説明

ゲームシステム及びそのコンピュータプログラム

【課題】ゲーム継続の動機付を与えるゲームシステムを提供する。
【解決手段】所定のプレイ料金を徴収したことを条件として、そのプレイ料金に対応した範囲におけるゲームのプレイを許可し、そのプレイ料金に対応した範囲におけるゲームが終了した場合、ユーザから所定の継続料金をプレイ料金として徴収したことを条件に、その継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可するゲームシステムにおいて、ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間のユーザの通算成績を判別し、通算成績の判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合、次回又はそれ以降の継続料金と当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のプレイ料金を徴収したことを条件として所定の範囲でゲームのプレイを許可するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの開始時に所定のプレイ料金を徴収して所定範囲のプレイを許可し、その範囲のゲームが終了すると、所定額のプレイ料金の追加支払いを条件として、前回の続きからのゲームのプレイを許可するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。この種のゲームシステムにおいて、一般的には、ゲームを継続するために必要な料金は一定額に固定されているが、ゲーム終了時点での成績が良好な場合に、ゲームの継続に必要な料金を減額(無料とする場合も含む。)する例も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−156043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームシステムにおいて、料金の変更(減額)は、一回のプレイ料金に対応した範囲の成績のみと関連付けられている。ゲームが継続されると、その継続前のゲームの成績は、その後の料金設定に対して考慮されていない。さらに言えば、従来のゲームシステムにおける料金の変更は、プレイ料金の支払に対応したプレイ範囲にて所定の成績を収めたことに対する特典といった措置でしかない。ゲームの継続に必要な料金を動的に変化させることにより、ゲームを継続する動機付けをユーザに与えることはこれまで検討されていない。
【0005】
本発明は、ゲームを継続するために必要な料金とその料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係の変化を利用して、ゲームの継続に対する動機付けをユーザに与えることが可能なゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ユーザからプレイ料金を徴収する料金徴収手段(17)と、前記料金徴収手段が所定のプレイ料金を徴収したことを条件として、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームのプレイを許可するゲーム制御手段(16)と、を具備し、前記ゲーム制御手段には、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームが終了した場合、前記料金徴収手段が前記ユーザから所定の継続料金を前記プレイ料金として徴収したことを条件に、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可する継続制御手段(S13、S14)と、前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの通算成績を判別する通算成績判別手段(S6、S7)と、前記通算成績判別手段の判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合、次回又はそれ以降の継続料金と当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させる継続設定変更手段(S24、S25、S26)とが設けられているものである。
【0007】
本発明のコンピュータプログラムは、ゲームシステムにおけるコンピュータ(10)を、ユーザからプレイ料金を徴収する料金徴収手段(17)、及び前記料金徴収手段が所定のプレイ料金を徴収したことを条件として、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームのプレイを許可するゲーム制御手段(16)として機能させ、前記ゲーム制御手段は、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームが終了した場合、前記料金徴収手段が前記ユーザから所定の継続料金を前記プレイ料金として徴収したことを条件に、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可する継続制御手段(S13、S14)、前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの通算成績を判別する通算成績判別手段(S6、S7)、及び前記通算成績判別手段の判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合、次回又はそれ以降の継続料金と当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させる継続設定変更手段(S24、S25、S26)、としてそれぞれ機能するように構成されたものである。
【0008】
本発明によれば、ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間のユーザの通算成績を判別し、その判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合に、継続料金とその継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係が変化する。したがって、継続料金を払いつつゲームを繰り返し継続したことによって得られる通算成績を料金設定に反映させることが可能である。そのため、ゲームが一旦継続された後はそれ以前のゲームの成績を料金設定において考慮しない従来技術と比較して、ゲームを繰り返し継続した積み重ねとしての通算成績を料金設定における有利な状態の付与、あるいは不利な状態の解消に結び付け、それによりゲームを繰り返しプレイする動機付けをユーザに与えることができる。例えば、一回のゲームの成績が料金の減額にわずかに足りない場合でも、次回のゲームを継続して足りない分を補えば料金変更条件が満たされてその後に減額を受けられるようにすれば、ゲームの継続に対してユーザに強い動機付けを与えることができる。あるいは、いずれかの範囲におけるゲームの成績が振るわなかったことが原因で継続料金が増額され、次回以降のゲームで通算成績を向上させない限り、その不利な状況が解消されないように料金変更条件を設定した場合でも、ゲームの継続に対してユーザに強い動機付けを与えることができる。
【0009】
本発明において、プレイ料金は現金、代替通貨、電子通貨その他の各種の決済手段を通じて徴収されてよい。ゲームの範囲は適宜の尺度でこれを特定してよい。例えば、ユーザに与えられる選択の機会、手番の数、ライフ、パワーといった個々のプレイによって逐次消費される量的な指標、ゲームのプレイ時間等によりゲームの範囲を特定してよい。成績は、ユーザのゲームにおける評価の高低を区別する概念であり、得点その他の各種の指標で成績を表現することができる。ステータスといった概念で成績を表現してもよい。複数の範囲に亘る通算成績は、個々の範囲での成績を積み重ねて得られる評価の高低である。継続料金と、これに対応して許可されるべきゲームの範囲との関係は、継続料金の減額、あるいは増額といった料金そのものの変更に限定されない。例えば、継続料金は変更せず、その継続料金に対応して許可されるべき範囲を拡大又は縮小させることによっても、前記の関係を変化させることが可能である。なお、継続料金それ自体をユーザが選択可能とし、その選択された継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲を料金変更条件に関連付けて拡大又は縮小してもよい。
【0010】
本発明の一形態において、前記継続料金に対応して許可されるべき一回のゲームの範囲では達成できない通算成績が得られたときに前記料金変更条件が満たされるように当該料金変更条件が設定されてもよい。これにより、料金変更条件が毎回満たされることがなくなる。これにより、継続料金とその継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係の変更が常態化するおそれがなくなり、その常態化によって、ゲームの継続に対する動機付けを与える作用が損なわれるおそれを低減することができる。
【0011】
本発明の一形態において、前記継続設定変更手段は、前記通算成績判別手段が判別した通算成績が一回のゲームの範囲では達成できない通算成績に達すると、前記料金変更条件が満たされたと判断して、前記継続料金を当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲に対して相対的に減額してもよい。これにより、継続料金の相対的な減額を目指してゲームを継続する意欲をユーザに与えることができる。なお、相対的な減額は、継続料金そのものを減額する場合のみならず、継続料金を変更させず、継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲を拡大又は縮小する場合も含む。
【0012】
さらに、前記ゲーム制御手段は、複数のユーザに共通のゲームをプレイさせ、該ゲーム上の前記複数のプレイヤのそれぞれの選択に基づいて前記複数のユーザに対して共通の成績を評価する協力プレイを提供可能であり、前記継続制御手段は、前記ゲームの終了時点における共通の成績に基づいて、ゲームの次の範囲への進行を許可すべきか否かを判断し、前記進行を許可すべきと判断した場合に前記継続料金を徴収したことを条件として、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可し、前記通算成績判別手段は、前記協力プレイが提供されているか否かに関わりなく、ユーザの個人の通算成績を判別するものとしてもよい。この形態によれば、協力プレイが提供されている場合、一回の範囲で提供されるゲームが終了すると、次の範囲への進行を許可すべきか否かが、協力プレイの共通の成績に基づいて判別される。したがって、個人的にはゲームを次の範囲に進めることができないほど成績が低いプレイヤであっても、協力プレイの成績次第によっては次の範囲へとゲームを継続できる可能性がある。そして、複数の範囲を継続してプレイすることにより、通算成績が料金変更条件を満たす可能性が生じる。このように、協力プレイに本発明を適用すれば、従来よりも広範囲のユーザに対してゲームの継続に対する動機付けを与えることが可能である。
【0013】
本発明の好適な一形態において、前記ゲーム制御手段は、ユーザにクイズを出題してユーザの回答の正否を判別するクイズゲームを提供可能であり、前記通算成績判別手段は前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの正解数を前記通算成績として判別してもよい。その場合、前記継続設定変更手段は、前記正解数が所定数に達したときに前記料金変更条件が満たされたと判断してもよい。さらに、前記継続料金に対応して許可されるべき一回のゲームの範囲におけるクイズの出題数よりも前記正解数の前記所定数が大きく設定されてもよい。このようにクイズゲームに本発明を適用すれば、本発明の作用効果を適切かつ確実に発揮させることができる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間のユーザの通算成績を判別し、その判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合に、継続料金とその継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させるようにしたので、ゲームを繰り返し継続した積み重ねとしての通算成績を料金設定における有利な状態の付与、あるいは不利な状態の解消に結び付け、それによりゲームを繰り返し継続してプレイする動機付けをユーザに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【図2】図1のゲーム機及びセンターサーバの制御系における機能ブロック図。
【図3】ゲーム機にて実行されるクイズゲームの各ステージとプレイ料金との関係を示す図。
【図4】ゲーム機の制御ユニットが実行するゲーム制御ルーチンを示すフローチャート。
【図5】図4のサブルーチン処理として制御ユニットが実行するコンティニュー処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】協力プレイにおける出題形式の一態様を示す図。
【図7】協力プレイにおける出題形式の他の態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、ネットワークを利用したゲームシステムに本発明を適用した一形態を説明する。なお、本形態のゲームシステムでは、所定のプレイ料金をユーザから徴収したことを条件として、ユーザ(プレイヤと呼ぶこともある。)にクイズの問題を出題し、それらの問題に対する正解率等を競うクイズゲームをユーザに提供するものである。そのゲームはステージを単位として進行し、一つのステージでは所定数の問題が出題される。一つのステージの成績が所定のクリア条件(次のステージへの進行を許可すべき条件)を満たしていると次のステージへの進行が許可される。初回に徴収したプレイ料金に対応する範囲のゲームが終了すると、新たなプレイ料金(継続料金)の徴収を条件として次のステージへの進行が許可される。以下、同様にしてゲームが進行する。また、本形態のゲームシステムでは、ネットワークを介して接続された複数のゲーム機のプレイヤに対して共通の問題を出題し、それらのプレイヤが協力して回答することによりゲームを進行させるといったプレイ型式(以下、そのような形態でのプレイを協力プレイと呼ぶことがある。)も用意されている。
【0018】
本形態に係るゲームシステムの概略構成を図1に示す。ゲームシステム1においては、複数のゲーム機(ゲーム端末)2と、センターサーバ3とがルータ4を介してネットワーク5にそれぞれ接続されている。センターサーバ3は一台の物理的装置によって構成される例に限らず、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ3が構成されてもよい。一台のゲーム機2がセンターサーバ3として兼用されてもよい。ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するもので、典型的にはインターネットがネットワーク5として使用される。各ゲーム機2は、ゲームの対価としてプレイ料金を徴収する業務用又は商用のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ルータ4は各店舗6及びセンターサーバ3に対応付けて設置され、同一店舗のゲーム機2は共通のルータ4を介してネットワーク5に接続されている。ゲーム機2と店舗6のルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。
【0019】
センターサーバ3は、ゲームシステム1の運営者によって設置され、ネットワーク5を介した各種のサービスを、ゲーム機2又はそのゲーム機2のユーザ(プレイヤ)に対して提供する。一例として、センターサーバ3は、ゲーム機2を介したゲームプログラムあるいはデータの更新サービス、ゲーム機2のユーザを認証し、そのユーザのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイヤデータをセンターサーバ3上に保管するサービス、ネットワーク5を介してユーザ同士が対戦し、あるいは協力プレイを実現するために必要なユーザ間のマッチングサービス等を提供する。
【0020】
ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。ネットワーク5がインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ4にネットワーク5上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。
【0021】
次に、図2を参照して、ゲームシステム1の制御系の構成を説明する。ゲーム機2には、制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10には、入力装置11、表示装置12、カードリーダ13、金銭収受装置14及び記憶装置15が接続されている。入力装置11は、ユーザの操作を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御ユニット10に出力する。表示装置12は、制御ユニット10からの指示に従ってゲーム画面等を表示する。カードリーダ13は、ユーザが所持するカード8の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット10に出力する。カード8には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その媒体にはカード8毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録されている。なお、カードIDは、カード8にバーコード等の形態で記録されていてもよい。金銭収受装置14は、ユーザが投入した金銭(硬貨あるいは紙幣)の額を検出し、投入額に応じた信号を制御ユニット10に出力する。記憶装置15は、例えばハードディスク記憶装置等、記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置15は、所定のクイズゲームを制御ユニット10に実行させるためのゲームプログラム101、及びそのゲームプログラム101がクイズゲームを進めるために参照するクイズデータ102といった各種のデータを記憶する。クイズデータ102は、ゲーム機2で実行されるクイズゲームの問題及び解答を問題毎にユニークな問題IDと対応付けて記録したデータである。問題及び解答は、文字列、画像等を適宜に組み合わせて構成されてよい。クイズデータ102には、問題を選択する際の情報として、問題のジャンル、難易度等を指定する情報が含まれてもよい。
【0022】
記憶装置15のゲームプログラム101を制御ユニット10が読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、論理的装置としてのゲーム制御部16及び課金管理部17が設けられる。ゲーム制御部16は、ゲーム機2にてユーザに提供されるゲームの開始、進行、及び終了の管理といったゲームのプレイに必要な各種の処理を実行する。課金管理部17は、ユーザに対してプレイ料金の支払いを要求し、要求した額のプレイ料金が徴収されたか否かを判別するといったプレイ料金の徴収に関連する処理を実行する。なお、本形態では、ユーザがプレイ料金を支払う手段(支払い方法)として、金銭収受装置14を利用した現金による支払い方法と、センターサーバ3にて管理されている口座から電子通貨を引き落とすことにより支払う方法とが選択可能とされている。ただし、支払い額の最小単位(最小額)は、現金による支払い方法よりも、電子通貨による支払い方法がより小さい。例えば、現金では100円が最小単位であるのに対して、電子通貨では1円単位相当量での支払いが可能とされる。
【0023】
センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、キーボード等の入力装置と、モニタ等の出力装置とが接続されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべきサーバプログラム201及びそのプログラム201が参照する各種のデータを記憶する。記憶装置21には、制御ユニット20が参照すべきデータの一種として、クイズデータ202、プレイヤデータ203及び口座データ204が記録されている。クイズデータ202はゲーム機2の記憶装置15に保持されているクイズデータ102の親データとなるべきデータである。
【0024】
プレイヤデータ203は、プレイヤのプレイ履歴、成績といったゲームのプレイ内容に関連した情報を、そのプレイヤが所持するカード8のカードIDと関連付けて記録したレコードの集合である。口座データ204は、ユーザが保持する電子通貨の額をそのユーザに固有のID(以下、ユーザIDと呼ぶ。)と関連付けて記録したレコードの集合である。カードIDとユーザIDとは1対1又は多対1で対応付けられている。センターサーバ3の記憶装置21には、IDの対応関係を判別するためのデータも記録されている。口座データ204に保持される電子通貨の額は、システム運営者等が運営するウェブサイト等を介してユーザが増額(預入)することが可能とされている。電子通貨の預入に対応したユーザへの課金は、例えばクレジットカード等による決済手段を通じて別途行われる。あるいは、電子通貨の預入専用端末等を利用して現金と引き換えに電子通貨が預け入れられるようにしてもよい。口座データ204に対する電子通貨の預入及びその決済は、プリペイド型の電子通貨システムのそれと同様でよく、その詳細は説明を省略する。なお、口座管理部及び口座データの機能はセンターサーバ3とは物理的に分けられた装置にて管理されていてもよい。
【0025】
記憶装置21のサーバプログラム201を制御ユニット20が読み取って実行することにより、制御ユニット20の内部には、論理的装置としてのゲーム管理部22及び口座管理部23が設けられる。ゲーム管理部22は、各ゲーム機2のクイズデータ102をクイズデータ202と同期させる処理、ゲーム機2のプレイヤ同士をマッチングしてその結果をゲーム機2に通知する処理、プレイヤデータ203をゲーム機2に送信し、あるいはゲーム機2から送られた情報に基づいてプレイヤデータ203を更新する処理といった、ネットワーク5を介した所定のゲームをプレイヤに提供するために必要な処理を実行する。口座管理部23は、ゲーム機2からのプレイ料金の引き落とし要求に応答して、口座データ204の対応するレコードから指定された額の電子通貨を引き落とすといった電子通貨の管理に関する処理を担当する。すなわち、ゲーム機2からカードIDと支払い額とを沿えて引き落とし処理が要求された場合、口座管理部23はそのカードIDに対応するユーザIDレコードを口座データ204から特定し、その特定されたレコードに保持されている額から支払い額を減算することにより、電子通貨によるプレイ料金の支払いを完了させる。
【0026】
次に、ゲームシステム1にて実行されるゲームにおけるプレイ料金とこれに対応したゲームのプレイ範囲との関係を図3により説明する。ゲームシステム1にて提供されるクイズゲームはステージ単位で進行する。ここでは、各ステージを、その実行順に従ってステージ1、ステージ2…と表現する。各ステージでは、クイズデータ102から12問のクイズが選択されて出題される。プレイ料金は、初回のゲームの範囲に対してA(一例として200円)が設定されている。初回のプレイ料金の徴収に対応してプレイが許容されるゲームの範囲(以下、初回範囲と呼ぶことがある。)は、ステージ1及びステージ2である。言い換えれば、ユーザは、初回のプレイ料金Aを支払えばステージ2まで進むことが可能である。ステージ2が終了した以降は、次のステージに進むためのプレイ料金として所定のコンティニュー料金(継続料金)の支払いが必要となる。つまり、コンティニュー料金の徴収に対応して許容されるゲームの範囲(コンティニュー範囲)は一つのステージに設定されている。コンティニュー料金は、原則として初回のプレイ料金の90%、つまり0.9Aに設定されている。このコンティニュー料金を以下では正規料金と呼ぶことがある。なお、初回のプレイ料金は、金銭収受装置14が受け付け可能な単位に設定される。一方、コンティニュー料金は、金銭収受装置14が受け付け可能な金銭の単位よりも小さい値に設定される。したがって、コンティニュー料金は、センターサーバ3の口座管理部22を介した電子通貨による支払いのみが可能である。一方、初回のプレイ料金は、現金又は電子通貨のいずれでも支払うことができる。
【0027】
本形態では、ゲームの複数のステージに亘って繰り返す間のゲームの通算成績が記録され、その通算成績が所定の減額条件(料金変更条件)を満たすとコンティニュー料金が、正規料金に対して減額される。すなわち、本形態では、ステージ1の第1問からプレイヤの正解数が通算され、通算された正解数が所定数(20問)に達すると、次回のコンティニュー料金が正規料金から減額される。減額条件を満たすために必要な正解数は一回のコンティニュー範囲における出題数よりも大きく設定されている。したがって、プレイヤがステージ3以降の全てにおいて減額を受けることはできない。ただし、減額に必要な正解数は、初回のプレイ料金に対応した範囲(2ステージ)における出題数である24よりも小さい。そのため、最初に発生するコンティニュー料金(ステージ3のプレイに必要なコンティニュー料金)が減額される可能性はある。減額量(減額の程度)は適宜に定めてよいが、一例として正規料金の10%が減額されてコンティニュー料金が0.81Aに変更される。減額が一旦適用されると、その時点で通算正解数は20問減算される。その後、通算正解数が再び20問に達すると次回のコンティニュー料金が正規料金から減額される。毎回の減額量は同じである。ただし、減額の回数に応じて減額量を変化させてもよい。図3の例では、ステージ3のプレイ中に通算正解数が20問に達し、ステージ4のコンティニュー料金が減額される。また、ステージ5のプレイ中に通算正解数が再度20問に達し、その次のステージ(ステージ6)のコンティニュー料金が再び減額される。ステージ5のコンティニュー料金は正規料金である。
【0028】
以上のように、本形態では、複数のプレイ範囲に亘って正解数が通算され、その通算正解数が所定数に達する毎にコンティニュー料金が減額される。したがって、コンティニュー料金を支払ってゲームを継続することに対する動機付けをプレイヤに与えることができる。例えば、通算正解数が20問に僅かに足りない状態でステージが終了した場合には、正規料金を払ってゲームを継続すれば、次回のコンティニュー時にはコンティニュー料金が減額される蓋然性が極めて高い。これにより、毎回のステージの成績が無駄にならず、ゲームの継続に対してプレイヤに強い動機付けを与えることができる。また、本形態では、減額条件を満たすために必要な通算正解数が、一回のコンティニュー料金の徴収と引き換えに許可されるゲームの範囲(つまり1ステージ)の出題数よりも大きく設定されている。それにより、減額が毎回発生することがなく、減額適用の常態化、あるいは正規料金の形骸化を適度に抑制することができる。減額適用が常態化すれば、ゲームの継続に対する動機付けを与える作用も損なわれるおそれがあるが、本形態によればそのようなおそれも少ない。さらに、本形態では、協力プレイの場合において、ステージクリアの条件を満たしたか否かを協力プレイの結果に基づいて判別している。したがって、個人的にはステージをクリアできないほど成績が低いプレイヤであっても、協力プレイの成績次第によっては複数のステージを順次プレイできる可能性がある。そして、複数のステージをプレイすることにより、通算正解数が減額条件を満たして減額の適用を受けられる可能性がある。このように、協力プレイに本形態の減額処理を適用すれば、従来よりも広範囲のユーザに対してゲームの継続に対する動機付けを与えることが可能である。
【0029】
図4は、クイズゲームを進行させるためにゲーム機2の制御ユニット10が実行するゲーム制御ルーチンを示している。プレイヤが初回のプレイ料金を支払ってゲーム機2にクイズゲームの開始を指示すると、制御ユニット10はゲーム制御部16に図4のルーチンを開始させる。そのルーチンにおいて、ゲーム制御部16は、まずステップS1でプレイヤのマッチングを処理する。その処理は、複数のプレイヤをネットワーク5を介して同じ空間内でプレイさせるために行なわれる処理であって、センターサーバ3に対してマッチングを要求し、その結果を受けて、マッチングされたプレイヤのゲーム機2間で共通のクイズゲームを薦めるために必要な各種の環境設定を行なうものである。なお、マッチングされたプレイヤのゲーム機2間で共通の問題を出題させるためには、一例として、それらのゲーム機2間に親機と子機との関係を設定し、親機がクイズデータ102から問題を選択してその選択結果を示す情報を子機のゲーム機2に与え、その子機のゲーム機2で与えられた情報に対応する問題をクイズデータ102から選択して出題すればよい。各ゲーム機のクイズデータ102は、センターサーバ3のゲーム管理部22によってクイズデータ202と同期されるように制御される。それにより、ゲーム機2間でのクイズデータ102の整合性が保たれる。なお、複数のプレイヤに対して共通の問題を出題するプレイ形態には、プレイヤ間で正解数、正解率等を競う対戦形態と、複数のプレイヤが協力して回答する協力プレイ形態とが存在する。いずれの形態でゲームをプレイするかは、ゲーム開始時点のプレイヤの選択に従って決定すればよい。
【0030】
マッチングの処理が終了すると、ゲーム制御部16はステップS2に進み、出題数を初期値の1に設定する。なお、ステップS1からステップS2へと処理が進められる場合、そのステージは初回のステージ1である。続くステップS3にて、ゲーム制御部16はクイズの問題を出題する。協力プレイの場合には、それらのプレイヤが協力して回答するような問題がプレイヤ間に共通して出題される。図6及び図7にその協力プレイにおける出題型式の例を示す。図6の例では、アルファベット4文字(一例として「CAKE」)が正解となる問題が出題され、複数(図示例では4人)のプレイヤのそれぞれには4文字のうち、いずれか一文字を解答することが求められる。図6では、プレイヤAが「C」、プレイヤBが「A」、プレイヤCが「K」、プレイヤDが「I」の文字をそれぞれ回答として入力した状態を示している。回答が完成した場合に協力プレイが回答されたものとされ、4人のプレイヤのそれぞれに得点が付与される。図7の例では、同一の解答が多いほど4人のプレイヤに与えられる得点が高くなる。図7では、プレイヤA、B、Cが「アメリカ」を、プレイヤDが「ロシア」をそれぞれ回答として入力した状態を示しており、この場合には、3人のプレイヤの回答が一致した場合の得点がプレイヤA〜Dに付与される。
【0031】
出題後、ゲーム制御部16はステップS4に進み、プレイヤの回答を取得する。協力プレイの場合には、同一のゲームに参加している他のプレイヤの回答もネットワーク5を介して取得される。続くステップS5において、ゲーム制御部16は回答が正解又は不正解のいずれであるかを判別し、その判別結果に応じた得点等を演算して結果を記憶する。協力プレイの場合には、上記の例のように全プレイヤの回答が総合されて正否判定が行なわれ、判定結果に応じた得点が与えられる。つまり、この場合には、協力プレイに参加している全員のプレイヤの回答(ゲーム上の選択)が総合され、その総合された結果に対して成績が決定される。
【0032】
次のステップS6において、ゲーム制御部16は、自機のプレイヤの回答が正解であったか否かを判別する。この場合の正否は、協力プレイであっても、ゲーム機2のプレイヤの個人に関する回答の正否である。つまり、協力プレイでは、複数のプレイヤの回答を総合して正否が判定され、一部のプレイヤが不正解であったとしても、出題そのものに対しては全員の回答に基づいて判定が行なわれて得点が与えられることがある。したがって、全体を総合しての正否判定の結果と、個人のプレイヤの正否判定とが異なる場合がある。図6の例では、プレイヤA、B、Cは正解、プレイヤDは不正解であるが、全体としては不正解である。また、図7の例では4人のプレイヤに対して3人の回答が共通した場合の得点が全プレイヤに与えられるが、プレイヤDのみは異なる回答をしているため、個人の成績に関してはプレイヤA、B、Cが正解、プレイヤDは不正解とみなすことができる。あるいは、共通の出題に対して、複数の選択肢から一つの選択肢を各プレイヤに回答として選択させ、正解の選択を選んだプレイヤの人数が過半数であったときに、協力プレイの回答としては正解と判断される一方で、誤った選択肢を選んだプレイヤ個人は不正解と判断されるような場合もあり得る。
【0033】
したがって、ステップS6では個人のプレイヤの回答が正解であったか否かを判別する。ステップS6にて正解と判断された場合、ゲーム制御部16はステップS7にて正解数カウンタの値に1を加算し、その後ステップS8へと進む。ステップS6にて不正解と判断された場合、ステップS7がスキップされてステップS8へと処理が進められる。ステップS8において、ゲーム制御部16は、ステージ開始後の出題数が12に達したか否かを判別する。出題数が12に達していなければ、ゲーム制御部16はステップS9に進み、出題数に1を加算してステップS3の処理に戻る。
【0034】
一方、ステップS8にて出題数が12に達していた場合、ゲーム制御部16はステージが終了したと判断してステップS10へ進む。ステップS10において、ゲーム制御部16は、今回のステージにおけるプレイ結果を集計し、その結果をプレイヤに対して発表する。この場合のプレイ結果は、ステップS5にて判別されて記憶された正解数、正解率、得点、及びステップS6の判定結果、正解カウンタの値等を含む。その後、ゲーム制御部16はステップS11に進み、所定のコンティニュー処理を実行する。コンティニュー処理は、プレイヤがステージをクリアしたか否かの判定、コンティニューする場合の料金の判定等を含む。その詳細は後述する。
【0035】
続くステップS12において、ゲーム制御部16はコンティニューが可能か否かを判別する。ここでは、ステップS11のコンティニュー処理でコンティニューが許可と判断され、かつ、プレイヤがコンティニューを希望した場合にコンティニュー可能と判断される。コンティニュー可能と判断された場合、ゲーム制御部16はステップS13に進む。ステップS13において、ゲーム制御部16は、ステップS11で判定されたコンティニュー料金を課金管理部17に渡して課金を実行させる。この場合、課金管理部17は、センターサーバ3の口座管理部23に対して口座データ204からのコンティニュー料金の引き落としを要求し、口座管理部23からの引き落としの成否の結果をゲーム制御部16に返す。
【0036】
コンティニュー料金の課金依頼後、ゲーム制御部16はステップS14に進み、課金管理部17から課金が完了したか否か、つまり、コンティニュー料金の徴収が完了したか否かを判別する。課金が完了した場合、ゲーム制御部16はステップS15に進み、次のステージへとゲームを進行させてステップS2の処理へ戻る。以降は、新たなステージの第1問からゲームが継続される。ステップS12にてコンティニュー不可能と判断された場合、又はステップS14にて課金できなかったと判断された場合、ゲーム制御部16はゲーム制御ルーチンを終了させる。これによりゲームは終了する。なお、協力プレイの場合において、一部のプレイヤのみがコンティニューを希望しなかった場合、そのプレイヤのゲーム機2ではステップS12が否定判断されてゲームが終了する。この場合、残されたプレイヤのみで次のステージへとゲームが進行するように、出題形式等が調整される。例えば、4人のプレイヤが協力プレイに参加していた場合において、1人のプレイヤがゲームを終了させた場合、次のステージでは3人のプレイヤによる協力プレイとなる。この場合、出題内容も3人が回答することを前提としたものに変更される。このような処理は、例えばクイズデータ102に、4人用の問題、3人用の問題といったように、プレイヤ数毎に問題を用意しておき、協力プレイに参加しているプレイヤの人数に対応する問題を選択すればよい。
【0037】
図5は、図4のステップS11のサブルーチン処理として呼び出されるコンティニュー処理を示している。コンティニュー処理が開始されると、ゲーム制御部16は、まずステップS21にてステージクリアの条件が満たされているか否かを判別する。ステージクリアの条件は、図4のステップS5の判定結果と関連付けて定められている。例えば、ステージ終了時点の正解数、正解率、あるいは得点が所定のレベルを超えている場合にステージクリアと判断される。協力プレイの場合には、全員の回答を総合して与えられる判定結果が考慮され、全プレイヤに対してステージクリアか否かが一義的に判定される。したがって、正解数カウンタに記録された個人のプレイヤの成績が低くても、そのプレイヤもステージクリアと判断されることがある。
【0038】
ステージクリアと判断された場合、ゲーム制御部16はステップS22に進み、現在のステージがステージ1か否かを判別する。ステージ1の場合、ゲーム制御部16はステップS23に進み、コンティニュー料金を0に設定する。ステージ2までは初回のプレイ料金でプレイ可能であり、コンティニュー料金の支払いが不要だからである。一方、ステップS22にてステージ1ではない場合、ゲーム制御部16はステップS24に進み、正解数カウンタの値(通算正解数)が20以上か否かを判別する。正解数が20未満の場合、ゲーム制御部16はステップS25に進み、コンティニュー料金を正規料金(つまり0.9A)に設定する。ステップS24にて正解数カウンタの値が20以上であった場合、ゲーム制御部16はステップS26に進み、コンティニュー料金を、正規料金に対して減額された料金(一例として0.81A)に設定する。その後、ゲーム制御部16はステップS27に進んで正解数カウンタの値から20を減算する。なお、正解数カウンタからの正解数20の減算を省略し、通算正解数が20の倍数に達する毎にステップS24が肯定判断されるようにルーチンを変更してもよい。この場合、例えば、通算正解数が20の倍数に達したか否かを判断し、さらに、前回の判断結果と比較して新たに20の倍数に達したか否かを判断してもよい。
【0039】
ステップS23、S25又はS27の処理後、ゲーム制御部16はステップS28に進んでコンティニューを許可する。一方、ステップS21にてステージクリアの条件が満たされていない場合、ゲーム制御部16はステップS29に進み、コンティニューを禁止する。ステップS28又はS29の処理後、ゲーム制御部16は図4のルーチンに復帰してステップS12へと進む。ステップS28にてコンティニューが許可され、かつプレイヤがコンティニューを希望した場合にステップS12が肯定判断される。一方、ステップS29にてコンティニューが禁止された場合には、プレイヤの希望に関わりなく、ステップS12が否定判断される。また、ステップS13では、ステップS23、S25又はS26にて設定されたコンティニュー料金が課金管理部17に渡される。なお、ステップS23でコンティニュー料金が0に設定された場合、課金管理部17がセンターサーバ3と通信することなく、課金完了をゲーム制御部16に返せばよい。あるいは、コンティニュー料金が0に設定された場合、ゲーム制御部16は課金管理部17に課金を指示することなく、ステップS13、S14をスキップしてステップS15に処理を進めてもよい。
【0040】
以上の形態においては、ゲーム機2の課金管理部17が金銭収受装置14を利用して、あるいはセンターサーバ3の口座管理部23を利用して初回のプレイ料金及びコンティニュー料金を徴収することにより料金徴収手段として機能し、ゲーム制御部16がゲーム制御手段として機能する。また、ゲーム制御部16は、図4のステップS13及びS14の処理を実行することにより継続制御手段として機能し、ステップS6及びS7の処理を実行することにより通算成績判別手段として機能し、図5のステップS24、S25及びS26の処理を実行することにより継続設定変更手段として機能する。
【0041】
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することが可能である。例えば、一回の継続料金の徴収を条件として許可されるべきゲームの範囲は一つのステージに限らず、適宜に設定してよい。通算成績は、複数のステージに亘って通算される正解数に限らず、ゲーム上におけるユーザの選択を様々な観点から評価し、その評価結果を積み重ねて通算成績とすることができる。上記の形態では、通算成績が所定のレベルに達したときにコンティニュー料金を減額することにより、継続料金とこれに対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させたが、その関係の変化も適宜に変更可能である。例えば、一ステージにおける出題数の増加又は減少、許可すべきステージ数の拡大又は縮小といったように、許可されるべきゲームの範囲の拡大又は縮小によって変化させることにより、継続料金をこれに対応して許可されるべきゲームの範囲に対して相対的に減額することができる。通算成績が良好な場合に継続料金を相対的に減額する処理に代えて、又は加えて継続料金を相対的に増加させる処理を実施してもよい。電子通貨によるプレイ料金の支払いが可能なゲームシステムでは、小額決済が可能であることから、継続料金の支払い単位を細分化し、支払われた単位に応じた範囲でゲームの継続を許可することも可能である。そのような場合でも、一回のプレイ料金(継続料金)の徴収額に対応したゲームの範囲を拡大又は縮小することにより本発明を適用することができる。
【0042】
上記の形態では、通算正解数が20問に達すると、次回の継続料金を減額させているが、その減額等は、次々回の継続時に適用されるものでもよい。つまり、通算成績が所定の料金変更条件を満たした場合における料金設定の変更は、その料金変更条件が満たされた範囲の次回以降のいずれかの適当な時期に実施すればよい。上記の形態では、初回のプレイ料金を現金にて支払い可能とする一方で、継続料金は電子通貨による支払いのみを認めている。しかし、プレイ料金の支払い、あるいは徴収の手段は適宜に変更してよい。例えば、図2のカード8をプリペイドカード、あるいはクレジットカードのような決済機能を備えたものとすれば、カードリーダ13を介して課金管理部17により料金を徴収することができる。他にも、カード8に代えて、ICチップを搭載した携帯電話等を利用してプレイ料金を支払えるようにしてもよい。プレイ料金として取り引きされる単位も通貨に限定されず、ポイントその他の通貨を代替する各種の単位でプレイ料金が取り引きされてよい。
【0043】
本発明はクイズゲームを提供するゲームシステムに限らず、適宜のジャンルのゲームを提供するシステムに適用可能である。本発明はネットワークを利用したゲームシステムに限らず、いわゆるスタンドアローンのゲーム機を前提としたゲームシステムにも適用可能である。協力プレイを提供する場合、そのゲームの内容、及び複数のユーザのゲーム上における選択を総合して成績を評価する手法も適宜に変更してよい。例えば、複数のユーザが共通の敵と戦うタイプの協力プレイを提供する場合、その敵を倒したか否かによって共通の成績を評価する一方、各ユーザが敵を倒すまでにどのような選択をしたかを個別を評価して個人の成績を求めるといった変形が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ゲームシステム
2 ゲーム機
3 センターサーバ
5 ネットワーク
10 制御ユニット(コンピュータ)
16 ゲーム制御部(ゲーム制御手段、継続制御手段、通算成績判別手段、継続設定変更手段)
17 課金管理部(料金徴収手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからプレイ料金を徴収する料金徴収手段と、
前記料金徴収手段が所定のプレイ料金を徴収したことを条件として、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームのプレイを許可するゲーム制御手段と、を具備し、前記ゲーム制御手段には、
前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームが終了した場合、前記料金徴収手段が前記ユーザから所定の継続料金を前記プレイ料金として徴収したことを条件に、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可する継続制御手段と、
前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの通算成績を判別する通算成績判別手段と、
前記通算成績判別手段の判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合、次回又はそれ以降の継続料金と当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させる継続設定変更手段と、
が設けられている、ゲームシステム。
【請求項2】
前記継続料金に対応して許可されるべき一回のゲームの範囲では達成できない通算成績が得られたときに前記料金変更条件が満たされるように当該料金変更条件が設定されている請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記継続設定変更手段は、前記通算成績判別手段が判別した通算成績が、一回のゲームの範囲では達成できない通算成績に達すると、前記料金変更条件が満たされたと判断して、前記継続料金を当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲に対して相対的に減額する請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム制御手段は、複数のユーザに共通のゲームをプレイさせ、該ゲーム上の前記複数のプレイヤのそれぞれの選択に基づいて前記複数のユーザに対して共通の成績を評価する協力プレイを提供可能であり、
前記継続制御手段は、前記ゲームの終了時点における共通の成績に基づいて、ゲームの次の範囲への進行を許可すべきか否かを判断し、前記進行を許可すべきと判断した場合に前記継続料金を徴収したことを条件として、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可し、
前記通算成績判別手段は、前記協力プレイが提供されているか否かに関わりなく、ユーザの個人の通算成績を判別する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム制御手段は、ユーザにクイズを出題してユーザの回答の正否を判別するクイズゲームを提供可能であり、前記通算成績判別手段は前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの正解数を前記通算成績として判別する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記継続設定変更手段は、前記正解数が所定数に達したときに前記料金変更条件が満たされたと判断する請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記継続料金に対応して許可されるべき一回のゲームの範囲におけるクイズの出題数よりも前記正解数の前記所定数が大きく設定されている請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
ゲームシステムにおけるコンピュータを、ユーザからプレイ料金を徴収する料金徴収手段、及び前記料金徴収手段が所定のプレイ料金を徴収したことを条件として、前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームのプレイを許可するゲーム制御手段として機能させ、前記ゲーム制御手段は、
前記プレイ料金に対応した範囲におけるゲームが終了した場合、前記料金徴収手段が前記ユーザから所定の継続料金を前記プレイ料金として徴収したことを条件に、前記継続料金に対応した範囲でゲームのプレイの継続を許可する継続制御手段、
前記ゲームが複数の範囲に亘って継続されている間の前記ユーザの通算成績を判別する通算成績判別手段、及び
前記通算成績判別手段の判別結果が所定の料金変更条件を満たした場合、次回又はそれ以降の継続料金と当該継続料金に対応して許可されるべきゲームの範囲との関係を変化させる継続設定変更手段、
としてそれぞれ機能するように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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