説明

ゲートウェイ装置及びその方法

【課題】
メディアゲートウェイの伝送経路を分担管理する複数のサーバの中から最適なサーバに信号処理を振り分け、耐障害性の高いゲートウェイ装置を提供する。
【解決手段】
ゲートウェイ装置は、サーバ側信号送受信部11aによりATM網5及びIP網7の網間で通信される信号を送受信して信号識別子生成部11bにより信号識別子を生成してメディアゲートウェイ手段3を介する伝送経路4の各々に対応付けられた複数のメディアゲートウェイ制御サーバ11を統括して伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段1と、信号送受信部21によりこの信号を送受信し、信号識別子抽出部22によりこの信号識別子を抽出し、振り分け機能部23によりこのメディアゲートウェイ制御サーバ11に対して分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段2を備える構成であり、耐障害性を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
IMSアーキテクチャに準拠したIP網と既存のATM網との電気通信を実現するゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術は、特開2002−84363号公報に開示されるものがある。
前記背景技術に係るゲートウェイ装置としての、ゲートウェイシステム及びそれに用いる回線制御方法は、全て同一の信号局コードを持ち、交換機との間の信号リンクを同一とする信号リンクグループに属する複数のMGCで構成されるMGCグループと、予め自装置を制御するMGCグループの各MGCのIPアドレスを登録、保持し、着信号局コードと回線識別コードとによってMGCから識別される通信回線を介して交換機との間で通信を行うメディアゲートウェイとを備える構成であり、既存電話網を通じてIPネットワークサービスの利用を可能とする。
【特許文献1】特開2002−84363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、既存の電話交換機からIP電話への移行が進み、その移行段階では既存電話網とIP電話網を併用させ徐々に既存電話網の交換機の台数を減らすことが求められている。この解決策として、既存電話網とのインターフェース機能をゲートウェイ装置に搭載することが検討されている。この場合、ATM網におけるNo.7共通線信号方式のうちISDNの呼制御アプリケーションを実施する網間信号インターフェースであるBroadband ISDN User Part(以下、B−ISUPと略記)信号に含まれるOriginate Signaling Identifier;送信元信号識別子(以下、OSIDと略記)等のトランザクションを一意に識別する送信元信号識別子に関する情報とそのトランザクションを処理しているMGCS(Media Gateway Control Server)との関連付け情報を、内部メモリにデータとして保持していることから、当該既存電話網とのインターフェース機能を有するコンピュータの再起動による処理再開に伴い、この内部メモリのデータを消失してしまい、呼が確立している呼に関連する通信データであっても、その通信データを対応しているMGCSへ振り分けができなくなるという問題が発生する。また、消失した既存電話網で発生した呼と当該呼が対応付けられるMGCSとの対応関係を再構築する必要があるという課題を有する。また、既存電話網とIP電話網との間で発生した呼と当該呼が振り分けられるMGCSとの対応関係を再構築する際には、前記MSGSの稼働状況やLANの障害等の通信回線の障害状況に応じてトランザクションの整合性を担保するためのシステム復旧制御も考慮しなければならないことから、複雑な処理が必要となる。
【0004】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、システムの利用者及び負荷の規模に応じた柔軟な機能拡張性(scalability;以下、スケーラビリティと略記)を考慮して複数構成されたサーバにより伝送経路を分担して管理するメディアゲートウェイにおいて、システム障害発生時にも複数のサーバの中から最適なサーバに対して信号処理を振り分けることにより伝送データの損失を軽減してシステム復旧制御の軽減化を図り、さらに通常稼動時にもこの複数サーバ間の負荷バランスの適正化によりシステム負荷を軽減するゲートウェイ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るゲートウェイ装置は、ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段と、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段とを備えるゲートウェイ装置において、前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成部を備え、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出部、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け機能部を備えるものである。
【0006】
このように本発明によれば、前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対して少なくとも前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報を含みトランザクションを一意に識別する前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、信号識別子抽出部により当該第二の信号に含まれる前記信号識別子を抽出し、当該抽出された前記信号識別子に基づいて特定される前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して振り分け機能部により当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示することから、一意な前記信号識別子に前記メディアゲートウェイ制御サーバを識別する情報を含め、この信号識別子に基づいて前記メディアゲートウェイ制御サーバを特定できることとなり、前記シグナリングゲートウェイ制御手段により内部メモリにデータを保持することなく前記メディアゲートウェイ制御サーバの振り分けを行うことができるため、システム障害発生時にも呼の整合処理を不要としてデータ通信を継続して行うことができ、システム復旧制御を簡素化することができる。
【0007】
また、本発明に係るゲートウェイ装置は必要に応じて、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記信号識別子生成部は、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該生成された通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成するものである。このように本発明によれば、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記信号識別子生成部が、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成することから、前記信号識別子に含まれる通番において値の連続性を確保できることとなり、連続すべき通番の欠落に基づいて伝送障害及びシステム障害等による通信データの損失を容易に検出することができる。
【0008】
また、本発明に係るゲートウェイ装置は必要に応じて、前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバにおけるシステム的な負荷状況に関する負荷情報を収集する負荷情報収集部を備え、前記信号識別子生成部は、当該負荷情報収集部が収集した前記負荷情報を含む前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報に基づいて当該負荷情報を少なくとも管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記振り分け機能部は、当該サーバ負荷情報管理部により管理される最新の前記負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けるものである。
このように本発明によれば、前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバの負荷情報を負荷情報収集部により収集し、前記信号識別子生成部により前記負荷情報をさらに含む前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報を管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記サーバ負荷情報管理部による前記最新負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けることから、前記シグナリングゲートウェイ制御手段により最低負荷状態の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号を振り分けることとなり、過負荷状態の前記メディアゲートウェイ制御サーバへの振り分けを防止することができ、輻輳等の伝送障害を未然防止することができる。また、最低負荷状態の前記メディアゲートウェイ制御サーバが呼確立処理を行うため、呼損失を最小限に抑えることができる。
【0009】
また、本発明に係るゲートウェイ装置は必要に応じて、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を保持し、所定の前記メディアゲートウェイ制御サーバに関する前記負荷情報に対して最後の更新時から当該有効期限の時間内に更新されたか否かを判定する有効期限判定部を備え、前記振り分け機能部は、当該有効期限判定部の判定結果に基づいて前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号の送受信処理を振り分けて指示するものである。
このように本発明によれば、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を用いて、最後の信号処理から当該有効期限内に一度も信号処理を行わなかった前記メディアゲートウェイ制御サーバを有効期限判定部により検知し、前記振り分け機能部により当該メディアゲートウェイ制御サーバに前記第一の信号の送受信処理を振り分けることから、信号処理を一定時間振り分けていない前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して最優先で前記第一の信号を振り分けることとなり、前記メディアゲートウェイ制御サーバ間の信号処理の負荷バランスを適正化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置を、図1から図6に基づいて説明する。
この図1は本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図、図2は図1に記載されたゲートウェイ装置のシーケンス図、図3は図1に記載されたゲートウェイ装置のATM網からの発信によるフローチャート、図4は図1に記載されたゲートウェイ装置の振り分け機能部のフローチャート、図5は図1に記載されたゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャート、図6は図1に記載されたゲートウェイ装置のIP網からの発信によるフローチャートを示す。
【0011】
図1において、本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置は、IP技術を用いてマルチメディアサービスを実現する通信方式であり第3世代携帯電話規格の標準化団体の3rd Generation Partnership Project(3GPP)及び3rd Generation Partnership Project 2(3GPP2)により標準化されたIP Multi media Subsystem(IMS)アーキテクチャに準拠し、ATM網5及びIP網7の網間で通信される信号をメディアゲートウェイ手段3を介して伝送する複数の伝送経路4の各々に対応付けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバ11を統括して伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段1と、このメディアゲートウェイ制御サーバ11に対してこの信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段2を備える構成である。
【0012】
また、前記メディアゲートウェイ制御サーバ11は、前記シグナリングゲートウェイ制御手段2と前記信号を送受信し、前記メディアゲートウェイ制御サーバ11、12及び13の各々に割り当てられた前記伝送経路41、42及び43と前記信号を送受信するサーバ側信号送受信部11aと、前記ATM網5又は前記IP網6からの呼又はコネクション確立に関する信号に対して前記メディアゲートウェイ制御サーバ11を区別でき且つ一意な信号識別子を生成する信号識別子生成部11bを備える構成である。
【0013】
また、前記シグナリングゲートウェイ制御手段2は、No.7共通線信号方式網6及び前記メディアゲートウェイ手段3からの信号を受信し、前記メディアゲートウェイ制御サーバ11に対してこの信号を送受信する信号送受信部21、前記ATM網5又は前記IP網7からの呼確立信号と同一のトランザクションであり、前記呼確立信号に後続する後続信号の受信時には前記後続信号に含まれる前記信号識別子を抽出する信号識別子抽出部22、及び、前記呼確立信号の受信時には、前記呼確立信号を伝送する前記伝送経路4を特定する局情報2aを参照して、前記呼確立信号を伝送する前記伝送経路4を管理する前記メディアゲートウェイ制御サーバ11に対して、前記呼確立信号の送受信処理を振り分けて指示を行い、前記後続信号の受信時には、信号識別子抽出部22から抽出された前記信号識別子に基づいて特定される前記メディアゲートウェイ制御サーバ11に対して、前記後続信号の送受信処理を振り分けて指示を行う振り分け機能部23を備える構成である。
【0014】
なお、以下、前記メディアゲートウェイ制御機能手段1をMGCF(Media Gateway Control Function)1、前記シグナリングゲートウェイ制御手段2をSGCF(Signaling Gateway Control Function)2、前記メディアゲートウェイ手段3をMG(Media Gateway)3及び前記メディアゲートウェイ制御サーバ11をMGCS(Media Gateway Control Server)11と略記する。
【0015】
以下、前記構成に基づく本ゲートウェイ装置の動作について説明する。
本ゲートウェイ装置の前記ATM網5からの発信による処理の流れに関して、前記SGCF2は、図2(a)及び図3に示すように、前記ATM網5から呼確立のために前記B−ISUPに準拠したInitial Address Message信号(以下、IAM信号と略記)を受信する(S1)。このIAM信号は、前記伝送経路4を一意に特定するVirtual Path Identifier;仮想パス識別子(VPI)、Virtual Channel Identifier;仮想チャネル識別子(VCI)及びChannel Identifier;チャネル識別子(CID)で構成される伝送経路情報を含む。
【0016】
前記SGCF2は、前記振り分け機能部23により、前記S1で受信した信号を処理する前記MGCS1を振り分けて送信する。前記振り分け機能部23は、図4に示すように、この振り分け送信の処理に関して、まず前記S1で受信した信号を前記IAM信号か否かを判定する(S21)。
前記振り分け機能部23は、この判定により、この信号が前記IAM信号に該当する場合には、前記IAM信号に含まれる前記伝送経路情報を抽出する(S22)。次に、前記振り分け機能部23は、前記局情報2aに基づいて前記伝送経路情報から一意に特定された前記伝送経路4を管理する前記MGCS1を識別するMGCS番号を抽出する(S23)。
【0017】
前記信号送受信部21は、図2に示すように、前記振り分け機能部23により前記S23で抽出されたMGCS番号で識別されるMGCS11に前記IAM信号を送信する(S2)。前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記IAM信号を受信する。
前記MGCS11は、前記信号識別子生成部11bにより、識別子としてSignaling Identifier;信号識別子(以下、SIDと略記)を生成する。このSIDは、図5(a)に示すように、前記MGCS11に固有の番号であるMGCS番号及び通番から構成することもできる。
【0018】
このSIDは、生成の都度に更新されるこの通番により容易に一意性を担保することができる。また、このSIDは、この通番により値の連続性を確保できることとなり、連続すべきこの通番の欠落に基づいて伝送障害及びシステム障害等による通信データの損失を容易に検出することができる
また、前記信号識別子生成部11bは、前記MGCS番号及び通番として前記SIDを生成する場合には、前記SID生成の流れに関して、同図(b)に示すように、まず受信した信号に対して前記IAM信号か否かを判定する(S31)。前記信号識別子生成部11bは、この判定によりこの信号が前記IAM信号に該当する場合には、前記MGCS1の各々に固有の番号であるMGCS番号を前記SIDのMGCS番号欄に設定する(S32)。また、前記信号識別子生成部11bは、前記SIDの通番欄に通番を設定する(S33)。
【0019】
また、生成される前記SIDの例としては、例えば前記MGCS11に固有の番号である01及び通番として00001を採番された場合には”0100001”となる。また同様に、前記SIDは、前記MGCS13に固有の番号である03及び通番として00123を採番された場合には”0300123”となる。また、前記信号識別子生成部11bは、前記S31の判定において、受信した信号が前記IAM信号に該当しない場合には、トランザクションの一意性を担保する前記B−ISUPの規約に従い前記SIDの生成を行わない。
前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記IAM信号の応答信号となるInitial Address Acknowledgment信号(以下、IAA信号と略記)のOriginate Signaling Identifier;送信元信号識別子(以下、OSIDと略記)項目に、前記SIDの内容を設定する。前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、このIAA信号を前記SGCF2に送信する(S3)
【0020】
前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記IAA信号を受信し、前記IAM信号の送信元宛に前記IAA信号を前記ATM網5に対して送信する(S4)。この後、前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記IAA信号及び前記IAM信号に後続する同一トランザクションとして、例えば、前記B−ISUPに準拠した呼切断信号であるRelease信号(以下、REL信号と略記)を受信する(S5)。
前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、前記図4に示すように、前記S21の判定において受信した信号が前記IAM信号に該当しない場合、前記REL信号のDestination Signaling Identifier;送信先信号識別子(以下、DSIDと略記)項目から前記MGCS番号を抽出する(S24)。なお、前記IAM信号に後続する前記IAM信号と同一のトランザクションである総ての信号は、前記B−ISUPの通信手順の規約において、前記IAM信号の送信元に受信された前記IAA信号に含まれる前記OSID項目の内容を前記DSID項目に一律に設定される。
【0021】
この規約に基づいて、前記SGCF2は、前記MGCS番号を常に抽出できることとなり、前記IAM信号に後続する前記信号と前記伝送経路4との関連状況を管理する内部メモリを別途必要としないことから、システム障害時においても、この内部メモリの消失による呼損失を発生させず、受信した前記信号を適切な伝送経路4に振り分けることができる。このように、前記SGCF2は、障害時にも安定して動作することからシステムの可用性である前記アベイラビリティを向上させることができる。この後、前記SGCF2は、図2(a)及び図3に示すように、前記信号識別子抽出部22により、抽出された前記MGCS番号に対応した前記MGCS11に前記REL信号を送信する(S6)。
【0022】
また、本ゲートウェイ装置のIP網7からの発信による処理の流れに関して、図2(b)及び図6に示すように、前記MGCS12は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、IP網7の呼制御プロトコルであるSession Initiation Protocol(以下、SIPと略記)の呼確立のための信号であるINVITE信号を前記IP網7から受信する(S11)。なお、前記SIPは、インターネット技術標準化団体Internet Engineering Task Force(IETF)により策定され、アプリケーション層において複数の接続先に対してデータ交換を行うために必要なセッション制御、即ち呼制御を行う呼制御プロトコルである。
【0023】
前記MGCS12は、前記信号識別子生成部11bにより、前記SIDを生成する。前記MGCS12は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記ATM網5への呼確立のために前記INVITE信号を前記IAM信号に変換し、前記IAM信号の前記OSID項目に前記SIDの内容を設定する。前記MGCS12は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記IAM信号を前記SGCF2に送信する(S12)。
【0024】
前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記IAM信号を受信し、前記IAM信号の送信先宛に前記IAM信号を前記ATM網5に送信する(S13)。この後、前記IAM信号の応答信号となる前記IAA信号を前記ATM網5から受信する(S14)。前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、前記IAA信号の前記DSID項目から前記MGCS番号を抽出する。
【0025】
前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、抽出された前記MGCS番号に対応した前記MGCS12に前記IAA信号を送信する(S15)。この後、前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、このIAA信号及び前記IAM信号に後続する同一トランザクションとして、例えば、前記B−ISUPに準拠したアドレス完了信号であるAddress Complete Message信号(以下、ACM信号と略記)を受信する(S16)
【0026】
前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、前記ACM信号の前記DSID項目から前記MGCS番号を抽出する。この後、前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、抽出された前記MGCS番号に対応した前記MGCS12に前記ACM信号を送信する(S17)。
また、本実施形態に係るゲートウェイ装置を構成する各機器のハードウエア構成は、装置全体の制御を司るCPU、このCPUのワークエリアとして使用されてブートプログラム等の記憶等にも使用されるメモリ、このCPUの制御により書き込まれたデータを記憶する大容量記憶装置、文書や画像等の各種データを表示するディスプレイ、この装置とLAN/WANに接続されたネットワークのデータ送受信を司る通信装置、複数のキーを備えて押下されたキーに対応するデータを電気的信号に変換するキーボード、本体下部のボールの回転動作及び本体上部の各ボタンのON/OFFを電気的信号に変換するマウス、このキーボード及びこのマウスからの電気的信号をこの装置内部へ随時入力する入力装置及び上記各部を接続するバスからなる。
【0027】
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置を、図7から図13に基づいて説明する。
この図7は本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図、図8は図7に記載されたゲートウェイ装置の移動局とATM網又はIP網との接続構成図、図9は図7に記載されたゲートウェイ装置のシーケンス図、図10は図7に記載されたゲートウェイ装置のATM網からの発信によるフローチャート、図11は図7に記載されたゲートウェイ装置の振り分け機能部のフローチャート、図12は図7に記載されたゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャート、図13は図7に記載されたゲートウェイ装置のIP網からの発信によるフローチャートを示す。
【0028】
図7において、本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置は、前記第1の実施形態と同様に前記MGCF1、前記SGCF2及びMG3を備える構成であり、移動局8の前記ATM網5又は前記IP網7を経由する通信を中継する無線基地局を必要に応じて切り替えるHand Over;ハンドオーバ(HO)を機能として有する移動体通信システムの通信手順に関する実施形態である。
また、前記移動局8と前記ATM網5又は前記IP網7との接続構成は、図8に示すように、前記移動局8と無線通信を行う基地局81と、この基地局81を制御する無線基地局制御装置82と、この無線基地局制御装置82からの通信情報を受信して前記ATM網5又は前記IP網7にこの通信情報を伝播する移動交換局83を備える構成である。なお、前記ハンドオーバは、同図に示すように、前記基地局81a及び前記基地局81bに捕捉されて通信を行う前記移動局8の矢印で示す物理的な移動により前記基地局81a及び前記基地局81bの電波の届く範囲から離れた場合でも、前記基地局81c及び前記基地局81dから前記移動局8を電波で捕捉することにより、途切れることなく通信を行う機能である。
【0029】
以下、前記構成に基づく本ゲートウェイ装置の動作について説明する。
本ゲートウェイ装置の前記ATM網5からの発信による処理の流れに関して、前記ATM網5は、前記移動局8からの電話発信により、前記基地局81、無線基地局制御装置82及び前記移動交換局83を経由して通信情報を受信する。この後、本ゲートウェイ装置の前記SGCF2は、図9(a)及び図10に示すように、前記ATM網5から呼に相当するpath;パスの確立の要求を受信する。
【0030】
具体的には、前記SGCF2は、前記ATM網5を利用する移動体通信システムの通信手順でありInternational Telecommunication Union:国際電気通信連合(以下、ITUと略記)にて策定されたAccess Link Control Application Part(ALCAP)に準拠したEstablish Request Message信号(ERQ信号)を受信する(S41)。このERQ信号は、前記伝送経路4を特定するVirtual Path Connection Identifier;仮想パスコネクション識別子(VPCI)及びOriginating Point Code;発信局コード(OPC)から構成される伝送経路情報を含む。
【0031】
前記SGCF2は、前記振り分け機能部23により、前記S41で受信した信号を処理する前記MGCS1を振り分けて送信する。前記振り分け機能部23は、図11に示すように、この振り分け送信の処理に関して、まず前記S41で受信した信号を前記ERQ信号か否かを判定する(S51)。
【0032】
前記振り分け機能部23は、この判定により、この信号が前記ERQ信号に該当する場合には、前記ERQ信号に含まれる前記伝送経路情報を抽出する(S52)。次に、前記振り分け機能部23は、前記局情報2aに基づいて前記伝送経路情報から特定された前記伝送経路4を管理する前記MGCS1を一意に識別するMGCS番号を抽出する(S53)。
【0033】
前記信号送受信部21は、図9に示すように、前記振り分け機能部23により前記S53で抽出されたMGCS番号で識別されるMGCS11に前記ERQ信号を送信する(S42)。前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記ERQ信号を受信する。
前記MGCS11は、前記信号識別子生成部11bにより、識別子としてSignaling association Identifier;信号識別子(以下、SAIDと略記)を生成する。このSAIDは、図12(a)に示すように、前記MGCS11に固有の番号であるMGCS番号及び通番から構成することもできる。
【0034】
また、前記信号識別子生成部11bは、前記MGCS番号及び通番として前記SAIDを生成する場合には、前記SAID生成の流れに関して、同図(b)に示すように、まず受信した信号に対して前記ERQ信号か否かを判定する(S61)。前記信号識別子生成部11bは、この判定によりこの信号が前記ERQ信号に該当する場合には、前記MGCS1の各々に固有の番号であるMGCS番号を前記SAIDに設定する(S62)。また、前記信号識別子生成部11bは、前記SAIDに通番を設定する(S63)。
【0035】
前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記ERQ信号の応答信号となるEstablish Confirm message信号(以下、ECF信号と略記)のOriginate Signaling association Identifier;送信元信号識別子(以下、OSAIDと略記)項目に、前記SAIDの内容を設定する。前記MGCS11は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、このECF信号を前記SGCF2に送信する(S43)。
【0036】
前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記ECF信号を受信し、前記ERQ信号の送信元宛に前記ECF信号を前記ATM網5に対して送信する(S44)。この後、前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記ECF信号及び前記ERQ信号に後続する同一トランザクションとして、例えば、前記ALCAPに準拠した呼切断信号であるRelease信号(以下、REL信号と略記)を受信する(S45)。
前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、前記図11に示すように、前記S51の判定において受信した信号がERQ信号に該当しない場合、前記REL信号のDestination Signaling association Identifier;送信先信号識別子(以下、DSAIDと略記)項目から前記MGCS番号を抽出する(S54)。なお、前記IAM信号に後続する前記ERQ信号と同一のトランザクションである総ての信号は、前記ALCAPの通信手順の規約において、前記ERQ信号の送信元に受信された前記IAA信号に含まれる前記OSAID項目の内容を前記DSAID項目に一律に設定される。この後、前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、抽出された前記MGCS番号に対応した前記MGCS11に前記REL信号を送信する(S46)。
【0037】
また、本ゲートウェイ装置の前記IP網7からの発信による処理の流れに関して、図9(b)及び図13に示すように、前記MGCS12は、前記IP網7から呼に相当するpath;パスの確立において、前記IP網7を利用する移動体通信システムの通信手順であり前記ITUにて策定されたInternet Protocol−Access Link Control Application Part(以下、IP−ALCAPと略記)に準拠したEstablish Request Message信号(以下、ERQ信号と略記)を受信する(S61)。
【0038】
前記MGCS12は、前記信号識別子生成部11bにより、前記SAIDを生成する。前記MGCS12は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記ERQ信号の前記OSAID項目に前記SAIDの内容を設定する。前記MGCS12は、前記サーバ側信号送受信部11aにより、前記ERQ信号を前記SGCF2に送信する(S62)。
前記SGCF2は、前記信号送受信部21により、前記ERQ信号を受信し、前記ERQ信号の送信先宛に前記ERQ信号を前記ATM網5に送信する(S63)。この後、前記ERQ信号の応答信号となる前記ECF信号を前記ATM網5から受信する(S64)。
【0039】
前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、前記ECF信号の前記DSAID項目から前記MGCS番号を抽出する。前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により、抽出された前記MGCS番号に対応した前記MGCS12に前記ECF信号を送信する(S65)。
なお、前記第1及び第2の実施形態において前記ATM網5及び前記IP網7を中継して発着信を行う末端機器は、固定電話でもよいし、携帯電話のような移動電話でもよいし、インターネット電話やIP電話でもよい。
【0040】
(本発明の第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置を、図14から図18に基づいて説明する。
この図14は本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図、図15は図14に記載されたゲートウェイ装置のATM網からの発信におけるシーケンス図、図16は図14に記載されたゲートウェイ装置のMGCS振り分けのフローチャート、図17は図14に記載されたゲートウェイ装置の負荷情報、サーバ負荷管理情報のレイアウト及びその遷移図、図18は図14に記載されたゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャートを示す説明図を示す。
【0041】
図14において、本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置は、前記第1及び前記第2の実施形態と同様に前記MGCF1、前記SGCF2及び前記MG3を備え、さらに前記MGCS11に前記MGCS11のシステム的な負荷情報を収集する負荷情報収集部11c及び前記シグナリングゲートウェイ制御手段2に前記メディアゲートウェイ制御サーバ11に関するサーバ負荷管理情報2bを管理する負荷状態管理部24を追加して備える構成であり、前記伝送経路4の選択決定権を本ゲートウェイ装置の有する通信手順にて所定の受信信号に対して複数の前記伝送経路4のうちから選択可能な場合の実施形態である。
【0042】
以下、前記構成に基づく本ゲートウェイ装置の動作について説明する。
本ゲートウェイ装置の前記ATM網5からの発信による処理の流れに関して、前記SGCF2は、図15に示すように、通信情報を受信した前記ATM網5から呼の確立の要求である前記IAMを受信する(S71)。
前記SGCF2は、図16に示すように、前記IAMを受信した後(S91)、前記サーバ負荷管理情報2bに前記MGCF1に関する総ての負荷情報を未蓄積の場合(S92)には、前記振り分け機能部23により前記MGCS1をラウンドロビン方式等の振り分け方式を用いて順に選択してこの受信した前記IAMを送信する(S93)。本実施形態では、図15に示すように、前記SGCF2は、まず前記MGCS11を選択し、前記IAMを送信する(S72)。
【0043】
前記MGCS11は、負荷情報を前記負荷情報収集部11cにより収集する。この負荷情報は、図17に示すように、前記MGCS1のCPU使用率、バッファ使用率及び接続数から構成することができる。また、前記MGCS1は、この負荷情報を定期的に取得してもよいし、前記IAMを受信した時点で取得してもよい。
前記MGCS11は、図18(a)に示すように、前記負荷情報を前記SID又は前記SAID等の前記信号識別子に設定する。前記信号識別子生成部11bは、同図(b)に示すように、前記信号識別子の生成の流れに関して、まず受信した信号に対して前記IAM信号か否かを判定する(S101)。
【0044】
前記信号識別子生成部11bは、この判定によりこの信号が前記IAM信号に該当する場合には、前記MGCS1の各々に固有の番号であるMGCS番号を前記信号識別子に設定する(S102)。また、前記負荷情報収集部11cは、前記MGCS1の前記負荷情報を収集する(S103)。
前記信号識別子生成部11bは、前記信号識別子に前記負荷情報を設定し(S104)、通番を設定する(S105)。このように生成された前記信号識別子を前記IAM信号の応答信号である前記IAA信号に設定し、図15に示すように、前記MGCS13から前記SGCF2に対して前記IAA信号を送信する(S73)。
【0045】
前記IAA信号を受信した前記SGCF2は、前記信号識別子抽出部22により抽出された前記信号識別子に含まれる前記負荷情報に基づいて、前記負荷状態管理部24により前記サーバ負荷管理情報2bに登録する。前記サーバ負荷管理情報2bは、図17(b)に示すように、前記SGCF2を識別するSGCF番号ごとに前記負荷情報から構成される。
この場合、前記IAA信号を受信した前記SGCF2は、同図(c−1)に示すように、処理を行った前記MGCS11に関して、CPU使用率10%、バッファ使用率20%及び接続数1となる前記負荷情報を前記サーバ負荷管理情報2bに登録する。この登録後、前記SGCF2は、図15に示すように、前記IAA信号を前記ATM網5に送信する(S74)。
【0046】
また、上記と同様に、前記SGCF2は、前記ATM網5から前記IAM信号を受信し(S75)、受信した前記IAM信号を前記振り分け機能部23により前記MGCS12へ送信する(S76)。前記MGCS12は、前記負荷情報を取得して前記IAA信号に設定して前記SGCF2に送信する(S77)。
前記IAA信号を受信した前記SGCF2は、図17(c−2)に示すように、処理を行った前記MGCS12に関して、CPU使用率30%、バッファ使用率20%及び接続数1となる前記負荷情報を前記サーバ負荷管理情報2bに登録する。この登録後、前記SGCF2は、図15に示すように、前記IAA信号を前記ATM網5に送信する(S78)。
【0047】
さらに、上記と同様に、前記SGCF2は、前記ATM網5から前記IAM信号を受信し(S79)、受信した前記IAM信号を前記MGCS13へ送信する(S80)。前記MGCS13は、前記負荷情報を取得して前記IAA信号に設定して前記SGCF2に送信する(S81)。
前記IAA信号を受信した前記SGCF2は、図17(c−3)に示すように、処理を行った前記MGCS13に関して、CPU使用率50%、バッファ使用率30%及び接続数1となる前記負荷情報を前記サーバ負荷管理情報2bに登録する。この登録後、前記SGCF2は、図15に示すように、前記IAA信号を前記ATM網5に送信する(S82)。
【0048】
上記に従い、前記サーバ負荷管理情報2bに情報を蓄積された後、上記と同様に、前記SGCF2は、前記ATM網5から前記IAM信号を受信する(S83)。前記SGCF2は、図16に示すように、前記サーバ負荷管理情報2bに基づいてシステム的に最も負荷の低い前記MGCS1を選択する(S94)。この場合、前記SGCF2は、図15に示すように、前記振り分け機能部23により、前記サーバ負荷管理情報2bに基づいてシステム的に最も負荷の低い前記MGCS11に前記IAM信号を送信する(S84)。
【0049】
このように、前記SGCF2は、前記呼確立信号である前記IAM信号の受信の都度に前記サーバ負荷管理情報2bの情報を更新することとなり、常に最新の情報に基づいて負荷の低い前記MGCS11に前記IAM信号を送信することができる。また、前記SGCF2は、従来の負荷状態を考慮しない単純なラウンドロビン方式で発生する可能性のある呼損失を回避することができる。
【0050】
また、上記の負荷分散方法は、負荷状態を監視する機能部へ都度に問い合わせることにより前記MGCS11の負荷分散を行い前記SGCF2及び前記MGCS11の負荷をこの問い合わせにより増加させる従来の方法と比較して、余分な負荷を増加させずに負荷分散を実現することができる。
また、前記サーバ負荷管理情報2bの各項目に対してシステムの規模及び傾向の要素を含めた重み付けを設定することにより、前記SGCF2は、システムの規模及び傾向に適した負荷判断を行うこともできる。また、前記サーバ負荷管理情報2bを蓄積することにより、前記SGCF2は、前記サーバ負荷管理情報2bの傾向を分析して得られる負荷予測に基づいた負荷判断を行うこともできる。
【0051】
(本発明の第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置を、図19から図23に基づいて説明する。
この図19は本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図、図20は図19に記載されたゲートウェイ装置のサーバ負荷管理情報のレイアウト及びその遷移図、図21は図19に記載されたゲートウェイ装置のシーケンス図、図22は図19に記載されたゲートウェイ装置のフローチャート、図23は図19に記載されたゲートウェイ装置の有効期限判定のフローチャートを示す。
【0052】
図19において、本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置は、前記第3の実施形態と同様に前記MGCF1、前記SGCF2及び前記MG3を備え、さらに前記SGCF2にサーバ負荷管理情報2bの最新の前記負荷情報に関する有効期限の判定を行う有効期限判定部25を追加して備える構成である。
また、前記サーバ負荷管理情報2bのレイアウトは、図20(a)に示すように、前記図17で示した前記第3の実施形態のレイアウトに前記SGCF2の前記サーバ負荷管理情報2bへのデータ登録時刻を記録するタイムスタンプ項目を追加したものである。
以下、前記構成に基づく本ゲートウェイ装置の動作について説明する。
【0053】
本ゲートウェイ装置の前記ATM網5からの発信による処理の流れに関して、前記SGCF2は、図21及び図22に示すように、前記ATM網5からの前記IAM信号を前記MGCS13に送信して処理する(S201)。
ここで、本実施形態に追加された有効期限判定に関して、前記SGCF2は、図23に示すように、前記MGCS11に対してこの有効期限判定に用いる監視タイマーを初期化し(S301)、この監視タイマーを発行し(S302)、呼確立信号である前記IAM信号の受信待ち状態に遷移する(S303)。前記SGCF2は、この監視タイマーの有効期限以内(S304)で前記IAM信号を受信した場合(S305)に、この監視タイマーをキャンセルし(S306)、この監視タイマーを新たに発行し(S307)、再度、前記S303の前記IAM信号の受信待ち状態に遷移する。
【0054】
前記MGCS13のこの受信待ち状態において、前記SGCF2は、図21及び図22に示すように、前記ATM網5からの前記IAM信号を前記MGCS11及び前記MGCS12に送信して処理する(S202)。前記SGCF2は、図23に示すように、この監視タイマーの有効期限内に前記MGCS13により前記IAM信号を処理されないと前記有効期限判定部25に判断された場合(S304)には、前記MGCS13に関する前記サーバ負荷管理情報2bの情報を前記負荷状態管理部24により初期化してもよい(S308)。この後、再度、前記S303の前記IAM信号の受信待ち状態に遷移する。
【0055】
また、前記サーバ負荷管理情報2bは、図20(b−1)に示すように、総ての情報を登録されている場合において、前記MGCS番号項目の3に該当する前記MGCS13の前記タイムスタンプ項目に関して有効期限を超過したと前記有効期限判定部25に判断された場合には、同図(b−2)に示すように、前記MGCS13の総ての項目に対して初期化されることもできる。前記振り分け機能部23は、前記MGCS11から13のサーバのうち前記サーバ負荷管理情報2bを初期化されたサーバに最優先で呼確立信号を送信する機能を実装することにより、一定期間処理を行っていないこの初期化されたサーバに最優先で呼確立信号を送信することができる。
【0056】
また、前記サーバ負荷管理情報2bは、同図(b−3)に示すように、有効期限を超過したと前記有効期限判定部25に判断された場合には、該当する前記サーバのタイムスタンプ項目のみを初期化されてもよい。この場合には、前記振り分け機能部23は、前記サーバ負荷管理情報2bの前記タイムスタンプ項目を初期化された前記サーバに最優先で呼確立信号を送信する機能を実装することにより、一定期間処理を行っていないこの前記タイムスタンプ項目を初期化されたサーバに最優先で呼確立信号を送信することができる。
【0057】
本ゲートウェイ装置は、この仕組みにより、負荷の低い状態にも関わらず他の前記サーバと比較して相対的に負荷の高い状態と判断されたために一定期間処理を行っていない前記サーバに対しても、呼確立信号の送受信を処理できることとなり、前記サーバ間の一層の負荷分散を図ることができる。また、相対的に負荷の高い状態に起因して一定期間処理を行っていない前記サーバの存在も想定されるが、本ゲートウェイ装置は、このサーバに対して最優先で呼確立信号を処理させることにより最新の前記負荷情報を前記SGCF2で取得することとなり、前記スケーラビリティを考慮して複数の前記サーバの常時稼動を継続する観点から信号処理を分配されないサーバの放置を防止することができる。
【0058】
また、前記SGCF2は、相対的に負荷の高い状態のために一定期間処理を行っていない前記サーバの存在を考慮して、一定期間処理を行っていない前記サーバに対してIPのエラーメッセージ及び制御メッセージを転送するプロトコルであるInternet Control Message Protocol(ICMP)に準拠するPINGコマンドによるICMPパケットを送信してもよい。この場合、前記SGCF2は、呼確立信号を使用することなく前記サーバの負荷情報を取得することとなり、呼確立信号の損失する可能性を回避することができる。
【0059】
また、本ゲートウェイ装置の利用者は、最新の前記負荷情報に基づいて前記サーバの高負荷状態の継続を検知した場合には、前記サーバ負荷管理情報2bの内容を分析して調査することができ、システム障害を未然に防止することもできる。なお、上記の第3及び第4の実施形態は、前記ATM網5からの前記IAM信号を受信する場合を記載したが、この場合に限定されることはなく、前記第1及び第2の実施形態における前記ALCAP信号、前記IP網7からの前記INVITE信号及び前記IP−ALCAP信号を受信する場合に対しても同様に適用することができる。
【0060】
(付記1)ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段と、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段とを備えるゲートウェイ装置において、前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成部を備え、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出部、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け機能部を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
【0061】
(付記2)前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記信号識別子生成部は、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該生成された通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成することを特徴とする付記1記載のゲートウェイ装置。
【0062】
(付記3)前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバにおけるシステム的な負荷状況に関する負荷情報を収集する負荷情報収集部を備え、前記信号識別子生成部は、当該負荷情報収集部が収集した前記負荷情報を含む前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報に基づいて当該負荷情報を少なくとも管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記振り分け機能部は、当該サーバ負荷情報管理部により管理される最新の前記負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けることを特徴とする付記1又は付記2記載のゲートウェイ装置。
【0063】
(付記4)前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を保持し、所定の前記メディアゲートウェイ制御サーバに関する前記負荷情報に対して最後の更新時から当該有効期限の時間内に更新されたか否かを判定する有効期限判定部を備え、前記振り分け機能部は、当該有効期限判定部の判定結果に基づいて前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号の送受信処理を振り分けて指示することを特徴とする付記3記載のゲートウェイ装置。
【0064】
(付記5)ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能工程と、前記メディアゲートウェイ制御機能工程の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御工程とを備えるゲートウェイ方法において、前記メディアゲートウェイ制御機能工程は、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成工程を含み、前記シグナリングゲートウェイ制御工程は、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出工程、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け工程を含むことを特徴とするゲートウェイ方法。
【0065】
(付記6)前記メディアゲートウェイ制御機能工程の前記信号識別子生成工程は、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該生成された通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成することを特徴とする付記5記載のゲートウェイ方法。
【0066】
(付記7)前記メディアゲートウェイ制御機能工程が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバにおけるシステム的な負荷状況に関する負荷情報を収集する負荷情報収集部を備え、前記信号識別子生成工程は、当該負荷情報収集部が収集した前記負荷情報を含む前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御工程が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報に基づいて当該負荷情報を少なくとも管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記振り分け機能工程は、当該サーバ負荷情報管理部により管理される最新の前記負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けることを特徴とする付記5又は付記6記載のゲートウェイ方法。
【0067】
(付記8)前記シグナリングゲートウェイ制御工程が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を保持し、所定の前記メディアゲートウェイ制御サーバに関する前記負荷情報に対して最後の更新時から当該有効期限の時間内に更新されたか否かを判定する有効期限判定部を備え、前記振り分け機能工程は、当該有効期限判定部の判定結果に基づいて前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号の送受信処理を振り分けて指示することを特徴とする付記7記載のゲートウェイ方法。
【0068】
(付記9)ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段と、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段としてコンピュータを機能させるゲートウェイプログラムにおいて、前記メディアゲートウェイ制御機能手段は、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成部としてコンピュータを機能させ、前記シグナリングゲートウェイ制御手段は、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出部、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け機能部としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲートウェイプログラム。
【0069】
(付記10)前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記信号識別子生成部は、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該生成された通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成することを特徴とする付記9記載のゲートウェイプログラム。
【0070】
(付記11)前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバにおけるシステム的な負荷状況に関する負荷情報を収集する負荷情報収集部を備え、前記信号識別子生成部は、当該負荷情報収集部が収集した前記負荷情報を含む前記信号識別子を生成し、前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報に基づいて当該負荷情報を少なくとも管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記振り分け機能部は、当該サーバ負荷情報管理部により管理される最新の前記負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けることを特徴とする付記8又は付記9記載のゲートウェイプログラム。
【0071】
(付記12)前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を保持し、所定の前記メディアゲートウェイ制御サーバに関する前記負荷情報に対して最後の更新時から当該有効期限の時間内に更新されたか否かを判定する有効期限判定部を備え、前記振り分け機能部は、当該有効期限判定部の判定結果に基づいて前記振り分け機能部により前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号の送受信処理を振り分けて指示することを特徴とする付記11記載のゲートウェイプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置のシーケンス図
【図3】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置のATM網からの発信によるフローチャート
【図4】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置の振り分け機能部のフローチャート
【図5】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャート
【図6】本発明の第1の実施形態に係るゲートウェイ装置のIP網からの発信によるフローチャート
【図7】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の移動局とATM網又はIP網との接続構成図
【図9】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置のシーケンス図
【図10】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置のATM網からの発信によるフローチャート
【図11】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の振り分け機能部のフローチャート
【図12】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャート
【図13】本発明の第2の実施形態に係るゲートウェイ装置のIP網からの発信によるフローチャート
【図14】本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置のATM網からの発信におけるシーケンス図
【図16】本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置のMGCS振り分けのフローチャート
【図17】本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置の負荷情報、サーバ負荷管理情報のレイアウト及びその遷移図
【図18】本発明の第3の実施形態に係るゲートウェイ装置の信号識別子のデータレイアウト及び信号識別子生成のフローチャート
【図19】本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図
【図20】本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置のサーバ負荷管理情報のレイアウト及びその遷移図
【図21】本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置のシーケンス図
【図22】本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置のフローチャート
【図23】本発明の第4の実施形態に係るゲートウェイ装置のMGCS振り分けのフローチャート
【符号の説明】
【0073】
1 メディアゲートウェイ制御機能手段(MGCF)
11〜13 メディアゲートウェイ制御サーバ(MGCS)
11a サーバ側信号送受信部
11b 信号識別子生成部
11c 負荷情報収集部
2 シグナリングゲートウェイ制御手段(SGCF)
2a 局情報
2b サーバ負荷管理情報
21 信号送受信部
22 信号識別子抽出部
23 振り分け機能部
24 負荷状態管理部
25 有効期限判定部
3 メディアゲートウェイ手段(MG)
4 伝送経路
41〜43 伝送経路
5 ATM網
6 No.7共通線信号方式網
7 IP網
8 移動局
81a〜81d 基地局
82 無線基地局制御装置
83 移動交換局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段と、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段とを備えるゲートウェイ装置において、
前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成部を備え、
前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出部、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け機能部を備えることを
特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲートウェイ装置において、
前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記信号識別子生成部は、前記第一の信号の受信の都度に更新される通し番号を生成し、当該生成された通し番号及び前記メディアゲートウェイ制御サーバに固有の識別情報から構成される前記信号識別子を生成することを
特徴とするゲートウェイ装置。

【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲートウェイ装置において、
前記メディアゲートウェイ制御機能手段が、前記信号識別子の生成時に前記メディアゲートウェイ制御サーバにおけるシステム的な負荷状況に関する負荷情報を収集する負荷情報収集部を備え、前記信号識別子生成部は、当該負荷情報収集部が収集した前記負荷情報を含む前記信号識別子を生成し、
前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記第一の信号の送受信時に前記信号識別子抽出部により抽出された前記負荷情報に基づいて当該負荷情報を少なくとも管理するサーバ負荷情報管理部を備え、前記振り分け機能部は、当該サーバ負荷情報管理部により管理される最新の前記負荷情報に基づいて前記負荷状況の最も低い前記メディアゲートウェイ制御サーバを選択して前記第一の信号を振り分けることを
特徴とするゲートウェイ装置。

【請求項4】
請求項3に記載のゲートウェイ装置において、
前記シグナリングゲートウェイ制御手段が、前記負荷情報の有効性に関する所定の有効期限を保持し、所定の前記メディアゲートウェイ制御サーバに関する前記負荷情報に対して最後の更新時から当該有効期限の時間内に更新されたか否かを判定する有効期限判定部を備え、前記振り分け機能部は、当該有効期限判定部の判定結果に基づいて前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記第一の信号の送受信処理を振り分けて指示することを
特徴とするゲートウェイ装置。

【請求項5】
ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能工程と、前記メディアゲートウェイ制御機能工程の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御工程とを備えるゲートウェイ方法において、
前記メディアゲートウェイ制御機能工程は、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成工程を含み、
前記シグナリングゲートウェイ制御工程は、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出工程、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け工程を含むことを
特徴とするゲートウェイ方法。

【請求項6】
ATM(Ansynchronous Transfer Mode)網及びIP(Internet Protocol)網を含む通信手順の異なる複数の網間に設けられ、当該網間で通信される信号を伝送する複数の伝送経路の各々に対応付けられて設けられる複数のメディアゲートウェイ制御サーバを統括して当該信号の伝送処理を行うメディアゲートウェイ制御機能手段と、前記メディアゲートウェイ制御機能手段の前記メディアゲートウェイ制御サーバに対して前記信号を分配制御するシグナリングゲートウェイ制御手段としてコンピュータを機能させるゲートウェイプログラムにおいて、
前記メディアゲートウェイ制御機能手段は、ATM網又はIP網からの呼又はコネクション確立に関する第一の信号に対してトランザクションを一意に識別し且つ複数の前記伝送経路を区別できる情報を含む信号識別子を生成する信号識別子生成部としてコンピュータを機能させ、
前記シグナリングゲートウェイ制御手段は、前記第一の信号と同一のトランザクションであり前記第一の信号に後続する第二の信号の受信時に、当該第二の信号に含まれる信号識別子を抽出する信号識別子抽出部、及び、当該抽出された信号識別子に基づいて特定されるメディアゲートウェイ制御サーバに対して当該第二の信号の送受信処理を振り分けて指示する振り分け機能部としてコンピュータを機能させることを
特徴とするゲートウェイプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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