説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラム

【課題】利便性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10は、ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識する認識部41と、認識部41により認識された、ゲームフィールドにおけるオブジェクトの状態を記憶するパラメータ保持部60と、認識部41により認識された、プレイヤーによるオブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させるゲーム実行部42と、オブジェクトに対する操作の内容又はオブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知するエラー処理部43とを備える。エラー処理部43は、アイコンなどを表示することによりエラーの発生を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、とくに、オブジェクトの操作を認識してゲームの進行を制御するゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カードゲームが人気を博している。同種のカードゲームであっても、新しいカードセットが次々と登場しており、使用するカードによってゲームの内容が全く異なってくるため、ゲーム歴の長いプレイヤーも新鮮なゲームを楽しむことができる。また、カードを収集すること自体が、プレイヤーの楽しみの一つになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、カードゲームのルールは複雑で習得するまでに時間がかかり、初心者が気軽にカードゲームを楽しむことは難しい。より多くのプレイヤーがカードゲームを気軽に楽しむことができるようにするためには、カードゲームの進行を適切に支援するゲームシステムの開発が望まれる。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より利便性の高いゲーム制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、ゲーム装置に関する。このゲーム装置は、ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識する認識部と、前記認識部により認識された、前記ゲームフィールドにおける前記オブジェクトの状態を記憶する記憶部と、前記認識部により認識された、プレイヤーによる前記オブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させるゲーム実行部と、前記オブジェクトに対する操作の内容又は前記オブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知するエラー処理部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より利便性の高いゲーム制御技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、実施の形態に係るゲームシステムの基本的な構成を示す。ゲームシステム1は、カードを用いた対戦ゲームを実現する。ゲームシステム1は、プレイヤーが盤面6に置いたカード4を撮影するカメラ2と、カメラ2により撮影された画像を解析してカード4を認識し、認識されたカード4に基づいてカードゲームを進行させるゲーム装置10と、ゲーム装置10により制御されるカードゲームの表示画面を表示する表示装置68とを備える。
【0009】
盤面6には、複数の仕切り線により、9つのマスが形成されている。それぞれのマスは、カード4を配置する区画を形成する。盤面6の4隅には、盤面6の位置と向きをゲーム装置10が認識するための指標として用いられる図形7が設けられる。4つの図形7のうちの少なくとも1つは、他の図形7とは異なる形態を有している。例えば、図形7のうちの1つを黒色とし、他の3つの図形7を青色としてもよい。ゲーム装置10は、盤面6を撮影した画像を解析して4つの図形7の位置を認識することにより盤面6の位置を特定するとともに、形態の異なる図形7の位置を認識することにより盤面6の向きを特定する。
【0010】
カード4には、カード4の種別を識別するための2次元コード5が印刷されている。プレイヤーがカード4をいずれかのマスに置くと、ゲーム装置10は、配置されたマスを特定するとともに、カード4の2次元コード5を認識し、置かれたカード4の種別を識別する。ゲーム装置10は、マスに配置されたカード4に応じてゲームを進行させる。
【0011】
プレイヤーが用いるカード4として、クリーチャーが対応づけられた「クリーチャーカード」と、ゲームフィールドに何らかの効果を発動させる機能を有する「スペルカード」が用意される。プレイヤーが、クリーチャーカードを盤面6のあるマスに置くと、そのクリーチャーカードに対応するクリーチャーが、その土地を支配する。盤面6のマスに置かれたクリーチャーは、対戦相手のプレイヤーがマスに置いたクリーチャーと戦闘を行い、戦闘に敗れたクリーチャーは盤面6から除去され、その土地の支配が解かれる。このように、プレイヤーが互いにターンを重ねてカード4を操作し合い、先に5つの土地を自身のクリーチャーカードで支配した方が勝ちとなる。
【0012】
ゲーム装置10は、カメラ2により撮像されたフレーム画像を表示装置68に表示させるとともに、カード4上にそのカード4に対応するクリーチャーを重畳表示させたり、戦闘の背景画像などを重畳表示させる。クリーチャーの向いている方向によって攻撃可能な範囲や戦闘時の状況などが変わるので、ゲーム装置10は、盤面6に配置されたカード4の位置だけでなく、カード4の方向も認識し、カード4に表示するクリーチャーの方向をカード4の方向に合わせる。また、ゲーム装置10は、ゲームの進行に必要な情報、例えば、プレイヤーの生命力を示すライフの残量や、スペルカードに対応する特殊能力を発動させるために使用するエネルギー(マナ)の残量や、クリーチャーのパワーなどを表示装置68に表示してもよい。
【0013】
このように、ゲーム装置10が、カードに対応づけられたキャラクタ(クリーチャー)同士の対戦を制御したり、複雑なポイントの計算などを実行したりすることで、カードゲームの進行を適切に支援するので、カードゲームのルールや進行方法などに精通していないプレイヤーであっても、容易かつ円滑にカードゲームを楽しむことができる。また、ゲーム装置10が、カードに対応づけられたクリーチャーやゲームフィールドの画像などをカメラ2により撮影された映像に重ね合わせて表示装置68に表示するとともに、戦闘シーンなどの演出を表示装置68に表示するので、インパクトのある映像効果を楽しみながらカードゲームを進行させることができる。さらに、プレイヤーが所有する現実のカードを用いてゲームを実行することができるので、現実世界と仮想世界を融合させた新しいゲームの世界観を実現することができる。
【0014】
図2は、ゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、コントローラ20、入力部30、制御部40、パラメータ保持部60、エラーテーブル62、カードデータベース64、画像処理部66、及び表示装置68を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0015】
入力部30は、ユーザインタフェースの一例であるコントローラ20から入力されるユーザによる操作指示を受け付ける。制御部40は、入力部30が受け付けたユーザからの操作指示に基づいてゲームプログラムを実行し、ゲームを進行させる。パラメータ保持部60は、ゲームの進行に必要なパラメータを保持する。例えば、盤面6に配置されたカードの種別と方向、プレイヤーの手札に含まれるカードの種別、プレイヤーのライフの残量、マナの残量、クリーチャーのパワーなどがパラメータ保持部60に記録される。エラーテーブル62は、ゲームの進行中にエラーを検知するために、エラーの発生条件のリストを格納する。画像処理部66は、制御部40により制御されるゲームの表示画面を生成して、表示装置68に表示させる。
【0016】
カードデータベース64は、ゲームに用いられるカード4の識別子と、カード4に対応づけられるクリーチャーのデータとを対応付けて格納する。図3は、カードデータベース64の内部データの例を示す。カードデータベース64には、カードID欄70、クリーチャーID欄71、クリーチャー名欄72、属性欄73、パワー欄74、攻撃方向欄75、攻撃力欄76、及び防御力欄77が設けられている。カードID欄70は、カードに割り当てられたカードを一意に識別するためのIDを格納する。カードIDは、カード4の2次元コード5により認識される。クリーチャーID欄71、クリーチャー名欄72、属性欄73、パワー欄74、攻撃方向欄75、攻撃力欄76、及び防御力欄77は、カードに対応付けられたクリーチャーのデータを格納する。カードデータベース64は、更に、クリーチャーの画像データ、戦闘時のクリーチャーの画像データなどを格納してもよい。また、図3の例では、クリーチャーカードのデータの例を示しているが、スペルカードについても同様に、スペルのID、名称、属性、効果が及ぶ範囲、効果の内容、スペルが発動されたときの画像データなどを格納してもよい。
【0017】
制御部40は、認識部41、ゲーム実行部42、エラー処理部43、動的エラー処理部44、及び静的エラー処理部45を含む。認識部41は、カメラ2により撮影されたフレーム画像を取得して解析し、盤面6の位置及び方向を認識するとともに、盤面6に配置されたカード4や、操作のためにカメラ2にかざされたカード4の種別や方向を認識する。
【0018】
ゲーム実行部42は、カードゲームプログラムを実行し、カードゲームの進行を制御する。まず、カードゲームを開始する前に、プレイヤーは所有するカードの中からゲームで使用するカードを選択してデッキを構築する。つづいて、攻撃の先後が決定され、プレイヤーがデッキから手札を引く。このとき、プレイヤーがデッキから自由に手札を引くようにしてもよいし、プレイヤーが引くべき手札をゲーム実行部42が決定するようにしてもよい。前者の場合、ゲーム装置10がプレイヤーの手札を管理することができるように、ゲーム実行部42は、プレイヤーがデッキから引いた手札に含まれるカードをカメラ2にかざすようプレイヤーに指示し、認識部41にカードを認識させ、パラメータ保持部60に記録する。ゲーム中に、手札を追加する必要が生じたときにも、プレイヤーが引いたカードを認識部41により認識してパラメータ保持部60に記録する。後者の場合、ゲーム実行部42は、カードデータベース64の中からランダムにカードを選択し、プレイヤーの手札としてパラメータ保持部60に記録するとともに、選択したカードを画面に提示してプレイヤーに引かせる。ゲーム中に、手札を追加する必要が生じたときにも、ゲーム実行部42が引くべきカードを選択してパラメータ保持部60に記録する。
【0019】
ゲーム実行部42は、先攻のプレイヤーに対して、カードを盤面6に出す(キャストする)よう指示し、認識部41にキャストされたカード4を認識させる。ゲーム実行部42は、認識されたカード4がクリーチャーカードであれば、カード4が置かれたマスにクリーチャーを召喚する映像を表示し、以降、カード4の上にクリーチャーを重畳表示する。認識されたカード4がスペルカードであれば、ゲーム実行部42は、プレイヤーがスペルカードを発効するのに必要なマナを有しているか否かを確認し、有していれば所定のマナコストを消費してスペルカードの機能を発効させる。ゲームの進行方法は、通常のカードゲームと同様である。ゲーム実行部42は、盤面6に配置されたカード4の状態を示す情報をパラメータ保持部60に記録し、ゲームの状態を管理する。
【0020】
エラー処理部43は、カード4に対する操作の内容や、カード4の状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知する。エラー処理部43は、動的エラー処理部44及び静的エラー処理部45を含む。動的エラー処理部44は、プレイヤーがカード4を盤面6にキャストしたり、既にキャストされているカード4の方向を変えたりするなど、カード4を操作したときに、その操作の内容が正しいか否かを確認する。静的エラー処理部45は、プレイヤーがカード4を操作する前又は後に、その時点におけるカード4の状態と、パラメータ保持部60に記憶されたカード4の状態とを比較し、不整合が生じていないかを確認する。動的エラー処理部44及び静的エラー処理部45が検出すべきエラーの内容は、エラーテーブル62に格納されており、動的エラー処理部44及び静的エラー処理部45はエラーテーブル62を参照してエラーを検出する。
【0021】
エラー処理部43は、エラーの発生を検知したときに、発生したエラーの内容を示すアイコンを表示する。エラー処理部43は、発生したエラーを解除するために必要な操作の内容を表示してもよい。例えば、カードを所定の方向へ回転させたり、所定のマスへ移動させたりする操作が必要である旨を表示してもよい。エラー処理部43は、発生したエラーを解除するために必要な操作を行った結果の状態を示す画像を表示してもよい。例えば、カードの方向が、パラメータ保持部60に記録された方向と異なるときに、正しい方向に向いた状態のカードを表示してもよい。
【0022】
【表1】

【表2】

【表3】

【0023】
表1〜3は、エラーテーブル62の内部データの例を示す。エラーテーブル62には、カテゴリ欄90、サブカテゴリ欄91、エラー名欄92、発生条件欄93、エラーアイコン欄94、サブカテゴリ内優先度欄95、カテゴリ内優先度欄96、及びカテゴリ間優先度欄97が設けられている。エラーには、操作の内容の誤りを含む動的エラーと、実際の盤面の状態とパラメータ保持部60に記録されている状態との間の不整合を含む静的エラーがある。エラーは、ゲームの状況に応じて複数のカテゴリに分類されており、さらに、発生タイミングに応じて複数のサブカテゴリに分類されている。例えば、図3の例では、盤面に置かれたカードの状態に関するエラーを含む「フィールド」、カードを盤面にキャストしたときに発生するエラーを含む「キャスト時」、攻撃や魔法などの対象を選択するときに発生するエラーを含む「対象選択時」、戦闘に敗れたクリーチャーのカードや不要となったカードを捨てるときに発生するエラーを含む「トラッシュ選択時」のカテゴリに分類されている。「キャスト時」のカテゴリのエラーは、さらに、「重複操作」、「常時」、「召喚」などのサブカテゴリに分類されている。「重複操作」は、複数の操作が同時に認識されたときに発生する可能性があるエラーを含み、「常時」は、ゲーム中に常時、「召喚」は、クリーチャーカードによりクリーチャーが召喚されたときに、「重ね召喚」は、同一のマスに重複してクリーチャーを召喚したときに、「再行動(攻撃)」は、プレイヤーが操作を行った後に続けて攻撃することが可能であるときに、「再行動(回転)」は、プレイヤーが操作を行った後に続けてカードを回転することが可能であるときに、「スペル使用(かざし)」は、プレイヤーがフィールド全体に効力を及ぼすようなスペルカードをカメラ2にかざしたときに、「スペル使用(フィールド)」は、プレイヤーがスペルカードをフィールドにキャストしたときに、それぞれ発生する可能性があるエラーを含む。
【0024】
それぞれのエラーには、優先度が付けられており、複数のエラーが重複して発生したときには、優先度によって処理の順番が決定される。まず、「カテゴリ間優先度」が高いカテゴリに属するエラーが優先され、同一のカテゴリ内では「カテゴリ内優先度」が高いサブカテゴリに属するエラーが優先され、同一のサブカテゴリ内では「サブカテゴリ内優先度」が高いエラーが優先される。このように、エラーを分類して優先度を付しておくことにより、複数のエラーが重複して発生したときに、適切な順序でエラーを解除するための処理を実行することができる。
【0025】
例えば、カードが盤面に置かれたときに動的エラー処理部44がエラーチェックを行ったとき、手札に持っていないカードを使用したことを示す「異手札使用エラー」と、隣にクリーチャーが配置されていないマスにクリーチャーカードを置いたことを示す「配置条件違反エラー」が同時に発生したとする。このとき、先に「配置条件違反エラー」を解除しようとして、クリーチャーカードを配置するマスの変更をプレイヤーに指示し、適切なマスにクリーチャーカードを配置させたとしても、そのクリーチャーカードは手札に持っていないはずのカードであって使用することができないのであるから、「異手札使用エラー」が依然として残っており、結局はカード自体を変更させる必要がある。この例の場合、表1に示したように、「異手札使用エラー」のカテゴリ内優先度は「2」であり、「配置条件違反エラー」のカテゴリ内優先度は「3」であるから、「異手札使用エラー」の方が先に処理される。動的エラー処理部44は、まず「異手札使用エラー」を解除するために、手札に持っているカードに変更するようプレイヤーに指示し、適切なカードを使用させる。このとき、動的エラー処理部44は、新たにキャストされたカードに対して、その操作の内容に誤りがないかをチェックする。したがって、もはや以前に置かれていたカードについての「配置条件違反エラー」を処理する必要はない。
【0026】
図4は、プレイヤーがカードをキャストするときのエラー処理の手順を示すフローチャートである。まず、ターンの開始前に、静的エラー処理部45が静的エラーチェックを行う(S10)。静的エラー処理部45は、認識部41に盤面6上のカード4の状態を認識させ、パラメータ保持部60に記憶された、前ターン終了時のカードの状態と比較する。カードの状態に不整合があれば、静的エラー処理部45は、その旨をプレイヤーに報知し、正しい状態に修正するよう指示する。静的エラー処理部45は、盤面6上のカードの状態が、前ターン終了時の状態と同一になれば、エラーチェックを終了する。
【0027】
つづいて、ゲーム実行部42は、プレイヤーにカードのキャストを指示する(S12)。プレイヤーがカードをキャストすると、認識部41がカードを認識する(S14)。このとき、動的エラー処理部44が動的エラーチェックを行う(S16)。動的エラー処理部44は、認識されたカードの種別やキャストされた位置などをチェックし、エラーがあればその旨をプレイヤーに報知して、エラーを修正するよう指示する。例えば、手札に持っていないはずのカード、すなわちパラメータ保持部60にプレイヤーの手札として記録されていないカードがキャストされた場合は、正しいカードをキャストするよう指示し、カードを置くことができないマスにカードがキャストされた場合は、正しい位置にカードをキャストするよう指示する。動的エラー処理部44は、カードが正しくキャストされれば、エラーチェックを終了する。
【0028】
ゲーム実行部42は、プレイヤーの行動を確定するまでに猶予時間を設けるために、所定の時間の経過のカウントダウンを開始する(S18)。カウントダウン中にカードが変更されたり、キャスト位置が変更されたりする可能性があるので、動的エラー処理部44は再度動的エラーチェックを行う(S20)。ゲーム実行部42は、所定の時間が経過するとカウントダウンを終了し(S22)、認識部41により認識されたカードの種別やキャスト位置に応じてプレイヤーの行動を確定する(S24)。
【0029】
プレイヤーがカードの裏面をカメラ2にかざして、このターンをパスする意思表示を行った場合は(S26のY)、何も行わずにターン清算にうつる(S38)。そうでなければ(S26のN)、クリーチャーカード又はスペルカードがキャストされていることになる。確定された行動が攻撃又はスペルの発動などであって、対象を選択する必要がある場合は(S28のY)、カードの操作又はコントローラ20を介した入力指示などにより対象の選択指示を受け付ける(S30)。このとき、動的エラー処理部44は、選択された対象が正しいか否かをチェックする(S32)。
【0030】
つづいて、ゲーム実行部42は、確定された行動を実行する(S34)。例えば、クリーチャーカードが盤面6のマスにキャストされた場合は、対応するクリーチャーを召喚する様子を表示し、必要に応じて、アイテムの取得、ボーナスポイントの取得、戦闘などの処理を実行する。スペルカードがキャストされた場合は、対応するスペルを発動させる。必要な処理の実行が終了すると、静的エラー処理部45が静的エラーチェックを行う(S36)。静的エラー処理部45は、ゲーム実行部42が必要な処理を実行している間に、盤面6やカード4が動いてしまっていないかをチェックし、不整合が生じていれば、プレイヤーに修正させる。
【0031】
つづいて、ゲーム実行部42が、ターンを清算する(S38)。最後に、静的エラー処理部45が静的エラーチェックを行い(S40)、不整合が正されるとターン交代となり(S42)、相手のプレイヤーのターンにうつる。
【0032】
プレイヤーの操作の内容によっては、同一のプレイヤーが続けて行動することが可能な場合がある。図5は、プレイヤーが再行動を行うときのエラー処理の手順を示すフローチャートである。まず、再行動の開始前に、静的エラー処理部45が静的エラーチェックを行う(S50)。つづいて、ゲーム実行部42は、プレイヤーからカード操作又はコントローラ20を介したカーソル操作を受け付け(S52)、再行動の対象となるクリーチャーの選択を受け付ける(S54)。さらに、再行動の内容として、攻撃を行うのか方向転換を行うのかの指示を受け付ける(S55)。このとき、動的エラー処理部44が動的エラーチェックを行う(S56)。
【0033】
ゲーム実行部42は、再行動の内容を確定するまでに猶予時間を設けるために、所定の時間の経過のカウントダウンを開始する(S58)。カウントダウン中に操作内容が変更される可能性があるので、動的エラー処理部44は再度動的エラーチェックを行う(S60)。ゲーム実行部42は、所定の時間が経過するとカウントダウンを終了し(S62)、再行動の内容を確定する(S64)。
【0034】
攻撃の対象を選択する必要がある場合は(S68のY)、カードの操作又はコントローラ20を介した入力指示などにより対象の選択指示を受け付ける(S70)。このとき、動的エラー処理部44は、選択された対象が正しいか否かをチェックする(S72)。
【0035】
つづいて、ゲーム実行部42は、再行動を実行する(S74)。攻撃が選択された場合は、戦闘の処理を行い、方向転換が選択された場合は、次の動的エラーチェックへ進む。必要な処理の実行が終了すると、動的エラー処理部44が動的エラーチェックを行う(S76)。例えば、方向転換が選択されたときに、方向転換すべきカードがまだ回転されていなければ、エラーを報知して正しい方向へ回転させる。
【0036】
つづいて、ゲーム実行部42が、ターンを清算する(S78)。最後に、静的エラー処理部45が静的エラーチェックを行い(S80)、不整合が正されるとターンを終了する(S82)。
【0037】
図6は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図6では、配置されているはずのカードが配置されていなかったり、カードが正しい向きに配置されていないことを示す再配置アイコン80が表示されている。再配置アイコン80は、配置すべきカード4のIDと、配置すべき方向を示す図形とが表示されたカードアイコンを含み、カード4を配置すべきマスに表示される。すなわち、発生したエラーを解除するために必要な操作を行った結果の状態を示す画像が表示されているので、プレイヤーは容易に正しいカードを正しいマスへ正しい方向にて配置することができる。
【0038】
図7は、図6に示したエラーアイコンを表示した後、プレイヤーがエラーを解除するために必要な操作を行った状態の画面を示す。プレイヤーが、再配置アイコン80により指示されたマスに正しいカードを正しい方向にて配置すると、エラーが解除され、再配置アイコン80が消去される。正しいクリーチャーカードをマスに配置したので、対応するクリーチャーが召喚され、カード4の上に重畳して表示されている。
【0039】
図8は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図8では、戦闘に敗れたクリーチャーのカードが盤面6に残っていることを示すトラッシュアイコン81が表示されている。トラッシュアイコン81は、除去すべきカード4のIDが表示されたカードアイコンを含み、除去すべきカード4が配置されたマスに表示される。
【0040】
図9は、図8に示したエラーアイコンを表示した後、プレイヤーがエラーを解除するために必要な操作を行った状態の画面を示す。プレイヤーが、トラッシュアイコン81により指示されたカード4を除去すると、エラーが解除され、トラッシュアイコン81が消去される。
【0041】
図10は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図10では、キャストされたスペルカードを発効するために必要なマナコストが不足していることを示すマナ不足アイコン82が表示されている。プレイヤーが該当するカード4を盤面6から除去すると、エラーが解除される。
【0042】
図11は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図11では、キャストされたカードがキャストできないカードであった、又は、キャストできないマスにカードがキャストされたことを示すキャスト不可アイコン83が表示されている。プレイヤーが該当するカード4を盤面6から除去すると、エラーが解除される。
【0043】
図12は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図12では、カードが配置されていないはずのマスにカードが置かれていたり、フィールド全体に効力を及ぼすようなスペルカードがカメラ2にかざされた状態のまま放置されていることを示すカード除去アイコン84が表示されている。プレイヤーが該当するカードを除去すると、エラーが解除される。
【0044】
図13は、エラー処理部により表示される画面の例を示す。図13では、誰もいないフィールドに攻撃操作をした場合など、不可能な操作を行ったことを示す操作不可アイコン85が表示されている。プレイヤーが、キャストしたカードを除去するなどして該当する操作を取り消すと、エラーが解除される。
【0045】
このように、エラー処理部43は、エラーの発生を検知したときに、発生したエラーの内容を示すアイコンを表示することによりエラーの発生を報知する。また、必要であれば、発生したエラーを解除するために必要な操作の内容を表示したり、発生したエラーを解除するために必要な操作を行った結果の状態を示す画像を表示する。これにより、ゲームの進行を適切に支援するので、ルールに精通していないプレイヤーも的確かつ容易にゲームを進行させることができ、ゲームを行うときのプレイヤーの利便性を向上させることができる。
【0046】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態に係るゲームシステムの基本的な構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の構成を示す図である。
【図3】カードデータベースの内部データの例を示す図である。
【図4】プレイヤーがカードをキャストするときのエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】プレイヤーが再行動を行うときのエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【図7】図6に示したエラーアイコンを表示した後、プレイヤーがエラーを解除するために必要な操作を行った状態の画面を示す図である。
【図8】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【図9】図8に示したエラーアイコンを表示した後、プレイヤーがエラーを解除するために必要な操作を行った状態の画面を示す図である。
【図10】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【図11】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【図12】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【図13】エラー処理部により表示される画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ゲームシステム、2 カメラ、4 カード、6 盤面、10 ゲーム装置、20 コントローラ、30 入力部、40 制御部、41 認識部、42 ゲーム実行部、43 エラー処理部、44 動的エラー処理部、45 静的エラー処理部、60 パラメータ保持部、62 エラーテーブル、64 カードデータベース、66 画像処理部、68 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識する認識部と、
前記認識部により認識された、前記ゲームフィールドにおける前記オブジェクトの状態を記憶する記憶部と、
前記認識部により認識された、プレイヤーによる前記オブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させるゲーム実行部と、
前記オブジェクトに対する操作の内容又は前記オブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知するエラー処理部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記エラー処理部は、プレイヤーが前記オブジェクトを操作したときに、その操作の内容が正しいか否かを確認する動的エラー処理部を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記エラー処理部は、プレイヤーが前記オブジェクトを操作する前又は後に、その時点における前記オブジェクトの状態と、前記記憶部に記憶された前記オブジェクトの状態とを比較し、不整合が生じていないかを確認する静的エラー処理部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記エラー処理部は、エラーの発生を検知したときに、発生したエラーの内容を示すアイコンを表示することによりエラーの発生を報知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記エラー処理部は、エラーの発生を検知したときに、発生したエラーを解除するために必要な操作の内容を表示することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記エラー処理部は、発生したエラーを解除するために必要な操作を行った結果の状態を示す画像を表示することを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
エラーの種別ごとに、エラーの発生条件及び優先度を格納したエラーテーブルを更に備え、
前記エラー処理部は、前記エラーテーブルに格納されたエラーの発生条件を参照して、エラーの発生を検知し、複数のエラーが同時に発生した場合、優先度の高いエラーを先に処理することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識するステップと、
前記認識するステップにより認識された、前記ゲームフィールドにおける前記オブジェクトの状態を記憶するステップと、
プレイヤーによる前記オブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させるステップと、
前記オブジェクトに対する操作の内容又は前記オブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知するステップと、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項9】
ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識する機能と、
前記認識する機能により認識された、前記ゲームフィールドにおける前記オブジェクトの状態を記憶する機能と、
前記認識する機能により認識された、プレイヤーによる前記オブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させる機能と、
前記オブジェクトに対する操作の内容又は前記オブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項10】
ゲームフィールドに置かれたオブジェクトを認識する機能と、
前記認識する機能により認識された、前記ゲームフィールドにおける前記オブジェクトの状態を記憶する機能と、
前記認識する機能により認識された、プレイヤーによる前記オブジェクトに対する操作に応じてゲームを進行させる機能と、
前記オブジェクトに対する操作の内容又は前記オブジェクトの状態を確認し、エラーが発生した場合その旨を報知する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate