome」欄132bは選択できなくなる。
【0084】
「Lane」欄132cは、マップ表示用データ選択部131で選択された複数のマップ表示用データの中から、さらに検索対象とするマップ表示用データを絞り込むためのものである。「Lane」欄132cのコンボボックスには、マップ表示用データ選択部131で選択されたマップ表示用データの名称が一覧表示される。ユーザがその一覧から所定の名称を選択することにより、「Lane」欄132cにその選択したマップ表示用データの名称が入力される。この場合、検索手段41は、その選択されたマップ表示用データに対して当該検索条件を用いて検索を行うことになる。尚、この「Lane」欄132cでの選択はあくまでも検索対象を絞り込むために行われるものであり、マップ画面には、マップ表示用データ選択部131で選択されたレイアウトスクリプトで特定される複数のマップ表示用データが表示される。
【0085】
Advanced Search画面130では、マップ表示用データ選択部131に入力されたデータと検索条件入力部132に入力されたデータと当該ユーザのIDとが検索データとなる。ここで、入力欄132a,132aに入力された内容と、「Chromosome」欄132bに入力された内容と、「Lane」欄132cに入力された内容とについては、「and」条件で検索が行われる。このように、Advanced Search画面130を用いると、検索対象となるマップ表示用データを絞り込むことができるので、検索時間の短縮化を図ることができる。
【0086】
本実施形態では、各マップ表示用データ、各アノテーションデータ及び各新規エレメントデータからキーワードを抽出し、その抽出したキーワードを含むキーワードデータを一つのキーワードデータ格納部215に格納している。そして、Simple Search画面120、Advanced Search画面130を利用して検索を行う場合には、かかるキーワードデータが検索手段41による検索の対象となる。すなわち、検索手段41は、当該検索画面に対応する内容の検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが各端末80から送られると、まず、キーワードデータ格納部215に格納されている複数のキーワードデータの中から、当該ユーザに開示が認められるものを開示区分に基づいて識別する。具体的に、検索手段41は、キーワードデータに含まれる開示区分がpersonalである場合、当該ユーザのIDがそのキーワードデータに含まれるユーザIDと一致すれば、そのキーワードデータは当該ユーザに開示が認められると判断する。キーワードデータに含まれる開示区分がgroupである場合には、当該ユーザのIDに対応するグループIDをユーザ管理データ格納部211から取得し、その取得したグループIDがそのキーワードデータに含まれるグループIDと一致すれば、そのキーワードデータは当該ユーザに開示が認められると判断する。また、キーワードデータに含まれる開示区分がpublicである場合には、そのキーワードデータは当該ユーザに開示が認められると判断する。更に、キーワードデータに含まれる開示区分に何もデータが含まれていない場合、すなわち、当該キーワードがマップ表示用データから抽出されたものである場合には、開示区分がpublicである場合と同様に、そのキーワードデータは当該ユーザに開示が認められると判断する。
【0087】
次に、検索手段41は、こうして識別されたキーワードデータの中から、当該検索データに該当するキーワードデータを特定し、その特定したキーワードデータをキーワードデータ格納部215から取得する。そして、その取得したキーワードデータに関連付けられたエレメントデータ又は新規エレメントデータ、及びマップ表示用データに基づいて検索結果データを作成する。具体的には、検索手段41は、まず、その検索データに基づいて、エレメント名の検索を行うのか、アノテーションから抽出された文言の検索を行うのかを認識する。次に、上記の識別されたキーワードデータの中から、その認識した内容に応じたキーワードタイプを有するキーワードデータであって、その検索データに該当するキーワードを有するものを特定し、その特定したキーワードデータをキーワードデータ格納部215から取得する。その後、その取得したキーワードデータに含まれるデータ名とエレメントIDとに基づいて、当該キーワードデータに関連付けられたエレメントデータ又は新規エレメントデータ、及びマップ表示用データを特定する。こうして特定されたエレメントデータ又は新規エレメントデータ、及びマップ表示用データに基づいて検索結果データが作成される。
【0088】
ところで、Simple Search画面120、Advanced Search画面130を利用して検索を行う場合、検索手段41は、複数のマップ表示用データ格納部212,212,・・・に格納されているエレメントデータ、アノテーションデータ格納部213に格納されているアノテーションデータ、新規エレメントデータ格納部214に格納されている新規エレメントデータに対して直接、検索を行うことも可能である。しかし、これでは検索に長い時間がかかるという問題がある。このため、本実施形態では、キーワードデータ格納部215を設け、そのキーワードデータ格納部215に格納されているキーワードデータに対して検索を行うことにより、検索処理の迅速化を図っている。
【0089】
図14はBLAST Search画面を説明するための図である。このBLAST Search画面は本発明の第四の検索画面に該当する。BLAST Search画面140は、第一のクエリー指定方法によりクエリー配列を指定してBLASTを実行したり、その第一のクエリー指定方法を利用して実行されたBLASTの実行結果を検索したりする場合に用いられる。このBLAST Search画面140は、図14に示すように、「Go to BLAST」ボタン141と、「Select Display Data」と記されたマップ表示用データ選択部142と、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部143と、「Search」ボタン144と、検索結果表示部145と、「Delete」ボタン146と、「Display」ボタン147とが設けられている。尚、画面構成選択部143は、Simple Search画面120におけるものと同じである。
【0090】
「Go to BLAST」ボタン141は、所定のBLAST実行指示画面(不図示)を表示するためのものである。この「Go to BLAST」ボタン141が押されると、通信制御手段83dは、第一のクエリー指定方法によるBLAST実行を行う旨の要求をサーバ10に送信する。サーバ10のBLAST実行処理手段51は、かかるBLAST実行要求を受け取ると、そのBLAST実行要求に対してBLASTリクエストIDを発行する。そして、通信制御部63は、所定のBLAST実行指示画面を当該端末80に送信する。こうして、端末80の画面上に、BLAST実行指示画面が表示される。このBLAST実行指示画面はHTML形式のものである。このBLAST実行指示画面には、BLASTを実行する対象となる実行対象データの選択欄、クエリー配列の入力欄、その他のBLAST実行条件の設定欄が設けられている。クエリー配列の入力欄には、クエリー配列をFASTAフォーマットで入力する。これにより、複数のクエリー配列をFASTAコメントとともに入力することができる。例えば、FASTAコメントとしては、当該クエリー配列の内容を示すようなコメントを入力する。ユーザがBLAST実行指示画面上で所定のデータを入力した後に、BLAST実行のボタンを押すと、通信制御手段83dは、かかるデータをサーバ10に送信する。BLAST実行処理手段51は、かかるデータを受け取ると、それに基づいて、所定の実行対象データに対してクエリー配列の全部又は一部と相同又は類似している配列を検索する。通常、一回のBLAST実行に対して複数の結果が得られる。BLAST実行処理手段51で作成されたBLAST実行結果データは、BLAST実行結果データ格納部218に格納される。
【0091】
マップ表示用データ選択部142は、マップ画面に表示しようとするマップ表示用データを選択するためのものである。但し、BLAST Search画面140によるBLAST実行結果の検索では、Simple Search画面120、Advanced Search画面130による検索の場合と異なり、そのマップ表示用データ選択部142で選択されるマップ表示用データは検索データではない。検索結果表示部145に検索結果データの一覧が表示され、そのうちの一の検索結果データが選択されたときに、マップ表示用データ選択部142は入力可能になる。
【0092】
「Search」ボタン144は、ユーザ自身が過去にBLAST Search画面140を利用して実行指示を出したBLASTの実行結果を検索する旨の検索要求を当該ユーザのIDとともにサーバ10に送信するためのものである。このBLAST Search画面140から行ったBLASTの実行結果についての検索では、当該ユーザのIDが検索データとなる。サーバ10の検索手段41は、その検索要求及びユーザIDが送られたときに、BLAST Search画面140から行ったBLASTの実行結果であってそのユーザIDに該当するものを、BLAST実行結果データ格納部218から検索する。そして、その検索で得られたBLAST実行結果データに基づいて所定の検索結果データを生成する。具体的に、検索手段41は、検索結果データとして、BLASTリクエストIDと、BLAST実行日時と、検索対象データ名と、FASTA番号と、FASTAコメントと、ヒットした塩基配列の含まれる染色体の番号とを含むデータを作成する。かかる検索結果データが当該端末80に送られると、検索結果データの一覧が検索結果表示部145に表示される。
【0093】
検索結果表示部145には、図14に示すように、各検索結果データが階層構造で表示される。最初、各検索結果データについては、その最上位の階層だけが表示される。この最上位の階層には、BLASTリクエストIDと、BLAST実行日時と、検索対象データ名とが表示される。各最上位の階層の左端に付いているマークをクリックすると、当該最上位の階層について、一又は複数の第二の階層が表示される。一回のBLAST実行要求で複数のクエリー配列を入力した場合に、複数の第二階層が現れることがある。この第二階層には、FASTA番号と、FASTAコメントとが表示される。各第二階層の左端に付いているマークをクリックすると、当該第二階層について、一又は複数の第三の階層が表示される。この第三階層には、ヒットした塩基配列が含まれる染色体の番号が表示される。このように、ユーザは、検索結果データの各階層に示された内容を見ると、いつどのようなBLASTの実行を行い、どの染色体に含まれる塩基配列にヒットしたのかを容易に知ることができる。尚、クエリー配列の内容、ヒットした塩基配列の位置等については、マップ画面において知ることができる。
【0094】
「Delete」ボタン146は、検索結果表示部145で選択された一の検索結果データに対応するBLAST実行結果データを削除するためのものである。「Display」ボタン147は、検索結果表示部145で選択された一の検索結果データに関するマップ画面の表示要求をサーバ10に送信するためのものである。すなわち、ユーザが検索結果表示部145において所定の検索結果データ(第三階層)を選択すると、マップ表示用データ選択部142が選択できるようになる。ユーザが、このマップ表示用データ選択部142においてマップ画面に表示するマップ表示用データの種類を選択した後、「Display」ボタン147を押すと、通信制御手段83dは、その選択された第三階層に関するマップ画面の表示要求と共に、その第三階層に示された染色体番号、マップ表示用データ選択部142に入力されたレイアウトスクリプトのタイトル、画面構成選択部143で選択された画面構成の内容をサーバ10に送信する。その後、そのマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのデータがサーバ10から当該端末80に送られると、マップ画面が表示される。
【0095】
図15はAnnotation List画面を説明するための図である。このAnnotation List画面は本発明の第二の検索画面に該当する。Annotation List画面150は、ユーザが登録したアノテーションを検索する場合に用いられるものである。Annotation List画面150には、図15に示すように、「Select Display Data」と記されたマップ表示用データ選択部151と、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部152と、「Search」ボタン153と、検索結果表示部154と、「Modify」ボタン155と、「Delete」ボタン156と、「Detail」ボタン157と、「Display」ボタン158とが設けられている。尚、マップ表示用データ選択部151、画面構成選択部152は、Simple Search画面120におけるものと同様である。
【0096】
「Search」ボタン153は、ユーザが登録したアノテーションを検索する旨の検索要求と共に、マップ表示用データ選択部151で選択された内容、当該ユーザのIDをサーバ10に送信するためのものである。このアノテーションの検索では、マップ表示用データ選択部151で選択された内容と当該ユーザのIDとが検索データとなる。サーバ10の検索手段41は、アノテーションデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが各端末80から送られたときに、当該検索データに該当するアノテーションデータをアノテーションデータ格納部213から取得し、その取得したアノテーションデータとそれに関連付けられたエレメントデータ又は新規エレメントデータ、及びマップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成する。すなわち、検索手段41は、マップ表示用データ選択部151で選択された内容を含む検索データが各端末80から送られたときに、当該選択された内容に対応するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21から取得し、その取得したレイアウトスクリプトの記述内容から検索対象となるマップ表示用データの種類を決定する。そして、その決定したマップ表示用データの名称と同じ名称をデータ名に含んでいるアノテーションデータの中から、当該ユーザのIDに基づいて当該ユーザが登録したものを抽出する。次に、検索手段41は、こうして抽出された各アノテーションデータに基づいて、アノテーションの内容と、開示区分と、アノテーションを登録したユーザの名前と、アノテーションが付与されたエレメント名と、そのエレメントが含まれる染色体の番号とを含む検索結果データを作成する。かかる検索結果データが当該端末80に送られると、検索結果データの一覧が検索結果表示部154に表示される。
【0097】
検索結果表示部154は、Annotation List画面150の下部に表示される。検索結果表示部154には、サーバ10から送られた検索結果データの一覧が表示される。各検索結果データは、「Name」、「Chrom」、「Annotation」、「User」、「Level」の各項目に分けて表示される。「Annotation」の欄には、検索で得られたアノテーションの内容が表示される。「Name」の欄には、そのアノテーションが付与されたエレメントの名称が表示される。「Chrom」の欄には、そのエレメントが含まれる染色体の番号が表示される。「User」の欄には、そのアノテーションを登録したユーザの名前が表示される。「Level」の欄には、そのアノテーションの開示区分が表示される。図15の例では、ユーザ本人が遺伝子「ADA」に「testTEST」というアノテーションを付与し、その開示区分をpersonalとしてデータ群格納手段21に登録していた場合に、そのアノテーションについての検索結果データが検索結果表示部154に表示されている。
【0098】
「Modify」ボタン155は、検索結果表示部154で選択された一の検索結果データに対応するアノテーションデータついて、その内容(文字列や開示区分等)を修正するためのものである。「Modify」ボタン155を押すと、アノテーションの修正画面が表示される。この修正画面はアノテーション登録画面と同じである。「Delete」ボタン156は、検索結果表示部154で選択された一の検索結果データに対応するアノテーションデータを削除するためのものである。ここで、修正・削除することができるアノテーションデータは、ユーザ本人が登録したものだけである。「Detail」ボタン157は、検索結果表示部154で選択された一の検索結果データに対応するアノテーションデータの詳細を表示するためのものである。「Display」ボタン158は、検索結果表示部154で選択された一の検索結果データに関するマップ画面の表示要求をサーバ10に送信するためのものである。すなわち、ユーザが、検索結果表示部154における検索結果データの一覧から、一の検索結果データを選択し、「Display」ボタン158を押すと、通信制御手段83dは、その選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に、当該選択した検索結果データに含まれる染色体番号、マップ表示用データ選択部151に入力されたレイアウトスクリプトのタイトル、画面構成選択部152で選択された画面構成の内容をサーバ10に送信する。その後、そのマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのデータがサーバ10から当該端末80に送られると、マップ画面が表示される。
【0099】
図16はNew Element List画面を説明するための図である。このNew Element List画面は本発明の第三の検索画面に該当する。New Element List画面160は、ユーザが登録した新規エレメントを検索する場合に用いられるものである。New Element List画面160には、図16に示すように、「Select Display Data」と記されたマップ表示用データ選択部161と、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部162と、「Search」ボタン163と、検索結果表示部164と、「Modify」ボタン165と、「Delete」ボタン166と、「Detail」ボタン167と、「Display」ボタン168とが設けられている。尚、マップ表示用データ選択部161、画面構成選択部162は、Simple Search画面120におけるものと同様である。
【0100】
「Search」ボタン163は、ユーザが登録した新規エレメントを検索する旨の検索要求と共に、マップ表示用データ選択部161で選択された内容、当該ユーザのIDをサーバ10に送信するためのものである。この新規エレメントの検索では、マップ表示用データ選択部161で選択された内容と当該ユーザのIDとが検索データとなる。サーバ10の検索手段41は、新規エレメントデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが各端末80から送られたときに、当該検索データに該当する新規エレメントデータを新規エレメントデータ格納部214から取得し、その取得した新規エレメントデータとそれに関連付けられたマップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成する。すなわち、検索手段41は、マップ表示用データ選択部161で選択された内容を含む検索データが各端末80から送られたときに、当該選択された内容に対応するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21から取得し、その取得したレイアウトスクリプトの記述内容から検索対象となるマップ表示用データの種類を決定する。そして、その決定したマップ表示用データの名称と同じ名称をデータ名に含んでいる新規エレメントデータの中から、当該ユーザのIDに基づいて当該ユーザが登録したものを抽出する。次に、検索手段41は、こうして抽出された各新規エレメントデータに基づいて、新規エレメント名と、その新規エレメントが含まれる染色体の番号と、ストランドと、開始位置と、終了位置と、その新規エレメントを登録したユーザの名前とを含む検索結果データを作成する。かかる検索結果データが当該端末80に送られると、検索結果データの一覧が検索結果表示部164に表示される。
【0101】
検索結果表示部164は、New Element List画面160の下部に表示される。検索結果表示部164には、サーバ10から送られた検索結果データの一覧が表示される。各検索結果データは、「Name」、「Chrom」、「Strand」、「Chrom Start」、「Chrom End」、「User」の各項目に分けて表示される。「Name」の欄には、検索で得られた新規エレメントの名称が表示される。「Chrom」の欄には、その新規エレメントが含まれる染色体の番号が表示される。「Strand」の欄には、その新規エレメントデータのストランドが表示される。「Chrom Start」の欄には、その染色体における当該新規エレメントの開始位置が表示され、「Chrom End」の欄には、その染色体における当該新規エレメントの終了位置が表示される。また、「User」の欄には、当該新規エレメントを登録したユーザの名前が表示される。
【0102】
「Modify」ボタン165は、検索結果表示部164で選択された一の検索結果データに対応する新規エレメントデータついて、その内容(エレメント名や開示区分等)を修正するためのものである。「Modify」ボタン165を押すと、新規エレメントの修正画面が表示される。この修正画面は新規エレメント登録画面と同じである。「Delete」ボタン166は、検索結果表示部154で選択された一の検索結果データに対応する新規エレメントデータを削除するためのものである。ここで、修正・削除することができる新規エレメントデータは、ユーザ本人が登録したものだけである。「Detail」ボタン167は、検索結果表示部164で選択された一の検索結果データに対応する新規エレメントデータの詳細を表示するためのものである。「Display」ボタン168は、検索結果表示部164で選択された一の検索結果データに関するマップ画面の表示要求をサーバ10に送信するためのものである。すなわち、ユーザが、検索結果表示部164における検索結果データの一覧から、一の検索結果データを選択し、「Display」ボタン168を押すと、通信制御手段83dは、その選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に、当該選択した検索結果データに含まれる染色体番号、マップ表示用データ選択部161に入力されたレイアウトスクリプトのタイトル、画面構成選択部162で選択された画面構成の内容をサーバ10に送信する。その後、そのマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのデータがサーバ10から当該端末80に送られると、マップ画面が表示される。
【0103】
図17はBLAST Result画面を説明するための図である。このBLAST Result画面は本発明の第五の検索画面に該当する。BLAST Result画面170は、第二のクエリー指定方法を利用して実行されたBLASTの実行結果を検索する場合に用いられる。このBLAST Result画面170は、図17に示すように、「Select Display Pattern」と記された画面構成選択部171と、「Search」ボタン172と、検索結果表示部173と、「Delete」ボタン174と、「Display」ボタン175とが設けられている。尚、画面構成選択部171は、Simple Search画面120におけるものと同じである。
【0104】
「Search」ボタン172は、ユーザ自身が過去に第二のクエリー指定方法を利用して実行指示を出したBLASTの実行結果を検索する旨の検索要求を当該ユーザのIDとともにサーバ10に送信するためのものである。この第二のクエリー指定方法を利用して実行されたBLASTの実行結果についての検索では、当該ユーザのIDが検索データとなる。サーバ10の検索手段41は、その検索要求及びユーザIDが送られたときに、第二のクエリー指定方法を利用して実行されたBLASTの実行結果であってそのユーザIDに該当するものを、BLAST実行結果データ格納部218から検索する。そして、その検索で得られたBLAST実行結果データに基づいて所定の検索結果データを生成する。具体的に、検索手段41は、検索結果データとして、エレメント名と、トップヒットした塩基配列が含まれる染色体の番号と、その染色体の中でのヒット数と、ユーザ名と、BLAST実行を開始した日時と、BLAST実行が終了した日時とを含むデータを作成する。かかる検索結果データが当該端末80に送られると、検索結果データの一覧が検索結果表示部173に表示される。
【0105】
検索結果表示部173には、サーバ10から送られた検索結果データが一覧表示される。各検索結果データは、図17に示すように、「Information」、「User」、「Start Time」、「End Time」の各項目に分けて表示される。「Information」の欄には、エレメント名と、トップヒットした塩基配列が含まれる染色体の番号と、その染色体の中でのヒット数とが表示される。「User」の欄には、そのBLAST実行を要求したユーザの名前が表示される。「Start Time」の欄には、そのBLAST実行を開始した日時が表示され、「End Time」の欄には、そのBLAST実行を終了した日時が表示される。
【0106】
「Delete」ボタン174は、検索結果表示部173で選択された一の検索結果データに対応するBLAST実行結果データを削除するためのものである。「Display」ボタン175は、検索結果表示部173で選択された一の検索結果データに関するマップ画面の表示要求をサーバ10に送信するためのものである。すなわち、ユーザが検索結果表示部173に表示された検索結果データの一覧から、一の検索結果データを選択し、「Display」ボタン175を押すと、通信制御手段83dは、その選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に、当該選択した検索結果データに含まれる染色体番号、画面構成選択部171で選択された画面構成の内容をサーバ10に送信する。その後、そのマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのデータがサーバ10から当該端末80に送られると、マップ画面が表示される。
【0107】
マップ画面表示制御手段83cは、サーバ10から送られたマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータと、所定の画面構成スクリプト及びレイアウトスクリプトとに基づいて、所定のマップ画面を作成し、表示手段82の画面上に表示するものである。マップ画面はウェブブラウザの画面とは別の画面に表示される。
【0108】
図18はマップ画面の一例を示す図である。具体的に、図18に示すマップ画面180は、図12のSimple Search画面120において、検索結果データとして「RB1」(ガン抑制遺伝子)が、レイアウトスクリプトとして「UCSC Golden Path」が、画面構成スクリプトとしてシングル画面構成がそれぞれ選択されたときに表示されたものである。マップ画面180は、メニュー領域181と、キャンバス領域191とに分けられる。メニュー領域181は、マップ画面180を制御するメニューを表示する領域である。キャンバス領域191は、ゲノム情報を表示する領域であり、第一領域195、第二領域196、第三領域197の三つの領域に分けられる。第一領域195はキャンバス領域191の中央部に、第二領域196はキャンバス領域191の上部に、第三領域197はキャンバス領域191の下部にそれぞれ設けられている。
【0109】
第一領域195には、マップ表示用データの種類毎に、所定の検索画面上で選択された検索結果データに対応するエレメントが略中央に位置するように各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示した拡大マップが表示される。図18では、拡大マップの中央部に、遺伝子「RB1」が所定の表示倍率で表示されている。拡大マップにおいて「scale」と書かれた部分には、染色体を基準とした位置の目盛りが示されている。すなわち、拡大マップの横軸は染色体上の位置を表している。また、拡大マップの左側には、上下方向に沿って、各マップ表示用データの名称が表示される。ここで、マップ表示用データがストランドを含む場合には、当該マップ表示用データをストランドにより二つに区別して表示している。図18の例では、RefSeq(+)、GenScan(+)、Coverage、GenScan(−)、RefSeq(−)という五つのマップ表示用データの名称が表示されている。
【0110】
各マップ表示用データの名称が表示された部分に対応するレーン(行)上には、当該マップ表示用データに含まれる各エレメントの存在するゲノム上の範囲がグラフィカルに表示される。具体的には、各エレメントの存在するゲノム上の範囲を帯状の図形で示したグラフィカル表示がなされる。但し、マップ画面表示制御手段83cは、拡大マップを作成する場合、拡大マップ上におけるエレメントの表示範囲が所定の大きさよりも大きく、且つ、所定種類のマップ表示用データにエクソンデータが含まれているときに、エクソンデータを含むマップ表示用データに対する当該エレメントの表示範囲においては、当該エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示す代わりに、当該エレメントの各エクソンの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示す。具体的には、各エクソンの存在するゲノム上の範囲を帯状の図形で表すと共にそれらのエクソンを直線で繋いだグラフィカル表示がなされる。図18の例では、RefSeq(+)に対する遺伝子「RB1」がエクソン構造でグラフィカルに表示されている。このように、本実施形態では、各マップ表示用データに含まれる各エレメントを、マップ表示用データの種類毎にグラフィカルに表示することができるので、各マップ表示用データの内容を容易に比較することができる。
【0111】
第二領域196には、サーバ10から送られた一まとまりのマップ表示用データに対応するゲノム上の範囲をバンド構造で示す全体マップ196aと、拡大マップに表示されているゲノム上の範囲を全体マップ196a上で指し示すラバーバンド(指示手段)196bとが表示される。図18の例では、ヒトゲノムの13番染色体に関する所定種類のマップ表示用データがサーバ10から送られているので、全体マップ196aとして、ヒトゲノムの13番染色体のバンド構造図が表示されている。また、第二領域196の左上には、全体マップ196aの名称が表示され、第二領域196の右下には、拡大マップに表示されているゲノム上の範囲が数値(塩基の位置)で表示されている。図18の例では、全体マップ196aの名称として「Chromosome13」が表示され、拡大マップに表示されているゲノム上の範囲として「46449023−47484841」が表示されている。
【0112】
また、マウスを用いて全体マップ196a上の所定位置をクリックすることにより、ラバーバンド196bをそのクリックした位置に移動すると共に、拡大マップに表示されているゲノム上の範囲を、その移動後のラバーバンド196bが指し示す範囲に移動することができる。すなわち、マップ画面表示制御手段83cは、マウスを用いて全体マップ196a上の所定位置がクリックされたときに、そのクリックした位置にラバーバンド196bを移動する。そして、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、当該移動後のラバーバンド196bが指し示す範囲についての拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。
【0113】
このように、全体マップ196a上の所定位置をクリックすることにより、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲を変更することができるが、別の操作方法を用いて拡大マップに表示されるゲノム上の範囲を変更することも可能である。例えば、全体マップ196a上において、ラバーバンド196bをドラッグし所定位置にドロップすることにより、マップ画面表示制御手段83cが、そのドロップされたラバーバンド196bが指し示す範囲についての拡大マップを作成して、第一領域195に表示するようにしてもよい。
【0114】
第三領域197には、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲を操作するための三つの操作手段が設けられている。すなわち、移動操作手段197aと、拡大・縮小操作手段197bと、ジャンプ操作手段197cとである。
【0115】
移動操作手段197aは、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲を移動するためのものである。この移動操作手段197aには、図18に示すように、「Left」と「Right」の二つのボタンが設けられている。マップ画面表示制御手段83cは、「Left」ボタンが押されたときに、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、「Left」ボタンが押されている間、表示されるゲノム上の範囲が一定速度で左側に移動するような拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。一方、マップ画面表示制御手段83cは、「Right」ボタンが押されたときに、記憶手段94に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、「Right」ボタンが押されている間、表示されるゲノム上の範囲が一定速度で右側に移動するような拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。
【0116】
拡大・縮小操作手段197bは、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲を拡大又は縮小するためのものである。この拡大・縮小操作手段197bには、図18に示すように、「In」と「Out」の二つのボタンが設けられている。マップ画面表示制御手段83cは、「In」ボタンが押されたときに、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、「In」ボタンが押されている間、表示されるゲノム上の範囲が一定速度で拡大するような拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。一方、マップ画面表示制御手段83cは、「Out」ボタンが押されたときに、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するボタンに基づいて、「Out」ボタンが押されている間、表示されるゲノム上の範囲が一定速度で縮小するような拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。
【0117】
ジャンプ操作手段197cは、ゲノム上の範囲を数値で指定し、その指定されたゲノム上の範囲についての拡大マップを第一領域195に表示するためのものである。このジャンプ操作手段197cには、ゲノム上の範囲の左端の位置と右端の位置とを指定するための二つの位置入力欄と、「Jump」ボタンとが設けられている。マップ画面表示制御手段83cは、二つの位置入力欄に所定の数値が入力されて、「Jump」ボタンが押されたときに、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、二つの位置入力欄に入力された数値で指定されたゲノム上の範囲についての拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。
【0118】
尚、各操作手段197a,197b,197cにより、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲が変更されると、それに対応して、第二領域196に示されているラバーバンド196bの位置・大きさや、拡大マップに表示されているゲノム上の範囲を示す数値も変更される。
【0119】
図18に示したマップ画面はシングル画面構成のマップ画面である。本実施形態では、マップ画面の画面構成として、シングル画面構成の他に、同期画面構成と、非同期画面構成とを用意している。図19は同期画面構成のマップ画面の一例を示す図、図20は非同期画面構成のマップ画面の一例を示す図である。ここで、図19及び図20では拡大マップ及び全体マップの内容等を省略して示している。シングル画面構成とは、図18に示すように、一つのキャンバス領域191を有し、そのキャンバス領域191内に第一領域195、第二領域196及び第三領域197がそれぞれ一つだけ含まれる画面構成である。同期画面構成とは、図19に示すように、一つのキャンバス領域191を有し、そのキャンバス領域191内に二つの第一領域195,195と一つの第二領域196と一つの第三領域197とが含まれている画面構成である。このとき、二つの第一領域195,195にはそれぞれ、同一の一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて異なる表示倍率で作成された拡大マップが表示される。同期画面構成のマップ画面でも、全体マップは一つしか表示されず、また、操作手段も一組しか設けられていない。この同期画面構成のマップ画面では、操作手段の操作を行うと、二つの第一領域195,195の表示内容が同時に変化する。また、非同期画面構成とは、図20に示すように、二つのキャンバス領域191,191を有し、各キャンバス領域191内に第一領域195、第二領域196及び第三領域197がそれぞれ一つだけ含まれる画面構成である。すなわち、マップ画面内に二つのシングル画面構成の画面が含まれる画面構成である。非同期画面構成のマップ画面では、二つのキャンバス領域191,191は互いに独立している。したがって、各キャンバス領域191については、操作手段の操作を行うと、その操作手段に対応するキャンバス領域191内の第一領域195の表示内容だけが変化する。かかる非同期画面構成のマップ画面を用いると、例えば、別の生物種のゲノム情報を並べて表示することができる。
【0120】
尚、マップ画面の画面構成は、上述したように、各検索画面の画面構成選択部において選択される。同期画面を選択した場合には、上の第一領域に表示される拡大マップに対する下の第一領域に表示される拡大マップの表示倍率を指定する必要がある。この表示倍率は、例えば図12に示すように、2倍、5倍、10倍の中から選択される。また、非同期画面を選択した場合には、今回の表示内容を上下のキャンバス領域のうちいずれに表示するのかを選択する必要がある。例えば図12に示すように、上のキャンバス領域に表示するときには「Upper」を、下のキャンバス領域に表示するときには「Lower」を選択する。
【0121】
マップ画面180のメニュー領域181には、「Edit」、「View」、「Settings」、「Bookmarks」、「Tools」、「Help」の六つのメニューが表示される。「Edit」メニューは、エレメントデータの編集、追加処理を行うためのものであり、「Add annotation」、「Add element」、「Element style」の三つのサブメニューを含んでいる。「Add annotation」サブメニューは、選択されたエレメントに対してアノテーションを付与し、そのアノテーションのデータをデータ群格納手段21に登録するものである。「Add element」サブメニューは、新規エレメントをデータ群格納手段21に登録するものである。「Element style」サブメニューは、拡大マップ上の所定のエレメントに対して、表示属性(色及び形状)を変更するものである。「View」メニューは、配列情報、アノテーションデータを表示するためのものであり、「Nucleotide sequence」、「Amino acid sequence」、「Annotation」の三つのサブメニューを含んでいる。「Nucleotide sequence」サブメニューは、選択されたエレメントに関する塩基配列を表示するものであり、「Amino acid sequence」サブメニューは、選択されたエレメントに関するアミノ酸配列を表示するものである。「Annotation」サブメニューは、選択されたエレメントに関するアノテーションデータを閲覧するためのものである。ここで、サブメニュー「Annotation」をクリックすると、所定の画面が表示されるが、この画面には、当該ユーザが登録したアノテーションデータだけでなく、当該ユーザに開示が認められるアノテーションデータも表示される。
【0122】
また、「Settings」メニューは、表示制御等を行うものであり、「Lane」、「Filter」の二つのサブメニューを含んでいる。「Lane」サブメニューは、拡大マップにおいて各レーンの表示・非表示やレーンの入れ替えを設定するためのものである。「Filter」サブメニューは、各エレメントの持っている特性値に基づいて表示を制御するためのものである。例えば、複数種類のマップ表示用データのうちから所定のマップ表示用データが選択され、特性値の範囲が指定されると、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データに含まれる特性値データに基づいて、当該選択したマップ表示用データについて、当該指定した範囲の特性値を有するエレメントだけを表示するような拡大マップを作成して、第一領域195に表示する。このように、「Filter」サブメニューでは、表示対象の絞込みができる。「Bookmarks」メニューは、お気に入りの表示画面を登録したり、登録されている画面にジャンプしたりするためのものであり、「Bookmark」のサブメニューを含んでいる。「Tools」メニューには、相同性検索を行うための「BLAST」のサブメニューが含まれている。「Help」メニューには、当該システムの機能や使用方法を説明するための「About This Application」のサブメニューが含まれている。尚、マップ画面180のメニュー領域181に表示されるメニュー項目及び各メニューに含まれるサブメニュー項目は、機能の追加や変更に伴い、任意に追加・変更することが可能である。
【0123】
ここで、特に、サブメニュー「Nucleotide sequence」を選択したときに表示される塩基配列の表示画面について説明する。図21は塩基配列の表示画面の一例を示す図である。この塩基配列の表示画面310を表示するには、拡大マップ上で、配列を表示したいエレメントを選択する。その後、「View」メニューをクリックしたときに表示されるサブメニューの中から「Nucleotide sequence」を選択すると、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データに含まれる塩基配列データに基づいて、当該選択されたエレメントについての塩基配列の表示画面310を作成し、それをマップ画面とは別の画面に表示する。この塩基配列の表示画面310には、当該選択されたエレメントについての塩基配列が一ラインに50個ずつ表示される。各ラインの左側には、当該ラインの先頭に表示された塩基についての、当該染色体上における位置と当該エレメント内における位置とが表示される。ここで、当該エレメントについてのエクソンデータが、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データに含まれている場合には、エクソン部分の表示色とエクソン以外の部分の表示色とが区別される。また、塩基配列の表示画面310の左下には、「Upper」ボタン311と、「Lower」ボタン312とが設けられている。「Upper」ボタン311を一回押す度に、当該エレメントの上流にある500個の塩基配列を付加的に表示することができ、「Lower」ボタン312を一回押す度に、当該エレメントの下流にある500個の塩基配列を付加的に表示することができる。
【0124】
ところで、本実施形態では、認証画面表示制御手段83a、検索画面表示制御手段83b、マップ画面表示制御手段83c、通信制御手段83dの各機能を各端末80に実現させるための表示用プログラムを、サーバ10のデータ群格納手段21に格納している。サーバ10の通信制御部63は、各端末80から最初にアクセスされたときに表示用プログラムを当該端末80に送信する。そして、各端末80は、サーバ10から表示用プログラムが送られたときにその表示用プログラムをローディングする。例えば、各端末80では、ウェブブラウザにJava(登録商標) Plug−inが組み込まれており、そのJava(登録商標) Plug−inの中でその表示用プログラムが実行される。これにより、各端末80には、認証画面表示制御手段83a、検索画面表示制御手段83b、マップ画面表示制御手段83c、通信制御手段83dの各機能が付加される。ウェブブラウザを終了すると、通常、そのプログラムはJava(登録商標) Plug−inにキャッシュされる。このため、各端末80は次回、サーバ10にアクセスした際に、再度、表示用プログラムをダウンロードする必要はない。但し、ウェブブラウザを終了する度に、そのローディングした表示用プログラムがキャッシュされないようにJava(登録商標) Plug−inを設定してもよい。この場合は、各端末80は次回、サーバ10にアクセスしたときに、再び表示用プログラムをダウンロードすることになる。尚、Java(登録商標) Plug−inは、サンマイクロシステムズ社が提供する公知のプログラムの一つである。
【0125】
次に、画面構成スクリプトの内容について詳しく説明する。図22はシングル画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図、図23は同期画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図、図24は非同期画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図である。
【0126】
画面構成スクリプトでは、タグを使って、マップ画面の画面構成とメニュー構成とを指定する。すなわち、画面構成スクリプトに記述する内容により、マップ画面の画面構成をシングル画面構成、同期画面構成、非同期画面構成のうちいずれにするかの設定や、マップ画面のメニュー領域181に表示する各メニューの表示タイトル、各メニューをクリックしたときに表示されるサブメニューの表示タイトル等の設定が行われる。画面構成スクリプトで使用されるタグには、例えば、Windowタグ、Menuタグ、MenuItemタグ、Textタグ、Mnemonicタグ、Acceleratorタグ、Commandタグ、Controlタグ、Canvasタグ等がある。Windowタグは、最上位のルートタグである。Menuタグは、メニュー領域181に表示するメニューを指定するものである。MenuItemタグは、メニュー内にサブメニューの追加を指定するものである。Textタグは、メニュー又はサブメニューの表示タイトルを指定するものである。Mnemonicタグは、メニューにキーボードニーモニックを指定するものであり、Acceleratorタグは、サブメニューにキーボードアクセラレータを指定するものである。Commandタグは、サブメニューがクリックされた際に起動するコマンドを指定するものである。Controlタグは、操作手段の追加を指定するものである。Canvasタグは、キャンバス領域の追加を指定するものであり、Controlタグの下層に設けられる。ControlタグとCanvasタグの指定方法に応じて、シングル画面、同期画面、非同期画面が指定される。
【0127】
図22、図23、図24の画面構成スクリプトでは、Windowタグの下層に六つのMenuタグが設けられているが、それらの記述内容は全く同じである。かかる三つの画面構成スクリプトの違いは、Windowタグの下層の最後に設けられたControlタグの数及びその記述内容のみである。これらの画面構成スクリプトに基づいてマップ画面の画面構成を決定した場合、当該マップ画面のメニュー領域181には、「Edit」、「View」、「Setting」、「Bookmarks」、「Tools」、「Help」の各メニューが表示される。例えば、各画面構成スクリプトにおいて、「Edit」を指定したMenuタグの下層には、三つのMenuItemタグが設けられている。このため、これらMenuItemタグの記述内容にしたがって、マップ画面においては、「Edit」のメニュー内に、「Add annotation」、「Add element」、「Element style」の各サブメニューが表示される。同様に、その他のメニュー内にも、当該Menuタグの下層に設けられたMenuItemタグの記述内容にしたがって、所定のサブメニューが表示される。
【0128】
図22の画面構成スクリプトでは、Windowタグの下層にControlタグを一つだけ設け、そのControlタグの下層にCanvasタグを一つだけ設けている。すなわち、これは、操作手段を一組だけ表示し、かかる操作手段により一つのキャンバス領域内の表示範囲を操作するという設定である。したがって、図22の画面構成スクリプトは、マップ表示画面の画面構成としてシングル画面構成を設定したものである。一方、図23の画面構成スクリプトでは、Windowタグの下層にControlタグを一つだけ設け、そのControlタグの下層に二つのCanvasタグを設けている。これは、操作手段を一組だけ表示し、かかる操作手段により二つのキャンバス領域内の表示範囲を操作するという設定である。したがって、図23の画面構成スクリプトは、マップ表示画面の画面構成として同期画面構成を設定したものである。そして、図24の画面構成スクリプトでは、Windowタグの下層に二つのControlタグを設け、各Controlタグの下層にCanvasタグを一つだけ設けている。すなわち、これは、二組の操作手段を表示し、各組の操作手段によりそれに対応する一つのキャンバス領域内の表示範囲を操作するという設定である。したがって、図24の画面構成スクリプトは、マップ表示画面の画面構成として非同期画面構成を設定したものである。
【0129】
このような画面構成スクリプトは、データ群格納手段21のマップ画面設定データ格納部217に格納されている。サーバ10のデータ管理手段61は、マップ画面の表示要求と共に検索画面の画面構成選択部で選択された内容が各端末80から送られたときに、当該選択された内容に対応する画面構成スクリプトをデータ群格納手段21のマップ画面設定データ格納部217から取得して当該端末80に送信する。そして、各端末80のマップ画面表示制御手段83cは、マップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等と共に所定の画面構成スクリプトがサーバ10から送られたときに、その送られた画面構成スクリプトに基づいてマップ画面の画面構成を決定する。
【0130】
次に、レイアウトスクリプトの内容について詳しく説明する。図25はレイアウトスクリプトの一例を示す図である。
【0131】
レイアウトスクリプトでは、タグを使って、拡大マップのレイアウトの内容を指定する。すなわち、レイアウトスクリプトに記述する内容により、拡大マップに表示するマップ表示用データの種類、表示するマップ表示用データの順番、各マップ表示用データについての表示領域の大きさ、エレメントを表す図形の色等についての設定が行われる。レイアウトスクリプトで使用されるタグには、例えば、Canvasタグ、DbUrlタグ、ScriptTitleタグ、MapUrlタグ、SeqPathタグ、Organismタグ、Baseタグ、Laneタグ、Scaleタグ、Titleタグ、DataNameタグ、Strandタグ、Heightタグ、Colorタグ、Typeタグ、Formタグ、Visibleタグ等がある。Canvasタグは、最上位タグである。DbUrlタグは、データ群格納手段21への接続URLを指定するものである。ScriptTitleタグは、所定の検索画面において、マップ表示用データ選択部のコンボボックスに表示されるタイトルを指定するものである。MapUrlタグは、マップ画面の第二領域196に表示される全体マップの画像が格納されているURLを指定するものである。SeqPathタグは、マップ画面を作成する際に必要なマップ表示用データが格納されたディレクトリパスを指定するものである。このディレクトリパスをプログラムの中に記述してしまうと、その変更が容易でないので、本実施形態では、マップ表示用データが格納されたディレクトリパスをレイアウトスクリプトの中に記述することにしている。
【0132】
Organismタグは、そのマップ表示用データがどのような生物種であるかを指定するものである。この例では、Organismタグに「HS」が指定されている。この「HS」はヒトゲノムであることを意味している。Baseタグは、マップ画面を作成するのに必要なマップ表示用データの基本単位を指定するものである。この例では、Baseタグに「chromosome」が指定されている。これは、マップ画面を作成するには、染色体を基本単位とした一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータが必要であることを意味している。また、Baseタグに「contig」を指定することも可能である。この場合には、マップ画面を作成するには、コンティグを基本単位とした一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータが必要であることを意味する。本実施形態では、主として、Baseタグには「chromosome」を指定している。
【0133】
Laneタグは、拡大マップに表示されるマップ表示用データを指定するものである。このLaneタグの下層に記述される内容により、当該マップ表示用データの表示方法等が指定される。Scaleタグは、拡大マップに表示されるスケール(位置の目盛り)を指定するものである。Canvasタグの中には、複数のLaneタグ、複数のScaleタグを記述することができる。Canvasタグ内に記述されているLaneタグ及びScaleタグの順番にしたがって、それらに対応するマップ表示用データ及びスケールが拡大マップに表示される。
【0134】
Titleタグは、拡大マップの左側に表示されるマップ表示用データの名称(タイトル)を指定するものである。DataNameタグは、レーンに表示するデータを抽出するための論理名称である。Strandタグは、表示するマップ表示用データのストランドを指定するものである。「+」又は「−」を指定することができる。本実施形態では、マップ表示用データの名称が同じであっても、ストランドが異なれば、それらを別のレーンに描画することにしている。Heightタグは、マップ表示用データ又はスケールを表示する高さを数値で指定するものである。Colorタグは、マップ表示用データ又はスケールの表示色を指定するものである。その指定は16進数値で行われる。Typeタグは、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに表示する際に、そのグラフィカル表示の描画タイプを指定するものである。例えば、描画タイプとして、「line」又は「fill」を指定することができる。「line」はグラフィカル表示をする範囲を線で囲む描画タイプであり、「fill」はグラフィカル表示をする範囲を塗り潰す描画タイプである。Formタグは、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに表示する際に、そのグラフィカル表示の描画形式を指定するものである。例えば、描画形式として、「box」又は「arrow」を指定することができる。「box」はグラフィカル表示をする範囲を帯状の図形で表示する描画形式であり、「arrow」はグラフィカル表示をする範囲を帯状の図形とストランドの方向に向かう矢印とにより表示する描画形式である。Visibleタグは、マップ画面を最初に表示する際に、レーン又はスケールを表示するか(「true」)、表示しないか(「false」)を指定するものである。
【0135】
このようなレイアウトスクリプトは、データ群格納手段21のマップ画面設定データ格納部217に格納されている。サーバ10のデータ管理手段61は、マップ画面の表示要求と共に検索画面のマップ表示用データ選択部で選択されたレイアウトスクリプトのタイトルが各端末80から送られたときに、当該選択されたレイアウトスクリプトのタイトルに対応するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21のマップ画面設定データ格納部217から取得して当該端末80に送信する。そして、各端末80のマップ画面表示制御手段83cは、マップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等と共に所定のレイアウトスクリプトがサーバ10から送られたときに、その送られたレイアウトスクリプトに基づいてマップ画面の第一領域195のレイアウトを決定する。実際、図18に示す拡大マップのレイアウトは、図25に示すレイアウトスクリプトに基づいて決定されたものである。
【0136】
次に、本実施形態のゲノム情報表示システムにおいてマップ表示用データ及びキーワードデータをデータ群格納手段21に登録する処理手順について説明する。図26はマップ表示用データ及びキーワードデータをデータ群格納手段21に登録する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0137】
まず、マップ表示用データ登録処理部64は、公共データベースから所定のゲノムデータをダウンロードする(S11)。当然のことであるが、個人の所有するゲノムデータに基づいてマップ表示用データを作成する場合には、かかるダウンロード処理は省略される。次に、マップ表示用データ登録処理部64は、そのダウンロードしたゲノムデータについて所定の編集処理を行う(S12)。具体的に、マップ表示用データ登録処理部64は、そのゲノムデータに含まれる各エレメントにエレメントIDを付与する。そして、エレメント毎に、エレメントの名称、位置、ストランド、コメント、アミノ酸配列、特性値等の各データをゲノムデータから抽出する。また、ゲノムデータにエクソンに関するデータが含まれている場合には、マップ表示用データ登録処理部64は、エレメントに含まれる各エクソンにエクソン番号を付与し、エクソン毎に位置データをゲノムデータから抽出する。ところで、かかる抽出されたエレメントやエクソンの位置データについては、エレメントやエクソンの位置が、例えばコンティグを基準として指定されていることがある。かかる場合、マップ表示用データ登録処理部64は、例えば、コンティグを基準とする位置を染色体を基準とする位置に変換し、エレメントやエクソンの位置を、染色体番号、染色体上の開始位置、染色体上の終了位置によって特定する。その後、マップ表示用データ登録処理部64は、上述の編集処理によって得られたデータに基づいて、マップ表示用データ、すなわち、エレメントデータ、エクソンデータ、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データを作成し、データ群格納手段21のマップ表示用データ格納部212に登録する(S13)。
【0138】
次に、マップ表示用データ登録処理部64は、その作成したマップ表示用データに基づいてキーワードデータを作成する(S14)。具体的には、マップ表示用データ登録処理部64は、そのマップ表示用データのエレメントデータから、各エレメントについて、名称と、エレメントIDとを抽出すると共に、その抽出した各エレメントの名称にキーワード番号を付与する。そして、これらのデータに基づいて、各エレメントについてのキーワードデータを作成する。その後、マップ表示用データ登録処理部64は、こうして作成された各エレメントについてのキーワードデータをデータ群格納手段21のキーワードデータ格納部215に登録する(S15)。
【0139】
次に、本実施形態のゲノム情報表示システムにおいて各端末80の表示手段82の画面上にマップ画面を表示する際の処理手順を説明する。図27は各端末80の表示手段82の画面上にマップ画面を表示する際の当該端末80における処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0140】
まず、ユーザは、自己の端末80においてウェブブラウザを立ち上げる。そして、そのウェブブラウザ上でサーバ10のトップページに対するURLを入力して、サーバ10にアクセスする(S21)。サーバ10は端末80からアクセスされると、その端末80に表示用プログラムを送信する。次に、その端末80は、サーバ10から表示用プログラムを受け取ると(S22)、それをローディングする(S23)。これにより、その表示用プログラムの機能がその端末80に組み込まれる。すなわち、その端末80には、認証画面や検索画面の表示機能、マップ画面の作成・表示機能等が付加される。尚、当該端末80に既に表示用プログラムがキャッシュされている場合には、上記のステップS22及びS23の処理は行われず、端末80は、ステップS21の処理に対するサーバ10からの応答を受けると、ステップS24の処理を行うことになる。
【0141】
次に、端末80の認証画面表示制御手段83aは、認証画面110を表示手段82の画面上に表示する(S24)。ユーザは、その認証画面110上でユーザID及びパスワードを入力する。そして、「OK」ボタン113を押すと、端末80の通信制御手段83dは、認証要求と共にそのユーザID及びパスワードをサーバ10に送信する(S25)。
【0142】
サーバ10は、端末80から送られたユーザID及びパスワードに基づいて認証処理を行う。具体的に、サーバ10は、その送られたユーザID及びパスワードがデータ群格納手段21のユーザ管理データ格納部211に登録されているかどうかを判断する。サーバ10は、当該ユーザID及びパスワードが登録されていると判断すると、そのユーザを認証し、そのユーザからのアクセスを許可する。そして、その端末80に対して、認証OKフラグを送信する。これにより、サーバ10と当該端末80とは、データを通信できる状態になる。一方、サーバ10は、当該ユーザID及びパスワードが登録されていないと判断すると、当該端末80に対して、認証FAILフラグを送信する。
【0143】
こうして端末80がサーバ10から認証OKフラグを受け取ると(S26)、端末80の検索画面表示制御手段83bは、所定の検索画面を表示手段82の画面上に表示する(S27)。このとき、ユーザが、その検索画面の上部に設けられた六つのタグのうち、所望のタグを選択すると、検索画面表示制御手段83bは、その選択されたタグに対応する検索画面を表示手段82の画面上に表示する。ここでは、Simple Search画面120が表示されたものとする。ユーザは、Simple Search画面120において、マップ表示用データ選択部121の左端のボタンを押し、レイアウトスクリプトのタイトル一覧を表示させた後、所定のレイアウトスクリプトを選択する。また、検索条件入力部122に、表示したいエレメントの名称(検索条件)を入力する。更に、ユーザは、画面構成選択部123においてマップ画面の画面構成を選択する。その後、ユーザが「Search」ボタン124を押すと、通信制御手段83dは、Simple Search画面による検索を行う旨の検索要求と共に、マップ表示用データ選択部121に入力されたレイアウトスクリプトのタイトルと、検索条件入力部122に入力された検索条件と、当該ユーザのIDとをサーバ10に送信する(S28)。
【0144】
端末80から検索要求と共にレイアウトスクリプトのタイトルや検索条件等が送られると、サーバ10の検索手段41は検索処理を行う。具体的に、サーバ10の検索手段41は、そのレイアウトスクリプトのタイトルと同じタイトルを有するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21のマップ画面設定データ格納部217から取得する。そして、その取得したレイアウトスクリプトに記述されている内容に基づいて、検索対象となるマップ表示用データの種類(名称)を認識する。次に、検索手段41は、キーワードデータの中から、その検索条件等に該当するキーワードを有するものを検索する。このとき、上記認識したマップ表示用データの名称と同じ名称をデータ名に含んでいるキーワードデータが検索の対象となる。その後、検索手段41は、その検索して得られた各キーワードデータに含まれるデータ名及びエレメントIDを抽出し、その抽出したデータ名及びエレメントIDによって関連付けられているエレメントデータ又は新規エレメントデータをデータ群格納手段21から取得する。そして、こうして取得されたエレメントデータや新規エレメントデータに基づいて検索結果データを作成する。かかる検索結果データには、データ名、エレメントID、エレメント名、染色体番号、開始位置、終了位置、ストランド、コメントが含まれる。サーバ10の通信制御部63は、かかる検索結果データを当該端末80に送信する。
【0145】
サーバ10から端末80に検索結果データが送られると(S29)、検索画面表示制御手段83bは、その検索結果データの一覧を検索結果表示部126に表示する(S30)。ユーザはその一覧表示されたものの中から、所定の検索結果データを選択する。すると、通信制御手段83dは、その選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に、その選択された検索結果データに含まれる染色体番号と、マップ表示用データ選択部121に入力されたレイアウトスクリプトのタイトルと、画面構成選択部123で選択された画面構成の内容とをサーバ10に送信する(S31)。
【0146】
次に、サーバ10は、端末80からある検索結果データに関するマップ画面の表示要求を受けると、所定のデータをデータ群格納手段21から取得する。すなわち、サーバ10のデータ管理手段61は、まず、その表示要求とともに送られた画面構成の内容に対応する画面構成スクリプトをマップ画面設定データ格納部217から取得する。次に、データ管理手段61は、その表示要求と共に送られたレイアウトスクリプトのタイトルと同じタイトルを有するレイアウトスクリプトをマップ画面設定データ格納部217から取得する。そして、データ管理手段61は、そのレイアウトスクリプトのBaseタグに記述されている内容を認識する。いま、Baseタグに「chromosome」が指定されていたとする。このとき、データ管理手段61は、マップ画面を作成する際に染色体を基本単位とした一まとまりのマップ表示用データが必要であることを認識する。その後、データ管理手段61は、そのレイアウトスクリプトの各Laneタグに記述されているマップ表示用データの名称を認識する。そして、その認識した各名称のマップ表示用データが格納されているマップ表示用データ格納部212から、端末80から送られた染色体番号と同じ染色体番号を有するエレメントデータをすべて抽出すると共に、その抽出したエレメントデータに含まれるエレメントIDと同じエレメントIDを有するエクソンデータ、アミノ酸配列データ、サイトデータ、特性値データをすべて抽出する。こうして抽出されたデータが、当該選択された検索結果データに関するマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データである。また、データ管理手段61は、その一まとまりのマップ表示用データと関連のあるアノテーションデータ、新規エレメントデータ、個別設定データをすべて抽出する。更に、データ管理手段61は、端末80から送られた染色体番号と同じ番号の染色体の塩基配列データを、塩基配列データ格納部219から抽出する。かかる抽出された塩基配列データも、その一まとまりのマップ表示用データと関連のあるデータとなる。
【0147】
その後、データ管理手段61は、当該選択された検索結果データに関するマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データと、それに関連するデータ(アノテーションデータ、新規エレメントデータ、個別設定データ、塩基配列データ)と、当該取得した画面構成スクリプトと、当該取得したレイアウトスクリプトとを当該端末80に送信する。但し、マップ表示用データの種類によっては、エクソンデータ、サイトデータ又は特性値データが存在しない場合がある。この場合には、当然、その存在しないデータは送られない。マップ画面を作成するためには、少なくともエレメントデータが必要であり、一まとまりのマップ表示用データには必ずエレメントデータが含まれる。
【0148】
端末80は、サーバ10からマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ、それに関連するデータ、所定の画面構成スクリプト、所定のレイアウトスクリプトを受け取ると(S32)、それらのデータを記憶手段84に格納する(S33)。そして、端末80のマップ画面表示制御手段83cは、それらのデータに基づいてマップ画面を作成し、表示手段82の画面上に表示する(S34)。具体的に、マップ画面表示制御手段83cは、まず、サーバ10から送られた画面構成スクリプトに基づいてマップ画面の画面構成をシングル画面構成、同期画面構成、非同期画面構成のいずれにするかを決定すると共に、サーバ10から送られたレイアウトスクリプトに基づいて拡大マップのレイアウトを決定する。次に、マップ画面表示制御手段83cは、上記決定した画面構成にしたがってマップ画面を構成すると共に、サーバ10から送られた一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータと上記決定したレイアウトに基づいて、マップ表示用データの種類毎に、検索結果表示部126で選択された検索結果データに対応するエレメントが略中央に位置するような拡大マップを作成し、マップ画面の第一領域に表示する。ここで、各エレメントの存在するゲノム上の範囲についての表示色や表示形式は、レイアウトスクリプトによって決定されるが、ユーザが当該エレメントについて個別設定データを登録している場合には、その個別設定データに基づいて決定される。
【0149】
また、マップ画面表示制御手段83cは、レイアウトスクリプトの記述内容を参照して、全体マップの画像データが格納されている場所のURLを認識した後、当該場所から全体マップの画像データを取得する。そして、検索結果表示部126で選択された検索結果データに含まれる染色体番号に対応する全体マップの画像データをマップ画面の第二領域に表示する。このとき、マップ画面表示制御手段83cは、第一領域に表示されているゲノム上の範囲を全体マップの画像上にラバーバンド196aで指示すると共に、その範囲を示す数値を第二領域の右下に表示する。更に、マップ画面表示制御手段83cは、マップ画面の第三領域に移動操作手段197a、拡大・縮小操作手段197b、ジャンプ操作手段197cを表示する。こうして、図18に示すようなマップ画面が当該端末80の画面上に表示される。
【0150】
検索画面としてSimple Search画面120を用いる場合は、上述のようにして端末80の表示手段82の画面上にマップ画面を表示することができる。ここでは詳しい説明を省略するが、検索画面として、Advanced Search画面130、Annotation List画面150又はNew Element List画面160を用いる場合も略同様の処理手順で、端末80の表示手段82の画面上にマップ画面を表示することができる。一方、検索画面として、BLAST Search画面140又はBLAST Result画面170を用いる場合には、マップ画面を表示手段82の画面上に表示する処理手順が上述したものと少し異なる。すなわち、この場合、データ管理手段61は、ユーザによって選択された検索結果データに関するマップ画面の表示要求と共に所定のデータを端末80から受け取ると、当該選択された検索結果データに関するマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データと、それに関連するデータ(アノテーションデータ、新規エレメントデータ、個別設定データ、塩基配列データ)と、所定の画面構成スクリプトと、所定のレイアウトスクリプトとに加えて、当該選択された検索結果データに対応するBLAST実行結果データをもデータ群格納手段21から取得する。ここで、検索画面としてBLAST Result画面170を用いる場合、BLAST Result画面170にはマップ表示用データ選択部が設けられていないため、端末80からサーバ10に送られるデータには、レイアウトスクリプトのタイトルが含まれていないが、データ管理手段61は、当該選択された検索結果データに対応するBLAST実行結果データに含まれるレイアウトスクリプト名を認識し、その認識した名称を有するレイアウトスクリプトをデータ群格納手段21から取得する。その後、データ管理手段61は、これらのデータを当該端末80に送信する。端末80は、これらのデータを受け取ると、記憶手段84に格納する。そして、端末80のマップ画面表示制御手段83cは、マップ表示用データの種類毎に各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示すと共に当該選択された検索結果データに対応するBLAST実行結果データの内容をグラフィカルに示す拡大マップを作成して、マップ画面180の第一領域195に表示する。ここで、このマップ画面は、当該BLAST実行結果データに対応するヒット塩基配列が略中央に位置するように作成される。これにより、ユーザは、当該BLAST実行結果データに対応するヒット塩基配列が染色体上のどこに位置するのか、各マップ表示用データとの対応関係がどうなっているのかを視覚的に認識することができる。
【0151】
次に、マップ画面180で行うことができる各操作の手順について説明する。マップ画面180で行うことができる操作には、キャンバス領域191で行うことができる操作と、メニュー領域181で行うことができる操作とがある。本実施形態では、予めサーバ10からマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータを端末80に送信し、端末80がその送信された一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータを記憶手段84に格納している。このため、ユーザがマップ画面180で所定の操作を行う場合に、端末80は、サーバ10とデータの通信を行う必要がなく、記憶手段84に格納された一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいてユーザの操作に対応する処理を迅速に行うことができる。
【0152】
キャンバス領域191で行うことができる操作には、拡大マップの表示範囲を移動、拡大・縮小する操作がある。かかる操作は、第三領域に表示されている移動操作手段197a、拡大・縮小操作手段197b、ジャンプ操作手段197c等により行うことができる。例えば、ユーザが移動操作手段197aの「Left」ボタン(又は「Right」ボタン)を押すと、そのボタンが押されている間、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲が一定の速度で左側(又は右側)に移動する。すなわち、マップ画面表示制御手段83cは、そのボタンが押されている間、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、表示されるゲノム上の範囲が一定の速度で左側(又は右側)に移動するような拡大マップを作成して、第一領域に表示する。また、ユーザが拡大・縮小操作手段193bの「In」ボタン(又は「Out」ボタン)を押すと、そのボタンが押されている間、拡大マップに表示されるゲノム上の範囲が一定の速度でズームイン(又はズームアウト)する。すなわち、マップ画面表示制御手段83cは、そのボタンが押されている間、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、表示されるゲノム上の範囲が一定の速度でズームイン(又はズームアウト)するような拡大マップを作成して、第一領域に表示する。更に、ユーザがジャンプ操作手段197cにおける二つの入力欄に所定の数値を入力し、「Jump」ボタンを押すと、その入力された数値で指定されたゲノム上の範囲を表す拡大マップが瞬時に表示される。すなわち、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、当該入力された数値で指定されたゲノム上の範囲についての拡大マップを作成して、第一領域に表示する。
【0153】
また、ラバーバンド196bを利用して、拡大マップの表示範囲を移動することができる。ユーザがマウスを用いて全体マップ196a上の所定位置をクリックすると、そのクリックした位置にラバーバンド196bが移動されると共に、その移動後のラバーバンド196bが指し示す範囲を表す拡大マップが瞬時に表示される。すなわち、マップ画面表示制御手段83cは、マウスを用いて全体マップ196a上の所定位置がクリックされたときに、そのクリックした位置にラバーバンド196bを移動すると共に、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、当該移動後のラバーバンド196bが指し示す範囲についての拡大マップを作成して、第一領域に表示する。
【0154】
また、キャンバス領域191で行うことができる操作として、リンク情報の表示操作がある。ユーザが拡大マップ上において所定のエレメントにマウスのカーソルを合わせて、右クリックすると、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データから当該エレメントについてのサイトデータを取得し、当該エレメントに関するURLリンク情報を表示する。そして、ユーザが所定のURLリンク情報を選択すると、通信制御手段83dはその選択されたURLリンク情報に対するサイトデータに基づいて、当該サイトにアクセスし、当該サイトのウェブページが画面上に表示される。このように、ユーザは、当該エレメントに関連する情報を容易に取得することができる。
【0155】
次に、メニュー領域181で行うことができる操作には、塩基配列の表示、特性値による表示制御、アノテーションの登録、新規エレメントの登録、エレメントの表示色・表示形式の設定、BLASTの実行等、さまざまな操作がある。例えば、塩基配列の表示を行う場合には、ユーザは、マップ画面180上で所定のエレメントをクリックして、エレメントを選択する。その後、ユーザは、「View」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Nucleotide sequence」をクリックする。すると、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データと関連のあるデータから、当該選択されたエレメントに対応する塩基配列データを取り出し、図21に示すような塩基配列の表示画面を表示する。
【0156】
また、特性値による表示制御を行う場合には、ユーザは、「Setting」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Filter」をクリックする。すると、マップ画面表示制御手段83cは、拡大マップの各レーンに表示されているマップ表示用データの名称の一覧を示す画面を表示する。ユーザがこの画面において所定のマップ表示用データの名称を選択すると、マップ画面表示制御手段83cは、特性値の範囲を設定する画面を表示する。次に、ユーザがその画面において特性値の範囲を設定すると、マップ画面表示制御手段83cは、記憶手段84に格納されている一まとまりのマップ表示用データに基づいて、当該選択されたマップ表示用データについて当該設定された範囲内の特性値を有するエレメントだけを表示した拡大マップを作成し、第一領域に表示する。尚、かかる特性値による表示制御は、特性値データを有しないマップ表示用データについては無効である。
【0157】
アノテーションの登録を行う場合には、ユーザは、マップ画面180上で所定のエレメントをクリックして、エレメントを選択する。その後、ユーザは、「Edit」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Add annotation」をクリックする。すると、マップ画面表示制御手段83cは、アノテーション登録画面を表示する。図28はアノテーション登録画面の一例を示す図である。このアノテーション登録画面320には、アノテーションの入力欄321と、開示区分の指定欄322と、「Add」ボタン323とが設けられている。ユーザが当該エレメントに付与するアノテーションを入力欄321に入力し、その開示区分を指定した後、「Add」ボタン323をクリックすると、通信制御手段83dは、アノテーションの登録要求と共にアノテーション登録画面320上で入力されたデータをサーバ10に送信する。そして、サーバ10のアノテーションデータ登録処理部65は、端末80からアノテーションの登録要求を受け取ると、それと共に送られたデータに基づいてアノテーションデータを作成し、アノテーションデータ格納部213に登録する。また、アノテーション登録処理部65は、そのアノテーションデータに基づいてキーワードデータを作成し、キーワードデータ格納部215に登録する。
【0158】
新規エレメントの登録を行う場合には、ユーザは、「Edit」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Add element」をクリックする。すると、マップ画面表示制御手段83cは、新規エレメント登録画面を表示する。図29は新規エレメント登録画面の一例を示す図である。この新規エレメント登録画面330には、「Data Name」、「Element Name」、「Chrom」、「Strand」、「Start」、「End」、「Color」、「Draw Type」、「Release Level」の各欄が設けられている。「Data Name」の欄には、新規エレメントをどのマップ表示用データに登録するか、そのマップ表示用データの名称を指定する。この欄のコンボボックスには、現在、マップ画面に表示されているマップ表示用データの名称が表示され、ユーザはその中からマップ表示用データの名称を選択することになる。「Element Name」の欄には、登録しようとする新規エレメントの名称を入力する。「Chrom」の欄には、現在、マップ画面に表示されている染色体の番号が予め入力されており、ユーザは他の染色体番号を選択することができない。「Strand」の欄には、その新規エレメントを登録するマップ表示用データのストランドを指定する。「Start」の欄には、その新規エレメントについて当該染色体上での開始位置を指定し、「End」の欄には、その新規エレメントについて当該染色体上での終了位置を指定する。「Color」の欄は、その新規エレメントを拡大マップに表示する際の表示色を設定する欄であり、「Draw Type」の欄は、その新規エレメントを拡大マップに表示する際の表示形式を設定する欄である。「Release Level」の欄には、その新規エレメントの開示区分を指定する。
【0159】
ユーザが新規エレメント登録画面330上で所定のデータを入力した後、「Add」ボタンをクリックすると、通信制御手段83dは、新規エレメントの登録要求と共に新規エレメント登録画面330上で入力されたデータをサーバ10に送信する。そして、サーバ10の新規エレメントデータ登録処理部66は、端末80から新規エレメントの登録要求を受け取ると、それと共に送られたデータに基づいて新規エレメントデータを作成し、新規エレメントデータ格納部214に登録する。また、新規エレメントデータ登録処理部66は、その新規エレメントデータに基づいてキーワードデータを作成し、キーワードデータ格納部215に登録する。このとき、ユーザが新規エレメント登録画面330上で「Color」、「Draw Type」を指定している場合には、個別設定データ登録処理部67が、これらの内容に基づいて個別設定データを作成し、個別設定データ格納部216に登録する。
【0160】
エレメントの表示色・表示形式の設定を行う場合には、ユーザは、マップ画面180上で所定のエレメントをクリックして、エレメントを選択する。その後、ユーザは、「Edit」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Element style」をクリックする。すると、マップ画面表示制御手段83cは、表示色・表示形式の設定画面を表示する。図30は表示色・表示形式の設定画面の一例を示す図である。この表示色・表示形式の設定画面340には、「Data Name」、「Element Name」、「Chrom」、「Strand」、「Start」、「End」、「Color」、「Draw Type」、「Release Level」の各欄が設けられている。「Data Name」の欄には、その選択したエレメントの属するマップ表示用データの名称が表示される。「Element Name」の欄には、その選択したエレメントの名称が表示され、「Chrom」の欄には、その選択したエレメントが含まれる染色体の番号が表示される。「Strand」の欄には、その選択したエレメントの属するマップ表示用データのストランドが表示される。「Start」の欄には、その選択したエレメントについての当該染色体上の開始位置が表示され、「End」の欄には、その選択したエレメントについての当該染色体上の終了位置が表示される。これらの各欄に表示されているデータは変更することができない。ユーザは、「Color」の欄をクリックして、その選択したエレメントの表示色を設定する。また、「Draw Type」の欄をクリックして、その選択したエレメントの表示形式を設定する。ユーザが表示色・表示形式の設定画面340上で所定のデータを入力した後、「Apply」ボタンをクリックすると、マップ画面表示制御手段83cは、当該設定された内容にしたがって拡大マップを作成し、マップ画面の第一領域に表示する。それと同時に、通信制御手段83dは、表示色・表示形式の設定要求と共に表示色・表示形式の設定画面340上で指定されたデータをサーバ10に送信する。そして、サーバ10の個別設定データ登録処理部67は、端末80から表示色・表示形式の設定要求を受け取ると、それと共に送られたデータに基づいて個別設定データを作成し、個別設定データ格納部216に登録する。
【0161】
第二のクエリー指定方法を用いたBLASTを実行する場合には、ユーザは、マップ画面180上で所定のエレメントを選択した後、「View」メニューをクリックしたときに現れるサブメニューの中から「Nucleotide sequence」をクリックして、当該選択されたエレメントに対応する塩基配列の表示画面310を表示させる。次に、ユーザは、その塩基配列表示画面310上で所定の塩基配列の範囲を選択して、クエリー配列を指定する。その後、ユーザが「Tools」メニューをクリックしたときに現れるサブメニュー「BLAST」をクリックすると、通信制御手段83dは、第二のクエリー指定方法によるBLAST実行を行う旨の要求をサーバ10に送信する。サーバ10のBLAST実行処理手段51は、かかるBLAST実行要求を受け取ると、そのBLAST実行要求に対してBLASTリクエストIDを発行し、所定のBLAST実行指示画面を当該端末80に送信する。こうして、端末80の画面上に、BLAST実行指示画面が表示される。このBLAST実行指示画面はHTML形式のものである。ここで、このBLAST実行指示画面には、クエリー配列の入力欄はない。すでにユーザがクエリー配列を指定しているからである。ユーザが検索対象データ名等、所定のデータを指定した後に、BLAST実行のボタンを押すと、通信制御手段83dは、その指定されたクエリー配列や所定のデータをサーバ10に送信する。BLAST実行処理手段51は、かかるデータを受け取ると、それに基づいて、所定の検索対象データに対してクエリー配列の全部又は一部と相同又は類似している配列を検索する。BLAST実行処理手段51で作成されたBLAST実行結果データは、BLAST実行結果データ格納部218に格納される。また、かかるBLAST実行結果は当該端末80に送信される。
【0162】
尚、マップ画面180において右上の閉じるボタンをクリックすると、当該マップ画面180が終了する。そして、ウェブブラウザ画面のファイルメニューから「閉じる」を選択するか、又はウェブブラウザ画面の右上の閉じるボタンをクリックすることにより、ウェブブラウザを終了すると、当該端末80とサーバ10との通信状態が切断される。サーバ10との通信状態が切断されると、端末80では、サーバ10と通信状態にあるときにサーバ10から送られたすべてのデータが記憶手段84から消去される。ゲノムに関するデータの量はとても膨大であるので、端末80の記憶手段84を無駄に浪費しないようにするためである。
【0163】
本実施形態のゲノム情報表示システムでは、端末は各種の検索画面を表示手段の画面上に表示する検索画面表示制御手段を備えており、ユーザが所望の検索画面を用いて得られた検索結果の中から一の検索結果を選択すると、端末はその選択された検索結果に関するマップ画面の表示要求をサーバに送信する。そして、サーバは端末からマップ画面の表示要求を受けたときに、当該端末に対してマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等を送信する。端末のマップ画面表示制御手段は、それら一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて、その選択された検索結果に対応するエレメントが略中央に位置するような拡大マップを作成して、マップ画面の所定領域に表示する。このように、本実施形態では、ユーザが検索結果の中から一の検索結果を選択するだけで、その選択された検索結果に対応するエレメントをマップ画面の拡大マップに直接、表示することができる。特に、複数種類の検索画面を設けたことにより、ユーザは拡大マップに表示しようとするエレメントを検索するのに適した検索画面を用いることができるので、本実施形態のシステムは、ユーザにとってとても使い勝手がよいシステムである。また、例えば、ユーザがマップ画面上で拡大マップの表示範囲を移動、拡大・縮小等する操作を行ったときに、端末は、サーバとデータ通信することなく、記憶手段に格納されている一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて当該操作後の表示範囲を表す拡大マップを迅速に作成して、ユーザの操作に合わせて高速に表示することができる。更に、本実施形態では、サーバがマップ表示用データ及びキーワードデータ等を管理し、端末からアクセスがある度に適切なデータを当該端末に送信するので、データ管理を効率よく行うことができ、端末の資源を無駄に使用することはない。
【0164】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0165】
例えば、上記の実施形態において、ユーザが自己の端末上でマップ画面の第一領域についてのレイアウトの内容を自由に設定し、その設定した内容をサーバに送信してデータ群格納手段にレイアウトスクリプトとして登録するようにしてもよい。これにより、ユーザは自分が使いやすいようにマップ画面のレイアウトをカスタマイズすることができる。ここで、ユーザが設定したレイアウトスクリプトはユーザ毎に登録しておくことが望ましい。これにより、かかるレイアウトスクリプトは、それを設定したユーザだけが用いることができる。
【0166】
また、上記の実施形態では、認証画面表示制御手段、検索画面表示制御手段、マップ画面表示制御手段の各機能を各端末に実現させるための表示用プログラムを、サーバのデータ群格納手段に格納しておき、サーバが、各端末から最初にアクセスされたときに表示用プログラムを当該端末に送信する場合について説明した。例えば、表示用プログラムとしては、検索画面表示制御手段、マップ画面表示制御手段の各機能だけを各端末に実現させるためのものを用いてもよい。この場合、認証に関するプログラムは予め端末にインストールしておくことになる。そして、その表示用プログラムは、サーバで認証処理が行われた後、サーバから端末に送信すればよい。また、表示用プログラムとしては、マップ画面表示制御手段の機能だけを各端末に実現させるためのものを用いてもよい。この場合、認証や検索に関するプログラムは予め端末にインストールしておくことになる。そして、その表示用プログラムは、端末からマップ画面の表示要求が送られたときに、サーバから、マップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等と共に端末に送信すればよい。更に、表示用プログラムをサーバから各端末に送信せず、認証画面表示制御手段、検索画面表示制御手段、マップ画面表示制御手段の各機能を予め各端末に組み込んでおくようにしてもよい。
【0167】
また、上記の実施形態では、検索画面に、シングル画面構成、同期画面構成、非同期画面構成の中からマップ画面の画面構成を選択するための画面構成選択手段を設けた場合について説明したが、例えば、画面構成選択手段は、シングル画面構成及び同期画面構成の中からマップ画面の画面構成を選択するものであってもよく、また、シングル画面構成及び非同期画面構成の中からマップ画面の画面構成を選択するものであってもよい。
【0168】
更に、上記の実施形態では、マップ画面の画面構成に関する内容を、マップ画面の作成プログラムから切り離し、画面構成スクリプトとしてデータ群格納手段に格納した場合について説明したが、画面構成に関する内容をマップ画面の作成プログラムの中で指定するようにしてもよい。また、上記の実施形態では、拡大マップのレイアウトに関する内容を、マップ画面の作成プログラムから切り離し、レイアウトスクリプトとしてデータ群格納手段に格納した場合について説明したが、拡大マップのレイアウトに関する内容をマップ画面の作成プログラムの中で指定するようにしてもよい。
【0169】
また、上記の実施形態では、BLAST実行処理手段によって得られたBLAST実行結果データをデータ群格納手段に格納しておき、ユーザがそのBLAST実行結果データの検索を行うことができる場合について説明したが、BLASTに限らず、一般に遺伝子に関連した検索を行う手段によって得られた結果をデータ群格納手段に格納しておき、ユーザがその結果の検索を行うことができるようにしてもよい。
【0170】
更に、上記の実施形態では、主に、染色体を基本単位とした一まとまりのマップ表示用データ及びそれに関連するデータを、サーバから端末に送信する場合について説明したが、例えば、コンティグを基本単位とした一まとまりのマップ表示用データをサーバから端末に送信するようにしてもよい。上述したように、一まとまりのマップ表示用データとして何を基本単位とするかは、レイアウトスクリプトのBaseタグで指定することができる。ここで、レイアウトスクリプトのBaseタグで「contig」を指定した場合には、例えば、図12に示すSimple Search画面の検索結果表示部における「Chrom」欄は「contig」という欄に変更され、この「contig」欄には、当該エレメントの属するコンティグの番号が表示されることになる。また、ゲノム全体を基本単位とした一まとまりのマップ表示用データをサーバから端末に送信することも可能である。
【0171】
本発明の目的は、上述した実施形態の装置の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式を含む)を、その全体あるいは一部を記録した記録媒体により、本実施形態の装置に供給し、その装置のコンピュータ(又はCPU、MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出して、動作の全部あるいは一部を実行することによっても達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0172】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。さらに、通信回線を介してダウンロードすることによってプログラムコードを供給するようにしてもよいし、JAVA(登録商標)などの技術を利用してプログラムコードを供給して実行するようにしてもよい。
【0173】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、本実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0174】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータが接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0175】
加えて、本発明はコンピュータに上記の実施形態の装置の機能を実現させるためのプログラムを含むプログラム・プロダクトであってもよい。ここで、プログラム・プロダクトというのは、コンピュータ・プログラムだけでなく、プログラムを記録した記録媒体あるいはコンピュータを含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0176】
以上説明したように、本発明のゲノム情報表示システムによれば、端末は各種の検索画面を表示手段の画面上に表示する第一表示制御手段を備えており、ユーザが所望の検索画面を用いて得られた検索結果の中から一の検索結果を選択すると、端末はその選択された検索結果に関するマップ画面の表示要求をサーバに送信する。サーバは端末からマップ画面の表示要求を受けたときに、当該端末に対してマップ画面を作成するのに必要な一まとまりのマップ表示用データ等を送信する。そして、端末の第二表示制御手段は、それら一まとまりのマップ表示用データ等に基づいて、その選択された検索結果に対応するエレメントが略中央に位置するような拡大マップを作成して、マップ画面の所定領域に表示する。このため、例えば、ユーザがマップ画面上で拡大マップの表示範囲を移動、拡大・縮小等する操作を行ったときに、端末は、サーバとデータ通信することなく、記憶手段に格納されている一まとまりのマップ表示用データに基づいて当該操作後の表示範囲を表す拡大マップを迅速に作成して、ユーザの操作に合わせて高速に表示することができる。したがって、本発明は、例えばゲノムに関する研究を行う際にゲノム情報を閲覧する手段として用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の一実施形態であるゲノム情報表示システムの概略構成図である。
【図2】そのゲノム情報表示システムのサーバの概略ブロック図である。
【図3】そのゲノム情報表示システムの各端末の概略ブロック図である。
【図4】サーバのデータ群格納手段におけるユーザ管理データ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図5】サーバのデータ群格納手段における各マップ表示用データ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図6】サーバのデータ群格納手段におけるアノテーションデータ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図7】サーバのデータ群格納手段における新規エレメントデータ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図8】サーバのデータ群格納手段における個別設定データ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図9】サーバのデータ群格納手段におけるキーワードデータ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【図10】サーバのデータ群格納手段におけるBLAST実行結果データ格納部に格納されているデータの内容を説明するための図である。
【0178】
【図11】認証画面の一例を示す図である。
【図12】Simple Search画面を説明するための図である。
【図13】Advanced Search画面を説明するための図である。
【図14】BLAST Search画面を説明するための図である。
【図15】Annotation List画面を説明するための図である。
【図16】New Element List画面を説明するための図である。
【図17】BLAST Result画面を説明するための図である。
【図18】シングル画面構成のマップ画面の一例を示す図である。
【図19】同期画面構成のマップ画面の一例を示す図である。
【図20】非同期画面構成のマップ画面の一例を示す図である。
【0179】
【図21】塩基配列の表示画面の一例を示す図である。
【図22】シングル画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図である。
【図23】同期画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図である。
【図24】非同期画面構成の画面構成スクリプトの一例を示す図である。
【図25】レイアウトスクリプトの一例を示す図である。
【図26】本実施形態のゲノム情報表示システムにおいてマップ表示用データ及びキーワードデータをデータ群格納手段に登録する処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図27】本実施形態のゲノム情報表示システムにおいて、各端末の表示手段の画面上にマップ画面を表示する際の当該端末における処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図28】アノテーション登録画面の一例を示す図である。
【図29】新規エレメント登録画面の一例を示す図である。
【図30】表示色・表示形式の設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0180】
10 サーバ
21 データ群格納手段
211 ユーザ管理データ格納部
212 マップ表示用データ格納部
212a エレメントデータ格納領域
212b エクソンデータ格納領域
212c アミノ酸配列データ格納領域
212d サイトデータ格納領域
212e 特性値データ格納領域
213 アノテーションデータ格納部
214 新規エレメントデータ格納部
215 キーワードデータ格納部
216 個別設定データ格納部
217 マップ画面設定データ格納部
218 BLAST実行結果データ格納部
218a BLAST要求データ格納領域
218b BLAST応答データ格納領域
218c BLAT応答詳細データ格納領域
218d BLAST応答オリジナルデータ格納領域
219 塩基配列データ格納部
41 検索手段
51 BLAST実行処理手段
61 データ管理手段
63 通信制御部
64 マップ表示用データ登録処理部
65 アノテーションデータ登録処理部
66 新規エレメントデータ登録処理部
67 個別設定データ登録処理部
68 ユーザ管理データ登録処理部
80 端末
81 入力手段
82 表示手段
83 制御手段
83a 認証画面表示制御手段
83b 検索画面表示制御手段
83c マップ画面表示制御手段
83d 通信制御手段
84 記憶手段
【0181】
110 認証画面
111 ユーザID入力部
112 パスワード入力部
113 「OK」ボタン
120 Simple Search画面
121 マップ表示用データ選択部
122 検索条件入力部
123 画面構成選択部
124 「Search」ボタン
125 「Clear」ボタン
126 検索結果表示部
130 Advanced Search画面
131 マップ表示用データ選択部
132 検索条件入力部
132a 入力欄
132b 「Chromosome」欄
132c 「Lane」欄
133 画面構成選択部
134 「Search」ボタン
135 「Clear」ボタン
136 検索結果表示部
140 BLAST Search画面
141 「Go to BLAST」ボタン
142 マップ表示用データ選択部
143 画面構成選択部
144 「Search」ボタン
145 検索結果表示部
146 「Delete」ボタン
147 「Display」ボタン
150 Annotation List画面
151 マップ表示用データ選択部
152 画面構成選択部
153 「Search」ボタン
154 検索結果表示部
155 「Modify」ボタン
156 「Delete」ボタン
157 「Detail」ボタン
158 「Display」ボタン
【0182】
160 New Element List画面
161 マップ表示用データ選択部
162 画面構成選択部
163 「Search」ボタン
164 検索結果表示部
165 「Modify」ボタン
166 「Delete」ボタン
167 「Detail」ボタン
168 「Display」ボタン
170 BLAST Result画面
171 画面構成選択部
172 「Search」ボタン
173 検索結果表示部
174 「Delete」ボタン
175 「Display」ボタン
180 マップ画面
181 メニュー領域
191 キャンバス領域
195 第一領域
196 第二領域
196a 全体マップ
196b ラバーバンド
197 第三領域
197a 移動操作手段
197b 拡大・縮小操作手段
197c ジャンプ操作手段
310 塩基配列表示画面
311 「Upper」ボタン
312 「Lower」ボタン
320 アノテーション登録画面
321 アノテーション入力欄
322 開示区分指定欄
323 「Add」ボタン
330 新規エレメント登録画面
340 表示色・表示形式の設定画面



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲノムを構成する各エレメントの位置データを含む複数種類のマップ表示用データを管理するサーバと、前記サーバとネットワークを介して接続された複数の端末とを有し、前記各端末の表示手段の画面上に、各エレメントをグラフィカルに示すマップ画面を表示するゲノム情報表示システムであって、
前記サーバは、
各エレメントの名称及び位置データを含む複数のエレメントデータが含まれる前記各マップ表示用データをその種類毎に格納する第一データ格納手段と、
各ユーザによってエレメントに付与されたアノテーションを含む各アノテーションデータを所定の前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データと関連付けて格納する第二データ格納手段と、
前記各エレメントデータから抽出されたエレメントの名称及び前記各アノテーションデータから抽出されたアノテーションの各文言をキーワードとし、そのキーワードを含む各キーワードデータを所定の前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データと関連付けて格納する第三データ格納手段と、
前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記キーワードデータを前記第三データ格納手段から取得し、その取得した前記キーワードデータに関連付けられた前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データに基づいて検索結果データを作成し、且つ、前記アノテーションデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記アノテーションデータを前記第二データ格納手段から取得し、その取得した前記アノテーションデータとそれに関連付けられた前記エレメントデータ及び前記マップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成する検索手段と、
前記検索手段により検索して得られた検索結果データを当該端末に送信すると共に、前記各端末からある検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得して当該端末に送信するデータ管理手段と、
を備え、
前記各端末は、
前記キーワードデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第一の検索画面と、前記アノテーションデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第二の検索画面とを前記表示手段の画面上に表示する第一表示制御手段と、
前記各検索画面において入力された検索データを当該検索画面に対応する内容の検索を行う旨の検索要求とともに前記サーバに送信すると共に、前記各検索画面に表示された検索結果データのうち一の検索結果データが選択されたときに、当該選択された検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求を前記サーバに送信する通信制御手段と、
前記サーバから送られた、前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを一時的に格納する記憶手段と、
前記各検索画面において選択された検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータが前記サーバから送られたときに、その送られた一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、前記マップ表示用データの種類毎に、当該選択された検索結果データに対応するエレメントが略中央に位置するように各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示す拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示すると共に、前記サーバから送られた一まとまりの前記マップ表示用データに対応するゲノム上の範囲をバンド構造で示す全体マップと前記拡大マップに表示されているゲノム上の範囲を前記全体マップ上で指し示す指示手段とを前記マップ画面の第二領域に表示し、且つ、入力手段の操作により前記指示手段が前記全体マップ上で移動されたときに、前記記憶手段に格納されている一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータに基づいて、当該移動後の前記指示手段が指し示す範囲についての前記拡大マップを作成して、前記第一領域に表示する第二表示制御手段と、
を備えることを特徴とするゲノム情報表示システム。
【請求項2】
前記第一の検索画面には、検索条件を入力するための一又は複数の入力欄と、検索対象を選択するための一又は複数の選択欄とが設けられていることを特徴とする請求項1記載のゲノム情報表示システム。
【請求項3】
前記第二表示制御手段は、前記拡大マップ上で所望のエレメントが選択された後に所定のボタンが押されたときに、その選択されたエレメントに付与するアノテーションを登録するためのアノテーション登録画面を前記表示手段の画面上に表示し、
前記通信制御手段は、前記アノテーション登録画面で入力されたデータを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記アノテーション登録画面で入力されたデータが前記各端末から送られたときに、その送られたデータに基づいて前記アノテーションデータを作成して前記第二データ格納手段に登録すると共に、その作成した前記アノテーションデータに基づいて前記キーワードデータを作成して前記第三データ格納手段に登録するアノテーションデータ登録処理手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のゲノム情報表示システム。
【請求項4】
前記アノテーション登録画面には、当該アノテーションの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す開示区分を指定する欄が設けられており、
前記アノテーションデータに基づいて作成された前記キーワードデータには、前記開示区分が含まれており、
前記検索手段は、前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが送られたときに、前記第三データ格納手段に格納されている前記複数のキーワードデータの中から当該検索要求を行ったユーザに開示が認められる前記キーワードデータを前記開示区分に基づいて識別し、当該ユーザに開示が認められる前記キーワードデータであって当該検索データに該当するものを前記第三データ格納手段から取得することを特徴とする請求項3記載のゲノム情報表示システム。
【請求項5】
前記サーバは、各ユーザによって新規に登録された新規エレメントの名称及び位置データを含む各新規エレメントデータを所定の前記マップ表示用データと関連付けて格納する第四データ格納手段を備え、
前記第一表示制御手段は、前記新規エレメントデータを検索するための検索データを入力すると共にその検索結果データを表示するための第三の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、
前記検索手段は、前記新規エレメントデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが前記各端末から送られたときに、当該検索データに該当する前記新規エレメントデータを前記第四データ格納手段から取得し、その取得した前記新規エレメントデータとそれに関連付けられた前記マップ表示用データとに基づいて検索結果データを作成することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のゲノム情報表示システム。
【請求項6】
前記第二表示制御手段は、前記マップ画面において所定のボタンが押されたときに、新規エレメントを登録するための新規エレメント登録画面を前記表示手段の画面上に表示し、
前記通信制御手段は、前記新規エレメント登録画面で入力されたデータを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記新規エレメント登録画面で入力されたデータが前記各端末から送られたときに、その送られたデータに基づいて前記新規エレメントデータを作成して前記第四データ格納手段に登録すると共に、その作成した前記新規エレメントデータに基づいて、当該新規エレメントデータから抽出された新規エレメントの名称をキーワードとする前記キーワードデータを作成し、その作成した前記キーワードデータを当該新規エレメントデータ及び所定のマップ表示用データと関連付けて前記第三データ格納手段に登録する新規エレメントデータ登録処理手段を備えることを特徴とする請求項5記載のゲノム情報表示システム。
【請求項7】
前記新規エレメント登録画面には、当該新規エレメントの内容の開示が認められるユーザの範囲を示す開示区分を指定する欄が設けられており、
前記新規エレメントデータに基づいて作成された前記キーワードデータには、前記開示区分が含まれており、
前記検索手段は、前記キーワードデータの検索を行う旨の検索要求と共に所定の検索データが送られたときに、前記第三データ格納手段に格納されている前記複数のキーワードデータの中から当該検索要求を行ったユーザに開示が認められる前記キーワードデータを前記開示区分に基づいて識別し、当該ユーザに開示が認められる前記キーワードデータであって当該検索データに該当するものを前記第三データ格納手段から取得することを特徴とする請求項6記載のゲノム情報表示システム。
【請求項8】
前記サーバは、各ユーザによって直接入力された任意のクエリー配列を用いて実行された第一相同性検索についてのクエリー配列及び実行結果を含む各第一相同性検索実行結果データを格納する第五データ格納手段を備え、
前記第一表示制御手段は、前記第一相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求を指示すると共にその検索結果データを表示するための第四の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、
前記検索手段は、前記第一相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求が前記各端末から送られたときに、当該ユーザによって実行された第一相同性検索についての前記第一相同性検索実行結果データを前記第五データ格納手段から取得し、その取得した前記第一相同性検索実行結果データに基づいて検索結果データを作成することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のゲノム情報表示システム。
【請求項9】
前記データ管理手段は、前記第一相同性検索実行結果データに基づいて作成された検索結果データのうちから選択された一の検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が前記各端末から送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得すると共に、当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データを前記第五データ格納手段から取得して、これら取得したデータを当該端末に送信し、
前記第二表示制御手段は、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータと共に当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データが前記サーバから送られたときに、前記マップ表示用データの種類毎に、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示すと共に当該検索結果データに対応する前記第一相同性検索実行結果データの内容をグラフィカルに示す前記拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示することを特徴とする請求項8記載のゲノム情報表示システム。
【請求項10】
前記サーバは、前記拡大マップ上で所望のエレメントが選択された後に所定のボタンが押されたときに表示される当該エレメントの塩基配列表示画面においてクエリー配列を指定することにより実行された第二相同性検索についてのクエリー配列及び実行結果を含む各第二相同性検索実行結果データを格納する第六データ格納手段を備え、
前記第一表示制御手段は、前記第二相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求を指示すると共にその検索結果データを表示するための第五の検索画面を前記表示手段の画面上に表示し、
前記検索手段は、前記第二相同性検索実行結果データの検索を行う旨の検索要求が前記各端末から送られたときに、当該ユーザによって実行された第二相同性検索についての前記第二相同性検索実行結果データを前記第六データ格納手段から取得し、その取得した前記第二相同性検索実行結果データに基づいて検索結果データを作成することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のゲノム情報表示システム。
【請求項11】
前記データ管理手段は、前記第二相同性検索実行結果データに基づいて作成された検索結果データのうちから選択された一の検索結果データに関する前記マップ画面の表示要求が前記各端末から送られたときに、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータを前記各データ格納手段から取得すると共に、当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データを前記第六データ格納手段から取得して、これら取得したデータを当該端末に送信し、
前記第二表示制御手段は、当該検索結果データに関する前記マップ画面を作成するのに必要な一まとまりの前記マップ表示用データ及びそれに関連するデータと共に当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データが前記サーバから送られたときに、前記マップ表示用データの種類毎に、各エレメントの存在するゲノム上の範囲をグラフィカルに示すと共に当該検索結果データに対応する前記第二相同性検索実行結果データの内容をグラフィカルに示す前記拡大マップを作成して、前記マップ画面の第一領域に表示することを特徴とする請求項10記載のゲノム情報表示システム。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のいずれかに記載のゲノム情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のいずれかに記載のゲノム情報表示システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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