説明

ゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにする。
【解決手段】プレイヤーにキャラクターが対応付けられるゲームを実行するゲーム装置200において、入力受付部201は、キャラクターに実行させたいコマンドの入力をプレイヤーから受け付ける。決定部202は、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定する。決定部202は、キャラクターに対応付けられるプレイヤーから所定の入力期間内にコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、この他のプレイヤーから入力されたコマンドをキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。ゲーム進行部203は、決定されたコマンドを所定の順序でキャラクターに実行させることによってゲームを進行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにするために好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤーが同時に参加できるゲームがある。例えば、プレイヤーが操作するキャラクターが複数集まって共通の課題(ミッション)を達成することを目標とするロールプレイングゲームや戦闘ゲームでは、最初にロビーでパーティを結成し、メンバーのそれぞれが繰り返し順番にコマンドを出し、ゲームを進めていく。
【0003】
複数のプレイヤーが参加するゲームでは、あるプレイヤーに中座したい用事が生じたときに、他のプレイヤーのゲームの進行をできるだけ妨げないようにする工夫が必要な場合がある。特許文献1に開示されるゲームシステムでは、プレイヤーのプレイ順序をできるだけ所定の規則に合わせつつも、プレイが遅延したプレイヤーがいても適切に対処してゲームに参加できるようにする工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−200445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のプレイヤーが順々にコマンドを出すことにより進行するゲームでは、あるプレイヤーが中座してプレイを中断すると、ゲーム全体が停止してしまうことになりかねない。そのため、ゲームの途中でプレイヤーが中座したとしても、出来るだけ他のプレイヤーに迷惑をかけないようにしつつ、ゲームの進行が滞らないようにすることが望まれていた。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するものであり、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにするために好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0008】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲーム装置であって、入力受付部、決定部、ゲーム進行部を備える。
入力受付部は、複数のプレイヤーのそれぞれから、複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。
決定部は、所定の順序により、複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定する。
更に、決定部は、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
ゲーム進行部は、所定の順序により、複数のキャラクターのそれぞれについて、決定されたコマンドを決定されたキャラクターに実行させることによって、ゲームを進行させる。
【0009】
本発明のゲーム装置にて行われるゲームは、各プレイヤーに少なくとも1つのキャラクターが対応付けられ、複数のプレイヤーが参加できるゲームである。典型的には、複数のキャラクターがパーティを組んで共同して敵と戦うような戦闘ゲームやロールプレイングゲームなどであるが、ゲームの内容は本発明によって限定されない。
あるプレイヤーから見て、そのプレイヤーに対応付けられるキャラクターを「自キャラクター」といい、その他のキャラクターを「他キャラクター」という。
各プレイヤーは、自キャラクターに実行させたいコマンドを入力する。また、各プレイヤーは、他キャラクターに実行させたいコマンドを入力することもできる。入力されたコマンドは所定の順序で実行される。ただし、他キャラクターに実行させたいコマンドは、必ず実行されるというわけではなく、他のコマンドが優先して実行されることもある。
【0010】
具体的には、プレイヤーが自キャラクターに実行させたいコマンドを入力期限までに入力した場合には、その入力されたコマンドが、自キャラクターに実行させるコマンドとなる。この場合、自キャラクターに対して入力期限までに他のプレイヤーからコマンドが入力されていても、自キャラクターに対応するプレイヤーから入力されたコマンドが優先される。
一方、プレイヤーが自キャラクターに実行させたいコマンドを入力期限までに入力しなかった場合には、自キャラクターに実行させたいコマンドが他のプレイヤーから入力されていれば、他のプレイヤーから入力されたコマンドが、自キャラクターに実行させるコマンドとなる。
【0011】
本発明によれば、プレイヤーが自キャラクターにコマンドを出していなくても、他のプレイヤーが代わりにコマンドを出すことができる。あるプレイヤーが所用でゲームを途中で退席しても、そのプレイヤーの代わりに他のプレイヤーがコマンドを“代打ち”できるので、退席したプレイヤーの自キャラクターにコマンドが出されないためにゲームが滞ってしまうといったようなことはない。
例えば、プレイヤーは、他のプレイヤー(中座プレイヤー)からコマンドが出されない待機状態が続くようであれば、その中座プレイヤーに代わってコマンドを出すことによって、ゲームを進めることができる。
また、例えば、プレイヤーは、何らかの事情で一時的にゲームから離れなければならなくなっても、自分の代わりに他のプレイヤーがコマンドを出してくれるので、他のメンバーにあまり迷惑がかからないようにゲームへの参加を中断できるようになる。
従って、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにすることができる。
【0012】
また、決定部は、
(b’)複数の他のプレイヤーからコマンドが複数入力された場合、コマンドに対応付けられる優先度に基づいて、当該入力された複数のコマンドの中からいずれか一つのコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定してもよい。
【0013】
すなわち、中座プレイヤーに代わって入力されたコマンドが複数ある場合には、入力されたそれらのコマンド(代打ちコマンド)の中から、優先度の高いものが一つ選ばれる。
優先度は自由に設定できる。
例えば、敵と対戦するゲームにおいて、中座プレイヤーに対応付けられるキャラクターの体力パラメータが他のキャラクターと比べて相対的に小さい場合には、攻撃コマンドよりも防御コマンドの優先度を高く設定してもよい。
また、例えば、入力された代打ちコマンドのうち、最も多く入力されたものに、高い優先度を設定してもよい。すなわち、多数決によってコマンドが決定されてもよい。
【0014】
ゲーム装置は、複数のキャラクターのうちの一のキャラクターと対応付けて、当該一のキャラクターに実行させることを禁止するコマンド(以下「禁止コマンド」という。)を記憶する禁止コマンド記憶部を更に備えてもよい。
そして、決定部は、複数のキャラクターのそれぞれについて、記憶された禁止コマンド以外のコマンドを、キャラクターに実行させるべきコマンドに決定してもよい。
【0015】
つまり、プレイヤーは、代打ちされたくないコマンドを登録することができる。プレイヤーは、中座プレイヤーにとってありがた迷惑にならないように代打ちコマンドを出すことができる。
【0016】
禁止コマンド記憶部は、複数のキャラクターのうちの一のキャラクターと対応付けて、禁止コマンドと、禁止コマンドの有効期間と、を記憶してもよい。
そして、決定部は、複数のキャラクターのそれぞれについて、記憶された禁止コマンドであって、現在日時が有効期間に含まれるもの以外のコマンドを、キャラクターに実行させるべきコマンドに決定してもよい。
【0017】
つまり、プレイヤーは、ある期間だけ代打ちされたくないコマンドを登録することができる。プレイヤーは、臨機応変に禁止コマンドを設定できる。
【0018】
ゲーム装置は、受け付けられたコマンドが記憶された禁止コマンドである場合、少なくとも、受け付けられたコマンドを入力したプレイヤーに、受け付けられたコマンドが禁止コマンドである旨を通知する通知部を更に備えてもよい。
【0019】
つまり、代打ちしようとしたプレイヤーは、中座プレイヤーが代打ちを望んでいないコマンドを知ることができる。代打ちしたいプレイヤーは、次回から、通知された禁止コマンド以外のコマンドを入力すればよい。
【0020】
ゲーム装置は、複数のキャラクターのそれぞれについて、キャラクターと対応付けて得点を記憶する得点記憶部を更に備えてもよい。
そして、ゲーム進行部は、決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドが、当該キャラクターに対応付けられるプレイヤーから入力されたコマンドか否かに応じて、複数のキャラクターのそれぞれに付与する得点を計算し、当該計算された得点を、記憶される得点に加算してもよい。
【0021】
つまり、中座プレイヤーに代わって入力したコマンドが実行されると、中座プレイヤーに対応付けられるキャラクターに配分されるべき報酬の一部が、代打ちしたプレイヤーに与えられる。他のプレイヤーは、ゲームの遅延の原因となり得る中座プレイヤーに代わってコマンドを入力してあげれば、その分の見返りが得られるので、より積極的にお互いを助け合うように導くことができ、ゲームがよりスムーズに進行するようになる。
【0022】
ゲーム装置は、入力受付部により受け付けられたコマンドを、当該コマンドを入力したプレイヤーと対応付けて記憶する入力コマンド記憶部を更に備えてもよい。
そして、決定部は、入力コマンド記憶部に記憶されるコマンドに基づいて、複数のキャラクターのそれぞれに実行させるべきコマンドを決定してもよい。
【0023】
つまり、プレイヤーは、コマンドを予約して入力することができる。
【0024】
本発明のその他の観点に係るゲームシステムは、複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲームシステムであって、複数のプレイヤーのそれぞれに対応付けられるゲーム装置と、ゲームサーバと、を有する。
ゲーム装置のそれぞれは、入力受付部とコマンド送信部とを備える。
入力受付部は、ゲーム装置に対応付けられるプレイヤーから、複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。
コマンド送信部は、受け付けられたコマンドをゲームサーバに送信する。
また、ゲームサーバは、コマンド受信部と決定部とゲーム進行部とゲーム情報送信部とを備える。
コマンド受信部は、ゲーム装置のそれぞれから、複数のプレイヤーから受け付けられたコマンドを受信する。
決定部は、所定の順序により、複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
ゲーム進行部は、所定の順序により、複数のキャラクターのそれぞれについて、決定されたコマンドを決定されたキャラクターに実行させることによって、ゲームを進行させる。
ゲーム情報送信部は、ゲーム進行部によりコマンドが実行されることにより得られるゲーム情報を、ゲーム装置のそれぞれに送信する。
更に、ゲーム装置のそれぞれは、ゲーム情報受信部と出力部とを備える。
ゲーム情報受信部は、ゲーム情報をゲームサーバから受信する。
出力部は、受信されたゲーム情報を出力する。
【0025】
本発明によれば、複数のプレイヤーが参加するネットワークゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進めることができる。
【0026】
本発明のその他の観点に係るゲーム処理方法は、入力受付部、決定部、ゲーム進行部を有し、複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、入力受付ステップ、決定ステップ、ゲーム進行ステップを備える。
入力受付ステップでは、入力受付部が、複数のプレイヤーのそれぞれから、複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。
決定ステップでは、決定部が、所定の順序により、複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
ゲーム進行ステップでは、ゲーム進行部が、所定の順序により、複数のキャラクターのそれぞれについて、決定されたコマンドを決定されたキャラクターに実行させることによって、ゲームを進行させる。
【0027】
本発明によれば、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進めることができる。
【0028】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うコンピュータを、入力受付部、決定部、ゲーム進行部として機能させる。
入力受付部は、複数のプレイヤーのそれぞれから、複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。
決定部は、所定の順序により、複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定する。
更に、決定部は、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
ゲーム進行部は、所定の順序により、複数のキャラクターのそれぞれについて、決定されたコマンドを決定されたキャラクターに実行させることによって、ゲームを進行させる。
【0029】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにするために好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図3】入力されたコマンドが実行される順番を説明するための図である。
【図4】定義コマンドテーブルの構成例を示す図である。
【図5】予約コマンドテーブルの構成例を示す図である。
【図6】コマンド入力受付画面の構成例を示す図である。
【図7】ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態2において、ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図9】禁止コマンドテーブルの構成例を示す図である。
【図10】禁止コマンドテーブルの構成例を示す図である。
【図11】実施形態3において、ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図12】実施形態4において、ゲームシステムの機能的な構成を説明するための図である。
【図13】ゲーム装置とゲームサーバによって実行されるゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0034】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0035】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0036】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0037】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出して、CPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0038】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0039】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがダンスゲームやサッカーゲームなどのゲームの実行の際に行う操作入力を受け付ける。インターフェース104には、複数のコントローラ105が接続されていてもよい。
【0040】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームのプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワークを用いたゲームのチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、コントローラ105を介して操作入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0041】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0042】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0043】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0044】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0045】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0046】
また、ゲームの画像などの情報をDVD−ROMに用意しておき、これをフレームメモリに展開することによって、ゲームの様子などを画面に表示することができるようになる。
【0047】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカー(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0048】
音声処理部109では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0049】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0050】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0051】
次に、上記構成を有する情報処理装置100により実現される、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成等について説明する。
【0052】
図2は、ゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、入力受付部201、決定部202、ゲーム進行部203を備える。
【0053】
ゲーム装置200にて実行される仮想空間内におけるゲームには、複数のプレイヤーが同時に参加できる。プレイヤーのそれぞれには、仮想空間内に配置されるキャラクターオブジェクト(以下、単に「キャラクター」という。)が対応付けられる。プレイヤーは、自らに対応付けられるキャラクター(以下「自キャラクター」という。)に指示を与えて、ゲーム内でキャラクターに所望の動作をさせることができる。この指示は一般に「コマンド」と呼ばれる。本実施形態では、1人のプレイヤーにつき1つのキャラクターが対応付けられる。プレイヤーから入力されたコマンドは、所定の順序で、CPU 101によって実行される。
【0054】
例えば、ゲーム装置200では、N人(Nは2以上の整数)のプレイヤーが参加し、N人のそれぞれのキャラクターが1組のパーティを組み、お互いが協力し合って所定の条件(ミッション)を達成することを目標とする、ロールプレイングゲームが行われる。ミッションの内容は任意であり、例えば、“敵のボスキャラクターを倒す”、“宝箱を探す”などである。
【0055】
ゲームは、ゲーム装置200に接続された複数のコントローラ105を用いて複数のプレイヤーが参加するタイプのゲームでもよいし、通信ネットワークを介して複数のプレイヤーが参加するタイプのゲーム(ネットワークゲーム)でもよい。
【0056】
図3は、N=4の場合(4人のプレイヤーがゲームに参加する場合)における、コマンドが実行される順番を示す図である。第1,第2,第3,第4キャラクターがパーティを組んでゲームを進める。
【0057】
パーティを組む第1キャラクターに対応付けられる第1プレイヤー301が第1キャラクターにコマンドを出す。同様に、第2キャラクターに対応付けられる第2プレイヤー302が第2キャラクターにコマンドを出し、第3キャラクターに対応付けられる第3プレイヤー303が第3キャラクターにコマンドを出し、第4キャラクターに対応付けられる第4プレイヤー304が第4キャラクターにコマンドを出す。
また、本発明においては、プレイヤーは、自キャラクターにコマンドを出すだけでなく、所定の条件の下、他のプレイヤーに対応付けられるキャラクター(以下「他キャラクター」という。)にもコマンドを出すことができるのであるが、詳細については後述する。
【0058】
図4は、予め定義されるコマンドの具体例を示す図である。定義コマンドテーブル400には、コマンド名と、コマンド内容と、コマンドを実行するための条件(実行条件)と、が対応付けて記憶される。定義コマンドテーブル400は、外部メモリ106等に予め格納されている。
【0059】
例えば、コマンド“攻撃A”は、所定の実行条件“(コマンドを実行するキャラクターが)アイテム「剣」を持っていること”を満たしていることを条件として、“(コマンドを実行するキャラクターが)剣で戦う”というコマンド内容である。
図4に示すコマンド名、コマンド内容、実行条件は、いずれも例示であり、本発明によって限定されない。また、予め用意されるコマンドの数は任意である。
【0060】
入力受付部201は、複数のプレイヤーのそれぞれから、複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。CPU 101とコントローラ105が協働して、入力受付部201として機能する。
【0061】
典型的には、予め決められた順序(一般に“ターン”とも呼ばれる)で各プレイヤーからコマンドが入力された後、入力された各コマンドが同じ順序で実行される。図3の例では、第1プレイヤー301、第2プレイヤー302、第3プレイヤー303、第4プレイヤー304の順に、自キャラクターに実行させたいコマンドをコントローラ105を用いて入力する。すべてのプレイヤーがコマンドを入力し終わると、CPU 101は、第1キャラクター、第2キャラクター、第3キャラクター、第4キャラクターの順に、入力されたコマンドに対応する処理を実行してゲームを進める。
【0062】
本発明のゲーム装置200では、CPU 101が各キャラクターにコマンドを実行させる順番は予め決められているが、プレイヤーがコマンドを入力できる順番は、必ずしも各キャラクターにコマンドを実行させる順番と同じでなくてもよい。つまり、プレイヤーは、自分のターンが回ってくる前に、あたかもコマンドを“予約”するかのように、コマンドを入力することもできる。
【0063】
自分のターンが回ってくる前に入力されたコマンドは、図5に示す予約コマンドテーブル500に一時的に格納される。
【0064】
例えば、CPU 101は、図6に示すようなコマンド入力受付画面600をモニターに表示すると共に、各プレイヤーからのコマンド入力の受け付けを開始する。このコマンド入力画面600がモニターに表示されている間、第1キャラクターと対応付けられる第1プレイヤー301と、第2キャラクターと対応付けられる第2プレイヤー302と、第3キャラクターと対応付けられる第3プレイヤー303と、第4キャラクターと対応付けられる第4プレイヤー304とは、それぞれ、自由なタイミングで、自キャラクターに実行させたいコマンドを入力することができる。
【0065】
また、各プレイヤーは、自キャラクターだけでなく、他キャラクターに実行させたいコマンドを入力することもできる。例えば、第1プレイヤー301は、自キャラクター(第1キャラクター)に実行させたいコマンドを入力することができるほか、他キャラクター(第2,第3,第4キャラクター)に実行させたいコマンドを入力することもできる。
【0066】
CPU 101は、入力されたコマンドを、コマンドを出したプレイヤーと、コマンドを実行させたいキャラクターとに対応付けて、予約コマンドテーブル500に記憶する。
【0067】
プレイヤーは、コマンド入力受付画面600が表示されている間、すなわちコマンド入力の受け付けを開始してから所定の入力期限に達するまでの間、自キャラクター及び/又は他キャラクターに実行させたいコマンドを入力することができる。
【0068】
決定部202は、所定の順序により、複数のキャラクターの中から、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定する。また、決定部202は、決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されたか否かに基づいて、実行させるべきコマンドを決定する。CPU 101が決定部202として機能する。
【0069】
より詳細には、CPU 101は、所定の順序として、例えば、ゲームにエントリーした順、パーティに参加した順、プレイヤー同士で予め定めた順、キャラクターに関連付けられる数値パラメータ(いわゆる“ヒットポイント”と呼ばれる体力パラメータなど)が大きい順又は小さい順、などを採用することができる。
本実施形態では、1番目が第1キャラクター、2番目が第2キャラクター、3番目が第3キャラクター、4番目が第4キャラクター、という順序を採用する。
【0070】
更に、CPU 101は、コマンド入力の受け付けを開始してから、決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限に達するまでに、決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力され、予約コマンドテーブル500にコマンドが格納されている場合、そのプレイヤーから入力されたコマンドを、そのキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
【0071】
つまり、コマンド入力期間内に、第1キャラクターへのコマンドが第1プレイヤー301から入力された場合、第1プレイヤー301から入力されたコマンドが、第1キャラクターに実行させるコマンドとなる。第2、第3、第4キャラクターについても同様である。
【0072】
上述したように、プレイヤーは、自キャラクターだけでなく他キャラクターへのコマンドも入力できるため、1つのキャラクターに対して複数のプレイヤーから複数のコマンドが入力されることがある。このような場合には、CPU 101は、入力された複数のコマンドの中からいずれか1つのみを選択し、選択したコマンドをそのキャラクターに実行させるコマンドとする。
【0073】
ただし、あるキャラクターに対して、そのキャラクターに対応するプレイヤーと、そうでないプレイヤーとから、コマンドが入力された場合、CPU 101は、そのキャラクターに対応するプレイヤーから入力されたコマンドを、そのキャラクターに実行させるコマンドに決定する。CPU 101は、そのキャラクターに対応しないプレイヤーから入力されたコマンドを破棄する。
例えば、第1キャラクターに対して第1プレイヤー301と第2プレイヤー302とからコマンドが入力された場合、CPU 101は、第1プレイヤー301から入力されたコマンドを、第1キャラクターに実行させるコマンドとする。
【0074】
また、CPU 101は、コマンド入力の受け付けを開始してから、決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限に達するまでに、決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、この他のプレイヤーから入力されたコマンドを、そのキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
【0075】
つまり、コマンド入力期間内に、第1キャラクターへのコマンドが、第1プレイヤー301から入力されず、他のプレイヤー(第2プレイヤー302と第3プレイヤー303と第4プレイヤー304のいずれか)から入力された場合、CPU 101は、他のプレイヤーから入力されたコマンドを、第1キャラクターに実行させるコマンドとする。第2、第3、第4キャラクターについても同様である。
【0076】
この場合も、1つのキャラクターに対して、そのキャラクターに対応しない複数のプレイヤーからコマンドが入力されることがある。CPU 101は、入力された複数のコマンドの中からいずれか1つのみを選択し、選択したコマンドをそのキャラクターに実行させるコマンドとする。
【0077】
あるキャラクターに対応しない複数のプレイヤーから複数のコマンドが入力された場合には、CPU 101は、例えば、いずれか1つのコマンドをランダムに選択してもよい。
【0078】
あるいは、CPU 101は、入力された複数のコマンドの中からいずれか1つのコマンドを多数決で選択してもよい。すなわち、CPU 101は、そのキャラクターに実行させたいと判断したプレイヤーの数が最も多いコマンドを選択してもよい。
【0079】
また、CPU 101は、所定の優先度に基づいて、入力された複数のコマンドの中からいずれか1つのコマンドを選択してもよい。
例えば、体力パラメータが他のキャラクターと比べて相対的に小さいキャラクターに対しては、CPU 101は、攻撃コマンドよりも防御コマンドを優先して選択する。体力パラメータが小さいキャラクターに対して、そのキャラクターに対応しないプレイヤーから、体力パラメータを回復させるコマンドと、敵を攻撃するコマンドと、の2つのコマンドが予約コマンドテーブル500に格納されている場合、CPU 101は、体力パラメータを回復させるコマンドを優先して選択する。コマンドの優先度の決め方は任意である。
【0080】
なお、コマンド入力期間内に、第1キャラクターへのコマンドが、第1プレイヤー301を含むすべてのプレイヤーから入力されない場合、CPU 101は、第1キャラクターへのコマンドがいずれかのプレイヤーから入力されるまで待機する(入力待ちになる)。第2,第3,第4キャラクターについても同様である。
【0081】
ゲーム進行部203は、上記の所定の順序により、複数のキャラクターのそれぞれについて、決定部202により決定されたコマンドをキャラクターに実行させることによって、ゲームを進行させる。CPU 101がゲーム進行部203として機能する。
【0082】
CPU 101は、決定部202により決定されたコマンドを実行すると、予約コマンドテーブル500に記憶されているコマンドのうち、実行済みのコマンドを削除する。
【0083】
例えば、図3に示すように、4人のプレイヤーが同じゲームに参加し、それぞれのキャラクターがパーティを組んでゲームを行うとき、各プレイヤーは、ミッションを達成するまでゲームを続けることになる。ゲームの途中で、ある1人のプレイヤーが勝手にゲームを放棄したり自分だけの都合で退席したりすると、ゲームを進めることができなくなってしまい、残りの3人のプレイヤーに迷惑をかけてしまう。そのため、一般的なマナーを考慮すれば、各プレイヤーは、ゲームが終了するまで勝手にゲームから抜けることがないように心掛けることが望ましい。
しかし、プレイヤーに急用が生じて、一時的にもしくはある日時以降、どうしてもゲームから離れなければならなくなることがある。
そこで、本発明では、プレイヤーは、自キャラクターだけでなく他キャラクターにもコマンドを出すことができるようにし、やむを得ない事情で退席したプレイヤーの代わりに、ゲームに引き続き参加中の他のプレイヤーがコマンドを“代打ち”できるようにすることにより、プレイヤーになるべく迷惑がかからないようにしているのである。
【0084】
次に、ゲーム装置200の上記各部が実行するゲーム処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、N人のプレイヤーがゲームに参加し、1人のプレイヤーにつき1つの自キャラクターが対応付けられるものとする。
【0085】
まず、CPU 101は、N人の各プレイヤーからのコマンド入力の受け付けを開始する(ステップS701)。例えば、CPU 101は、前回決定されたコマンドに対応付けられている処理をすべて実行した後、図6に示すようなコマンド入力受付画面600をモニターに表示すると共に、N人の各プレイヤーからコマンドを受け付ける。各プレイヤーは、コントローラ105を操作して、自キャラクターもしくは他キャラクターに実行させたいコマンドを入力する。
【0086】
次に、CPU 101は、N個のキャラクターのうちのいずれか1つを自キャラクターに設定する(ステップS702)。例えば、CPU 101は、第1キャラクター、第2キャラクター、第3キャラクター、第4キャラクターの順に、自キャラクターに設定する。
【0087】
CPU 101は、自キャラクターに対応するプレイヤーから、自キャラクターへのコマンドが入力されたか否かを判別する(ステップS703)。
具体的には、CPU 101は、予約コマンドテーブル500を参照し、自キャラクターに対応するプレイヤーから入力された自キャラクターへのコマンドが予約コマンドテーブル500に記憶されているか否かを判別することにより、自キャラクターへのコマンドが入力されたか否かを判別する。
【0088】
自キャラクターに対応するプレイヤーから自キャラクターへのコマンドが入力されたと判別した場合(ステップS703;YES)、CPU 101は、入力されたそのコマンドを、実行するコマンドに決定する(ステップS704)。つまり、自キャラクターに対応するプレイヤーから入力されたコマンドが最優先される。
【0089】
一方、自キャラクターに対応するプレイヤーから自キャラクターへのコマンドが入力されていないと判別した場合(ステップS703;NO)、CPU 101は、ステップS701でコマンドの受け付けを開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップS705)。
【0090】
所定期間が経過していないと判別した場合(ステップS705;NO)、CPU 101は、ステップS703の処理に戻る。
【0091】
所定期間の長さは任意である。例えば、CPU 101は、所定期間を“30秒”に定め、受付開始から30秒が経過するまで、コマンドの入力を受け付ける。
【0092】
所定期間が経過したと判別した場合(ステップS705;YES)、CPU 101は、自キャラクターに対応するプレイヤー以外の他のプレイヤーから、自キャラクターへのコマンドが入力されたか否かを判別する(ステップS706)。
【0093】
他のプレイヤーから自キャラクターへのコマンドが入力されていないと判別した場合(ステップS706;NO)、CPU 101は、ステップS703の処理に戻る。
【0094】
他のプレイヤーから自キャラクターへのコマンドが入力されたと判別した場合(ステップS706;YES)、CPU 101は、他のプレイヤーから入力されたコマンドを、実行するコマンドに決定する(ステップS707)。
【0095】
他のプレイヤーから入力されたコマンドが複数の場合には、CPU 101は、それらの複数のコマンドの中からいずれか1つを選択する。
ここまでの処理で、自キャラクターに対するコマンドが決定されることとなる。
【0096】
CPU 101は、N個のすべてのキャラクターについて、実行すべきコマンドが決定されたか否かを判別する(ステップS708)。
【0097】
すべてのキャラクターに対するコマンドが決定されていないと判別した場合(ステップS708;NO)、CPU 101は、ステップS702の処理に戻る。
【0098】
すべてのキャラクターに対するコマンドが決定されたと判別した場合(ステップS708;YES)、CPU 101は、すべてのキャラクターについて、決定されたコマンドを実行する(ステップS709)。CPU 101は、予め決められた所定の順序で、例えば第1キャラクター、第2キャラクター、第3キャラクター、第4キャラクターの順で、コマンドを実行する。CPU 101は、以上のゲーム処理によって決定されたコマンドを所定の順序で実行することにより、ゲームを進行させる。
【0099】
本実施形態によれば、あるプレイヤーがゲームの途中で参加できなくなったとしても、他のプレイヤーが代わりにコマンドを出すことにより、いなくなったプレイヤーの穴埋めをすることができる。
例えば、あるプレイヤーがゲーム途中でトイレ休憩を取り一時的にゲームから離れたとしても、その間は他のプレイヤーがコマンドを代打ちできるので、そのプレイヤーのターンでゲームが止まってしまうといったような不都合は生じない。
また、ゲームが長期化した場合には、プレイヤーは、他のプレイヤーにコマンド入力を任せて順次休憩を取ることができる。あるプレイヤーが休憩中であっても、他のプレイヤーが代わりにコマンドを入力できるので、休憩の間にゲームの進行が滞ってしまうことはない。
また、プレイヤーの意志に関わらず、通信ネットワークの障害等により、一部のプレイヤーが途中でゲームに参加できなくなってしまうことがある。しかし、他のプレイヤーが代わりにコマンドを入力できるので、不測の故障等によりゲームの進行が滞ってしまうことはない。
以上のように、本実施形態によれば、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進めることができる。
【0100】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、プレイヤーが自キャラクターにコマンドを入力していない場合に、他のプレイヤーが自キャラクターに出すことができるコマンドに制限を設けることができる。
【0101】
図8は、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、禁止コマンド記憶部801を更に備える。
【0102】
禁止コマンド記憶部801は、複数のキャラクターのうちの一のキャラクターと対応付けて、その一のキャラクターに実行させることを禁止するコマンド(以下「禁止コマンド」という。)を記憶する。CPU 101と外部メモリ106(又はRAM 103)が協働して、禁止コマンド記憶部801として機能する。
【0103】
決定部202は、複数のキャラクターのそれぞれについて、禁止コマンドテーブル900に記憶された禁止コマンド以外のコマンドを、キャラクターに実行させるべきコマンドに決定する。
【0104】
プレイヤーは、コントローラ105を操作して、他人が自キャラクターに実行させることができない禁止コマンドを予め指定することができる。CPU 101は、禁止コマンドの入力を受け付けると、禁止コマンドの対象となるキャラクターと対応付けて、禁止コマンドをRAM 103に記憶する。
ただし、プレイヤーは、自キャラクターについてのみ、禁止コマンドを指定できるものとする。
【0105】
図9は、禁止コマンドが記憶される禁止コマンドテーブル900の構成例を示す図である。
例えば、図9では、第1キャラクターについては、“魔法P”コマンドが禁止コマンドに指定されている。第1キャラクターに対応する第1プレイヤー301は、“魔法P”コマンドを入力できるが、他のプレイヤーは第1キャラクターについて“魔法P”コマンドを入力することはできない。
例えば、第2キャラクターについては、“攻撃A”コマンドと“攻撃B”コマンドの2つが禁止コマンドに指定されている。このように、1つのキャラクターに対応付けることができる禁止コマンドは複数であってもよい。
【0106】
図10は、禁止コマンドテーブル1000の他の構成例を示す図である。
本図に示すように、禁止コマンドテーブル1000は、キャラクター名と、禁止コマンド名と、有効期間とを対応付けて記憶してもよい。
【0107】
有効期間は、禁止コマンドを他のプレイヤーが入力できない期間を定める。典型的には、現実の時間(システム時間)を用いて定義される。あるいは、有効期間は、禁止コマンドに設定されてからの時間の長さ(例えば“設定日から1週間”など)を用いて定義されてもよい。また、有効期間を特に定めずに「無期限」とすることもできる。
【0108】
本実施形態では、上述のステップS701において、CPU 101は、キャラクターのそれぞれについて、禁止コマンド以外のコマンドの入力を、各プレイヤーから受け付ければよい。CPU 101は、キャラクターのそれぞれについて、現在日時が有効期間内の禁止コマンド以外のコマンドの入力を、各プレイヤーから受け付けてもよい。すなわち、CPU 101は、他のプレイヤーが禁止コマンドを入力できなくなるように制御してもよい。
【0109】
もしくは、上述のステップS707において、CPU 101は、キャラクターのそれぞれについて、禁止コマンド以外のコマンドを、実行するコマンドに決定すればよい。CPU 101は、キャラクターのそれぞれについて、現在日時が有効期間内であって、禁止コマンド以外のコマンドを、実行するコマンドに決定してもよい。すなわち、CPU 101は、禁止コマンドを含めて他のプレイヤーがコマンドを入力できるものの、禁止コマンドを常に選択しないように制御してもよい。
【0110】
なお、CPU 101は、他のプレイヤーが禁止コマンドを入力した場合、もしくは、他のプレイヤーが禁止コマンドを入力しようとしている場合、少なくとも当該他のプレイヤーに、入力した(入力しようとしている)コマンドが禁止コマンドである旨を通知することが望ましい。例えば、CPU 101は、入力した(入力しようとしている)コマンドが禁止コマンドである旨のメッセージをモニターに表示させるとよい。
【0111】
CPU 101は、禁止コマンドを入力した(入力しようとしている)プレイヤーだけでなく、ゲームに参加しているすべてのプレイヤーに、入力した(入力しようとしている)コマンドが禁止コマンドである旨を通知してもよい。このようにすれば、他のプレイヤーが再び同じ禁止コマンドを入力してしまうことを防ぐことができる。ただし、禁止コマンドを設定したプレイヤーには通知しなくてもよい。
【0112】
本実施形態によれば、プレイヤーは、他人に実行して欲しくないコマンドをマスクすることができる。プレイヤーは、他の参加プレイヤーの一部が中座しても、マスクされた禁止コマンドを回避しつつ、ゲームを進められる。
例えば、プレイヤーは、成功すれば自分(もしくはパーティ全体)にとってメリットの大きいものの、もし失敗すれば自分(もしくはパーティ全体)への悪影響が大きいようなリスクの高いコマンドを、あまり乱発したくないものである。このようなコマンドを禁止コマンドに指定しておけば、このコマンドが他人に勝手に出されてしまうことを未然に防ぐことができる。
【0113】
(実施形態3)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、キャラクターに実行させると決定されたコマンドを入力したプレイヤーが誰であるかによって、ゲームの進行が変わることがある。
【0114】
本実施形態で扱うゲームにおいては、コマンドを実行することによって、若しくは、実行したコマンドによる貢献度に応じて、キャラクター(もしくはプレイヤー)へ所定の成果が与えられる。成果は、例えば、キャラクター(もしくはプレイヤー)が得られる経験値や点数などである。
【0115】
図11は、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成を示す図である。ゲーム装置200は、得点記憶部1101を更に備える。
【0116】
得点記憶部1101は、複数のキャラクターのそれぞれについて、キャラクターと対応付けて得点を記憶する。CPU 101とRAM 103(もしくは外部メモリ106)が協働して、得点記憶部1101として機能する。
【0117】
ゲーム進行部203は、決定部202によって決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドが、キャラクターに対応付けられるプレイヤーから入力されたコマンドか否かに応じて、複数のキャラクターのそれぞれに付与する得点を計算する。そして、ゲーム進行部203は、計算された得点を、得点記憶部1101に記憶される得点に加算する。そして、ゲーム進行部203は、加算された得点に基づいて、ゲームを進行させる。
【0118】
例えば、複数のキャラクターが協力して敵のボスキャラクターと戦うシーンにおいて、パーティが敵のボスキャラクターを倒すと、戦闘に参加したキャラクターのそれぞれには、成功報酬として所定の得点が与えられる。成功報酬は、ゲームに参加しているキャラクターに均等に分配されてもよいし、戦闘における貢献度に応じて計算される量が分配されてもよい。
【0119】
あるキャラクターに対して入力されたコマンドが、そのキャラクターに対応付けられるプレイヤーから入力されたものである場合には、CPU 101は、そのキャラクター(もしくはそのキャラクターに対応付けられるプレイヤー)へ所定の得点の100%を付与する。
【0120】
一方、あるキャラクターに対して入力されたコマンドが、そのキャラクターに対応付けられるプレイヤーではない他のプレイヤーから入力されたものである場合には、CPU 101は、そのキャラクターと、コマンドを代打ちしたプレイヤーに対応付けられるキャラクターと、の間の配分比率を計算する。そして、CPU 101は、計算された配分比率に基づいて、そのキャラクター(もしくはそのキャラクターに対応付けられるプレイヤー)と、コマンドを代打ちしたプレイヤーに対応付けられるキャラクター(もしくはその代打ちをしたプレイヤー)とに、得点を付与する。
すなわち、代打ちしたプレイヤーに対応付けられるキャラクターには、代打ちされたプレイヤーに対応付けられるキャラクターに分配されるべき報酬の一部が、分け前として与えられる。
【0121】
本実施形態によれば、途中でゲームを抜けたプレイヤーの代わりにコマンドを入力し、代わりに入力されたそのコマンドが実行されれば、報酬を余計に獲得することができるので、他のプレイヤーがより積極的にコマンドの代打ちをするようになる効果が期待できる。プレイヤーは、他の参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められる。
【0122】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態におけるゲームは、複数のプレイヤーが同時に参加してプレイすることができる多人数参加型のゲームであり、一般にはMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)と呼ばれる。複数のプレイヤーは、それぞれ自分に割り当てられたゲーム装置を用いてゲームをプレイする。
【0123】
図12は、本実施形態のゲームシステム1200の機能的な構成を示す図である。ゲームシステム1200は、N個(Nは2以上の整数)の複数のゲーム装置1210(本図中では、1210A,1210Bと記載)と、ゲームサーバ1250と、から構成される。
【0124】
ゲーム装置1210は、通信ネットワークを介してゲームサーバ1250に接続される。通信ネットワークは、典型的にはインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線、専用回線などでもよい。
【0125】
ゲーム装置1210のハードウェア構成は、上記実施形態における情報処理装置100と同じである。ゲーム装置1210は、情報処理装置100と同等のハードウェア構成を有する家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯端末などでもよい。
【0126】
ゲームサーバ1250は、ゲームの運営者が管理し、ゲーム装置1210のそれぞれから受け付けたコマンドを実行し、ゲームを進行させる。ゲームの進行状況や、プレイヤーに対応付けられるキャラクターの属性パラメータなどは、適宜、ゲームサーバ1250によって更新され、ゲーム装置1210に送られる。ゲームサーバ1250は“ホスト”とも呼ばれる。
【0127】
ゲームサーバ1250は、少なくともCPU、ROM、RAM、NIC、ハードディスクを備えるコンピュータであり、上述の情報処理装置100をゲームサーバ1250として利用することもできる。
【0128】
次に、ゲームシステム1200の機能的な構成の詳細について説明する。ゲーム装置1210は、入力受付部1211、コマンド送信部1212、ゲーム情報受信部1213、出力部1214を備える。ゲームサーバ1250は、コマンド受信部1251、決定部1252、ゲーム進行部1253、ゲーム情報送信部1254を備える。
【0129】
ゲーム装置1210Aが備える入力受付部1211A,コマンド送信部1212A,ゲーム情報受信部1213A,出力部1214Aと、ゲーム装置1210Bが備える入力受付部1211B,コマンド送信部1212B,ゲーム情報受信部1213B,出力部1214Bは、それぞれ同じ構成である。以下の説明では、入力受付部1211A,1211B等を総称して入力受付部1211という。コマンド送信部1212、ゲーム情報受信部1213,出力部1214についても同様である。
【0130】
入力受付部1211は、ゲーム装置1210のユーザ(プレイヤー)から、そのユーザに対応付けられる自キャラクターに実行させたいコマンド、もしくは、他のユーザに対応付けられる他キャラクターに実行させたいコマンドの入力を受け付ける。CPU 101とコントローラ105が協働して、入力受付部1211として機能する。
【0131】
コマンド送信部1212は、入力受付部1211によって受け付けられたコマンドをゲームサーバ1250に送信する。CPU 101とNIC 110が協働して、コマンド送信部1212として機能する。
【0132】
ゲーム情報受信部1213は、各キャラクターに対応付けられる属性パラメータや、ゲームの状態を示す様々なゲーム情報をゲームサーバ1250から受信する。CPU 101は、受信したゲーム情報を用いて、RAM 103に記憶されているゲーム情報を更新する。これにより、ゲーム装置1210に保存されたゲーム情報と、ゲームサーバ1250に保存されたゲーム情報と、の同期が取られる。同期のタイミングは任意であるが、所定の周期的なタイミング、又は、所定のゲームイベントが発生したタイミングで行われるものとする。CPU 101とNIC 110が協働して、ゲーム情報受信部1213として機能する。
【0133】
出力部1214は、ゲーム情報受信部1213によって受信されRAM 103に記憶されたゲーム情報を用いて、仮想空間内に自キャラクターや他キャラクターを配置した画像を生成し、生成した画像をモニターに表示する。CPU 101と画像処理部108が協働して、出力部1214として機能する。
【0134】
コマンド受信部1251は、プレイヤーによって入力されたコマンドを各ゲーム装置1210から受信する。ゲームサーバ1250のCPUとNICが協働して、コマンド受信部1251として機能する。
【0135】
決定部1252は、上述の決定部202と同じ構成を有する。決定部1252は、所定の順序によりコマンドを実行させるキャラクターを決定し、各キャラクターに実行させるコマンドを決定する。ゲームサーバ1250のCPUが、決定部1252として機能する。
【0136】
ゲーム進行部1253は、決定部1252によって決定されたコマンドを、決定部1252によって決定されたキャラクターに実行させることにより、ゲームを進行させる。決定部1252は、キャラクターにコマンドを実行させることにより、キャラクターに対応付けられる体力値や経験値などのゲーム情報を変化させ、ゲーム情報をRAMに格納する。ゲームサーバ1250のCPUが、ゲーム進行部1253として機能する。
【0137】
ゲーム情報送信部1254は、ゲーム進行部1253によって更新されたゲーム情報を、各ゲーム装置1210に送信する。例えば、ゲーム情報送信部1254は、所定の周期的なタイミング、又は、所定のゲームイベントが発生したタイミングで、ゲーム情報を各ゲーム装置1210に送信する。ゲームサーバ1250のCPUとNICが協働して、ゲーム情報送信部1254として機能する。
【0138】
なお、ゲーム情報送信部1254は、更新したゲーム情報をすべてのゲーム装置1210に逐次送信してもよいし、属性パラメータを更新した際に、更新された属性パラメータによって表されるキャラクターに対応付けられるゲーム装置1210にのみゲーム情報を送信するようにしてもよい。
【0139】
次に、本実施形態の上記各部が実行するゲーム処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。図13に示すゲーム処理は、1回のターンにおいて、入力されたコマンドが実行される処理を示しており、このゲーム処理が繰り返し実行されることにより、ゲームが進行していく。
【0140】
まず、各ゲーム装置1210のCPU 101は、プレイヤーからコマンドの入力を受け付ける(ステップS1301)。
【0141】
各ゲーム装置1210のCPU 101は、受け付けたコマンドをゲームサーバ1250に送信する(ステップS1302)。
【0142】
ゲームサーバ1250のCPUは、入力されたコマンドを、各ゲーム装置1210から受信する(ステップS1303)。
【0143】
ゲームサーバ1250のCPUは、ゲームにおけるいずれかのキャラクターを自キャラクターに設定する(ステップS1304)。
【0144】
ゲームサーバ1250のCPUは、自キャラクターに実行させるコマンドが、その自キャラクターに対応するプレイヤーから入力されたか否かを判別する(ステップS1305)。
【0145】
自キャラクターに実行させるコマンドがその自キャラクターに対応するプレイヤーから入力された場合(ステップS1305;YES)、ゲームサーバ1250のCPUは、その入力されたコマンドを、その自キャラクターに実行させるコマンドに決定する(ステップS1306)。
【0146】
自キャラクターに実行させるコマンドがその自キャラクターに対応するプレイヤーから入力されていない場合(ステップS1305;NO)、ゲームサーバ1250のCPUは、コマンド入力の受け付けを開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップS1307)。
【0147】
所定期間が経過していない場合(ステップS1307;NO)、ゲームサーバ1250のCPUは、ステップS1305の処理に戻る。
【0148】
一方、所定期間が経過した場合(ステップS1307;YES)、ゲームサーバ1250のCPUは、自キャラクターに対応するプレイヤー以外の他のプレイヤーから入力されたコマンドを、自キャラクターに実行させるコマンドに決定する(ステップS1308)。つまり、他のプレイヤーから代打ちされたコマンドが実行されることになる。
【0149】
ゲームサーバ1250のCPUは、各キャラクターに実行させるコマンドが決定されたか否かを判別する(ステップS1309)。
【0150】
各キャラクターに実行させるコマンドが決定されていない場合(ステップS1309;NO)、言い換えれば、実行させるコマンドが決定されていないキャラクターが残っている場合、ゲームサーバ1250のCPUは、全キャラクターに実行させるコマンドが決定されるまで、ステップS1304乃至S1308の処理を繰り返す。
【0151】
各キャラクターに実行させるコマンドが決定された場合(ステップS1309;YES)、ゲームサーバ1250のCPUは、キャラクターのそれぞれについて、決定されたコマンドを実行し(ステップS1310)、ゲームを進行する。
【0152】
そして、ゲームサーバ1250のCPUは、各キャラクターの属性パラメータなどのゲーム情報を更新し、各ゲーム装置1210に送信する(ステップS1311)。
【0153】
ゲーム装置1210のCPU 101は、ゲーム情報をゲームサーバ1250から受信し(ステップS1312)、ゲーム情報をモニターに出力する(ステップS1313)。例えば、CPU 101は、受信したゲーム情報に基づいて仮想空間内に自キャラクターと他キャラクターを配置した画像を生成し、モニターに表示する。
【0154】
本実施形態によれば、複数のプレイヤーが同時に参加してプレイできるネットワークゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにすることができる。
【0155】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0156】
上記のゲーム装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0157】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0158】
以上説明したように、本発明によれば、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、参加プレイヤーの一部が中座してもゲームを進められるようにするために好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0159】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 ゲーム装置
201 入力受付部
202 決定部
203 ゲーム進行部
301〜304 プレイヤー(第1プレイヤー、第2プレイヤー、第3プレイヤー、第4プレイヤー)
400 定義コマンドテーブル
500 予約コマンドテーブル
600 コマンド入力受付画面
801 禁止コマンド記憶部
900,1000 禁止コマンドテーブル
1101 得点記憶部
1200 ゲームシステム
1210,1210A,1210B ゲーム装置
1211,1211A,1211B 入力受付部
1212,1212A,1212B コマンド送信部
1213,1213A,1213B ゲーム情報受信部
1214,1214A,1214B 出力部
1250 ゲームサーバ
1251 コマンド受信部
1252 決定部
1253 ゲーム進行部
1254 ゲーム情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲーム装置であって、
前記複数のプレイヤーのそれぞれから、前記複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける入力受付部と、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
決定部と、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記決定されたコマンドを前記決定されたキャラクターに実行させることによって、前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、
(b')複数の他のプレイヤーからコマンドが複数入力された場合、コマンドに対応付けられる優先度に基づいて、当該入力された複数のコマンドの中からいずれか一つのコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記複数のキャラクターのうちの一のキャラクターと対応付けて、当該一のキャラクターに実行させることを禁止するコマンド(以下「禁止コマンド」という。)を記憶する禁止コマンド記憶部を更に備え、
前記決定部は、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記記憶された禁止コマンド以外のコマンドを、前記キャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置であって、
前記禁止コマンド記憶部は、前記複数のキャラクターのうちの一のキャラクターと対応付けて、前記禁止コマンドと、前記禁止コマンドの有効期間と、を記憶し、
前記決定部は、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記記憶された禁止コマンドであって現在日時が前記有効期間に含まれるもの以外のコマンドを、前記キャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のゲーム装置であって、
前記受け付けられたコマンドが前記記憶された禁止コマンドである場合、少なくとも前記受け付けられたコマンドを入力したプレイヤーに、前記受け付けられたコマンドが禁止コマンドである旨を通知する通知部を更に備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記キャラクターと対応付けて得点を記憶する得点記憶部を更に備え、
前記ゲーム進行部は、前記決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドが、当該キャラクターに対応付けられるプレイヤーから入力されたコマンドか否かに応じて、前記複数のキャラクターのそれぞれに付与する得点を計算し、当該計算された得点を前記記憶される得点に加算する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記入力受付部により受け付けられたコマンドを、当該コマンドを入力したプレイヤーと対応付けて記憶する入力コマンド記憶部を更に備え、
前記決定部は、前記入力コマンド記憶部に記憶されるコマンドに基づいて、前記複数のキャラクターのそれぞれに実行させるべきコマンドを決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲームシステムであって、
前記ゲームシステムは、前記複数のプレイヤーのそれぞれに対応付けられるゲーム装置と、ゲームサーバと、を有し、
前記ゲーム装置のそれぞれは、
前記ゲーム装置に対応付けられるプレイヤーから、前記複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける入力受付部と、
前記受け付けられたコマンドを前記ゲームサーバに送信するコマンド送信部と、
を備え、
前記ゲームサーバは、
前記ゲーム装置のそれぞれから、前記複数のプレイヤーから受け付けられたコマンドを受信するコマンド受信部と、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
決定部と、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記決定されたコマンドを前記決定されたキャラクターに実行させることによって、前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記ゲーム進行部によりコマンドが実行されることにより得られるゲーム情報を、前記ゲーム装置のそれぞれに送信するゲーム情報送信部と、
を備え、
前記ゲーム装置のそれぞれは、更に、
前記ゲーム情報を前記ゲームサーバから受信するゲーム情報受信部と、
前記受信されたゲーム情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
入力受付部、決定部、ゲーム進行部を有し、複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、
前記入力受付部が、前記複数のプレイヤーのそれぞれから、前記複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記決定部が、前記所定の順序により、前記複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
決定ステップと、
前記ゲーム進行部が、前記所定の順序により、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記決定されたコマンドを前記決定されたキャラクターに実行させることによって、前記ゲームを進行させるゲーム進行ステップと、
を備えることを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項10】
複数のプレイヤーが参加し、当該複数のプレイヤーのそれぞれに仮想空間内におけるキャラクターが対応付けられ、当該複数のキャラクターに、所定の順序で、コマンドを実行させて進行するゲームを行うコンピュータを、
前記複数のプレイヤーのそれぞれから、前記複数のキャラクターのそれぞれに実行させたいコマンドの入力を受け付ける入力受付部、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターから、コマンドを実行させるべきキャラクターを決定し、
(a)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該プレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定し、
(b)当該決定されたキャラクターに対するコマンドの入力期限までに、当該決定されたキャラクターに対応付けられるプレイヤーからコマンドが入力されず、且つ、他のプレイヤーからコマンドが入力された場合、当該他のプレイヤーから入力されたコマンドを、当該決定されたキャラクターに実行させるべきコマンドに決定する、
決定部、
前記所定の順序により、前記複数のキャラクターのそれぞれについて、前記決定されたコマンドを前記決定されたキャラクターに実行させることによって、前記ゲームを進行させるゲーム進行部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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