説明

ゲームシステム

【課題】 ゲームに対する感情移入の度合いが従来に比べて格段に高く、また、コレクションという楽しみ方も可能なゲームシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも1基のカプセルベンダー(1)と; それぞれ所定のゲーム機によりゲームを行うために必要なデータが記録されたメモリ(33)を有し、上記カプセルベンダー(1)で販売される複数のカプセル入りの立体的物品(3)と; カプセル(4)から取り出した上記立体的物品(3)を所定の位置にセットしたとき、物品に備えられた上記メモリのデータを読み出してゲームが可能となる少なくとも1基のゲーム機(2)と; から構成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルベンダーと、それによって販売されるカプセル入りの立体的物品と、当該物品を使用することによりゲームを行うことができるゲーム機と、を組み合わせて成るゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機にカードベンダーを一体的に取り付け、これで購入したカードを用いてゲームを行ない得るようにしたゲーム装置は知られている。しかしながら、いわゆるプリペイドカードは今日多方面に広く普及しているため、カードの表面にゲーム内容特有の図柄をプリントして提供したとしても、これを購入したプレイヤーに対して強いインパクトを与えることはもはや困難な状況にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、所望のキャラクター等の形状を有する立体的物品を用いてゲームが可能なように構成することにより、その物品を見れば一目でゲーム内容が理解できると共に、その物品に対する愛着心を抱かせ、そのため、ゲームに対する感情移入の度合いがカードに比べて格段に高く、また、その物品をコレクションするという楽しみ方も可能な新規なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、少なくとも1基のカプセルベンダーと、それぞれ所定のゲーム機によりゲームを行うために必要なデータが記録されたメモリを有し、上記カプセルベンダーで販売される複数のカプセル入りの立体的物品と、カプセルから取り出した上記立体的物品を所定の位置にセットしたとき、物品に備えられた上記メモリのデータを読み出してゲームが可能となる少なくとも1基のゲーム機と、から構成されたことを特徴とするゲームシステムによって達成できる。
【0005】
上記立体的物品の形状は、ゲームと関連性を有する所望のキャラクターの形状とする。上記ゲーム機には、上記立体的物品のメモリの読取り及び書込み装置を設け、上記メモリの既存のデータを書き換え、又は、新たなデータを書き込み可能なように構成することが推奨される。また、上記立体的物品に備えられるメモリに、上記ゲーム機を介してプレイヤーが、自己の氏名、メッセージ等の所望のデータを書込み可能なように構成することも推奨される。更にまた、1個の立体的物品でゲーム可能な時間又はゲーム回数を定めると共に、各立体的物品のメモリに予めその物品に固有の識別コードを記録し、特定の1個の立体的物品では上記ゲーム可能な時間又はゲーム回数を超えてゲームすることは不可能なように構成することが望ましい。なお、上記カプセルベンダーとゲーム機は、両者を一体的に構成することも、或いはまた、両者を個別に分離して構成し、それぞれを任意の場所に配置可能とすることも可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上記の如く構成されるから、本発明によるときは、次のような作用効果を達成することができる。
(1)立体的物品のフィギュアの形をゲーム内容とリンクさせることにより、一目でゲームの内容を把握、確認することができる。
(2)アーケードゲームにおける記憶媒体は、従来はカードタイプのものしかなかったため、感情移入がしにくかったが、フィギュアを使用することによって感情移入度を高めることができる。
(3)フィギュアという形態を採用することにより、従来の単なる記憶媒体に新たな付加価値を与えることができ、コレクションの対象にするというような従来のカードタイプの記憶媒体にはなかった楽しみを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しつゝ本発明の構成を具体的に説明する。図1は、本発明に係るゲームシステムの一実施例を示す外観斜視図、図2は、ゲームを行うために本発明で用いられる立体的物品の一実施例を示す外観斜視図である。図中、1はカプセルベンダー、2はゲーム機、3は、カプセルベンダー1で販売され、ゲーム機2でゲームを行うために用いられる立体的物品、4は、立体的物品3を入れたカプセルである。
【0008】
ゲームを行おうとするプレイヤーは、先ずカプセルベンダー1で、カプセル4に入った立体的物品3を購入する。カプセルベンダー1は、それぞれに立体的物品3が入れられた多数のカプセル4を収納するカプセルストッカー11と、料金投入口12と、操作レバー13と、カプセル払出し口14等々を備え、プレイヤーが料金投入口12にコインを投入し、操作レバー13を押し下げると、カプセル払出し口14に任意の1個のカプセル4が無作為に払い出されるようになっている。図示したカプセルベンダー1は、操作レバー13を押し下げることによりカプセルが払い出される手動式のものであるが、電動式でコイン投入後にスイッチを押せばカプセルが払い出されるようなものとしてもよい。
【0009】
このようにしてプレイヤーが購入したカプセル4内には、それを用いてゲームを行うことが可能な立体的物品3が1個入っており、プレイヤーはカプセルから取り出した立体的物品3を、カプセルベンダー1の横に設けられているゲーム機2のデータ読取り/書込み口21にセットすることによって、ゲームを開始できるようになっている。
【0010】
立体的物品3は、例えば図2に示すように、ゲーム機2で行われるゲームに登場するキャラクターを模したフィギュア部31と、これを取り付ける台座部32とから成り、台座部32内には、ゲーム機2によりゲームを行うために必要なデータが記録されたメモリ33が封入されている。立体的物品3の形態に特別の制限はなく、カプセルに入れて販売でき、且つ、ゲーム機にセットしてメモリ33のデータの授受を行い得るものであれば、任意の形態でよい。カプセルから取り出したあと、組み立てる形式のものであってもよく、また、メモリ33を収容する台座部32を設けることなく、フィギュア部31内に直接メモリを封入するようにしてもよい。
【0011】
メモリ33としては、不揮発性のメモリが用いられ、接触式又は非接触式のいずれでもよく、例えばICカード等に用いられているものなどを好適に利用できる。読取り専用の最も簡易なものとしては、バーコードを印刷したラベルのようなものも含まれる。なお、メモリ33は、読取り及び書込みが可能なものが推奨され、ゲーム開始時には、予め記録されたデータが読み出されると共に、それらのデータは、プレイ中及び/又はプレイ終了時に変更され、或いは、更に新たなデータが書き込まれる。
【0012】
また、プレイ中、データはゲーム機内にストアされ、ゲーム途中でゲーム機から立体的物品3を取り外す不正行為に対しても整合を取ることができる。即ち、1個の立体的物品3でゲーム可能な時間又はゲーム回数等の許容範囲を定めると共に、各立体的物品のメモリ33に予めその物品に固有の識別コードを記録しておき、特定の1個の立体的物品では上記許容範囲を超えてゲームをすることはできないように構成することが望ましい。例えば、上記許容範囲に達した場合には、メモリ33にその旨を書き込んだり、ゲーム機内にその旨を記録しておき、次回同じ立体的物品3をセットして再度初期状態からゲームを行おうとしても、それを拒否するようにする。
【0013】
また、ゲーム機2に適宜の入力装置を設け、これを利用してプレイヤーがメモリ33に自己の氏名、メッセージ等の所望のデータを書込み可能なように構成することも推奨される。
【0014】
ゲーム機2のデータ読取り/書込み口21には、立体的物品3のメモリ33に接触してデータの読取り及び書込みを行うヘッドや、電磁波や光により非接触形式でデータの授受を行う装置等が設けられる。
【0015】
なお、立体的物品3を用いることなく、料金をゲーム機に直接払い込んでゲームを行うこともできるように、ゲーム機2自体に料金投入口22を設けることも推奨される。プレイヤーは、ディスプレイ装置25を見ながら、押しボタンスイッチ23やジョイスティック24を用いてゲームを行う。
【0016】
なお、図示した実施例においては、カプセルベンダー1がゲーム機2の脇に取り付けられる形で構成、配置されているが、ゲーム機2の頂部にカプセルストッカーを設け、料金投入口やカプセル払出し口をゲーム機の操作部近くに設けるようにすれば、一層省スペース化を図ることができる。また、カプセルベンダー1とゲーム機2を個別に分離して構成し、それぞれを任意の場所に配置可能とすることにより、1基のカプセルベンダーで購入した立体的物品を用いて、店内の各所に設置された任意のゲーム機でプレイできるようにすることも可能である。
【0017】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものでなく、カプセルベンダーやゲーム機、立体的物品、メモリの形態、等々は多種多様なものが可能であり、従って本発明はその目的の範囲内において上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るゲームシステムの一実施例を示す外観斜視図である。
【図2】ゲームを行うために本発明で用いられる立体的物品の一実施例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 カプセルベンダー
11 カプセルストッカー
2 ゲーム機
21 データ読取り/書込み口
3 立体的物品
31 フィギュア
33 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル入りの商品を多数収納するカプセルストッカー(11)と、料金投入口(12)と、操作装置(13)と、カプセル払出し口(14)とを具備し、料金投入口(12)に料金が投入され、操作装置(13)が操作されたときは、カプセルストッカー(11)に収納されたカプセル入りの商品の少なくとも1個を、カプセル払出し口(14)に払い出す少なくとも1基のカプセルベンダー(1)と、
それぞれ、ゲームに登場するキャラクターを模したフィギュア部(31)と、これを取り付ける台座部(32)と、所定のゲームを行うために必要なデータが記録されたメモリ(33)とからなり、所定のカプセル内に収容され、上記カプセルベンダー(1)で販売される、多数の立体的物品(3)と、
上記カプセルベンダー(1)から入手した上記立体的物品(3)が所定の位置にセットされたとき、その立体的物品(3)に備えられた上記メモリのデータを読み出し得る読出装置を備え、その読み出し装置により読み出したゲームデータと、予め記録されたゲームプログラムにより、ゲームが可能となる少なくとも1基のゲーム機(2)と、
から構成されたことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
上記カプセルベンダー(1)とゲーム機(2)を一体的に構成した請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
上記カプセルベンダー(1)とゲーム機(2)を個別に分離して構成し、それぞれを任意の場所に配置可能とした請求項1に記載のゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−246242(P2008−246242A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180963(P2008−180963)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【分割の表示】特願2000−351155(P2000−351155)の分割
【原出願日】平成12年11月17日(2000.11.17)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】