ゲートウェイ装置、情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法
【課題】外部とのセッション構築の際に、任意のセッションに対してネットワーク内の帯域制御を可能にしたゲートウェイ装置を提供する。
【解決手段】第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、第1のネットワークに接続された情報処理装置と第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、セッションのビットレートの情報を情報処理装置から受信すると、セッションのための帯域を確保できるか否かをテーブルを参照して判定し、セッションの帯域を確保できると判定した場合、セッションの開始を許可する旨の情報を情報処理装置に送信するとともに、テーブルにおける通信可能な帯域をその帯域からセッションで使用される帯域を減算した値に更新し、セッションの帯域を確保できないと判定した場合、セッションを許可しない旨の情報を情報処理装置に送信する制御部と、を有する。
【解決手段】第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、第1のネットワークに接続された情報処理装置と第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、セッションのビットレートの情報を情報処理装置から受信すると、セッションのための帯域を確保できるか否かをテーブルを参照して判定し、セッションの帯域を確保できると判定した場合、セッションの開始を許可する旨の情報を情報処理装置に送信するとともに、テーブルにおける通信可能な帯域をその帯域からセッションで使用される帯域を減算した値に更新し、セッションの帯域を確保できないと判定した場合、セッションを許可しない旨の情報を情報処理装置に送信する制御部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークの間で通信を行うためのゲートウェイ装置、情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPTV(Internet Protocol Television)のように、インターネット上のブロードバンドコンテンツに接続するサービスが登場している。家庭では、ホームネットワークのようなローカルネットワークに多くの家電機器が接続され、インターネットおよびホームネットワークを介してコンテンツ提供サーバから家電機器にコンテンツを受信することで、ストリーミング再生が可能になった。
【0003】
NGN(Next Generation Network)などの外部ネットワーク側では、標準化により、QoS(Quality of Service)保証技術が策定されているため、IPTVのサービスを複数の家庭に同時に提供することが可能である。
【0004】
一方、ホームネットワーク側では、QoSを確保する仕組みが脆弱である。もし、1つの家庭内のホームネットワークに接続された複数の家電機器に対して、IPTVのようなコンテンツ提供サービスが同時に実行されると、ホームネットワーク内の通信帯域の逼迫が免れない。そのため、ホームネットワークでも、QoSを確保する仕組みが必要となる。
【0005】
ネットワーク内のパケットに対する優先制御および帯域制限を実現するための技術が知られているが、これらの技術を組み合わせたものの1つに、アドミッションコントロール(以下では、ACと表記する)と呼ばれる技術がある。ホームネットワーク内でQoSを確保する方法の一例として、このACをホームゲートウェイ(以下では、HGWと表記する)に実行させることで、セッション構築時にセッションの内容をHGWに識別させ、受付セッション数を制限させる方法がある。
【0006】
なお、ホームネットワーク内で、優先制御や帯域制御のためのレイヤー3シグナリングを扱う標準仕様としては、例えば、UPnP QoS等の汎用プロトコルが存在する。
【0007】
上述したACの例を説明するための前提として、関連する通信システムの構成を簡単に説明する。図23は関連する通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【0008】
図23に示すように、外部ネットワーク61にセッションサーバ104および情報端末105が接続され、ホームネットワーク62に情報端末103が接続されている。HGW102は、外部ネットワーク61とホームネットワーク62の間に接続されている。情報端末105は、情報端末103の通信相手となる装置である。
【0009】
次に、図23に示した通信システムの動作を説明する。図24は、図23に示した通信システムの動作を示すシーケンス図である。ここでは、HGW102は、ACによりSIP(Session Initiation Protocol) B2BUAを実行するため、外部ネットワーク61側とホームネットワーク62側のそれぞれのSIPシグナリングを終端する。
【0010】
情報端末103が情報端末105とセッションを確立するために、INVITEメッセージを情報端末105宛にHGW102に送信する(ステップ1001)。HGW102は、INVITEメッセージを情報端末103から受信すると(ステップ1001)、INVITEメッセージ中の、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP(Session Description Protocol)情報を参照する。そして、HGW102は、セッションの実行が可能か否かのAC判定を行う(ステップ1002)。ここで、HGW102は、通信状況やパケットの受信状態に応じて、メッセージを改変して転送したり、リジェクトメッセージを返信したりする場合もある。
【0011】
ステップ1002の判定の結果、HGW102は、セッション構築要求を受け付け可能と判定すると、INVITEメッセージをセッションサーバ104を介して情報端末105に送信する(ステップ1003)。その後、HGW102は、セッションサーバ104を介して情報端末105から200 OKのメッセージを受信すると(ステップ1004)、200 OKのメッセージを情報端末103に送信する(ステップ1005)。HGW102は、情報端末103からACKを受信すると(ステップ1006)、セッションサーバ104を介して情報端末105にACKを送信する(ステップ1007)。
【0012】
このようにして、外部ネットワーク61側の情報端末105とホームネットワーク62側の情報端末103とのセッション構築が完了する。
【0013】
特許文献1には、インターネットと情報センタ内のサーバとの間に接続されたファイアウォールが外部の端末とサーバとのセッションを識別してパケットの通過を制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2005−175825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
外部ネットワーク側の情報端末とホームネットワーク側の情報端末とが暗号化通信でデータを送受信しようとして、セッションを構築する際、一方の情報端末がセッション構築のためのメッセージのパケットを暗号化して他方の情報端末に送ってしまうと、HGWは、受け取ったパケットが暗号化されているため、メッセージを閲覧することができない。この場合、HGWは、セッションの内容の識別とACを行うことができなくなり、新たに構築されたセッションで使用される帯域が通信可能な帯域を越えてしまうと、ホームネットワーク内の通信帯域が逼迫してしまう。この問題は、HGWが解釈できないプロトコルを用いて情報端末間でセッション構築が行われる場合にも起こり得る。
【0016】
特許文献1に開示されたファイアウォールは、インターネットを介して受信する暗号化パケットのデータパケットを復号することなく、データパケットの送信元および宛先を識別しているが、特許文献1では、情報センタ内でサーバをネットワークに接続することを想定しておらず、ネットワーク内の帯域制御の方法については開示されていない。
【0017】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、外部とのセッション構築の際に、任意のセッションに対してネットワーク内の帯域制御を可能にしたゲートウェイ装置、情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明のゲートウェイ装置は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、
を有する構成である。
【0019】
また、本発明のゲートウェイ装置は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部と、
を有する構成である。
【0020】
また、本発明の情報処理装置は、第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、
前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、
前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、
を有する構成である。
【0021】
また、本発明の通信システムは第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと自装置との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信し、セッション構築のための処理を保留する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部とを含む構成である。
【0022】
また、本発明の通信システムは、第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと前記第1のネットワークに接続された情報端末との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記情報端末の識別子および前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部とを含む構成である。
【0023】
また、本発明の情報処理方法は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信するものである。
【0024】
さらに、本発明の情報処理方法は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信するものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、外部とのセッション構築の際、暗号化されたセッションなど、任意のセッションに対してネットワーク内の帯域制御を可能とし、ネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態における通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したセッションサーバの一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示したHGWの一構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態において、AC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態において、ホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。
【図7】第1の実施形態において、ホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施形態において、外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図9】第1の実施形態の通信システムにおいて、ホームネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】第1の実施形態の通信システムにおいて、外部ネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】第2の本実施形態におけるPCの一構成例を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態において、ホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図13】第2の実施形態において、外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図14】実施例1の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【図16】実施例1において、AC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。
【図17】実施例1において、ホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。
【図18】実施例1の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【図19】実施例2の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示した無線終端機器の一構成例を示すブロック図である。
【図21】図19に示した情報端末の一構成例を示すブロック図である。
【図22】実施例2の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【図23】関連する通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【図24】図23に示した通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施形態)
本実施形態の通信システムの構成を説明する。
【0028】
図1は本実施形態の通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の通信システムは、外部ネットワーク61およびホームネットワーク62の間に設けられたHGW2と、ホームネットワーク62に接続されるパーソナルコンピュータ(以下では、PCと表記する)3とを有する。
【0030】
端末間のセッションを制御するセッションサーバ4が外部ネットワーク61に接続されている。セッションサーバ4の制御対象となる端末は、外部ネットワーク61およびホームネットワーク62のいずれかに接続される端末に限らず、外部ネットワーク61またはホームネットワーク62に接続された他のネットワークに設けられた端末であってもよい。
【0031】
PC3はホームネットワーク62に接続される情報処理装置の一例であり、PC以外の装置でもよいが、本実施形態では、PCの場合で説明する。情報端末5は、PC3の通信相手となる装置であり、外部ネットワーク61に接続される装置の一例である。外部ネットワーク61は、NGNである。
【0032】
なお、通信システムの装置のそれぞれは、装置毎に異なる識別子が予め付与され、装置間では、メッセージおよびデータを送受信する際、予め決められたプロトコルにしたがって、送信元および宛先の情報を含むヘッダが添付されたパケットでやり取りするものとし、以下では、その説明を省略する。
【0033】
図2はセッションサーバの一構成例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、セッションサーバ4は、セッション制御部411および暗号化/復号処理部412を含む制御部41を有する。
【0035】
セッション制御部411は、情報端末5からセッション開始の指示を受け取ると、SIPにしたがって、情報端末5と相手の情報端末との間でセッションを構築するためのセッション構築シーケンスにしたがって処理を実行する。セッション制御部411は、セッション構築シーケンスを開始した後、セッション開始を許可しない旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を中断する。
【0036】
暗号化/復号処理部412は、暗号化通信のセッション開始の指示を情報端末5から受け取ると、セッションを構築する相手の装置との間で、仮想的な通信経路である暗号化トンネルを設定する。暗号化/復号処理部412は、暗号化トンネルを設定すると、情報端末5から受信するメッセージまたはデータを暗号化して暗号化トンネルを介して相手の装置に送信し、相手の装置から受け取るメッセージまたはデータを復号して情報端末5に送信する。
【0037】
図3はHGWの一構成例を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、HGW2は、記憶部25と、制御部21とを有する。制御部21は、AC部211、QoS設定部212およびQoS実行部213を含む。記憶部25には、ACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報とホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報が登録される。
【0039】
AC部211は、セッションを開始しようとする情報端末から、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述を受け取ると、記憶部25に保存された表を参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する。判定の結果、帯域に余裕がある場合、AC部211は、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果を情報端末に送信する。判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、セッション開始を許可しない旨の判定結果を情報端末に送信する。
【0040】
以下では、セッション記述に、データの符号化情報となるコーデックと、データのビットレートの情報を含む場合で説明するが、少なくともビットレートの情報が含まれていればよい。
【0041】
QoS設定部212は、ルーティングに関して予め決められた情報であるstatic情報とルーティングに関して動的に変化可能な情報であるdynamic情報とに基づいてポリシーを決定する。QoS実行部213は、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0042】
図4はPCの一構成例を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、PC3は、セッション処理部311、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315を含む制御部31を有する。
【0044】
セッション処理部311は、サービスアプリケーションの実行指示が入力され、通信相手となる装置を特定するための情報とセッション開始の指示が入力されると、または、外部からセッション要求を受信すると、セッション構築の相手の装置の識別子をソケット監視部312に通知し、相手の装置との間でセッション構築シーケンスにしたがって処理を開始する。セッション処理部311は、セッション構築シーケンスの処理を保留する旨の指示をソケット監視部312から受けると、その処理を保留する。その後、セッション処理部311は、セッション開始を許可する旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し、セッション開始を許可しない旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を中断する。
【0045】
ソケット監視部312は、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知すると、セッション構築の指示を記述/帯域伝達部314に通知するとともに、セッション処理部311にセッション構築の処理を保留させる。
【0046】
暗号化/復号処理部313は、暗号化通信のセッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションを構築する相手の装置との間で、暗号化トンネルを設定する。暗号化/復号処理部313は、暗号化トンネルを設定すると、入力されるデータまたはメッセージを暗号化し、暗号化したデータまたはメッセージを暗号化トンネルを介して相手の装置に送信し、相手の装置から受け取るメッセージを復号して出力する。
【0047】
記述/帯域伝達部314は、セッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションの開始時に相手の装置に送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する。また、記述/帯域伝達部314は、HGW2からラウンドトリップタイム測定用のパケットを受信すると、そのパケットをHGW2に返信する。
【0048】
QoS実行部315は、HGW2から通知される設定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0049】
次に、HGW2におけるAC判定の準備として、必要な情報をHGW2に事前に登録する方法を説明する。
【0050】
図5はAC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。ここでは、QoS要求を行う情報端末として、図1に示さない端末601〜603がホームネットワーク62に接続されているものとする。
【0051】
図6はホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。PC3は端末601〜603のいずれかに相当している。ここでは、説明を簡単にするために、ホームネットワーク62に接続される端末が3つの場合としているが、その数は3つに限らない。
【0052】
HGW2の記憶部25には、AC部211が実行するACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報が登録される(ステップ121)。記憶部25へのstatic情報の登録は、HGW2の製品出荷前に行われていてもよく、ユーザがHGW2を入手した後にHGW2を操作することで行われてもよく、ホームネットワーク62に接続された情報端末(不図示)から入力されることで行われてもよい。ホームネットワーク62に情報端末(不図示)を初めて接続した際、情報端末とHGW2とが、互いに自装置の識別子を送受信し、相手装置の識別子を登録するようにしてもよい。
【0053】
記憶部25にstatic情報が登録された後、HGW2のAC部211は、ホームネットワーク62内の情報端末のうち、QoS保証を要求する全ての情報端末の記述/帯域伝達部314との間でのラウンドトリップタイム測定等を通じ、各情報端末との双方向の実効最大帯域を算出する(ステップ122)。そして、AC部211は、図6に示す表を作成して記憶部25に保存する。続いて、AC部211は、リンク毎に情報端末から集計する値の中で最も小さい実効最大帯域を求め、必要に応じて制御パケットおよび他の通信用途の帯域を減算し、当該リンクのAC条件としての帯域合計値を決定し、その値を表に記録する(ステップ123)。その後は、AC部211は、AC判定の際に、表に記録した帯域合計値を適用する。
【0054】
図6に示す例を見ると、データの流れる方向が「端末→HGW」では、リンク1の端末601の場合、実行最大帯域がXMbpsであり、AC部211は、AC条件の合計値をXMbpsと決定している。一方、データの流れる方向が「HGW→端末」では、リンク2の端末602の実行最大帯域がyMbpsであり、端末603の実行最大帯域がzMbpsであり、y<zであり、他の通信用途の帯域がBであるとき、AC部211は、リンク2のAC条件の合計値を(y−B)Mbpsと決定している。
【0055】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、PC3がセッションサーバ4に対して情報端末5とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。
【0056】
図7はホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0057】
PC3のユーザがPC3のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC3がセッション構築シーケンスを開始しようとすると、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC3のソケット監視部312がセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ124)、セッション構築処理を保留する(ステップ125)。PC3の記述/帯域伝達部314は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、セッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する(ステップ126)。
【0058】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC3から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ127)。
【0059】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC3に送信する(ステップ128)。ステップ127の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC3では既に開始したつもりのセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC3に送信する。
【0060】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ129)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ130)。最終的に、セッションサーバ4がPC3からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ131)。
【0061】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC3のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0062】
なお、ステップ127で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPU(Central Processing Unit)の使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0063】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、情報端末5がセッションサーバ4に対してPC3とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0064】
図8は外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0065】
情報端末5がPC3とセッションを構築するために、セッション構築シーケンスを開始し、セッション構築要求パケットをHGW2を介してPC3に送信する(ステップ144)。PC3が情報端末5からセッション構築要求パケットを受信すると、PC3の暗号化/復号処理部313とセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。その際、PC3のソケット監視部312は、セッション構築要求パケットの情報から、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うこととを検知すると(ステップ145)、セッション構築処理を保留にする(ステップ146)。
【0066】
続いて、PC3の記述/帯域伝達部314は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて受信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述ならびにセッションサーバ4の識別子をHGW2に送信する(ステップ147)。
【0067】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC3から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ148)。
【0068】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC3に送信する(ステップ149)。
【0069】
一方、ステップ148の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、外部ネットワーク61側の情報端末5に対してセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信する。セッション構築を要求してきたセッションサーバ4に対して、HGW2からダイレクトにセッション構築処理の中止が通知されるため、PC3を介して通知するよりも処理が早くなる。また、PC3のセッション処理部311は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、セッション構築処理を中止する。
【0070】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ150)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ151)。最終的に、PC3がセッションサーバ4からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ152)。
【0071】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC3のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0072】
なお、ステップ148で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0073】
本実施形態では、暗号化セッション開始前にHGWがホームネットワーク内の帯域に余裕があるか否かを判定してセッション数を制御しているので、ホームネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。また、ホームネットワーク内の情報処理装置がセッション開始前にセッション記述をHGWに通知する際、特定のプロトコルを使用する必要がないので、本実施形態の情報処理方法の適用範囲がより広くなる。
【0074】
なお、本実施形態では、図8に示したステップ148の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信しているが、エラーコードをPC3にも送信してもよい。この場合、PC3は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間待たなくても、セッションが許可されなかったことを認識可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、PCがソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315の処理の他に、セッション処理部311を行っていたが、次に説明するように、PC以外の情報端末で外部ネットワーク61側の情報端末と通信処理を行うようにしてもよい。
【0076】
図9は本実施形態の通信システムにおいて、ホームネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【0077】
図9に示すように、ホームネットワーク62には、情報端末6およびPC35のそれぞれの情報処理装置が接続されている。情報端末6は、セッション処理部311を含む制御部65を有する。PC35は、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315を含む制御部37を有する。
【0078】
情報端末6がセッションの構築を開始する前に、INVITEのメッセージをセッション構築の相手の装置に送信する、または、セッション構築の相手の装置からセッション要求の情報を受信すると、PC35のソケット監視部312は、INVITEのメッセージから、セッションを開始しようとしている装置の識別子およびセッション記述の情報を読み出す。
【0079】
図9に示す構成の場合、情報端末6にソケット監視部312を設ける必要がないため、セッション処理部を有する、既存の情報端末6をそのまま利用できる。また、情報端末6では、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315の処理を行わなくてすむため、CPUの負荷を軽減させることができる。ただし、情報端末6が情報端末5と暗号化したパケットを送受信する際には、情報端末6はPC35を介して情報端末5とパケットを送受信する必要がある。
【0080】
また、本実施形態では、外部ネットワーク61側でパケットの暗号化/復号処理をセッションサーバが実行していたが、他のサーバまたはルータなどの情報処理装置が行ってもよい。
【0081】
図10は本実施形態の通信システムにおいて、外部ネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【0082】
図10に示すように、外部ネットワーク61には、セッションサーバ42およびサーバ45のそれぞれの情報処理装置が接続されている。セッションサーバ42は、セッション制御部411を含む制御部43を有する。サーバ45は、暗号化/復号処理部412を含む制御部44を有する。この場合、セッションサーバの負荷が軽減する。
【0083】
また、図1には、HGW2およびPC3の他に、セッションサーバ4および情報端末5が示されているが、本発明の特徴となる情報処理を実行する通信システムは、少なくともHGW2およびPC3を有していればよい。
さらに、図9に示す通信システムと図10に示す通信システムを組み合わせてもよい。
【0084】
(第2の実施形態)
本実施形態は、QoS制御用途に汎用プロトコルを用いる場合である。ここでは、汎用プロトコルがUPnPとする。
【0085】
本実施形態の通信システムの構成を説明する。本実施形態の通信システムは、図1に示したブロック図において、PC3の代わりに図11に示すPC32が設けられた構成である。本実施形態では、第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
図11は本実施形態におけるPCの一構成例を示すブロック図である。
【0087】
図11に示すように、本実施形態のPC32は、図4に示したPC3における記述/帯域伝達部314の代わりにQoS要求部316が設けられた構成である。
【0088】
QoS要求部316は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、セッション記述をHGW2に通知する。QoS実行部315は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、HGW2から通知される設定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0089】
本実施形態では、図1に示したHGW2のQoS設定部212は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、static情報およびdynamic情報に基づいてポリシーを決定する。図1に示したHGW2のQoS実行部213は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0090】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、PC32がセッションサーバ4に対して情報端末5とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、第1の実施形態で図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0091】
図12はホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0092】
PC32のユーザがPC32のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC32がセッション構築シーケンスを開始しようとすると、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC32のソケット監視部312がセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ164)、セッション構築処理を保留する(ステップ165)。PC32のQoS要求部316は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する(ステップ166)。
【0093】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC32から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ167)。優先制御および帯域制御が設定されている場合、QoS設定部212とQoS要求部316の間で、汎用プロトコルにて規定された、それぞれのQoS確保のためのシーケンスが追加で実行される(ステップ168)。
【0094】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC32に送信する(ステップ169)。なお、ステップ167の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC3では既に開始したつもりのセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC3に送信する。
【0095】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ170)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ171)。最終的に、セッションサーバ4がPC32からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ172)。
【0096】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC32のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0097】
なお、ステップ167で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0098】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、情報端末5がセッションサーバ4に対してPC32とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、第1の実施形態で図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0099】
図13は外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0100】
情報端末5がPC32とセッションを構築するために、セッション構築シーケンスを開始し、セッション構築要求パケットをHGW2を介してPC32に送信する(ステップ184)。PC32が情報端末5からセッション構築要求パケットを受信すると、PC32の暗号化/復号処理部313とセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。その際、PC32のソケット監視部312は、セッション構築要求パケットの情報から、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うこととを検知すると(ステップ185)、セッション構築処理を保留にする(ステップ186)。
【0101】
続いて、PC32のQoS要求部316は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて受信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述ならびにセッションサーバ4の識別子をHGW2に送信する(ステップ187)。
【0102】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC32から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ188)。優先制御および帯域制御が設定されている場合、QoS設定部212とQoS要求部316の間で、汎用プロトコルにて規定された、それぞれのQoS確保のためのシーケンスが追加で実行される(ステップ189)。
【0103】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC32に送信する(ステップ190)。
【0104】
なお、ステップ188の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、外部ネットワーク61側の情報端末5に対してセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信する。また、PC32のセッション処理部311は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、セッション構築処理を中止する。
【0105】
PC32は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ191)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ192)。最終的に、PC32がセッションサーバ4からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ193)。
【0106】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC32のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0107】
なお、ステップ188で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0108】
本実施形態では、暗号化セッション開始前にHGWがホームネットワーク内の帯域に余裕があるか否かを判定してセッション数を制御しているので、ホームネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。また、本実施形態では、ホームネットワーク内の情報処理装置がセッション開始前にセッション記述をHGWに通知する際、QoS制御用途の汎用プロトコルで規定されたセッション記述をそのまま利用することが可能となる。
【0109】
第2実施形態においても、図9または図10を参照して説明した構成が適用されてもよい。
【0110】
上述した第1または第2の実施形態により、次のような効果が得られる。
【0111】
外部ネットワーク側の情報端末とホームネットワーク側の情報端末との間で暗号化されたセッション構築パケットをやり取りする前に、それらのネットワーク間のパケット送信を中継するゲートウェイ装置で、セッションの内容の識別とACを行うことが可能となる。
【0112】
また、ソケット監視部312が、暗号化を扱う通信に限らず、全てのセッションを監視対象にすれば、HGWが解釈できないプロトコルを用いて情報端末間でセッション構築が行われる場合にも、ホームネットワーク内の帯域制御を行うことが可能となる。
【0113】
通常、ホームネットワーク内部では無線LAN(Local Area Network)やEthernet(登録商標)等のアクセスリンクが任意に変更されて使われているにも関わらず、既存のACの条件設定はstaticな情報で動的に変更することができないが、第1または第2の実施形態では、上述したように、ホームネットワーク内で動的に機器接続変化があっても、機器接続変化に伴う実効最大帯域の変化に対応したACが可能となる。
【0114】
既存のNGN仕様では、コア網に相当する外部ネットワークとアクセス網に相当するホームネットワークのQoS確保についてのシーケンスが規定されている。そのため、このシーケンスの途中に端末−HGW間のQoS設定手順を追加すると、標準仕様の改変や既存アプリケーションの改修を行うことになるが、第1または第2の実施形態では、上述したように、標準仕様の改変や既存アプリケーションの改修を行うことなく、ホームネットワーク内のQoSを保証できる。
【0115】
なお、上述した第1または第2の実施形態において、ホームネットワーク62側の情報処理装置がHGWに対してセッション記述を送信するには、情報処理装置がHGWのアドレス情報を予め知っている必要があるが、UPnP等の標準プロトコルを適用して、HGWのアドレスが情報処理装置に通知されるようにしてもよい。
次に、上述した実施形態の実施例を説明する。
【実施例1】
【0116】
本実施例の通信システムの構成を説明する。図14は本実施例の通信システムの一構成を示すブロック図である。本実施例では、第1または第2の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0117】
図14に示すように、外部ネットワーク61とHGW2の間にゲートウェイ(GW)46が接続されている。GW46は暗号化/復号処理部412を含む制御部47を有する。外部ネットワーク61には、図1に示したセッションサーバ4の代わりにSIPサーバ49が接続されている。SIPサーバ49は、図10に示したセッションサーバ42と同様な構成であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。PC38はホームネットワーク62に接続される情報処理装置の一例である。
【0118】
図15は図14に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【0119】
図15に示すように、PC38は、セッション処理部311、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、SDP/帯域伝達部317およびQoS実行部315を含む制御部39を有する。
【0120】
SDP/帯域伝達部317は、セッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションの開始時に相手の装置に送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する。
【0121】
図14に示すHGW2は、第1の実施形態で説明したHGW2と同様な構成であるが、本実施例では、AC判定の際に参照する情報の具体例を示すため、その内容を詳細に説明する。
【0122】
図16はAC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。ここでは、QoS要求を行う情報端末として、図14に示さない端末A〜Cがホームネットワーク62に接続されているものとする。
【0123】
図17はホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。PC38が端末A〜Cのいずれかに相当している。ここでは、説明を簡単にするために、ホームネットワーク62に接続される端末が3つの場合としているが、その数は3つに限らない。
【0124】
HGW2の記憶部25には、AC部211が実行するACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報が登録される(ステップ241)。記憶部25にstatic情報が登録された後、HGW2のAC部211は、ホームネットワーク62内の情報端末のうち、QoS保証を要求する全ての情報端末のSDP/帯域伝達部317との間でのラウンドトリップタイム測定等を通じ、各情報端末との双方向の実効最大帯域を算出する(ステップ242)。そして、AC部211は、図17に示す表を作成して記憶部25に保存する。
【0125】
続いて、AC部211は、リンク毎に情報端末から集計する値の中で最も小さい実効最大帯域を求め、必要に応じて制御パケットおよび他の通信用途の帯域を減算し、例えば、端末Bおよび端末Cが利用している無線LAN 802.11bの双方向のAC条件としての帯域合計値を、端末Bまたは端末CからHGW2への方向で1.5Mbpsと決定し、HGW2から端末Bまたは端末Cへの方向で3Mbpsと決定して表に記録する(ステップ243)。その後は、AC部211は、AC判定の際に、表に記録した帯域合計値を適用する。
【0126】
次に、本実施例の通信システムの動作を説明する。
【0127】
図18は本実施例の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0128】
PC38のユーザがPC38のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC38がSIPセッション構築シーケンスを開始しようとすると、GW46の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC38のソケット監視部312がSIPセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ244)、SIPセッション構築処理を保留する(ステップ245)。PC38のSDP/帯域伝達部317は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、SIPセッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する(ステップ246)。
【0129】
HGW2のQoS設定部212は、SDP記述をPC38から受信すると、SDP記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったSDP記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ247)。
【0130】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC38に送信する(ステップ248)。なお、ステップ247の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC38では既に開始したつもりのSIPセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC38に送信する。
【0131】
PC38は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ249)、外部ネットワーク61側のSIPサーバ49との間でINVITE/200 OKの往復シーケンスを行う(ステップ250)。最終的に、SIPサーバ49がPC38からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ251)。
【0132】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC38のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0133】
なお、ステップ247で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0134】
本実施例では、外部ネットワーク側に設けられたGWが暗号化/復号処理を行う場合でも、上述したように、ホームネットワーク内の帯域制御が行われる。
【実施例2】
【0135】
本実施例の通信システムの構成を説明する。本実施例では、第1もしくは第2の実施形態または実施例1と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0136】
図19は本実施例の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【0137】
図19に示すように、ホームネットワーク62には図1に示した情報処理装置のPC3の代わりに無線終端機器7が接続されている。情報端末63は、無線終端機器7と無線で通信接続可能な携帯端末であり、無線終端機器7を介してホームネットワーク62に接続する情報処理装置の一例である。
【0138】
図20は図19に示した無線終端機器の一構成例を示すブロック図である。図20に示すように、無線終端機器7は、ソケット監視部312と、暗号化/復号処理部313と、SDP/帯域伝達部317と、QoS実行部315と、情報端末63と無線通信を行うための無線通信部318とを含む制御部71を有する。
【0139】
図21は図19に示した情報端末の一構成例を示すブロック図である。図21に示すように、セッション処理部311と、無線終端機器7と無線通信を行うための無線通信部641とを含む制御部64を有する。
【0140】
次に、本実施例の通信システムの動作を説明する。ここでは、実施例1で図16および図17を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0141】
図22は本実施例の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0142】
情報端末63のユーザが情報端末63のサービスアプリケーションを起動し、これに連動して情報端末63がSIPセッション構築シーケンスを開始しようとし、SIPのINVITEのメッセージを無線終端機器7に送信する(ステップ264)。無線終端機器7は、情報端末63からSIPのINVITEのメッセージを受信すると、GW46の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、無線終端機器7のソケット監視部312は、情報端末63がSIPセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ265)、SIPセッション構築処理を保留する(ステップ266)。無線終端機器7のSDP/帯域伝達部317は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、SIPセッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する(ステップ267)。
【0143】
HGW2のQoS設定部212は、SDP記述を無線終端機器7から受信すると、SDP記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったSDP記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ268)。
【0144】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果を無線終端機器7に送信する(ステップ269)。なお、ステップ268の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、SIPセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードを無線終端機器7を介して情報端末63に送信する。
【0145】
無線終端機器7は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、その判定結果を情報端末63に転送するとともに、セッション構築処理を再開し(ステップ270)、一時的に保存していたINVITEのメッセージを外部ネットワーク61側のSIPサーバ49に送信する(ステップ271)。その後、情報端末63とSIPサーバ49との間で、INVITE/200 OKの往復シーケンスを行う(ステップ272〜273)。最終的に、SIPサーバ49が情報端末63からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ274)。
【0146】
その後、HGW2のQoS実行部213および無線終端機器7のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0147】
なお、ステップ268で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0148】
本実施例では、携帯端末が無線通信でホームネットワークに接続し、ホームネットワークを介して外部ネットワークの情報端末とセッションを構築する際にも、上述したように、ホームネットワーク内の帯域制御が行われる。
【0149】
上述したように、第1および第2の実施形態ならびに実施例1および2で本発明の一例を説明したが、これらの実施形態および実施例を複数組み合わせてもよく、どのように組み合わせても、上述した本発明の効果が得られる。
【0150】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0151】
(付記1)第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、を有するゲートウェイ装置。
【0152】
(付記2)前記セッションのビットレートの情報が通信プロトコルの一種であるUPnPプロトコルにしたがって記述されている、付記1に記載のゲートウェイ装置。
【0153】
(付記3)第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、を有する情報処理装置。
【0154】
(付記4)前記セッション処理部は、前記監視部の検知から一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、前記セッションの構築のための処理を中止する、付記3に記載の情報処理装置。
【0155】
(付記5)第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、前記第1のネットワークで通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する、情報処理方法。
【0156】
(付記6)前記セッションのビットレートの情報を受信する際、前記セッションサーバの識別子の情報を前記情報処理装置から受信し、該セッションの帯域を確保できるか否かの判定の結果、該セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記セッションサーバに送信する、付記5に記載の情報処理方法。
【0157】
(付記7)前記セッションが暗号化通信で実行されるものである、付記5に記載の情報処理方法。
【0158】
(付記8)前記セッションのビットレートの情報が通信プロトコルの一種であるUPnPプロトコルにしたがって記述されている、付記5に記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0159】
2 ホームゲートウェイ(HGW)
3 パーソナルコンピュータ(PC)
4 セッションサーバ
5 情報端末
7 無線終端機器
21 制御部
25 記憶部
211 AC部
212 QoS設定部
213 QoS実行部
31 制御部
311 セッション処理部
312 ソケット監視部
313 暗号化/復号処理部
314 記述/帯域伝達部
315 QoS実行部
61 外部ネットワーク
62 ホームネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークの間で通信を行うためのゲートウェイ装置、情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IPTV(Internet Protocol Television)のように、インターネット上のブロードバンドコンテンツに接続するサービスが登場している。家庭では、ホームネットワークのようなローカルネットワークに多くの家電機器が接続され、インターネットおよびホームネットワークを介してコンテンツ提供サーバから家電機器にコンテンツを受信することで、ストリーミング再生が可能になった。
【0003】
NGN(Next Generation Network)などの外部ネットワーク側では、標準化により、QoS(Quality of Service)保証技術が策定されているため、IPTVのサービスを複数の家庭に同時に提供することが可能である。
【0004】
一方、ホームネットワーク側では、QoSを確保する仕組みが脆弱である。もし、1つの家庭内のホームネットワークに接続された複数の家電機器に対して、IPTVのようなコンテンツ提供サービスが同時に実行されると、ホームネットワーク内の通信帯域の逼迫が免れない。そのため、ホームネットワークでも、QoSを確保する仕組みが必要となる。
【0005】
ネットワーク内のパケットに対する優先制御および帯域制限を実現するための技術が知られているが、これらの技術を組み合わせたものの1つに、アドミッションコントロール(以下では、ACと表記する)と呼ばれる技術がある。ホームネットワーク内でQoSを確保する方法の一例として、このACをホームゲートウェイ(以下では、HGWと表記する)に実行させることで、セッション構築時にセッションの内容をHGWに識別させ、受付セッション数を制限させる方法がある。
【0006】
なお、ホームネットワーク内で、優先制御や帯域制御のためのレイヤー3シグナリングを扱う標準仕様としては、例えば、UPnP QoS等の汎用プロトコルが存在する。
【0007】
上述したACの例を説明するための前提として、関連する通信システムの構成を簡単に説明する。図23は関連する通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【0008】
図23に示すように、外部ネットワーク61にセッションサーバ104および情報端末105が接続され、ホームネットワーク62に情報端末103が接続されている。HGW102は、外部ネットワーク61とホームネットワーク62の間に接続されている。情報端末105は、情報端末103の通信相手となる装置である。
【0009】
次に、図23に示した通信システムの動作を説明する。図24は、図23に示した通信システムの動作を示すシーケンス図である。ここでは、HGW102は、ACによりSIP(Session Initiation Protocol) B2BUAを実行するため、外部ネットワーク61側とホームネットワーク62側のそれぞれのSIPシグナリングを終端する。
【0010】
情報端末103が情報端末105とセッションを確立するために、INVITEメッセージを情報端末105宛にHGW102に送信する(ステップ1001)。HGW102は、INVITEメッセージを情報端末103から受信すると(ステップ1001)、INVITEメッセージ中の、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP(Session Description Protocol)情報を参照する。そして、HGW102は、セッションの実行が可能か否かのAC判定を行う(ステップ1002)。ここで、HGW102は、通信状況やパケットの受信状態に応じて、メッセージを改変して転送したり、リジェクトメッセージを返信したりする場合もある。
【0011】
ステップ1002の判定の結果、HGW102は、セッション構築要求を受け付け可能と判定すると、INVITEメッセージをセッションサーバ104を介して情報端末105に送信する(ステップ1003)。その後、HGW102は、セッションサーバ104を介して情報端末105から200 OKのメッセージを受信すると(ステップ1004)、200 OKのメッセージを情報端末103に送信する(ステップ1005)。HGW102は、情報端末103からACKを受信すると(ステップ1006)、セッションサーバ104を介して情報端末105にACKを送信する(ステップ1007)。
【0012】
このようにして、外部ネットワーク61側の情報端末105とホームネットワーク62側の情報端末103とのセッション構築が完了する。
【0013】
特許文献1には、インターネットと情報センタ内のサーバとの間に接続されたファイアウォールが外部の端末とサーバとのセッションを識別してパケットの通過を制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2005−175825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
外部ネットワーク側の情報端末とホームネットワーク側の情報端末とが暗号化通信でデータを送受信しようとして、セッションを構築する際、一方の情報端末がセッション構築のためのメッセージのパケットを暗号化して他方の情報端末に送ってしまうと、HGWは、受け取ったパケットが暗号化されているため、メッセージを閲覧することができない。この場合、HGWは、セッションの内容の識別とACを行うことができなくなり、新たに構築されたセッションで使用される帯域が通信可能な帯域を越えてしまうと、ホームネットワーク内の通信帯域が逼迫してしまう。この問題は、HGWが解釈できないプロトコルを用いて情報端末間でセッション構築が行われる場合にも起こり得る。
【0016】
特許文献1に開示されたファイアウォールは、インターネットを介して受信する暗号化パケットのデータパケットを復号することなく、データパケットの送信元および宛先を識別しているが、特許文献1では、情報センタ内でサーバをネットワークに接続することを想定しておらず、ネットワーク内の帯域制御の方法については開示されていない。
【0017】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、外部とのセッション構築の際に、任意のセッションに対してネットワーク内の帯域制御を可能にしたゲートウェイ装置、情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明のゲートウェイ装置は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、
を有する構成である。
【0019】
また、本発明のゲートウェイ装置は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部と、
を有する構成である。
【0020】
また、本発明の情報処理装置は、第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、
前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、
前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、
を有する構成である。
【0021】
また、本発明の通信システムは第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと自装置との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信し、セッション構築のための処理を保留する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部とを含む構成である。
【0022】
また、本発明の通信システムは、第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと前記第1のネットワークに接続された情報端末との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記情報端末の識別子および前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部とを含む構成である。
【0023】
また、本発明の情報処理方法は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信するものである。
【0024】
さらに、本発明の情報処理方法は、第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信するものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、外部とのセッション構築の際、暗号化されたセッションなど、任意のセッションに対してネットワーク内の帯域制御を可能とし、ネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態における通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したセッションサーバの一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示したHGWの一構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態において、AC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態において、ホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。
【図7】第1の実施形態において、ホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図8】第1の実施形態において、外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図9】第1の実施形態の通信システムにおいて、ホームネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】第1の実施形態の通信システムにおいて、外部ネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】第2の本実施形態におけるPCの一構成例を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態において、ホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図13】第2の実施形態において、外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。
【図14】実施例1の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【図16】実施例1において、AC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。
【図17】実施例1において、ホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。
【図18】実施例1の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【図19】実施例2の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示した無線終端機器の一構成例を示すブロック図である。
【図21】図19に示した情報端末の一構成例を示すブロック図である。
【図22】実施例2の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【図23】関連する通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【図24】図23に示した通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施形態)
本実施形態の通信システムの構成を説明する。
【0028】
図1は本実施形態の通信システムの一構成例を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の通信システムは、外部ネットワーク61およびホームネットワーク62の間に設けられたHGW2と、ホームネットワーク62に接続されるパーソナルコンピュータ(以下では、PCと表記する)3とを有する。
【0030】
端末間のセッションを制御するセッションサーバ4が外部ネットワーク61に接続されている。セッションサーバ4の制御対象となる端末は、外部ネットワーク61およびホームネットワーク62のいずれかに接続される端末に限らず、外部ネットワーク61またはホームネットワーク62に接続された他のネットワークに設けられた端末であってもよい。
【0031】
PC3はホームネットワーク62に接続される情報処理装置の一例であり、PC以外の装置でもよいが、本実施形態では、PCの場合で説明する。情報端末5は、PC3の通信相手となる装置であり、外部ネットワーク61に接続される装置の一例である。外部ネットワーク61は、NGNである。
【0032】
なお、通信システムの装置のそれぞれは、装置毎に異なる識別子が予め付与され、装置間では、メッセージおよびデータを送受信する際、予め決められたプロトコルにしたがって、送信元および宛先の情報を含むヘッダが添付されたパケットでやり取りするものとし、以下では、その説明を省略する。
【0033】
図2はセッションサーバの一構成例を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、セッションサーバ4は、セッション制御部411および暗号化/復号処理部412を含む制御部41を有する。
【0035】
セッション制御部411は、情報端末5からセッション開始の指示を受け取ると、SIPにしたがって、情報端末5と相手の情報端末との間でセッションを構築するためのセッション構築シーケンスにしたがって処理を実行する。セッション制御部411は、セッション構築シーケンスを開始した後、セッション開始を許可しない旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を中断する。
【0036】
暗号化/復号処理部412は、暗号化通信のセッション開始の指示を情報端末5から受け取ると、セッションを構築する相手の装置との間で、仮想的な通信経路である暗号化トンネルを設定する。暗号化/復号処理部412は、暗号化トンネルを設定すると、情報端末5から受信するメッセージまたはデータを暗号化して暗号化トンネルを介して相手の装置に送信し、相手の装置から受け取るメッセージまたはデータを復号して情報端末5に送信する。
【0037】
図3はHGWの一構成例を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、HGW2は、記憶部25と、制御部21とを有する。制御部21は、AC部211、QoS設定部212およびQoS実行部213を含む。記憶部25には、ACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報とホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報が登録される。
【0039】
AC部211は、セッションを開始しようとする情報端末から、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述を受け取ると、記憶部25に保存された表を参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する。判定の結果、帯域に余裕がある場合、AC部211は、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果を情報端末に送信する。判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、セッション開始を許可しない旨の判定結果を情報端末に送信する。
【0040】
以下では、セッション記述に、データの符号化情報となるコーデックと、データのビットレートの情報を含む場合で説明するが、少なくともビットレートの情報が含まれていればよい。
【0041】
QoS設定部212は、ルーティングに関して予め決められた情報であるstatic情報とルーティングに関して動的に変化可能な情報であるdynamic情報とに基づいてポリシーを決定する。QoS実行部213は、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0042】
図4はPCの一構成例を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、PC3は、セッション処理部311、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315を含む制御部31を有する。
【0044】
セッション処理部311は、サービスアプリケーションの実行指示が入力され、通信相手となる装置を特定するための情報とセッション開始の指示が入力されると、または、外部からセッション要求を受信すると、セッション構築の相手の装置の識別子をソケット監視部312に通知し、相手の装置との間でセッション構築シーケンスにしたがって処理を開始する。セッション処理部311は、セッション構築シーケンスの処理を保留する旨の指示をソケット監視部312から受けると、その処理を保留する。その後、セッション処理部311は、セッション開始を許可する旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し、セッション開始を許可しない旨の情報をHGW2から受信すると、セッション構築処理を中断する。
【0045】
ソケット監視部312は、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知すると、セッション構築の指示を記述/帯域伝達部314に通知するとともに、セッション処理部311にセッション構築の処理を保留させる。
【0046】
暗号化/復号処理部313は、暗号化通信のセッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションを構築する相手の装置との間で、暗号化トンネルを設定する。暗号化/復号処理部313は、暗号化トンネルを設定すると、入力されるデータまたはメッセージを暗号化し、暗号化したデータまたはメッセージを暗号化トンネルを介して相手の装置に送信し、相手の装置から受け取るメッセージを復号して出力する。
【0047】
記述/帯域伝達部314は、セッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションの開始時に相手の装置に送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する。また、記述/帯域伝達部314は、HGW2からラウンドトリップタイム測定用のパケットを受信すると、そのパケットをHGW2に返信する。
【0048】
QoS実行部315は、HGW2から通知される設定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0049】
次に、HGW2におけるAC判定の準備として、必要な情報をHGW2に事前に登録する方法を説明する。
【0050】
図5はAC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。ここでは、QoS要求を行う情報端末として、図1に示さない端末601〜603がホームネットワーク62に接続されているものとする。
【0051】
図6はホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。PC3は端末601〜603のいずれかに相当している。ここでは、説明を簡単にするために、ホームネットワーク62に接続される端末が3つの場合としているが、その数は3つに限らない。
【0052】
HGW2の記憶部25には、AC部211が実行するACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報が登録される(ステップ121)。記憶部25へのstatic情報の登録は、HGW2の製品出荷前に行われていてもよく、ユーザがHGW2を入手した後にHGW2を操作することで行われてもよく、ホームネットワーク62に接続された情報端末(不図示)から入力されることで行われてもよい。ホームネットワーク62に情報端末(不図示)を初めて接続した際、情報端末とHGW2とが、互いに自装置の識別子を送受信し、相手装置の識別子を登録するようにしてもよい。
【0053】
記憶部25にstatic情報が登録された後、HGW2のAC部211は、ホームネットワーク62内の情報端末のうち、QoS保証を要求する全ての情報端末の記述/帯域伝達部314との間でのラウンドトリップタイム測定等を通じ、各情報端末との双方向の実効最大帯域を算出する(ステップ122)。そして、AC部211は、図6に示す表を作成して記憶部25に保存する。続いて、AC部211は、リンク毎に情報端末から集計する値の中で最も小さい実効最大帯域を求め、必要に応じて制御パケットおよび他の通信用途の帯域を減算し、当該リンクのAC条件としての帯域合計値を決定し、その値を表に記録する(ステップ123)。その後は、AC部211は、AC判定の際に、表に記録した帯域合計値を適用する。
【0054】
図6に示す例を見ると、データの流れる方向が「端末→HGW」では、リンク1の端末601の場合、実行最大帯域がXMbpsであり、AC部211は、AC条件の合計値をXMbpsと決定している。一方、データの流れる方向が「HGW→端末」では、リンク2の端末602の実行最大帯域がyMbpsであり、端末603の実行最大帯域がzMbpsであり、y<zであり、他の通信用途の帯域がBであるとき、AC部211は、リンク2のAC条件の合計値を(y−B)Mbpsと決定している。
【0055】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、PC3がセッションサーバ4に対して情報端末5とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。
【0056】
図7はホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0057】
PC3のユーザがPC3のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC3がセッション構築シーケンスを開始しようとすると、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC3のソケット監視部312がセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ124)、セッション構築処理を保留する(ステップ125)。PC3の記述/帯域伝達部314は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、セッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する(ステップ126)。
【0058】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC3から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ127)。
【0059】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC3に送信する(ステップ128)。ステップ127の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC3では既に開始したつもりのセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC3に送信する。
【0060】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ129)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ130)。最終的に、セッションサーバ4がPC3からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ131)。
【0061】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC3のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0062】
なお、ステップ127で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPU(Central Processing Unit)の使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0063】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、情報端末5がセッションサーバ4に対してPC3とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0064】
図8は外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0065】
情報端末5がPC3とセッションを構築するために、セッション構築シーケンスを開始し、セッション構築要求パケットをHGW2を介してPC3に送信する(ステップ144)。PC3が情報端末5からセッション構築要求パケットを受信すると、PC3の暗号化/復号処理部313とセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。その際、PC3のソケット監視部312は、セッション構築要求パケットの情報から、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うこととを検知すると(ステップ145)、セッション構築処理を保留にする(ステップ146)。
【0066】
続いて、PC3の記述/帯域伝達部314は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて受信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述ならびにセッションサーバ4の識別子をHGW2に送信する(ステップ147)。
【0067】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC3から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ148)。
【0068】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC3に送信する(ステップ149)。
【0069】
一方、ステップ148の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、外部ネットワーク61側の情報端末5に対してセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信する。セッション構築を要求してきたセッションサーバ4に対して、HGW2からダイレクトにセッション構築処理の中止が通知されるため、PC3を介して通知するよりも処理が早くなる。また、PC3のセッション処理部311は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、セッション構築処理を中止する。
【0070】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ150)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ151)。最終的に、PC3がセッションサーバ4からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ152)。
【0071】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC3のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0072】
なお、ステップ148で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0073】
本実施形態では、暗号化セッション開始前にHGWがホームネットワーク内の帯域に余裕があるか否かを判定してセッション数を制御しているので、ホームネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。また、ホームネットワーク内の情報処理装置がセッション開始前にセッション記述をHGWに通知する際、特定のプロトコルを使用する必要がないので、本実施形態の情報処理方法の適用範囲がより広くなる。
【0074】
なお、本実施形態では、図8に示したステップ148の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信しているが、エラーコードをPC3にも送信してもよい。この場合、PC3は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間待たなくても、セッションが許可されなかったことを認識可能となる。
【0075】
また、本実施形態では、PCがソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315の処理の他に、セッション処理部311を行っていたが、次に説明するように、PC以外の情報端末で外部ネットワーク61側の情報端末と通信処理を行うようにしてもよい。
【0076】
図9は本実施形態の通信システムにおいて、ホームネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【0077】
図9に示すように、ホームネットワーク62には、情報端末6およびPC35のそれぞれの情報処理装置が接続されている。情報端末6は、セッション処理部311を含む制御部65を有する。PC35は、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315を含む制御部37を有する。
【0078】
情報端末6がセッションの構築を開始する前に、INVITEのメッセージをセッション構築の相手の装置に送信する、または、セッション構築の相手の装置からセッション要求の情報を受信すると、PC35のソケット監視部312は、INVITEのメッセージから、セッションを開始しようとしている装置の識別子およびセッション記述の情報を読み出す。
【0079】
図9に示す構成の場合、情報端末6にソケット監視部312を設ける必要がないため、セッション処理部を有する、既存の情報端末6をそのまま利用できる。また、情報端末6では、暗号化/復号処理部313、記述/帯域伝達部314およびQoS実行部315の処理を行わなくてすむため、CPUの負荷を軽減させることができる。ただし、情報端末6が情報端末5と暗号化したパケットを送受信する際には、情報端末6はPC35を介して情報端末5とパケットを送受信する必要がある。
【0080】
また、本実施形態では、外部ネットワーク61側でパケットの暗号化/復号処理をセッションサーバが実行していたが、他のサーバまたはルータなどの情報処理装置が行ってもよい。
【0081】
図10は本実施形態の通信システムにおいて、外部ネットワーク側に設けられる装置の他の構成例を示すブロック図である。
【0082】
図10に示すように、外部ネットワーク61には、セッションサーバ42およびサーバ45のそれぞれの情報処理装置が接続されている。セッションサーバ42は、セッション制御部411を含む制御部43を有する。サーバ45は、暗号化/復号処理部412を含む制御部44を有する。この場合、セッションサーバの負荷が軽減する。
【0083】
また、図1には、HGW2およびPC3の他に、セッションサーバ4および情報端末5が示されているが、本発明の特徴となる情報処理を実行する通信システムは、少なくともHGW2およびPC3を有していればよい。
さらに、図9に示す通信システムと図10に示す通信システムを組み合わせてもよい。
【0084】
(第2の実施形態)
本実施形態は、QoS制御用途に汎用プロトコルを用いる場合である。ここでは、汎用プロトコルがUPnPとする。
【0085】
本実施形態の通信システムの構成を説明する。本実施形態の通信システムは、図1に示したブロック図において、PC3の代わりに図11に示すPC32が設けられた構成である。本実施形態では、第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
図11は本実施形態におけるPCの一構成例を示すブロック図である。
【0087】
図11に示すように、本実施形態のPC32は、図4に示したPC3における記述/帯域伝達部314の代わりにQoS要求部316が設けられた構成である。
【0088】
QoS要求部316は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、セッション記述をHGW2に通知する。QoS実行部315は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、HGW2から通知される設定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0089】
本実施形態では、図1に示したHGW2のQoS設定部212は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、static情報およびdynamic情報に基づいてポリシーを決定する。図1に示したHGW2のQoS実行部213は、UPnP QoSのプロトコルにしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0090】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、PC32がセッションサーバ4に対して情報端末5とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、第1の実施形態で図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0091】
図12はホームネットワーク側の端末から外部ネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0092】
PC32のユーザがPC32のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC32がセッション構築シーケンスを開始しようとすると、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC32のソケット監視部312がセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ164)、セッション構築処理を保留する(ステップ165)。PC32のQoS要求部316は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述をHGW2に送信する(ステップ166)。
【0093】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC32から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ167)。優先制御および帯域制御が設定されている場合、QoS設定部212とQoS要求部316の間で、汎用プロトコルにて規定された、それぞれのQoS確保のためのシーケンスが追加で実行される(ステップ168)。
【0094】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC32に送信する(ステップ169)。なお、ステップ167の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC3では既に開始したつもりのセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC3に送信する。
【0095】
PC3は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ170)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ171)。最終的に、セッションサーバ4がPC32からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ172)。
【0096】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC32のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0097】
なお、ステップ167で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0098】
次に、本実施形態の通信システムにおいて、情報端末5がセッションサーバ4に対してPC32とのセッション構築を要求する場合の動作手順を説明する。ここでは、第1の実施形態で図5および図6を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0099】
図13は外部ネットワーク側の端末からホームネットワーク側の端末にセッション要求があった場合の動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0100】
情報端末5がPC32とセッションを構築するために、セッション構築シーケンスを開始し、セッション構築要求パケットをHGW2を介してPC32に送信する(ステップ184)。PC32が情報端末5からセッション構築要求パケットを受信すると、PC32の暗号化/復号処理部313とセッションサーバ4の暗号化/復号処理部412との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。その際、PC32のソケット監視部312は、セッション構築要求パケットの情報から、セッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うこととを検知すると(ステップ185)、セッション構築処理を保留にする(ステップ186)。
【0101】
続いて、PC32のQoS要求部316は、HGW2にQoSの設定を依頼するため、セッション構築シーケンスにて受信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むセッション記述ならびにセッションサーバ4の識別子をHGW2に送信する(ステップ187)。
【0102】
HGW2のQoS設定部212は、セッション記述をPC32から受信すると、セッション記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったセッション記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ188)。優先制御および帯域制御が設定されている場合、QoS設定部212とQoS要求部316の間で、汎用プロトコルにて規定された、それぞれのQoS確保のためのシーケンスが追加で実行される(ステップ189)。
【0103】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC32に送信する(ステップ190)。
【0104】
なお、ステップ188の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、外部ネットワーク61側の情報端末5に対してセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをセッションサーバ4に送信する。また、PC32のセッション処理部311は、セッション記述がHGW2に送信されてから一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、セッション構築処理を中止する。
【0105】
PC32は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ191)、外部ネットワーク61側のセッションサーバ4との間でセッション構築要求/応答の往復シーケンスを行う(ステップ192)。最終的に、PC32がセッションサーバ4からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ193)。
【0106】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC32のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0107】
なお、ステップ188で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0108】
本実施形態では、暗号化セッション開始前にHGWがホームネットワーク内の帯域に余裕があるか否かを判定してセッション数を制御しているので、ホームネットワーク内の帯域が逼迫するのを防げる。また、本実施形態では、ホームネットワーク内の情報処理装置がセッション開始前にセッション記述をHGWに通知する際、QoS制御用途の汎用プロトコルで規定されたセッション記述をそのまま利用することが可能となる。
【0109】
第2実施形態においても、図9または図10を参照して説明した構成が適用されてもよい。
【0110】
上述した第1または第2の実施形態により、次のような効果が得られる。
【0111】
外部ネットワーク側の情報端末とホームネットワーク側の情報端末との間で暗号化されたセッション構築パケットをやり取りする前に、それらのネットワーク間のパケット送信を中継するゲートウェイ装置で、セッションの内容の識別とACを行うことが可能となる。
【0112】
また、ソケット監視部312が、暗号化を扱う通信に限らず、全てのセッションを監視対象にすれば、HGWが解釈できないプロトコルを用いて情報端末間でセッション構築が行われる場合にも、ホームネットワーク内の帯域制御を行うことが可能となる。
【0113】
通常、ホームネットワーク内部では無線LAN(Local Area Network)やEthernet(登録商標)等のアクセスリンクが任意に変更されて使われているにも関わらず、既存のACの条件設定はstaticな情報で動的に変更することができないが、第1または第2の実施形態では、上述したように、ホームネットワーク内で動的に機器接続変化があっても、機器接続変化に伴う実効最大帯域の変化に対応したACが可能となる。
【0114】
既存のNGN仕様では、コア網に相当する外部ネットワークとアクセス網に相当するホームネットワークのQoS確保についてのシーケンスが規定されている。そのため、このシーケンスの途中に端末−HGW間のQoS設定手順を追加すると、標準仕様の改変や既存アプリケーションの改修を行うことになるが、第1または第2の実施形態では、上述したように、標準仕様の改変や既存アプリケーションの改修を行うことなく、ホームネットワーク内のQoSを保証できる。
【0115】
なお、上述した第1または第2の実施形態において、ホームネットワーク62側の情報処理装置がHGWに対してセッション記述を送信するには、情報処理装置がHGWのアドレス情報を予め知っている必要があるが、UPnP等の標準プロトコルを適用して、HGWのアドレスが情報処理装置に通知されるようにしてもよい。
次に、上述した実施形態の実施例を説明する。
【実施例1】
【0116】
本実施例の通信システムの構成を説明する。図14は本実施例の通信システムの一構成を示すブロック図である。本実施例では、第1または第2の実施形態と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0117】
図14に示すように、外部ネットワーク61とHGW2の間にゲートウェイ(GW)46が接続されている。GW46は暗号化/復号処理部412を含む制御部47を有する。外部ネットワーク61には、図1に示したセッションサーバ4の代わりにSIPサーバ49が接続されている。SIPサーバ49は、図10に示したセッションサーバ42と同様な構成であるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。PC38はホームネットワーク62に接続される情報処理装置の一例である。
【0118】
図15は図14に示したPCの一構成例を示すブロック図である。
【0119】
図15に示すように、PC38は、セッション処理部311、ソケット監視部312、暗号化/復号処理部313、SDP/帯域伝達部317およびQoS実行部315を含む制御部39を有する。
【0120】
SDP/帯域伝達部317は、セッション開始の指示をセッション処理部311から受け取ると、セッションの開始時に相手の装置に送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する。
【0121】
図14に示すHGW2は、第1の実施形態で説明したHGW2と同様な構成であるが、本実施例では、AC判定の際に参照する情報の具体例を示すため、その内容を詳細に説明する。
【0122】
図16はAC判定のための情報をHGWに登録する手順を示すフローチャートである。ここでは、QoS要求を行う情報端末として、図14に示さない端末A〜Cがホームネットワーク62に接続されているものとする。
【0123】
図17はホームネットワークにおける通信可能な帯域の情報を記録するための表である。PC38が端末A〜Cのいずれかに相当している。ここでは、説明を簡単にするために、ホームネットワーク62に接続される端末が3つの場合としているが、その数は3つに限らない。
【0124】
HGW2の記憶部25には、AC部211が実行するACのための判定条件およびキューの用途割り当てなどの情報を含むstatic情報が登録される(ステップ241)。記憶部25にstatic情報が登録された後、HGW2のAC部211は、ホームネットワーク62内の情報端末のうち、QoS保証を要求する全ての情報端末のSDP/帯域伝達部317との間でのラウンドトリップタイム測定等を通じ、各情報端末との双方向の実効最大帯域を算出する(ステップ242)。そして、AC部211は、図17に示す表を作成して記憶部25に保存する。
【0125】
続いて、AC部211は、リンク毎に情報端末から集計する値の中で最も小さい実効最大帯域を求め、必要に応じて制御パケットおよび他の通信用途の帯域を減算し、例えば、端末Bおよび端末Cが利用している無線LAN 802.11bの双方向のAC条件としての帯域合計値を、端末Bまたは端末CからHGW2への方向で1.5Mbpsと決定し、HGW2から端末Bまたは端末Cへの方向で3Mbpsと決定して表に記録する(ステップ243)。その後は、AC部211は、AC判定の際に、表に記録した帯域合計値を適用する。
【0126】
次に、本実施例の通信システムの動作を説明する。
【0127】
図18は本実施例の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0128】
PC38のユーザがPC38のサービスアプリケーションを起動し、これに連動してPC38がSIPセッション構築シーケンスを開始しようとすると、GW46の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、PC38のソケット監視部312がSIPセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ244)、SIPセッション構築処理を保留する(ステップ245)。PC38のSDP/帯域伝達部317は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、SIPセッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する(ステップ246)。
【0129】
HGW2のQoS設定部212は、SDP記述をPC38から受信すると、SDP記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったSDP記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ247)。
【0130】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果をPC38に送信する(ステップ248)。なお、ステップ247の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、PC38では既に開始したつもりのSIPセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードをPC38に送信する。
【0131】
PC38は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、セッション構築処理を再開し(ステップ249)、外部ネットワーク61側のSIPサーバ49との間でINVITE/200 OKの往復シーケンスを行う(ステップ250)。最終的に、SIPサーバ49がPC38からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ251)。
【0132】
その後、HGW2のQoS実行部213およびPC38のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0133】
なお、ステップ247で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0134】
本実施例では、外部ネットワーク側に設けられたGWが暗号化/復号処理を行う場合でも、上述したように、ホームネットワーク内の帯域制御が行われる。
【実施例2】
【0135】
本実施例の通信システムの構成を説明する。本実施例では、第1もしくは第2の実施形態または実施例1と同様な構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0136】
図19は本実施例の通信システムの一構成を示すブロック図である。
【0137】
図19に示すように、ホームネットワーク62には図1に示した情報処理装置のPC3の代わりに無線終端機器7が接続されている。情報端末63は、無線終端機器7と無線で通信接続可能な携帯端末であり、無線終端機器7を介してホームネットワーク62に接続する情報処理装置の一例である。
【0138】
図20は図19に示した無線終端機器の一構成例を示すブロック図である。図20に示すように、無線終端機器7は、ソケット監視部312と、暗号化/復号処理部313と、SDP/帯域伝達部317と、QoS実行部315と、情報端末63と無線通信を行うための無線通信部318とを含む制御部71を有する。
【0139】
図21は図19に示した情報端末の一構成例を示すブロック図である。図21に示すように、セッション処理部311と、無線終端機器7と無線通信を行うための無線通信部641とを含む制御部64を有する。
【0140】
次に、本実施例の通信システムの動作を説明する。ここでは、実施例1で図16および図17を参照して説明したように、AC判定の際に参照する情報がHGW2の記憶部25に予め登録されているものとする。
【0141】
図22は本実施例の通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。このシーケンス図では、装置間でセッション構築が行われる場合を示す。
【0142】
情報端末63のユーザが情報端末63のサービスアプリケーションを起動し、これに連動して情報端末63がSIPセッション構築シーケンスを開始しようとし、SIPのINVITEのメッセージを無線終端機器7に送信する(ステップ264)。無線終端機器7は、情報端末63からSIPのINVITEのメッセージを受信すると、GW46の暗号化/復号処理部412と自装置の暗号化/復号処理部313との間で暗号化トンネルの設定の準備を開始する。このとき、無線終端機器7のソケット監視部312は、情報端末63がSIPセッション構築の開始とデータの暗号化を扱う通信を行うことを検知し(ステップ265)、SIPセッション構築処理を保留する(ステップ266)。無線終端機器7のSDP/帯域伝達部317は、HGW2にQoSの設定を依頼するために、SIPセッション構築シーケンスにて送信する、コーデックおよびビットレートの情報を含むSDP記述をHGW2に送信する(ステップ267)。
【0143】
HGW2のQoS設定部212は、SDP記述を無線終端機器7から受信すると、SDP記述をAC部211に転送する。AC部211は、受け取ったSDP記述に対して、記憶部25に保存されたテーブルを参照し、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定する(ステップ268)。
【0144】
AC部211は、判定の結果、帯域に余裕がある場合、そのセッションのために確保した帯域数値分を、既に使用している帯域合計値から減算した値を記憶部25の表に記録するとともに、セッション開始を許可する旨の判定結果を無線終端機器7に送信する(ステップ269)。なお、ステップ268の判定の結果、帯域に余裕がない場合、AC部211は、SIPセッション構築処理を中止する必要があるため、セッション開始を許可しない旨を示すエラーコードを無線終端機器7を介して情報端末63に送信する。
【0145】
無線終端機器7は、セッション開始を許可する旨の判定結果をHGW2から受信すると、その判定結果を情報端末63に転送するとともに、セッション構築処理を再開し(ステップ270)、一時的に保存していたINVITEのメッセージを外部ネットワーク61側のSIPサーバ49に送信する(ステップ271)。その後、情報端末63とSIPサーバ49との間で、INVITE/200 OKの往復シーケンスを行う(ステップ272〜273)。最終的に、SIPサーバ49が情報端末63からACKを受信することにより、セッション構築が完了する(ステップ274)。
【0146】
その後、HGW2のQoS実行部213および無線終端機器7のQoS実行部315は、予め設定された優先制御および帯域制御にしたがって、QoS設定部212の決定内容に応じてエンキューおよびデキューを行う。
【0147】
なお、ステップ268で、AC部211は、帯域の空き状況からセッションの受付可否を判定したが、CPUの使用状況を記憶部25に保存したテーブルに記録すれば、帯域の空き状況とCPUの使用状況とからセッションの受付可否を判定してもよい。
【0148】
本実施例では、携帯端末が無線通信でホームネットワークに接続し、ホームネットワークを介して外部ネットワークの情報端末とセッションを構築する際にも、上述したように、ホームネットワーク内の帯域制御が行われる。
【0149】
上述したように、第1および第2の実施形態ならびに実施例1および2で本発明の一例を説明したが、これらの実施形態および実施例を複数組み合わせてもよく、どのように組み合わせても、上述した本発明の効果が得られる。
【0150】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0151】
(付記1)第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、を有するゲートウェイ装置。
【0152】
(付記2)前記セッションのビットレートの情報が通信プロトコルの一種であるUPnPプロトコルにしたがって記述されている、付記1に記載のゲートウェイ装置。
【0153】
(付記3)第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、を有する情報処理装置。
【0154】
(付記4)前記セッション処理部は、前記監視部の検知から一定時間経っても、セッション開始を許可する旨の通知を受け取らなければ、前記セッションの構築のための処理を中止する、付記3に記載の情報処理装置。
【0155】
(付記5)第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、前記第1のネットワークで通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する、情報処理方法。
【0156】
(付記6)前記セッションのビットレートの情報を受信する際、前記セッションサーバの識別子の情報を前記情報処理装置から受信し、該セッションの帯域を確保できるか否かの判定の結果、該セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記セッションサーバに送信する、付記5に記載の情報処理方法。
【0157】
(付記7)前記セッションが暗号化通信で実行されるものである、付記5に記載の情報処理方法。
【0158】
(付記8)前記セッションのビットレートの情報が通信プロトコルの一種であるUPnPプロトコルにしたがって記述されている、付記5に記載の情報処理方法。
【符号の説明】
【0159】
2 ホームゲートウェイ(HGW)
3 パーソナルコンピュータ(PC)
4 セッションサーバ
5 情報端末
7 無線終端機器
21 制御部
25 記憶部
211 AC部
212 QoS設定部
213 QoS実行部
31 制御部
311 セッション処理部
312 ソケット監視部
313 暗号化/復号処理部
314 記述/帯域伝達部
315 QoS実行部
61 外部ネットワーク
62 ホームネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、
を有するゲートウェイ装置。
【請求項2】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部と、
を有するゲートウェイ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のゲートウェイ装置において、
前記制御部は、
前記セッションのビットレートの情報を受信する際、前記セッションサーバの識別子の情報を前記情報処理装置から受信し、該セッションの帯域を確保できるか否かの判定の結果、該セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記セッションサーバに送信する、ゲートウェイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のゲートウェイ装置において、
前記制御部は、
前記情報処理装置を含む複数の情報処理装置が前記第1のネットワークに接続されると、該複数の情報処理装置とラウンドトリップタイム測定を行って該複数の情報処理装置との双方向の実効最大帯域を算出し、算出した実効最大帯域のうち最小の実効最大帯域を前記通信可能な帯域に決定し、前記テーブルを予め前記記憶部に格納する、ゲートウェイ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載のゲートウェイ装置において、
前記セッションが暗号化通信で実行されるものである、ゲートウェイ装置。
【請求項6】
第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、
前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、
前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと自装置との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信し、セッション構築のための処理を保留する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部とを含む、通信システム。
【請求項8】
第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと前記第1のネットワークに接続された情報端末との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記情報端末の識別子および前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部とを含む、通信システム。
【請求項9】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する、情報処理方法。
【請求項10】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する、情報処理方法。
【請求項1】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部と、
を有するゲートウェイ装置。
【請求項2】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、該セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部と、
を有するゲートウェイ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のゲートウェイ装置において、
前記制御部は、
前記セッションのビットレートの情報を受信する際、前記セッションサーバの識別子の情報を前記情報処理装置から受信し、該セッションの帯域を確保できるか否かの判定の結果、該セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記セッションサーバに送信する、ゲートウェイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のゲートウェイ装置において、
前記制御部は、
前記情報処理装置を含む複数の情報処理装置が前記第1のネットワークに接続されると、該複数の情報処理装置とラウンドトリップタイム測定を行って該複数の情報処理装置との双方向の実効最大帯域を算出し、算出した実効最大帯域のうち最小の実効最大帯域を前記通信可能な帯域に決定し、前記テーブルを予め前記記憶部に格納する、ゲートウェイ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載のゲートウェイ装置において、
前記セッションが暗号化通信で実行されるものである、ゲートウェイ装置。
【請求項6】
第1のネットワークに接続された情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続されたセッションサーバとの間でセッションを開始する旨の情報を検知する監視部と、
前記監視部の検知により、前記セッションのビットレートの情報を前記第1および第2のネットワークの間に接続されたゲートウェイ装置に送信する帯域伝達部と、
前記監視部の検知により、前記セッションの構築のための処理を保留し、その後、前記セッションの開始を許可する旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を実行し、前記セッションの開始を許可しない旨の情報を前記ゲートウェイ装置から受信すると、前記セッションの構築のための処理を中止するセッション制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと自装置との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信し、セッション構築のための処理を保留する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する制御部とを含む、通信システム。
【請求項8】
第1のネットワークに接続された情報処理装置と、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークと前記第1のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置と、を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバと前記第1のネットワークに接続された情報端末との間でセッションを開始する旨の情報が入力されると、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記ゲートウェイ装置に送信する制御部を含み、
前記ゲートウェイ装置は、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
前記情報端末の識別子および前記セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する制御部とを含む、通信システム。
【請求項9】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該セッションのビットレートの情報を前記情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報処理装置に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、前記セッションを許可しない旨の情報を前記情報処理装置に送信する、情報処理方法。
【請求項10】
第1のネットワークと、該第1のネットワークとは異なる第2のネットワークとの間に接続されたゲートウェイ装置による情報処理方法であって、
前記第1のネットワークでの通信可能な帯域の情報が記録されたテーブルを格納し、
前記第1のネットワークに接続された情報端末と前記第2のネットワークに接続されたセッションサーバとのセッション開始前に、該情報端末の識別子および該セッションのビットレートの情報を前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から受信すると、該セッションのための帯域を確保できるか否かを前記テーブルを参照して判定し、
判定の結果、前記セッションの帯域を確保できると判定した場合、該セッションの開始を許可する旨の情報を前記情報端末に送信するとともに、前記テーブルにおける前記通信可能な帯域を該帯域から該セッションで使用される帯域を減算した値に更新し、前記セッションの帯域を確保できないと判定した場合、該セッションを許可しない旨の情報を前記情報端末に送信する、情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−155557(P2011−155557A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16458(P2010−16458)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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