説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【課題】より変化に富んだ娯楽性の高いビデオゲームを実現する。
【解決手段】本発明のゲーム装置2は、コントローラ3が備える加速度センサ21が検知した加速度を示す操作信号に基づいて、表示装置4に表示させた、コントローラ3に対応するハンマーの画像52を移動させるゲームを実行するゲーム装置2であって、上記操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出したコントローラ3の移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれることを確認した場合に、上記ハンマーの画像52に代えて、拡大したハンマーの画像52’を表示させる操作対象オブジェクト制御部32を備えているので、変化に富んだ娯楽性の高いビデオゲームを実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラが備える加速度センサが検知した加速度を示す操作信号に基づいて、表示画面に表示させた、コントローラに対応するオブジェクトを移動させるゲームを実行するゲーム装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオゲームを行うための一般的なゲーム装置は、複数の操作ボタンが設けられたコントローラを備えている。そして、従来のビデオゲームは、プレイヤがコントローラの操作ボタンに入力操作を行うことによって、ゲーム装置が接続されているテレビ等のディスプレーに表示されるキャラクタ等を動作させるものであった。
【0003】
しかしながら、プレイヤがコントローラの操作ボタンに入力操作を行ってキャラクタを動作させる従来のビデオゲームは、ビデオゲームになじみのない人々に取り付き難さを感じさせるものであった。
【0004】
そこで、近年では、複雑なボタン操作を行うことなく、誰でも直感的にビデオゲームを楽しむことのできるゲーム装置が提案されている。例えば、加速度センサを備えたコントローラを用いるゲーム装置が普及しつつある。このゲーム装置では、加速度センサが検知するコントローラの移動速度や移動方向を操作入力としてゲームが進行するようになっている。
【0005】
上記のゲーム装置で遊ぶことのできるビデオゲームは、例えばプレイヤがコントローラを移動させると、それに合せてディスプレーに表示されるキャラクタも移動するようになっている。したがって、プレイヤは、複雑なボタン操作を覚える必要がなく、直感的に遊ぶことができる。これにより、今までビデオゲームになじみの薄かった人々でも気軽にビデオゲームを楽しむことができるようになっている。
【特許文献1】特開2006−142045号公報(2006年6月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、加速度センサを備えたコントローラを用いるゲーム装置は、直感的な操作が可能で、誰にでも気軽に楽しめるビデオゲームを実現するための装置として優れたものである。
【0007】
しかしながら、加速度センサを備えたコントローラを用いたゲーム装置で遊ぶことのできる従来のビデオゲームは、ゲーム装置の特性を十分に生かしきれてはおらず、より娯楽性の高いビデオゲームを実現するためにはまだまだ改善の余地がある。
【0008】
すなわち、従来のビデオゲームでは、プレイヤがコントローラを移動させると、ディスプレーに表示されるキャラクタのうち、コントローラに対応するキャラクタがコントローラの移動に合せて移動するだけであり、キャラクタ自体の表示演出に関しては趣興性に乏しい点がある。例えば、上記特許文献1に開示されている加速度センサを備えたゲーム装置では、ゲーム装置(コントローラ)の傾きやゲーム装置(コントローラ)への衝撃付与に応じて、表示部に表示されたキャラクタが移動したりジャンプしたりするようになっている。しかしながら、特許文献1に記載のゲーム装置における表示演出は、キャラクタの動き自体に留まるものに過ぎない。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のビデオゲームと比べて、より変化に富んだ娯楽性の高いビデオゲームを実現するビデオゲーム装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のゲーム装置は、上記課題を解決するために、コントローラが備える加速度センサが検知した加速度を示す操作信号に基づいて、表示画面に表示させた、上記コントローラに対応する第1オブジェクトを移動させるゲームを実行するゲーム装置であって、上記操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるオブジェクト変更手段を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のゲーム制御方法は、上記課題を解決するために、加速度センサを備えるコントローラの表示画面に対する位置、及び上記加速度センサが検知した加速度を示す操作信号に基づいて、上記表示画面に表示させた、上記コントローラに対応する第1オブジェクトを移動させるゲームを実行するゲーム装置のゲーム制御方法であって、上記操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるステップを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、コントローラを移動させる速度または加速度に応じて、第1オブジェクトが第2オブジェクトへと変化することになる。これにより、コントローラの移動に伴って、第1オブジェクトが表示画面上で移動するだけであった従来のゲームと比べて、変化に富んだ娯楽性の高いゲームを提供することができる。
【0013】
しかも、上記第1オブジェクトおよび変化後の第2オブジェクトは、ゲームを行っているプレイヤ自身が把持するコントローラを擬似的にゲーム空間上に表示したものであるので、プレイヤはゲームを行っているときに、自らが把持する現実世界のコントローラそのものが変化するかのような感覚を覚えることができ、従来のゲームにない興趣性を与えることができる。
【0014】
また、上記オブジェクト変更手段は、上記第2オブジェクトを表示させた後、所定の期間内に上記所定の範囲に含まれる加速度または移動速度が検知されたことを示す操作信号が確認できない場合に、上記第2オブジェクトを第1オブジェクトに戻すことが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、一度、第2オブジェクトが表示されたとしても、その後、所定の範囲に含まれる加速度または移動速度が検出されない場合には、第1オブジェクトに戻るようになっている。したがって、上記ゲームのプレイヤは、第2オブジェクトが表示された状態を維持するために、所定の範囲に含まれる加速度または移動速度でコントローラを移動させ続ける必要がある。これにより、ゲームはさらに変化に富んだ娯楽性の高いものとなる。
【0016】
特に、プレイヤにとってゲーム進行を有利に進めるためには第1オブジェクトを第2オブジェクトに変化させた状態のものが望ましい場合、例えば複数の敵キャラクタを叩くときに大きなハンマーで叩くほうが有利な場合には、プレイヤはハンマーを大きな状態に保持するために、ハンマー(コントローラ)の引き上げ、振り降ろしといった動作を高速で行わなければならず、このような一種の緊張感がゲームの興趣性を向上させることになる。
【0017】
また、上記オブジェクト変更手段は、上記第1オブジェクトの少なくとも一部を拡大または縮小することによって、上記第1オブジェクトを第2オブジェクトに変更させることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、ゲームのプレイヤがコントローラを動かす速さに応じて、表示画面に表示されるオブジェクトの大きさが大きくなったり、小さくなったりする。すなわち、上記の構成によれば、コントローラの動く速さが表示画面に視覚的に非常にわかりやすい形態で反映される。これにより、ゲームは、誰にでもわかりやすいものとなり、また、コントローラを動かす速さというファクターがゲームに加わることにより、さらに娯楽性の高いものとなる。
【0019】
そして、上記の構成によれば、上記第2オブジェクトは、第1オブジェクトを拡大または縮小演算することで得られる。これにより、第2オブジェクトを第1オブジェクトとは別の画像にする場合と比べて、ゲーム装置の実行する演算量を減らすことができると共に、ゲーム装置が記憶する必要のあるデータ量を削減することができる。
【0020】
また、上記オブジェクト変更手段は、上記操作信号が示す加速度または移動速度に対して、上記第1オブジェクトを表示画面上で移動させる速度と、上記第2オブジェクトを表示画面上で移動させる速度とを異ならせることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、オブジェクトが変化した場合には、同じ速度でコントローラを移動させたとしても、オブジェクトの移動速度が変化するので、ゲームにリアリティを与えることができる。例えば、大きい方のオブジェクトの移動速度を遅くすることにより、大きいオブジェクトはプレイヤがイメージする動きよりも緩慢な動きとなり、重たいという感覚をゲームのプレイヤに与えることができる。
【0022】
また、上記ゲームは、ゲーム中の仮想空間において、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトを、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトとは異なる第3オブジェクトと接触させるゲームであり、上記ゲーム中の仮想空間における、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトと上記第3オブジェクトとが接触する状態を検知するオブジェクト接触検知手段と、上記オブジェクト接触検知手段によって検知された接触状態に応じて、接触後の上記第3オブジェクトの動作または形状の少なくとも一方を制御する第3オブジェクト表示制御手段とを備えていることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、第1オブジェクトまたは第2オブジェクトと、第3オブジェクトとの接触状態に応じて、接触後の第3オブジェクトの動作や形状が変化するので、ゲームはより変化に富んだ娯楽性の高いものとなる。
【0024】
なお、上記接触状態としては、例えば、第3オブジェクトと接触したオブジェクトが第1オブジェクトまたは第2オブジェクトの何れと接触したか、接触する直前または接触時における第1オブジェクトまたは第2オブジェクトと第3オブジェクトとのゲーム中の仮想空間での相対的な移動速度(加速度)、第1オブジェクトまたは第2オブジェクトと第3オブジェクトとのゲームの仮想空間における接触位置、各オブジェクトの接触部位等が挙げられる。
【0025】
また、上記ゲーム装置は、上記接触状態を所定の評価基準に基づいて評価し、該評価結果を上記表示画面に表示する接触結果表示制御手段とを備えていることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、プレイヤが操作する第1または第2オブジェクトと、第3オブジェクトとの接触結果が所定の評価基準に基づいて評価され、評価結果が表示画面に表示される。これにより、プレイヤは、ゲームの結果の良否を確認することができる。
【0027】
また、コントローラの加速度センサが検出する加速度に応じて、プレイヤが操作する第1オブジェクトが第2オブジェクトに変化し、オブジェクト接触検知手段はこれを検知する。その結果、評価結果は、プレイヤが操作するオブジェクトが第1オブジェクトであるか第2オブジェクトであるかに影響を受けることになる。例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトとで表示画面上での大きさが異なっている場合には、より大きいオブジェクトの方が第3オブジェクトと接触しやすくなる。
【0028】
すなわち、プレイヤが操作するオブジェクトが第1オブジェクトであるか第2オブジェクトであるかはゲームの結果の良否に影響を与え、ゲームの結果の良否は表示画面に表示される。これにより、プレイヤは、コントローラを移動させる速度を調節し、第1オブジェクトと第2オブジェクトとをタイミングよく切り替えることでより良いゲーム結果が得られることを容易に認識することができる。そして、これにより、ゲームの趣興性を向上することができる。
【0029】
なお、上記評価基準としては、様々なものが適用できるが、例えば、評価基準を第1または第2オブジェクトと、第3オブジェクトとの接触回数とすることができる。この場合には、接触回数が表示画面に表示される。これにより、プレイヤは、自分が第1または第2オブジェクトと、第3オブジェクトとどれだけ多数(うまく)接触させることができたかを確認することができる。
【0030】
また、第3オブジェクトに与える効果を評価基準としてもよい。例えば、アクションゲームにおいて、プレイヤが操作するキャラクタの武器が第1オブジェクトであり、第2オブジェクトがより強力な(効果の高い)武器であると設定されていたとする。この場合には、第1オブジェクトと第3オブジェクトとが接触した場合に第3オブジェクトに与える効果を数値等で表示し、第2オブジェクトと第3オブジェクトとが接触した場合に第3オブジェクトに与える効果をより大きい数値等で表示すればよい。これにより、プレイヤは、特に第2オブジェクトの状態で第3オブジェクトと接触させることで、高い評価を獲得できることを視認できるので、よりゲームの趣興性を向上することができる。
【0031】
なお、上記ゲーム装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ゲーム装置の各手段として動作させることにより、ゲーム装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明のゲーム装置は、操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるオブジェクト変更手段を備えている構成である。
【0033】
また、本発明のゲーム制御方法は、以上のように、操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるステップを含む構成である。
【0034】
したがって、従来のビデオゲームと比べて、より変化に富んだ娯楽性の高いビデオゲームを実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔ゲームシステムの概要〕
本発明の一実施形態について図1から図8に基づいて説明すると以下の通りである。まず、図2に基づいて本発明のゲームシステムの概略構成について説明する。図2は、ゲームシステム1の概略構成を示すブロック図である。図示のように、ゲームシステム1は、ゲーム装置2、コントローラ3、表示装置4、スピーカ5、及び記録媒体6を含む構成である。
【0036】
ゲーム装置2は、ゲームシステム1によって提供されるゲームの情報処理や、表示装置4及びスピーカ5などの外部装置に対する制御を行う装置である。また、コントローラ3は、ゲームシステム1の遊戯者であるプレイヤの操作を受け付け、プレイヤの操作に応じた操作信号をゲーム装置2に伝達する装置である。図示の例では、コントローラ3を1つしか示していないが、コントローラ3がゲーム装置2に複数接続されていてもよい。
【0037】
図示のように、コントローラ3は、加速度センサ21及び操作部22を備えている。加速度センサ21は、加速度を検知し、検知した加速度を加速度データとして出力する。ここでは、加速度センサ21は3軸方向の加速度の大きさを検知する3軸加速度センサであることを想定している。加速度センサ21は、例えばピエゾ抵抗型、静電容量型、及び磁気センサ型等で構成することができる。
【0038】
ここで、加速度センサ21は、コントローラ3に内蔵されているので、加速度センサ21が出力する加速度データは、コントローラ3の加速度を示すデータということになる。すなわち、加速度センサ21は、コントローラ3の3次元的な動きを、加速度データとしてゲーム装置2に出力する。そして、ゲーム装置2は、この加速度データを解析することによって、コントローラ3がどのような向きにどのような速度で移動しているかを認識することができる。これにより、ゲーム装置2は、プレイヤがコントローラ3を移動させる向きや速度に合せてゲーム中のキャラクタ等を動作させることが可能になる。
【0039】
操作部22は、プレイヤがゲームを操作するためのものである。操作部22は、プレイヤの入力操作を受け付け、入力操作に応じた操作信号を生成して制御部11に伝達できるものであれば任意の構成とすることができる。ここでは、操作部22は、複数の操作ボタンで構成されていることを想定している。具体的には、コントローラ3は操作部22として、上下左右の方向を入力する方向ボタン、Aボタン、Bボタン等の複数の操作ボタンを備えていることを想定している。
【0040】
なお、コントローラ3は、上記の構成に加えて、コントローラ3の表示装置4の表示画面に対する傾きを検出するための構成を備えていてもよい。例えば、表示装置4の表示画面に、その両端から赤外線を発する棒状の赤外線発光バーを装着し、コントローラ3に赤外線を撮影するための撮像素子を設けておけばよい。これにより、赤外線発光バーの両端から発光される赤外線が撮像される態様から、コントローラ3の表示装置4の表示画面に対する傾きを検出することができ、コントローラ3によってより細やかな操作を行うことが可能になる。
【0041】
表示装置4は、ゲーム装置2によって実行されるゲームの表示を行う表示装置である。表示装置4としては、映像の表示が可能な任意の表示装置を適用することができる。例えば、表示装置4は、液晶表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置等で構成することができる。また、スピーカ5は、ゲーム装置2によって実行されるゲームで使用される音声を出力する装置である。
【0042】
記録媒体6は、ゲームプログラムやゲームデータ等を記録した記録媒体であり、ゲーム装置2に着脱可能に装着されている。すなわち、ゲームシステム1では、記録媒体6から読み出したゲームプログラムをゲーム装置2が実行することによって、ゲームが実行されるようになっている。記録媒体6は、例えばROM(Read Only Memory)カセット、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系、CD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、及び磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスク等で構成することができる。なお、記録媒体6が書き込み可能な記録媒体である場合には、ゲームが中断された場合の各種ゲームパラメータが記録されるようになっていてもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、ゲーム装置1の一例として家庭用ゲーム装置を想定している。この場合、表示装置4及びスピーカ5が、家庭用のテレビジョンシステムに相当することになる。ただし、本発明のゲーム装置を備えるゲームシステムは、家庭用ゲーム装置を備えるゲームシステムに限定されるものではなく、有料ゲームサービス提供店舗で使用されるアーケード用ゲーム装置等にも適用することができる。
【0044】
ゲーム装置2は、制御部11、記憶部12、メディアリーダ13、操作入力I/F14、表示出力I/F15、及び音声出力I/F16を備えている。これらの各部材は、バス17を介して接続される。このバス17は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。
【0045】
制御部11は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)23、信号処理プロセッサ24、及び、画像処理プロセッサ25を備えている。すなわち、制御部11の機能は、CPU23、信号処理プロセッサ24、及び画像処理プロセッサ25によって実現される。CPU23と信号処理プロセッサ24と画像処理プロセッサ25とは、それぞれがバス17を介して互いに接続されている。
【0046】
CPU23は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU23は、信号処理プロセッサ24に対して、画像データを画像処理プロセッサ25に供給するように命令する。信号処理プロセッサ24は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、画像及び音声データの生成加工処理とを行う。また、画像処理プロセッサ25は、主に、信号処理プロセッサ24の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データを後述するRAM27に書き込む処理を行う。
【0047】
ここで、画像データについて説明する。3次元空間で動作する物体を表示するための画像データは、例えばポリゴンを用いて表現することができる。画像データをポリゴンで表示する場合には、画像データは、ポリゴンを構成する頂点の座標データであるポリゴンデータとポリゴンにテクスチャを設定するためのテクスチャデータとを含む必要がある。
【0048】
また、テクスチャデータは、ポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのテクスチャ指示データとテクスチャの色を指定するためのテクスチャカラーデータとを含み、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている必要がある。
【0049】
このようなデータを含む画像データを用いることによって、画像をポリゴンで表示することができる。すなわち、信号処理プロセッサ24は、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)を、画面または視点の移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換及び透視投影変換し、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換する。これにより、複数の2次元ポリゴンデータによってポリゴン外形が構成され、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータが表示される。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタが表現される。
【0050】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)26及びRAM(Random Access Memory)27を備えている。ROM26は、ゲーム装置2が動作する上で最低限必要となるデータ、例えばBIOS(basic input output system)のプログラムデータやOS(operating system)のプログラムデータなどを記憶する。
【0051】
RAM27は、制御部11による情報処理が行われる際の作業メモリとして機能する。例えば、CPU23、信号処理プロセッサ24、及び画像処理プロセッサ25が使用するゲームデータやゲームプログラムは、RAM27に読み込まれた上で実行される。
【0052】
メディアリーダ13は、制御部11の指示に従って、記録媒体6に記録されているゲームデータやプログラムデータ等を読み出して記憶部12に送る。また、記録媒体6が書き込み可能な媒体である場合には、メディアリーダ13が、情報の書き込み処理を行うメディアライタとしての機能をさらに有していてもよい。
【0053】
上記の説明では、記憶部12がROM26及びRAM27を備え、記録媒体6に記録されたゲームデータやゲームプログラムがメディアリーダ13を介して記憶部12に読み出される態様を示したが、この例に限られない。すなわち、ゲームシステム1では、ゲームデータやゲームプログラム等のゲーム実行に必要なデータが、制御部11に利用可能に構成されていればよい。
【0054】
また、ゲーム装置2を通信ネットワークと接続可能に構成し、ゲーム実行に必要なデータが通信ネットワークを介して制御部11に供給されるようになっていてもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0055】
操作入力I/F14は、コントローラ3から送出された操作信号を受け付け、バス17を介して制御部11に伝送する処理を行う。コントローラ3と操作入力I/F14とは、有線によって接続されていてもよいし、無線によって接続されていてもよい。
【0056】
表示出力I/F15は、ゲームの進行に応じて画像処理プロセッサ25によって処理され制御部11から出力される画像データを、表示装置4に出力する処理を行う。また、音声出力I/F16は、ゲームの進行に応じて制御部11から出力される音声信号を、スピーカ5に対して出力する処理を行う。
【0057】
なお、ここでは、制御部11をCPU23等で構成し、プログラムにて制御部11の機能を実現する例を説明するが、回路やチップ等のハードウェアで制御部11を構成することも可能である。
【0058】
本実施形態では、上記の構成を備えるゲームシステム1でもぐら叩きをシミュレートしたゲームを実行する例を説明する。すなわち、以下では、記録媒体6にはもぐら叩きゲームのゲームデータ及びゲームプログラムが格納されており、該ゲームデータ及びゲームプログラムをゲーム装置2が実行する場合のゲームシステム1の動作例について説明する。無論、ゲームシステム1で実行可能なゲームがこの例に限られる訳ではない。
【0059】
〔制御部の構成及び機能〕
続いて、制御部11のさらに詳細な構成及び機能について図1に基づいて説明する。図1は、制御部11及び記憶部12の要部構成を示すブロック図である。図示のように、制御部11は、ゲーム制御部31、操作対象オブジェクト制御部(オブジェクト変更手段)32、自動動作オブジェクト制御部(第3オブジェクト表示制御手段)33、オブジェクト接触検知部(オブジェクト接触検知手段)34、接触結果表示制御部(接触結果表示制御手段)35、背景表示制御部36、及び音声出力制御部37を備えている。
【0060】
ここで、オブジェクトについて説明する。オブジェクトとは、表示装置4に表示される3次元の画像で表わされるキャラクタである。オブジェクトには、ゲームシステム1の遊戯者であるプレイヤが操作可能な操作対象オブジェクトと、プレイヤが操作できずゲームプログラムによって自動的に動作する自動動作オブジェクトとがある。具体的には、操作対象オブジェクトはコントローラ3の移動に応じて表示装置4上で移動するようになっており、自動動作オブジェクトはゲームプログラムの制御によって表示装置4上で所定の動作を行うようになっている。
【0061】
具体的には、もぐら叩きゲームでは、操作対象オブジェクトはもぐらを叩くハンマー(第1オブジェクトおよび第2オブジェクトに相当)であり、自動動作オブジェクトはもぐら(第3オブジェクトに相当)である。すなわち、表示装置4に表示されるもぐらはゲームプログラムによって自動的に動作する。そして、プレイヤはコントローラ3を移動させることによって表示装置4上のハンマーを移動させてこのもぐらを叩くことができるようになっている。また、プレイヤがコントローラ3を移動させるときにコントローラ3が検出する加速度に応じてハンマーの画像や動作が変化するようになっている。
【0062】
また、記憶部12は、図示のように、倍率記憶部41、ハンマー画像記憶部42、もぐら画像記憶部43、結果表示用データ記憶部44、評価基準記憶部、背景画像記憶部45、及び音声データ記憶部46を備えている。図示のように、制御部11が備える各構成要素は、記憶部12に記憶されているデータを用いて動作するので、ここでは、まず記憶部12に記憶されている各データについて説明する。
【0063】
倍率記憶部41は、コントローラ3によって検出され、ゲーム装置2によって認識された加速度と、該加速度に応じたハンマーの画像の拡大倍率及びハンマーの移動速度の速度倍率との対応関係を示すデータを記憶している。すなわち、倍率記憶部41を参照することにより、加速度に応じたハンマーの拡大倍率及び速度倍率を求めることができるようになっている。
【0064】
ハンマー画像記憶部42は、ハンマーの画像を表示装置4に表示するための表示データを記憶している。具体的には、ハンマー画像記憶部42は、ハンマーの画像のポリゴンデータやテクスチャデータ等を記憶している。同様に、もぐら画像記憶部43は、もぐらの画像を表示装置4に表示するための表示データを記憶しており、具体的にはもぐらの画像のポリゴンデータやテクスチャデータ等を記憶している。
【0065】
また、結果表示用データ記憶部44は、もぐら叩きゲームのゲーム結果やゲームの途中におけるもぐらを叩いた数を表示装置4に表示するための表示データを記憶している。そして、背景画像記憶部45は、もぐらが出現するステージや穴等の背景画像を記憶しており、音声データ記憶部46は、もぐら叩きゲームのBGMや効果音等の音声データを記憶している。
【0066】
続いて、制御部11の備える各構成要素について説明する。ゲーム制御部31は、ゲームプログラムに基づいて、上記各構成要素に指示を送り、ゲーム全体の進行を制御する。また、ゲーム制御部31は、コントローラ3から送られてくる操作信号を解析し、上記各構成要素に上記操作信号に応じた指示を送る。例えば、ゲーム制御部31は、コントローラ3から送られてくる操作信号に含まれる加速度データを操作対象オブジェクト制御部32に送る。これにより、操作対象オブジェクトであるハンマーは、表示装置4上で加速度データに応じた動作を行うことになる。
【0067】
操作対象オブジェクト制御部32は、ゲーム制御部31から送られる加速度データに基づいて、操作対象オブジェクトの表示や動作の制御を行う。この制御は、操作対象オブジェクト制御部32が備える倍率判定部32a、ハンマー表示制御部32b、及びハンマー動作制御部32cによって実行される。
【0068】
倍率判定部32aは、ゲーム制御部31から加速度データを受け取ると、倍率記憶部41を参照し、上記受け取った加速度に対応する、ハンマーの拡大倍率及び速度倍率を判定する。そして、倍率判定部32aは、上記判定結果をハンマー表示制御部32b及びハンマー動作制御部32cに送る。
【0069】
ハンマー表示制御部32bは、ゲーム制御部31の指示に従ってハンマー画像記憶部42からハンマーの画像データを読み出し、読み出した画像データを表示装置4に表示させる。また、ハンマー表示制御部32bは、倍率判定部32aから受け取った判定結果に基づいて、表示装置4に表示させるハンマーの画像の拡大する処理を行い、拡大後のハンマーの画像を表示装置4に表示させる。
【0070】
そして、ハンマー動作制御部32cは、ゲーム制御部31から受け取った加速度データに基づいて、表示装置4に表示させたハンマーの画像を連続的に移動させる。具体的には、ハンマー動作制御部32cは、3軸方向の加速度データに基づいてゲーム中の仮想空間におけるハンマーの移動速度、移動量、移動の向きを決定し、決定した移動速度、移動量、及び移動の向きに応じて、ハンマーの画像を表示装置4上で連続的に移動させ、ゲーム中の仮想空間におけるハンマーの位置座標を変更する。なお、表示装置4上におけるハンマーの角度が変わった場合には、ハンマー表示制御部32bがハンマーの角度に応じた画像を表示させる。
【0071】
表示装置4に表示されるハンマーの画像の移動速度は、例えば加速度を積分することによって求めた速度に、所定の修正係数を掛け合わせた値とすることができる。なお、加速度から速度を求めず、加速度の値に基づいてハンマーの画像の移動速度を決定することもできる。例えば、加速度の値に所定の修正係数を掛け合わせた値をハンマーの画像の移動速度としてもよい。また、ハンマー動作制御部32cは、倍率判定部32aから受け取った判定結果に基づいて、表示装置4に表示させるハンマーの画像の移動速度を変更する。
【0072】
自動動作オブジェクト制御部33は、ゲーム制御部31の指示に従って、表示装置4に自動動作オブジェクト、すなわちもぐらの画像を表示させると共に、もぐらの画像を移動させたり、もぐらの画像を変更したり、もぐらの画像を表示装置4から消したりする処理を行う。
【0073】
具体的には、自動動作オブジェクト制御部33は、ゲーム制御部31の指示に従って、ゲームの仮想空間における所定の位置座標に所定のタイミングでもぐらが穴から出てくる画像を表示装置4に表示させる。そして、自動動作オブジェクト制御部33は、もぐらの画像を一定時間表示させた後、もぐらが穴に引っ込む画像を表示して、もぐらの画像を表示装置4から消す。また、自動動作オブジェクト制御部33は、オブジェクト接触検知部34によってゲーム中の仮想空間でもぐらとハンマーとが接触したと判断された場合に、もぐらが叩かれたことを示す画像を表示し、その所定時間後に叩かれたもぐらが穴に引っ込む画像を表示する。
【0074】
なお、図1には示していないが、ここでは、以上のようなもぐらの画像が記憶部12に記憶されており、自動動作オブジェクト制御部33は、記憶部12に記憶されているもぐらの画像を読み出して表示装置4に表示させることを想定している。
【0075】
オブジェクト接触検知部34は、ゲーム中の仮想空間における、操作対象オブジェクトと自動動作オブジェクトとの接触状態を検知する。ここで、接触状態とは、自動動作オブジェクトに接触したときの、操作対象オブジェクトのサイズや速度等を指す。なお、操作対象オブジェクトのサイズや速度は、倍率判定部32aから取得する。
【0076】
すなわち、オブジェクト接触検知部34は、もぐら叩きゲームにおいてハンマーがもぐらに当たったことを検知すると共に、もぐらに当たったハンマーのサイズや、もぐらに当たる直前のハンマーの速度等を検知する。ハンマーともぐらとの接触を検出する例について、以下説明する。
【0077】
まず、ここでは、もぐらの画像とハンマーの画像とには、それぞれ接触可能領域が設けられていることを想定している。例えば、ハンマーの画像は、画像全体が接触可能領域に設定されているわけではなく、例えばハンマーの画像における柄の部分等は接触可能領域には設定されていない。ここでは、ハンマーの画像において接触可能領域に設定されている部分を殴打面と呼ぶ。一方、もぐらの画像は画像全体が接触可能領域に設定されているが、もぐらの画像は、穴から出てきて穴に引っ込むまでの期間にのみ接触可能領域が設定されており、ハンマーで叩かれた後、穴に引っ込むまでの間や穴から出てくるまでの期間等は、接触可能領域は設定されていない。
【0078】
すなわち、オブジェクト接触検知部34は、もぐらの画像が穴から出てきて穴に引っ込むまでの期間に、もぐらの画像とハンマーの殴打面とがゲーム中の仮想空間において接触したか否かを検知する。
【0079】
また、ここでは、ゲームの仮想3次元空間においてもぐら叩きを行うことを想定しているので、オブジェクト接触検知部34は、各もぐらの画像に設定されている3次元座標と、ハンマーの殴打面の3次元座標とが一致したときにもぐらとハンマーとが接触したと判断する。なお、各もぐらの画像に設定されている3次元座標と、ハンマーの殴打面の3次元座標とは、それぞれ操作対象オブジェクト制御部32及び自動動作オブジェクト制御部33から取得することができる。
【0080】
接触結果表示制御部35は、オブジェクト接触検知部34が検知した、ゲームの仮想空間におけるもぐらの画像とハンマーの画像との接触状態を所定の評価基準に基づいて評価し、結果表示用データ記憶部44に記憶されている結果表示用データを用いて上記評価の結果を表示装置4に表示する。
【0081】
ここでは、上記所定の評価基準は、ハンマーの画像ともぐらの画像との接触回数であることを想定している。すなわち、接触結果表示制御部35は、ハンマーで叩かれたもぐらの合計数を表示装置4に表示させる。これにより、プレイヤは、何匹のもぐらを叩いたかを視認することができる。
【0082】
また、評価結果表示制御部35は、もぐら叩きゲームが終了したときに、もぐら叩きゲームの結果、すなわちそのゲームで叩いたもぐらの合計数をゲーム結果表示画面として表示装置4に表示する。これにより、プレイヤは、ゲームの結果を認識することができる。本実施形態の評価結果表示制御部35は、ゲーム中にもぐらを叩いた数を表示させる機能とゲーム終了後にもぐらを叩いた数を表示させる機能との両方を備えているが、何れか1つの機能を備えている構成としてもよい。
【0083】
なお、上記所定の評価基準は、ゲームの仕様等に応じて適宜変更することができる。例えば、自動動作オブジェクト制御部33が移動速度の速いもぐらと、通常速度のもぐらと、遅いもぐらとをそれぞれ表示させ、より速いもぐらを叩いた場合により高い評価(例えば点数)を表示装置4に表示させるようにしてもよい。
【0084】
背景表示制御部36は、ゲーム制御部31の指示に従い、ゲームプログラムの進行状態に合せた所定の背景画像を背景画像記憶部45から読み出して表示装置4に表示させる。具体的には、もぐら叩きゲームの実行中には、背景表示制御部36は、もぐらが出現したり引っ込んだりする穴などを備えるステージを表示装置4に表示する。また、背景表示制御部36は、もぐら叩きゲームの制限時間を示すタイマーを背景画像として表示する。すなわち、もぐら叩きゲームには、制限時間が設けられており、ゲーム開始から制限時間が経過するまでに何匹のもぐらを叩くことができるかを競うゲームとなっている。
【0085】
音声出力制御部37は、ゲーム制御部31の指示に従い、音声データ記憶部46から読み出したBGMや効果音等の音声データを所定のタイミングでスピーカ5に出力させる。
【0086】
〔もぐら叩きゲームの動作例〕
ゲームシステム1でもぐら叩きゲームを実行するときに制御部11で行われる処理の流れについて、図3に基づいて説明する。図3は、もぐら叩きゲーム実行処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
ゲーム制御部31は、コントローラ3からの操作信号にゲームの開始指示が含まれている場合に、もぐら叩きゲームの実行を開始する。なお、ゲームの開始指示は、操作部22の操作ボタンの入力によって行われる。まず、ゲーム制御部31は、接触結果表示制御部35に指示し、もぐらを叩いた合計数nを0に戻すように指示すると共に、背景表示制御部36及び操作対象オブジェクト制御部32に指示してゲームの初期画面を表示装置4に表示させる(S1)。
【0088】
S1で表示装置4に表示される初期画面について図4に基づいて説明する。図4は、もぐら叩きゲームの初期画面の一例を示す図である。図示のように初期画面には、3×3の9つの穴56を備えたステージ51、ハンマー52、タイマー54、カウンタ55の画像が表示されている。また、ハンマー52は、もぐらと接触可能に設定されている殴打面53を備えている。
【0089】
すなわち、もぐら叩きゲームは、ステージ51の穴56から出現するもぐらをハンマー52で叩くゲームである。叩いたもぐらの数は、カウンタ55に表示される。また、もぐら叩きゲームが開始されると、タイマー54に表示されている時間がカウントダウンされてゆき、タイマー54に表示されている時間がゼロになるとゲーム終了となっている。
【0090】
次に、ゲーム制御部31は、ゲーム開始からの経過時間tを0に戻すと共に、操作対象オブジェクト制御部32及び自動動作オブジェクト制御部33に指示してハンマー52の動作及びもぐらの動作を開始させる(S2)。
【0091】
続いて、ゲーム制御部31は、経過時間tのカウントアップを行う(S3)。すなわち、ゲーム制御部31は、時間を計測する機能を備えており、所定の時間間隔で経過時間tをカウントアップする。また、ゲーム制御部31は、背景表示制御部36に指示して経過時間tに応じた時間をタイマー54に表示させることができる。
【0092】
これにより、表示装置4に表示されるハンマー52は、コントローラ3の移動に応じて移動するようになり、もぐらが穴56から所定のタイミングで出現するようになる。また、タイマー54の表示する時間が経過時間tに伴ってカウントダウンされる。
【0093】
続いて、ゲーム制御部31は、オブジェクト接触検知部34に指示してハンマー52の殴打面53ともぐらとが接触したか否かを確認させる(S4)。ハンマー52の殴打面53が、もぐらと接触していた場合(S4でYes)には、ゲーム制御部31は、自動動作オブジェクト制御部33に指示し、ハンマー52と接触したもぐらの動作及び画像を変更させる(S5)。
【0094】
具体的には、自動動作オブジェクト制御部33は、ゲーム制御部31の指示に従い、もぐらが叩かれた状態を示す画像を表示し、続いてもぐらが穴56の中に引っ込む画像を表示する。そして、自動動作オブジェクト制御部33は、穴56の中に引っ込んだもぐらを所定の時間が経過した後に再度穴56から出現させる。
【0095】
また、ゲーム制御部31は、接触結果表示制御部35に指示して、もぐらを叩いた合計数nとハンマー52と接触したもぐらの数とを合計させる(S6)。そして、接触結果表示制御部35は、もぐらを叩いた合計数nをカウンタ55に表示する。なお、S5とS6とは、順序を入れ替えてもよいし、同時に行うようにしてもよい。
【0096】
ゲーム中に表示装置4に表示される表示画面について、図5に基づいて説明する。図5は、もぐら叩きゲーム中の表示画面の一例を示す図である。図示の例では、4匹のもぐら57が穴56から出現しており、そのうち1匹がハンマー52で叩かれている状態を示している。
【0097】
もぐら57は、所定のタイミングで穴56から出たり穴56に入ったりを繰り返す。そして、もぐら57が穴56から出ている状態にてハンマー52の殴打面53と接触したときに、図示のようにもぐら57が叩かれた状態を示す画像であるもぐら57’が表示される。叩かれたもぐらは穴56内に引っ込み、所定の時間後に同じ穴56から再度出現する。叩かれたもぐらが再出現するタイミングは、自動動作オブジェクト制御部33によって制御される。
【0098】
ここで、S4でハンマーがもぐらと接触したことを検知できなかった場合や、S6でもぐらを叩いた合計数nとハンマーと接触したもぐらの数とを合計させた後には、ゲーム制御部31は、ゲーム開始からの経過時間tが所定の制限時間Tを越えているか否かを確認する(S7)。なお、制限時間Tは、ゲームの仕様に応じて適宜設定することができる。ここでは、制限時間Tが1分である例を示している。
【0099】
制限時間Tを越えていない場合(S7でNo)には、ゲーム制御部31は、S3に戻って経過時間tのカウントアップを行い、続いてS4にてハンマーがもぐらと接触したか否かを確認する。一方、制限時間Tを越えている場合(S7でYes)には、ゲーム制御部31は、接触結果表示制御部35に指示し、ゲームの結果である、ゲーム中にもぐらを叩いた合計数を表示装置4に表示させる(S8)。
【0100】
〔オブジェクト画像変更処理の例〕
ここで、本発明のポイントである、オブジェクト画像変更処理について図6から図8に基づいて説明する。図6は、オブジェクト画像変更処理の一例を示すフローチャートである。なお、オブジェクト画像変更処理は、もぐら叩きゲーム実行処理中に、操作対象オブジェクト制御部32によって実行される処理であり、コントローラ3の加速度センサ21が検出する加速度に応じてハンマーの画像を拡大する処理である。
【0101】
まず、操作対象オブジェクト制御部32の倍率判定部32aは、倍率記憶部41を参照し、ゲーム制御部31から送られる加速度が所定の値を越えたか否かを判定する(S11)。そして、所定の値を超える加速度が入力されたと判定した場合(S11でYes)には、ハンマー表示制御部32b及びハンマー動作制御部32cに指示し、表示装置4に表示するハンマーの画像のサイズ及び移動速度を加速度に応じて変更させる(S12)。
【0102】
続いて、倍率判定部32aは、画像変更後の経過時間tをゼロに戻して(S13)、経過時間tのカウントアップを開始する(S14)。倍率判定部32aは、時間のカウントを開始した後は、tが制限時間Tを越えたか否かを監視する(S15)。そして、倍率判定部32aは、tが制限時間Tを越えたと判断した場合(S15でYes)に、ハンマー表示制御部32b及びハンマー動作制御部32cに指示してハンマーの画像の大きさ及び移動速度を初期値に戻させる(S17)。なお、初期値とは、ゲーム開始時において、ハンマーが移動していない状態のハンマーの画像サイズ及び移動速度を指す。
【0103】
これにより、ハンマーは拡大した後、所定の時間Tが経過した後に元の大きさに戻ることになる。Tは、ゲームの仕様に応じて適宜設定することができるが、ここではTが0.5秒であることを想定している。
【0104】
移動速度を初期値に戻した後、倍率判定部32aは、再度S11に戻って所定の値を超える加速度が検出されるのを待ち受ける。このように、もぐら叩きゲームでは、ゲーム実行中に、ゲーム装置2に所定の値を超える加速度の入力があった場合に、期間Tの間だけ表示装置4に表示されるハンマーの画像が拡大されるようになっている。そして、これにより、もぐら叩きゲームは、変化に富んだ趣向性の高いものとなる。
【0105】
一方、S15にて、経過時間tが制限時間Tよりも小さいと判断した場合(S15でNo)には、倍率判定部32aは、倍率記憶部41を参照し、ゲーム制御部31から送られる加速度が所定の値を越えたか否かを判定する(S16)。所定の値を超える加速度が入力されたと判定した場合(S16でYes)には、S12の処理に移行し、表示装置4に表示するハンマーの画像のサイズ及び移動速度を加速度に応じて変更させる。一方、所定の値を超える加速度の入力が確認されなかった場合(S16でNo)には、S14の処理に移行し、経過時間tのカウントアップを進める。
【0106】
このように、もぐら叩きゲームでは、ハンマーの画像のサイズ及び移動速度が変更された状態にて、所定の値を超える加速度が検出された場合には、その加速度に応じてハンマーの画像のサイズ及び移動速度が変更される。そして、ハンマーの画像のサイズ及び移動速度が変更されると、経過時間tがリセットされる。
【0107】
したがって、プレイヤは、コントローラ3を速く動かし続けることによって、ハンマーの画像のサイズが拡大された状態をキープすることができる。また、プレイヤは、コントローラ3をさらに速く動かすことによって、拡大されたハンマーの画像をさらに拡大させることもできる。これにより、プレイヤは、ハンマーが拡大された状態をキープするため、あるいはハンマーをより大きくするために、コントローラ3を動かす操作により熱中することになる。
【0108】
ここで、加速度に応じて操作対象オブジェクトを変更する具体例について図7に基づいて説明する。図7は、加速度と操作対象オブジェクトの画像の拡大倍率及び速度倍率との関係の一例を示す図である。本実施形態では、図7に示すようなデータが倍率記憶部41に格納されており、このデータを倍率判定部32aが参照して拡大倍率及び速度倍率を決定することを想定している。
【0109】
なお、ここで、拡大倍率とは、ハンマーの画像をゲーム中の仮想3次元空間におけるX,Y,Zの3軸方向に等しい割合で長さを伸張するときの倍率を指す。言い換えれば、ハンマーの画像は、縦、横、奥行きの長さの比率を維持した状態で拡大される。したがって、ハンマーの画像は、同じ形状を保ったまま拡大されることになる。
【0110】
図示のグラフでは、加速度が大きいほどハンマーの拡大倍率は大きくなっており、図示のグラフを用いることで、倍率判定部32aは、加速度の値に応じたハンマーの拡大倍率を判定することができる。例えば、倍率判定部32aは、ゲーム制御部31から受け取った加速度が20(m/s)(以下の記載では加速度の単位の記載を省略する)より小さい場合には、図示のグラフからハンマーの拡大倍率が1であることを読み取り、ハンマーの画像サイズの変更指示を行わない。
【0111】
また、図示のグラフでは、加速度が30の場合にはハンマーの画像は1.5倍に拡大され、加速度が40の場合にはハンマーの画像は2倍に拡大され、加速度が50の場合にはハンマーの画像は2倍に拡大されるようになっている。なお、加速度が60以上の場合には、図示のようにハンマーの拡大倍率は4倍となり、それ以上の大きさの加速度が検出された場合でもハンマーの拡大倍率は4倍を超えないようになっている。
【0112】
なお、上記のように、ここでは、ハンマーの画像の拡大は、画像の各部の長さがその比率を維持した状態にて所定の拡大倍率(伸張率)で伸張されることによって行われることを想定している。
【0113】
無論、図示の加速度と拡大倍率との関係は一例であり、この例に限られず、ゲームの仕様に応じて適宜設定することができる。例えば、加速度が30〜40の場合にはハンマーの画像を1.5倍に拡大し、加速度が40〜50の場合には、ハンマーの画像を2倍に拡大するといったように、加速度の範囲に応じて拡大倍率を段階的に変えるようにしてもよい。拡大倍率を段階的に変える場合には、拡大倍率を加速度に応じて連続的に変える場合と比べてゲーム装置2への処理の負担を軽減することができる。また、拡大倍率の上限を設定せず、加速度に応じて際限なく画像を拡大するようにしてもよい。そして、図示の例では、加速度に応じて画像を拡大する例を示しているが、加速度に応じて画像を縮小してもよい。
【0114】
また、図7のグラフは、加速度に応じた速度倍率も示している。図示のように、加速度が大きいほどハンマーの速度倍率は小さくなっており、図示のグラフを用いることで、倍率判定部32aは、加速度の値に応じたハンマーの速度倍率を判定することができる。
【0115】
例えば、倍率判定部32aは、ゲーム制御部31から受け取った加速度が20より小さい場合には、図示のグラフからハンマーの速度倍率が1であることを読み取り、ハンマーの移動速度の変更指示を行わない。また、図示のグラフでは、加速度が30の場合は速度倍率が0.8、加速度が40の場合は速度倍率が0.7、加速度が50の場合は0.6、そして加速度が60以上の場合は、速度倍率は0.5になっている。無論、図示の加速度と速度倍率との関係は一例であり、拡大倍率と同様に、ゲームの仕様に応じて適宜設定することができる。例えば、画像を拡大するに応じて移動速度を大きくするようにしてもよいし、画像が縮小された場合に移動速度を大きくするようにしてもよい。また、加速度の範囲に応じて速度倍率を段階的に変更するようにしてもよい。
【0116】
なお、倍率判定部32aが倍率の判定に用いるデータは、少なくとも加速度と拡大倍率との関係を示すものであればよく、上述の例に限定されない。例えば、加速度と拡大倍率との関係を示す対応表や数式等を倍率記憶部41に記憶しておき、このような形式のデータに基づいて拡大倍率を特定するようにしてもよい。また、ハンマーの移動速度を変更する必要がない場合には、倍率記憶部41に加速度と速度倍率との関係を示すデータを格納しておく必要はない。
【0117】
さらに、上述の例では、加速度と拡大倍率や速度倍率との対応関係を示すデータに基づいて、ハンマーの大きさや移動速度を変化させているが、倍率ではなく、ハンマーの大きさや移動速度を示す数値と加速度との対応関係を示すデータに基づいて、ハンマーの大きさや移動速度を変化させてもよい。
【0118】
このようにして、倍率判定部32aは、加速度に応じた拡大倍率及び速度倍率を判定し、判定結果である拡大倍率及び速度倍率をハンマー表示制御部32b及びハンマー動作制御部32cに送る。そして、ハンマー表示制御部32bは、受け取った拡大倍率に基づいて拡大演算を行い、拡大されたハンマーの画像を表示装置4に表示させる。また、ハンマー動作制御部32cは、ハンマーの画像の大きさが元に戻るまでの間、ハンマーの画像の移動速度を、加速度データに基づいて算出した移動速度に上記速度倍率を掛け合わせた速度に変更する。
【0119】
これにより、表示装置4に表示されるハンマーの画像は、コントローラ3が検出した加速度に応じた大きさに変更される。また、ハンマーの画像が拡大された場合には、コントローラ3の移動速度に対して表示装置4上で移動するハンマーの速度が遅くなる。これにより、同じ速度でコントローラ3を移動させても表示装置4上で移動するハンマーの速度が遅くなるので、ハンマーが大きく、重たくなった感覚をプレイヤに与えることができる。
【0120】
また、本実施形態のもぐら叩きゲームでは、ハンマーの画像が拡大された場合には、ハンマーの移動速度が変化するのみならず、その他様々な効果が発生するようになっている。これについて、図8に基づいて説明する。図8は、もぐら叩きゲーム中の表示画面の一例を示す図であり、ハンマー52が拡大されたハンマー52’が表示されている状態を示す図である。
【0121】
図示のようにハンマー52の拡大に伴い、ハンマー52の接触可能領域である殴打面53が拡大されている。これにより、ハンマー52’がもぐら57と接触する範囲は、ハンマー52と比べて広くなる。これにより、複数のもぐら57を一度に叩くことが可能になり、その結果制限時間内により多くのもぐら57を叩くことが可能になる。例えば、図8に示すように、ハンマー52が拡大された場合には、一度に4匹のもぐら57を叩くことも可能になる。
【0122】
そして、ゲーム制御部31は、ハンマーが拡大されている場合に、音声出力制御部37に指示し、ハンマーの大きさに応じてスピーカ5に出力させる効果音を変更させる。これにより、ハンマーが大きくなり、ハンマーの威力が増した感覚をプレイヤに与えることができる。
【0123】
また、自動動作オブジェクト制御部33は、オブジェクト接触検知部34が検知した、もぐらとハンマーとの接触状態に応じてもぐらの反応を変化させる。具体的には、自動動作オブジェクト制御部33は、表示されるハンマーの大きさに応じて、もぐらに加わる衝撃が変化することをプレイヤが認識できるように、表示されるハンマーの大きさに応じて、ハンマーで叩かれたもぐらの動作を変化させる。
【0124】
具体的には、自動動作オブジェクト制御部33は、叩かれたもぐらが穴の中に引っ込むまでの時間をハンマーの大きさに応じて短くする。もぐらが穴に引っ込む速度が速くなることにより、次に同じ穴からもぐらが出てくるまでの時間が短縮される。これにより、ゲームの制限時間内に出現するもぐらの数が多くなるので、コントローラ3をより速く動かすことにより、制限時間内により多くのもぐらを叩くことのできる可能性が広がる。
【0125】
ただし、本実施形態のもぐら叩きゲームでは、ハンマーが大きくなると、ハンマーの移動速度も遅くなるように設定している。これにより、プレイヤは、やみくもにコントローラ3を振り回すだけでは、たくさんのもぐらを叩くことができない。ゆえに、より多くのもぐらを叩くためにコントローラ3を移動させる速度やタイミング等に工夫をする必要が生じ、プレイヤはさらにゲームに熱中することになる。
【0126】
また、自動動作オブジェクト制御部33は、ハンマーの大きさに応じて叩かれたもぐらの画像を変形したり変更したりするようにしてもよい。例えば、ハンマーが大きいほど、ハンマーと接触したもぐらの画像をより押しつぶされた形状に変形させる等、様々な画像表現が可能である。
【0127】
さらに、自動動作オブジェクト制御部33は、オブジェクト接触検知部34がハンマーともぐらとが接触したときのハンマーの移動速度に応じて、もぐらの動作や画像を変更するようにしてもよい。これにより、移動速度の増加によってハンマーの威力が増す感覚をプレイヤに与えることができる。例えば、ハンマーの移動速度が大きいほどもぐらがつぶされる度合いを大きくしたり、もぐらが引っ込む速度を早くしたりする等、様々な画像表現が考えられる。
【0128】
〔応用例〕
上記実施形態では、もぐら叩きゲームを例に本発明の説明を行ったが、本発明はもぐら叩きゲームに限られず、様々なゲームに適用することができる。例えば、野球ゲームで、コントローラが検出した加速度の大きさに応じてプレイヤの操作するキャラクタが持つバットの画像を拡大してもよい。同様に、テニスゲームでプレイヤの操作するキャラクタのラケットを拡大したり、アクションゲームでプレイヤの操作するキャラクタの武器等を拡大したりしてもよい。
【0129】
そして、例えば拡大したバットに当たったボールが、より速く、遠くまで飛んでゆくようにしたり、拡大したラケットに当たったボールの速度を速くしたり、拡大した武器に当たった敵キャラクタが遠くまで飛ばされる画像を表示したりしてもよい。
【0130】
また、もぐら叩きゲームの場合には、接触結果表示制御部35は、もぐらを叩いた合計数をカウントし、その合計数を表示していたが、これはゲームの仕様に応じて適宜変更することができる。
【0131】
例えば、野球ゲームやテニスゲームの場合には、接触結果表示制御部35は、バットやラケットに当たったボールが飛ぶ飛距離や球速を算出し、算出結果である飛距離や球速を表示するようにしてもよい。また、接触結果表示制御部35は、アクションゲームでプレイヤの操作するキャラクタの武器等が敵キャラクタに当たったときの衝撃を表す数値を算出し、その算出結果を表示するようにしてもよい。
【0132】
このように、コントローラが検出した加速度の大きさに応じてプレイヤの操作するオブジェクトが変化し、それに伴いプレイヤの操作するオブジェクトに接触した他のオブジェクトの動作が変化することにより、ゲームは変化に富んだ趣向性の高いものとなる。
【0133】
また、上記実施形態では、図8に示すように、ハンマーの画像の全体を、画像の形状を変えずに拡大する例を示したが、この例に限られない。例えば、操作対象オブジェクトの画像の一部を拡大するようにしてもよい。ハンマーの画像の例で言えば、例えばハンマーの柄以外の部分のみ拡大するようにしてもよい。
【0134】
さらに、操作対象オブジェクトの画像を別の画像と切り替えるようにしてもよい。これにより、ゲームをさらに変化に富んだ娯楽性の高いものにすることができる。例えば、ハンマーの画像の例で言えば、ハンマーの画像が加速度に応じて、プラスチック製のハンマーの画像、木製のハンマーの画像、鉄製のハンマーの画像等に変化するように設定してもよい。
【0135】
ただし、画像を切り替える場合には、画像を拡大や縮小する場合と比べてゲーム装置が行う演算量が増加してしまう。したがって、ゲーム装置に処理の負担を掛けることが好ましくないときには、拡大処理や縮小処理によって画像を変更することが好ましい。これは、以下の理由による。
【0136】
すなわち、拡大処理や縮小処理の場合には、オブジェクトとして同じモデルを使用しているので、そのモデルを構成する各データを引き伸ばす、または縮小させるだけで生成できる。これに対し、画像を変更する場合には、別のモデル画像のデータを読み込み、所定の位置に持ってくる必要があるため演算量が大きくなるためである。
【0137】
また、上記実施形態では、加速度に応じて画像を変更する例を示したが、加速度を積分してコントローラ3の移動速度を算出し、算出した移動速度に応じて画像を変更してもよいし、加速度と上記算出した移動速度との両方がそれぞれ所定の範囲に含まれる場合に画像を変更してもよい。
【0138】
そして、上記ゲームシステム1は、別体として構成されたゲーム装置2とコントローラ3と画像表示装置4とを接続して構成されているが、これらの構成要素の複数を一体に構成し、例えば携帯型のゲームシステムとしてもよい。
【0139】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明のゲーム装置は、コントローラの検出する加速度に応じて、画面に表示され、コントローラの移動に対応して動作するオブジェクトの画像を変化させることによって、ゲームの趣向性を向上させるものであるから、もぐら叩きゲームに限らず、様々なゲームに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、ゲーム装置の制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、ゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、もぐら叩きゲーム実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】上記もぐら叩きゲームの初期画面の一例を示す図である。
【図5】上記もぐら叩きゲーム中の表示画面の一例を示す図である。
【図6】上記もぐら叩きゲームにおけるオブジェクト画像変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、加速度と操作対象オブジェクトの画像の拡大倍率及び速度倍率との関係の一例を示す図である。
【図8】上記もぐら叩きゲーム中の表示画面の一例を示す図であり、ハンマーの画像が拡大された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置
3 コントローラ
4 表示装置
5 スピーカ
6 記録媒体
11 制御部
12 記憶部
21 加速度センサ
32 操作対象オブジェクト制御部(オブジェクト変更手段)
33 自動動作オブジェクト制御部(第3オブジェクト表示制御手段)
34 オブジェクト接触検知部(オブジェクト接触検知手段)
35 接触結果表示制御部(接触結果表示制御手段)
52 ハンマーの画像
52’ 拡大したハンマーの画像
55 カウンタ
57 もぐらの画像
57’ 叩かれたもぐらの画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラが備える加速度センサが検知した加速度を示す操作信号に基づいて、表示画面に表示させた、上記コントローラに対応する第1オブジェクトを移動させるゲームを実行するゲーム装置であって、
上記操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度
の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるオブジェクト変更手段を備えていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
上記オブジェクト変更手段は、上記第2オブジェクトを表示させた後、所定の期間内に上記所定の範囲に含まれる加速度または移動速度が検知されたことを示す操作信号が確認できない場合に、上記第2オブジェクトを第1オブジェクトに戻すことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記オブジェクト変更手段は、上記第1オブジェクトの少なくとも一部を拡大または縮小することによって、上記第1オブジェクトを第2オブジェクトに変更させることを特徴とする請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記オブジェクト変更手段は、上記操作信号が示す加速度または移動速度に対して、上記第1オブジェクトを表示画面上で移動させる速度と、上記第2オブジェクトを表示画面上で移動させる速度とを異ならせることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記ゲームは、ゲーム中の仮想空間において、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトを、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトとは異なる第3オブジェクトと接触させるゲームであり、
上記ゲーム中の仮想空間における、上記第1オブジェクトまたは第2オブジェクトと上記第3オブジェクトとが接触する状態を検知するオブジェクト接触検知手段と、
上記オブジェクト接触検知手段によって検知された接触状態に応じて、接触後の上記第3オブジェクトの動作または形状の少なくとも一方を制御する第3オブジェクト表示制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記接触状態を所定の評価基準に基づいて評価し、該評価結果を上記表示画面に表示する制御を行う接触結果表示制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
加速度センサを備えるコントローラの表示画面に対する位置、及び上記加速度センサが検知した加速度を示す操作信号に基づいて、上記表示画面に表示させた、上記コントローラに対応する第1オブジェクトを移動させるゲームを実行するゲーム装置のゲーム制御方法であって、
上記操作信号が示す加速度及び当該加速度から算出した上記コントローラの移動速度の少なくとも一方が所定の範囲に含まれる場合に、上記第1オブジェクトに代えて、当該第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを表示させるステップを含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載のゲーム装置を動作させるゲーム制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのゲーム制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−131291(P2009−131291A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172921(P2007−172921)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】