説明

ゲーム機のプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システム

【課題】
時間貸しプレイにおいて不正行為を防止できるプレイ可能信号出力装置を提供する。
【解決手段】
複数のゲーム機にそれぞれ対応して配置され、前記対応するゲーム機に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号を出力するプレイ可能信号出力装置であって、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報と、過去最後にプレイしたゲーム機および日時を特定可能なプレイ履歴情報と、を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された前記プレイ有効期限情報および前記プレイ履歴情報と、前記過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止時間を示すプレイ禁止規制時間情報とに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かを判定するプレイ可否判定部と、前記プレイ可否判定部による判定結果に基づき、前記プレイ可能信号を生成するプレイ可能信号生成部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機において所定時間プレイ回数に制限のないプレイ形態を実現するプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムに関し、詳しくは、現在プレイ中のゲーム機を除く他のゲーム機でのプレイを所定時間禁止するプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタ等のアーケードゲーム施設に設置されたゲーム機では、1プレイにつき所定の対価を支払う形態のプレイが一般的であるが、支払い金額の対価として所定時間のフリープレイを可能とする、所謂「時間貸し」と呼ばれるプレイ形態も知られており、例えば、特許文献1〜4にはその種の技術が開示されている。
【0003】
特許文献1の機器・施設利用管理方法では、磁気記録カードに所定の時間データを記録しておき、ゲーム機の利用時間に応じて時間データを減じることで、時間データが零を示す値となるまで、ゲーム機の利用を可能としている。
【0004】
特許文献2のプレイ信号生成装置では、ICカードに記憶されたプレイ時間に関するプレイ情報を読み取り、読み取られたプレイ情報に基づいてプレイ可能か否かを判定し、プレイ可能の場合にプレイ開始信号を生成してゲーム機に送信することにより、所定時間のフリープレイを可能としている。
【0005】
特許文献3の遊技システムでは、プリペイドカードが発行される際に、固有のカード番号がプリペイドカードに記録されると共に、支払われた対価に応じて玉の貸出可能時間(遊技可能時間)が設定され、カード番号および貸出可能時間が管理装置に送信される。カードユニットはプリペイドカードに記録されたカード番号を読込んで、カード番号に対応する貸出可能時間を管理装置より受信し、貸出可能時間が経過するまでは遊技を連続して行うことを可能としている。
【0006】
特許文献4の遊技場システムでは、遊技記録媒体発行機により発行された遊技記録媒体に識別情報を記録しておき、遊技ユニット毎に設置された遊技記録媒体管理端末が遊技記録媒体に記録された識別情報を読み取る。読み取られた識別情報は遊技記録媒体管理端末から中央管理装置へ送信され、中央管理装置は送信された識別情報に基づいて投入金額を確認し、遊技可能時間を算出する。中央管理装置は遊技可能時間情報を遊技記録媒体管理端末に送信し、遊技記録媒体管理端末は遊技可能時間だけ遊技を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−129682号公報(図1、段落番号0015〜0019)
【特許文献2】特開2009−160325(図1〜4、段落番号0022〜0023、段落番号0035〜0040)
【特許文献3】特開2002−355430号公報(図1〜4、段落番号0012〜0015)
【特許文献4】特開2005−87645号公報(図1、段落番号0031〜0036
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ゲーム機には支払われた対価に相当するプレイ回数(1回から所定上限回数までのプレイ回数)を保留できるクレジットと呼ばれる機能が設けられており、この機能は時間貸しプレイにおいても利用可能である。例えば、特許文献2のプレイ信号生成装置にクレジット機能を適用すれば、フリープレイ中の操作回数に応じたプレイ開始信号がプレイ信号生成装置からゲーム機に送信され、操作回数分のプレイがゲーム機にクレジットされる。
【0009】
このように時間貸しプレイにおいてクレジット機能を利用すると、1つの記録媒体を複数の遊技者が利用する、所謂「又貸し」と呼ばれる不正行為が可能になるという問題がある。すなわち、時間貸しプレイ可能な時間内であれば、同じ記録媒体を用いて複数のゲーム機に次々にクレジットできるため、1つの記録媒体により複数のゲーム機での同時プレイが可能となってしまう。また、1人の遊技者がこの行為を行った場合、時間貸しプレイ可能な時間内に複数のゲーム機が1人の遊技者に占有されてしまい、他の遊技者のゲーム機の利用を妨げることになる。したがって、ゲーム場の収益を悪化させるばかりか、ゲーム場の運営に支障が生じる虞もある。特許文献1〜4に開示されたいずれの技術においても、こうした不正行為を防止できないという問題がある。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、時間貸しプレイにおいて不正行為を防止できるプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることのないプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、時間貸しプレイにおいて複数のゲーム機の同時プレイを禁止できるプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ゲーム場の運営に支障が生じるのを防止するプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムを提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明および添付図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明にかかるプレイ可能信号出力装置、ゲーム機およびゲーム場運営システムは以下のように構成される。
【0012】
(1)本発明のプレイ可能信号出力装置は、複数のゲーム機にそれぞれ対応して配置され、前記対応するゲーム機に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号を出力するプレイ可能信号出力装置であって、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報と、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報と、を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された前記プレイ有効期限情報および前記プレイ履歴情報と、前記過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報とに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かを判定するプレイ可否判定部と、前記プレイ可否判定部による判定結果に基づき、前記プレイ可能信号を生成するプレイ可能信号生成部と、を備えるプレイ可能信号出力装置である。
【0013】
本発明のプレイ可能信号出力装置では、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報および過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報に基づいてプレイ可能であるか否かが判定され、その判定結果に基づいてプレイ可能信号が生成される。そのため、現在のゲーム機と過去最後にプレイしたゲーム機とが相違し、かつ、過去最後にプレイした時刻からプレイ禁止規制時間が経過していない場合、プレイ不可と判定してプレイ可能信号を出力しないようにできる。換言すれば、プレイ禁止規制時間中は複数のゲーム機でのプレイを禁止できる。よって、時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることがなく、又貸しの不正行為が防止されるので、当該不正行為に起因してゲーム場の運営に支障が生じることがない。
なお、本発明において、「有効期限」は有効性が保たれる時刻、日時、期間等を含む概念である。
【0014】
(2)本発明のプレイ可能信号出力装置の好ましい例では、上記(1)のプレイ可能信号出力装置において、装置識別情報を保持する装置識別情報保持部を有し、前記対応するゲーム機が前記装置識別情報により特定される。この場合、プレイ可能信号出力装置の装置識別情報に基づいてゲーム機が特定できるので、ゲーム機において識別情報を必要としない。そのため、ゲーム機の入れ替えが行われても当該プレイ可能信号出力装置をそのまま使用できる利点がある。
【0015】
(3)本発明のプレイ可能信号出力装置の他の好ましい例では、上記(2)のプレイ可能信号出力装置において、前記情報取得手段が、記録媒体に記録された前記プレイ有効期限情報および前記プレイ履歴情報を読み取る読取部を含んでいる。この場合、プレイ有効期限情報およびプレイ履歴情報を記録媒体から取得できるので、オフラインの時間貸しシステムを実現できる。換言すれば、時間貸しシステムの構築に新たな管理用装置(例えば、ホストコンピュータ)を必要とせず、導入コストを低減できる利点がある。
なお、本発明において、「記録」は情報の記憶および記録の両方を含み、例えば、半導体メモリにおける電気的記憶、磁気記録媒体における磁気的記録、光学記録媒体における光学的記録等を包含する概念である。
【0016】
(4)本発明のプレイ可能信号出力装置のさらに他の好ましい例では、上記(3)のプレイ可能信号出力装置において、前記プレイ禁止規制時間情報を保持するプレイ禁止規制時間情報保持部を有する。この場合、プレイ禁止規制情報が当該プレイ可能信号出力装置のプレイ禁止規制時間情報保持部に保持されるので、対応するゲーム機毎にプレイ禁止規制時間を設定できる利点がある。換言すれば、ゲーム機毎にプレイ禁止規制時間を変えることができる。
【0017】
(5)本発明のプレイ可能信号出力装置のさらに他の好ましい例では、上記(4)のプレイ可能信号出力装置において、前記装置識別情報保持部に保持された前記装置識別情報および現在時刻に基づく現在時刻情報を、更新されたプレイ履歴情報として前記記録媒体に書き込む書込部を有する。この場合、記録媒体のプレイ履歴情報を常に最新の状態に容易に維持できる利点がある。
【0018】
(6)本発明のゲーム機は、上記(1)〜(5)のプレイ可能信号出力装置と、前記プレイ可能信号出力装置から前記プレイ可能信号が入力されたことに応じて、プレイを開始する制御部と、を備えるゲーム機である。
【0019】
本発明のゲーム機では、上記(1)〜(5)のプレイ可能信号出力装置からプレイ可能信号が入力されたことに応じてプレイを開始する。そのため、上記(1)〜(5)で述べたと同じ効果が得られる。
【0020】
(7)本発明のゲーム場運営システムは、記録媒体に情報を記録する記録媒体処理装置と、複数のゲーム機にそれぞれ対応して配置され、前記対応するゲーム機に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号を出力するプレイ可能信号出力装置と、を備えるゲーム場運営システムであって、前記記録媒体処理装置は、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報を前記記録媒体に書き込む書込手段を含み、前記プレイ可能信号出力装置は、前記プレイ有効期限情報と、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報と、を前記記録媒体から読み取る読取部と、前記プレイ可能信号出力装置の装置識別情報を保持する装置識別情報保持部と、前記読取部により読み取られた前記プレイ有効期限情報および前記プレイ履歴情報と、前記過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報とに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かを判定するプレイ可否判定部と、前記プレイ可否判定部による判定結果に基づき、前記プレイ可能信号を生成するプレイ可能信号生成部と、前記装置識別情報保持部に保持された前記装置識別情報および現在時刻に基づく現在時刻情報を、更新されたプレイ履歴情報として前記記録媒体に書き込む書込部と、を含んでいる、ゲーム場運営システムである。
【0021】
本発明のゲーム場運営システムでは、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報および過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報に基づいてプレイ可能であるか否かが判定され、その判定結果に基づいてプレイ可能信号が生成される。そのため、現在のゲーム機と過去最後にプレイしたゲーム機とが相違し、かつ、過去最後にプレイした時刻からプレイ禁止規制時間が経過していない場合、プレイ不可と判定してプレイ可能信号を出力しないようにできる。換言すれば、プレイ禁止規制時間中は複数のゲーム機でのプレイを禁止できる。よって、時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることがなく、又貸しの不正行為が防止されるので、当該不正行為に起因してゲーム場の運営に支障が生じることがない。
【0022】
また、装置識別情報保持部に保持された装置識別情報によりゲーム機が特定されるので、ゲーム機を識別するための識別情報を必要としない。すなわち、ゲーム機の入れ替えが行われても当該プレイ可能信号出力装置をそのまま使用できる利点がある。さらに、プレイ有効期限情報およびプレイ履歴情報を記録媒体から取得できるので、オフラインの時間貸しシステムを実現できる。換言すれば、時間貸しシステムの構築に新たな管理用装置(例えば、ホストコンピュータ)を必要とせず、導入コストを低減できる利点がある。加えて、装置識別情報保持部に保持された装置識別情報および現在時刻に基づく現在時刻情報が更新されたプレイ履歴情報として記録部により記録媒体に書き込まれるので、記録媒体のプレイ履歴情報を常に最新の状態に容易に維持できる。
【0023】
(8)本発明のゲーム場運営システムの好ましい例では、上記(7)のゲーム場運営システムにおいて、前記プレイ可能信号出力装置が、前記プレイ禁止規制時間情報を保持するプレイ禁止規制時間情報保持部を有する。この場合、プレイ禁止規制情報がプレイ可能信号出力装置の記憶部に保持されるので、ゲーム機毎にプレイ禁止規制時間を設定できる利点がある。換言すれば、ゲーム機毎にプレイ禁止規制時間を変えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のプレイ可能信号出力装置では、(a)時間貸しプレイにおいて不正行為を防止できる、(b)時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることがない、(c)時間貸しプレイにおいて複数のゲーム機の同時プレイを禁止できる、(d)ゲーム場の運営に支障が生じるのを防止できる、といった効果が得られる。
【0025】
本発明のゲーム機では、(a)時間貸しプレイにおいて不正行為を防止できる、(b)時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることがない、(c)時間貸しプレイにおいて複数のゲーム機の同時プレイを禁止できる、(d)ゲーム場の運営に支障が生じるのを防止できる、といった効果が得られる。
【0026】
本発明のゲーム場運営システムでは、(a)時間貸しプレイにおいて不正行為を防止できる、(b)時間貸しプレイにおいて1つの記録媒体により複数のゲーム機が次々とクレジットされることがない、(c)時間貸しプレイにおいて複数のゲーム機の同時プレイを禁止できる、(d)ゲーム場の運営に支障が生じるのを防止できる、といった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例のゲーム場運営システムを示す概略構成図である。
【図2】図1のゲーム場運営システムに使用されるICコインの概略構成図である。
【図3】図1のゲーム場運営システムを構成するICコイン発行機を示す概略正面図である。
【図4】図1のゲーム場運営システムを構成するゲーム機を示す、(A)は概略正面図、(B)は制御ブロック図である。
【図5】図1のゲーム場運営システムを構成するプレイ可能信号出力装置を示す概略正面図である。
【図6】図5のプレイ可能信号出力装置の構成を示す、(A)は概略機能ブロック図、(B)は記憶部の詳細図である。
【図7】図5のプレイ可能信号出力装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】図5のプレイ可能信号出力装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明の一実施例のゲーム場運営システムGMSを示す。このゲーム場運営システムGMSは、ICコイン1を発行するICコイン発行機2と、複数のゲーム機3と、ゲーム機3に対応して配置された複数のICコイン受付機4と、を備えている。なお、通常、ゲーム場にはさらに多数のゲーム機3が設置されているが、ここでは説明を簡略化するため、図1において3台のゲーム機3a、3b、3cのみを示している。
【0030】
(ICコイン)
まず、図2を参照しながらICコイン1について説明する。ICコイン1は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリを含む半導体集積回路(Integrated Circuit、以下ICという)103が内蔵されたコイン形の非接触式記録媒体である。ICコイン1は、磁性ステンレスで形成された外輪101の嵌合孔104にIC103を内蔵した円盤形の樹脂製コア102が嵌め込まれて構成されている。ICコイン1は、全て樹脂により構成することも出来るが、重量感による価値感を醸し出し、かつ変形等を防止するため、比重の大きな金属リングよりなる外輪101を採用することが好ましい。
【0031】
ICコイン1のIC103には、少なくとも、時間貸しプレイの有効期限を示す時間貸しプレイ有効期限情報PVLと、過去最後にプレイしたゲーム機3のICコイン受付機4を識別するための最終プレイ装置識別情報LPIDおよび過去最後にプレイした日時(換言すれば、ICコイン受付機4が過去最後にプレイ可能信号PASを出力した日時)を示す最終プレイ日時情報LPDTを含むプレイ履歴情報PHが記録される。
【0032】
上記の情報に加え、好ましくは、ICコイン1を識別するためのコイン識別情報CIDおよびICコイン発行機2で投入された貨幣に相当する価値情報(以下、マネー情報という)MNが記録される。また、使用されるゲーム場を運営する企業識別情報BID、店舗識別情報SID、発行日時情報IDT、発行機番号情報PUN等の発行情報PIを記録することが好ましい。管理コンピュータ(図示せず)に記憶されたこれらの情報と比較することにより不正を防止するためである。
【0033】
(ICコイン発行機)
次に、図3を参照しながら、ICコイン発行機2について説明する。ICコイン発行機2は、ICコイン1に所定の情報を記録した後、発行する機能を有する。換言すれば、ICコイン発行機2はICコイン処理装置として機能する。ICコインに記録される情報はプレイ形態により異なり、時間貸しプレイの場合には、少なくとも、投入貨幣に相当する時間貸しプレイ有効期限情報PVLが記録される。なお、「投入貨幣」とは、実際に投入した紙幣が一万円紙幣であっても、所望の時間貸しプレイ時間に相当する金額が千円である場合、千円を意味する。さらに、ICコイン発行機2は、マネー情報MNや発行日時情報IDT、発行機番号情報PUN等の発行情報をICコイン1に記録することが好ましい。
【0034】
プレイ有効期限情報PVLは、時間貸しプレイが有効な日付および時刻を示す。発行日時情報IDTは、ICコイン1を発行した日付および時刻を示す。マネー情報MNは、投入貨幣に相当する金額を示す。発行機番号情報PUNは、ICコイン発行機2が同一設置場所に複数有る場合、個別に付与された番号を示す。
【0035】
ICコイン発行機2は、箱形の筐体201、液晶表示パネル等により構成された表示器211、表示器211と共に入力装置210を構成するタッチパネル212、カード投入口221を有するカード型記録媒体処理装置220、紙幣投入口231および紙幣払出口232を備える紙幣入出金装置230、ICコイン投入口241、ICコイン払出口242、硬貨投入口251、硬貨払出口252、および精算口261を含んでいる。
【0036】
表示器211は、横長矩形の形状を有し、筐体201の正面上部に配置される。表示器211には各種ガイドが表示されると共に、適時に選択ボタン213が表示される。表示器211の表面にはタッチパネル212が重ね合わせられており、選択ボタン213の表示に伴い、表示器211およびタッチパネル212により入力装置210が構成される。
【0037】
カード型記録媒体処理装置220は、筐体201の正面中央において表示器211の下方に配置された横長スリット状のカード投入口221を有し、筐体201に内蔵されている。カード型記録媒体処理装置220は、ICカードや磁気カード等のカード型記録媒体に記録された情報を読み出す共に所望の情報を書き込む機能を有する。例えば、カード型記録媒体がポイントカードの場合、ポイント情報の処理に使用される。カード型記録媒体はカード投入口221に水平状態で投入され、カード形記録媒体処理装置220により所定の処理がなされた後、全長の半分程度突出した程度まで払い出される。
【0038】
紙幣入出金装置230は、表示器211の下方右側に配置された紙幣投入口231と、紙幣投入口231の下方に配置された紙幣払出口232とを有している。紙幣入出金装置230は、紙幣投入口231に投入された紙幣の真贋を判別し、真正紙幣は受け入れ、偽札若しくは識別不能紙幣は紙幣払出口232に戻す。また、投入紙幣に対し選択ボタン213によって選択された金額が投入紙幣の額面よりも低額の場合、つり札を紙幣払出口232から払い出し、選択された金額を投入金額として確定する。
【0039】
硬貨投入口251は、カード投入口221の下方に配置され、縦長スリット状の形状を有する。筐体201内には、硬貨投入口251に続いて硬貨の真偽及び金種判別のための硬貨選別装置253が内蔵されている。硬貨投入口251に投入された硬貨は硬貨選別装置253によって選別され、偽貨は硬貨払出口252に戻される。正貨は筐体201内の保留部(図示せず)に送られ保留される。
【0040】
硬貨払出口252は、硬貨投入口251の下方に配置され、一面が矩形状に開口されたボックスである。硬貨払出口252は、硬貨選別装置253により偽貨と判別された硬貨およびキャンセルされた硬貨を保留する。硬貨払出口252に保留された偽貨等は、開口を介して顧客が取り出すことができる。
【0041】
ICコイン投入口241は、硬貨投入口251の左側に配置され、縦長スリット状の形状を有している。筐体201内には、ICコイン投入口241に続いてICコイン読取書込装置243が内蔵されている。ICコイン1に対してICコイン読取書込装置243により所定の書き込みおよび/または読み取りが行われた後、ICコイン1は筐体201内の保留部244に保留される。
【0042】
ICコイン払出口242は、ICコイン投入口241の下方に配置され、一面が矩形状に開口されたボックスである。ICコイン払出口242は、筐体201内のICコイン書込払出装置245から払い出されたICコイン1を保留する。ICコイン払出口242に保留されたICコイン1は、開口を介して顧客が取り出し可能である。
【0043】
精算口261は、紙幣入出金装置230の下方に配置され、一面が矩形状に開口されたボックスである。精算口261は、筐体201に内蔵されるつり銭払出機271から精算されて払出された硬貨を取り出し可能に保留する機能を有する。精算口261に保留された硬貨は、開口を介して顧客が取り出すことができる。
【0044】
なお、カード型記録媒体処理装置220、紙幣入出金装置230、ICコイン読取書込装置243およびICコイン書込払出装置245は、特開2010−284403号公報に詳細な構成が開示されているため説明を省略する。
【0045】
(ゲーム機)
次に、図4を参照しながら、ゲーム機3について説明する。図4に示すように、ゲーム機3は、ゲーム機本体300およびICコイン受付機4を備える。
【0046】
ゲーム機本体300は、正面上部に配置され、ゲーム内容を表示するディスプレイ301を有する。ゲーム機本体300の正面中段にはプレイ開始ボタン303を含む各種操作キーが配置された操作パネル302が配置され、正面下部には硬貨受付機310が配置される。ゲーム機本体300の内部には、ゲーム制御装置320およびゲーム実行装置330が配置される。
【0047】
硬貨受付機310は、硬貨投入口311、硬貨返却口312および硬貨識別選別機313を有している。硬貨識別選別機313は、硬貨投入口311に投入された硬貨の真贋及び金種を判別し、偽貨の場合に硬貨返却口312へ返却し、正貨である場合に金種を判別すると共にゲーム機内の金庫314に保留する。硬貨受付機310は、投入された硬貨が所定金額のゲーム料金に達した場合、プレイ可能信号PASをゲーム機制御装置320に出力する。
【0048】
ゲーム制御装置320は、硬貨受付機310または後述のICコイン受付機4からプレイ可能信号PASが供給された場合、ROM(Read Only Memory)に記憶された所定の制御プログラムに基づいてゲーム実行装置330に対しゲーム制御信号GCSを出力してゲーム実行装置330を制御し、ゲーム実行装置330を作動させる。ゲーム制御装置320は、プレイ可能信号PASの入力回数をカウントし、そのカウント数に応じたプレイ可能回数を蓄積するクレジット機能を有する。蓄積されたプレイ可能回数は、ディスプレイ301のクレジット数表示領域304に表示される。プレイ可能回数が1以上の場合、ゲーム制御装置320は、プレイ開始ボタン303が押下される毎にプレイ可能回数を1カウント分減算しながら、ゲームの実行をゲーム実行装置330に命令する。プレイ可能回数が「0」の場合には、プレイ開始ボタン303が押下されても、ゲーム制御装置320はゲーム実行装置330に対しゲームの実行を命令しない。
【0049】
ゲーム実行装置330は、ゲーム制御装置320から供給されるゲーム制御信号GCSに基づき、ROMに記憶されたゲーム実行プログラムを実行する。換言すれば、ゲーム制御装置320にプレイ可能信号PASが供給され、かつ、プレイ開始ボタン303が押下された場合、ゲーム機本体300はゲームの実行を開始する。
【0050】
(ICコイン受付機)
次に、図5および図6を参照しながら、ICコイン受付機4について説明する。ICコイン受付機4は、平面視矩形の箱型外形状を有し、ゲーム機本体300の操作パネル302に隣接して配置される。ICコイン受付機4の表面400には、ICコイン載置部401、表示部402、選択ボタン403および開始ボタン404が配置されている。ICコイン載置部401に対応する位置には、リーダライタ部405が内蔵されている。さらに、ICコイン受付機4は、制御部410、記憶部421、内部時計422、出力部423を有している。
【0051】
ICコイン載置部401は、表面400の右上方に形成され、ICコイン受付機4の厚み方向に窪んだ溝430からなる。この溝430は、ICコイン1の外径より僅かに径大の半円形部分431と、半円形部分431の直径に一致する幅を有する矩形部分432とが結合された形状を有する。そのため、ICコイン1を載置する場合、ICコイン1を矩形部分432に沿って上方からスライドさせるように挿入することにより、ICコイン1が溝430内に円滑に導入される。また、溝430内において、ICコイン1の下端が半円形部分431に当接するため、ICコイン1が安定して保持される。
【0052】
表示部402は、表面400の下方に配置された表示器からなる。表示器としては、発光ダイオード、蛍光表示管、液晶パネル等を用いたセグメント型またはドット型の表示装置が使用可能である。表示部402には、例えば、時間貸し期限やエラー情報など表示される。
【0053】
選択ボタン403は、表示部402の上方に配置され、ICコイン受付機4の機能を選択するために使用される。開始ボタン404は、表面400の右下方に配置され、ICコイン受付機4の処理を開始するために使用される。
【0054】
リーダライタ部405は、ICコイン1に対して電波を送受信することによりICコイン1のIC103に記録された情報を読み出しまたは書き込む機能を有する。すなわち、ICコイン1に記録された時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTを読み取る。換言すれば、リーダライタ部405は、時間貸しプレイ可能な期限を示す時間貸しプレイ有効期限情報PVLおよび過去最後にプレイしたゲーム機および日時を特定するプレイ履歴情報PHを取得する取得手段409として機能する。また、リーダライタ部405は、記憶部421に保持された装置識別情報PIDおよび内部時計の示す現在日時情報PDTをICコイン1に書き込む。
【0055】
制御部410は、少なくとも、読取制御部411、書込制御部412、表示制御部413、入力制御部414、プレイ可否判定部415およびプレイ可能信号生成部416を含んでいる。
【0056】
読取制御部411は、リーダライタ部405を制御してICコイン1からデータを読み取り、読み取ったデータをプレイ可否判定部415に出力する。また、読取制御部411は、ICコイン1から読み取ったデータや読み取りに失敗したときのエラーを表示するための信号を表示制御部413へ出力する。
【0057】
書込制御部412は、プレイ可否判定部415の判定結果に基づき、リーダライタ部405を制御してICコイン1に所定のデータを書き込む。また、書込制御部412は、書き込みに失敗したときのエラーを表示するための信号を表示制御部413へ出力する。
【0058】
表示制御部413は、読取制御部411、書込制御部412およびプレイ可否判定部415から供給された信号に基づき、表示部402に各種情報を表示する。
【0059】
入力制御部414は、開始ボタン404の押下を検知したとき、ICコイン1のデータの読み取りを要求する信号を読取制御部411に出力する。
【0060】
プレイ可否判定部415は、リーダライタ部405により読み取られたデータおよび記憶部421に格納されたデータに基づき、時間貸しプレイの可否を判定する。
【0061】
プレイ可能信号生成部416は、プレイ可否判定部415の判定結果に基づき、プレイ可能信号PASを生成し、出力部423を介してゲーム機3に出力する。
【0062】
記憶部421は、EEPROM等の不揮発性メモリで構成され、少なくとも、装置識別情報PIDを保持する装置識別情報保持部441と、プレイ禁止規制時間情報PPTを保持するプレイ禁止規制時間情報保持部442とを含んでいる。プレイ禁止規制時間情報PPTとしては、例えば、5分が設定されている。記憶部421は、保持された装置識別情報PIDおよびプレイ禁止規制時間情報PPTを書込制御部412およびプレイ可否判定部415に供給する。
【0063】
内部時計422は、水晶発信器を内蔵する時計であり、ICコイン受付機4における現在の日時を示す現在日時情報PDTを書込制御部412およびプレイ可否判定部415に供給する。
【0064】
(ICコイン受付機の動作)
次に、時間貸しプレイにおけるICコイン受付機4の動作について説明する。まず、図7を参照して、ICコイン受付機4、ICコイン1およびゲーム機3の相互作用について説明する。
【0065】
最初のステップS10において、遊技者により開始ボタン404が押下されると、入力制御部414により開始ボタン404の押下が検知される。
【0066】
次のステップS11において、入力制御部414が読取制御部411に対してICコイン1からのデータ読み取りを要求し、読取制御部411がリーダライタ部405を制御してICコイン1に記録されたデータの読み取りを開始する。ICコイン1から取得するデータは、少なくとも時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTである。換言すれば、リーダライタ部405が、ICコイン1から時間貸しプレイ有効期限情報PVLおよびプレイ履歴情報PHを読み取る読取部として機能する。
【0067】
なお、時間貸しプレイにおいて最初にプレイする場合、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTはICコイン1に記録されていない。したがって、この場合には、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTとして「NULL」データが読み取られる。
【0068】
次のステップS12において、リーダライタ部405がICコイン1からデータを取得すると、取得された時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTが読取制御部411を介してプレイ可否判定部415に出力される。
【0069】
次のステップS13において、プレイ可否判定部415は、記憶部421の装置識別情報保持部441およびプレイ禁止規制時間情報保持部442から現在の装置識別情報PIDおよびプレイ禁止規制時間情報PPTを取得すると共に、内部時計422から現在日時情報PDTを取得する。これら取得した装置識別情報PID、プレイ禁止規制時間情報PPTおよび現在日時情報PDTと、読取制御部411から供給された時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTとに基づき、プレイ可否判定部415がプレイの可否を判定する。
【0070】
プレイ可否判定部415によるプレイの可否判定には、4つのケースがある。ケース1は、「現在日時」が「時間貸しプレイ有効期限」を過ぎている場合であり、「プレイ不可」と判定される。ケース2は、「現在日時」が「時間貸しプレイ有効期限」内であり、かつ、「現在のICコイン受付機」と「最終プレイのICコイン受付機」が同一である場合であり、「プレイ可」と判定される。ケース3は、「現在日時」が「時間貸しプレイ有効期限」内であり、かつ、「現在のICコイン受付機」と「最終プレイのICコイン受付機」が異なり、かつ、「現在日時」が「最終プレイ日時にプレイ禁止規制時間を加算して得られる日時」を過ぎている場合であり、「プレイ可」と判定される。ケース4は、「現在日時」が「時間貸しプレイ有効期限」内であり、かつ、「現在のICコイン受付機」と「最終プレイのICコイン受付機」が異なり、かつ、「現在日時」が「最終プレイ日時にプレイ禁止規制時間を加算して得られる日時」を過ぎていない場合であり、「プレイ不可」と判定される。
【0071】
上記ステップS13において「プレイ可」と判定された場合、次のステップS14において、プレイ可否判定部412が書込制御部412に対し、プレイ履歴情報PHの更新を要求する。すなわち、記憶部421の装置識別情報保持部441に保持された装置識別情報PIDを最終プレイ装置識別情報LPIDとし、さらに、現在日時情報PDTを最終プレイ日時情報LPDTとして、ICコイン1のデータを更新するよう制御する。そして、書込制御部412がリーダライタ部405を制御し、更新されたプレイ履歴情報PHがICコイン1に書き込まれる。換言すれば、リーダライタ部405が、ICコイン1に対し更新されたプレイ履歴情報PHを書き込む書込部として機能する。
【0072】
次のステップS15において、リーダライタ部405がICコイン1から書込成功応答を受信した場合、ICコイン1への書き込みが成功したことが確認される。
【0073】
次のステップS16において、プレイ可能信号生成部416によりプレイ可能信号PASが生成され、生成されたプレイ可能信号PASが出力部423を介してゲーム機3へ出力される。
【0074】
そして、次のステップS17において、プレイ可能信号PASが供給されたゲーム制御装置320によりゲーム実行装置330が制御され、ゲームプレイが開始される。
【0075】
次に、図8を参照して、ICコイン受付機4の処理について説明する。
まず、ステップS21において、時間貸しプレイの要求があるか否かを判定する。すなわち、ICコイン受付機4の開始ボタン404が押下された場合、時間貸しプレイ要求ありと判定し、次のステップS22に進む。開始ボタン404が押下されていない場合、ステップS21が繰り返し実行されて待機状態となる。
【0076】
次のステップS22において、ICコイン1からデータを読み取る。すなわち、リーダライタ部405により、時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ装置識別情報LPIDおよび最終プレイ日時情報LPDTをICコイン1から読み取る。
【0077】
次のステップS23において、ICコイン1からデータの取得に成功したか否かを判定し、取得に成功した場合、次のステップS24に進む。取得に失敗した場合、ステップS25に進み、ステップS25において読み取りに失敗したことを示すエラーメッセージを表示する。すなわち、読取制御部411が表示制御部413に対してエラーメッセージの表示を要求し、表示制御部413が表示部402にエラーメッセージを表示する。ステップS25を実行した後、ステップS21に戻る。
【0078】
次のステップS24において、時間貸しプレイ有効期限内であるか否かを判定する。すなわち、プレイ可否判定部415が時間貸しプレイ有効期限情報PVLと現在日時情報PDTとを比較し、現在日時が時間貸しプレイ有効期限内である場合、ステップS26に進む。時間貸しプレイ有効期限を過ぎている場合、ステップS27に進み、ステップS27において期限切れであることを示すエラーメッセージを表示する。すなわち、プレイ可否判定部415が表示制御部413に対してエラーメッセージの表示を要求し、表示制御部413が表示部402にエラーメッセージを表示する。ステップS27を実行した後、ステップS21に戻る。
【0079】
次のステップS26において、現在のICコイン受付機4と最終プレイのICコイン受付機4とが同一であるか否かを判定する。換言すれば、現在のゲーム機3と最終プレイのゲーム機3とが同一であるか否かを判定する。すなわち、記憶部421の装置識別情報保持部441に保持された装置識別情報PIDとICコイン1から取得した最終プレイ装置識別情報LPIDとを比較し、同一である場合、ステップS28に進み、相違する場合、ステップS29に進む。
【0080】
ステップS29において、プレイ禁止規制時間内であるか否かを判定する。すなわち、プレイ可否判定部415が内部時計422の示す現在日時情報、ICコインから取得した最終プレイ日時情報LPDT、および記憶部421のプレイ禁止規制時間情報保持部442に保持されたプレイ禁止規制時間情報PPTに基づいてプレイ禁止規制時間内か否かを判断する。プレイ禁止規制時間を過ぎている場合、ステップS28に進む。プレイ禁止規制時間内である場合、ステップS30に進み、ステップS30においてプレイ禁止規制内であることを示すエラーメッセージを表示する。すなわち、プレイ可否判定部415が表示制御部413に対してエラーメッセージの表示を要求し、表示制御部413が表示部402にエラーメッセージを表示する。ステップS30を実行した後、ステップS21に戻る。
【0081】
ステップS28において、ICコイン1にデータが書き込まれる。すなわち、リーダライタ部405により、記憶部421の装置識別情報保持部441に保持された装置識別情報PIDが最終プレイ装置識別情報LPIDとして書き込まれ、内部時計422の示す現在日時情報PDTが最終プレイ日時情報LPDTとして書き込まれる。その後、ステップS31に進む。
【0082】
次のステップS31において、ICコイン1へのデータの書き込みが成功したか否かが判定される。すなわち、リーダライタ部405がICコイン1からの書込成功応答を受信したか否かを書込制御部412が確認する。書込制御部412が書込成功応答を確認した場合、ステップS32に進む。書込制御部412が書込成功応答を確認できなかった場合、ステップS33に進み、ステップS33において書込失敗を示すエラーメッセージを表示する。すなわち、書込制御部412が表示制御部413に対してエラーメッセージの表示を要求し、表示制御部413が表示部402にエラーメッセージを表示する。ステップS33を実行した後、ステップS21に戻る。
【0083】
次のステップS32において、プレイ可能信号PASが出力される。すなわち、プレイ可否判定部415の判定結果に基づき、プレイ可能信号生成部416がプレイ可能信号PASを生成し、出力部423を介してゲーム機3に出力される。
【0084】
以上述べた通り、本発明の一実施例のゲーム場運営システムGMSでは、複数のゲーム機3にそれぞれ対応して配置され、対応するゲーム機3に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号PASを出力し、プレイ可能信号出力装置として機能するICコイン受付機4を含んでいる。ICコイン受付機4は、リーダライタ部405を有し、リーダライタ部405が、プレイ可能な期限を示す時間貸しプレイ有効期限情報PVLと、過去最後にプレイしたゲーム機および日時を特定可能なプレイ履歴情報PHと、をICコイン1から取得する。取得された時間貸しプレイ有効期限情報PVLおよびプレイ履歴情報PHと、過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報PPTとに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かをプレイ可否判定部415が判定し、その判定結果に基づきプレイ可能信号生成部416がプレイ可能信号PASを生成する。
【0085】
そのため、現在のゲーム機3と過去最後にプレイしたゲーム機3とが相違し、かつ、過去最後にプレイした日時からプレイ禁止規制時間が経過していない場合、プレイ不可と判定してプレイ可能信号PASを出力しないようにできる。換言すれば、プレイ禁止規制時間中は複数のゲーム機3でのプレイを禁止できる。よって、時間貸しプレイにおいて1つのICコイン1により複数のゲーム機3が次々とクレジットされることがなく、又貸しの不正行為が防止されるので、当該不正行為に起因してゲーム場の運営に支障が生じることがない。また、ICコイン受付機4をゲーム機本体300の外部に設置するだけで時間貸しプレイが可能となるので、ゲーム機3自体の大幅な変更を必要とせずに容易に時間貸しプレイを導入できる。
【0086】
また、装置識別情報保持部441に保持された装置識別情報PIDにより、対応するゲーム機3が特定されるので、ゲーム機3には識別情報を必要としない。すなわち、ゲーム機3の入れ替えが行われてもICコイン受付機4をそのまま使用できる。
【0087】
加えて、プレイ禁止規制時間情報PPTがプレイ禁止規制時間情報保持部442に保持されるので、ゲーム機3毎にプレイ禁止規制時間を設定できる。換言すれば、ゲーム機3毎にプレイ禁止規制時間を変更できる。
【0088】
さらに、リーダライタ部405は、装置識別情報保持部441に保持された装置識別情報PIDおよび現在日時に基づく現在日時情報PDTを、更新されたプレイ履歴情報PHとしてICコイン1に書き込むので、ICコイン1のプレイ履歴情報PHを常に最新の状態に容易に維持できる。
【0089】
上記実施例のゲーム場運営システムGMSでは、時間貸しプレイ有効期限情報PVLおよびプレイ履歴情報PHをICコイン1から取得できるため、時間貸しプレイ有効期限情報PVLおよびプレイ履歴情報PHを提供するための管理用装置(例えば、ホストコンピュータ)を必要とせず、オフラインの時間貸しシステムを実現できる。
【0090】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、時間貸しプレイ有効期限情報PVLとして時間貸しプレイの有効な日時を示す情報を用いているが、時間貸しプレイの有効な期間、すなわち、時間貸しプレイの開始から終了までの時間を用いることも可能である。その場合、ICコイン発行機2でICコイン1を発行する際に、時間貸しプレイの有効な期間に加え、時間貸しプレイの開始日時を情報としてICコイン1に記録しておけばよい。あるいは、ICコイン発行機2においてICコイン1を発行する際には時間貸しプレイの開始日時を記録せずに、最初のプレイが実行された日時を時間貸しプレイの開始日時としてICコイン受付機4により記録することもできる。さらに言えば、時間貸しプレイ有効期限情報PVL、最終プレイ日時情報LPDTおよび現在日時情報PDTは、少なくとも当日の時刻が判別できる情報であればよく、データの形態は日時に限定されない。
【0091】
また、上記実施例では、ICコイン発行機2により時間貸しプレイ有効期限情報PVLを記録しているが、ICコイン発行機2以外のICコイン処理装置により時間貸しプレイ有効期限情報PVLを記録してもよい。例えば、ICコイン1にデータの書き込みが可能なリーダライタ装置を有するコンピュータなども使用可能である。
【0092】
さらに、プレイ禁止規制時間情報PPTは、上記5分に限定されるものではなく、適宜に設定できることは勿論である。ゲーム機3毎あるいはゲーム機3の種類毎に異なるプレイ禁止規制時間情報PPTを設定することも可能である。
【0093】
上記実施例では、時間貸しプレイのみについて説明したが、1プレイ毎に課金されるようにしたプレイ形態との併用も可能である。その場合、ICコイン発行機2においてICコイン1にマネー情報MNを記録しておき、開始ボタン404が押下される毎にマネー情報MNから1プレイ分の課金額を減算する機能をICコイン受付機4の制御部410に追加すればよい。
【0094】
上記実施例では、ICコイン1を記録媒体として使用しているが、読み取りおよび書き込み可能な記録媒体であれば特に制限はなく、ICカードや磁気カードなどの他の記録媒体も使用可能である。例えばICカードを使用する場合、ICコイン受付機4に換えて、ICコイン受付機4とほぼ同じ機能を有するICカード受付機を使用すればよい。また、非接触式および接触式の記録媒体のいずれであってもよい。
【0095】
上記実施例では、開始ボタン404が押下されたときにデータの読み込みを開始しているが、記録媒体を受付機(すなわち、プレイ可能信号出力装置)に翳したり、触れたりしたときにデータの読み込みを開始するようにしてもよい。例えば、ICカードをICカード受付機に軽くタッチしたときにデータの読み込みが開始されるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、所定時間プレイ回数に制限のないプレイ形態を実現するゲーム機に好適に利用できる。また、本発明は、所定時間プレイ回数に制限のないプレイ形態を実現するゲーム場に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0097】
1 ICコイン
2 ICコイン発行機
3 ゲーム機
4 コイン受付機
101 外輪
102 コア
103 IC
104 嵌合孔
201 筐体
210 入力装置
211 表示器
212 タッチパネル
213 選択ボタン
213 対し選択ボタン
220 カード型記録媒体処理装置
221 カード投入口
230 紙幣入出金装置
231 紙幣投入口
232 紙幣払出口
241 コイン投入口
242 コイン払出口
243 コイン読取書込装置
244 保留部
245 コイン書込払出装置
251 硬貨投入口
252 硬貨払出口
253 硬貨選別装置
261 精算口
271 つり銭払出機
300 ゲーム機本体
301 ディスプレイ
302 操作パネル
303 プレイ開始ボタン
304 クレジット数表示領域
310 硬貨受付機
311 硬貨投入口
312 硬貨返却口
313 硬貨識別選別機
314 ゲーム機内の金庫
320 ゲーム制御装置
330 ゲーム実行装置
400 表面
401 コイン載置部
402 表示部
403 選択ボタン
404 開始ボタン
405 リーダライタ部
409 取得手段
410 制御部
411 読取制御部
412 書込制御部
412 プレイ可否判定部
413 表示制御部
414 入力制御部
415 プレイ可否判定部
416 プレイ可能信号生成部
421 記憶部
422 内部時計
423 出力部
430 溝
431 半円形部分
432 矩形部分
441 装置識別情報保持部
442 プレイ禁止規制時間情報保持部
GMS ゲーム場運営システム
GCS ゲーム制御信号
PAS プレイ可能信号
LPDT 最終プレイ日時情報
LPID 最終プレイ装置識別情報
PDT 現在日時情報
PH プレイ履歴情報
PPT プレイ禁止規制時間情報
PVL プレイ有効期限情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム機(3)にそれぞれ対応して配置され、前記対応するゲーム機(3)に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号(PAS)を出力するプレイ可能信号出力装置であって、
プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報(PVL)と、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報(PH)と、を取得する情報取得手段(409)と、
前記情報取得手段(409)により取得された前記プレイ有効期限情報(PVL)および前記プレイ履歴情報(PH)と、前記過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報(PPT)とに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かを判定するプレイ可否判定部(415)と、
前記プレイ可否判定部(415)による判定結果に基づき、前記プレイ可能信号(PAS)を生成するプレイ可能信号生成部(416)と、を備えるプレイ可能信号出力装置。
【請求項2】
装置識別情報(PID)を保持する装置識別情報保持部(441)を有し、前記対応するゲーム機(3)が前記装置識別情報(PID)により特定される請求項1に記載のプレイ可能信号出力装置。
【請求項3】
前記情報取得手段(409)が、記録媒体(1)に記録された前記プレイ有効期限情報(PVL)および前記プレイ履歴情報(PH)を読み取る読取部(405)を含んでいる請求項2に記載のプレイ可能信号出力装置。
【請求項4】
前記プレイ禁止規制時間情報(PPT)を保持するプレイ禁止規制時間情報保持部(442)を有する請求項3に記載のプレイ可能信号出力装置。
【請求項5】
前記装置識別情報保持部(441)に保持された前記装置識別情報(PID)および現在時刻に基づく現在時刻情報(PDT)を、更新されたプレイ履歴情報(PH)として前記記録媒体に書き込む書込部(405)を有する請求項4に記載のプレイ可能信号出力装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレイ可能信号出力装置(4)と、
前記プレイ可能信号出力装置(4)から前記プレイ可能信号(PAS)が入力されたことに応じてプレイを開始する制御装置(320)と、を備えるゲーム機。
【請求項7】
記録媒体(1)に情報を記録する記録媒体処理装置(2)と、複数のゲーム機(3)にそれぞれ対応して配置され、前記対応するゲーム機(3)に対してプレイの開始を可能とするプレイ可能信号(PAS)を出力するプレイ可能信号出力装置(4)と、を備えるゲーム場運営システムであって、
前記記録媒体処理装置(2)は、プレイ可能な期限を示すプレイ有効期限情報(PVL)を前記記録媒体(1)に書き込む書込手段(243)を含み、
前記プレイ可能信号出力装置(4)は、
前記プレイ有効期限情報(PVL)と、過去最後にプレイしたゲーム機および時刻を特定可能なプレイ履歴情報(PH)と、を前記記録媒体(1)から読み取る読取部(405)と、
前記プレイ可能信号出力装置(4)の装置識別情報(PID)を保持する装置識別情報保持部(441)と、
前記読取部(405)により読み取られた前記プレイ有効期限情報(PVL)および前記プレイ履歴情報(PH)と、前記過去最後にプレイしたゲーム機以外のゲーム機でのプレイ禁止規制時間を示すプレイ禁止規制時間情報(PPT)とに基づき、現在のゲーム機でのプレイが可能であるか否かを判定するプレイ可否判定部(415)と、
前記プレイ可否判定部(415)による判定結果に基づき、前記プレイ可能信号(PAS)を生成するプレイ可能信号生成部(416)と、
前記装置識別情報保持部(441)に保持された前記装置識別情報(PID)および現在時刻に基づく現在時刻情報(PDT)を、更新されたプレイ履歴情報(PH)として前記記録媒体(1)に書き込む書込部(405)と、を含んでいる、ゲーム場運営システム。
【請求項8】
前記プレイ可能信号出力装置(4)が、前記プレイ禁止規制時間情報(PPT)を保持するプレイ禁止規制時間情報保持部(442)を有する請求項7に記載のゲーム場運営システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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