説明

ゲーム制御プログラムおよびゲーム装置

【課題】 ポインティング手段による連続的な方向操作入力を容易にする。
【解決手段】 画像IMの右左上下の周辺に、方向指示領域(AR1、AR2、AR3、AR4)がそれぞれ設定され、ポインティングデバイス(1100)による指示座標がこれらの領域に含まれたときに、ゲーム装置(GM)は、これら領域に対応した方向指示が為されたと判断する。方向指示は、指示座標が右側領域AR1のとき右方向、指示座標が左側領域AR2のとき左方向、指示座標が上側領域AR3のとき上方向、指示座標が下側領域AR4のとき下方向の方向指示とされる。
このように、領域AR1〜AR4に基づく方向指示を行うことにより、連続的な方向操作入力が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインティングデバイスを備えたゲーム装置およびそのゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポインティングデバイスによる、アナログ的操作入力は、方向キー等によるデジタル的操作入力に比較して、操作性が極めて良好であるため、その用途はさらに拡がる傾向にある。
【0003】
特許文献1には、ディスプレイ上に設置された発光体をフォトセンサによって検出し、ディスプレイに表示されたオブジェクトに狙いを定める(照準位置を設定する。)ポインティングデバイスを備えたゲーム装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ラスター走査線によるディスプレイにおけるポインティングデバイスが開示されている。
【特許文献1】特開2007−61271号公報
【特許文献2】特開2001−46744号公報(特許第4037568号公報)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような技術を用いた場合では直感的に座標をポインティングするような目的には有効なものの、例えば指示に従って正確なタイミングで上下左右方向の入力操作を行うことで進行するゲーム等において、連続的な方向操作を入力する用途に単純に応用した場合では、プレーヤの意図したポインティング、方向入力を正確に機械操作によって入力させることは困難であり、アナログ的ポインティング操作を有効に活用することができなかった。
【0006】
本発明は、このような背景の基に創案されたもので、ポインティングデバイスによって、連続的な方向入力操作を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示手段と、前記表示手段にゲーム画像を表示する画像生成手段と、前記ゲーム画像の座標系における座標を指示するポインティング手段と、前記ポインティング手段によって指示された座標を検出する座標検出手段と、前記座標検出手段によって検出された座標に基づいてゲーム制御信号を生成するゲーム制御信号生成手段とを備えたゲーム装置のためのゲーム制御プログラムであって、前記ゲーム画面の座標系に、方向指示のための領域を設定する方向指示領域設定ステップと、ゲーム実行開始時に、座標検出手段が検出した座標を所定の基準座標に変換した変換座標系を生成するとともに、該変換座標系で、前記方向指示のための領域を設定する変換座標系設定ステップと、前記座標検出手段によって検出される座標を前記変換座標系の座標に変換する検出座標変換ステップと、前記検出座標変換ステップによって変換された座標(変換座標という。)が、変換座標系設定ステップで設定された前記方向指示のための領域(変換方向指示領域という。)に含まれるか否かを判断する方向判断ステップと、前記方向判断ステップによって、前記変換座標が前記変換方向指示領域内に含まれたと判断されたときに、該変換方向指示領域によって指示された方向指示に対応したゲーム制御信号を生成する方向制御信号生成ステップとを前記ゲーム制御信号生成手段に実行させる。
【0008】
これによって、ポインティング手段による連続的な方向操作入力が容易になる。
【0009】
本発明は、表示手段と、前記表示手段にゲーム画像を表示する画像生成手段と、前記ゲーム画像の座標系における座標を指示するポインティング手段と、前記ポインティング手段によって指示された座標を検出する座標検出手段と、前記座標検出手段によって検出された座標に基づいてゲーム制御信号を生成するゲーム制御信号生成手段とを備えたゲーム装置であって、前記ゲーム制御信号生成手段は、前記ゲーム画面の座標系に、方向指示のための領域を設定する方向指示領域設定手段と、ゲーム実行開始時に、座標検出手段が検出した座標を所定の基準座標に変換した変換座標系を生成するとともに、該変換座標系で、前記方向指示のための領域を設定する変換座標系設定手段と、前記座標検出手段によって検出される座標を前記変換座標系の座標に変換する検出座標変換手段と、前記検出座標変換手段によって変換された座標(変換座標という。)が、変換座標系設定手段で設定された前記方向指示のための領域(変換方向指示領域という。)に含まれるか否かを判断する方向判断手段と、前記方向判断手段によって、前記変換座標が前記変換方向指示領域内に含まれたと判断されたときに、該変換方向指示領域によって指示された方向指示に対応したゲーム制御信号を生成する方向制御信号生成手段とを備える。
【0010】
これによって、ポインティング手段による連続的な方向操作入力が容易になる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ポインティング手段による連続的な方向操作入力が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
[ゲーム装置]
図1は、本発明に係るゲーム装置の実施例1の使用状況を示す斜視図、図2は、図1のゲーム装置を示すブロック図、図3は、図1のゲーム装置を示す機能ブロック図である。
【0014】
図1に示すように、ゲーム装置GMは本体1000およびポインティングデバイス(ポインティング手段)1100を備え、本体1000にはディスプレイ2000が接続されている。ゲーム装置本体1000はディスプレイ2000のスピーカ2020に接続され、実行されるゲームの音響を出力し得る。
【0015】
ディスプレイ2000近傍所定位置、例えばディスプレイ2000上所定位置には、一対の発光ダイオードモジュール3000、3020が配置され、ポインティングデバイス1100は、発光ダイオードモジュール3000、3020から発光される光を検出する。
【0016】
図2に示すように、ポインティングデバイス1100は、発光ダイオードモジュール3000、3020から発光される光を検出するフォトセンサ1120、複数の操作入力スイッチ1140および加速度センサ1150が設けられている。さらに、ポインティングデバイス1100は、フォトセンサ1120が撮影した画像における、発光ダイオードモジュール3000、3020から発光される光の位置に基づいて、ポインティングデバイス1100が指示する画像IM上の座標を算出する画像情報演算部1160(図4:座標検出手段4010)を備える。指示座標の算出に関しては特許文献1に詳述されている。なお、特許文献2に示すように、ラスター走査線によるディスプレイにおける座標検出も当然可能である。
【0017】
なお、座標検出手段4010を画像情報演算部1160および加速度センサ1150によって構成し、発光ダイオードモジュール3000、3020の画像にもとづく画像情報演算部1160の演算結果とともに、加速度センサ1150によるポインティングデバイス1100の動きの検出結果を用いて、指定座標あるいは指定座標変化を検出してもよい。
【0018】
ゲーム装置本体1000は、ゲーム装置GM全体を制御するCPU1010、基本ソフトウエアやゲーム制御プログラム等が格納されるROM1030、プログラム実行のための種々のデータ等を格納するシステムメモリ1020、スピーカ2020を駆動するための音響信号を発生する音響信号発生回路1040、ディスプレイ2000に表示すべき映像IMのための映像信号を発生する映像信号発生回路1050を備える。音響信号発生回路1040および映像信号発生回路1050は、インターフェース1060を介して、CPU1010、ROM1030、システムメモリ1020に接続されている。
【0019】
図1において、ディスプレイ2000に表示される画像IMには、その右左上下の周辺に、領域(方向指示領域という。)AR1、AR2、AR3、AR4がそれぞれ設定され、ポインティングデバイス1100による指示座標がこれらの領域に含まれたときに、ゲーム装置GMは、これら領域に対応した方向指示が為されたと判断する。方向指示は、指示座標が右側領域AR1のとき右方向、指示座標が左側領域AR2のとき左方向、指示座標が上側領域AR3のとき上方向、指示座標が下側領域AR4のとき下方向の方向指示とされる。
【0020】
領域AR1〜AR4の形状は、XY方向に沿った長方形、その他、任意の形状を採用し得る。
【0021】
長方形領域の場合、領域AR1のX座標範囲X11〜X12、Y座標範囲Y11〜Y12、領域AR2のX座標範囲X21〜X22、Y座標範囲Y21〜Y22、領域AR3のX座標範囲X31〜X32、Y座標範囲Y31〜Y32、領域AR4のX座標範囲X41〜X42、Y座標範囲Y41〜Y42、領域ARv1のX座標範囲Xc11〜Xc12、Y座標範囲Yc11〜Yc12、領域ARv2のX座標範囲Xc21〜Xc22、Y座標範囲Yc21〜Yc22、領域ARv3のX座標範囲Xc31〜Xc32、Y座標範囲Yc31〜Yc32、領域ARv4のX座標範囲Xc41〜Xc42、Y座標範囲Yc41〜Yc42とするとき、座標変換によって、XcijをXijに変換し、YcijをYijに変換する(i=1,2、j=1,2)。
【0022】
このように、領域AR1〜AR4に基づく方向指示を行うことにより、連続的な方向操作入力が容易である。
【0023】
画像IMの所定位置、例えば中央には、方向指示に関する基準位置RPが設定され、後述する変換座標系設定の基準となる。
【0024】
例えば、画面IMにダンサーのオブジェクトOB1、OB2、OB3が表示され、ダンサーの動きの方向を、ダンスのリズムに合わせて指示するダンスシミュレーションゲームに際して、ポインティングデバイス1100による方向指示が可能である。
【0025】
図3に示すように、CPU1010、システムメモリ1020および映像信号発生回路1050は、協働して、画像IMを生成する画像生成手段4000として機能する。
【0026】
CPU1010およびシステムメモリ1020は、協働して、ポインティングデバイス1100による指示座標に基づいてゲームを制御するためのゲーム制御信号を生成するゲーム制御信号生成手段4100として機能する。
【0027】
CPU1010およびシステムメモリ1020は、協働して、画像IMにおける領域AR1〜AR4を設定する方向指示領域設定手段4110として機能する。
【0028】
[キャリブレーション]
図4は、図1のゲーム装置におけるキャリブレーションの概念を示す図、図5は、図4のキャリブレーションの具体例を示す図である。
【0029】
図4において、ポインティングデバイス1100による当初の指示座標が基準位置PRであったとき(図1では十字型カーソルが基準位置RPにあり、指示座標が基準位置RPであることを示す。)、その後の方向指示は、上下左右全ての方向について、同様の振れ幅となり、遊戯者は自然な感覚で、方向指示を行うことができる。
【0030】
しかし、図4の現在位置CPで示すように、基準位置RPから左下方向に変位した位置から方向指示が開始されるとき、領域AR1〜AR4による方向指示では、左右、上下のバランスが悪く、方向指示の誤入力が生じる可能性がある。
【0031】
そこで、現在位置CPを基準位置RPに変換するキャリブレーションを実行する。このとき、位置RPの座標(X0,Y0)、位置CPの座標(Xc,Yc)とするとき、位置CPはX座標について(X0−Xc)、Y座標について(Y0−Yc)の変位が与えられる。
【0032】
キャリブレーションの結果、現在位置CPを中心とした座標指示を、領域AR1〜AR4に基づく方向指示に変換することになる。これは、図4において二点鎖線で示すように、現在位置CPを中心にした領域(変換方向指示領域という。)ARv1、ARv2、ARv3、ARv4を、領域AR1〜AR4に対応して設定することに相当し、指示座標がいずれかの変換方向指示領域ARv1、ARv2、ARv3、ARv4に含まれたときに、対応領域AR1〜AR4による方向指示とみなす。これによって、自然な入力動作による方向指示が可能である。
【0033】
領域ARv1〜ARv4のサイズ、現在位置CPとの位置関係は、領域AR1〜AR4のサイズ、基準位置RPとの位置関係と必ずしも同一である必要はない。例えば、ポインティングデバイス1100による充分な座標指示精度が得られる範囲等を考慮して設定される。
【0034】
キャリブレーションの実行は、ゲーム実行開始時、ゲームにおいて方向指示を実行すべき状況になった時点、遊戯者が操作入力スイッチ1140等による入力を行った時点等、種々のタイミングを採用し得る。また、ポインティングデバイス1100の指示座標を画面IMの外に移動させることによって、キャリブレーションを実行することも可能である。例えば、ダンスシミュレーションゲームにおいては、ダンサーオブジェクトOB1がお手本となるダンスを演じ、その後、遊戯者が、ダンサーオブジェクトOB1の動きに同調して、お手本に習った方向指示を開始する時点でキャリブレーションを実行することにより、良好な操作性を得ることができる。
【0035】
CPU1010およびシステムメモリ1020は、協働して、変換座標系を設定する変換座標系設定手段として機能する。
【0036】
キャリブレーション後の指示座標は、変換座標系に変換され、領域AR1〜AR4に基づく方向指示判断に適用される。
【0037】
CPU1010およびシステムメモリ1020は、協働して、指示座標を変換座標系に変換する検出座標変換手段として機能し、さらに、指示座標が領域AR1〜AR4に含まれるか否かの判断を行う方向判断手段として機能する。
【0038】
さらに、CPU1010およびシステムメモリ1020は、協働して、方向判断手段の判断結果に基づいて、方向制御信号生成手段4150として機能し、方向制御信号に基づいて、ゲーム制御信号生成手段1140に、ゲーム制御を実行させる。
【0039】
図5に示すように、変換方向指示領域ARv1、ARv2、ARv3、ARv4は、例えば、領域AR1〜AR4設定位置に対応して設定され、ポインティングデバイス1100による充分な座標指示精度を確保し得る。
【0040】
例えば、現在位置CP(Xc,Yc)が、基準位置RPに対して、領域AR2方向(左方向)、AR4方向(下方向)に変位していたとき、変換方向指示領域ARv2の右X座標Xc22を領域ARの右X座標X22に一致させ、変換方向指示領域ARv4の上Y座標Yc42を領域ARの上Y座標Y42に一致させる。
【0041】
このとき、基準位置RPから領域AR1、AR2、AR3、AR4までの距離をXR、XL、YU、YDとし、X0−Xc=ΔX、Y0−Yc=ΔYとするとき、位置CPから領域ARv2、ARv4までの距離は、それぞれ|XL−ΔX|、|YD−ΔY|となる。
【0042】
一方、領域ARv1、ARv3は、例えば、位置CPについて、それぞれ、領域ARv2、ARv4に対して対称に形成され、領域AR1、AR3よりも内側に配置される。これによって、良好な座標指示精度を保証し得る。
【0043】
なお、座標指示精度を確保し得る範囲で、変換方向指示領域ARv1、ARv2、ARv3、ARv4を非対称の配置、形状とすることも可能である。
【0044】
[ゲーム制御プログラム]
次に、実施例1のゲーム装置において実行されるゲーム制御プログラムについて説明する。
【0045】
図10は、図1のゲーム装置で実行されるゲーム制御プログラムの処理を示すフローチャート、図11は、図10の入力判定の処理を示すフローチャート、図12は、図11の方向指示判断の処理を示すフローチャートである。
【0046】
図10において、ゲーム制御プログラムは、以下の各ステップの処理を、ゲーム装置本体1000に実行させる。
【0047】
ステップS1001:まず、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、実行されるゲーム、例えば、ダンスシミュレーションゲームを初期設定する。
【0048】
ステップS1002:ステップS1001に続いて、CPU1000、システムメモリ1020、映像信号生成回路1050、音響信号発生回路1040によって、お手本のダンスの画像、音響を出力する。
【0049】
ステップS1003:ステップS1002に続いて、ポインティングデバイス1100による入力を、ゲーム制御信号生成手段4100によって判定する。
【0050】
ステップS1004:ステップS1003に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、入力判定の結果、遊戯者の入力が優秀なものであったか否かを判断する。優秀であったときは、ステップS1005に進み、優秀でなかったときは、ステップS1006に進む。
【0051】
ステップS1005:CPU1000およびシステムメモリ1020、映像信号生成回路1050、音響信号発生回路1040によって、遊戯者にポイントを提供する処理を実行する。
【0052】
ステップS1006:CPU1000およびシステムメモリ1020によって、ゲームの最終のプレーであったか否か判断する。最終プレーであったときは、そのまま処理を終了し、最終プレーでなかったときはステップS1007に進む。
【0053】
ステップS1007:CPU1000およびシステムメモリ1020によって、次のプレーを設定し、ステップS1002に戻る。
【0054】
図11において、ゲーム制御プログラムは、以下の各ステップの処理を、ゲーム装置本体1000に実行させることによって、入力判定の処理(ステップS1003)を実行する。
【0055】
ステップS1101:まず、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、ダンスシミュレーションゲームにおける内部リズムカウンタ(図示省略)を初期化する。内部リズムカウンタは、CPU1010内部のカウンタ等によって実現される。
【0056】
ステップS1102:ステップS1101に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、前記お手本のダンスの出力のタイミングを設定する。
【0057】
ステップS1103:ステップS1102に続いて、ゲーム制御信号生成手段4100によって、ポインティングデバイス1100の方向指示を判断する。
【0058】
ステップS1104:ステップS1103に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、所定サンプリング回数の方向指示の判断が終了したか否かを判断する。所定回数の判断が終了したときは、ステップS1105に進み、所定回数の判断が為されていないときはステップS1103に戻る。
【0059】
ステップS1105:CPU1000およびシステムメモリ1020によって、遊戯者のポインティングデバイス1100による方向指示入力を評価し、スコアの加減算を実行させる。
【0060】
ステップS1106:ステップS1105に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、遊戯者のライフ(ゲーム継続ポイントまたは時間)の加減算を実行する。その後、処理を終了する。
【0061】
図12において、ゲーム制御プログラムは、以下の各ステップの処理を、ゲーム装置本体1000に実行させることによって、方向指示判断の処理(ステップS1103)を実行する。図12の処理では、ポインティングデバイス1100の指示座標が、所定の座標領域よりも外側の領域に達した場合に、該領域の座標検出に応じて、キャリブレーションを実行する。
【0062】
ステップS1201:まず、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、現在位置CPの指示座標(Xc,Yc)を読み込む。
【0063】
ステップS1202:ステップS1201に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、現在位置CPが画面IM内であるか否かを判断する。現在位置CPが画面IM内のときはステップS1204に進み、画面IM外のときはステップS1203に進む。
【0064】
ステップS1203:CPU1000およびシステムメモリ1020によって、次回の方向指示判断の処理でキャリブレーションを実行するための、キャリブレーションフラグをONにする。
【0065】
ステップS1204:CPU1000およびシステムメモリ1020によって、キャリブレーションフラグがONか否かを判断する。キャリブレーションフラグがONのときはステップS1205に進み、キャリブレーションフラグがONでないときはステップS1206にジャンプする。
【0066】
ステップS1205:キャリブレーションを実行し、ステップS1206に進む。
【0067】
ステップS1206:ステップS1205に続いて、CPU1000およびシステムメモリ1020によって、方向指示を取得し、そのまま処理を終了する。
【実施例2】
【0068】
次に、本発明に係るゲーム装置の実施例2を説明する。
[ゲーム装置]
【0069】
図6は、本発明に係るゲーム装置の実施例2の使用状況を示す斜視図、図7は、図6のゲーム装置を示すブロック図、図8は、図6のゲーム装置を示す機能ブロック図、図9は、図6のポインティングデバイスによる方向指示の概念を示す図である。なお、図中、実施例1と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0070】
実施例1は、ポインティングデバイス1100側で座標検出を実行したが、ゲーム装置本体1000において座標検出を実行することも可能である。
【0071】
図6〜図9において、ポンティングデバイス1200は、長尺のワンド(杖)状に形成され、複数の発光部3040、3060および操作入力スイッチ1140が設けられている。一方、ディスプレイ2000近傍所定位置、例えばディスプレイ2000上所定位置には、発光部3040、3060を検出するビデオカメラ3100が配置され、ビデオカメラ3100はゲーム装置本体1000に接続されている。発光部3040、3060は、発光ダイオードモジュール3000、3020と同様の発光機能を有する。
【0072】
ビデオカメラ3100は、発光部3040、3060が発した光を検出し、ゲーム装置本体1000は、その位置関係に基づいて座標指示、方向指示を検出する。
【0073】
図9に示すように、発光部3040、3060の位置関係、例えば、ワンド1200の中心線CLの鉛直下方からの角度θ1、θ2をX座標に対応付け、発光部3040から発光部3060までの高さH1、H2をY座標に対応付けることができる。あるいは、角度θ1からθ2への変化、高さH1からH2への変化をX座標、Y座標の変化に対応付けることができる。
【0074】
図7に示すように、ビデオカメラ3100はインターフェース1060を介してCPU1010およびシステムメモリ1020に接続されている。
【0075】
図8に示すように、CPU1010およびシステムメモリ1020は、ビデオカメラ3100で取得した発光部3040、3060の画像に基づいて座標、あるいは座標変化を検出する座標検出手段として機能する。
【0076】
[キャリブレーションによって得られる特徴]
このように、随時キャリブレーションを行うことによる効果を特に得られる場合としては以下のような状況が考えられる。
【0077】
例えば、時間情報と入力された「上」「下」「左」「右」等の4方向の操作入力情報によってゲームの進行制御が行われるようなダンスゲーム、画面の表示や音声による指示情報に応じて2個以上のコントローラを右手と左手に持って上下の2方向に上げ下げを行う旗上げゲームなどである。
【0078】
上記のダンスゲームの場合を例にして、例えば「上」、「上」と連続して素早く2回連続で上方向にポインティングデバイスを用いて入力を行う場合、単純に特許文献1のような従来技術による方法でそのような動作を行うと、ポインティングデバイスを一度上方向に傾け、素早くニュートラル位置である領域IMにポインティング位置を戻し、そして再度上方向に傾けるという入力を行うことになるが、遊戯者がある程度操作を習熟している場合でも、例えば急いで入力を行うことに対して手が左右にぶれてしまったり、またはニュートラル位置である領域IMを飛び越えて逆方向の領域(この場合では上方向の逆の下方向への入力領域)までポインティング位置が入り込んでしまうことで入力ミスと判定されることが想定される。
【0079】
しかし、本願のように一度何れかの領域(この場合であれば上方向の入力領域)への入力があった時点でキャリブレーションを行うことで、遊戯者本人がニュートラル位置である領域IMでなく例えば手がぶれて左右にそれた場合や勢いあまって反対方向に行ってしまった場合でも、その位置をニュートラル位置(いずれの方向にも入力をしていない位置)である領域IMとしてソフト側が再設定を行うことでそのような誤入力を回避することが可能となる。
【0080】
また、併せて加速度センサを併用することで、例えば何れかの入力領域に入力を行った際の加速度センサへの信号入力に対して、その後の反対方向への加速度センサの反応があった場合にのみキャリブレーションをすることにより、更に誤入力回避の精度を高めることが可能となる。
【0081】
他に、例えば連続して「下」、「左」と入力をするような場合にも本願発明はその効果を発揮する。
【0082】
例えば、「下」、「左」と入力をすべき場合には、遊戯者が操作に熟達していない場合には一度ニュートラル位置である領域IMにもどさずに、下、左とコントローラを傾けることで、結果として下方向への入力を行ったあとに斜め左下方向に入力を行い、結果として左方向への操作入力が判定されずミスとなってしまい、本人は正しく入力を行ったつもりでもゲーム進行上は上手に操作できなかったこととなり、興味をそがれるような場合があった。
【0083】
しかし、本願のような処理を行った場合では、下方向への領域の検出の後にキャリブレーション処理が行われることで、そのまま左方向に入力(実際には左斜め下方向)した場合でも、操作信号の処理は「左」、「下」と入力されたこととなり、より手軽に遊戯者自身の意図を反映したゲーム進行制御が可能となる。
【0084】
更に、前述のように加速度センサを併用したキャリブレーションを行うことで、従来技術の場合のように、下方向に向けて入力し、一度中央位置に戻して、更に左方向に入力した場合でも、下方向に向けて入力し、そのまま中央位置に戻さずに左方向に入力を行った場合でも、同様にゲーム進行制御を行うことが可能となり、従来技術を用いた場合(キャリブレーションを行わない場合)よりもより多くの遊戯者に対して軽快且つ簡易に連続した方向操作入力を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、座標あるいは座標変化を指示し得るポインティングデバイスを備えた、任意のゲーム装置、ゲーム制御プログラムに適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係るゲーム装置の実施例1の使用状況を示す斜視図である。
【図2】図1のゲーム装置を示すブロック図である。
【図3】図1のゲーム装置を示す機能ブロック図である。
【図4】図1のゲーム装置におけるキャリブレーションの概念を示す図である。
【図5】図4のキャリブレーションの具体例を示す図である。
【図6】本発明に係るゲーム装置の実施例2の使用状況を示す斜視図である。
【図7】図6のゲーム装置を示すブロック図である。
【図8】図6のゲーム装置を示す機能ブロック図である。
【図9】図6のポインティングデバイスによる方向指示の概念を示す図である。
【図10】図1のゲーム装置で実行されるゲーム制御プログラムの処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の入力判定の処理を示すフローチャートである。
【図12】図11の方向指示判断の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
AR1、AR2、AR3、AR4 領域
ARv1、ARv2、ARv3、ARv4 変換方向指示領域
IM 画像
GM ゲーム装置
RP 基準位置
OB1、OB2、OB3 オブジェクト
1000 ゲーム装置本体
1010 CPU
1020 システムメモリ
1030 ROM
1040 音響信号発生回路
1050 映像信号発生回路
1060 インターフェース
1070、1080 通信インターフェース
1100、1200 ポインティングデバイス
1120 フォトセンサ
1140 操作入力スイッチ
1150 加速度センサ
1160 画像情報演算部
2000 ディスプレイ
2020 スピーカ
3000、3020 発光ダイオードモジュール
3040、3060 発光部
3100 ビデオカメラ
4000 画像生成手段
4100 座標検出手段
4110 方向指示領域設定手段
4120 変換座標系設定手段
4130 検出座標変換手段
4140 方向判断手段
4150 方向制御信号生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段にゲーム画像を表示する画像生成手段と、
前記ゲーム画像の座標系における座標を指示するポインティング手段と、
前記ポインティング手段によって指示された座標を検出する座標検出手段と、
前記座標検出手段によって検出された座標に基づいてゲーム制御信号を生成するゲーム制御信号生成手段と、
を備えたゲーム装置のためのゲーム制御プログラムであって、
前記ゲーム画面の座標系に、方向指示のための領域を設定する方向指示領域設定ステップと、
ゲーム実行開始時に、座標検出手段が検出した座標を所定の基準座標に変換した変換座標系を生成するとともに、該変換座標系で、前記方向指示のための領域を設定する変換座標系設定ステップと、
前記座標検出手段によって検出される座標を前記変換座標系の座標に変換する検出座標変換ステップと、
前記検出座標変換ステップによって変換された座標(変換座標という。)が、変換座標系設定ステップで設定された前記方向指示のための領域(変換方向指示領域という。)に含まれるか否かを判断する方向判断ステップと、
前記方向判断ステップによって、前記変換座標が前記変換方向指示領域内に含まれたと判断されたときに、該変換方向指示領域によって指示された方向指示に対応したゲーム制御信号を生成する方向制御信号生成ステップと、
を前記ゲーム制御信号生成手段に実行させるゲーム制御プログラム。

【請求項2】
表示手段と、
前記表示手段にゲーム画像を表示する画像生成手段と、
前記ゲーム画像の座標系における座標を指示するポインティング手段と、
前記ポインティング手段によって指示された座標を検出する座標検出手段と、
前記座標検出手段によって検出された座標に基づいてゲーム制御信号を生成するゲーム制御信号生成手段と、
を備え、
前記ゲーム制御信号生成手段は、
前記ゲーム画面の座標系に、方向指示のための領域を設定する方向指示領域設定手段と、
ゲーム実行開始時に、座標検出手段が検出した座標を所定の基準座標に変換した変換座標系を生成するとともに、該変換座標系で、前記方向指示のための領域を設定する変換座標系設定手段と、
前記座標検出手段によって検出される座標を前記変換座標系の座標に変換する検出座標変換手段と、
前記検出座標変換手段によって変換された座標(変換座標という。)が、変換座標系設定手段で設定された前記方向指示のための領域(変換方向指示領域という。)に含まれるか否かを判断する方向判断手段と、
前記方向判断手段によって、前記変換座標が前記変換方向指示領域内に含まれたと判断されたときに、該変換方向指示領域によって指示された方向指示に対応したゲーム制御信号を生成する方向制御信号生成手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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