説明

ゲームシステム及びゲーム端末

【課題】ゲーム端末間で行われるネットワークゲームにおいて、通信にかかる通信時間を活用したゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム端末T1は、共通座標系において、自機を操作するプレイヤP1に対応するキャラクタC1が移動可能な自機領域R1と、ボールBを打ち合う相手であるキャラクタC2が移動可能な他機領域R2とが所定の位置に対向配置された状態を、記憶する領域情報21を有し、自機領域R1をゲーム画面GI1としてモニタに表示させ、自機領域R1にてボールBを打ち返す操作があると、ショット情報SIを生成して他のゲーム端末T2へ送信し、他のゲーム端末T2からショット情報SIを受信すると、ショット位置SPにて打たれたボールBが自機領域R1に到達する到達位置RPを出現位置APとして決定し、ボールBをゲーム画面GI1における出現位置APに出現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤ間でオブジェクトを打ち合うゲームが行われるゲームシステム及びゲーム端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して接続された2つのゲーム端末を含み、各プレイヤの操作に応じて動作するキャラクタ間で、例えばボールを打ち合うネットワークゲームが行われるゲームシステムは周知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−097682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のゲームシステムでは、1つのゲーム端末のゲーム画面に自機を操作するプレイヤに対応するキャラクタと相手に対応するキャラクタとが表示される。当該場合は、通信の遅延により、相手の操作に応じて移動するボールの表示が遅れる問題が生じる。通信の遅延が生じた場合、相手のボールの位置を予測して表示するシステムも考えられているが、実際のボールの位置とのずれが生じると、ボールが不自然な動きをするという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、ネットワークを介したゲーム端末間で行われるネットワークゲームにおいて、通信にかかる通信時間を活用したゲームシステム及びゲーム端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明のゲームシステム(GS)は、所定のネットワーク(N)を介して互いに情報の送受信可能な2つのゲーム端末(T1、T2)を含み、前記各ゲーム端末は、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(30)と、所定のゲームが制御されるゲーム制御部(60)と、前記ゲームのゲーム画面が表示される画像表示部(40)とを備え、前記所定のゲームとして、前記各ゲーム端末に共通の仮想2次元空間において、自機を操作する自機プレイヤに対応する領域である自機領域と、他のゲーム端末を操作する他機プレイヤに対応する領域である他機領域との間で、各プレイヤの操作に応じて所定のオブジェクトを移動させるゲームが行われるゲームシステムであって、前記各ゲーム端末は、前記仮想2次元空間において、前記自機領域と前記他機領域とのそれぞれが所定の位置に対向配置された状態を、基本位置として記憶する領域情報(21)を有する記憶部(20)を更に備え、前記各ゲーム端末のゲーム制御部は、前記ゲーム画面として、前記自機領域の少なくとも一部を前記画像表示部に表示させる領域表示部(61)と、前記自機領域に移動してきたオブジェクトを打ち返す操作が前記自機プレイヤによってあると、その操作に応じて前記オブジェクトが打たれたショット位置、速度及び方向を示すショット情報を決定するショット情報決定部(62)と、前記ショット情報に基づいて、前記打ち返されたオブジェクトが前記自機領域にて移動するようすを前記画像表示部に表示させるショット結果表示処理部(63)と、前記ショット情報を含む操作情報を生成し、前記操作情報を他のゲーム端末へ送信する操作情報生成部(64)と、前記他のゲーム端末にて生成された操作情報を受信すると、前記操作情報に含まれるショット情報に基づいて、前記仮想2次元空間において、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置を求め、前記到達位置に基づいて出現位置を決定する出現位置決定部(65)と、前記自機領域において、前記オブジェクトを前記決定された出現位置に出現させ、かつ前記ショット情報に基づいて前記オブジェクトが前記自機領域を移動するようすを表示させるオブジェクト表示処理部(66)とを更に有することにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明のゲームシステムにおいては、領域表示部によって、各ゲーム端末のゲーム画面には、自機のプレイヤに対応するキャラクタが移動する自機領域のみが表示される。即ち、他機のプレイヤの領域はゲーム画面に表示されないように構成されている。このように、ゲーム画面が分割されていても、2つのゲーム端末に共通の座標系の所定位置に各プレイヤに対応付けられた2つの領域を位置させた領域情報を、各ゲーム端末に持たせ、出現位置決定処理部により、他機から送信された操作情報に基づいて他機にて打ち返されたボールBが自機領域に到達する到達位置を求めることにより、自機領域においてボールBを出現させるべき出現位置を求めることができる。特に、各領域間でオブジェクトが打ち返されるゲームにおいて、各プレイヤに対応する領域のみが各ゲーム端末のゲーム画面に表示される場合、互いに他機の領域が見える位置にゲーム端末を設定しても、自機のゲーム画面と他機のゲーム画面との間、即ち、自機のプレイヤに対応する自機領域と他機のプレイヤに対応する他機領域との間に必ず空間が生じる。従って、操作情報の通信にかかる通信時間を、オブジェクトが当該空間をあたかも通過している時間として利用することができる。これにより、ネットワークを介したゲーム端末間で行われるネットワークゲームにおいて、通信にかかる時間を活用したゲームシステムを提供することができる。
【0009】
「オブジェクト」の形状は問わず、例えば、種々のボール、バトミントンのシャトル、羽子板の羽等がある。ゲーム画面においてオブジェクトを打ち返す態様は、例えば、プレイヤのアバタとしてのキャラクタが打ち返すように構成してもよいし、単なるシンボルで打ち返す位置が指定されるように構成してもよい。また、「オブジェクトを打ち返す操作」によって、オブジェクトが打ち返される態様には、勢いをつけて所定方向に打ち返す場合と、移動してきたオブジェクトを単に反射させて打ち返す場合とを含む。ゲーム画面に表示される表示領域は、各プレイヤに付与される領域の一部である場合と、全部である場合とを含む。所定のネットワークは、ローカルネットワークであってもよいし、オープンネットワークであってもよい。なお、本発明は、オブジェクトを打ち返す側のゲーム端末と、打ち返されたオブジェクトを受ける側のゲーム端末とが特定された状態に適用されるため、3つ以上のゲーム端末にて進行されるゲームであっても適用可能である。
【0010】
前記各ゲーム端末は、前記ゲームの所定時点から経過時間を計時する経過時間計時部(67)と、前記オブジェクトを打ち返す操作があると、その操作のあった時の前記経過時間を操作タイミングとして取得する操作タイミング取得部(68)と、前記操作情報を受信すると、その受信した時の前記経過時間を受信タイミングとして取得する受信タイミング取得部(69)とを更に有し、前記領域情報において、前記仮想2次元空間における所定の距離が前記経過時間の所定量に対応するように設定され、前記操作情報生成部は、前記ショット情報と前記操作タイミングとを含む操作情報を生成して送信し、前記出現位置決定部は、前記操作情報に含まれる操作タイミングと、前記受信タイミングとの差に基づいて通信時間を算出し、前記仮想2次元空間において、前記自機領域を、前記通信時間に応じた距離だけ前記他機領域から離れる方向に移動させ、前記移動した自機領域における前記到達位置を、前記出現位置として決定してもよい。
【0011】
これにより、通信時間の長さに応じて、自機の領域における出現位置を変化させることができる。従って、通信時間が長いと、あたかもオブジェクトが長い距離の空間を通過するしているリアル感を提供することができる。また、ゲーム端末間の距離が、その時の通信時間に適した距離になるようにすれば、一方のゲーム画面から空間を通って他方のゲーム画面に出現するオブジェクトの軌跡が繋がり、オブジェクトがゲーム端末間の空間を通過しているリアル感を更に高めることができる。
【0012】
前記領域情報には、前記基本位置の自機領域を囲む自機周辺領域が設けられた状態が記憶され、前記出現位置決定部は、前記自機領域が前記通信時間に応じた距離だけ前記他機領域から離れるように、前記通信時間に応じて、前記自機周辺領域を周方向に相似拡大させてもよい。自機周辺領域が周方向に相似拡大されると、自機領域の周辺の領域が拡大するため、周辺領域に入ったオブジェクトが自機領域に到達するまでの距離が拡大する。相似拡大の倍率を、自機領域が通信時間に応じた距離だけ他機領域から離れる方向に移動するように設定することにより、結果的に、自機領域を他機領域に関して通信時間に応じた位置に移動させることができる。更に、自機周辺領域は自機領域を囲む領域であるため、例えば、自機領域の周辺風景を表現するのに利用したり、オブジェクトが自機領域からはみ出した状態を表現するのに利用でき、ゲーム内容を多様にすることができる。
【0013】
前記自機領域と前記他機領域のそれぞれは、例えば、前記仮想2次元空間においてX軸方向の辺とY軸方向の辺で構成される矩形であり、前記他機領域から離れる方向は、前記Y軸方向であってもよい。これにより、到達位置の算出が容易となる。
【0014】
前記出現位置決定部は、前記打ち返されたオブジェクトが前記他機領域から出るまでの他機領域時間を算出し、前記通信時間が前記他機領域時間より等しいか短い場合は、前記ショット情報に基づいて、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置を前記出現位置として決定してもよい。これにより、他機の画面にオブジェクトが表示されいてる間は、自機のゲーム画面にオブジェクトが表示されないように構成することができる。
【0015】
前記ショット情報において設定されている速さを、前記通信時間に影響させてもよい。 これにより、打ち返されたオブジェクトの速さが速い場合と遅い場合とで通信時間に違いが出るように構成することができる。オブジェクトの速さを通信時間に影響させる具体的方法は、従来既知の方法を採用すればよい。例えば、オブジェクトの速さに応じて係数を設定し、操作タイミング及び受信タイミングの差から得られる時間に、ショット情報から得られるオブジェクトの速さに応じた係数を乗じた時間を通信時間として決定すればよい。また、オブジェクトの速さが所定値以上の場合の係数と、所定値以下の場合の係数を用意しておき、通信時間に違いが出るように設定してもよい。
【0016】
前記操作情報生成部は、前記ショット情報が所定の条件を満たす場合に、前記操作情報を生成してもよい。これにより、例えば、ミスショットをした場合は操作情報を送信しないように構成することができる。
【0017】
本発明のゲーム端末(T)は、他のゲーム端末と情報を送受信する通信部(10)と、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(30)と、所定のゲームが制御されるゲーム制御部(60)と、前記ゲームのゲーム画面が表示される画像表示部(40)とを備え、前記所定のゲームとして、前記他のゲーム端末と共通の仮想2次元空間において、自機を操作する自機プレイヤに対応する領域である自機領域と、前記他のゲーム端末を操作する他機プレイヤに対応する領域である他機領域との間で、各プレイヤの操作に応じて所定のオブジェクトを移動させるゲームが行われるゲーム端末であって、前記仮想2次元空間において、前記自機領域と前記他機領域とのそれぞれが所定の位置に対向配置された状態を、基本位置として記憶する領域情報(21)を有する記憶部(20)を更に備え、前記ゲーム制御部は、前記ゲーム画面として、前記自機領域の少なくとも一部を前記画像表示部に表示させる領域表示部(61)と、前記自機領域に移動してきたオブジェクトを打ち返す操作が前記自機プレイヤによってあると、その操作に応じて前記オブジェクトが打たれたショット位置、速度及び方向を示すショット情報を決定するショット情報決定部(62)と、前記ショット情報に基づいて、前記打ち返されたオブジェクトが前記自機領域にて移動するようすを前記画像表示部に表示させるショット結果表示処理部(63)と、前記ショット情報を含む操作情報を生成し、前記操作情報を他のゲーム端末へ送信する操作情報生成部(64)と、前記他のゲーム端末にて生成された操作情報を受信すると、前記操作情報に含まれるショット情報に基づいて、前記仮想2次元空間において、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置を求め、前記到達位置に基づいて出現位置を決定する出現位置決定部(65)と、前記自機領域において、前記オブジェクトを前記決定された出現位置に出現させ、かつ前記ショット情報に基づいて前記オブジェクトが前記自機領域を移動するようすを表示させるオブジェクト表示処理部(66)とを更に有することにより、上記の課題を解決する。本発明のゲーム端末は、本発明のゲームシステムを構成するゲーム端末として機能する。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明によれば、各ゲーム端末は、共通の座標系において、自機を操作するプレイヤに対応する自機領域と、オブジェクトを打ち合う相手に対応する他機領域とが所定の位置関係で配置された状態を、基本位置として記憶する領域情報を有し、ゲーム画面には、自機領域の少なくとも一部を表示させ、オブジェクトを打ち返す操作があると、その操作に応じてショット情報を決定し、ショット情報を含む操作情報を他のゲーム端末へ送信する。一方、他のゲーム端末から操作情報を受信すると、操作情報に基づいて、他機領域におけるショット位置にて打ち返されたオブジェクトが自機領域に到達する到達位置を出現位置として決定し、オブジェクトをその出現位置に出現させ、かつオブジェクトが自機領域を移動するようすを表示させる、ことにより、ゲーム端末間で行われるネットワークゲームにおいて、通信にかかる通信時間を活用したゲームシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のゲームシステムの一例を示す図。
【図2】図1に各ゲーム端末にて表示されるゲーム画面を示す図。
【図3】自機領域が通信時間に応じて移動するようすを示す図。。
【図4】ゲーム端末のハードウェア構成の一例を示す図。
【図5】ゲームが開始されるまでの各ゲーム端末にて行われる処理を示すシーケンス図。
【図6】ゲーム中に各ゲーム端末にて行われる処理を示すシーケンス図。
【図7】操作情報のデータ構造を示す図。
【図8】出現位置決定処理にて行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図9】自機領域を囲む自機周辺領域が設けられた共通座標系を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本願発明のゲームシステムGSを示す図である。ゲームシステムGSは、プレイヤP1によって操作されるゲーム端末T1とプレイヤP2によって操作されるゲーム端末T2を含む。ゲーム端末T1とゲーム端末T2はネットワークNを介して情報の送受信可能に接続されている。以下、プレイヤP1とプレイヤP2を区別する必要のない時は「プレイヤP」といい、ゲーム端末T1とゲーム端末T2を区別する必要のない時は「ゲーム端末T」という。本形態におけるゲーム端末Tは、携帯型電話機であり、ネットワークNは携帯電話網である。
【0021】
ゲームシステムGSでは、オブジェクトとしてのテニスボールを各プレイヤPの操作に応じて打ち合うテニスゲームが行われる。以下、ゲーム端末Tに表示されるゲーム画面について説明する。図2は、ゲーム端末T1のモニタに表示されるゲーム画面GI1と、ゲーム端末T2のモニタに表示されるゲーム画面GI2を示す。本形態では、ゲーム画面GI1にはプレイヤP1の操作に応じて動作するキャラクタC1が表示され、ゲーム画面GI2にはプレイヤP2の動作に応じて動作するキャラクタC2が表示され、キャラクタC1、C2に、テニスボールB(以下「ボールB」という。)を打ち合わせることにより、テニスゲームが進行する。
【0022】
特に、本発明においては、プレイヤP1が見るゲーム画面GI1には、プレイヤP1に対応する自機領域として、キャラクタC1が移動可能な領域R1のみが表示され、他機領域、即ちプレイヤP2に対応する領域は表示されない。また、プレイヤP2が見るゲーム画面GI2には、プレイヤP2に対応する自機領域として、キャラクタC2が移動可能な領域R2のみが表示され、他機領域、即ちプレイヤP1に対応する領域は表示されない。このように、本発明においては、各ゲーム画面GI1、GI2には、自機のプレイヤPに対応する自機領域のみが表示され、2つのゲーム画面GI1とゲーム画面GI2を組み合わせた状態で1つのゲーム空間を構成する。
【0023】
例えば、ゲーム画面GI2においてキャラクタC2によってボールB1が打ち返された場合、打ち返されたボールB1は、打たれた方向(以下「ショット方向sd」という。)に進み、ゲーム画面GI2の端で消える。そして、ゲーム画面GI2から消えた後、ボールB2がゲーム画面GI1の端に出現する。ボールBがゲーム画面GI1にて出現する出現位置は、常に同じ位置でもよいし、ショット方向sdに応じて異なる位置であってもよい。本形態では、ショット方向sdに応じて出現位置が異なる位置になる場合について説明する。なお、出現したボールBは、ショット方向sdで領域R1を移動する。
【0024】
プレイヤP1によってボールを打ち返す操作としてのショット操作がされることにより、キャラクタC1によって、領域R1をショット方向に進むボールB2が打ち返えされる。打ち返されたボールB2は領域R1をショット方向に進む。このようにして、ラリーが続き、一般のテニスのルールに基づいて各プレイヤP1、P2のスコアが算出され、勝敗が決定する。このように、各ゲーム画面GI1、GI2に表示される領域R1と領域R2とを組み合わせて1つのゲーム画面が構成され、ゲーム画面GI1とゲーム画面GI2との間、即ちにゲーム端末T1とゲーム端末T2との間に必ず空間が生じるように構成されている。
【0025】
従って、例えば、通信遅延のため、上記の例でボールB1がゲーム画面GI2から消えた後、ボールB2がすぐにゲーム画面GIに出現しない場合であっても、領域R1と領域R2との間の空間をボールBが移動しているかのような印象をプレイヤPに与えることができる。これにより、通信遅延が生じても自然に進行させるゲームをプレイヤPに提供することができる。以下、キャラクタC1とキャラクタC2を区別する必要のない時は「キャラクタC」といい、ゲーム画面GI1とゲーム画面GI2とを区別する必要のない時は「ゲーム画面GI」といい、領域R1と領域R2とを区別する必要のない時は「領域R」という。
【0026】
本形態の領域Rの構成について、図3を用いて更に説明する。本形態の領域Rは矩形であり、ゲーム端末Tのモニタに表示される領域と一致する。即ち、本形態の領域Rは、サイドラインSL及びベースラインBLを有するテニスコートに対応する。領域R1と領域R2のそれぞれは、2つのゲーム端末T1、T2に共通の座標系(以下「共通座標系」という。)における基本位置としての所定位置に、対向するように配置されている。特に、サイドラインSLがY軸方向に並行、ベースラインがX軸方向に並行となり、かつ、境界線Lにて隣接するように配置されている。
【0027】
例えば、他のゲーム端末T2で打ち返されたボールBが、ゲーム端末T1にて表示される際、ボールBのショット情報の通信にかかった通信時間に応じて、ゲーム端末T1では、自機の領域R1がY軸方向に関して領域R2から離れる方向に移動する。そして、ショット位置SPから伸びるショット方向sdのベクトル「以下「ショット方向ベクトルsv」という。)が移動した領域R1’の境界線L’と交差する位置がボールBの到達位置RPとして決定される。これにより、ボールBが領域R1’に到達する到達位置RPは、ボールBが打たれたショット位置SPやショット方向だけでなく、通信時間も考慮して算出される。本形態では、到達位置RPを領域R1におけるボールBの出現位置APとして決定することにより、通信時間の長さを領域R1における出現位置APに反映させることができる。
【0028】
上述したゲームシステムGSを実現するための具体的な構成について説明する。まず、ゲーム端末Tのハードウェア構成について、図4を用いて説明する。なお、各ゲーム端末T1、T2は同じハードウェア構成を有する。ゲーム端末Tは、他のゲーム端末Tと通信を行う通信部10と、端末記憶部20と、プレイヤPの操作を受け付ける操作入力部30と、ゲーム画面を出力するモニタを含む画像表示部40と、ゲームの状況に応じて音声を出力するスピーカを含む音声出力部50と、各部10〜50の動作を制御するゲーム制御部60とを有する。
【0029】
ゲーム制御部60は、CPU及びその動作に必要な記憶域で構成され、コンピュータとして機能する。ゲーム制御部60は、ゲーム記憶部20に記憶されたコンピュータプログラムが稼働することにより、領域表示部61、ショット情報決定部62、ショット結果表示処理部63、操作情報生成部64、出現位置決定部65、オブジェクト表示処理部66、経過時間計時部67、操作タイミング取得部68、及び受信タイミング取得部69として機能する。
【0030】
経過時間計時部67はゲームの所定時点から経過時間を計時する。本形態では、ゲーム開始画面が表示された時点からゲーム画面のフレーム数をカウントするカウンタが経過時間計時部として機能する。従って、経過時間はゲーム開始画面からカウントされるフレーム数である。
【0031】
端末記憶部20は、不変情報及び可変情報を問わず記憶し、本発明を実現するためのコンピュータプログラムやゲームに使用される各種情報を記憶する。ゲームに使用される情報としては、例えば領域情報21やプレイヤ情報22がある。プレイヤ情報22は、自機を操作するプレイヤPに関する情報であり、名前やプロフィール等が含まれる。領域情報21には、各領域R1、R2が共通座標系における上述した基本位置に配置された状態が記憶されている。なお、共通座標系のスケール単位である1グリットは、上述した経過時間の所定量に対応付けられている。本形態では、1グリットは1フレームに対応付けられている。
【0032】
ゲーム端末T1とゲーム端末T2のそれぞれにおいて、テニスゲームが開始されるまでに行われる処理について、図5のシーケンス図を用いて説明する。各ゲーム端末Tにおける処理はゲーム制御部60によって制御される。まず、最初にゲーム端末Tは、自機のプレイヤPに関するプレイヤ情報22を他のゲーム端末Tへ送信すると共に、他のゲーム端末Tを操作するプレイヤPに関するプレイヤ情報22を、他のゲーム端末Tから取得する(ステップS10)。プレイヤ情報22の送受信は、例えば、各ゲーム端末Tにてコンピュータプログラムを起動させて所定画面を表示させ、各プレイヤPによって所定の操作が行なわれることにより実行される。
【0033】
続いて、取得したプレイヤ情報22を他機情報として設定する(ステップS12)。以下、他のゲーム端末Tを操作するプレイヤPを他機プレイヤPという時がある。次に、領域情報における2つの領域R1、R2のそれぞれを、プレイヤP又は他機プレイヤPに対応付ける(ステップS14)。領域R1、R2の対応付けは、プレイヤP間で話し合って決定されてもよいし、自動的に決定されてもよい。対応付けが自動的に決定される態様としては、例えば、プレイヤ情報22を送信したタイミングが早い方のプレイヤPが領域R1に対応付けられてもよい。その後、ゲーム開始待ち状態になり(ステップS16)、例えば、各プレイヤPによって、同時に各ゲーム端末Tにて所定の開始操作が行われることにより、各ゲーム端末Tのモニタにゲーム開始画面が表示され、テニスゲームが開始される(ステップS18)。ゲーム開始画面が表示される時には、上述したように、経過時間計時部67によるフレーム数のカウントが開始される。
【0034】
なお、ゲーム開始時のサーブ権は、例えば、ゲーム開始待ち状態において、開始操作を行う前に所定のサーブ権設定操作を行ったプレイヤPにサーブ権を設定してもよいし、領域R1に対応付けられたプレイヤPにサーブ権を自動的に設定してもよい。
【0035】
テニスゲームが開始され、ボールBを打ち合うラリーになった時の各ゲーム端末Tにおける処理について図6のシーケンス図を用いて説明する。ゲーム端末T2のプレイヤP2によってボールBを打ち返す操作があり、ボールBがゲーム端末T2のゲーム画面GI2からゲーム端末T1のゲーム画面GI1へ移動する場合について説明する。各ゲーム端末Tにおける処理は、ゲーム端末制御部60によって制御される。
【0036】
まず、ゲーム端末T2にて、ボールBを打ち返す操作(以下「ショット操作」という。)があったか否かが判断され(ステップS20)、ショット操作があった場合は、操作タイミングが経過時間計時部67により取得される(ステップS22)。続いて、ショット情報決定処理が行われる(ステップS24)。ショット情報決定処理では、ショット情報SIとして、ショット操作に基づいて、ショット位置SP、並びに打たれたボールBの速さ及び向きが決定される。打たれたボールBの速さ及び向きは、共通座標系におけるX軸方向のベクトル値(以下、X軸方向ベクトルXV」という。)、及びY軸方向のベクトル値(以下、「Y軸方向ベクトルYV」という。)で示し、ショット位置SPは共通座標系における座標にて特定される。
【0037】
ショット情報決定処理後、ショット結果表示処理(ステップS26)が行われると共に、ショット結果がサイドラインSLを超えるアウトか否かが決定される(ステップS27)。本形態では、打ち損ないもアウトに含む。アウトか否かの判断はショット情報に基づいて行えばよい。ショット結果表示処理では、ショット情報に基づいたボールBの画像が生成され、ゲーム画面GI2に表示される。例えば、ゲーム画面GI2において打ち返されたボールBがショット方向sdに進み、ゲーム画面GI2から消えるまでのようすを表示するための画像処理が行われる。当該画像処理はショット情報SIに基づいて従来既知の方法により行えばよい。
【0038】
ステップS27にて肯定判断されると、スコア処理が行われる(ステップS28)。スコア処理では、プレイヤP2のショットミスに基づいてプレイヤP2のスコア及びプレイヤP1のスコアが算出される。また、次のサーブ権が決定される。各プレイヤPのスコア結果はゲーム端末T1へも送信される。ステップS27にて否定判断されると、操作情報生成処理(ステップS29)が行われる。
【0039】
操作情報生成処理では、ショット情報SIとステップS22で取得された操作タイミングOTを含む、図7に示すような操作情報OIが生成される。操作情報OIは生成されると、他のゲーム端末Tであるゲーム端末T1へ送信される(ステップS30)。ゲーム端末T2では、操作情報OIの受信待ち状態において(ステップS32)、操作情報OIを受信すると、出現位置決定処理が行われる(ステップS34)。出現位置決定処理では、操作情報OIに基づいて、ボールBがゲーム画面GI1にて出現されるべき出現位置APが決定される。出現位置決定処理については後述する。出現位置APが決定されると、ボール表示処理が行われる(ステップS36)。
【0040】
ボール表示処理においては、決定された出現位置APにボールBを出現させ、ショット情報SIに基づくショット方向及び速さで領域R1を進行するボールBの画像を生成し、ゲーム画面GI1に表示する。以後、ゲーム端末T1ではステップS20〜ステップS30の処理が行われ、ゲーム端末T2ではステップS32〜ステップS36の処理が行われる。
【0041】
図6のシーケンス図における出現位置決定処理について、図8を用いて説明する。出現位置決定処理は、出現位置決定部65により制御される。以下、領域R2を「他機領域R2」、領域R1を「他機領域R1」という。まず、ステップS40にて、経過時間計時部67を参照することにより、操作情報OIを受信した受信タイミングを取得する。次に、ステップS42に進み、他機領域移動時間を算出する。他機領域移動時間は、他機領域R2にて、打ち返されたボールBが他機領域R2を移動して消えるまで時間である。操作情報OIのショット位置SPに基づいて、ショット結果表示処理と同様の処理により算出すればよい。次に、ステップS44にて、通信時間を算出する。通信時間は、操作情報OIに含まれる操作タイミングOTとステップS40にて取得した受信タイミングとの差として算出される。通信時間の算出後、ステップS46にて、通信時間が他機領域時間より長いか否かが判断される。通信時間の方が長い場合は、ステップS48へ進む。
【0042】
ステップS48では、空間移動時間を算出する。空間移動時間は通信時間と他機領域時間との差として算出される。空間移動時間の算出後、ステップS50進み、共通座標系において、自機領域R1をY軸方向に関して他機領域R2から離れる方向に移動させる。移動量は空間移動時間に対応するグリット数である。本形態では、1フレームが1グリットに対応するため、例えば、空間移動時間が3フレームであれば、移動量は3グリットである。続いて、ステップS52へ進み、到達位置RPを決定する。本形態では、例えば、ショット情報SIに基づいて特定されるショット方向ベクトルsvが、移動した自機領域R1’の境界線L’と交わる位置を到達位置RPとして決定する。到達位置RPの決定後、ステップS56へ進み、移動した自機R1における到達位置RPに対応する自機領域R1における位置をボールBの出現位置APとして決定する。
【0043】
ステップS46にて、否定判断された時は、ステップS54へ進む。ステップS54では、基本位置における自機R1におけるボールBの到達位置RPを決定する。例えば、ショット情報SIによって特定されるショット方向ベクトルsvが境界線Lと交わる位置を到達位置RPとして決定する。到達位置RPが算出されると、ステップS56に進み、上述した処理により、自機領域R1における出現位置APが決定される。以上のように、他機領域時間を考慮して出現位置APを決定することにより、ボールBが他機領域R2を進行中に、ボールBが自機領域R1に出現してしまう不都合を回避することができる。
【0044】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、2つの領域R1、R2は、基本位置として、2つの領域R1、R2間に所定の間隔が設けられるように配置されてもよい。この場合は、到達位置RPの決定は、自機領域R1の他機領域R2側の辺がショット情報SIに基づくショット方向ベクトルsvと交わる位置として決定すればよい。また、当該所定の間隔は、ゲームの開始前に、いずれかのゲーム端末Tにてゲーム端末T間にかかる通信時間を算出し、当該通信時間に応じて設定されるように構成してもよい。出現位置APは、到達位置RPと同じでなく、到達位置RPを基準にした異なる位置として設定してもよい。
【0045】
空間移動時間に、ショット情報SIから得られるボールBの速さを反映させてもよい。例えば、ボールBの速さに「速さ係数」を対応付けておき、ショット情報SIから得られる速さに対応する「速さ係数」を空間移動時間に乗じればよい。これにより、通信時間は同じであっても、速いボールBは遅いボールBよりも速く出現位置APに出現させることができる。また、ショット結果は常にアウトにならないように構成してもよい。
【0046】
本発明のゲームでは、各プレイヤPの操作に応じて、所定のオブジェクトを各プレイヤに対応する領域間で移動させるゲームであればよい。従って、キャラクタCを表示せずに、例えば、プレイヤの操作に応じて動くポインタのみをゲーム画面GIに表示させ、ポインタの移動操作によってショット位置SPやショット方向svが特定されるように構成してもよい。
【0047】
また、領域R1が自機領域となるゲーム端末T1に保持される領域情報21では、図9に示すように、共通座標系において、基本位置に配置された自機領域R1を囲む自機周辺領域R10が設けられるように設定されてもよい。例えば、サイドラインSL又はバックラインBLに達したボールBは、各ラインSL、BLにて跳ね返るように構成してもよいし、自機周辺領域R10に入るように構成してもよい。更に、出願位置決定処理のステップS50にて、空間移動時間に応じた倍率で、自機周辺領域R10が周方向に相似拡大されるように構成してもよい。相似拡大された自機周辺領域R10’は、自機領域R1が他機領域R2から離れる方向(Y軸方向)に移動するように、当該方向に移動した位置に配置される。
【0048】
相似拡大の倍率は、自機周辺領域R10が上記のように相似拡大されることにより、結果として、拡大された自機周辺領域R10’における自機領域R1’が、空間移動時間に応じた距離だけ他機領域R2から離れる方向に移動する倍率に設定すればよい。倍率を設定する態様としては、例えば、空間移動時間と倍率との対応関係が設定されたテーブルを予め用意しておき、当該テーブルを参照してもよいし、空間移動時間から倍率を求める公式を予め用意しておき当該公式により算出してもよい。なお、自機周辺領域は、ゲームに参加している各ゲーム端末Tの領域情報21にて、各ゲーム端末Tに対応する自機領域に対して設定される。
【0049】
なお、本発明のゲームは、3人以上のプレイヤPによって行われるように構成してもよい。例えば、3人のプレイヤPa、Pb、Pcでゲームを実行する場合、各プレイヤPは各他機を操作するプレイヤPに関する他機情報を各他のゲーム端末Tから取得する。プレイヤPa→プレイヤPb→プレイヤPc→プレイヤPaの順にボールBが移動するように、各ゲーム端末Tにて他機プレイヤPが設定される。例えば、プレイヤPbのゲーム端末では、ボールBを自機領域R1に打ってくる他機プレイヤPとしてプレイヤPaが設定され、ボールBを及び打ち返す他機プレイヤPとしてプレイヤPcが設定される。これにより、ゲーム中は、プレイヤPaのゲーム端末Tにて生成された操作情報OIはプレイヤPbのゲーム端末Tへ送信され、プレイヤPbのゲーム端末Tにて生成された操作情報OIはプレイヤPcのゲーム端末Tへ送信される。各ゲーム端末Tでは、ボールBを打ち返す側か受けるか側の相対関係に応じて、図6に示す処理が行われる。なお、スコア結果は各他機プレイヤPa、Pcのゲーム端末Tへ送信される。
【0050】
更に、ゲームシステムGSにサーバを更に設け、ゲーム端末Tはサーバを介して情報を送受信するようにしてもよい。この場合、例えば、図5に示すゲーム開始までに各ゲーム端末Tにて行われる処理においては、ステップS10にて各ゲーム端末Tはプレイヤ情報をサーバへ送信し、サーバはアクセスしてきた2つのゲーム端末Tを組み合わせて1つのグループとして登録し、他機プレイヤPに関する他機情報を各ゲーム端末Tへ送信する。この際に、サーバは最初のサーブ権を与えるプレイヤP及び各領域R1、R2と各プレイヤP1、P2の対応付けも行い、これら情報を他機情報と共に送信する。
【0051】
ステップS12では、各ゲーム端末Tではサーバから取得した他機情報等を設定し、ステップS14にてゲーム開始待ち状態になる。サーバは他機情報を送信した後、所定時間後、開始情報を各ゲーム端末Tに送信する。ステップS14にて、開始情報を受信したゲーム端末Tでは、ステップS16にて、上述した形態と同じように、ゲーム開始画面が表示され、経過時間の計時が開始される。ゲーム中のボールBの表示に関する処理は、送受信される情報がサーバを経由する以外は図6に示す各ゲーム端末Tで行われる処理と同じである。
【符号の説明】
【0052】
GS ゲームシステム
N ネットワーク
T1、T2、T ゲーム端末
P1、P2、P プレイヤ
GI1、GI2、GI ゲーム画面
R1、R2、R 領域
C1、C2、C キャラクタ
B1、B2、B ボール
21 領域情報
60 ゲーム制御部
61 領域表示部
62 ショット情報決定部
63 ショット結果表示処理部
64 操作情報生成部
65 出現位置決定部
66 オブジェクト表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークを介して互いに情報の送受信可能な2つのゲーム端末を含み、
前記各ゲーム端末は、
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
所定のゲームが制御されるゲーム制御部と、
前記ゲームのゲーム画面が表示される画像表示部とを備え、
前記所定のゲームとして、前記各ゲーム端末に共通の仮想2次元空間において、自機を操作する自機プレイヤに対応する領域である自機領域と、他のゲーム端末を操作する他機プレイヤに対応する領域である他機領域との間で、各プレイヤの操作に応じて所定のオブジェクトを移動させるゲームが行われるゲームシステムであって、
前記各ゲーム端末は、
前記仮想2次元空間において、前記自機領域と前記他機領域とのそれぞれが所定の位置に対向配置された状態を、基本位置として記憶する領域情報を有する記憶部を更に備え、
前記各ゲーム端末のゲーム制御部は、
前記ゲーム画面として、前記自機領域の少なくとも一部を前記画像表示部に表示させる領域表示部と、
前記自機領域に移動してきたオブジェクトを打ち返す操作が前記自機プレイヤによってあると、その操作に応じて前記オブジェクトが打たれたショット位置、速度及び方向を示すショット情報を決定するショット情報決定部と、
前記ショット情報に基づいて、前記打ち返されたオブジェクトが前記自機領域にて移動するようすを前記画像表示部に表示させるショット結果表示処理部と、
前記ショット情報を含む操作情報を生成し、前記操作情報を他のゲーム端末へ送信する操作情報生成部と、
前記他のゲーム端末にて生成された操作情報を受信すると、前記操作情報に含まれるショット情報に基づいて、前記仮想2次元空間において、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置を求め、前記到達位置に基づいて前記オブジェクトの前記自機領域における出現位置を決定する出現位置決定部と、
前記自機領域において、前記オブジェクトを前記決定された出現位置に出現させ、かつ前記ショット情報に基づいて前記オブジェクトが前記自機領域を移動するようすを表示させるオブジェクト表示処理部とを更に有する、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記各ゲーム端末は、
前記ゲームの所定時点から経過時間を計時する経過時間計時部と、
前記オブジェクトを打ち返す操作があると、その操作のあった時の前記経過時間を操作タイミングとして取得する操作タイミング取得部と、
前記操作情報を受信すると、その受信した時の前記経過時間を受信タイミングとして取得する受信タイミング取得部とを更に有し、
前記領域情報において、前記仮想2次元空間における所定の距離が前記経過時間の所定量に対応するように設定され、
前記操作情報生成部は、前記ショット情報と前記操作タイミングとを含む操作情報を生成して送信し、
前記出現位置決定部は、
前記操作情報に含まれる操作タイミングと、前記受信タイミングとの差に基づいて通信時間を算出し、
前記仮想2次元空間において、前記自機領域を、前記通信時間に応じた距離だけ前記他機領域から離れる方向に移動させ、前記移動した自機領域における前記到達位置を、前記出現位置として決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記領域情報には、前記基本位置の自機領域を囲む自機周辺領域が設けられた状態が記憶され、
前記出現位置決定部は、
前記自機領域が前記通信時間に応じた距離だけ前記他機領域から離れるように、前記通信時間に応じて前記自機周辺領域を周方向に相似拡大させる、ことを特徴とする請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記自機領域と前記他機領域のそれぞれは、前記仮想2次元空間においてX軸方向の辺とY軸方向の辺で構成される矩形であり、
前記他機領域から離れる方向は、前記Y軸方向である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記出現位置決定部は、前記打ち返されたオブジェクトが前記他機領域から出るまでの他機領域時間を算出し、前記通信時間が前記他機領域時間以下である場合は、前記ショット情報に基づいて、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置を前記出現位置として決定する、ことを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ショット情報において設定されている速さを、前記通信時間に影響させる、ことを特徴とする請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記操作情報生成部は、前記ショット情報が所定の条件を満たす場合に、前記操作情報を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
他のゲーム端末と情報を送受信する通信部と、
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
所定のゲームが制御されるゲーム制御部と、
前記ゲームのゲーム画面が表示される画像表示部とを備え、
前記所定のゲームとして、前記他のゲーム端末と共通の仮想2次元空間において、自機を操作する自機プレイヤに対応する領域である自機領域と、前記他のゲーム端末を操作する他機プレイヤに対応する領域である他機領域との間で、各プレイヤの操作に応じて所定のオブジェクトを移動させるゲームが行われるゲーム端末であって、
前記仮想2次元空間において、前記自機領域と前記他機領域とのそれぞれが所定の位置に対向配置された状態を、基本位置として記憶する領域情報を有する記憶部を更に備え、
前記ゲーム制御部は、
前記ゲーム画面として、前記自機領域の少なくとも一部を前記画像表示部に表示させる領域表示部と、
前記自機領域に移動してきたオブジェクトを打ち返す操作が前記自機プレイヤによってあると、その操作に応じて前記オブジェクトが打たれたショット位置、速度及び方向を示すショット情報を決定するショット情報決定部と、
前記ショット情報に基づいて、前記打ち返されたオブジェクトが前記自機領域にて移動するようすを前記画像表示部に表示させるショット結果表示処理部と、
前記ショット情報を含む操作情報を生成し、前記操作情報を他のゲーム端末へ送信する操作情報生成部と、
前記他のゲーム端末にて生成された操作情報を受信すると、前記操作情報に含まれるショット情報に基づいて、前記仮想2次元空間において、前記他機領域におけるショット位置にて打ち返された前記オブジェクトが前記自機領域に到達する到達位置に基づいて出現位置を決定する出現位置決定部と、
前記自機領域において、前記オブジェクトを前記決定された出現位置に出現させ、かつ前記ショット情報に基づいて前記オブジェクトが前記自機領域を移動するようすを表示させるオブジェクト表示処理部とを更に有する、ことを特徴とするゲーム端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−143104(P2011−143104A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7126(P2010−7126)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】