説明

ゲーム装置、ゲームプログラム

【課題】プレイヤキャラクタによるゲーム空間における移動と敵キャラクタからの攻撃に対する防御とを組み合わせて実行できるようにすることでゲーム性を向上させる。
【解決手段】ゲーム空間内で動作する敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを含むゲーム画面を表示するゲーム装置において、敵キャラクタ制御部33は、敵キャラクタによるプレイヤキャラクタに対する攻撃を制御する。プレイヤキャラクタ制御部32は、プレイヤキャラクタのゲーム空間における移動先が設定されると、この設定された移動先にプレイヤキャラクタを移動させる。攻撃判定部35は、プレイヤキャラクタが移動先まで移動されている間の敵キャラクタからのプレイヤキャラクタに対する攻撃を無効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム空間内で動作する敵キャラクタに対して、プレイヤキャラクタを操作して戦うシューティングゲームを実行するゲーム装置、及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内で動作する敵キャラクタに対して、プレイヤキャラクタを操作して戦うビデオゲームでは、プレイヤキャラクタを敵キャラクタからの攻撃を回避するように移動させたり、敵キャラクタからの攻撃を防御させながら、プレイヤキャラクタから敵キャラクタに対して攻撃を加えることにより敵キャラクタを倒すことができる。
【0003】
ゲーム空間中でプレイヤキャラクタを移動させる方法としては、例えば、ゲーム進行開始前に表示されるルート設定画面において、次のゲームステージのマップ上でカーソルを移動させることにより、カーソルの移動軌跡をプレイヤキャラクタが移動するルートとして設定することができる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、敵キャラクタからの攻撃を防御する方法としては、例えば自己が操作する操作体(プレイヤキャラクタ)周囲にバリアを設け、このバリアが設けられているときに、相手からの攻撃を反射させるように制御する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−280447号公報
【特許文献2】特開2001−149650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のゲーム装置では、プレイヤキャラクタのゲーム空間における移動と、敵キャラクタからの攻撃に対する防御の制御がそれぞれ独立して行われていた。このため、ゲーム内容についても、プレイヤキャラクタの移動と攻撃に対する防御とが個別に行われることを前提に作成されることになり、ゲーム性を発展させる上での妨げとなっていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、プレイヤキャラクタによるゲーム空間における移動と敵キャラクタからの攻撃に対する防御とを組み合わせることでゲーム性を向上させることが可能なゲーム装置、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ゲーム空間内で動作する敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを含むゲーム画面を表示するゲーム装置において、前記敵キャラクタによる前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を制御する敵キャラクタ制御手段と、前記プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間における移動先を設定する移動先設定手段と、前記移動先設定手段によって設定された移動先に前記プレイヤキャラクタを移動させる移動手段と、前記移動手段によって前記プレイヤキャラクタが前記移動先まで移動されている間の前記敵キャラクタからの前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にする攻撃判定手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プレイヤキャラクタによるゲーム空間における移動と敵キャラクタからの攻撃に対する防御とを組み合わせて実行できるようにすることで、このプレイヤキャラクタに対する制御に応じたゲーム内容としてゲーム性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図である。図1に示すゲーム装置は、例えばパーソナルコンピュータにより実現されるもので、制御部10、メモリ11、ハードディスク装置12、通信インタフェース部13、表示制御部14、音声制御部15、ディスクドライブ装置16、入力インタフェース部17、ディスプレイ18、スピーカ19、キーボード21、マウス22、及びタブレット23等が設けられている。
【0011】
制御部10は、装置全体の制御を司るもので、CPUやROMなどを含んで構成される。制御部10は、ゲームプログラムを実行することで、例えばゲーム空間内で動作する敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを含むゲーム画面を表示するゲームを提供することができる。本実施形態において実行されるゲームは、例えば複数のステージのそれぞれにおいて、プレイヤキャラクタに対して攻撃を行う少なくとも1つの敵キャラクタと、プレイヤによる入力操作によって動作が制御されるプレイヤキャラクタをゲーム空間中で動作させて、プレイヤキャラクタによって敵キャラクタに対して予め決められた攻撃を与えられた場合にステージクリアとするゲームを提供する。
【0012】
メモリ11は、制御部10によりアクセスされるプログラムや各種データが記憶される。メモリ11に記憶されるプログラムには、ゲームを進行させるためのゲームプログラムを含む。
【0013】
ハードディスク装置12は、基本プログラム(OS)やゲームプログラムなどの各種プログラムの他、各種のデータが記憶される。
【0014】
通信インタフェース部13は、制御部10の制御のもとで、外部のネットワークと接続して各種のデータの送受信を制御する。本実施形態では、例えば通信インタフェース部13を介してインターネットに接続し、プログラムダウンロードサービスを提供するWebサイトからゲームプログラムをダウンロードして実行することができる。
【0015】
表示制御部14は、制御部10の制御のもとで、ディスプレイ18における画面表示を制御する。ゲームが実行されている場合には、ゲームの進行状況に応じたゲーム画面を表示させる。
【0016】
音声制御部15は、制御部10の制御のもとで、スピーカ19からの音声出力を制御する。ゲームが実行されている場合には、ゲームの進行状況に応じた効果音やBGM(back ground music)、各種メッセージ音声などを出力する。
【0017】
ディスクドライブ装置16は、DVD−ROMやCD−ROMなどに記録されたプログラムやデータの読み出しを実行する。本実施形態では、ディスクドライブ装置16によってディスクから読み出されたゲームプログラムを実行することができる。
【0018】
入力インタフェース部17は、各種入力装置からの入力制御を行うもので、例えばキーボード21、マウス22、タブレット23などからの入力を制御する。ゲームで使用される入力装置としては、ポインティングデバイスであるマウス22あるいはタブレット23(スタイラスペン24)が使用されるものとする。マウス22あるいはタブレット23によって、ディスプレイ18に表示されたゲーム空間を表す画像中において任意に位置を指定することができる。例えば、ゲームの実行中では、プレイヤキャラクタの移動先やプレイヤキャラクタによる攻撃先(位置あるいは方向)を指定するために使用される。本実施形態では、マウス22あるいはタブレット23の何れか一方のみを使用してゲーム操作をすることができる(詳細については後述する)。
【0019】
なお、前述した説明では、本実施形態におけるゲーム装置をパーソナルコンピュータにより実現するとしているが、その他の情報処理装置、例えば業務用や家庭用のゲーム専用機、携帯型のゲーム専用機、PDA(personal digital assistant)、携帯電話機などにおいて実現することも可能である。
【0020】
図2は、制御部10によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
ゲーム制御部30には、ゲーム進行制御部31、プレイヤキャラクタ制御部32、敵キャラクタ制御部33、入力部34、攻撃判定部35、及び表示部36が設けられる。
【0022】
ゲーム進行制御部31は、予め用意された複数のステージのゲーム内容に応じて、それぞれゲーム進行を制御するもので、入力部34を通じて入力される指示に応じて、プレイヤキャラクタ制御部32、敵キャラクタ制御部33、及び攻撃判定部35による処理を制御する。ゲーム進行制御部31は、あるステージにおいて、ゲーム空間中に敵キャラクタからの攻撃を回避するための領域(安全地帯)を設定することができる(領域設定手段)。この領域にプレイヤキャラクタが移動された場合には、敵キャラクタからのプレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にすることができる(プレイヤキャラクタが無敵状態となる)。
【0023】
プレイヤキャラクタ制御部32は、ゲーム空間のプレイヤキャラクタを制御するもので、入力部34から入力される指示に応じて、プレイヤキャラクタのゲーム空間における移動先を設定し(移動先設定手段)、この設定された移動先にプレイヤキャラクタを移動させる(移動手段)。この時、プレイヤキャラクタ制御部32は、プレイヤキャラクタを元の位置から指示された移動先に移動される間に、敵キャラクタからの攻撃が無効であることを表す形態によってプレイヤキャラクタを表示させる。プレイヤキャラクタ制御部32は、通常操作に応じた敵キャラクタに対する通常の攻撃を制御する攻撃処理の他、特殊操作(例えばポインティングデバイスによるプレイヤキャラクタのドラッグ操作)に応じた特殊な攻撃を制御する制御処理を実行する。
【0024】
敵キャラクタ制御部33は、ゲーム空間で動作する敵キャラクタを制御する。敵キャラクタ制御部33は、ステージに応じた各種の敵キャラクタをゲーム空間において動作させ、プレイヤキャラクタに対する攻撃を制御する。
【0025】
入力部34は、プレイヤによる入力装置に対する操作に応じて、ゲーム進行を制御するための指示を入力する。入力部34から入力される指示としては、プレイヤキャラクタのゲーム空間中での移動、敵キャラクタへの攻撃などがある。
【0026】
攻撃判定部35は、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタと敵キャラクタの相互の攻撃の有効性(命中しているか否か)を判定するもので、プレイヤキャラクタ制御部32の制御によりゲーム空間で出力される敵キャラクタへの攻撃、敵キャラクタ制御部33の制御によりゲーム空間で出力されるプレイヤキャラクタへの攻撃について、それぞれのゲーム空間における位置などをもとにして攻撃の有効性を判定する。本実施形態における攻撃判定部35は、プレイヤキャラクタがプレイヤによって指定された移動先まで移動されている間の敵キャラクタからの攻撃を無効にすることができる(攻撃判定手段)。また、攻撃判定部35は、プレイヤキャラクタに対する敵キャラクタからの攻撃を、元の位置から移動先に移動されてから所定時間無効にする。これにより、移動直後の敵キャラクタによる攻撃を回避できるようにする。また、攻撃判定部35は、ゲーム進行制御部31によって敵キャラクタからの攻撃を回避するための領域(安全地帯)が設定され、この領域にプレイヤキャラクタが移動された場合には、敵キャラクタからのプレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にする。
【0027】
表示部36は、プレイヤキャラクタ制御部32及び敵キャラクタ制御部33による制御に基づいて、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどを含むゲーム画面を表示するための制御を行う。
【0028】
次に、本実施形態におけるゲーム装置の動作について説明する。
図3は、プレイヤキャラクタ制御部32により実行されるプレイヤキャラクタ制御処理を説明するためのフローチャートである。
【0029】
ゲームが開始されると、ゲーム進行制御部31は、各ステージに応じた敵キャラクタを設定してゲームを進行させる。プレイヤキャラクタ制御部32は、ステージが開始されると、ゲーム空間を表す画面中にプレイヤキャラクタを表示させる(ステップA1)。敵キャラクタ制御部33は、所定のアルゴリズムに従って敵キャラクタをゲーム空間中で動作させると共に、プレイヤキャラクタに対する攻撃を実行する。本実施形態におけるゲームでは、プレイヤキャラクタは、敵キャラクタと衝突した場合、及び敵キャラクタから出力される飛しょう物が命中した場合にダメージを受けるものとする。また、敵キャラクタは、プレイヤキャラクタから出力される飛しょう物が命中した場合にダメージを受けるものとする。
【0030】
図4には、ゲームが実行されている時のゲーム画面の一例を示している。図4には、プレイヤキャラクタ40、敵キャラクタ42,43が表示されている。プレイヤキャラクタ40は、通常の攻撃処理としてゲーム画面中で指定される照準位置、すなわちカーソル45が表示されている位置に対して、飛しょう体(プレイヤ攻撃表示44)を連続発射するものとする。敵キャラクタ42からは、ランダムに飛しょう体(敵攻撃表示46)を出力している。
【0031】
プレイヤキャラクタ制御部32は、入力部34を通じて、カーソル位置移動の指示が入力されると(ステップA2、Yes)、ゲーム画面中におけるカーソル45の表示位置を表示部36によって変更させる(ステップA3)。また、プレイヤキャラクタ制御部32は、攻撃処理を実行して、移動されたカーソル45の位置を照準として飛しょう体を連続発射させる(ステップA4)。
【0032】
攻撃判定部35は、ゲーム空間で移動されるプレイヤキャラクタ40と敵キャラクタ42,43の位置、それぞれの攻撃(飛しょう体)の位置をもとにして攻撃が有効であるか否かを判定する。
【0033】
プレイヤキャラクタ40の敵キャラクタ42,43に対する攻撃が有効である場合には、敵キャラクタ42,43に対するダメージ量を演算すると共にスコアポイントを加算する。ダメージ量が所定値に到達すると、該当する敵キャラクタ42,43がゲーム空間から消去される。また、敵キャラクタ42,43のプレイヤキャラクタ40に対する攻撃が有効である場合には、プレイヤキャラクタ40がゲーム空間から消去される。
【0034】
プレイヤは、敵キャラクタ42,43からの攻撃を回避させるために、プレイヤキャラクタ40をゲーム空間の位置に移動させることができる。本実施形態では、マウス22に対する操作によってカーソル45をプレイヤキャラクタ40の移動先とする位置に移動させて、そこで例えばマウス22の左ボタンをクリック操作することでプレイヤキャラクタ40の移動を実行させることができる。
【0035】
プレイヤキャラクタ制御部32は、入力部34からマウス22の左ボタンに対するクリック操作があったことが通知されると(ステップA5、Yes)、プレイヤキャラクタ40の移動が指示されたものと判別する。この場合、プレイヤキャラクタ制御部32は、攻撃処理を停止させる(ステップA6)。
【0036】
そして、プレイヤキャラクタ制御部32は、表示部36に対して、プレイヤキャラクタ40が指定された移動先(カーソル位置)に移動中であることを表す形態によって表示させる(ステップA7)。本実施形態では、例えば元の位置から移動先まで、所定時間(例えば1秒)をかけてジャンプしているようにプレイヤキャラクタ40を表示させるものとする。
【0037】
図5には、プレイヤキャラクタ40が移動中であることを表すゲーム画面の一例を示している。図4及び図5に示すゲーム画面では、敵キャラクタ42,43は、三次元のゲーム空間においてXY平面(ディスプレイ18の表示面)で移動と攻撃を行うものとする。そして、プレイヤキャラクタ40を、ゲーム空間のXY平面と垂直なZ方向にジャンプして移動するように表示させる。図5では、プレイヤキャラクタ40がZ方向(表示画面の手前方向)にジャンプすることにより、移動前より大きく見えるように表示されている。これにより、敵キャラクタ42,43からの攻撃をジャンプすることで回避しているようにプレイヤキャラクタ40を表示させることができる。
【0038】
プレイヤキャラクタ40が移動先(カーソル位置)へ到達していない間(ステップA8、No)、攻撃判定部35は、敵キャラクタ42からのプレイヤキャラクタ40に対する攻撃を無効とする攻撃無効化処理を実行する。すなわち、プレイヤキャラクタの位置と、敵キャラクタ42,43及び敵キャラクタ42から出力された飛しょう体(敵攻撃表示46)のXY平面における位置が一致したとしても、プレイヤキャラクタ40に対する攻撃が命中したと判定しない。これにより、プレイヤキャラクタ40を敵キャラクタ42,43からの攻撃の影響を受けない無敵状態とする。
【0039】
図6には、カーソル45により指定された移動先にプレイヤキャラクタ40が移動された状態を表すゲーム画面の一例を示している。
【0040】
図6に示すように、プレイヤキャラクタ40が移動先に到達したようにゲーム画面が表示されると(ステップA8、Yes)、攻撃判定部35は、所定時間のみ敵キャラクタ42,43からの攻撃を無効とする無効化処理を実行する(ステップA10)。例えば、攻撃判定部35は、プレイヤキャラクタ40が移動先に到達してから0.5秒間だけ、敵キャラクタ42,43からの攻撃を無効とする。
【0041】
本実施形態では、プレイヤキャラクタ40をマウス22の左クリックの操作により移動させる場合、所定時間(例えば1秒間)かけて移動するように表示する。その間、敵キャラクタ42,43や敵キャラクタ42から発射された飛しょう体は、プレイヤキャラクタ40の動作に関係なく移動しているため、プレイヤキャラクタ40の移動先に移動する場合もある。こうした場合に、移動直後のプレイヤキャラクタ40への攻撃を有効にすると、プレイヤキャラクタ40が攻撃を受ける頻度が増大してゲーム性を損なうため、移動後、 所定時間だけ攻撃を無効化してゲームを継続できるようにする。
【0042】
なお、本実施形態では、プレイヤキャラクタ40がジャンプにより移動している間にはプレイヤキャラクタ40への攻撃が無効化され、さらに移動直後にも所定時間だけ攻撃が無効化されるため、マウス22の左クリック操作によるプレイヤキャラクタ40の移動を繰り返し実行することで、敵キャラクタ42,43からの攻撃を受けない無敵状態を継続させることもできる。ゲーム進行制御部31は、この無敵状態を継続させる操作によってクリアできるステージ(ゲーム内容)を提供することで、ゲーム性を向上させることができる。
【0043】
また、ゲーム進行制御部31は、あるステージにおいて、ゲーム空間中に敵キャラクタ42,43からの攻撃を回避するための領域(安全地帯)を設定することができる。この場合、攻撃判定部35は、プレイヤキャラクタ40が安全地帯に指定された移動先(カーソル45の位置)に移動された場合には(ステップA8、Yes)、敵キャラクタ42,43からのプレイヤキャラクタ40に対する攻撃を所定時間無効にする(プレイヤキャラクタ40を無敵状態とする)。
【0044】
例えば、ゲーム進行制御部31が難度の高いステージとして、プレイヤキャラクタ40に向かって敵キャラクタ42,43を移動(あるいは発生)させるゲーム内容を提供するものとする。この場合、プレイヤは、安全地帯にタイミング良くプレイヤキャラクタ40を移動させることで、敵キャラクタ42,43からの攻撃を回避しながらステージを攻略する。これにより、ゲーム内容に変化を与えてゲーム性を向上させることができる。
【0045】
なお、前述した説明では、プレイヤキャラクタ40の移動中を表現する形態をジャンプとする例を示しているが、その他の表示形態を用いることも勿論可能である。本実施形態におけるゲームでは、プレイヤによる位置指示に応じてプレイヤキャラクタ40を移動させている間は、敵キャラクタ42,43からの攻撃を無効化している。従って、プレイヤキャラクタ40が移動中にある時には攻撃を受けない無敵状態にあることを表す、通常と異なる形態によって表示すれば良い。なお、プレイヤキャラクタ40が敵キャラクタ42,43から攻撃を受けない(攻撃が無効となる)ことを視覚的に把握できる表示形態が好ましい。
【0046】
ところで、本実施形態におけるプレイヤキャラクタ40からは特殊な操作をすることにより、敵キャラクタ42,43に対して特殊な攻撃(以下、ドラッグショットと称する)をすることができる。例えば、マウス22を用いてプレイヤキャラクタ40をドラッグすると(ステップA11、Yes)、マウス22のドラッグ操作に応じて表示位置が変更されたカーソル45の位置に追随するように、プレイヤキャラクタ40を移動させながら広角方向に飛しょう体を発射させる。
【0047】
図7には、ドラッグショットを実行している状態のゲーム画面の一例を示している。
図7では、プレイヤキャラクタ40がドラッグされて、カーソル45の表示位置がゲーム画面の左側に移動されている(ステップA12)。プレイヤキャラクタ制御部32は、攻撃処理を実行して、プレイヤキャラクタ40による攻撃方向をドラッグされた時と同じ方向に固定し、プレイヤキャラクタ40から広角に複数の飛しょう体(プレイヤ広角攻撃表示50)を連続して発射させる(ステップA13)。
【0048】
プレイヤキャラクタ制御部32は、プレイヤキャラクタ40を、カーソル45の方向に例えば予め決められた一定速度で移動させる(ステップA14)。
【0049】
この結果、プレイヤキャラクタ40による攻撃対象範囲に敵キャラクタ42,43が移動してくると、例えば図8に示すように、敵キャラクタ42に対して効果的にダメージを与えて、ポイントを獲得することができる。プレイヤキャラクタ制御部32は、プレイヤキャラクタ40がカーソル45まで到達するとドラッグショットを終了させる(ステップA15、Yes)。
【0050】
このようにして、本実施形態におけるゲーム装置では、所定の操作をすることで、ゲーム空間中で動作するプレイヤキャラクタ40について、敵キャラクタ42,43からの攻撃を無効とした状態で移動させることができる。こうして、プレイヤキャラクタ40によるゲーム空間における移動と敵キャラクタ42,43からの攻撃に対する防御とを組み合わせて実行できるようにすることで、このプレイヤキャラクタ40の動作制御を利用した変化のあるゲームを提供することができ、ゲーム性を向上させることが可能となる。
【0051】
なお、本実施形態では、マウス22のみを操作するだけで、ゲーム空間における例えばプレイヤキャラクタ40からの攻撃方向(位置)を指示するだけでなく、プレイヤキャラクタ40の指定位置への移動を指示することができる。すなわち、1つの入力装置のみを使用してプレイヤキャラクタ40の動作を制御できるので操作性が良い(キーボード21のボタン操作などを併用する必要がない)。従って、本実施形態ではパーソナルコンピュータによりゲーム装置を実現するとしているが、入力デバイスが1つしかない携帯型のゲーム専用機、PDA、携帯電話機などにおいても、入力装置の追加などをすることなく、本実施形態におけるゲームを実行することができる。
【0052】
例えば、タブレット23を備えた装置では、スタイラスペン24による操作のみによってプレイヤキャラクタ40を制御することができる。例えば、プレイヤキャラクタ40からの攻撃方向(位置)を指定する場合には、スタイラスペン24により瞬間的にタブレット23をタップし、プレイヤキャラクタ40の移動先を指定する場合には、スタイラスペン24をタブレット23にタップした状態を所定時間(例えば0.5秒)継続することで行う。
【0053】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0054】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の構成を示すブロック図。
【図2】制御部10によってゲームプログラムを実行することにより実現されるゲーム制御部30の機能構成を示すブロック図。
【図3】プレイヤキャラクタ制御部32により実行されるプレイヤキャラクタ制御処理を説明するためのフローチャート。
【図4】ゲームが実行されている時のゲーム画面の一例を示す図。
【図5】プレイヤキャラクタ40が移動中であることを表すゲーム画面の一例を示す図。
【図6】カーソル45により指定された移動先にプレイヤキャラクタ40が移動された状態を表すゲーム画面の一例を示す図。
【図7】ドラッグショットを実行している状態のゲーム画面の一例を示す図。
【図8】ドラッグショットを実行している状態のゲーム画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
10…制御部、11…メモリ、12…ハードディスク装置、13…通信インタフェース部、14…表示制御部、15…音声制御部、16…ディスクドライブ装置、17…入力インタフェース部、18…ディスプレイ、19…スピーカ、20…ディスク、21…キーボード、22…マウス、23…タブレット、24…スタイラスペン、30…ゲーム制御部、31…ゲーム進行制御部、32…プレイヤキャラクタ制御部、33…敵キャラクタ制御部、34…入力部、35…攻撃判定部、36…表示部、40…プレイヤキャラクタ、42,43…敵キャラクタ、44…プレイヤ攻撃表示、45…カーソル、46…敵攻撃表示、50…プレイヤ広角攻撃表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内で動作する敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを含むゲーム画面を表示するゲーム装置において、
前記敵キャラクタによる前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を制御する敵キャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間における移動先を設定する移動先設定手段と、
前記移動先設定手段によって設定された移動先に前記プレイヤキャラクタを移動させる移動手段と、
前記移動手段によって前記プレイヤキャラクタが前記移動先まで移動されている間の前記敵キャラクタからの前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にする攻撃判定手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記移動手段は、前記プレイヤキャラクタを前記移動先に移動させる間に、前記敵キャラクタからの攻撃が無効であることを表す形態によって前記プレイヤキャラクタを表示することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム空間を表すゲーム画面中において位置を指示するための入力装置と、
前記入力装置により指示された位置に対する前記プレイヤキャラクタによる攻撃を制御するプレイヤ攻撃手段とを具備し、
前記移動先設定手段は、前記入力装置に対して所定の操作がされた時に、前記入力装置により指示されている位置を前記ゲーム空間の移動先に設定することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記攻撃判定手段は、前記プレイヤキャラクタに対する前記敵キャラクタからの攻撃を、前記移動手段によって前記プレイヤキャラクタが前記移動先に移動されてから所定時間無効にすることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
ゲーム空間中に前記敵キャラクタからの攻撃を回避するための領域を設定する領域設定手段をさらに具備し、
前記移動手段により前記プレイヤキャラクタが前記領域に移動された場合に、前記攻撃判定手段は、前記敵キャラクタからの前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にすることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム空間内で動作する敵キャラクタとプレイヤキャラクタとを含むゲーム画面を表示するプログラムであって、
コンピュータを、
前記敵キャラクタによる前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を制御する敵キャラクタ制御手段と、
前記プレイヤキャラクタの前記ゲーム空間における移動先を設定する移動先設定手段と、
前記移動先設定手段によって設定された移動先に前記プレイヤキャラクタを移動させる移動手段と、
前記移動手段によって前記プレイヤキャラクタが前記移動先まで移動されている間の前記敵キャラクタからの前記プレイヤキャラクタに対する攻撃を無効にする攻撃判定手段として機能させるためのゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−136665(P2008−136665A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326021(P2006−326021)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】