説明

ゲーム装置、及び、カード束装着ケース

【課題】 プレイヤが選択した複数枚のカードを一括して精度良く読み取り可能なゲーム装置を提供する。
【解決手段】 カード束装着ケース2のカード装着部は、このケース2に、一組のカード束がコードパターンの形成された縁部が同一側になるように揃えて装着されたとき、カード束が縁部側から撮像部7によって撮像可能に配置されるように、カード束を構成する各カードを所定の間隔を空けて装着する。撮像部7は、カード束のコードパターンが形成された縁部を撮像し、そのコードパターンを含む画像を生成する。ゲーム実行部4のカードデータ識別部は、撮像部7からのカード束のコードパターンを含む画像から各カードのコード情報を識別して検出し、このコード情報をゲーム実行制御部に供給する。ゲーム実行部4のゲーム実行制御手段は、コード情報に基づきゲームの実行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが選択したカードに表示されているコードパターンに関する情報を読み込み、読み込んだ情報に基づいてゲームの進行を制御するゲーム装置、及び、この選択されたカードを収納するためのカード束装着ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームを実行するためのゲーム媒体に複数枚のカードを使用したゲーム装置として、下記の特許文献1に示すゲーム装置が提案されている。このゲーム装置において、ゲームに使用する各カードの短辺側の側縁部(カードの厚さ方向を含む側面内)には、カード特定用の識別情報を表す読取コードが蛍光物質により印刷されている。そして、プレイヤは、ゲームを実行するとき、先ず、所有しているカード群から当該ゲームに使用する複数枚のカードを選択する。続いて、プレイヤは選択した複数枚のカードを積み重ねられたカード束として、読取コードが印刷された側縁部を揃えて、カード束読取装置の挿入口に挿入して、読取コードを読み取らせる。これにより、ゲーム装置は、カード束読取装置が読み取ったカードの読取コードに係る情報に基づいてゲームの実行を制御するようになされている。
【0003】
この特許文献1に記載のゲーム装置では、カード束読取装置は紫外光ランプを点灯して、挿入口に挿入された各カードの読取コードが設けられた側縁部に向けて紫外光を照射する。この紫外光を受けた蛍光物質が発光し、発光した光がイメージセンサで受光されることにより、各カードの読取コードパターンの画像が撮像される。カード束読取装置は、この画像を解析することによって、カード束を構成する各カードに表された読取コードを判別し、カードの種類を特定する。そして、ゲーム制御プログラムは、この特定したコード情報に基づきゲームの進行を制御するようになっている。
【0004】
また、下記の特許文献2に開示されたカード束読取装置は、カジノ等でのカードテーブル上で、ディーラとプレイヤとの間で行われるブラックジャック、クラップ、バカラ等のカードゲームで用いられる。カード(トランプカード)には、短辺側の縁部に沿ってコードパターンが印刷されており、配るべきカードの事前確認のため、カードゲームで使用される全てのカードが束にされ、カード束読取装置の傾斜面に、短辺側のバーコードの全てが露出する状態で積層載置される。カード束読取装置のCCDカメラはこのバーコードを撮像し、その画像からデータが検出されるようになっている。しかし、特許文献2には、傾斜面に載置されたカード全てのバーコードを同時に撮像することの記載はなく、また検出されたデータを用いてゲームプログラムを実行しゲームの進行に使用することの教示もない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−143367号公報(段落0056,0057、図1,2等)
【特許文献2】米国特許第6460848号明細書(第7段落第42行〜第8段落第25行、図8等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のゲーム装置で用いられるカードは、取り扱う際に外部と接触しやすい側縁部に読取コードが印刷されているため、カード束読取装置の挿入口への挿入や持ち運びの際に、読取コードを構成する塗料が剥れたり、異物が付着することが考えられる。また、擦れによりコードが剥れてしまうといったこともあり得る。これらによって、カード束読取装置によるカードの読み取り精度が低下する虞があった。そのため、カードの保存方法に注意を要し、手荒に扱うことができなかった。また、読取コードを構成する様々な態様の印刷表示を面積の小さなカードの側縁部に施す必要があることから、その印刷工程を含む製造工程が煩雑になるという課題があった。さらに、カード束読取装置により、面積の小さなカードの側縁部に表された微細なコードパターンに関する情報を、カード束として一括して精度よく読み取るのは容易でなかった。
【0007】
特許文献2のカード束読取装置では、複数枚のカードを傾斜面に積層した状態で載置し、この積層状態でカードの縁部に露出した全カード分のコードパターンをCCDカメラで撮像している。しかし、傾斜面にカードを載置した場合、CCDカメラの位置から傾斜面に積層されたカード束を見ると、隣り合ったカードのバーコードが画像上で重なるといった不具合が発生し、積層された全てのカードのバーコードを同時に撮像することができない可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、プレイヤが選択した複数枚のカードをカード束として一括してカード束読取装置により精度良く読み取ることを可能としたゲーム装置、及び、この選択された複数枚のカードを上記ゲーム装置に装着するためのカード束装着ケースを提供することである。ここで、ゲーム装置に装着される複数枚のカードは、プレイヤがカード販売機等から適宜購入し或いは以前から所有しているカードの内から、プレイヤが1ゲーム毎に選択するものであり、ゲーム装置は、装着されたカードから検出したゲームデータに基づいてゲームを行うようになっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲーム実行制御手段と、プレイヤが選択した複数枚のカードを一組のカード束として装着するカード束装着ケースと、撮像手段と、カードデータ識別手段と、を備えたゲーム装置である。前記カードのそれぞれは、少なくとも一方の主面に可視光下で視認可能にゲーム情報が印刷された印刷領域と、前記カードの少なくとも一方の主面内の少なくとも一辺側の縁部に形成されていて前記ゲーム情報に関連するコード情報を有するコードパターンと、を備え、前記カード束装着ケースは、前記一組のカード束が前記コードパターンの形成された縁部が同一側になるように揃えて該カード束装着ケースに装着されたとき、前記カード束が前記縁部側から前記撮像手段によって撮像可能に配置されるように、前記カード束を構成する各カードを所定の間隔を空けて装着するためのカード装着手段を備え、前記撮像手段は、前記カード束の前記コードパターンが形成された縁部を撮像して、前記カード束のコードパターンを含む画像を生成するように構成され、前記カードデータ識別手段は、前記撮像手段で生成された前記カード束のコードパターンを含む画像から前記カード束を構成する各カードの前記コードパターンが有する前記コード情報を識別して検出し、該検出されたコード情報を前記プレイヤによる操作情報として前記ゲーム実行制御手段に供給するように構成され、前記ゲーム実行制御手段は、前記供給されたコード情報に基づきゲームの実行を制御するように構成されてなることを特徴とする。
また、このゲーム装置とともに使用される本発明に係るカード束装着ケースは、プレイヤが選択した複数枚のカードを一組のカード束として用いゲームを行うゲーム装置に、着脱自在に装着して使用されるカード束装着ケースである。前記カードのぞれぞれは、少なくとも一方の主面に可視光下で視認可能にゲーム情報が印刷された印刷領域と、前記カードの少なくとも一方の主面内の少なくとも一辺側の縁部に形成されていて前記ゲーム情報に関連するコード情報を有するコードパターンと、を備えてなり、前記ゲーム装置は、ゲーム実行制御手段と、前記カード束装着ケースが着脱自在に装着されるケース装着手段と、前記一組のカード束が前記コードパターンの形成された縁部が同一側になるように揃えて装着された前記カード束装着ケースが、前記ケース装着手段に装着されたとき、前記カード束を前記縁部側から撮像するように配置されていて、前記カード束のコードパターンを含む画像を生成する撮像手段と、該撮像手段で生成された前記カード束の前記コードパターンを含む画像から前記カード束を構成する各カードの前記コードパターンが有する前記コード情報を識別して検出し、該検出されたコード情報を前記プレイヤによる操作情報として前記ゲーム実行制御手段に供給するカードデータ識別手段と、を備えてなり、前記カード束装着ケースは、少なくとも一側面に前記カードが挿入される開口が設けられ、複数枚の前記カードを収納する大きさに形成されたケース部材と、該ケース部材内で、前記カード一枚分の間隔を空けて配置され、前記開口から前記間隔のそれぞれに前記カードが挿入されるように形成されたスペーサ部材と、を備えてなり、前記ゲーム実行制御手段は、前記供給されたコード情報に基づきゲームの実行を制御するように構成されてなることを特徴とする。
このカード束装着ケースで、前記ケース部材は、上面及び下面が略前記カードのサイズとなった多面体形状に構成されてなっていてよい。
また、前記スペーサ部材のそれぞれは、前記開口側から挿入された前記カードの前記コードパターンが形成された領域が露出される位置に配置されており、前記撮像手段は、前記露出された領域からの光を受光する位置に配置されてなるものとしてよい。
これらのカード束装着ケースに、前記露出された領域からの光を前記撮像手段に導く位置に配置された反射部材を設けることも可能である。
前記カードの前記ケース部材内への装着深さは、前記コードパターンが形成された領域の少なくとも一部が前記開口から突出する長さとされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本カード束装着ケースに装着するカードは、カード主面内の一辺側の縁部にコード情報のコードパターンを有し、複数枚のカードが、カード束装着ケースに、間隔を空けて装着されるようになっている。カード束装着ケースでのこのカードの間隔によって、ゲーム装置側で、各カードのコードパターンを確実に撮像し、精度良く認識することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面には、構成を判り易く表すこと等を目的として、模式的に誇張された部分が含まれている。本発明では、これら模式図に表されたものよりも、実際の実施態様となるものが優先される。
【0012】
(第1の実施の形態)
本発明に係る第1の実施の形態であるゲーム装置について説明する。図1はこのゲーム装置Gの外観を示しており、図2はゲーム装置Gの制御に係る構成を示している。このゲーム装置Gでは、プレイヤが選択した複数枚のカード1(図2)が一組のカード束として用いられて、ゲームが行われる。ゲームで使用されるこれらのカード1は、カード束装着ケース2に装着されるようになっており、このカード束装着ケース2は、操作台101(図1)上に、カード束装着ケース2の挿入口を有するケース装着部102に、図1の矢印方向に着脱可能になっている。また、ここでは図示を省略したが、操作第101にはコイン投入口が設けられていて、プレイヤはこのコイン投入口からコインを投入して、ゲーム装置Gでのゲームが開始されるようになっている。
【0013】
ゲーム装置Gは、上記カード束装着ケース2に加えて、読取装置3と、ゲーム実行部4とから構成される(図2)。概要を説明すると、読取装置3は、カード束装着ケース2に装着されている複数枚のカード1、ここでは3枚のカード1a〜1cからコードパターンが形成されている領域を撮像し、即ち、コードパターンを含む領域の像を得て、カード1a〜1cの縁部のコードパターンを含む画像の画像データを生成するようになっている。ゲーム実行部4は、読取装置3から入力された画像データから、カード束装着ケース2内の各カード1a〜1cのコードパターンを切り出し、各コードパターンに含まれる情報を検出するとともに、検出された情報に基づいてゲームの実行や各種の演出等を制御するようになっている。
【0014】
ゲームで使用する各カード1a〜1cは、図3に示すように、例えば、平面視で横方向の長さA(例えば88mm)、縦方向の長さB(例えば66mm)の長方形状をなし、少なくとも一方の主面(表裏の表面)には可視光下で視認可能にゲーム情報が印刷された印刷領域5を備えている。この印刷領域5には、例えば、ゲームに登場するキャラクタやアイテム、装備や背景に関するデザイン等が印刷されている。この印刷領域5の印刷層の厚みは、およそ赤外線吸収インクが0.001mm、カラー(白色若しくは黒色を含む。)との印刷を合わせて0.01mm、表面に塗布されるニスが0.015mmとなっているが、カード1の基体の材料や、目的や使用方法、インクの種類に応じて、随時その厚みを調整により変更することが可能となる。なお、カード1の形状は平面視で長方形状の他に、正方形、三角形、その他の多角形状も採用することができる。
【0015】
さらに、各カード1a〜1cの少なくとも一方の主面内の少なくとも一辺側の縁部には、幅W(例えば3mm)に印刷されたコードパターン6を備えている。コードパターン6は、ゲーム情報に関連するデータであるコード情報、例えば、当該カードを識別するための情報(印刷領域5に印刷されたキャラクタを識別するための情報)やこのキャラクタの特性(攻撃の強さ等)に関する情報等のゲームを行う上で必要な情報を、複数のコードパターン6の配置位置により表すものである。なお、コードパターン6を印刷するインクは、視認可能なインクを採用することも可能であるが、偽造を防止する目的で紫外光を照射したとき青色より長い波長で発光し、可視光線の下では無色になって人間の目では見えない蛍光材料を使用するのが好ましい。赤外線吸収インク(ステルスインキ)の場合、コードの色と同じ色のカラー印刷をコードが印刷されていない部分に印刷し、隠蔽処理を行うことによって可視光下でコードを見ることができなくすることが可能となる。
【0016】
なお、視認可能なインクを採用した場合であって、カード束装着ケース2に対しゲーム装置G外から十分に明るい光が利用できる環境では光源を必要としない。ところが、カード束装着ケース2をゲーム筐体に設けられたスロットから読取装置3に挿入する等、カード1がゲーム筐体内に装着される構成になっているときは、読取装置3内に光源を設ける必要がある。また、特定の波長の光に反応するインクを用いてコードパターン6を印刷した場合には、CCDカメラ等でコードパターン6を撮像することが可能になるように、光源からこのインクが反応する特定の波長の光をコードパターン6に照射する必要がある。(読取装置3の内部は、このインクが反応して撮像が支障なく行われるように、その光源の位置及び数を調整可能なように構成されている。)
【0017】
同図3に示す例では、コードパターン6を各カード1a〜1cの一方の主面内の短辺側の縁部に印刷した例を示しているが、長辺側の縁部に印刷してもよい。また、各カード1a〜1cの厚さは限定されないが、持ち運びや保存の利便性等を考えると、0.3〜0.5mm程度が好ましい。各カード1a〜1cの材質は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル等のプラスチック製にすることが好ましいが、紙や木等の素材も採用することが可能である。また、同図3では、キャラクタ等のデザインを印刷した印刷領域5と、コードパターン6を印刷した領域とが重複していない例を示している。これとは異なり、各カード1a〜1cの少なくとも一方の主面の全領域にキャラクタ等のデザインを印刷し、このデザインを印刷した印刷層の上であって少なくとも一辺の縁部に、撮像に必要な範囲で幅Wに印刷されたコードパターン6を備えるようにしてもよい。
【0018】
次の図4はコードパターン6の配置例である。ここに示すように、各カード1a〜1cの一方の主面内の長辺側の縁部から短辺に沿ってL1の距離を置いた位置から、長さL2と幅Wを有する8個の領域D1,D2,…,D8を設定している。また、各領域D1〜D8は、長辺方向に2分割された領域、例えば、領域D1では、L3=1/2×L2となる領域D1_a及び領域D1_bを設けている。そして、領域D1のコードパターンに係る情報を「1」として表現するときには、領域D1_aに上記した可視光線の下では隠蔽処理によって人間の目では見えない蛍光材料からなるインクで印刷し、領域D1_bには何も印刷しないようにする。領域D2,D3,…,D8にも領域D1と同様にしてコードパターンを印刷する。これにより、各領域D1〜D8は、1ビットの情報、即ち、「0」又は「1」の情報を記憶させることができる。従って、8個の領域D1〜D8により8ビットからなる識別情報を記憶させることが可能になる。この8ビットの識別情報が上述のコード情報である。また、図示していないが、各領域の間(例えばD1とD2の間ならびにD5とD6の間)にガイドビットを設けることによって、コード全体の位置を特定することが可能となる。同図4に示す例では、領域D1〜D8に印刷されているコードパターン6は、8桁の情報である「11011011」を表している。
【0019】
このほか、コードパターンの配置方法として、コードパターンを2段に設定し、その上部に印刷が有り下部に印刷が無いときに「0」を、上部に印刷が無く下部に印刷が有るときに「1」を表現する方法も考えられる。こうした場合、2段に設定することで同図4に示す領域D1に該当する部分に必ず印刷がされるので、コードパターンの端(スタート位置)を確定することができる。このほかに、コードパターンに係る情報として、JAN等の各種規格の流通商品用バーコード、QRコード(登録商標)や2次元コード等を含めてもよく、それらは適宜選択が可能である。
【0020】
上述したケース装着部102は読取装置3(図2)の一部となっており、この読取装置3は、ケース装着部102に加え、撮像部7と、画像データ処理回路8とを備えている。撮像部7は、CCDカメラ等のイメージセンサを含み、装着ケース2に装着された各カード1a〜1cのコードパターン6が印刷された領域の全てを一括して撮像して、画像データを生成する。イメージセンサとしては、上記に挙げたCCDカメラの他に、CMOSセンサなどが含まれ、解像度は、例えば672×512ピクセル若しくは512×480ピクセルのコードを読み取り可能な程度の解像度が求められる。また、解像度と、カード束装着ケース2と撮像部7との距離は、焦点距離によって決まるが、撮像部7がコードパターン6の全てを一括して撮像する位置は、各カード1a〜1cのコードパターン6が印刷された縁部の略中央部を結ぶ平面上の位置であって、この縁部から適切な距離と撮像角度によって設定される。画像データ処理回路8は、生成された画像データに、2値化処理や白黒の閾値処理等のデータ処理を施し、処理された情報は、ゲーム実行部4側(入出力用I/F13)へと出力される。
【0021】
ゲーム実行部4は、ゲームの実行の制御と各種の演出出力等を行うための各種ソフトウエアや機器等を備えたゲーム装置Gの本体部分を構成する。ゲーム実行部4は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random
Access Memory)12、入出力用I/F13、ディスプレイ回路部14、サウンド回路部15、通信用I/F16等からなり、これら各部10〜16等は、回路基板に搭載され、ゲーム筐体内に組み込まれている。各部10〜16について順に説明すると、CPU10は、コンピュータプログラムに従って演算処理等を行う。ROM11には、ゲーム装置Gでゲームを実行するために必要な各種の制御用のソフトウエア(プログラム)、及び、演出用の画像データや音声データが記憶されている。これらのプログラムとして、撮像部7で撮像した画像データを解析して各カード1a〜1cに印刷されたコードパターン6によるコード情報を識別する処理を行うカードデータ識別部(カードデータ識別プログラム、カードデータ識別手段)、このコード情報に基づいてゲームの進行を制御するための各種のゲーム実行制御部(ゲーム実行制御プログラム、ゲーム実行制御手段)等が含まれる。RAM12は、作業中のデータを記憶する。
【0022】
入出力用I/F13には、上述した画像データ処理回路8のほかに、プレイヤの操作に応答して操作入力情報を入力するためのジョイスティックやスイッチ等の入力装置17が接続されている。ディスプレイ回路部14から出力される映像信号は、液晶表示装置等の表示装置18に表示され、サウンド回路部15から出力される音声信号は、スピーカ19から出力される。また、通信用I/F16が通信回線によりネットワーク接続し、インターネット20に接続されることで、サーバ21が接続されている。また、他のゲーム装置22もインターネット20を介してサーバ21に接続されている。これにより、サーバ21は、各プレイヤのゲーム実施結果の得点集計、或いは、ネットワークを利用したオンライン対戦ゲームの実行が可能になる。なお、操作入力情報は、カード1a〜1c(少なくともその1枚)をカード束装着ケース2に装着して、読取装置3にそのコードパターン6を読み込ませるプレイヤの行為によっても入力されるものとしてよい。
【0023】
なお、表示装置18やスピーカ19に出力する演出用の画像データや音声データは、同図2には示していないが、フラッシュメモリ或いはハードディスク装置等に記憶するようにしてもよい。フラッシュメモリ或いはハードディスク装置等の書き換え可能な不揮発性記憶媒体を装備することにより、ゲームプログラム等のソフトウエアを適宜入れ替え、新しいゲームの実行を可能にする。
【0024】
続いて、カード束装着ケース2の構成について説明する。ここでのカードゲームにおいて、プレイヤがゲームを実施するとき、プレイヤは、1ゲーム毎に、その所有するカード群から、このゲームで使用する複数枚のカード1(カード1a〜1cの少なくとも1枚)を予め選択する必要がある。カード束装着ケース2は、この選択されたカード1を一組のカード束としてまとめて挿入(装着)し、読取装置3で各カード1のコードパターン6を一括して読み取るための手段として利用するものである。各種の色やデザインが施された部材で構成された多様なケースを用意し提供することで、プレイヤは自らの好みのケースを購入し所持するといった楽しみを得ることができる。
【0025】
プレイヤは、ゲームの実施に先立って、3枚のカード1a〜1cを選択し、図5に示すカード束装着ケース2に装着する。カード束装着ケース2は、外側枠部材2a〜2cによって筐体(ケース)の直方体形状の外形が構成され、一方の面(同図5における左側側面)が開口している。図示を省略したが、同図の手前に配置された外側枠部材と、この外側枠部材に対向し同図の奥となる側の外側枠部材とを設けてもよい。カード束装着ケース2の上面となる外側枠部材2a及び下面になる外側枠部材2bは、略カード1a〜1cのサイズとなっている。支持部材2g,2hは、厚さH2を有し、外側枠部材2aと外側枠部材2bとの間で、カード装着部2d〜2fを形成するために設けられている。このカード装着部2d〜2fには、3枚のカード1a〜1cが着脱可能に装着されて収納されるようになっている。
【0026】
即ち、支持部材2g,2hは、挿入されたカード1a〜1cの間に、所定の間隔H1を維持するためのスペーサ(仕切り板)の働きをしており、カード1a〜1cをそれぞれ間隔H1に挿入するために、カード束装着ケース2の開口側にカード装入口2i〜2kが設けられている。この間隔(各カード装着部2d〜2fの高さ)H1は、カード1a〜1cの厚さより若干大きくして、プレイヤが、その指先で、カード1a〜1cをカード挿入口2i〜2kから容易にカード装着部2d〜2fに挿入できるようにする。同図5では、プレイヤは、各カード1a〜1cのコードパターン6側を(同図左側に来るように)揃え且つ上向きになるように、各カード1a〜1cをカード装着部2d〜2fに装着(挿入)している。
【0027】
なお、カード束装着ケース2を構成する外側枠部材2a〜2c及び支持部材2g,2hはプラスチック製とし、射出成形機により一体に成形することができる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金等の軽金属素材からなる金属によって成形することも可能である。
【0028】
カード束装着ケース2(図5)の2つの特徴は、次の通りである。第1の特徴は、カード束装着ケース2内で、3枚のカード1a〜1cをそれぞれ所定の間隔(H2より若干大きい値)を空けて装着する構成にしたことである。第2の特徴は、各カード装着部2d〜2fの深さをカード1a〜1cの長さAよりPだけ小さくしていることである。つまり、各カード装着部2d〜2fにカード1a〜1cを装着してその先端側を外側枠部材2cに当接させたときに、コードパターン6がある縁部が、カード束装着ケース2から(カード装着部2d〜2fのその開口した端部から)長さPだけ露出するようになる。その露出部分の長さPは、撮像部7からカード1a〜1cへの投影角度α、カード1a〜1cの厚みH1等から適宜定められる。一例として、Pは、H2(又はH1)をtanαで割った値に近い値として定めることができる。このようにカード1a〜1cの縁部が露出されるように、支持部材2g,2h及び外側枠部材2a,2b等がカード束装着ケース2で配置されている。
【0029】
これらカード束装着ケース2の第1及び第2の特徴により、(a)カード1a〜1cが、同図5に示すように、コードパターン6がある縁部が同一側になるように揃えてカード束装着ケース2に装着され、(b)さらに、このカード束装着ケース2がケース装着部102(図1)に装着されたとき、カード束装着ケース2の最上段に装着されたカード1aから斜め上方に設置した撮像部7により、カード束装着ケース2から露出した各カード1a〜1cのコードパターン6を一括して撮像することが可能になる。つまり、プレイヤが選択した各カード1a〜1cは、カード束装着ケース2内に所定の間隔(撮像部7から見て全てのカード1a〜1cのコードパターン6が形成された領域が遮られない間隔)で装着され、且つ、コードパターン6のある各カード1a〜1cの縁部の撮像部7側の端部は、垂直線(図5の上下方向の直線)上に整列する。そのため、コードパターン6を含む各カード1a〜1cの縁部の全体領域又は縁部に沿った一部の領域を、まとめて一括して、撮像部7により撮像することが可能になる。なお、撮像部7によりコードパターン6を鮮明に撮像するために、撮像部7の近傍に紫外光を照射コードパターン6方向に照射する紫外光発光ランプ7aを設置する。紫外光発光ランプ7aは、撮像部7の左右側方に設けられることが好ましい。なお、撮像部7は、カード束装着ケース2内の全てのカード1a〜1cのコードパターン6(露出領域)からの光を受光してコードパターン6を読み取ることができるように、その位置と向きとを調整可能に構成されている。
【0030】
図6は、カード束装着ケース2に各カード1a〜1cが装着された状態で、各カード1a〜1cのコードパターン6がカード束装着ケース2から露出している部分を、撮像部7から撮像したときの画像例を示す。撮像部7により撮像され生成された画像データは、画像データ処理回路8により2値化処理や白黒の閾値処理等が施された後、ゲーム実行部4のRAM12に記憶される。同図6に示す画像は、RAM12上の画像データを白黒の画像イメージで図示したものである。この画像データによると、外側枠部材2aと支持部材2gとの間にカード1aのコードパターン6aが存在し、支持部材2gと支持部材2hとの間にカード1bのコードパターン6bが存在し、支持部材2hと外側枠部材2bとの間にカード1cのコードパターン6cが存在する。
【0031】
ゲーム実行部4のROM11に記憶されたカードデータ識別プログラムは、RAM12に記憶されたカード1a〜1cのコードパターン6の画像データを解析することによって、コードパターン6が有するコード情報を識別して検出する。そして、カードデータ識別プログラムは、このコード情報を、プレイヤによる操作情報としてゲーム実行制御プログラムに供給する。これにより、ゲーム実行制御プログラムは、カード1a〜1cによるコード情報と、入力装置17の操作による操作入力情報とに基づいてゲームの進行等を制御することになる。
【0032】
続いて、カードデータ識別プログラムにより、RAM12に記憶した画像データを解析して、カード1a〜1cのコードパターン6によるコード情報を求める処理について説明する。図7は、このカードデータ識別処理の手順を示すフローチャートである。以下、図7に示すステップ順に説明する。
【0033】
ステップ1(以下、ステップをSと略す)において、先ず、プレイヤが選択したカード1a〜1cを装着したカード束装着ケース2が読取装置3にセットされたか否かを判定する。この判定は、プレイヤが読取装置3に挿入したカード束装着ケース2が所定の読取位置にセットされたか否かを光電スイッチ等で検出し、この光電スイッチ等の信号が入力されると、プレイヤが選択したカード束がセットされたと判定する。一方、カードデータ識別プログラムは、光電スイッチ等の信号が入力されるまで待ち状態になる。なお、光電スイッチからの入力信号を割り込み信号として処理し、この割り込み信号が入力されると以下のS2〜S7の処理を実行するようにしてもよい。S2では、カード1a〜1cに特定の波長の光に反応するインクで印刷されたコードパターン6を反応させるために、光源となる発光素子をON(点灯)する。コードパターン6が視認インクを用いて印刷されている場合には、ここでの処理及び下記のS4での処理は不要になる。
【0034】
そして、S3では、撮像部7に撮像信号を送信する。撮像部7はこの撮像信号を受信すると、カード束装着ケース2から露出している各カード1a〜1cのコードパターン6を含む領域を一括して撮像する。撮像した画像データは、画像データ処理回路8により画素単位で「白」又は「黒」で表すための2値化処理等を行う。この処理により、コードパターン6として人間の目では見えない蛍光材料からなるインクで印刷された領域に対応する画素は「黒」を表す2値化データに変換されることになる。2値化データに変換された画像データは、カードデータ識別プログラムの指令に基づいてRAM12に記憶される。なお、このS3から下記S6の処理が終了するまで、表示装置18に「カード情報の読み取り中」と表示させる。続くS4で、撮像部7から、撮像の完了を伝える信号が入力されると、S2の処理で点灯した発光素子をOFF(消灯)する。
【0035】
次に、S5において、S3でRAM12に記憶した画像データについて、補正処理を行う。図5に示すように、撮像部7により、カード1a〜1cのコードパターン6を含む領域を撮像して得た画像データ(図6は補正後)は、各カード1a〜1cのコードパターン6に対する投影角度αにより歪が生じ、カード1a〜1cのコードパターン6に対応する画像6a〜6cは、下側の画像6cほど上側の画像6aより縮小して歪んだ画像が得られることになる。このS5での画像データの補正処理は、この歪みを補正する処理であって、例えば、次の[処理1]又は[処理2]の何れかを採用することで、図6のような画像を得ることができる。この[処理1]、[処理2]で画像を縮小又は拡大する比率は、投影角度α、カード束装着ケース2から撮像部7までの距離、及び、コードパターン6を有する縁部がカード束装着ケース2から露出している長さPに基づいて予め設定しておく。これらに代え、[処理3]を採用することも可能である。
【0036】
[処理1] カード束の上方側のカード1a,1b(図5)のコードパターン6に対応する画像6a,6bを、最下段のカード1cのコードパターン6に対応する画像6cの面積と等しくなるように縮小する。
[処理2] カード束の下方側のカード1c,1bのコードパターン6に対応する画像6c,6bを、最上段のカード1aのコードパターン6に対応する画像6aの面積と等しくなるように拡大する。
[処理3] コードパターン6に歪みが生じない程度に大きな画像を撮像し、得られた画像からコードパターン6の部分のみを切り取る処理を行う。(近付いた位置からコードパターンを撮像すると、その撮像画像は歪みを有するが、離れた位置から撮像すると、歪みは生じない。ここでの処理は、その歪みのない撮像画像中のコードパターンを拡大するものである。)
【0037】
さらに、S6において、S5で補正処理を行った画像データについて、各カード1a〜1cのコードパターン6に係るコード情報を判定する処理を行う。このコード判定処理は、例えば、図8に示す手順で行うことができる。以下、同図8に示すステップ順に説明する。先ず、S61では、RAM12に記憶している画像データについて、図9の最上段のカード1a(k枚目のカード、但しkの初期値は1)のコード判定処理を行うために前処理を行う。この前処理は、予め設定したXY座標の原点O(0,0)からY軸方向にY1ほど離れた座標(0,Y1)を求めるものである。この座標(0,Y1)からX軸方向に、カード1aのコードパターン6の画像データが記憶されている。続いて、座標(0,Y1)からX軸方向にX1ほど進んだ座標(X1,Y1)を求める。この座標(X1,Y1)は、図4に示す領域D1_a内の領域、即ち、カード1aの画像データについて、そのコードパターンを判定するための基準点になる。このとき、X1は、例えば、図4に示す(L1+L3×1/2)に相当する距離に設定する。
【0038】
S62では、領域Dn_a、即ち、図4に示す領域D1_aの画素が「白」又は「黒」であるかを、予め設定した画素特性データの閾値に基づいて判定する。この判定では、「白」又は「黒」の判定の信頼性を向上させるために、座標(X1,Y1)に対してX軸方向に隣り合う数点の画素についても「白」又は「黒」の判定処理を行って判定数の多い方を採用するようにするとよい。続くS63で、領域D1_aについてS62の処理で判定した結果を、RAM12に記憶する。
【0039】
次に、S64では、領域Dn_b、即ち、図4に示す領域D1_bの画素が「白」又は「黒」であるかを判定する。このとき、領域D1_b内の画素を判定するX軸の座標は、(L1+L3+L3×1/2)、Y軸の座標は、Y1である。この判定処理においても、このXY座標に対してX軸方向に隣り合う数点の画素について「白」又は「黒」の判定処理を行い判定数の多い方を採用してよい。S65で、領域D1_bについてS64の処理で判定した結果を、RAM12に記憶する。
【0040】
続いて、S66では、上記S63及びS65での判定結果に基づいて、領域Dn、即ち、図4に示す領域D1のコードパターン、即ち、「0」か「1」かのビット情報を判定する処理を行う。この処理では、例えば、領域D1_aの画素が「白」と判定され、且つ、領域D1_bの画素が「白」と判定された場合には、領域D1に印刷されているコードパターン6は「0」であると判定する。一方、領域D1_aの画素が「黒」と判定され、且つ、領域D1_bの画素が「白」と判定された場合には、領域D1に印刷されているコードパターン6は「1」であると判定する。そして、S67において、上記S66の処理で判定したビット情報をRAM12に記憶する処理を行うとともに、判定回数nに「1」を加算する。
【0041】
次のS68では、X軸の方向に未判定のコードパターンが残っているか否かを判定する。この判定は、前記判定回数nが所定の値、即ち、カード1に予め設定した領域D1〜D8の数を超えたか否かを判定する。未判定のコードパターンが残っている場合(S68にてYES)、次の領域D2のコードパターンを判定する処理を行うためにS62に戻る。このとき、X軸の座標値にL3(図4参照)を加算する。一方、未判定のコードパターンが残っていない場合(S68にてNO)、カード1の枚数に対応する上記kに1を加算して、次のS69へと進む。
【0042】
S69では、RAM12に記憶している画像データについて、全てのカード1a〜1cについてコード判定処理を行ったか否かを判定する。上記kが3を超えて、全てのカード1a〜1cのコード判定処理が完了した場合(S69にてNO)、次のS70に進み、終了していない場合(S69にてYES)、S61に戻って、コードパターン6を判定するXY座標値を更新する。具体的に、1枚目のカード1aに対するコード判定処理が終了すると、S61より、2枚目のカード1bに対するコード判定処理を開始する。2枚目のカード1bに対するこのコード判定処理では、原点O(0,0)よりY軸方向にY2だけ離れた座標位置(0,Y2)から、X軸方向の画素の「白」又は「黒」を判定することになる。その後の3枚目のカード1cのコード判定処理は、原点O(0,0)よりY軸方向にY3だけ離れた座標位置(0,Y3)から、X軸方向の画素の「白」又は「黒」を判定する。なお、上記距離Y1〜Y3の値(画素数)は、撮像部7からカード1a〜1cへの投影角度α、カード束装着ケース2から撮像部7までの距離、コードパターン6を有するカード1a〜1cの縁部がカード束装着ケース2から露出している長さP、及び、撮像部7の撮像の解像度等を考慮して予め適切な値を設定する。
【0043】
上記したS61〜S69の処理を繰り返すことにより、図4に示す全てのカード1a〜1cにつき領域D1〜D8のコードパターン6が有するコード情報(ビット情報)を判定することができる。S70では、各カード1a〜1cのコード情報は、一旦、RAM12に記憶する。このS70の後に、表示装置18に、カード情報の読み取り完了を示すメッセージを所定時間表示させる。
【0044】
そして、これらコード判定処理の後、S7(図7)において、S6でRAM12に記憶した各カード1a〜1cの8ビットのコード情報を、引数として、ゲーム実行制御プログラムに渡す処理を行う。このゲーム実行制御プログラムは、各カード1a〜1cのコード情報をプレイヤが当該ゲームを実行するために選択したカードと判定し、これらコード情報と入力装置17からの入力信号に基づいてゲームの進行、例えば格闘ゲームの進行と、各種演出とを制御する。
【0045】
以上のように、カード束装着ケース2に装着するカード1は、カード主面内の一辺側の縁部にコード情報のコードパターン6を有し、これら複数枚のカード1a〜1cが、カード束装着ケース2に、間隔を空けて装着されるようになっている。カード束装着ケース2での各カード1a〜1cの間隔によって、ゲーム装置G側で、各カード1a〜1cのコードパターン6を確実に撮像し、精度良く認識することが可能になる。
【0046】
(第2実施の形態)
次に、本発明に係る第2の実施の形態のカード束装着ケースにつき、図10を用いて説明する。このカード束装着ケース30は、図10(a)、(b)に示すように、外側枠部材31a〜31cによって構成される外枠筐体と、外側枠部材31aと所定の間隔H1を空けて配設した厚さH2の支持部材32aと、支持部材32aと所定の間隔H1を空けて配設した厚さH2の支持部材32bと、支持部材32bと所定の間隔H1を空けて配設した厚さH2の支持部材32cとから構成されている。支持部材32a〜32cは間隔を設けるためのスペーサとして働く。また、カード束装着ケース30の一つの側面(同図10の紙面右側)には、カード挿入口33a〜33cが形成されるように支持部材32a〜32cを、外側枠部材31aと外側枠部材31bとの間に固定することにより、カード1a〜1cを装着するカード装着部34a〜34cが形成されている。なお、カード装着部34a〜34cの深さは、カード1a〜1cのコードパターン6が印刷された縁部をカード装着部34a〜34cに挿入したときに、この縁部に対向する他の縁部から所定の長さPほどカード挿入口33a〜33cから突出する寸法に設定するのが好ましい。このように突出させることにより、カード1a〜1cの着脱が容易になる。
【0047】
外側枠部材31a〜31c及び支持部材32a〜32cの材質はプラスチック製とし、少なくとも側面側に配置する外側枠部材31cは透明な部材(例えばプラスチックやガラスなど)から構成するようにする。なお、上記した所定の間隔H1は、装着するカード1の厚さと同じ、或いは、カード1の挿入(装着)が可能な程度にカード1の厚さより大きな値に設定する。上記支持部材32a〜32cが外側枠部材31cと接する各端面は、45度程度に傾斜した傾斜面を形成している。そして、この傾斜面には、外側枠部材31cの方向から入射する光を反射する反射部材35a〜35cを形成している。
【0048】
同図10(b)において、カード1a〜1cは、コードパターン6が印刷された面を下向きにしてカード装着部34a〜34cに挿入されている。このカード束装着ケース30では、撮像部7は、各カード1a〜1cのコードパターン6を、反射部材35a〜35cによる光の反射を利用して、各カード1a〜1cの主面と平行する方向から撮像するようになっている。即ち、紫外光発光ランプ7aから発光された紫外光が、反射部材35a〜35cで反射して各カード1a〜1cのコードパターン6を照射する。この紫外光によりコードパターン6の蛍光物質は発光する。そして、この蛍光物質の発光光線は、反射部材35a〜35cで反射して撮像部7に導かれるようになっている。つまり、反射部材35a〜35cには、コードパターン6を有するカード1a〜1cの縁部を撮像可能になるように、発光光線の入射角を生じさせる作用がある。これにより、撮像部7は、各カード1a〜1cのコードパターン6を一括して撮像可能である。
【0049】
以上のように、カード束装着ケース30では、各カード1a〜1cの主面と平行する方向から各カード1a〜1cのコードパターン6を撮像することが可能になるので前記した投影角度αを小さくすることができる。これにより、撮像部7で撮像した各カード1a〜1cのコードパターン6に関する撮像画像の歪みの発生を低減することが可能になるので、撮像画像の精度が向上する効果が生じる。
【0050】
なお、上記したカード束装着ケース30においては、支持部材(或いはスペーサ部材)32a〜32cが外側枠部材31cと接する各端面に設けた傾斜面に反射部材(反射層)35a〜35cを形成する例について説明したが、これら反射部材35a〜35cを形成する代わりに、光を所定角度に屈折させるためのプリズムをそれぞれ配設してもよい。
【0051】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のカード束装着ケースを、図11を用いて説明する。このカード束装着ケース40では、図11に示すように、第1の実施の形態のカード束装着ケース2(図5)と異なり、反射部材43を、カード束装着ケース40のカードを挿入するカード挿入口側であって外側枠部材41bの近傍に配置している。また、カード1a〜1cは、コードパターン6が印刷された面を下向きにしてカード装着部に挿入する構成にしている。なお、反射部材43は、通常の鏡或いは金属や合成樹脂からなる板状部材に反射率が高い金属めっき層やコーティング被膜を施したものを使用する。また、反射部材43は、例えば、読取装置3内の適切な位置に取り付ける。その他、外側枠部材41a〜41cと、支持部材42a,42bとで形成されたカード装着部にカード1a〜1cを挿入するようにした点等は、第1の実施の形態のカード束装着ケース2と同じである。
【0052】
このカード束装着ケース40においては、紫外光発光ランプ7aから発光された紫外光は反射部材43で反射して各カード1a〜1cのコードパターン6を照射する。この紫外光によりコードパターン6の蛍光物質は発光する。そして、この蛍光物質の発光光線は反射部材43で反射して撮像部7に到達することになるので、撮像部7により各カード1a〜1cのコードパターン6を撮像することができる。また、カード束装着ケース40は、前図10のカード束装着ケース30と比較して、支持部材42a,42bの構成を簡素化することができる。
【0053】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態のカード束装着ケースを、図12を用いて説明する。このカード束装着ケース50の構成は、基本的に、第1の実施の形態のカード束装着ケース2(図5)と同様である。このカード束装着ケース50では、第1の実施の形態のカード束装着ケース2と異なり、外側枠部材51a,51bの外側面に段差部53を形成し、この段差部53の下端からカード束装着ケース50の一方の端部方向に平坦面54a,54bを形成している。そして、この平坦面54a,54bに、一点鎖線で示す蓋(キャップ)部材55を着脱自在に装着可能にしている。
【0054】
図12のカード束装着ケース50では、プレイヤがゲームを実施しないときに、カード束装着ケース50に蓋(キャップ)部材55を装着しておくことによって、カード束装着ケース50のカード装着部に埃などの異物が入り込むことを防止できる。そして、ゲームを実施するときに、プレイヤが蓋部材55を外して、カード1a〜1cをカード束装着ケース50のカード装着部に挿入して読取装置3で読み取らせるようにする。また、プレイヤがゲームを実施しないときに、カード束装着ケース50のカード装着部にカード1a〜1cを挿入して蓋部材55を付けた状態で、カード束装着ケース50を持ち運ぶことができるため、カード1a〜1cの持ち運び中等における損傷を防止することができる。
【0055】
(他の実施の形態等)
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態を変更して実施することができる。
a. 上記各実施の形態では、プレイヤが3枚のカード1a〜1cを選択してカード束装着ケース2等に装着する例について説明した。このカード1の枚数(最大枚数)は、各種のカードゲーム毎に設定されるので、カードゲームで用いるカードの枚数に合わせて、カード束装着ケース2等に装着可能なカードの枚数を設定するようにする。
b. 複数枚のカード1を上記カード束装着ケース2等に装着して読取装置3にセットするときは、カード束装着ケース2をそのまま読取装置3にセットした。これとは異なり、カード束装着ケース2を読取用ケースに収納して読取装置3にセットできるようにしてもよい。
【0056】
c. また、カード束装着ケース2等は、一つの素材から一体成形により作製されるものとした。これとは異なり、その作製に当たって、複数の素材のものを適宜組み合わせてもよい。
d. カード束装着ケース2等の形状については、箱状のものに限られず、バインダーケースやファイル状(冊子状)であってもよい。
e. カード束装着ケース2等は、読取装置3と一体にしても構わない。つまり、カード束装着ケース2等は、ゲーム装置G側に固定されていて、プレイヤは、複数枚のカード1をカード束装着ケース2等にに装着するようになっていてもよい。その場合、プレイヤは、操作台102(図1)上に、所定の間隔で複数設けられているカード挿入口に、カードを入れることになる。
【0057】
f. ケース束装着ケース2等は、外側枠部材2a〜2c等によって直方体形状に形成されるものとした。ここにいう上面及び下面は、カードが装着された状態でケース束装着ケースの上側及び下側に位置することを必ずしも意味しない。カード束装着装着ケースが有する面の内で、装着されるカードに略平行な2つの面が、上面及び下面に相当し、これら2つの面の間で、所定の間隔でカード1を装着するようにすることができる。そうして、このように、装着されるカードに略平行な2つの面を有するケース束装着ケースを、直方体形状以外の他の多面体形状に形成することも可能である。
【0058】
g. 図10乃至図12において、外側枠部材31a〜31cしか図示されていないが、図面の手前側となる側面及びこれに対向し図面の奥側となる側面にも外側枠部材を設けてよい。このように、カード束装着ケース30を、カード1を挿入する一側面(図10における右側側面)のみを開口とした直方体形状の筐体とすることで、カード1の側面からの脱落の防止や埃などの異物が入り込むことを防止できる。
【0059】
h. ゲーム実行部4において、各カード1a〜1cのコードパターン6が切り出されるものとした。これとは異なり、画像データ処理回路8が、データ処理後の画像データに含まれるコードパターン6のそれぞれを切り出し、各コードパターン6に含まれるコード情報を検出し、検出されたコード情報を入出力用I/F13を介してゲーム実行部4に出力するようにしてもよい。
【0060】
i. 上記カードデータ識別プログラムは、ゲーム装置Gの本体内のCPU10が実行することを想定したが、読取装置3が同様のカードデータ識別プログラムを実行するように読取装置3を構成してもよい。この場合、読取装置3は、得られたコード情報をゲーム装置Gの本体側に送信するようにする。
j. カード1の演出のために、角度を変えると光るホログラム加工を施してもよい。この場合、コードパターン上にはホログラム加工を行わないほうが、カードデータ識別手段での識別において誤差が生じにくくてよい。
【0061】
k. なお、上記各実施の形態では、複数枚のカード1を組み合わせて、ゲーム上の1つのキャラクタを構成し、このキャラクタを格闘ゲームで用いることを想定した。格闘ゲームに代え、例えば、下記のゲームへの展開も考えられる。
(1)[ロール・プレイング・ゲームへの展開] 上記実施の形態では、複数枚のカード1をカード束として組み合わせて、これらのコードパターン6を読み込むようにした。この方法を、登場人物を操作するロール・プレイング・ゲームに活用することができる。つまり、このカード束によって、ロール・プレイング・ゲームで、登場人物の武器や防具やアイテムなどを一括して読み込ませることが可能である。ここでは、プレイヤは、複数枚のカード1による複数のアイテムを用い、プレイヤ独自の登場人物や装備を決定することが可能となるため、多彩なゲーム展開が可能になる。
【0062】
例えば、ゲーム装置Gをアーケードゲームセンターや遊戯施設に設置し、その入力装置17によって、ゲーム内のキャラクタを操作可能にする。ここで、カード1には、プレイヤが自ら操作するプレイヤキャラクタの識別情報や特性、プレイヤキャラクタその他の登場人物に装備させる武器、防具若しくはアイテム、又は、それら登場人物に使用させたい特殊なスキルアイテム等に対応したコードパターン6が形成されている。ゲームをプレイする際、プレイヤは、事前に、それらのカード1を複数枚自らの好みで選択し、これら選択されたカード1を、カード束装着ケース2等及び読取装置3を介して、ゲーム装置Gに装着する。各カード1のコードパターン6が、カードデータ識別手段により識別されるというわけである。
【0063】
そして、ゲーム装置Gでは、識別されたコードパターン6に対応するプレイヤキャラクタその他の登場人物やアイテム等の画像を、ROM11から読み出して表示装置18上に表示する。また、プレイヤによる操作入力情報に基づき、プレイヤキャラクタその他の登場人物に、選択された武器、防具若しくはアイテム等を装着した画像を表示する。これとともに、プレイヤキャラクタその他の登場人物のカードデータ(コードパターン6によるカード1のデータ)と、武器、防具若しくはアイテムのカードデータとが対応付けられている旨の情報を生成して記憶する。この対応付けによって、プレイヤキャラクタ及び登場人物と、武器、防具若しくはアイテムが関連付けられた状態で、ゲームを進行させることが可能になる。また、読み込ませるアイテムの数や各スキルを示す値が大きければ大きいほど、プレイヤは有利にゲームを進行させることが可能になる。
【0064】
このようなゲームにおいて、プレイヤキャラクタその他の登場人物に装着した武器、防具若しくはアイテム等を消耗、消費等した場合、ゲーム装置Gでは、その消耗等したアイテム等のカードデータと、プレイヤキャラクタその他の登場人物のカードデータとの関連付けを解除する。このとき、装着したカード1が多い場合、読み込んだ他の武器、防具若しくはアイテム等のカードデータにより他の武器、防具若しくはアイテム選択し、上記と同様にして、プレイヤキャラクタその他の登場人物に、新たに他の武器、防具若しくはアイテム等を装着させることが可能になる。
【0065】
そして、プレイヤは、上記の方法で自らが作成したプレイヤキャラクタを、タッチパネルを用いる場合には、画面をタッチ、ドラッグ、ダブルタッチをすることによってゲーム画面内を移動するよう操作し、ゲーム装置Gは、その操作入力情報に対応して登場人物を仮想空間内で移動させ、その様子をゲーム画面に表示する処理を行う。これにより、例えば、タッチすることによってアイテムを選択し、ドラッグすることによってプレイヤキャラクタを仮想空間内で移動させ、ダブルタッチすることでアイテムを投げるといった操作を行うことができる。
【0066】
なお、このプレイヤキャラクタの操作にあたって、タッチパネルのほかに別途設けられたボタンやレバーを用いてもよい。また、タッチパネルのほかに設けられたボタンには、タッチパネルの操作ではできない必殺技の発動のボタン、プレイヤキャラクタの仮想空間内の視点を変更することができるなどの特別の機能を持たせてもよい。
【0067】
プレイヤは、自らの作成したプレイヤキャラクタを上記のように操作することで、例えば、中世をモデルとしたゲームの仮想空間内を冒険することが可能となる。また、複数のゲーム装置Gをインターネット等でつなげることによって、複数のプレイヤ同士がそれぞれ作り上げたプレイヤキャラクタ同士で対戦を行うことも、協力し合って別の敵を倒すことも可能となる。また、複数のゲーム装置Gを直接接続して、対戦や協力し合うことも可能である。これにより、プレイヤは複数枚のカード1による複数のアイテムを用いて、プレイヤ独自によるプレイヤキャラクタ及び登場人物に装備を決定することが可能となるため、ロール・プレイング・ゲームにつき、多彩なゲーム展開をさせることが可能となる。
【0068】
(2)[対戦ゲームへの展開] 本発明を活用すれば、ゲームをプレイする段階で、カード1をカード束装着ケース2等に挿入したまま読み込むことが可能であるため、スリーブがカード1の不必要な出し入れによって傷むといったことがない。また、対戦相手に、登場人物カード、必殺技カード、サポート技カード等の組み合わせを見られることなく読み込むことが可能であるため、意外性に飛んだゲーム展開が可能になる。
【0069】
例えば、アーケードゲームセンターや遊戯施設に設置するゲーム装置Gにおいて、プレイヤは、以下のような対戦ゲームを行うことが可能である。ここでは、じゃんけんルールに則った石、はさみ、紙を意味する3つのボタンを入力手段17として用いたゲームによって説明する。当該ゲームにおいて、ある必殺技は、石を意味するボタンに登録され、そのボタンを使用することで発動させられるが、対戦相手のプレイヤが紙を意味するボタンを押していた場合は、じゃんけんルールに則って(石→はさみ→紙→石→…の順に強い)、技を発動させることができないようにする。従って、対戦相手の操作するプレイヤキャラクタの必殺技を発動させるボタンが、どのボタンであるかがわかった場合、必殺技を出させないことが容易となってしまう。そのため、対戦相手がどのボタンを必殺技として登録させたかをお互いにわからなければ、より白熱した対戦を楽しむことが可能となる。
【0070】
このようなゲームで、複数枚のカード1のそれぞれには、プレイヤキャラクタその他の登場人物の識別情報や特性、必殺技、サポート技等に対応するコードパターン6を形成する。プレイヤがゲームをプレイする際に、プレイヤは、事前に、カード1を複数枚自らの好みによって選択し、必殺技カードやサポート技カードを登場人物カードの下に配置してカード束装着ケース2に装着する等する。これによって、対戦相手に自らの必殺技ならびにサポート技が判明されないようにするわけである。
【0071】
事前に選択されたカード1は、カード束装着ケース2等を介してゲーム装置Gに装着され、コードパターン6がカードデータ識別手段により識別されることになる。ゲーム装置Gでは、識別されるコードパターン6に対応するプレイヤキャラクタ、必殺技又はサポート技等の画像が、ROM11から読み出されて、表示装置18に表示される。このとき、必殺技やサポート技は、上記した理由によって表示装置18には表示せず、ボタンと対応付けられてRAM12に記憶された状態でゲームが進行する。
【0072】
そして、ゲームが対戦状態になると、プレイヤは対戦相手の出すと予測される必殺技や攻撃に対抗し、できるだけ自らに有利な展開になるようなボタンを押す。この際、プレイヤが、必殺技が発動するボタンを押し、必殺技が発動可能な状態になった場合には、RAM12よりボタンと対応付けられた必殺技の画像が表示され、対戦相手に、ある一定量のダメージが与えられる。ダメージを、一定の上限値まで、対戦相手のキャラクタに与えたほうが、このゲームの勝利者となる。なお、複数のゲーム装置Gをインターネットその他のネットワークで接続することによって、複数のプレイヤのそれぞれが作り上げたプレイヤキャラクタ同士で対戦を行うようにすることも、これらの複数のキャラクタが協力し合って別の敵を倒すようにゲームを進行させることも可能である。
【0073】
(3)[その他のゲームへの展開] このほか、本発明のカード装着ケースは、シミュレーションゲームやアクションゲーム、対戦型格闘ゲーム、シューティングゲーム、レーシングゲーム、競馬ゲームといった従来のゲームに適用可能であるばかりでなく、新規のゲーム創造の展開を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施の形態のカード束装着ケースを用いるゲーム装置の外観を示す図
【図2】本ゲーム装置の構成を示すブロック図
【図3】本ゲーム装置で使用するカードの構成を説明するための平面図
【図4】図3のコードパターン6の配置例を示すカードの一部拡大図
【図5】図2のカード束装着ケースの構成を説明するための断面図
【図6】カード束装着ケース内の複数のカードのコードパターンを含む撮像画像の例
【図7】撮像画像からコード情報を求める処理を説明するためのフローチャート
【図8】図7のS6におけるコード判定処理を説明するためのフローチャート
【図9】撮像画像から各カードのコード情報を求める処理を説明するための図
【図10】第2の実施の形態のカード束装着ケースで、カードを装着する前の状態(a)と、カードを装着した状態(b)を示す断面図
【図11】第3の実施の形態のカード束装着ケースを示す断面図
【図12】第4の実施の形態のカード束装着ケースを示す断面図
【符号の説明】
【0075】
1,1a,1b,1c………………カード
2,30,40,50………………カード束装着ケース
2a,2b,2c……………………外側枠部材(ケース部材)
2d,2e,2f……………………カード装着部(カード装着手段)
2g,2h……………………………支持部材(スペーサ部材)
3………………………………………読取装置
4………………………………………ゲーム実行部
6………………………………………コードパターン
7………………………………………撮像部(撮像手段)
8………………………………………画像データ処理回路
10……………………………………CPU
18……………………………………表示装置
35a,35b,35c,43……反射部材
101…………………………………操作台
102…………………………………ケース装着部(ケース装着手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム実行制御手段と、プレイヤが選択した複数枚のカードを一組のカード束として装着するカード束装着ケースと、撮像手段と、カードデータ識別手段と、を備えたゲーム装置において、
前記カードのそれぞれは、少なくとも一方の主面に可視光下で視認可能にゲーム情報が印刷された印刷領域と、前記カードの少なくとも一方の主面内の少なくとも一辺側の縁部に形成されていて前記ゲーム情報に関連するコード情報を有するコードパターンと、を備え、
前記カード束装着ケースは、前記一組のカード束が前記コードパターンの形成された縁部が同一側になるように揃えて該カード束装着ケースに装着されたとき、前記カード束が前記縁部側から前記撮像手段によって撮像可能に配置されるように、前記カード束を構成する各カードを所定の間隔を空けて装着するためのカード装着手段を備え、
前記撮像手段は、前記カード束の前記コードパターンが形成された縁部を撮像して、前記カード束のコードパターンを含む画像を生成するように構成され、
前記カードデータ識別手段は、前記撮像手段で生成された前記カード束のコードパターンを含む画像から前記カード束を構成する各カードの前記コードパターンが有する前記コード情報を識別して検出し、該検出されたコード情報を前記プレイヤによる操作情報として前記ゲーム実行制御手段に供給するように構成され、
前記ゲーム実行制御手段は、前記供給されたコード情報に基づきゲームの実行を制御するように構成されてなることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記カード束装着ケースは、一側面に前記カードが挿入される開口が設けられ、上面及び下面が略前記カードのサイズとなった多面体形状のケース部材を備え、前記カード装着手段は、該ケース部材の上面と下面との間で、前記カード一枚分の間隔を空けて配置され、前記開口から前記間隔のそれぞれに前記カードが挿入されるように形成されたスペーサ部材によって構成されてなることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記スペーサ部材のそれぞれは、前記開口側から挿入された前記カードの前記コードパターンが形成された領域が露出される位置に配置されており、前記撮像手段は、前記露出された領域からの光を受光する位置に配置されてなることを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記露出された領域からの光を前記撮像手段に導く位置に配置された反射部材を備えていることを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記カードの前記ケース部材内への装着深さは、前記コードパターンが形成された領域の少なくとも一部が前記開口から突出する長さとされていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
プレイヤが選択した複数枚のカードを一組のカード束として用いゲームを行うゲーム装置に、着脱自在に装着して使用されるカード束装着ケースであって、
前記カードのぞれぞれは、少なくとも一方の主面に可視光下で視認可能にゲーム情報が印刷された印刷領域と、前記カードの少なくとも一方の主面内の少なくとも一辺側の縁部に形成されていて前記ゲーム情報に関連するコード情報を有するコードパターンと、を備えてなり、
前記ゲーム装置は、ゲーム実行制御手段と、前記カード束装着ケースが着脱自在に装着されるケース装着手段と、前記一組のカード束が前記コードパターンの形成された縁部が同一側になるように揃えて装着された前記カード束装着ケースが、前記ケース装着手段に装着されたとき、前記カード束を前記縁部側から撮像するように配置されていて、前記カード束のコードパターンを含む画像を生成する撮像手段と、該撮像手段で生成された前記カード束の前記コードパターンを含む画像から前記カード束を構成する各カードの前記コードパターンが有する前記コード情報を識別して検出し、該検出されたコード情報を前記プレイヤによる操作情報として前記ゲーム実行制御手段に供給するカードデータ識別手段と、を備えてなり、
前記カード束装着ケースは、少なくとも一側面に前記カードが挿入される開口が設けられ、複数枚の前記カードを収納する大きさに形成されたケース部材と、該ケース部材内で、前記カード一枚分の間隔を空けて配置され、前記開口から前記間隔のそれぞれに前記カードが挿入されるように形成されたスペーサ部材と、を備えてなり、
前記ゲーム実行制御手段は、前記供給されたコード情報に基づきゲームの実行を制御するように構成されてなることを特徴とするカード束装着ケース。
【請求項7】
前記ケース部材は、上面及び下面が略前記カードのサイズとなった多面体形状に構成されてなることを特徴とする請求項6記載のカード束装着ケース。
【請求項8】
前記スペーサ部材のそれぞれは、前記開口側から挿入された前記カードの前記コードパターンが形成された領域が露出される位置に配置されており、前記撮像手段は、前記露出された領域からの光を受光する位置に配置されてなることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のカード束装着ケース。
【請求項9】
前記露出された領域からの光を前記撮像手段に導く位置に配置された反射部材を備えていることを特徴とする請求項8に記載のカード束装着ケース。
【請求項10】
前記カードの前記ケース部材内への装着深さは、前記コードパターンが形成された領域の少なくとも一部が前記開口から突出する長さとされていることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載のカード束装着ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−272458(P2008−272458A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87675(P2008−87675)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】