説明

ゲームシステムおよびゲームプログラム

【課題】各プレイヤの操作指示標識が表示されるエリアが、互いに影響し合うゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、ゲーム中に所定の条件が成立する毎に、操作指示標識IMが表示されるレーンLの分割位置DPを決定し、決定された分割位置DPに基づいて、各プレイヤのレーンLにおける表示エリアDAの大きさを決定する。また、シーケンスデータSDに記述された各操作時期20に対応する操作指示標識IMの位置を、再生される楽曲の進行に伴って変化するように決定する。そして、各プレイヤPに対応する表示エリアDAに、各プレイヤPに対応する操作指示標識IMが配置されたゲーム画面GIをモニタ2に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生される楽曲に従ってプレイヤに所定の操作をさせるゲームシステム及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
再生される楽曲に従って、プレイヤに所定の操作部を操作させる音楽ゲームシステムにおいて、プレイヤに操作部を操作すべき操作時期を指示するための操作指示標識をゲーム画面に表示するゲームシステムは周知である。当該音楽ゲームシステムにおいては、操作指示標識が楽曲上の現在時刻に対応する操作基準位置に到達した時が操作部を操作すべき操作時期として指示されるように、楽曲の進行に応じて操作基準位置に徐々に近づくように表示される。このような操作指示標識が表示されるエリアに関して、当該エリアが狭くなるモードを設けた音楽ゲームシステムは存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−151380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、複数のプレイヤにて対戦させる場合に、各プレイヤの操作指示標識が表示されるエリアが、互いに影響し合うゲームシステムは存在しない。
【0005】
そこで、本発明は、各プレイヤに操作時期を指示する操作指示標識が表示されるエリアに関して、各プレイヤの操作指示標識が表示されるエリアが互いに影響し合うゲームシステム及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明のゲームシステム(1)は、各プレイヤに対応する操作部(3)を有する操作入力部(OB)と、音声を再生出力する音声出力部(13)と楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶部(14)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力部から前記楽曲を再生させる楽曲再生部(10h)と、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶部(14)と、各プレイヤに対応する操作基準位置(CP)を結ぶ所定長のレーン(L)が、分割位置(DP)にて分割されたゲーム画面(GI)を表示する表示部(12)と、前記レーンにおいて前記分割位置にて分割された一方のエリアを一方のプレイヤに、他方のエリアを他方のプレイヤに対応付ける対応付け部(10g)と、ゲーム中に所定の条件が成立する毎に前記分割位置を決定する分割位置決定部(10d)と、前記各プレイヤに対応するエリア(DA)に、前記各操作時期を対応するプレイヤに指示するための操作指示標識が配置された前記ゲーム画面を前記表示部に表示させる表示制御部(10i)とを有し、前記表示制御部は、前記分割位置にて決定された分割位置に基づいて、対応するプレイヤの前記レーンにおけるエリアの大きさを決定するエリア決定部(10e)と、前記シーケンスデータに記述された各操作時期に対応する操作指示標識の位置が、該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの操作基準位置に一致するように、前記各操作指示標識と前記操作基準位置との相対的な位置関係が、前記楽曲上の時間の進行に応じて変化するように、前記操作基準位置を前記現在時刻とした時の前記各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定する標識位置決定部(10b)とを有することにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明のゲームシステムによれば、分割位置決定部によって、所定長のレーンが分割位置にて2つに分割され、分割位置を挟んで2つのエリアが形成される。各エリアは、対応付け部によって各プレイヤに対応付けられ、各プレイヤに対応するエリアには、各プレイヤに操作部の操作時期を指示する操作指示標識が、表示制御部によって表示される。操作指示標識は、対応する操作時期に操作基準位置に到来するように表示されるため、操作基準位置に操作指示標識の位置が一致した時を操作部の操作時期として、各プレイヤに認識させるゲームを提供する。特に、本発明においては、ゲーム中に所定の条件が成立する毎に分割位置が決定される。従って、ゲーム中に分割位置がレーン内を移動する。分割位置の移動に伴って各エリアの大きさが変化するので、分割位置の移動に伴って一方のエリアが大きくなれば他方のエリアが小さくなる。これにより、各プレイヤの操作指示標識が表示されるエリアが互いに影響し合う状況を実現することができる。
【0009】
なお、本発明では、標識位置決定部にて決定される操作指示標識の位置は、エリアの大きさとは関係なく、操作時期に基づいた位置として決定される。これにより、エリアの大きさに関係なく、各操作指示標識を予め決められた速度で操作基準位置に近付かせることができる。分割位置が決定される「所定の条件」は、ゲーム状況に基づく条件であってもよいし、ゲーム状況とは関係のない条件であってもよい。ゲーム状況とは関係のない条件としては、例えば、所定の経過時間にて所定の位置に設定されるように設定してもよい。
【0010】
各プレイヤに対応する操作指示標識を各プレイヤに対応するエリアに配置する表示制御部の具体的な構成としては、例えば、表示制御部は、前記楽曲上の現在時刻から、前記操作指示標識が前記レーンに表示され得る最大の時間長に含まれる前記操作時期を、前記シーケンスデータから取得する操作時期取得部(10a)を更に有し、前記標識位置決定部は、前記操作時期取得部によって取得された各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定し、前記標識位置決定部にて位置が決定された操作指示標識のうち、その操作指示標識に対応するプレイヤのエリア内に位置する前記操作指示標識を前記エリアに配置するように構成してもよい。
【0011】
この構成によれば、標識位置決定部にて当該決定された操作指示標識の位置に基づいて、ゲーム画面に表示する操作指示標識が決定されるので、操作時期取得部は、常に最大の時間長の操作時期を取得するだけでよい。
【0012】
あるいは、前記各プレイヤに対して、前記各エリアに対応する時間長を特定し、前記各プレイヤに対して、前記楽曲上の現在時刻から、前記特定された時間長に含まれる操作時期を、前記シーケンスデータから取得する操作時期取得部(10a)を更に有し、前記標識位置決定部は、前記操作時期取得部によって取得された各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定し、前記標識位置決定部にて位置が決定された各操作指示標識を前記レーンに配置するように構成してもよい。
【0013】
この構成によれば、操作時期取得部にて、表示される操作指示標識の操作時期のみが取得されるので、表示制御部は、標識位置決定部にて位置が決定された全ての操作指示標識を対応するエリアに表示するだけでよい。エリアに対応する時間長は、例えば、レーンにおける所定の長さ(例えばレーン全長)の時間長を設定しておけば、当該長さに対するエリアの長さの割合に応じて、エリアの長さに対応する時間長を特定してもよいし、エリアの長さを段階的に変化するときは、各長さに時間長を対応付けたテーブルを用意することにより、エリアの長さに対応する時間長を特定してもよい。
【0014】
前記表示制御部は、前記各プレイヤの操作指示標識の表示と共に、前記分割位置を示す分割位置標識(DM)も表示してもよい。これにより、各プレイヤは、ゲーム中に分割位置標識が移動して、それにより、自分に対応する操作指示標識が表示されるエリアが変化する様子を認識することができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0015】
前記ゲーム画面において、前記レーンの両端は、前記各プレイヤに対応する操作基準位置の方向へ伸びるように設けられ、前記各プレイヤに対応する操作部は、対応するプレイヤの前記操作基準位置の方向の延長線上に設けられていることが望ましい。これにより、操作部を実際に操作させる位置である操作基準位置が操作部の近くにあることになり、操作指示標識はプレイヤに徐々に近付いて操作基準位置に達するので、プレイヤにとって操作しやすい状況を提供することができる。
【0016】
また、前記ゲーム画面において前記各プレイヤに対応する操作基準位置に、前記操作指示標識と同形の操作基準標識(CM1〜CM3)が配置され、前記標識位置決定部は、前記操作指示標識が該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの操作基準位置に配置された前記操作基準標識に一致するように、前記操作指示標識の位置を決定してもよい。これにより、より操作指示標識が操作基準位置に達したことを、プレイヤにより明確に認識させることができる。
【0017】
前記各プレイヤによって前記操作部が操作された時期と、前記操作指示標識に対応する操作時期とに基づいて、前記各プレイヤの操作を評価する操作評価部(10c)を更に有し、前記分割位置決定部は、前記操作評価部による評価に応じて、前記分割位置を決定してもよい。これにより、例えば、ゲームスキルが高いプレイヤに有利、又は不利になるように構成することができる。
【0018】
更に、本願発明のゲームシステムは、前記操作入力部は前記各プレイヤに対応する複数の操作部(OB)を有し、前記ゲーム画面には前記複数の操作部のそれぞれに対応付けられたレーンが表示され、前記シーケンスデータには、前記各操作部に対する操作時期が記述され、前記分割位置決定部は、前記各レーンにおける分割位置を決定し、前記対応付け部は、前記各レーンにおいて前記一方のエリアを一方のプレイヤに、前記他方のエリアを前記他方のプレイヤに対応付け、前記エリア決定部は前記各レーンにおける前記各エリアの大きさを、対応する前記分割位置によって決定し、前記標識位置決定部は、前記各操作部に対応する前記各操作時期の操作指示標識に関して、前記各操作部に対応するレーンにおける位置を決定するように構成してもよい。これにより、複数のレーンのそれぞれに対応付けられた操作部を、操作部に対応する操作時期にプレイヤに操作させる高度なゲームを提供することができる。分割位置は、各レーンによって異なる位置に決定されてもよい。
【0019】
特に、前記複数のレーンは互いに同じ長さで前記ゲーム画面に関して水平方向に平行であり、分割位置決定部を、前記分割位置が前記水平方向に関して特定されるように、前記分割位置を決定するように構成すれば、各レーンとも同じ位置に分割位置が決定されるので、分割位置決定部は各レーンに対して分割位置を決定する必要はない。
【0020】
なお、本発明は、上記本発明のゲームシステムを実現するゲームプログラムとしても提供可能である。この場合、本発明のゲームプログラム(GP)は、各プレイヤに対応する操作部(3)を有する操作入力部(OB)と、音声を再生出力する音声出力部(13)と、楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶部(14)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力部から前記楽曲を再生させる楽曲再生部(10h)と、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶部(14)と、各プレイヤに対応する操作基準位置(CP)を結ぶ所定長のレーン(L)が、分割位置(DP)にて分割されたゲーム画面(GI)を表示する表示部(12)と、を備えたコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、前記レーンにおいて前記分割位置にて分割された一方のエリアを一方のプレイヤに、他方のエリアを他方のプレイヤに対応付ける対応付け部(10g)と、ゲーム中に所定の条件が成立する毎に前記分割位置を決定する分割位置決定部(10d)と、前記各プレイヤに対応するエリアに、前記各操作時期を対応するプレイヤに指示するための操作指示標識が配置された前記ゲーム画面を前記表示部に表示させる表示制御部(10i)として機能させ、前記表示制御部は、前記分割位置にて決定された分割位置に基づいて、対応するプレイヤの前記レーンにおけるエリアの大きさを決定するエリア決定部(10e)と、前記シーケンスデータに記述された各操作時期に対応する操作指示標識の位置が、該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの操作基準位置に一致するように、前記各操作指示標識と前記操作基準位置との相対的な位置関係が、前記楽曲上の時間の進行に応じて変化するように、前記操作基準位置を前記現在時刻とした時の前記各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定する標識位置決定部(10b)として機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明によれば、分割位置決定部によって、ゲーム中に所定の条件が成立する毎に、操作指示標識が表示されるレーンの分割位置が決定され、エリア決定部によって、分割位置に基づいて各プレイヤの前記レーンにおけるエリアの大きさが決定される。一方、標識位置決定部によって、シーケンスデータに記述された各操作時期に対応する操作指示標識の位置が、再生される楽曲の進行に伴って変化するように決定される。表示制御部は、各プレイヤに対応するエリアに、各プレイヤに対応する操作指示標識が配置されたゲーム画面を表示部部に表示させる。これにより、各プレイヤの操作指示標識が表示されるエリアが互いに影響し合うゲームシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のゲームシステムを実現するゲーム機の一例を示す図。
【図2】図1に示されているゲーム機のモニタに表示されるゲーム画面を示す図。
【図3】図1に示されているゲーム機のハードウェア構成図。
【図4】シーケンスデータのデータ構造の一例を示す図。
【図5】ゲーム処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図6】分割位置決定処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図7】標識表示処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図8】操作評価処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図9】ゲーム機における各プレイヤの操作入力部の配置に関する他の形態を示す図。
【図10】分割位置の他の形態を示す図。
【図11】第2の形態におけるゲーム機のハードウェア構成を示す図。
【図12】第2の形態における標識表示処理の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、本発明の概要について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明のゲームシステムを実現するゲーム機1の外観を示す。本形態のゲーム機1は、携帯用ゲーム機であり、ゲーム画面GIが表示されるモニタ2が設けられ、モニタ2の両側には操作ボタン群OBa、OBbが設けられている。各操作ボタン群OBa、OBbには、4つの操作ボタン3a、3b、3c、3dが配置されている。本形態では、操作ボタン群OBaはプレイヤPXによって操作されるようにプレイヤPXに対応付けられ、操作ボタン群OBbはプレイヤPYによって操作されるようにプレイヤPYに対応付けられている。以下、操作ボタン3a〜3dを区別しない時は「操作ボタン3」といい、プレイヤPX、PYを区別しない時は「プレイヤP」という。
【0024】
ゲーム画面GIには、プレイヤPXに対応する操作基準位置CPxに設けられた3つの操作基準標識CM1〜CM3と、プレイヤPYに対応する操作基準位置CPyに設けられた3つの操作基準標識CM1〜CM3と、各プレイヤPX、PYの操作基準標識CM1〜CM3を結ぶ3つのレーンL1、L2、L3とが表示される。本形態のレーンL1〜レーンL3は、所定幅及び所定長のゲージ状に表示され、所定分割位置DPに設けられた分割マークDMによって2つのエリアに分割される。
【0025】
分割マークDMから操作基準位置CPxまでは、プレイヤPXの操作指示標識IMxが表示されるプレイヤPXの表示エリアDAxであり、分割マークDMから操作基準位置CPyまでは、プレイヤPYの操作指示標識IMyが表示されるプレイヤPYの表示エリアDAyである。このように各レーンL1〜L3は、各プレイヤPX、PYによって共有され、分割位置DMによって形成される各表示エリアDAx、DAyが各プレイヤPX、PYに対応付けられる。
【0026】
以下、レーンL1〜L3を区別しない時は「レーンL」といい、操作指示標識をIMx、IMyを区別する必要がない時は「操作指示標識IM」といい、表示エリアDAx、DAyを区別する必要がない時は「表示エリアDA」という。レーンL及び表示エリアDAにおいて「長さ」という時は、長手方向の長さをいう。各レーンL1、L2、L3は、各レーンL1,L2,L3の延長上に設けられた各操作ボタン3a、3b、3cに対応付けられている。レーンLに表示される操作指示標識IMは、対応する操作ボタン3を操作すべき操作時期をプレイヤPに指示する標識である。例えば、図1に示すように、レーンL1に表示される操作指示標識IMxは、レーンL1に対応する操作ボタン3aの操作時期を指示する標識である。
【0027】
分割位置DPは、後述するように、各プレイヤPのスコアに応じて、プレイヤPXの操作基準位置CPxからプレイヤPYの操作基準位置CPyまで移動する。本形態では、分割位置DPが移動する範囲はレーンLの全長に等しい。レーンLの長さは再生される楽曲の時間長に対応し、レーンLの全長は、再生される楽曲の4小節分の時間長に相当する。例えば、分割位置DPがレーンLの中心に位置する場合、各プレイヤPの表示エリアDAの長さは、2小節分の時間長に相当する。なお、レーンLの全長に対応する時間長は二分できる所定長であれば4小節に限らない。また、例えば1.4小節のように小節単位でなくてもよい。
【0028】
各プレイヤPの表示エリアDAに表示される操作指示標識IMに関する処理は同様であるので、プレイヤPXの表示エリアDAxのレーンL1に表示される操作指示標識IMxについて詳細に説明する。操作指示標識IMxを、再生される楽曲の進行に伴って、操作基準位置CPxに向かって徐々に近づかせ、操作指示標識IMxが操作基準位置CPxに到達した時、即ち、操作指示標識IMxが操作基準標識CM1と一致した時が、操作指示標識IMxに対応する操作ボタン3aの操作時期となるように、操作指示標識IMxが表示される。言い換えれば、表示エリアDAxに表示される操作指示標識IMxは、将来の操作時期を示す標識であり、現在時刻としての操作基準位置CPxから表示限界位置としての分割位置DPまでの表示エリアDAxは、操作指示標識IMxがゲーム画面GIに表示され得る将来の時間長であり、表示エリアDAxに相当する将来の時間長に存在する操作ボタン3aの操作時期が操作指示標識IMxとして表示される。
【0029】
プレイヤPXによって、操作ボタン3aが操作されると、プレイヤPXによって操作ボタン3aが押された時期と、操作指示標識IMxが操作基準位置CPxに到達した時期(操作ボタン3aの操作時期)とのずれを判別し、プレイヤPXの操作を評価する。なお、上述したプレイヤPyの表示エリアDAxに関する処理は、プレイヤPYの表示エリアDAyにおいても同時に行われる。従って、分割位置DPが図1に示すようにレーンLの中央にあるときは、各表示エリアDAx、DAyに対応する操作指示標識IMx、IMyが分割位置DPに関して対称的に表示される。そして、プレイヤPYの操作も評価される。各プレイヤPの評価がされると、当該評価に基づいて各プレイヤPのスコアが更新される。本形態では、各プレイヤPのスコアに応じて、分割位置DPが移動する。
【0030】
例えば、図2に示すように、分割位置DPが、レーンRの中心である分割位置DP1からプレイヤPYの基準操作位置CPy方向へ移動して分割位置DP2となった場合は、プレイヤPXの表示エリアDAxが広くなり、プレイヤPYの表示エリアDAyが狭くなる。本形態では、プレイヤPXのスコアがプレイヤPYのスコアよりも劣勢である場合に、分割位置DPが分割位置DP2に移動する。この分割位置DPの移動により、プレイヤPXの表示エリアDAxが広くなるので、分割位置DP1の場合には表示されなかった操作指示標識IMx1が表示エリアDAxに表示される。一方、プレイヤPYの表示エリアDAyは狭くなるので、分割位置DP1の場合には表示されるべき操作指示標識IMy1は表示されない。
【0031】
これにより、劣勢のプレイヤPXはより早くから操作時期を認識することができるのでプレイヤPXに対しては操作は容易になり、優勢のプレイヤPYは操作時期の予測を十分に認識できなくなるのでプレイヤPYに対しては操作は困難になる。逆に、プレイヤPYのスコアが劣勢な場合は、分割位置DPはプレイヤPXの基準操作位置CPxに偏った位置に設定される。これにより、表示エリアDAxは狭くなって優勢のプレイヤPXの操作は困難になり、表意エリアDAyは広くなって劣勢のプレイヤPYの操作は容易になる。
【0032】
以下、上述したように各プレイヤPの表示エリアDAの大きさを変化させるための具体的な構成及び手順について説明する。本発明のゲームシステムとしてのゲーム機1のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。ゲーム機1は、プレイヤPの操作を受け付ける操作ボタン3a〜3dを含む操作入力部11と、ゲーム画面GIを表示するモニタ2を含む画像表示部12と、楽曲の再生音や各種効果音を出力するスピーカを含む音声出力部13と、本発明を実現するために必要な各種データを記憶する記憶部14と、ゲーム機1の動作を制御する制御ユニット10とで構成される。
【0033】
記憶部4が保持する主なデータは、ゲームプログラムGP、シーケンスデータSD、及び楽曲データTDである。これにより、記憶部4は楽曲データ記憶部とシーケンスデータ記憶部として機能する。ゲームプログラムGPは本発明をゲーム機1に実現させるためのコンピュータプログラムである。楽曲データTDは楽曲が再生されるためのデータである。シーケンスデータSDについては、図4を用いて説明する。シーケンスデータSDは条件定義部SDaとその後に続く操作シーケンス部SDbとで構成される。条件定義部SDaには、音楽のテンポ(一例としてBPM)、プレイヤによって実際に操作された実際操作時期と、シーケンスデータSDに設定された操作時期とのずれの程度と評価との対応関係を指定する情報といった、楽曲毎に異なるゲームの実行条件等を指定する情報が記述される。
【0034】
操作シーケンス部SDbには、操作ボタン3a〜3cの操作時期と、操作されるべき操作ボタン3a〜3cを指定する情報とが対応付けられて記述される。本形態の操作シーケンス部SDbは、図4に示すように、楽曲中において操作が行われるべき時期である操作時期20と操作されるべき操作ボタン3を指定する情報30とを対応付けた複数のレコードRで構成されている。操作時期20は、楽曲中の小節番号21、拍数22、及び1拍を更に36等分したミリ拍23で示す値をカンマで区切って記述されている。例えば、最初のレコードRは、「1」小節、「1」拍、「000」ミリ拍の操作時期に、「button1」即ち、操作ボタン3aを操作することを意味する。なお、ミリ拍は1拍の36等分に限らず適宜設定してよい。
【0035】
制御ユニット10は、CPU及びその動作を実現するためのRAM、ROM等の各種記憶域で構成される。記憶部14に記憶されているゲームプログラムGPが実行されることにより、制御ユニット10は、操作時期取得部10a、標識位置決定部10b、操作評価部10c、分割位置決定部10d、エリア決定部10e、画像データ生成部10f、対応付け部10g及び音声制御部10hとして機能する。操作時期取得部10a、標識位置決定部10b、エリア決定部10e及び画像データ生成部10fは、表示制御部10iを構成する。音声制御部10hは楽曲データTDを再生して、再生データを音声出力部13へ出力する。操作評価部10cは、各プレイヤPによる操作ボタン3の操作を、操作ボタン3から出力されるセンサ信号に基づいて評価する。
【0036】
対応付け部10gは、分割位置DPによって分割された2つの表示エリアDAのうち、表示エリアDAxをプレイヤPXに、他方の表示エリアDAyをプレイヤPYに対応付ける。分割位置決定部10dは、各プレイヤPの操作の評価に基づいて分割位置DPを決定する。エリア決定部10eは分割位置DPに基づいて各プレイヤの表示エリアDAを決定する。操作時期取得部10aはシーケンスデータSDから一部のレコードRを取得する。分割位置標識位置決定部10bは、取得されたレコードRに記述されている各操作時期20に対応する操作指示標識IMがゲーム画面GIに表示される位置を決定する。画像データ生成部10fでは、決定された位置が、各表示エリアDAx、DAy内の操作指示標識IMが各表示エリアDAx、DAyに表示されるように、画像データを生成し、画像表示部12へ出力する。制御ユニット10における各部10a〜10fの機能の詳細は後述する。
【0037】
本発明のゲームは、ゲームの開始と共に、楽曲データTDに基づいて楽曲の再生が開始され、シーケンスデータSDを参照して各プレイヤPの表示エリアDAに操作指示標識IMを順次表示させ、上述した操作時期にてプレイヤPに操作ボタン3を操作させる。ゲームを実行するために行われるゲーム処理について図5を用いて説明する。まず、ステップS40にて、ゲーム開始画面がモニタ2に表示される。ゲーム開始画面は、図1のゲーム画面GIと同じであり、分割マークDMはレーンLの中央を分割位置DPにある状態で表示される。
【0038】
次に、ステップS41にて、分割マークDMにて分割された各表示エリアDAx、DAyが、各プレイヤPx、Pyに対応付けられる。例えば、各プレイヤPX、PYによって操作される各操作ボタン群OBa、OBbが各表示エリアDAx、DAyに対応付けられる。これにより、各表示エリアDAx、DAyは各プレイヤPX、PYに対応付けられ、制御ユニット10は対応付け部10gとして機能する。次に、ステップS42にて楽曲データTDに基づいて楽曲の再生が開始され、楽曲の再生と共に、ゲームタイマの計時が開始され、ステップS44の標識表示処理、ステップS46の操作評価処理、及びステップS48の分割位置決定処理が開始される。ゲームタイマは、楽曲の再生開始時(1小節1拍000ミリ拍)から経過時間を計時するタイマである。1拍の時間長が設定されることにより、ゲームタイマによって計時される経過時間は、再生されている楽曲における時刻として認識される。
【0039】
分割位置決定処理は、各プレイヤPの操作の評価に応じて、分割位置DPを決定する処理である。標識表示処理は、各プレイヤPに対応する操作指示標識IMを、レーンLに表示するための処理である。操作評価処理は、プレイヤPによって操作ボタン3に関する評価が行われ、評価に応じてスコアが更新される処理である。各処理は楽曲の再生が終了するまで繰り返される。楽曲の再生が終了するとゲームが終了し、ステップS48にてゲーム終了画面が表示される。ゲーム終了画面には、各プレイヤPのプレイ結果等が表示される。分割位置決定処理、標識表示処理、操作評価処理のそれぞれにおける処理の詳細は後述する。
【0040】
分割位置決定処理について、図6のフローチャートに従って説明する。分割位置決定処理は、制御ユニット10によって制御される。これにより、制御ユニット10は分割位置決定部10dとして機能する。まず、ステップ50にて、分割位置DPを決定するか否か判断する。本形態では、プレイヤPのスコアが更新されると肯定判断される。肯定判断されるとステップS52へ進み、分割位置DPを決定する処理が行われる。プレイヤPXのスコアとプレイヤPYのスコアとの相対的な割合が、プレイヤPYの表示エリアDAyの大きさとプレイヤPXの表示エリアDAxの大きさとの相対的な割合とが等しくなるように、分割位置DPが決定される。例えば、プレイヤPXのスコアが100でプレイヤPYのスコアが75の場合、分割位置DPは、表示エリアDAxの大きさと表示エリアDAyの大きさとの相対的な比率が3:4になる位置に決定される。
【0041】
ステップS52の処理後、ステップS54へ進む。ステップS50にて否定判断された場合は、ステップS52はスキップされてステップS54へ進む。ステップS54では、分割位置決定処理を終了するか否かが判断される。例えば、予めゲームの終了時刻を設定しておき、ゲームタイマが終了時刻を計時すると終了と判断する。ステップS54にて否定判断された時はステップS50に戻り、分割位置決定処理が繰り返し行われ、肯定判断された時は分割位置決定処理を終了する。以上のように、分割位置DPは、分割位置決定処理が終了するまで、ステップS50にて、トリガー条件が成立する度に決定される。
【0042】
標識表示処理について、図7のフローチャートに従って説明する。標識表示処理は制御ユニット10によって制御される。これにより、制御ユニット10は表示制御部10iとして機能する。ステップS60〜ステップS66の処理は、各プレイヤPX、PYに関して同時に実行されるので、プレイヤPXに対して実行される場合について説明する。まず、ステップS60にて、ゲームタイマを参照して再生中の楽曲における現在時刻を取得する。次にステップS62にて、最大時間長のレコードRが取得される。最大時間長とは、表示エリアDAxの最大の時間長であり、本形態では4小節である。従って、現在時刻から4小節分のレコードRがシーケンスデータSDから取得される。これにより、制御ユニット10は操作時期取得部10aとして機能する。
【0043】
続いて、ステップS64にて、取得したレコードRの操作時期に対応するレーンL上の位置を、操作指示標識IMが表示されるべき位置として決定する。これにより、制御ユニット10は標識位置決定部10bとして機能する。基準位置CPxから操作指示標識IMxの位置までの長さが、現在時刻から操作時期までの時間長に相当するように、操作指示標識IMの位置を決定すればよい。例えば、レーンLの全長を4小節とした場合の、ミリ拍単位の時間長に相当するレーンLの長さを予め設定しておけばよい。このように、操作指示標識IMxの位置が決定されることにより、操作指示標識IMxは、対応する操作時期が現在時刻に近くなるほど、現在時刻に対応する操作基準標識CPxに近くに表示される。これにより、楽曲の進行に伴って、操作基準位置CPxと操作指示標識IMxの位置との相対的な変化を実現することができる。
【0044】
取得されたレコードRに関して、全ての操作時期20に対応する操作指示標識IMxの位置が決定されると、ステップS66に進み、表示エリアDAxが決定される。これにより、制御ユニット10はエリア決定部10eとして機能する。表示エリアDAxは、プレイヤPXの操作基準位置CPxから分割位置決定処理にて決定された分割位置DPまでの範囲として決定される。続くステップS68では、ステップS68にて決定された表示エリアDAx、DAyに応じて画像データが生成される。これにより、制御ユニット10は画像データ生成部10fとして機能する。具体的には、ステップS64にて決定された操作指示標識IMxの位置のうち、ステップS66にて決定された表示エリアDAxに含まれる操作指示標識IMのみが、対応するレーンLに配置され、操作指示標識IMyも同様に対応するレーンLに配置され、かつ分割マークDMが決定された分割位置DPに配置されたゲーム画面GIの画像データを生成する。
【0045】
そして、ステップS70にて、生成された画像データが画像表示部12を経て表示される。続いて、ステップS72にて、標識表示処理を終了するか否かが判断される。例えば、ゲームタイマが所定の終了時刻を計時すると終了と判断する。ステップS72が否定判断されるとステップS60へ戻って標識表示処理が繰り返し行われ、肯定判断されると標識表示処理は終了する。
【0046】
操作評価処理について、図8に示すフローチャートに従って説明する。操作評価処理は制御ユニット10によって制御される。これにより、制御ユニット10は操作評価部10cとして機能する。まず、ステップS80にて、操作ボタン3が操作されたか否かが判断される。ステップS80にて否定判断されるとステップS86へ進み、肯定判断されるとステップS82へ進む。ステップS82では、プレイヤPによってされた操作に対して評価される。当該評価は、実際に操作された操作時期と、実際に操作された操作ボタン3に対してシーケンスデータSDにて設定されている操作時期とのずれ量に応じて決定される。
【0047】
例えば、ずれ量が、所定値以上小さいと最高評価となり、所定値以上大きいと最低評価となるように、段階的な評価をずれ量に対応付けたテーブルを用意しておき、参照するように構成すればよい。なお、全ての操作部3に対して共通のテーブルを用意してもよいし、操作部3に応じて異なるテーブルを用意してもよい。操作の評価が決定すると、ステップS84に進み、操作された操作部3に対応するプレイヤPのスコアを、決定された評価に基づいて更新する。スコアの更新後、ステップS86へ進み、操作評価処理を終了するか否かが判断される。例えば、ゲームタイマが楽曲の終了時刻を計時すると終了と判断する。ステップS86が否定判断されるとステップS80へ戻って操作評価処理が繰り返し行われ、肯定判断されると操作評価処理は終了する。
【0048】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、複数の楽曲に対応する楽曲データTDを記憶部4に記憶しておき、ゲームを実行する際に楽曲を選択できるようにしてもよい。この場合、各楽曲に対してシーケンスデータSDも用意され、選択された楽曲に対応するシーケンスデータSDがゲームにおいて使用される。また、分割位置DPが移動する範囲は、レーンLの中央を中心にした範囲であればレーンの全長より短くてもよい。この場合において、分割位置DPを決定する際は、レーン全長Lを移動範囲として、上述した処理を行えばよい。
【0049】
また、各プレイヤPに対して表示される操作指示標識IMは、各レーンLの分割位置DPに関して対称ではなく、各プレイヤPに対して同じ配置になるように表示されてもよい。この場合、各レーンLに対応する操作部3が各プレイヤPに対して同じ配置になるように設けられる。例えば、図1においては、プレイヤPxのレーンL1に表示される操作指示標識IMxと、プレイヤPyのレーンL3に表示される操作指示標識IMyとが分割位置DPに対して対称に表示されるように構成される。分割位置DPは所定時間毎に各プレイヤのスコアに基づいて決定されてもよいし、評価と関係なく、他の要素によって決定されてもよい。また、操作について評価される度に各プレイヤPの評価と分割位置DPとの対応付けは、例えば、劣勢のプレイヤPの表示エリアDAが小さくなり、優勢のプレイヤPの表示エリアDAが大きくなるように分割位置DPを決定してもよい。
【0050】
各プレイヤPの操作部3は対応するレーンLが伸びる方向の延長線上にあればよく、例えば、図9に示すように、対戦するプレイヤPが並ぶように、操作ボタン群OB100a、OB100bが構成されてもよい。この場合、各操作ボタン103a、103b、103cに対応するレーンL103、L102、L101は図9に示すような曲線を描いてもよい。また、図10に示すように、各レーンL1、L2、L3のそれぞれに対して、互いに独立に移動する分割位置DP201、DP202、DP203が設定されてもよい。この場合は、レーンL毎に各プレイヤPの評価を判定し、各レーンLの評価に対して対応するレーンLの分割位置DPを上述した方法に基づいて決定すればよい。
【0051】
更に、上述の形態では、最大時間長のレコードRをシーケンスデータSDから取得し、その後、取得したレコードRから表示エリアDAに対応する操作時期を示す操作指示標識IMを、ゲーム画面GIに表示するように構成したが、表示エリアDAに対応するレコードRを取得し、取得したレコードRに記述された操作時期すべての操作指示標識IMが、ゲーム画面GIに表示されるように構成してもよい。当該形態を第2の形態として、上述の形態と異なる部分のみについて主に説明する。
【0052】
第2の形態におけるゲーム機1’のハードウエア構成を図11に示す。操作時期取得部10aは、エリア決定部10eにて決定された各プレイヤPの表示エリアDAに基づいて、シーケンスデータSDからレコードRを取得する。標識位置決定部10bは取得されたレコードRに記述されている各操作時期に対応する操作指示標識IMのゲーム画面GIにおける位置を決定する。画像データ生成部10fでは、標識位置決定部10bにて決定された位置に各操作指示標識IMが表示されるように画像データが生成される。
【0053】
第2の形態における標識表示処理について、図12に示すフローチャートに従って、プレイヤPXの表示エリアDAxに表示される操作指示標識IMxについて説明する。ステップS90〜ステップS93の処理は各プレイヤPに対して同時に実行されるので、プレイヤPXに関する処理について説明する。まず、ステップS90にて、ゲームタイマを参照して再生中の楽曲における現在時刻を取得する。次にステップS91にて、表示エリアDAxが決定される。これにより、制御ユニット10はエリア決定部10eとして機能する。表示エリアDAxは、操作基準位置CPxから分割位置決定処理によって決定された分割位置DPまでとして決定される。次に、ステップS92に進み、ステップS91にて決定された表示エリアDAxに応じてレコードRが取得される。現在時刻から表示エリアDAxの長さに相当する時間長内に設定されているレコードRが取得されればよい。これにより、制御ユニット10は操作時期取得部10aとして機能する。
【0054】
時間長に対応するレーンLの長さは、上述したように予め設定しておけばよい。続いて、ステップS93にて、取得した各レコードRに記述された操作時期20を示すための操作指示標識IMの位置を決定する。これにより、制御ユニット10は標識位置決定部10bとして機能する。操作基準位置CPxから操作指示標識IMxの位置までの長さが、現在時刻から操作時期までの時間長に相当するように、操作指示標識IMxの位置を決定すればよい。これにより、楽曲の進行に伴って、操作基準位置CPxと操作指示標識IMxの位置との相対的な変化を実現することができる。
【0055】
取得されたレコードRに関して、全ての操作時期20に対応する操作指示標識IMxの位置が決定されると、ステップS94に進み、各操作指示標識IMx、IMyがゲーム画面GIに配置され、分割マークDMが決定された分割位置DPに配置されたゲーム画面GIの画像データが生成される。これにより、制御ユニット10は画像データ生成部10fとして機能する。続いて、ステップS95にて、生成された画像データが画像表示部12に出力される。そして、ステップS96にて、標識表示処理を終了するか否かが判断される。例えば、ゲームタイマが所定の終了時刻を計時すると終了と判断する。ステップS96が否定判断されるとステップS90へ戻って標識表示処理が繰り返し行われ、肯定判断されると標識表示処理は終了する。
【0056】
本発明のゲームシステムが実現されるゲーム機の態様は、本発明の構成が実現される限り問わない。例えば、家庭用ゲーム機(携帯型及び据置型を含む)であっても、商用ゲーム機(アーケードゲーム機)であってもよい。なお、操作部3とレーンLの位置関係として、各操作部3と各レーンLとの対応関係が一定であれば、各操作部3は対応するレーンLの延長線上にない態様も、本発明に適用可能である。例えば、図1に示すレーンLの長手方向が、各プレイヤの左右方向になるようにゲーム画面GIが表示される場合、各プレイヤPが操作する操作部3は各プレイヤPの正面に設けられてもよい。この場合、各プレイヤPは、ゲーム画面GIにおいて各プレイヤPに対応する領域を見ながら手元にある操作部3を操作すればよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ゲームシステム(ゲーム機)
2 モニタ
3a〜3d、3 操作ボタン(操作部)
10a 操作時期取得部
10b 標識位置決定部
10c 操作評価部
10d 分割位置決定部
10e エリア決定部
10f 画像データ生成部
10g 対応付け部
10h 音声制御部
10i 表示制御部
11 操作入力部(OBa、OBb)
12 画像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレイヤに対応する操作部を有する操作入力部と、
音声を再生出力する音声出力部と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶部と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力部から前記楽曲を再生させる楽曲再生部と、
前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶部と、
各プレイヤに対応する操作基準位置を結ぶ所定長のレーンが、分割位置にて分割されたゲーム画面を表示する表示部と、
前記レーンにおいて前記分割位置にて分割された一方のエリアを一方のプレイヤに、他方のエリアを他方のプレイヤに対応付ける対応付け部と、
ゲーム中に所定の条件が成立する毎に前記分割位置を決定する分割位置決定部と、
前記各プレイヤに対応するエリアに、前記各操作時期を対応するプレイヤに指示するための操作指示標識が配置された前記ゲーム画面を前記表示部に表示させる表示制御部とを有し、
前記表示制御部は、
前記分割位置にて決定された分割位置に基づいて、対応するプレイヤの前記レーンにおけるエリアの大きさを決定するエリア決定部と、
前記シーケンスデータに記述された各操作時期に対応する操作指示標識の位置が、該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの前記操作基準位置に一致するように、前記各操作指示標識と前記操作基準位置との相対的な位置関係が、前記楽曲上の時間の進行に応じて変化するように、前記操作基準位置を前記現在時刻とした時の前記各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定する標識位置決定部とを有する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記楽曲上の現在時刻から、前記操作指示標識が前記レーンに表示され得る最大の時間長に含まれる前記操作時期を、前記シーケンスデータから取得する操作時期取得部を更に有し、
前記標識位置決定部は、前記操作時期取得部によって取得された各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定し、
前記標識位置決定部にて位置が決定された操作指示標識のうち、その操作指示標識に対応するプレイヤのエリア内に位置する前記操作指示標識を前記エリアに配置する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記各プレイヤに対して、前記各エリアに対応する時間長を特定し、前記各プレイヤに対して、前記楽曲上の現在時刻から、前記特定された時間長に含まれる操作時期を、前記シーケンスデータから取得する操作時期取得部を更に有し、
前記標識位置決定部は、前記操作時期取得部によって取得された各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定し、
前記標識位置決定部にて位置が決定された各操作指示標識を前記レーンに配置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記各プレイヤの操作指示標識の表示と共に、前記分割位置を示す分割位置標識も表示する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム画面において、前記レーンの両端は、前記各プレイヤに対応する操作基準位置の方向へ伸びるように設けられ、
前記各プレイヤに対応する操作部は、対応するプレイヤの前記操作基準位置の方向の延長線上に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲーム画面において前記各プレイヤに対応する操作基準位置に、前記操作指示標識と同形の操作基準標識が配置され、
前記標識位置決定部は、前記操作指示標識が該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの操作基準位置に配置された前記操作基準標識に一致するように、前記操作指示標識の位置を決定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記各プレイヤによって前記操作部が操作された時期と、前記操作指示標識に対応する操作時期とに基づいて、前記各プレイヤの操作を評価する操作評価部を更に有し、
前記分割位置決定部は、前記操作評価部による評価に応じて、前記分割位置を決定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記操作入力部は前記各プレイヤに対応する複数の操作部を有し、
前記ゲーム画面には前記複数の操作部のそれぞれに対応付けられたレーンが表示され、 前記シーケンスデータには、前記各操作部に対する操作時期が記述され、
前記分割位置決定部は、前記各レーンにおける分割位置を決定し、
前記対応付け部は、前記各レーンにおいて前記一方のエリアを一方のプレイヤに、前記他方のエリアを前記他方のプレイヤに対応付け、
前記エリア決定部は前記各レーンにおける前記各エリアの大きさを、対応する前記分割位置によって決定し、
前記標識位置決定部は、前記各操作部に対応する前記各操作時期の操作指示標識に関して、前記各操作部に対応するレーンにおける位置を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項9】
各プレイヤに対応する操作部を有する操作入力部と、
音声を再生出力する音声出力部と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶部と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力部から前記楽曲を再生させる楽曲再生部と、
前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶部と、
各プレイヤに対応する操作基準位置を結ぶ所定長のレーンが、分割位置にて分割されたゲーム画面を表示する表示部と、を備えたコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記レーンにおいて前記分割位置にて分割された一方のエリアを一方のプレイヤに、他方のエリアを他方のプレイヤに対応付ける対応付け部と、
ゲーム中に所定の条件が成立する毎に前記分割位置を決定する分割位置決定部と、
前記各プレイヤに対応するエリアに、前記各操作時期を対応するプレイヤに指示するための操作指示標識が配置された前記ゲーム画面を前記表示部に表示させる表示制御部として機能させ、
前記表示制御部は、
前記分割位置にて決定された分割位置に基づいて、対応するプレイヤの前記レーンにおけるエリアの大きさを決定するエリア決定部と、
前記シーケンスデータに記述された各操作時期に対応する操作指示標識の位置が、該操作指示標識が示す操作時期にて対応するプレイヤの操作基準位置に一致するように、前記各操作指示標識と前記操作基準位置との相対的な位置関係が、前記楽曲上の時間の進行に応じて変化するように、前記操作基準位置を前記現在時刻とした時の前記各操作時期に対応する操作指示標識の位置を決定する標識位置決定部として機能させる、
ことを特徴とするゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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