説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、ユーザの操作に応じて動作する第1ゲームキャラクタが属するチームと、第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置に関するものである。動作制限部76aは、第2ゲームキャラクタの状態が移動体を保持しない状態から移動体を保持する状態に変化したか否かの判定結果と、第2ゲームキャラクタの位置が第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かの判定結果と、第1ゲームキャラクタの動作を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作に従って動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置が知られている。例えば、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手キャラクタと、対戦相手チームに属する11体の選手キャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示し、操作対象チームと対戦相手チームとの間のサッカーゲームを提供するゲーム装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−210848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実際のサッカーの試合では、例えば、攻撃側チームのA選手が「プルアウェイ」と呼ばれる動き(行動)、すなわち、該A選手をマークしている守備側チームのB選手の視界から消える動き(より正確には、A選手とボールとをB選手が同一の視界に捉えておけないような位置への移動)を行う場合がある。この場合、B選手はA選手を見失ってしまい、例えばA選手に対してパスが行われたようなときにはA選手に対する対応(守備)が遅れることになる。その結果、B選手はA選手に対する対応を十分に行えなくなり、A選手はパスを受けた後の動作をB選手による妨げを受けることなく行えるようになる。上記のような動きをA選手が行い、その結果としてB選手がA選手を見失い、A選手に対する対応を十分に行えなくなる様子を上記ゲーム装置でも好適に演出できるようになると、ユーザに対して新たな面白みを与えることが可能になる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定する第1判定手段と、前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段による判定結果と、前記第2判定手段による判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限する動作制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定するための第1判定ステップと、前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定するための第2判定ステップと、前記第1判定ステップによる判定結果と、前記第2判定ステップによる判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限するための動作制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置として、例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定する第1判定手段、前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定する第2判定手段、及び、前記第1判定手段による判定結果と、前記第2判定手段による判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限する動作制限手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体(例えばボールやパック等)と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、第1ゲームキャラクタが属するチームと、第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置に関するものである。本発明では、第2ゲームキャラクタの状態が移動体を保持しない状態から移動体を保持する状態に変化したか否かが判定される(第1判定結果)。また、第2ゲームキャラクタの位置が第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かが判定される(第2判定結果)。そして、第1判定結果と第2判定結果とに基づいて、第1ゲームキャラクタの動作が制限される。なお、「ゲーム空間」には、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間や、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間が含まれる。本発明によれば、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応を十分に行えなくなる様子を好適に演出できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記動作制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの移動を制限するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記動作制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの移動速度及び/又は移動方向を制限するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記動作制限手段は、前記操作手段から入力される操作信号に応じた前記第1ゲームキャラクタの位置変化を所定時間待機させるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記第1判定手段は、第2ゲームキャラクタの位置から所定距離の領域内に、前記移動体が該領域外から移動したか否かを判定するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。なお、以下では、本発明の実施形態に係るゲーム装置を携帯用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。ただし、本発明の実施形態に係るゲーム装置は、家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等を用いて実現することも可能である。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0016】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0017】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0018】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0019】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0020】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0021】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0022】
DVD−ROM再生部24はマイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0023】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0024】
コントローラ32は、ユーザが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0025】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図(a)はコントローラ32の斜視図である。同図(b)はコントローラ32の背面図である。コントローラ32は、コントローラケーブル43によって家庭用ゲーム機11に接続される。コントローラ32の表面32aの左側には、方向ボタン群34及び左操作スティック36が設けられている。コントローラ32の表面32aの右側には、ボタン38X,38Y,38A,38B及び右操作スティック37が設けられている。また、コントローラ32の背面側側面には、表面32a側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ設けられており、底面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ設けられている。
【0026】
方向ボタン群34は一般的にゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは各種ゲーム操作に用いられる。左操作スティック36及び右操作スティック37はコントローラ32の表面32aに直立したスティック状の操作部材であり、この直立状態から全方位に所定角度だけ傾倒自在となっている。左操作スティック36及び右操作スティック37も例えばゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。
【0027】
図2(a)に示すように、コントローラ32の筐体長手方向をX軸方向(同図(a)において右方向を正方向とする。)とし、このX軸方向に直交する筐体奥行き方向をY軸方向(同図(a)において手前から奥に向かう方向を正方向とする。)とすると、左操作スティック36のX軸方向及びY軸方向の傾きを示すデータ(姿勢データ(X,Y))として、それぞれ−128〜+128のディジタル値が家庭用ゲーム機11に入力される。具体的には、X=0は、左操作スティック36がX軸方向に傾いていないことを示す。また、X=+128は、左操作スティック36がX軸の正方向(同図(a)において右方向)に限界まで倒れていることを示す。さらに、X=−128は、左操作スティック36がX軸の負方向(同図(a)において左方向)に限界まで倒れていることを示す。Y軸方向についても同様である。また、右操作スティック37についても左操作スティック36の場合と同様である。こうして、家庭用ゲーム機11では、左操作スティック36及び右操作スティック37の現在の傾き状態(姿勢)を把握できるようになっている。
【0028】
上記ゲーム装置10では、例えばDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムが実行されることによって、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる対戦サッカーゲームが実現される。
【0029】
ゲーム装置10の主記憶26にはゲーム空間(仮想的な3次元空間)が構築される。図3はこのゲーム空間の一例を示す図である。同図に示すように、ゲーム空間50にはサッカー球技場を表すフィールドオブジェクト52と、ゴールを表すゴールオブジェクト54と、が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト52はWX−WZ平面に平行に配置される。フィールドオブジェクト52上には、サッカー選手を表す選手オブジェクト56と、サッカーボールを表すボールオブジェクト58と、が配置される。同図では1体の選手オブジェクト56のみが表されているが、フィールドオブジェクト52上には、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト56と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト56と、が配置される。
【0030】
2つのゴールオブジェクト54の一方は操作対象チームに関連づけられ、他方は対戦相手チームに関連づけられる。一方のチームに関連づけられたゴールオブジェクト54内にボールオブジェクト58が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0031】
操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのいずれかがユーザの操作対象となる。ユーザの操作対象はボールオブジェクト58の移動やユーザの切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下操作)に応じて、ユーザの操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちで切り替えられる。
【0032】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(以下、操作対象選手オブジェクトと記載する。)は、ユーザの操作内容(コントローラ32に対する操作内容)に応じて各種動作を行う。例えば、ユーザが左操作スティック36を傾倒させると、操作対象選手オブジェクトは左操作スティック36の傾倒方向に対応する方向に移動する。また例えば、ユーザがボタン38A,38B,38X,38Yを押下すると、操作対象選手オブジェクトは、押下されたボタンに対応する動作(パス動作、シュート動作やスライディングタックル動作等)を行う。
【0033】
操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの操作対象選手オブジェクト以外の選手オブジェクト56(以下、味方選手オブジェクトと記載する。)、及び、対戦相手チームの選手オブジェクト56(以下、対戦相手選手オブジェクトと記載する。)はコンピュータによる操作に従って動作する。各選手オブジェクト56には4つのポジション種類「フォワード(FW)」、「ミッドフィルダー(MF)」、「ディフェンダー(DF)」、「ゴールキーパー(GK)」のいずれかが対応づけられており、味方選手オブジェクト及び対戦相手選手オブジェクトは、その選手オブジェクト56に対応づけられたポジション種類に従って動作することになる。
【0034】
選手オブジェクト56とボールオブジェクト58との間の距離が所定の基準距離(ボール保持判定基準距離)以内になると、所定条件下、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられる。この状態では、ボールオブジェクト58が選手オブジェクト56に従動する。この様子は、選手オブジェクト56のドリブル動作として表される。操作対象選手オブジェクトとボールオブジェクト58とが関連づけられている状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象選手オブジェクトにボールオブジェクト58を蹴らせることができる。すなわち、操作対象選手オブジェクトにパス動作やシュート動作等を行わせることができる。また、操作対象選手オブジェクトとボールオブジェクト58とが関連づけられていない状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象選手オブジェクトにスライディングタックル動作等を行わせることができる。なお以下では、選手オブジェクト56の位置からボール保持判定基準距離内の領域をボール保持判定基準領域と記載する。また、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられた状態を「選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態」というように記載する。また、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持する状態をボール保持状態と記載し、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しない状態をボール非保持状態と記載する。
【0035】
ゲーム空間50には例えばボールオブジェクト58に従動する仮想カメラが設定される。この仮想カメラから見えるゲーム空間50の様子を表すゲーム画面がモニタ18に表示される。すなわち、ゲーム画面には、仮想カメラの位置(視点位置)及び向き(視線方向)に基づいて特定されるゲーム空間50内の領域の様子が表される(図7及び図9参照)。
【0036】
以下、上記サッカーゲームにおいて、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)を十分に行えなくなる様子を好適に演出するための技術について説明する。
【0037】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボールオブジェクト58を保持している場合)、所定条件下、操作対象選手オブジェクト(第1ゲームキャラクタ)の動作が制限される。より具体的には、対戦相手選手オブジェクト(第2ゲームキャラクタ)のいずれかがボール非保持状態からボール保持状態に変化したタイミング(例えば、対戦相手選手オブジェクトのいずれかが他の対戦相手選手オブジェクトからのパスを受け取ったタイミング)において下記条件1−4が満足されていると、操作対象選手オブジェクトの移動制限が開始される。
【0038】
[条件1]操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域内である。
[条件3]ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードである。
[条件4]ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域内に位置する。
【0039】
図4はゴール前領域について説明するための図である。同図に示すように、操作対象チームのゴール前領域59はコート55内の領域であって、操作対象チームのゴールオブジェクト54側のゴールライン53から距離が所定距離L以内となる領域である。なお、コート55とはタッチライン51及びゴールライン53に囲まれた領域である。
【0040】
図5は死角領域(判定対象領域)について説明するための図である。同図に示すように、選手オブジェクト56の死角領域64は、その選手オブジェクト56の背面方向62(基準方向60の逆方向)と、その選手オブジェクト56の位置からの方向と、がなす角が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる領域である。なお、選手オブジェクト56の基準方向60は、例えば選手オブジェクト56の胴体部の正面方向としてもよいし、選手オブジェクト56の頭部の正面方向(選手オブジェクト56の視線方向)としてもよい。以上のように、死角領域64は選手オブジェクト56の位置に基づく領域であり、選手オブジェクト56に従動する。
【0041】
図6は選手オブジェクト56及びボールオブジェクト58の配置状態(位置及び基準方向60)の一例を示している。同図において、選手オブジェクト56aは操作対象選手オブジェクトであり、操作対象チームのゴール前領域59内に位置している。また、選手オブジェクト56aのポジション種類はディフェンダーである。選手オブジェクト56b−1,56b−2は対戦相手選手オブジェクトである。選手オブジェクト56b−2のポジション種類はフォワードであり、選手オブジェクト56b−2は選手オブジェクト56aの死角領域64内に位置している。同図に示す状態では、選手オブジェクト56b−1によってボールオブジェクト58が保持されている。
【0042】
図7は図6に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。この場合、ユーザが左操作スティック36を傾倒させると、左操作スティック36の傾倒方向に対応する方向に選手オブジェクト56aが移動する様子がゲーム画面に表される。また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56aの頭上に操作対象選手案内マーク57が表示されている。この操作対象選手案内マーク57によって、ユーザは選手オブジェクト56aが操作対象選手オブジェクトであることを一見して把握できる。
【0043】
図8は図6に示す状態において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われた後の状態を示している。この場合、選手オブジェクト56b−2の状態がボール非保持状態からボール保持状態に変化する。また、選手オブジェクト56b−2の状態がボール保持状態に変化したタイミングで上記条件1−4が満足される。
【0044】
図9は図8に示す場面を表すゲーム画面の一例を示している。この場合、選手オブジェクト56aの移動が制限される。例えば選手オブジェクト56aの移動が抑止され、ユーザが左操作スティック36を傾倒させても、選手オブジェクト56aは移動しなくなる。その結果、ユーザは選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を選手オブジェクト56aを操作して行うことが困難になる。
【0045】
また、この場合のゲーム画面では、選手オブジェクト56aの頭上に制限選手案内マーク66が操作対象選手案内マーク57に代えて表示される。この制限選手案内マーク66によって、ユーザは、選手オブジェクト56aが操作対象選手オブジェクトであること、及び、選手オブジェクト56aの移動が制限されていることを一見して把握できる。なお、制限選手案内マーク66を表示する代わりに、選手オブジェクト56aの表示態様を通常とは異ならせるようにしてもよい。例えば選手オブジェクト56aを点滅させたり、所定色で表示させたりするようにしてもよい。
【0046】
選手オブジェクト56aの移動制限は、上記条件1−4のうちの少なくとも1つが満足されなくなると解除される。なお、選手オブジェクト56aの移動制限は、移動制限が開始されてから所定時間が経過したら解除されるようにしてもよい。
【0047】
以上のようにして、選手オブジェクト56b−2が選手オブジェクト56aの視界から消える動きを行った場合において、選手オブジェクト56aが選手オブジェクト56b−2を見失い、選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出される。
【0048】
次に、ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図10はゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、記憶部70、判定部72、操作対象制御部76、表示制御部78、表示部80を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムがゲーム装置10で実行されることによって実現される。
【0049】
[1.記憶部]
記憶部70は主記憶26やDVD−ROM25を主として実現される。記憶部70には例えば選手オブジェクト56やボールオブジェクト58等の各種オブジェクトの形状を示すデータ(各種オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点の座標を示すデータ)が記憶される。また例えば、選手オブジェクト56の各種動作時の姿勢変化を示すモーションデータが記憶される。また例えば、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56の能力パラメータ(パス能力パラメータ等)が記憶される。各能力パラメータは0から100までの間の数値によって表され、数値が高いほど、その能力が高いことを示す。
【0050】
記憶部70にはゲーム状況情報記憶部70aが含まれる。ゲーム状況情報記憶部70aはゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報には、例えばゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56、ボールオブジェクト58や仮想カメラの状態を示す情報が含まれる。ここで、「選手オブジェクト56の状態を示す情報」には、例えば選手オブジェクト56のゲーム空間50における位置、姿勢、移動方向、移動速度を示す情報、選手オブジェクト56のポジション種類を示す情報、選手オブジェクト56がボール保持状態であるか否かを示す情報や、選手オブジェクト56が操作対象選手オブジェクトであるか否かを示す情報が含まれる。「ボールオブジェクト58の状態を示す情報」には、例えばボールオブジェクト58のゲーム空間50における位置、移動方向及び移動速度を示す情報が含まれる。「仮想カメラの状態を示す情報」には、例えば仮想カメラのゲーム空間50における位置(視点位置)、姿勢(視線方向)及び画角等を示す情報が含まれる。また例えば、ゲーム状況情報には両チームの得点や試合の経過時間等の試合の状況を示す情報が含まれる。
【0051】
なお、操作対象選手オブジェクトの状態を示す情報は後述の操作対象制御部76によって更新される。また、味方選手選手オブジェクトや対戦相手選手オブジェクトの状態を示す情報は、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される。また例えば、操作対象選手オブジェクトがボールオブジェクト58を保持している状態でドリブル指示操作、パス指示操作やシュート指示操作等が行われた場合、ボールオブジェクト58の状態を示す情報はコントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新される。また例えば、味方選手選手オブジェクトや対戦相手選手オブジェクトによってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われた場合にも、ボールオブジェクト58の状態を示す情報は更新される。
【0052】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部70aには、両チームの各選手オブジェクト56の状態を示す選手状態テーブルが記憶される。図11は選手状態テーブルの一部を示している。同図に示すように、選手状態テーブルには「選手ID」、「ポジション種類」、「位置」、「向き」、「ボール保持フラグ」、「操作対象フラグ」フィールドが含まれる。「選手ID」フィールドには、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56を一意に識別する選手IDが格納される。なお、選手IDの1文字目が「A」である選手オブジェクト56は操作対象チーム(Aチーム)の選手オブジェクト56であり、選手IDの1文字目が「B」である選手オブジェクト56は対戦相手チーム(Bチーム)に属する選手オブジェクト56である。「ポジション種類」フィールドには、選手オブジェクト56のポジション種類が格納される。「位置」フィールドには、選手オブジェクト56の代表点(例えば中心点)のゲーム空間50における位置座標が格納される。「向き」フィールドには、選手オブジェクト56の基準方向60(例えば正面方向又は視線方向)を示す単位ベクトルが格納される。「ボール保持フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がボール保持状態であるか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がボール非保持状態である場合には0となり、選手オブジェクト56がボール保持状態である場合には1となる。「操作対象フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56が操作対象選手オブジェクトであるか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56が操作対象選手オブジェクトでない場合には0となり、選手オブジェクト56が操作対象選手オブジェクトである場合には1となる。
【0053】
[2.判定部]
判定部72はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。判定部72(第1判定手段)は、対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボール非保持状態からボール保持状態に変化したか否かを監視する。例えば、判定部72は、いずれかの対戦相手選手オブジェクトのボール保持判定基準領域内に、ボールオブジェクト58が該ボール保持判定基準領域外から移動したかを監視する。判定部72(第2判定手段)は、対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボール非保持状態からボール保持状態に変化したら、上記条件1−4が満足されているか否かを判定する。
【0054】
[3.操作対象制御部]
操作対象制御部76はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。操作対象制御部76は、コントローラ32から入力される操作信号に応じて操作対象選手オブジェクトを動作させる。より詳しくは、操作対象制御部76は、ゲーム状況情報記憶部70aに記憶される、操作対象選手オブジェクトの状態を示す情報(図11)をコントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新する。その結果として、コントローラ32に対する操作に応じた動作を操作対象選手オブジェクトが行う様子がゲーム画面に表される。
【0055】
例えば左操作スティック36が傾倒された場合、操作対象制御部76は、操作対象選手オブジェクトの位置を、現在位置から、左操作スティック36の傾倒方向に対応するゲーム空間50の方向に、操作対象選手オブジェクトの移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新する。また操作対象制御部76は、操作対象選手オブジェクトの姿勢を、走行動作のモーションデータに基づいて更新する。なお、左操作スティック36の傾倒方向に対応するゲーム空間50の方向と、操作対象選手オブジェクトの現在の基準方向60と、が異なっている場合には、操作対象選手オブジェクトの姿勢を、体の向きを変える動作のモーションデータに基づいて更新した後、走行動作のモーションデータに基づいて更新する。以上の結果として、左操作スティック36の傾倒方向に対応するゲーム空間50の方向に操作対象選手オブジェクトが移動する様子がゲーム画面に表される。
【0056】
なお操作対象制御部76には、左操作スティック36の傾倒方向(コントローラ32の操作内容)に対応するゲーム空間50の方向を示す移動方向判定基準テーブルが保持されている。図12は移動方向判定基準テーブルの一例を示している。同図に示すように、移動方向判定基準テーブルは、左操作スティック36の姿勢状態(左操作スティック36に対する操作の判定基準)と、選手オブジェクト56の移動方向と、を対応づけてなる情報である。操作対象選手オブジェクトの移動方向はこの移動方向判定基準テーブルに基づいて決定される。
【0057】
本実施の形態では、例えば図13に示すように、左操作スティック36から入力される姿勢データ(X,Y)が8つの姿勢状態に分類される。言い換えれば、左操作スティック36から入力される姿勢データ(X,Y)がXY平面における1/8〜8/8領域に分類される。ここで、1/8領域は、XY平面において0度方向(Y軸方向を0度とし、時計回りを正方向とする。以下同様。)に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が0度方向に傾倒された状態に対応する。2/8領域は、XY平面において45度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が45度方向に傾倒された状態に対応する。3/8領域は、XY平面において90度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が90度方向に傾倒された状態に対応する。4/8領域は、XY平面において135度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が135度方向に傾倒された状態に対応する。5/8領域は、XY平面において180度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が180度方向に傾倒された状態に対応する。6/8領域は、XY平面において225度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が225度方向に傾倒された状態に対応する。7/8領域は、XY平面において270度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が270度方向に傾倒された状態に対応する。8/8領域は、XY平面において315度方向に広がる45度の扇状領域であり、左操作スティック36が315度方向に傾倒された状態に対応する。図12では、左操作スティック36により入力される姿勢データ(X,Y)がXY平面においてn/8領域に位置する状態をn/8状態と記載している。
【0058】
また、図12における「A方向」とは、図14に示すように、ゲーム空間50のWZ軸正方向である。「B方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸正方向からWX軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「C方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向である。「D方向」とは、ゲーム空間50のWX軸正方向からWZ軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「E方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向である。「F方向」とは、ゲーム空間50のWZ軸負方向からWX軸負方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。「G方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向である。また「H方向」とは、ゲーム空間50のWX軸負方向からWZ軸正方向に(時計回りに)45度回転してなる方向である。
【0059】
操作対象制御部76に動作制限部76aが含まれる。動作制限部76aは判定部72による判定結果に基づいて操作対象選手オブジェクトの動作を制限する。本実施の形態の場合、動作制限部76aは判定部72による判定結果に基づいて操作対象選手オブジェクトの移動を制限する。以下、操作対象選手オブジェクトの移動制限の5つの態様について説明する。
【0060】
[第1態様]
例えば、動作制限部76aは操作対象選手オブジェクトの移動を抑止する。すなわち、動作制限部76aは、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの位置の更新を抑止する。この態様では、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの姿勢の更新は制限されないようにしてもよい。すなわち、左操作スティック36が傾倒された場合には、操作対象選手オブジェクトの移動(位置変化)が抑止されつつ、操作対象選手オブジェクトの向き(基準方向60)のみが、左操作スティック36の傾倒方向に対応するゲーム空間50の方向に更新されるようにしてもよい。
【0061】
[第2態様]
また例えば、動作制限部76aは操作対象選手オブジェクトが移動できる領域を限定する。すなわち、動作制御部76aは、操作対象選手オブジェクトの位置が所定の移動可能領域外の位置とならないように、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの位置の更新を制限する。なお、移動可能領域は、例えば対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボール非保持状態からボール保持状態に変化したタイミングに応じたタイミング(例えば、上記条件1−4が満足されたと判定されたタイミングに応じたタイミング)における操作対象選手オブジェクトの位置から所定距離内の領域とすればよい。
【0062】
[第3態様]
また例えば、動作制限部76aは操作対象選手オブジェクトの移動速度を遅くする。すなわち、動作制限部76aは、操作対象選手オブジェクトの所定時間ごとの位置変化(所定時間ごとの移動距離)が通常時の例えば1/2となるように、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの位置の更新を制限する。
【0063】
[第4態様]
また例えば、動作制限部76aは左操作スティック36の操作に対する応答を遅らせる。言い換えれば、動作制限部76aは、左操作スティック36に対する操作に応じた操作対象選手オブジェクトの移動動作の開始を遅延させる。さらに言い換えれば、動作制限部76aは、左操作スティック36の操作状態を示す操作信号が入力された場合、該操作信号に応じた操作対象選手オブジェクトの位置変化を所定時間待機させる。例えば、動作制限部76aは現在から所定時間前までの間の左操作スティック36の操作状態を示す情報を記憶しておく。そして、動作制限部76aは、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの位置の更新を、所定時間前の左操作スティック36の操作状態に基づいて行わせる。
【0064】
[第5態様]
また例えば、動作制限部76aは操作対象選手オブジェクトの移動方向を制限する。すなわち、動作制限部76aは、ユーザが操作対象選手オブジェクトに指示可能な移動方向の数を減少させる。例えば、動作制限部76aはB方向、D方向、F方向、H方向(図14)への操作対象選手オブジェクトの移動を抑止する。
【0065】
この態様では、図12に示す移動方向判定基準テーブル(以下、移動方向判定基準テーブルAと記載する。)とは別に、例えば図15に示す移動方向判定基準テーブル(以下、移動方向判定基準テーブルBと記載する。)が操作対象制御部76に保持される。
【0066】
なお移動方向判定基準テーブルBでは、例えば図16に示すように、左操作スティック36から入力される姿勢データ(X,Y)が4つの姿勢状態に分類される。言い換えれば、左操作スティック36から入力される姿勢データ(X,Y)がXY平面における1/4〜4/4領域に分類される。ここで、1/4領域は、XY平面において0度方向(Y軸方向を0度とし、時計回りを正方向とする。以下同様。)に広がる90度の扇状領域であり、左操作スティック36が0度方向に傾倒された状態に対応する。2/4領域は、XY平面において90度方向に広がる90度の扇状領域であり、左操作スティック36が90度方向に傾倒された状態に対応する。3/4領域は、XY平面において180度方向に広がる90度の扇状領域であり、左操作スティック36が180度方向に傾倒された状態に対応する。4/4領域は、XY平面において270度方向に広がる90度の扇状領域であり、左操作スティック36が270度方向に傾倒された状態に対応する。図15では、左操作スティック36により入力される姿勢データ(X,Y)がXY平面においてn/4領域に位置する状態をn/4状態と記載している。
【0067】
動作制限部76aは、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの状態(位置や向き等)の更新を移動方向判定基準テーブルA又はBのいずれかに基づいて行わせる。動作制限部76aは、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの状態(位置及び向き等)の更新が移動方向判定基準テーブルAに基づいて行われる状態と、操作対象制御部76による操作対象選手オブジェクトの状態(位置や向き等)の更新が移動方向判定基準テーブルBに基づいて行われる状態と、を判定部72による判定結果に応じて切り替える。
【0068】
[4.表示制御部及び表示部]
表示制御部78はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現され、表示部80はモニタ18を主として実現される。表示制御部78は、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部80に表示させる。
【0069】
また本実施の形態の場合、表示制御部78は、ゲーム画面における操作対象選手オブジェクトの表示位置に基づく位置(本実施の形態では操作対象選手オブジェクトの頭上の所定位置)に操作対象選手案内マーク57を表示させる。ただし、動作制限部76aによって操作対象選手オブジェクトの動作制限が行われている間、表示制御部78は操作対象選手案内マーク57に代えて制限選手案内マーク66を表示させる。
【0070】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図17及び図18は、操作対象チームが守備側である場合にゲーム装置10で所定時間(本実施の形態では1/60秒)ごとに実行される処理のうち、本発明に関連するものを主として示すフロー図である。この処理をマイクロプロセッサ14に実行させるためのゲームプログラムが、ゲーム装置10においてDVD−ROM25から読み出され、マイクロプロセッサ14によって実行されることによって、上記各機能ブロック(図10)が実現される。
【0071】
図17に示すように、まず、コントローラ32の各操作部材の操作状態がコントローラ32から入力される操作信号に基づいて取得される(S101)。例えば、左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)が取得される。
【0072】
次に、移動制限フラグが0であるか否かが判定される(S102)。移動制限フラグは操作対象選手オブジェクトの移動が制限される状態であるか否かを示す情報である。移動制限フラグは、操作対象選手オブジェクトの移動が制限される状態でない場合には0となり、操作対象選手オブジェクトの移動が制限される状態である場合には1となる。
【0073】
移動制限フラグが0であると判定された場合、操作対象選手オブジェクトの移動制限が行われることなく、ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報が更新される(S103)。例えば、操作対象選手オブジェクトの状態を示す情報が、コントローラ32の各操作部材の操作状態に基づいて更新される。例えば、移動方向判定基準テーブルA(図12)が参照され、S101で取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に対応する移動方向が取得される。そして、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、現在位置から、その取得された移動方向に、操作対象選手オブジェクトの移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新される。
【0074】
S103の処理では、例えば味方選手オブジェクトや対戦相手選手オブジェクトの状態を示す情報やボールオブジェクト58の状態を示す情報等も更新される。また例えば、いずれかの対戦相手選手オブジェクトが他の対戦相手選手オブジェクトからのパスを受け取った場合、すなわち、いずれかの対戦相手選手オブジェクトのボール保持判定基準領域内に、他の対戦相手選手オブジェクトのパス動作によって移動するボールオブジェクト58が移動した場合にはボール保持フラグ(図11)が更新される。また例えばユーザによって操作対象の切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下)が行われた場合には操作対象フラグ(図11)が更新される。
【0075】
次に、ボール非保持状態からボール保持状態に変化した対戦相手選手オブジェクトが存在するか否かが判定される(S104)。すなわち、ボール保持フラグ(図11)が0から1に更新された対戦相手選手オブジェクトが存在するか否かが判定される。
【0076】
ボール非保持状態からボール保持状態に変化した対戦相手選手オブジェクトが存在しない場合にはゲーム画面が生成される(S110)。一方、ボール非保持状態からボール保持状態に変化した対戦相手選手オブジェクトが存在する場合には、操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S105)。すなわち、上記条件1が満足されるか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。
【0077】
操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーでない場合にはゲーム画面が生成される(S110)。一方、操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーである場合、操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S106)。すなわち、上記条件2が満足されるか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。
【0078】
操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内でない場合にはゲーム画面が生成される(S110)。一方、操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードであるか否かが判定される(S107)。すなわち、上記条件3が満足されるか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。
【0079】
ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードでない場合にはゲーム画面が生成される(S110)。一方、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードである場合、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置するか否かが判定される(S108)。すなわち、上記条件4が満足されるか否かが判定される。
【0080】
より具体的には、選手状態テーブル(図11)が参照され、操作対象選手オブジェクトの背面方向62と、操作対象選手オブジェクトの位置からボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの位置への方向と、のなす角度が所定の基準角度(θ)以下であるか否かが判定される。また、選手状態テーブル(図11)が参照され、操作対象選手オブジェクトと、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトと、の間の距離が所定の基準距離(R)以下であるか否かが判定される。そして、上記角度が基準角度(θ)以下であり、かつ、上記距離が基準距離(R)以下である場合には、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置すると判定される。
【0081】
ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置しない場合にはゲーム画面が生成される(S110)。一方、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置する場合、移動制限フラグが1に更新される(S109)。この場合、次フレーム(すなわち1/60秒後)のゲーム処理実行時から操作対象選手オブジェクトの移動が制限されることになる(S102及びS111参照)。S109の処理が実行されると、ゲーム画面が生成される(S110)。
【0082】
一方、S102において移動制限フラグが0でないと判定された場合(S102:N)、操作対象選手オブジェクトの移動を制限しつつ、ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報が更新される(S111)。
【0083】
例えば、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)の更新が抑止される(第1態様)。
【0084】
また例えば、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、操作対象選手オブジェクトの移動可能領域外の位置にならないようにして更新される(第2態様)。より具体的には、移動方向判定基準テーブルA(図12)が参照され、S101で取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に対応する移動方向が取得される。そして、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、現在位置から、その取得された移動方向に、操作対象選手オブジェクトの移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新される。ただし、その位置が移動可能領域外である場合には移動可能領域内の位置に補正される。
【0085】
また例えば、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、操作対象選手オブジェクトの所定時間ごとの位置変化(所定時間ごとの移動距離)が通常時の例えば1/2となるようにして更新される(第3態様)。より具体的には、移動方向判定基準テーブルA(図12)が参照され、S101で取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に対応する移動方向が取得される。そして、操作対象選手オブジェクトの位置が(図11)、現在位置から、その取得された移動方向に、操作対象選手オブジェクトの通常の移動速度の1/2の移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新される。
【0086】
また例えば、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、所定時間前において取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に基づいて更新される(第4態様)。より具体的には、現在から所定時間前までの間において取得されたコントローラ32の操作状態(左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)を含む)が保持される。そして、移動方向判定基準テーブルA(図12)が参照され、所定時間前に取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に対応する移動方向が取得される。そして、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、現在位置から、その取得された移動方向に、操作対象選手オブジェクトの移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新される。
【0087】
また例えば、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、操作対象選手オブジェクトの移動方向を制限しつつ更新される(第5態様)。より具体的には、移動方向判定基準テーブルB(図15)が参照され、S101で取得された左操作スティック36の姿勢データ(X,Y)に対応する移動方向が取得される。そして、操作対象選手オブジェクトの位置(図11)が、現在位置から、その取得された移動方向に、操作対象選手オブジェクトの移動速度に基づく距離だけ移動してなる位置に更新される。
【0088】
S111の処理では、例えば味方選手オブジェクトや対戦相手選手オブジェクトの状態を示す情報(図11)やボールオブジェクト58の状態を示す情報等も更新される。また例えば、いずれかの対戦相手選手オブジェクトが他の対戦相手選手オブジェクトからのパスを受け取った場合、すなわち、いずれかの対戦相手選手オブジェクトのボール保持判定基準領域内に、他の対戦相手選手オブジェクトのパス動作によって移動するボールオブジェクト58が移動した場合にはボール保持フラグ(図11)が更新される。また例えばユーザによって操作対象の切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下)が行われた場合には操作対象フラグ(図11)が更新される。
【0089】
次に、操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S112)。すなわち、上記条件1が満足されるか否かが判定される。この処理はS105の処理と同様に行われる。
【0090】
操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーでない場合には移動制限フラグが0に更新される(S116)。一方、操作対象選手オブジェクトのポジション種類がディフェンダーである場合、操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S113)。すなわち、上記条件2が満足されるか否かが判定される。この処理はS106の処理と同様に行われる。
【0091】
操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内でない場合には移動制限フラグが0に更新される(S116)。一方、操作対象選手オブジェクトの位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードであるか否かが判定される(S114)。すなわち、上記条件3が満足されるか否かが判定される。この処理はS107の処理と同様に行われる。
【0092】
ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードでない場合には移動制限フラグが0に更新される(S116)。一方、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトのポジション種類がフォワードである場合、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置するか否かが判定される(S115)。すなわち、上記条件4が満足されるか否かが判定される。この処理はS108の処理と同様に行われる。
【0093】
ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置する場合、ゲーム画面が生成される(S110)。一方、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトが操作対象選手オブジェクトの死角領域64内に位置しない場合には移動制限フラグが0に更新される(S116)。この場合、次フレーム(すなわち1/60秒後)のゲーム処理実行時から操作対象選手オブジェクトの移動制限が解除されることになる(S102及びS103参照)。S116の処理が実行されると、ゲーム画面が生成される(S110)。
【0094】
S110の処理では、例えば、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。移動制限フラグが0である場合には、VRAM上に描画された画像における操作対象選手オブジェクトの表示位置に基づく位置(操作対象選手オブジェクトの頭上の所定位置)に操作対象選手案内マーク57が上書き描画される(図7)。一方、移動制限フラグが1である場合には、VRAM上に描画された画像における操作対象選手オブジェクトの表示位置に基づく位置(操作対象選手オブジェクトの頭上の所定位置)に制限選手案内マーク66が上書き描画される(図9)。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部80に表示出力される。
【0095】
以上説明したゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボールオブジェクト58を保持している場合)、対戦相手選手オブジェクトのいずれかがボール非保持状態からボール保持状態に変化したタイミング(例えば、対戦相手選手オブジェクトのいずれかが他の対戦相手選手オブジェクトからのパスを受け取ったタイミング)において上記条件1−4が満足されていると、操作対象選手オブジェクトの移動制限が開始される。このため、ユーザはその操作対象選手オブジェクトを操作することによって、ボールオブジェクト58を保持する対戦相手選手オブジェクトに対する対応(守備)を行うことが困難になる。その結果として、ゲーム装置10では、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備)を十分に行えなくなる様子が好適に演出される。
【0096】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
また例えば、各選手オブジェクト56について、他の選手の視界から消える動きのうまさを示すパラメータ(以下、第1能力パラメータと記載する。)と、他の選手による上記動きを察知する能力の高さを示すパラメータ(以下、第2能力パラメータと記載する。)と、を設定するようにしてもよい。
【0098】
この場合、上記条件1−4に加えて、「操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値が、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの第1能力パラメータの値よりも小さい」との条件5が追加されるようにしてもよい。
【0099】
また、操作対象選手オブジェクトの死角領域64の大きさは、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータと、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値が大きくなるにつれて、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。また例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値と、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの第1能力パラメータと、の差に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値から、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの第1能力パラメータの値を差し引いてなる値が大きくなるにつれて、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。
【0100】
また、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータの値は、操作対象選手オブジェクトの位置から所定距離内の領域に味方選手オブジェクトが位置しているか否かの判定結果に基づいて補正されるようにしてもよい。この場合、上記条件5が満足されるか否かの判定や死角領域64の大きさの決定は、補正後の第2能力パラメータの値に基づいて行われるようにしてもよい。
【0101】
また、操作対象選手オブジェクトに対する移動制限を所定期間継続させる場合には、該所定期間の長さが、死角領域64の大きさ等と同様に、操作対象選手オブジェクトの第2能力パラメータと、ボール保持状態の対戦相手選手オブジェクトの第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。
【0102】
また例えば、操作対象選手オブジェクトが上記条件1−3を満足した場合、操作対象選手オブジェクトの移動制限が開始されてから、操作対象選手オブジェクトの移動制限が解除されるまでの間、又は所定時間が経過するまでの間、他の選手オブジェクト56への操作対象の切り替えを制限するようにしてもよい。
【0103】
また例えば、上記条件3を、「死角領域64内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56の移動速度が所定速度以上である」との条件3aとしてもよい。また例えば、選手オブジェクト56の死角領域64は、「その選手オブジェクト56からボールオブジェクト58への方向の逆方向」と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、のなす角が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域としてもよい。
【0104】
また例えば、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。また例えば、操作対象チームや対戦相手チームは複数のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0105】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲームに限られない。例えば、サッカーゲーム以外のスポーツゲーム(ボールやパック等の移動体を用いて行われるバスケットボールやアイスホッケー等)のゲームであってもよい。また、スポーツゲーム以外のゲーム(アクションゲーム等)であってもよい。本発明は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタが見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応(守備等)が十分に行われなくなる様子を好適に演出する必要があるゲームを提供するゲーム装置に適用することが可能である。
【0106】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図19は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図4】ゴール前領域について示す図である。
【図5】死角領域について示す図である。
【図6】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図7】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図8】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図11】選手状態テーブルの一例を示す図である。
【図12】移動方向判定基準テーブルの一例を示す図である。
【図13】左操作スティックの姿勢データの判定基準の一例を示す図である。
【図14】ゲーム空間におけるA方向乃至H方向について示す図である。
【図15】移動方向判定基準テーブルの一例を示す図である。
【図16】左操作スティックの姿勢データの判定基準の一例を示す図である。
【図17】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図18】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、32a 表面、34 方向ボタン群、36 左操作スティック、37 右操作スティック、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、43 コントローラケーブル、50 ゲーム空間、51 タッチライン、52 フィールドオブジェクト、53 ゴールライン、54 ゴールオブジェクト、55 コート、56,56a,56b−1,56b−2 選手オブジェクト、57 操作対象選手案内マーク、58 ボールオブジェクト、59 ゴール前領域、60 基準方向、62 背面方向、64 死角領域、66 制限選手案内マーク、70 記憶部、70a ゲーム状況情報記憶部、72 判定部、76 操作対象制御部、76a 動作制限部、78 表示制御部、80 表示部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、
前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段による判定結果と、前記第2判定手段による判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限する動作制限手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記動作制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの移動を制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記動作制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの移動速度及び/又は移動方向を制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置において、
前記動作制限手段は、前記操作手段から入力される操作信号に応じた前記第1ゲームキャラクタの位置変化を所定時間待機させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1判定手段は、第2ゲームキャラクタの位置から所定距離の領域内に、前記移動体が該領域外から移動したか否かを判定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定するための第1判定ステップと、
前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定するための第2判定ステップと、
前記第1判定ステップによる判定結果と、前記第2判定ステップによる判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限するための動作制限ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
操作手段から入力される操作信号に応じて動作する第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、移動体と、が配置されるゲーム空間の様子を表示し、前記第1ゲームキャラクタが属するチームと、前記第2ゲームキャラクタが属するチームと、の間で行われる前記移動体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記第2ゲームキャラクタの状態が前記移動体を保持しない状態から前記移動体を保持する状態に変化したか否かを判定する第1判定手段、
前記第2ゲームキャラクタの位置が前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に含まれるか否かを判定する第2判定手段、及び、
前記第1判定手段による判定結果と、前記第2判定手段による判定結果と、に基づいて、前記第1ゲームキャラクタの動作を制限する動作制限手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−259988(P2007−259988A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86728(P2006−86728)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】