説明

ゲーム装置

【課題】抽選等によって選択された選択対象が特定配列になるか否かを楽しむビンゴゲーム等のゲームにおいて、そのゲーム性を高める上であるいはペイアウト率を調整する上で要求されるゲーム進行のコントロールを行う。
【解決手段】複数の番号(選択対象)の一部又は全部を用いたマトリクス配列を示す配列情報を生成した後、そのマトリクス配列に基づき各番号にそれぞれ対応した複数の番号画像を配列したビンゴカード画像を表示し、一ゲーム期間内に所定回数の抽選を行うことにより当選した複数の当選番号の配列が特定配列であるか否かを判定するゲームを進行するゲーム装置において、所定回数の抽選のうちの一部又は全部を配列情報生成前に行い、配列情報生成前に抽選した事前当選番号に基づいて上記マトリクス配列を決定し、事前当選番号を所定の確率で当選番号とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一ゲーム期間内に所定回数の選択を行って複数の当選対象を選択し、生成した配列情報が示す選択対象配列上における当該複数の当選対象の配列が特定配列であるか否かを判定するゲームを実行可能なゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のゲーム装置としては、例えば特許文献1に記載されたビンゴゲーム機が知られている。このビンゴゲーム機は、ゲームセンタなどの遊技場に置かれ、複数のプレイヤーによって同時にプレイできるものである。このビンゴゲーム機では、プレイヤーごとに固有の配列で番号画像(選択対象画像)を5×5の正方マトリクス状に配列したビンゴカード画像(配列画像)を、プレイヤーごとに用意された表示部に表示させる。そして、抽選装置により「1」〜「25」の25個の番号(選択対象)の中から当選番号(当選対象)を決定し、各プレイヤーのビンゴカード画像のうち当選した当選番号とそれ以外の未当選番号との表示形態を異ならせる。これを所定回数繰り返し、ビンゴカード画像において縦方向、横方向及び対角線方向に並ぶ番号がすべて当選するとビンゴとなり、そのプレイヤーに対して配当を払い出す。
【0003】
上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機では、ビンゴカード画像を表示部に表示させる前に次のような処理を行う。まず、「1」〜「25」の番号をランダムに並べたプレイヤーごとに固有のマトリクス配列を決定する。その後、記憶装置に予め何パターンか記憶されている有効領域の配置情報のうちの1つを読み出し、読み出した配置情報により決定されるマトリクス配列上の4つの特定位置を有効領域とする。そして、これらの4つの有効領域の番号画像を、上記当選番号及び上記未当選番号の番号画像とは異なる表示形態で表示したビンゴカード画像を表示部に複数表示する。有効領域の番号画像に対応する番号は、抽選装置の抽選により選択される当選番号と同等の価値をもつ。すなわち、ビンゴカード画像において縦方向、横方向及び対角線方向に並ぶ番号がすべて当選番号又は有効領域の番号画像に対応する番号(以下、「事前当選番号」という。)になるというビンゴ配列(特定配列)が成立すると、ビンゴが成立する。したがって、このビンゴゲーム機においては、予め4つの番号が当選した状態から抽選を開始し、ビンゴゲームを進行することになる。
【0004】
また、上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機では、抽選開始前に、表示部に複数表示したビンゴカード画像の中からビンゴゲームに用いるものをプレイヤーに選択させ、プレイヤーが選択したビンゴカード画像を用いてビンゴゲームを行う。ここで、このビンゴゲーム機では、複数のビンゴカード画像を表示部に表示する前に、各ビンゴカード画像に対応したマトリクス配列それぞれのオッズを予め算出する。これは次の理由による。
すなわち、ビンゴカード画像上における有効領域の位置や数に応じて、ビンゴが成立しやすいマトリクス配列と、ビンゴが成立しにくいマトリクス配列とが存在することになる。そのため、生成したすべてのマトリクス配列について同じオッズを用いたのでは、ほとんどのプレイヤーはビンゴが成立しやすいマトリクス配列のビンゴカード画像を選択する。その結果、ペイアウト率を設定ペイアウト率に維持することが困難になったり、いつもビンゴが成立しやすいためゲームが単調になったりするといった弊害が生まれる。そこで、上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機では、ビンゴの成立しやすさ(ビンゴ成立確率)に応じ、各マトリクス配列についてそれぞれ個別のオッズを算出する。具体的には、ビンゴが成立しやすいマトリクス配列については相対的に低いオッズを設定し、ビンゴが成立しにくいマトリクス配列については相対的に高いオッズを設定する。これにより、ペイアウト率を設定ペイアウト率に容易に維持することができる。また、これらのオッズはプレイヤーがビンゴカード画像を選択する際に併せて表示されるので、プレイヤーは、自分の好みに応じ、配当は多いがビンゴが成立しにくいビンゴカード画像を選んだり、配当は少ないがビンゴが成立しやすいビンゴカード画像を選んだりすることになる。その結果、ビンゴゲームにおいてビンゴが成立しやすい場合とビンゴが成立しにくい場合とを混在させることができ、ゲームが単調になりにくくゲーム性が向上する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−161889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、抽選等によって選択された選択対象が特定配列になるか否かを楽しむビンゴゲーム等のゲームにおいては、そのゲーム性を高める上であるいはペイアウト率を調整する上で、一時的に特定配列が揃いやすい時期を作るとか、ある特定のプレイヤーに対して特定配列を揃えやすくさせるとか、そういったゲーム進行のコントロールを行うことが望まれる。そのためには、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素を、ゲーム装置側である程度コントロールすることが必要である。この決定要素は、上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機においては、抽選前に決定される有効領域の配置及び数や、抽選後に決定される当選番号の配置である。
【0007】
ところが、上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機では、ビンゴカード配列上における各番号の配置をランダムに決めた後に上記有効領域の配置をランダムに決定し、これらの決定に基づいて各マトリクス配列を生成する。このように抽選前に決定される有効領域の配置及び数はランダムに決定されることから、上述した決定要素となる有効領域の配置及び数をビンゴゲーム機側でコントロールすることはできない。また、このビンゴゲーム機においては、ビンゴカード配列上における各番号の配置をランダムに決定し、しかも使用するビンゴカードはプレイヤーが選択するものであり、更に当選番号の決定は抽選によりランダムに行う。よって、このビンゴゲーム機では、上述した決定要素となる、抽選後に決定される当選番号の配置についても、コントロールすることはできない。このように、上記特許文献1に記載のビンゴゲーム機では、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素をゲーム機側でコントロールすることはできないので、上述したようなゲーム進行のコントロールを行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述したようなゲーム進行のコントロールを行うことが可能なゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の選択対象の中から当選対象を選択する当選対象選択手段と、一ゲーム期間内に該当選対象選択手段を用いて所定回数の選択を行うゲームの進行を制御するゲーム制御手段と、該複数の選択対象の一部又は全部を用いた選択対象配列を示す配列情報を生成する配列情報生成手段と、該配列情報生成手段により生成された配列情報が示す選択対象配列に含まれる各選択対象にそれぞれ対応した複数の選択対象画像を該配列情報に基づいて配列した配列画像を表示する配列画像表示手段と、該一ゲームの期間内に該当選対象選択手段が選択した当選対象を記憶する当選対象記憶手段と、該当選対象記憶手段に記憶されている複数の当選対象に基づき、該配列情報が示す選択対象配列上における該複数の当選対象の配列が特定配列であるか否かを判定する判定手段とを有するゲーム装置において、上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部又は全部の選択を、上記配列情報生成手段による配列情報生成前に行い、該配列情報生成手段は、該当選対象選択手段が配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいて上記選択対象配列を決定して、決定した選択対象配列を示す配列情報を生成し、上記当選対象記憶手段は、該事前当選対象を所定の確率で当選対象として記憶することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、一ゲームの期間内に当選対象選択手段が所定回数の選択を行い、選択した当選対象が当選対象記憶手段に記憶される。そして、当選対象記憶手段に記憶されている複数の当選対象に基づき、配列情報生成手段により生成された配列情報が示す選択対象配列上における当該複数の当選対象の配列が特定配列であるか否かを判定する。そのため、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素は、当選対象の配置である。
本ゲーム装置においては、一ゲーム期間内に行う選択のうちの一部又は全部の選択を、配列情報生成手段が配列情報を生成する前に行い、配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいて選択対象配列を決定して配列情報を生成する。そして、配列情報生成前に選択した事前当選対象については、所定の確率で当選対象となり、当選対象記憶手段に記憶される。このように、所定の確率で当選対象となる事前当選対象に基づいて配列情報を生成することから、本ゲーム装置によれば、一ゲーム期間内における少なくとも一部の当選対象の配置をコントロールすることが可能である。すなわち、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素をコントロールすることが可能である。
なお、このコントロールの精度は、配列情報生成前に選択する事前当選対象の数と、その事前当選対象が当選対象となる確率を示す上記所定の確率とによって決まる。すなわち、配列情報生成前に選択する事前当選対象の数を一ゲーム期間内に当選対象記憶手段に記憶される当選対象の最大数に設定し、かつ、上記所定の確率を100%に設定すれば、一ゲーム期間内におけるすべての当選対象の配置を完全にコントロールすることができる。そして、配列情報生成前に選択する事前当選対象の数を少なくするほど、また、上記所定の確率を下げるほど、コントロール精度は低下することになる。しかし、このような配列情報生成前に選択する事前当選対象の数や上記所定の確率も、ゲーム装置側で適宜設定できる。よって、本ゲーム装置によれば、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素を、そのコントロール精度も含めてゲーム装置側でコントロールすることが可能である。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1のゲーム装置において、上記当選対象記憶手段が上記事前当選対象を当選対象として記憶するときの上記所定の確率は100%であることを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素のコントロール精度を高めることができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のゲーム装置において、上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであって、少なくとも配列情報生成後に行う選択については抽選により当選対象を選択するものであることを特徴とするものである。ここでいう「抽選」には、当選確率データにより決まる各選択対象の当選確率に従った抽選プログラムを実行することにより当選対象を決定するというコンピュータ抽選、抽選物体を移動させてその抽選物体の移動結果に基づいて当選対象を決定するという物理抽選など、あらゆる抽選が含まれる。
上述したように一ゲーム期間内におけるすべての当選対象の配置を完全にコントロールすることも可能である。しかし、ゲーム装置側で当選対象の配置を完全にコントロールすると、当選対象の配置にプレイヤーの運などが絡む余地がなく、プレイヤーの観点から見ればゲーム性が大きく低下することになる。
本ゲーム装置においては、配列情報生成後に行う選択については抽選により当選対象を選択するので、その当選対象の配置はゲーム装置側で完全にコントロールされることがなくなる。その結果、当選対象の配置にプレイヤーの運などが絡む余地が生まれ、プレイヤーの観点から見たゲーム性の低下を抑制できる。
なお、本ゲーム装置においては、配列情報生成前に行う選択を抽選により行うようにしてもよい。この場合でも、その抽選により選択された事前当選対象に基づいて配列情報を生成することから、当選対象の配置のコントロール精度が落ちることはない。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項3のゲーム装置において、上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであり、上記当選対象選択手段が配列情報生成後に行う抽選では、配列情報生成前に選択した事前当選対象のうち当選対象として上記当選対象記憶手段に記憶されたものを上記複数の選択対象から除いた選択対象の中から当選対象を選択することを特徴とするものである。
事前当選対象のうち当選対象になったものが、配列情報生成後の抽選により重複して当選対象に選択される事態が生じると、その抽選で未だ当選対象になっていない選択対象(未当選対象)が当選する機会をプレイヤーから奪うことになる。その結果、プレイヤーは損をした気分を抱くことになり、ゲーム性を低下させることになる。
本ゲーム装置においては、配列情報生成後に行う抽選において、配列情報生成前に選択した事前当選対象のうち当選対象になったものが選択されることがなくなる。これにより、抽選で未当選対象が当選する機会をプレイヤーから奪うような事態が発生しなくなる結果、プレイヤーに損をした気分を抱かせずに済み、ゲーム性の低下を抑制できる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4のゲーム装置において、上記配列画像表示手段が上記配列画像を表示した後に上記当選対象記憶手段に記憶されている当選対象を報知する報知手段を有することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、配列情報生成前に選択された事前当選対象が、あたかも配列情報生成後に選択されたかのような印象をプレイヤーに与えることができる。その結果、ゲーム装置側で意図的に当選対象の配置を決めたのではないかというような不信感を抱かせずに済み、ゲームの信頼性を高めることができる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項5のゲーム装置において、上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであり、上記報知手段は、上記事前選択対象のうち当選対象として上記当選対象記憶手段に記憶されたものと、該当選対象選択手段が配列情報生成後に選択した当選対象とを、略同一の報知態様により報知することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、配列画像表示手段に配列画像が表示された後に、配列情報生成前に選択された事前選択対象のうち当選対象になったものが、配列情報生成後に選択された当選対象と略同一の報知態様により報知される。よって、その報知を受けたプレイヤーに対し、配列情報生成前に選択された事前選択対象のうち当選対象になったものも、配列情報生成後に選択された当選対象と同様の選択方法により選択されたかのような印象を与えることができる。
特に、配列情報生成後における当選対象の選択方法が抽選である場合には、配列情報生成前に選択された事前選択対象のうち当選対象になったものも、同じように抽選により選択されたかのような印象をプレイヤーに与えることができる。よって、この場合には、その事前選択対象に係る当選対象もプレイヤーの運などが絡んで選択されるものだという印象をプレイヤーに与えることができ、ゲームの信頼性が更に高まる。
【0015】
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6のゲーム装置において、ベット対象のベットを受け付けるベット受付手段と、配当を払い出す配当払出手段とを有し、上記ゲーム制御手段は、上記判定手段が上記特定配列であると判定したとき、該ベット受付手段が受け付けたベット対象の量に応じた量の配当を該配当払出手段に払い出させる制御を行うことを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、プレイヤーがベット対象をベットして特定配列が揃ったら配当を受け取るといういわゆる賭けゲームを実行することができる。
【0016】
また、請求項8の発明は、請求項7のゲーム装置において、所定期間内に上記ベット受付手段が受け付けたベット対象の量と該配当払出手段が払い出した配当の量との比率であるペイアウト率を示すペイアウト率データを記憶するペイアウト率記憶手段を有し、上記配列情報生成手段は、該ペイアウト率記憶手段に記憶されているペイアウト率データの示すペイアウト率が所定の設定ペイアウト率に近づくように、上記当選対象選択手段が配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいて上記選択対象配列を決定することを特徴とするものである。
上述した賭けゲームにおいては、ペイアウト率が設定ペイアウト率に維持されないと、ゲームバランスの管理が困難となり、安定して高いゲーム性を提供することができなくなる。また、本ゲーム装置が、ゲームセンタ等の遊技場に置かれる業務用ゲーム装置であって、ベット対象や配当としてプレイヤーが金銭を支払って借り入れたメダル等の有体物やこれに相当する電子データを用いるものである場合には、業務管理の観点からペイアウト率を設定ペイアウト率に維持することが重要である。
ここで、本ゲーム装置において、配当を払い出すか否かは特定配列が揃うか否かによって決まり、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素である当選対象の配置は、上述したようにゲーム装置側でコントロールすることが可能である。そして、この当選対象の配置は、配列情報生成手段が配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいてどのように選択対象配列を決定するかによってコントロールする。よって、本ゲーム装置によれば、配列情報生成手段が事前当選対象に基づき選択対象配列をどのように決定するかで、配当を払い出すか否かをコントロールすることが可能である。したがって、本ゲーム装置によれば、配列情報生成手段が事前当選対象に基づき選択対象配列をどのように決定するかで、ペイアウト率を調整することができる。そして、本ゲーム装置では、ペイアウト率が所定の設定ペイアウト率に近づくように選択対象配列を決定するので、ペイアウト率がほぼ一定になる。よって、ゲームバランスの管理が容易となり、安定して高いゲーム性を提供することが可能になる。また、本ゲーム装置を上述した業務用ゲーム装置として用いる場合には、業務管理が容易になる。
【0017】
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のゲーム装置において、上記配列画像表示手段は、上記配列情報に基づいて上記複数の選択対象画像をマトリクス状に配列した配列画像を表示し、上記判定手段は、該配列画像上における縦方向、横方向及び斜め方向の少なくとも1つのライン上に当選対象に対応した選択対象画像が並ぶときの配列を上記特定配列として判定を行うことを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、いわゆるビンゴゲームを実行することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、特定配列の揃えやすさ又は揃えにくさを決める決定要素をコントロールすることが可能であるので、ゲーム性を高めたりペイアウト率を調整したりするためなどのゲーム進行のコントロールを行うことが可能となるという優れた効果が奏される。
請求項2の発明によれば、当該決定要素のコントロール精度を高めることができるので、ゲーム進行のコントロール精度が高まるという優れた効果が奏される。
請求項3の発明によれば、プレイヤーの観点から見たゲーム性の低下を抑制できるという優れた効果が奏される。
請求項4の発明によれば、プレイヤーに損をした気分を抱かせずに済み、ゲーム性の低下を抑制できるという優れた効果が奏される。
請求項5の発明によれば、プレイヤーに不信感を抱かせずに済み、ゲームの信頼性を高めることができるという優れた効果が奏される。
請求項6の発明によれば、ゲームの信頼性をより高めることができるという優れた効果が奏される。
請求項7の発明によれば、ゲーム進行のコントロールが重要な賭けゲームにおいてゲーム進行のコントロールを行うことが可能となるという優れた効果が奏される。
請求項8の発明によれば、ゲームバランスの管理が容易となり、安定して高いゲーム性を提供することが可能になるという優れた効果が奏される。特に、本ゲーム装置を上述した業務用ゲーム装置として用いる場合には、業務管理が容易になるという優れた効果も奏される。
請求項9の発明によれば、ビンゴゲームにおいてゲーム進行のコントロールを行うことが可能となるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を、ゲームセンタ等の遊技場に置かれる業務用ゲーム装置であるビンゴゲーム機に適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態におけるビンゴゲーム機全体の外観斜視図である。
このビンゴゲーム機は、1つのゲーム機本体1と7つのステーション10とから構成されている。本実施形態のビンゴゲーム機では、後述するコンピュータ抽選により25個の選択対象(「1」〜「25」の番号)の中から1つずつ抽選していくビンゴゲームに、最大7名の抽選参加者であるプレイヤーが同時に参加してプレイできる。なお、選択対象の数やプレイヤーの最大参加人数は任意である。各プレイヤーはいずれかのステーション10を用いてビンゴゲームに参加し、プレイする。ゲーム機本体1には、各プレイヤーが視認できる位置に、大型ディスプレイ2が設けられている。また、ゲーム機本体1には、各種演出やプレイヤーへの報知などを行うための音出力手段としてのスピーカー3や電飾装置なども設けられている。
【0020】
図3は、ステーション10の正面図であり、図4は、ステーション10の上面図である。なお、7つのステーションはすべて同じ構成であるので、以下、その1つについてのみ説明する。
ステーション10は、操作手段としてのタッチパネル11と、アタックボタン12と、メダルを投入するためのメダル投入口13と、クレジットを精算してメダルを受け取るためのメダル受取口14と、クレジットの精算を指示するための精算ボタン15とを備えている。タッチパネル11には、「1」〜「25」の番号画像(選択対象画像)をマトリクス状に配列したビンゴカード画像(配列画像)等を含むゲーム画面が表示される。プレイヤーは、そのゲーム画面に表示された各種画像に触れることで、様々な操作を行うことができる。
【0021】
図5は、ビンゴゲーム機の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるビンゴゲーム機は、ゲーム機全体の動作を制御するコントローラ4をゲーム機本体1の内部に有しており、各ステーション10のタッチパネル11は、このコントローラ4によって制御されるようになっている。コントローラ4は、マイクロプロセッサ等により構成されており、ゲーム進行に必要な各種演算や各種機器の動作制御を行う。コントローラ4は、バスを介して、コントローラ4からの命令に従って各種画像をタッチパネル11に描画する画面描画制御装置16に接続されている。また、コントローラ4は、バスを介して、タッチパネル11上に描画される各種画像に触れることにより入力されるデータの制御を行う入力制御装置17にも接続されている。更に、コントローラ4は、バスを介して、メダル管理装置18にも接続されている。これらの装置16,17,18は、各ステーション10の内部に設けられている。また、図示してはいないが、アタックボタン12を押したときの操作内容は、バスを介してコントローラ4に送信されるようになっている。
【0022】
メダル管理装置18は、プレイヤーのメダル枚数を示すクレジットデータを記憶しており、メダル投入口13からメダルが投入されたときには、その投入枚数分のクレジットをクレジットデータに加算する処理を行う。また、メダル管理装置18は、コントローラ4からの払出命令を受けたときには、配当払出手段として機能し、その払出命令に従った量のクレジットを配当としてクレジットデータに加算する処理を行う。また、メダル管理装置18は、コントローラ4からのベット命令を受けたときには、そのベット命令に従った量のクレジットをクレジットデータから減算する処理を行う。
【0023】
このほか、コントローラ4は、バスを介して、コントローラ4からの命令に従って演出等のためのサウンドをスピーカー3から出力させるサウンド制御装置5と、コントローラ4の命令に従って各種画像を大型ディスプレイ2に描画する大型画面制御装置6とに接続されている。
【0024】
更に、コントローラ4は、バスを介して、コントローラ4の命令に従って番号抽選を行うコンピュータ抽選装置20や、各種記憶手段として機能するRAM7、ROM8及び補助記憶装置9などにも接続されている。ROM8には、ビンゴゲーム機の起動時の基本動作等を制御するために必要なプログラムやデータ、ゲーム進行の制御に必要な主なプログラムなどが記憶されている。補助記憶装置9は、ハードディスク記憶装置等により構成される書き換え可能な記憶装置であり、RAM7やROM8に記憶しきれないデータあるいはプログラムを記憶するためのものである。この補助記憶装置9に記憶されたデータやプログラムは、コントローラ4からの指令に応じてRAM7の所定領域にロードされて利用される。
【0025】
図6は、本ビンゴゲーム機における主要部を示す機能ブロック図である。
本実施形態において、ビンゴゲーム機は、主に、ゲーム進行制御部101、カード生成部102、ステーション表示部103、メイン表示部104、抽選部105、当選確率変更部106、ビンゴ判定部107、オッズ管理部108から構成されている。
【0026】
ゲーム進行制御部101は、図5に示したハードウェア構成におけるコントローラ4、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。ゲーム進行制御部101は、コントローラ4がROM8や補助記憶装置9に記憶されたゲーム進行プログラムを実行することで、ゲーム制御手段として機能する。また、ゲーム進行制御部101は、後述する各種制御や処理を行う。
【0027】
カード生成部102は、図5に示したハードウェア構成におけるコントローラ4、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。カード生成部102は、ゲーム進行制御部101からのカード生成命令を受けると、「1」〜「25」の番号をマトリクス状に配列するための配列決定プログラムを補助記憶装置9から読み出し、そのカード生成命令に従って配列情報を生成する。本実施形態におけるマトリクスは、5×5の正方マトリクスを採用しているが、これに限られるものではない。生成した配列情報は、RAM7の配列情報記憶領域に記憶する。RAM7に記憶された配列情報は、ゲーム進行制御部101等によって利用される。配列情報の生成についての詳しい説明は後述する。
なお、補助記憶装置9から読み出される番号の数は、本実施形態ではマトリクスを構成する番号画像の数と一致しているが、それより少なくてもよいし、それより多くてもよい。
【0028】
ステーション表示部103は、図5に示したハードウェア構成におけるタッチパネル11及び画面描画制御装置16等から構成される。ステーション表示部103は、ゲーム進行制御部101からの各種表示命令に従ってタッチパネル11上に画像を表示する。具体的には、RAM7の配列情報記憶領域に記憶された配列情報に基づくカード表示命令がゲーム進行制御部101から送られてくると、ステーション表示部103は、配列画像表示手段として機能し、そのカード表示命令に従ってタッチパネル11上に5×5のマトリクス状に配列された「1」〜「25」の番号画像からなるビンゴカード画像を表示する。
【0029】
メイン表示部104は、図5に示したハードウェア構成における大型ディスプレイ2及び大型画面制御装置6等から構成される。メイン表示部104は、ゲーム進行制御部101からの各種表示命令に従って大型ディスプレイ2上に画像を表示する。具体的には、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率を表す当選確率画像としてのルーレット画像の表示命令が当選確率表示制御手段としてのゲーム進行制御部101から送られてくると、メイン表示部104は、当選確率画像表示手段として機能し、その表示命令に従って大型ディスプレイ2上にルーレット画像を表示する。なお、大型ディスプレイ2は、大型画面制御装置6からの電子信号により映像を表示するものであれば、どのような表示装置であってもよい。
【0030】
抽選部105は、図5に示したハードウェア構成におけるコンピュータ抽選装置20、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。抽選部105は、ゲーム進行制御部101からの抽選開始命令を受けると、当選対象選択手段である抽選手段として機能し、当選確率データ記憶手段としてのRAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各選択対象の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、当選番号を決定する。決定した当選番号は、当選対象記憶手段としてのRAM7の当選履歴記憶領域に記憶する。
【0031】
当選確率変更部106は、図5に示したハードウェア構成におけるコントローラ4、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。当選確率変更部106は、ゲーム進行制御部101からの当選確率変更命令に従ってRAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データを変更する。当選確率データの変更処理については後述する。
【0032】
ビンゴ判定部107は、図5に示したハードウェア構成におけるコンピュータ抽選装置20、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101からの判定命令を受け取ると、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶されている当選番号とRAM7の配列情報記憶領域に記憶されている配列情報とから、ビンゴ判定処理を行う。このビンゴ判定処理は、RAM7の配列情報記憶領域に記憶されている配列情報ごとに、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶された複数の当選番号に対応した番号の当該配列情報に係るマトリクス内の配列が所定のビンゴ配列になっているか否かを判定する。本実施形態における所定のビンゴ配列とは、ビンゴカード画像上で縦方向、横方向、対角線方向のいずれかのライン上に配列された番号画像がすべて当選番号となるときの配列である。そして、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶されている複数の当選番号の配列が所定のビンゴ配列になっている場合、その配列情報についてビンゴが発生した判定する。ビンゴが発生したと判定した場合、ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101へビンゴが発生した旨のビンゴ発生情報を送る。
【0033】
また、本実施形態において、ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101からの判定命令を受け取ったときにリーチ判定処理も行う。このリーチ判定処理は、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶されている当選番号とRAM7の配列情報記憶領域に記憶されている配列情報とから、次に特定の番号が当選すればビンゴが発生することになるリーチ状態である場合にリーチが発生したと判定する。リーチが発生したと判定した場合、ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101へリーチが発生した旨のリーチ発生情報を送る。
【0034】
オッズ管理部108は、図5に示したハードウェア構成におけるコンピュータ抽選装置20、RAM7、ROM8及び補助記憶装置9等から構成される。オッズ管理部108は、ゲーム進行制御部101からのオッズ算出命令を受け取ると、各番号ごとに、その番号が抽選部105により次に決定される当選番号であったとしたならばビンゴ成立という払出条件を満たすことで払い出すことになる配当の量を決定するための配当量決定データであるオッズデータを算出する。このオッズデータの算出処理は、抽選部105による4回目以降の抽選が終わるたびに行われ、通常は抽選回数が増えるにつれて配当量が減っていくようにオッズが算出される。また、詳しくは後述するが、当選確率変更部106により当選確率が高まった番号については、配当量が減るようにオッズが算出される。算出したオッズデータは、配当量決定データ記憶手段としてのRAM7のオッズ記憶領域に記憶される。
【0035】
図7は、タッチパネル11上に表示されるゲーム画面の一例を示す説明図である。
このゲーム画面には、2つのビンゴカード画像が表示されている。各ビンゴカード画像中の四角枠に囲まれた番号は、現在までに行われた抽選で当選した番号を示しており、丸枠に囲まれた番号は、未だ当選していない番号を示している。また、図中左側のビンゴカード画像中の右下隅に位置する番号「16」の表示形態は、後述するようにプレイヤーが当該番号に触れて当選を希望したときの表示形態であり、その番号は当選希望番号である。なお、図中右側のビンゴカード画像中における当選希望番号は、大きい丸枠に囲まれて表示される。
【0036】
また、ゲーム画面の最下部には、プレイヤーがベットしたベット対象であるクレジットの量(メダルの量)を示すBET表示欄11a、ビンゴの発生により獲得したクレジット量を示すクレジット獲得量表示欄11b、プレイヤーの現在のクレジット量を示すクレジット表示欄11c等が表示されている。また、これらの表示欄の上には、現在までの抽選で当選した番号を図中左側から順に示す当選履歴表示欄11dが設けられている。なお、図示の例では、現在までに10回の抽選が行われた状態を示している。
また、ゲーム画面の最上部には、配当量表示欄11eが表示されている。この配当量表示欄11eは、後述するルーレットの色と配当量との関係を示すものであり、各色の配当量は、各色に対応したオッズデータをプレイヤーのベット量に乗じて得たものである。
また、ゲーム画面の左上部には、アタックゲージ表示欄11fが表示されている。このアタックゲージ表示欄11fのアタックゲージは、所定の条件を満たすことで増えていき、満タンになると、後述するアタック操作を行うことができるようになる。詳しくは後述する。
【0037】
次に、本実施形態におけるビンゴゲームの流れに従い、本ビンゴゲーム機の動作について説明する。
図8は、ビンゴゲームの流れを示すフローチャートである。
このビンゴゲーム機では、プレイヤーがステーション10のメダル投入口13にメダルを投入すると、そのメダル投入枚数がメダル管理装置18に検出され、そのメダル投入枚数分のクレジットがクレジットデータに記憶される。また、メダル管理装置18は、メダルの投入を検知したら、その旨をゲーム進行制御部101を構成するコントローラ4に知らせる。
【0038】
具体的には、メダルが投入された旨の知らせを受けたゲーム進行制御部101は、ベット画面表示命令をステーション表示部103へ出力する。これにより、当該プレイヤーがメダルを投入したステーション10のタッチパネル11上に、ベット画面が表示される。このベット画面には、1ベットボタンと10ベットボタンの2つのベットボタンが表示されている。プレイヤーは、これらのベットボタンをタッチすることで所望量のクレジットをベットする。プレイヤーがこれらのベットボタンをタッチすると、そのベット量を示すベットデータが入力制御装置17からゲーム進行制御部101に送られる。ゲーム進行制御部101は、ベット受付手段として機能してベットを受け付け、メダル管理装置18にベット命令を出力する。これにより、メダル管理装置18は、そのベット命令に係る枚数分のクレジットを減算するとともに、その枚数分のクレジットをベットデータに加算する処理を行う(S1)。このように、プレイヤーは所望のベット数分だけベットボタンをタッチすることでクレジットをベットすることができる。
【0039】
また、ゲーム進行制御部101は、入力制御装置17からのベットデータを受けたら、ステーション表示部103に表示命令を出力して、タッチパネル11のゲーム画面上におけるBET表示欄11a及びクレジット表示欄11cを更新させる。
更に、ゲーム進行制御部101は、入力制御装置17からのベットデータを受けたら、RAM7のオッズ記憶領域に記憶されている8つのオッズデータに基づき、メダル管理装置18に記憶されたベットデータに応じた配当量を算出する。本実施形態においては、基本オッズデータとして1.5倍、2.5倍、3.5倍、5倍、8倍、12倍、20倍、30倍の8つのオッズデータが、各番号に対応付け可能にRAM7のオッズ記憶領域に記憶されている。ゲーム進行制御部101は、メダル管理装置18に記憶されたベットデータに各オッズデータを乗じ、各オッズデータに対応した配当量をそれぞれ算出する。そして、ステーション表示部103に表示命令を出力して、タッチパネル11のゲーム画面上の配当量表示欄11eにおける8つのオッズ区分に表示されている配当量を、算出した配当量に更新させる。8つのオッズ区分は、ぞれぞれ異なる色で表現されており、各色は後述するルーレットの色に対応している。
【0040】
このようにしてベット受付が終了したら、まず、1〜4回目の抽選を行う(S2)。具体的には、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に1回目の抽選開始命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、事前当選番号(事前当選対象)を決定する。抽選部105による抽選処理の一例について詳しく説明すると、現在までに当選していない各未当選番号がRAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる当選確率となるように、所定の乱数範囲を各未当選番号にそれぞれ対応した区分に区分けする。したがって、1回目の抽選では、所定の乱数範囲に対して「1」〜「25」の番号に対応した区分を割り当てることになる。2回目の抽選では、所定の乱数範囲に対し、「1」〜「25」のうち1回目の抽選で当選した番号を除く24個の未当選番号に対応する区分を割り当てる。3回目の抽選でも同様に、それまでに当選した番号を除く未当選番号に対応する区分を割り当てる。後述する当選確率変更処理により当選確率が変更されなければ、各区分は均等に割り当てられる。そして、このようにして所定の乱数範囲を区分けした後、乱数を発生させ、その乱数が属する区分を特定し、特定された区分に対応する番号を事前当選番号として決定する。決定した事前当選番号は、当選番号としてRAM7の当選履歴記憶領域に記憶する。すなわち、本実施形態において、事前当選番号は100%の確率で当選番号となる。
【0041】
その後、ゲーム進行制御部101は、ビンゴカードの生成表示処理を実行する(S40)。このビンゴカード生成表示処理では、ペイアウト率が設定ペイアウト率に近づくように、上記1〜4回目の抽選で決定した各事前当選番号をマトリクス配列上に配置したビンゴカードの配列情報を、ベットを受け付けたステーション10ごとに2つ生成する。そして、その配列情報に基づき、5×5のマトリクス状に配列された「1」〜「25」の番号画像からなるビンゴカード画像を各ステーション10のタッチパネル11上に2つ表示する。なお、本実施形態では、1つのステーション10のタッチパネル11に2つのビンゴカード画像を表示する場合について説明するが、1つのビンゴカード画像を表示したり、3つ以上のビンゴカード画像を表示したりするようにしてもよい。ビンゴカード生成表示処理の詳しい内容については後述する。
【0042】
このようにしてビンゴカード画像をステーション10のタッチパネル11上に表示したら、次に、ゲーム進行制御部101は、メイン表示部104に対して1回目の抽選を演出するためのルーレット回転命令を出力する。これにより、メイン表示部104は、大型ディスプレイ2上に表示されているルーレット画像のルーレットを回転させ、1回目の抽選を行っている旨の演出を行う(S3)。
【0043】
図9は、大型ディスプレイ2上に表示されるメイン画面の一例を示す説明図である。
このメイン画面には、「1」〜「25」のうち未だ当選していない番号に対応する画像領域をもつルーレット画像が表示される。したがって、1回目の抽選演出では、「1」〜「25」のすべての番号に対応した画像領域をもつルーレット画像が表示され、2回目の抽選演出では、「1」〜「25」のうち1回目の抽選で当選した番号を除く24個の番号に対応した画像領域をもつルーレット画像が表示され、以後の抽選演出では、それまでに当選した当選番号を除く番号に対応した画像領域をもつルーレット画像が表示される。
【0044】
ここで、大型ディスプレイ2上のルーレット画像における各番号の画像領域の大きさの違いは、各番号の当選確率の大小関係に対応している。なお、後述する当選確率変更処理により当選確率が変更されなければ、各番号の当選確率は均等であるため、ルーレット画像における各番号の画像領域の大きさは互いに等しいものとなる。本実施形態では、4回目の抽選が終了するまでは当選確率変更処理を行わないので、1〜4回目の抽選演出では、各番号の画像領域の大きさが互いに等しいルーレット画像を用いる。ただし、5回目以後の抽選の際に当選確率変更処理により当選確率が変更されると、図9に示すように、当選確率の高い番号の画像領域は広がり、当選確率の低い番号の画像領域は狭くなる。
【0045】
また、大型ディスプレイ2上のルーレット画像における各番号の画像領域の色は、各番号の配当量に対応している。すなわち、各番号の画像領域の色は、ステーション10のタッチパネル11のゲーム画面上に表示された配当量表示欄11eの8つのオッズ区分の色に対応している。したがって、プレイヤーは、大型ディスプレイ2上のルーレット画像における各番号の色を見ることで、その番号が次の抽選で当選し、それによってビンゴが完成した場合に払い出される配当量を容易に把握することができる。
【0046】
メイン表示部104は、ルーレット回転命令を受けると、大型ディスプレイ2上に表示されているルーレット画像のルーレットを回転させて抽選を行っている旨の演出を行う。その後、ゲーム進行制御部101は、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶された当選番号を読み出し、その当選番号が当選した旨の演出表示命令をメイン表示部104に出力する。これにより、メイン表示部104は、図9に示すように、大型ディスプレイ2上に表示されているルーレット画像の中央部分に当選番号に係る番号画像を出現させる演出を行う。なお、図9に示す例は「21」が当選番号である場合である。すなわち、メイン表示部104は、ステーション10のタッチパネル11にビンゴカード画像が表示された後、抽選部105が当選番号を決定するたびにその当選番号をプレイヤーへ報知する報知手段として機能する。
【0047】
また、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶されている当選番号を読み出したゲーム進行制御部101は、ステーション表示部103に表示命令を出力して、タッチパネル11のゲーム画面上における当選履歴表示欄11dを更新させるとともに、ビンゴカード画像中における当該当選番号に対応した番号画像を、丸枠から四角枠に囲まれた番号に変更する。すなわち、ステーション表示部103も、抽選部105が当選番号を決定するたびにその当選番号をプレイヤーへ報知する報知手段として機能する。
【0048】
以上のような抽選演出をあと3回繰り返し行い、4回目までの抽選演出を行ったら、ゲーム進行制御部101は、ビンゴ判定部107に判定命令を出力する。これにより、ビンゴ判定部107は上述したリーチ判定処理を行う(S4)。このリーチ判定処理においてリーチが発生したと判定された場合、ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101へリーチ発生情報を送り、ゲーム進行制御部101は、対応する配列情報に対してリーチフラグを立てる(S5)。
【0049】
次に、ゲーム進行制御部101は、プレイヤーが当選を希望する当選希望番号の当選確率変更処理を行う(S20)。この当選確率変更処理は、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選が終了するたびに行われる。この当選確率変更処理の詳しい説明については後述する。
【0050】
続いて、ゲーム進行制御部101は、5回目の抽選を行い、5つめの当選番号を決定する(S6)。本実施形態において、1〜4回目の抽選はカード生成部102が配列情報を生成する前に行うが、5回目以降の抽選はカード生成部102が配列情報を生成した後に行う。その後、5回目の抽選演出を行うが(S7)、5回目以降の抽選演出は1〜4回目の抽選演出と同じように行う。すなわち、5回目の抽選演出において、ゲーム進行制御部101は、メイン表示部104に対してルーレット回転命令を出力し、メイン表示部104は、大型ディスプレイ2上に表示されているルーレット画像のルーレットを回転させ、5回目の抽選を行っている旨の演出を行う。そして、ゲーム進行制御部101は、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶された5回目の抽選による当選番号を読み出し、その当選番号が当選した旨の演出表示命令をメイン表示部104に出力する。これにより、メイン表示部104は、大型ディスプレイ2上に表示されているルーレット画像の中央部分にその当選番号に係る番号画像を出現させる演出を行う。6回目以降の抽選演出も同様である。
【0051】
その後、ゲーム進行制御部101は、ビンゴ判定部107に判定命令を出力し、ビンゴ判定部107に上述したビンゴ判定処理を行わせる(S8)。このビンゴ判定処理は、RAM7の当選履歴記憶領域に記憶されている当選番号(現時点では5つの当選番号)と、RAM7の配列情報記憶領域に記憶されている配列情報とから、ビンゴが発生したか否かを判定する。ビンゴが発生したと判定した場合、ビンゴ判定部107は、ゲーム進行制御部101へビンゴ発生情報を送る。これを受けたゲーム進行制御部101は、当該5回目の抽選で当選した当選番号に対応したオッズ区分の配当量の払い出しを命じる払出命令をメダル管理装置18に対して出力する。払出命令を受けたメダル管理装置18は、その払出命令に係る配当量を一時的に記憶しておき、ビンゴゲームが終了した時点で、その配当量分のクレジットをクレジットデータに加算する処理を行う(S9)。
また、判定命令を受けたビンゴ判定部107は、上述したリーチ判定処理も行い(S10)、リーチが発生したと判定された場合、対応する配列情報に対してリーチフラグが立てられる(S11)。
【0052】
次に、ゲーム進行制御部101は、オッズ管理部108に対してオッズ算出命令を出力する。これにより、オッズ管理部108は、各番号のオッズデータを更新する(S12)。具体的には、現在までの抽選で当選していない未当選番号ごとにオッズデータを算出する。算出したオッズデータは、対応する未当選番号に関係付けてRAM7のオッズ記憶領域に記憶する。本実施形態においては、4回目の抽選が終了したときには、21個の未当選番号のすべてについて30倍の基本オッズデータを選択する。すなわち、5回目の抽選でビンゴが成立したときのオッズは30倍である。そして、後述する当選確率変更処理においてオッズデータの変更が行われなければ、5回目以後の抽選が終了したときには、各未当選番号について現在の基本オッズデータよりも1段低い基本オッズデータが選択され、これがRAM7のオッズ記憶領域に記憶される。したがって、後述する当選確率変更処理においてオッズデータの変更が行われなければ、5回目の抽選が終了したときには現在の基本オッズデータである30倍よりも1段低い20倍の基本オッズデータが20個の未当選番号のすべてについて一律に選択し、以後の抽選終了後においても順に1段低い基本オッズデータを一律に選択することになる。
【0053】
ここで、ステーション10のタッチパネル11上のゲーム画面における配当量表示欄11eに表示される配当量は、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選演出が終了したときに更新される。そして、そのゲーム画面に表示されるビンゴカード画像上において同一ライン上の3つの番号が当選番号となるまでは、配当量表示欄11eの各色に対応した領域には基本オッズデータに対応した配当量が表示される。一方、配当量表示欄11eの更新時にビンゴカード画像上で同一ライン上の3つ又は4つの番号が当選番号となっている場合、配当量表示欄11eの各色に対応した領域には現実のオッズデータに対応した配当量が表示される。この現実のオッズデータは、以後の2回の抽選(次に配当量表示欄11eが更新されるまでに行われる抽選)でビンゴが成立する確率に基づいてオッズ管理部108により算出される。具体的には、その更新時における各番号の当選確率(後述の当選確率変更処理により当選確率データが変更された場合にはその変更後の当選確率)と、その更新時に当該ステーション10のタッチパネル11に表示されているビンゴカード画像に対応した配列情報から得られるマトリクス配列上の番号の配置関係とから算出する。このような処理を行うことで、配当量表示欄11eの更新時に同一ライン上の3つ又は4つの番号が当選番号となったビンゴカード画像を表示するステーション10のタッチパネル11では、配当量表示欄11e上に表示されている配当量が基本オッズデータに基づく配当量から、現実のオッズデータに基づく配当量に変更される。その結果、同一ライン上の3つ又は4つの番号が当選番号となった以降は、各ステーション10のタッチパネル11にはそれぞれ独自の配当量が配当量表示欄11e上に表示される。すなわち、配当量表示欄11e上の色分けされた各オッズ区分の数及び色はすべてのステーション10で共通であるが、各オッズ区分に表示される配当量が各ステーションで互いに異なることになる。
【0054】
このようにしてオッズ管理部108により各未当選番号のオッズデータをRAM7のオッズ記憶領域に記憶したら、ゲーム進行制御部101は、メイン表示部104に対してルーレット変更表示命令を出力する。このルーレット変更表示命令を受けたメイン表示部104は、大型ディスプレイ2上に、現時点の未当選番号(5回目の抽選終了時には20個の番号)の画像領域をもち、かつ、各画像領域の色が上記S12で更新したオッズデータに対応した色であるルーレット画像を表示させる(S13)。
【0055】
そして、ゲーム進行制御部101は、現在までに終了した抽選回数が、6回目、8回目、10回目のいずれかであるか否かを判断する(S14)。6回目、8回目、10回目のいずれかであると判断した場合、当選確率変更処理を実行する(S20)。すなわち、本実施形態では、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選が終了するたびに当選確率変更処理を行う。一方、6回目、8回目、10回目のいずれかでもないと判断した場合、ゲーム進行制御部101は、現在までに終了した抽選回数が12回に達したか否かを判断し(S15)、12回に達していないと判断した場合には当選確率変更処理を実行せずに次の抽選処理を行う(S6)。一方、12回に達したと判断した場合にはビンゴゲームを終了する。
【0056】
このようにしてビンゴゲームが終了したら、メダル管理装置18は、ビンゴゲーム中に払出命令を受けて一時的に記憶しておいた配当量分のクレジットをクレジットデータに加算する処理を行う。これにより、クレジット表示欄11cに表示されているクレジット量が加算後のクレジット量となる。
【0057】
次に、当選確率変更処理について説明する。
図10は、当選確率変更処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態において、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選が終了したら、ゲーム進行制御部101は、ステーション表示部103に対して、プレイヤーが当選を希望する番号をタッチすることを促す説明文画像を表示させる表示命令を出力する。これにより、ステーション表示部103は、図7に示すように、タッチパネル11のゲーム画面上に「欲しい数字をタッチしてください」という説明文画像を表示する。この説明文画像を見たプレイヤーは、制限時間内に、タッチパネル11のゲーム画面上に表示されているビンゴ画像における未当選番号の番号画像の中から1つを選んで、その番号に触れる。すると、その触れた番号を示す当選希望番号情報が入力制御装置17から出力され、その当選希望番号情報はゲーム進行制御部101に受け付けられる(S21)。なお、制限時間内に当選希望番号情報を受け付けなかった場合、そのまま当選確率変更処理を終了する。
【0058】
ゲーム進行制御部101は、当選希望番号情報を受け付けたら、プレイヤーが当選を希望する当選希望番号を決定する。そして、当選確率変更部106に対して当選確率変更命令を出力する。これにより、当選確率変更部106は、当選確率データ変更手段として機能し、その当選確率変更命令に係る当選希望番号の当選確率が高まるように、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データを変更する(S22)。この変更により、抽選部105による抽選処理においては、所定の乱数範囲における当選希望番号に対応する区分が広がり、残りの未当選番号の区分は一律に狭くなる。よって、その当選希望番号の当選確率が高まる。
【0059】
ここで、本実施形態においては、最大7人のプレイヤーが同時にビンゴゲームに参加することができる。よって、複数のステーション10の入力制御装置17それぞれから互いに異なる当選希望番号情報を受け付ける場合がある。この場合でも、ゲーム進行制御部101は、各当選希望番号情報についてそれぞれ当選確率変更命令を出力する。これにより、当選確率変更部106は、各当選確率変更命令に係る当選希望番号の当選確率がそれぞれ高まるように、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データを変更する。その結果、抽選部105による抽選処理においては、所定の乱数範囲における各当選希望番号に対応する区分がそれぞれ広がり、残りの未当選番号の区分は一律に狭くなる。よって、受け付けた当選希望番号情報が多い当選希望番号ほど、当選確率が高まることになる。ただし、複数プレイヤーによる当選希望番号情報を受け付ける場合、1つの番号に多くのプレイヤーの当選希望番号情報が集中すると、他の番号に係る当選希望番号情報を受け付けても当該他の番号の当選確率は下がる場合もある。
【0060】
また、ゲーム進行制御部101は、オッズ管理部108に対してオッズ算出命令を出力する。これにより、オッズ管理部108は、上記S22により変更された当選確率データをRAM7の当選確率記憶領域から読み出し、その当選確率データに基づいてRAM7のオッズ記憶領域内のオッズデータを変更する処理を行う(S23)。具体的には、上記S22における当選確率データの変更前後で、ペイアウト率がほぼ一定になるように各未当選番号に割り当てられるオッズデータを変更する。よって、上記S22における当選確率データの変更により当選確率が高まった未当選番号のオッズデータが相対的に低くなるように、各未当選番号のオッズデータを変更する。
【0061】
続いて、ゲーム進行制御部101は、当選確率表示制御手段として機能し、変更後の当選確率データに基づき、ルーレット画像中における各未当選番号の画像領域の大きさが変更後の当選確率に対応した大きさになるように、かつ、各未当選番号の画像領域の色が変更後のオッズデータに対応した色となるようにするルーレット変更表示命令を、メイン表示部104に出力する。これにより、メイン表示部104は、当選確率画像表示手段及び配当量画像表示手段として機能し、各未当選番号の画像領域の大きさが変更後の当選確率に対応した大きさであり、かつ、各未当選番号の画像領域の色が変更後のオッズデータに対応した色となったルーレット画像を大型ディスプレイ2上に表示する(S24)。
【0062】
以上のような当選確率変更処理を行うことで、プレイヤーは、タッチパネル11に表示されたビンゴカード画像を見て現時点までの当選番号を確認し、ビンゴを成立させる上で必要な番号などの自分が当選してほしいと希望する当選希望番号の画像にタッチすることで、その当選希望番号の当選確率を高めることができる。
また、本実施形態においては、ルーレット画像の画像領域の大きさによって各番号の当選確率を把握できる。そして、プレイヤーが当選を希望するタッチパネル11上の当選希望番号画像に触れてその当選希望番号の当選確率が高まると、これに応じてルーレット画像上における当該当選希望番号の画像領域の大きさが広がる。よって、プレイヤーは、自分が当選を希望した番号の当選確率が高まったことを直感的に把握することができる。また、同時に、ルーレット画像上における当該当選希望番号の画像領域の色が変化後のオッズデータに応じた色に変化するので、プレイヤーは変化後の配当量を直感的に把握することができる。
【0063】
また、本実施形態では、プレイヤーが当選を希望した当選希望番号が当選するたびに、タッチパネル11のゲーム画面左上部に表示されているアタックゲージ表示欄11fのアタックゲージが増えていき、このアタックゲージが満タンになるとアタック操作が可能になる。詳しくは、アタックゲージが満タンになると、プレイヤーが当選確率変更処理の際にタッチパネル11上の当選希望番号画像をタッチした後、アタックボタン12を押す(アタック操作)と、そのたびにその当選希望番号情報がゲーム進行制御部101に受け付けられる。すなわち、1回の当選確率変更処理の間に、1つのステーション10から同じ番号について複数の当選希望番号情報がゲーム進行制御部101に受け付けられる。これにより、アタック操作が可能になったプレイヤーは、当選確率変更処理の際にアタックボタン12を押すことで、自分が当選を希望する当選希望番号の当選確率を大きく高めることができる。ただし、アタックゲージが満タンになるという条件以外にも、このようなアタック操作を行うための条件を追加してもよい。例えば、当該ステーション10のタッチパネル11に表示されているビンゴカード画像に対応した配列情報に対してリーチフラグが立っているという条件を追加してもよい。
【0064】
本実施形態では、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選が終了した際に、プレイヤーがタッチパネル11上の当選希望番号に触れると、その当選希望番号情報が入力制御装置17から出力されてゲーム進行制御部101に受け付けられ、その当選希望番号の当選確率が高まる。この変更後の当選確率は、次の当選確率変更処理が行われるまでは維持されるが、次の当選確率変更処理が行われる際にはリセットされる。すなわち、例えば4回目の抽選終了の際に当選希望番号の当選確率を高めた場合、5回目と6回目の抽選においてはその当選希望番号の当選確率は高い状態で抽選が行われるが、6回目の抽選終了の際にすべての未当選番号の当選確率は均一にリセットされる。6回目、8回目、10回目の抽選終了の際に当選希望番号の当選確率を高めた場合も同様である。
【0065】
図11は、アタック処理の流れを示すフローチャートである。
このアタック処理は、4回目以降の各抽選の終了後に開始する。当選確率が高められている状態の当選希望番号が抽選により当選すると(S31)、ゲーム進行制御部101は、RAM7のアタックゲージ記憶領域に記憶されているアタックゲージデータを所定量だけ増加させる処理を行う(S32)。また、ゲーム進行制御部101は、ステーション表示部103に表示命令を出力して、タッチパネル11のゲーム画面上におけるアタックゲージ表示欄11fのアタックゲージを増加させる。
【0066】
その後、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選終了の際、すなわち、当選確率変更処理の開始条件が満たされているとき(S33)、ゲーム進行制御部101は、RAM7のアタックゲージ記憶領域に記憶されているアタックゲージデータが規定量(満タン)に達しているか否かを判断する(S34)。満タンでないと判断した場合には、上述した通常の当選確率変更処理により当選希望番号の当選確率を高めることができる(S20)。一方、満タンであると判断した場合には、ゲーム進行制御部101は、対応するステーション10におけるアタック操作を許可する(S35)。具体的には、ゲーム進行制御部101は、ステーション表示部103に対して、プレイヤーが当選を希望する番号をタッチし、その後にアタックボタン12を押すことを促す説明文画像を表示させる表示命令を出力する。これにより、ステーション表示部103は、タッチパネル11のゲーム画面上にその旨の説明文画像を表示する。この説明文画像を見たプレイヤーは、制限時間内に(S38)、タッチパネル11のゲーム画面上に表示されているビンゴ画像における未当選番号の番号画像の中から1つを選んでその番号に触れた後、アタックボタン12を好きなだけ押す(S36)。すると、その触れた番号を示す当選希望番号情報がアタックボタン12を押した回数だけ入力制御装置17から出力され(S37)、これらの当選希望番号情報がゲーム進行制御部101に受け付けられる。
【0067】
これらの当選希望番号情報を受け付けたゲーム進行制御部101は、変動量決定手段として機能し、当選希望番号情報を出力した数が多いほどその出力元のステーションでプレイするプレイヤーが希望する当選希望番号の当選確率の上昇量が大きくなるという所定の変動量決定条件に従って、その当選希望番号の当選確率の上昇量を決定し、当選確率変更部106が、その上昇量分だけその当選希望番号の当選確率が上昇するように、当選確率データを変更する。本実施形態では、通常の当選確率変更処理では1つのステーション10から1つの当選希望番号情報しか出力できないが、アタック操作を行えば1つのステーション10から同じ当選希望番号について複数の当選希望番号情報を出力することができる。よって、アタック処理によれば、通常の当選確率変更処理の場合に比べて当選希望番号の当選確率を大幅に上昇させることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、アタック処理時においてアタックボタン12を押すと当選希望番号の当選確率が高まるだけであるが、そのアタックボタン12を押したときに追加ベットするようにしてもよい。一般に、ベットするクレジット量が多いほど多くのクレジットを失うリスクが高まる。よって、この場合には、当選希望番号の当選確率を高めるほど、多くのクレジットを失うリスクが高まるので、単に当選希望番号の当選確率を高めるだけの場合に比べて良好なゲームバランスが得られる。
また、以上で説明したアタック操作は、4回目、6回目、8回目、10回目の抽選が終了した際に行うことが可能であるが、ステーション10のタッチパネル11上にビンゴカード画像が表示されてから1回目の抽選で決定した当選番号が報知される前に行うようにしてもよい。1回目の当選番号が報知される前であってもビンゴカード画像を見たプレイヤーは、ビンゴ成立に有利な位置又は自分の好みの位置に配置された番号の当選を希望する場合があるからである。
【0069】
また、ビンゴゲーム開始時にベットしたベット量の多いプレイヤーが当選を希望する当選希望番号ほどその当選確率が高まるようにしてもよい。この場合も、多くのクレジットを失うリスクが高いプレイヤーほど当選希望番号の当選確率を高めることができるので、単に当選希望番号の当選確率を高めるだけの場合に比べて良好なゲームバランスが得られる。
また、1つの当選希望番号情報により当選確率を高められる度合が、その当選希望番号情報の送信元のステーション10に対応した配列情報についてリーチフラグが立っているか否かによって変わるようにしてもよい。この場合、リーチになったプレイヤーほど当選希望番号の当選確率を高めることができる。したがって、リーチ状態にあるときとそうでないときとで、当選希望番号の当選確率についてプレイヤーの優劣が異なり、ゲーム性が向上する。
【0070】
次に、本発明の特徴部分である、ビンゴカード生成表示処理について説明する。
図1は、本実施形態におけるビンゴカード生成表示処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態においては、1〜4回目の抽選を実行した後(S2)、ゲーム進行制御部101は、カード生成部102へカード生成命令を出力する。これにより、カード生成部102は、配列決定プログラムを実行し、まず、RAM7のペイアウト率記憶領域に記憶されているペイアウト率データと、RAM7の設定ペイアウト率記憶領域に記憶されている設定ペイアウト率データとを読み出す。ペイアウト率データは、所定期間内に受け付けたクレジットの総量と、その所定期間内に払い出した配当の総量との比率であるペイアウト率を示すものである。この所定期間は、適宜設定することができ、例えば1週間や1ヶ月という一定期間に設定してもよいし、本ビンゴゲーム機を設置してから現在までに設定してもよい。このペイアウト率データの記憶処理は、ゲーム進行制御部101がメダル管理装置18と協働して行う。また、RAM7の設定ペイアウト率記憶領域に記憶されている設定ペイアウト率データは、目標とするペイアウト率(設定ペイアウト率)を示すものであり、一般には90%程度に設定される。そして、ペイアウト率データ及び設定ペイアウト率データを読み出したカード生成部102は、これらのデータがそれぞれ示すペイアウト率及び設定ペイアウト率を比較する(S41)。
【0071】
カード生成部102は、この比較結果に基づいて、1〜4回目の抽選で選択された4つの事前当選番号を、5×5のマトリクス配列上の位置に割り当てる。具体的に説明すると、本実施形態では、4つの事前当選番号の配置を示す何通りかの配置パターンが予めROM8に記憶されている。これらの配置パターンは、本実施形態ではビンゴ発生確率に応じて2段階に分類される。すなわち、ビンゴ発生確率は4つの事前当選番号の配置によって数学的に算出することができるので、算出されるビンゴ発生確率に応じ、配置パターンは、ビンゴ発生確率が相対的に高い高ビンゴ確率配置パターンと、ビンゴ発生確率が相対的に低い低ビンゴ確率配置パターンの2段階に分類される。一例を挙げれば、高ビンゴ確率配置パターンは、マトリクス配列上において縦方向、横方向及び斜め方向のいずれか1つのライン上に4つの事前当選番号が3以上配置されるパターンとし、低ビンゴ確率配置パターンは、マトリクス配列上において縦方向、横方向及び斜め方向の1つのライン上に4つの事前当選番号が2つ以上配置されないパターンとする。
また、各分類にはそれぞれ数通りの配置パターンが属している。本実施形態では、各分類にそれぞれ6通りの配置パターンが属しているので、合計12通りの配置パターンがROM8に記憶されている。なお、分類の数や各分類に属する配置パターンの数などは任意に設定することができる。
【0072】
カード生成部102は、上記S41の比較の結果、ペイアウト率が設定ペイアウト率以上であると判断した場合、ビンゴ発生確率が低い低ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンの選定確率を高くする処理を行う(S42)。具体的には、低ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンの方が、高ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンによりも選定確率が高い選定確率データをRAM7の選定確率記憶領域に記憶する。一方、上記S41の比較の結果、ペイアウト率が設定ペイアウト率未満であると判断した場合、カード生成部102は、ビンゴ発生確率が高い高ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンの選定確率を高くする処理を行う(S43)。具体的には、高ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンの方が、低ビンゴ確率配置パターンに分類される6つの配置パターンによりも選定確率が高い選定確率データをRAM7の選定確率記憶領域に記憶する。そして、カード生成部102は、RAM7の選定確率記憶領域に記憶されている選定確率データが示す各配置パターンの選定確率に従った選定を抽選により行う。この抽選の方法は、抽選部105で行う抽選方法と同様である。そして、この抽選により、12個の配置パターンの中から所定数の配置パターンが選定される(S44)。配置パターンの選定数は、ベットを受け付けたステーション10のタッチパネル11に表示されるビンゴカード画像の数と同じである。
【0073】
なお、本実施形態では、ペイアウト率が設定ペイアウト率以上である場合にも高ビンゴ確率配置パターンに分類される配置パターンが選定されることがあり、逆にペイアウト率が設定ペイアウト率未満である場合にも低ビンゴ確率配置パターンに分類される配置パターンが選定されることがある。これは、ペイアウト率が設定ペイアウト率以上である時期にはビンゴが出やすくなり、ペイアウト率が設定ペイアウト率未満である時期にはビンゴが出にくくなるという、ビンゴが出やすさの時期的なムラを抑制するためである。もちろん、配置パターンの選定方法は上述したものに限らず、例えばペイアウト率が設定ペイアウト率以上である場合には低ビンゴ確率配置パターンに分類される配置パターンの中から選定するようにし、ペイアウト率が設定ペイアウト率未満である場合には高ビンゴ確率配置パターンに分類される配置パターンの中から選定するようにしてもよい。この場合、ペイアウト率のコントロールが容易となり、ペイアウト率を容易に設定ペイアウト率に近づけることができる。
【0074】
このようにして配置パターンを選定したら、カード生成部102は、その配置パターンが示す4つの位置に、1〜4回目の抽選で選択された4つの事前当選番号を割り当てる(S45)。そして、これらの事前当選番号以外の番号であって互いに異なる番号を、この4つの位置以外の位置にそれぞれランダムに割り当てる(S46)。これにより、選定された配置パターンが示す4つの位置にそれぞれ事前当選番号が割り当てられたマトリクス配列が決まり、カード生成部102は、そのマトリクス配列を示す配列情報を生成し(S47)、生成した配列情報をRAM7の配列情報記憶領域に記憶する。これにより、RAM7の配列情報記憶領域には、配置パターンの選定数すなわちベットを受け付けたステーション10のタッチパネル11に表示されるビンゴカード画像の数と同じ数の配列情報が記憶される。
【0075】
カード生成部102が配列情報を生成したら、ゲーム進行制御部101は、配列情報をRAM7の配列情報記憶領域から読み出し、その配列情報に基づくカード表示命令をステーション表示部103へ出力する。これにより、当該プレイヤーがメダルを投入したステーション10のタッチパネル11上に、「1」〜「25」の番号画像が5×5のマトリクス状に配列されたビンゴカード画像が2つ表示される(S48)。
なお、本実施形態では、1つのステーション10のタッチパネル11に2つのビンゴカード画像を表示する場合について説明するが、1つのビンゴカード画像を表示したり、3つ以上のビンゴカード画像を表示したりするようにしてもよい。ビンゴカード生成表示処理の詳しい内容については後述する。
【0076】
以上のように、本実施形態では、一ビンゴゲーム期間内に12回の抽選を行い、その抽選により選択した当選番号がRAM7の当選番号記憶領域に記憶される。そして、この当選番号記憶領域に記憶されている複数の当選番号に基づき、ビンゴが成立したか否かを判定し、ビンゴが成立すれば配当を払い出す。このようなビンゴゲームにおいては、ビンゴの成立しやすさ又は成立しにくさを決める決定要素は、マトリクス配列上における当選番号の配置である。そして、本実施形態では、12回の抽選のうちの1〜4回目の抽選については配列情報生成前に行い、配列情報生成前に選択した事前当選番号(1〜4回目の抽選で選択した番号)に基づいてマトリクス配列を決定して配列情報を生成する。また、その事前当選番号については100%の確率で当選対象となり、RAM7の当選番号記憶領域に記憶される。このように、100%の確率で当選対象となる事前当選対象に基づいて配列情報を生成することから、本実施形態によれば、一ビンゴゲーム期間内における1〜4回目の抽選による当選番号の配置をコントロールすることが可能である。すなわち、ビンゴの成立しやすさ又は成立しにくさを決める決定要素をコントロールすることが可能である。その結果、ビンゴが成立したときに払い出す配当をコントロールすることができるので、上述したようにペイアウト率を設定ペイアウト率に近づけることができる。
【0077】
〔変形例〕
次に、上記実施形態の一変形例について説明する。
本変形例では、上記実施形態と同様にカード生成部102が配列情報を生成する前に4つの事前当選番号を選定する処理を行うが、この選定処理で選定された事前当選番号が必ずしも当選番号にはならない。詳しくは、本変形例では、1〜12回目の抽選は配列情報生成後に行うが、1〜4回目の各抽選においてはそれぞれ4つの事前当選番号のうちの1つの当選確率が非常に高い当選確率データを用いて抽選を行う。以下、具体的に説明する。
【0078】
図12は、本変形例におけるビンゴゲームの流れを示すフローチャートである。
本変形例においては、上記実施形態と同様にベット受付をした後(S1)、4つの事前当選番号の選定処理を行う(S51)。具体的には、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に1回目の選定命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、4つの事前当選番号(事前当選対象)を決定する。このときの当選確率データは、25個の番号の当選確率が均等であるものである。
【0079】
このようにして4つの事前当選番号を選定したら、次に、ゲーム進行制御部101は、これらの4つの事前当選番号を用いて、上記実施形態と同様にビンゴカード生成表示処理を行う(S40)。これにより、これらの4つの事前当選番号がペイアウト率に応じて配置された配列情報が生成され、その配列情報に基づくビンゴカード画像がステーション10のタッチパネル11に表示される。
【0080】
次に、ゲーム進行制御部101は、4つの事前当選番号のうちの1つである第1事前当選番号の当選確率が非常に高く(本変形例では95%とする。)、4つの事前当選番号を除く21個の番号の当選確率が均等である当選確率データを、当選確率変更部106に生成させる(S52)。よって、本変形例では、他の3つの事前当選番号の当選確率は0%である。具体的には、ゲーム進行制御部101は、1回目の抽選用の当選確率データ生成命令を出力する。これにより、当選確率変更部106は、その命令に従い、上述したように第1事前当選番号の当選確率が95%に設定された1回目の抽選用の当選確率データを生成し、その当選確率データをRAM7の当選確率記憶領域に記憶する。その後、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に1回目の抽選開始命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、当選番号を決定する(S53)。この1回目の抽選では、第1事前当選番号が95%の確率で当選番号になるので、第1事前当選番号は95%の確率で当選番号としてRAM7の当選番号記憶領域に記憶される。また、当選番号の決定後、上記実施形態と同様に抽選演出も行う(S53)。
【0081】
次に、ゲーム進行制御部101は、2回目の抽選用の当選確率データを生成する(S54)。本変形例でも、2回目以降の抽選ではそれまでに当選した当選番号を除く未当選番号の中から当選番号を選択する。よって、2回目の抽選用の当選確率データを生成する際には、第1事前当選番号を除く3つの事前当選番号のうちの1つである第2事前当選番号の当選確率が非常に高く(本変形例では95%とする。)、1回目の抽選で当選した当選番号を除く残りの番号の当選確率が均等である当選確率データを、当選確率変更部106に生成させ、その当選確率データをRAM7の当選確率記憶領域に記憶させる。その後、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に2回目の抽選開始命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、当選番号を決定する(S55)。この2回目の抽選では、第2事前当選番号が95%の確率で当選番号になるので、第2事前当選番号は95%の確率で当選番号としてRAM7の当選番号記憶領域に記憶される。また、当選番号の決定後、上記実施形態と同様に抽選演出も行う(S55)。
【0082】
次に、ゲーム進行制御部101は、3回目の抽選用の当選確率データを生成する(S56)。具体的には、3回目の抽選用の当選確率データを生成する際には、第1事前当選番号及び第2事前当選番号を除く2つの事前当選番号のうちの1つである第3事前当選番号の当選確率が非常に高く(本変形例では95%とする。)、1回目及び2回目の抽選で当選した2つの当選番号を除く残りの番号の当選確率が均等である当選確率データを、当選確率変更部106に生成させ、その当選確率データをRAM7の当選確率記憶領域に記憶させる。その後、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に3回目の抽選開始命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、当選番号を決定する(S57)。この3回目の抽選では、第3事前当選番号が95%の確率で当選番号になるので、第3事前当選番号は95%の確率で当選番号としてRAM7の当選番号記憶領域に記憶される。また、当選番号の決定後、上記実施形態と同様に抽選演出も行う(S57)。
【0083】
次に、ゲーム進行制御部101は、4回目の抽選用の当選確率データを生成する(S58)。具体的には、4回目の抽選用の当選確率データを生成する際には、残りの事前当選番号である第4事前当選番号の当選確率が非常に高く(本変形例では95%とする。)、1〜3回目の抽選で当選した3つの当選番号を除く残りの番号の当選確率が均等である当選確率データを、当選確率変更部106に生成させ、その当選確率データをRAM7の当選確率記憶領域に記憶させる。その後、ゲーム進行制御部101は、抽選部105に4回目の抽選開始命令を出力し、抽選部105は、RAM7の当選確率記憶領域に記憶された当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従ってコンピュータ抽選を行い、当選番号を決定する(S59)。この4回目の抽選では、第4事前当選番号が95%の確率で当選番号になるので、第4事前当選番号は95%の確率で当選番号としてRAM7の当選番号記憶領域に記憶される。また、当選番号の決定後、上記実施形態と同様に抽選演出も行う(S59)。
【0084】
以上のようにして1〜4回目の抽選及び演出を終えたら。その後の処理は上記実施形態と同様である(S4〜S15、S20)。
【0085】
本変形例によれば、4つの事前当選番号に基づいて配列情報を生成しても、その事前当選番号が必ずしも当選番号になるとは限らない。したがって、ペイアウト率のコントロール精度は、上記実施形態に比べて多少劣ることになるが、ペイアウト率を十分にコントロールすることはできる。
【0086】
なお、上述した説明では、ペイアウト率を調整する目的で、事前当選番号に基づき配列情報を生成する場合を例に挙げたが、他の目的を達成するために事前当選番号に基づき配列情報を生成するようにしてもよい。例えば、特定の時間帯(午前中等)にビンゴが揃いやすくすることを目的にその時間帯だけビンゴが揃いやすい配列情報を生成するようにしてもよい。また、例えば、各プレイヤーごとの個別ペイアウト率の履歴をとっておいて個別ペイアウト率が低いプレイヤーに対してはビンゴが揃いやすい配列情報を生成するようにしてもよい。
また、上述した説明では、当選確率変更処理によりプレイヤーが当選を希望する当選希望番号の当選確率を変更し得るビンゴゲームを例に挙げたが、このような当選確率変更処理を行わない一般的なビンゴゲームにも同様に適用できる。
また、上述した説明では、1〜4回目の抽選において所定の確率で当選番号になる事前当選番号に基づいて配列情報を生成する場合について説明したが、事前当選番号が所定の確率で当選番号になる抽選回は、どの回であってもよい。したがって、例えば、3〜8回目の抽選において所定の確率で当選番号になる事前当選番号に基づいて配列情報を生成するようにしてもよいし、すべての抽選において所定の確率で当選番号になる事前当選番号に基づいて配列情報を生成するようにしてもよい。また、事前当選番号の当選確率が設定されてさえいれば特に何回目の抽選と決めることなく、最初からその事前当選番号が当選するまで全抽選で当選確率が事前当選番号に設定された抽選を行っても良い。
【0087】
また、上述した説明では、本発明を業務用ゲーム装置としてのメダルゲーム機であるビンゴゲーム機に適用した場合を例に挙げて説明したが、ビンゴゲーム機だけでなく、一ゲーム期間内に所定回数の選択を行って複数の当選対象を選択し、生成した配列情報が示す選択対象配列上における当該複数の当選対象の配列が特定配列であるか否かを判定するゲームを実行可能なゲーム装置であれば、家庭用ゲーム機や硬貨用ゲーム機などの他のゲーム装置にも同様に適用することができる。
また、上述した説明では、最大7人のプレイヤーが同時に参加できる複数人参加型のゲーム装置を例に挙げて説明したが、1人だけでプレイするゲーム装置であっても同様である。
また、上述したビンゴゲーム機を複数台ネットワークを介して接続し、複数台のビンゴゲーム機で同じ抽選結果を用いるビンゴゲームを行うことも可能である。
また、上述したいずれの抽選も、当選確率データにより決まる各番号の当選確率に従った抽選プログラムを実行することにより当選番号を決定するというコンピュータ抽選であるが、抽選物体を移動させてその抽選物体の移動結果に基づいて当選対象を決定するという物理抽選などの他の抽選方式であってもよい。
【0088】
また、上述したビンゴゲーム機が備える構成の一部を、プレイヤーが保持するデータ通信機能を備えた携帯電話機等の通信端末に設けてもよい。なお、この場合には、ビンゴゲーム機には、当該通信端末との間でネットワークを介してデータ通信を行うための通信手段を設ける必要がある。
具体例を挙げると、上述した大型ディスプレイ2に表示されるルーレット画像(当選確率画像)を当該通信端末の表示手段に表示させる例が挙げられる。この例においては、そのルーレット画像を通信端末の表示手段に表示させるためのデータを上記通信手段からネットワークを介してその通信端末に送信するようにする。そして、当選確率変更部106が当選確率データを変更したときには、通信端末の表示手段に表示されているルーレット画像をその変更後の当選確率データに従ったものに変更するためのデータを、上記通信手段からネットワークを介してその携帯通信端末に送信するようにする。これにより、プレイヤーは、大型ディスプレイ2を見なくても、自分が保持する通信端末の表示手段を見ることでルーレット画像を確認することができる。なお、大型ディスプレイ2に表示されるすべての画像を当該通信端末の表示手段に表示させるようにすれば、大型ディスプレイ2を設ける必要がなくなる。
他の具体例としては、プレイヤーが当選を希望する番号を選択する操作をステーション10のタッチパネル11ではなく、通信端末の操作手段を用いて行う例が挙げられる。この例においては、例えば通信端末の操作手段をプレイヤーが操作して自分が当選を希望する番号を選択したときに通信端末から当選希望番号情報を送信するようにする。そして、この当選希望番号情報を上記通信手段が受信したら、ゲーム進行制御部101は、受信した当選希望番号情報に基づいてプレイヤーが当選を希望する当選希望番号を決定するようにする。
更に他の具体例としては、ステーション10に備わっている構成をすべて通信端末にもたせる例も挙げられる。この場合、プレイヤーは、ステーション10を用いなくても、自分の保持する通信端末を用いてプレイすることができる。ただし、この場合には、メダル投入口13やメダル受取口14などのメダルの受け渡しに関する機構については通信端末にもたせることが困難なので、メダルを用いずにクレジットデータによりベットや配当払い出しを行うようにする。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】実施形態におけるビンゴゲーム機におけるビンゴカード生成表示処理の流れを示すフローチャート。
【図2】同ビンゴゲーム機全体の外観斜視図。
【図3】同ビンゴゲーム機のステーションの正面図。
【図4】同ステーション10の上面図。
【図5】同ビンゴゲーム機の主要なハードウェア構成を示すブロック図。
【図6】同ビンゴゲーム機における主要部を示す機能ブロック図。
【図7】同ステーションのタッチパネル上に表示されるゲーム画面を示す説明図。
【図8】同ビンゴゲーム機によるビンゴゲームの流れを示すフローチャート。
【図9】同ビンゴゲーム機の大型ディスプレイ上に表示されるメイン画面を示す説明図。
【図10】当選確率変更処理の流れを示すフローチャート。
【図11】アタック処理の流れを示すフローチャート。
【図12】変形例におけるビンゴゲームの流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0090】
2 大型ディスプレイ
7 RAM
8 ROM
9 補助記憶装置
10 ステーション
11 タッチパネル
12 アタックボタン
18 メダル管理装置
20 コンピュータ抽選装置
101 ゲーム進行制御部
102 カード生成部
103 ステーション表示部
104 メイン表示部
105 抽選部
106 当選確率変更部
107 ビンゴ判定部
108 オッズ管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択対象の中から当選対象を選択する当選対象選択手段と、
一ゲーム期間内に該当選対象選択手段を用いて所定回数の選択を行うゲームの進行を制御するゲーム制御手段と、
該複数の選択対象の一部又は全部を用いた選択対象配列を示す配列情報を生成する配列情報生成手段と、
該配列情報生成手段により生成された配列情報が示す選択対象配列に含まれる各選択対象にそれぞれ対応した複数の選択対象画像を該配列情報に基づいて配列した配列画像を表示する配列画像表示手段と、
該一ゲームの期間内に該当選対象選択手段が選択した当選対象を記憶する当選対象記憶手段と、
該当選対象記憶手段に記憶されている複数の当選対象に基づき、該配列情報が示す選択対象配列上における該複数の当選対象の配列が特定配列であるか否かを判定する判定手段とを有するゲーム装置において、
上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部又は全部の選択を、上記配列情報生成手段による配列情報生成前に行い、
該配列情報生成手段は、該当選対象選択手段が配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいて上記選択対象配列を決定して、決定した選択対象配列を示す配列情報を生成し、
上記当選対象記憶手段は、該事前当選対象を所定の確率で当選対象として記憶することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1のゲーム装置において、
上記当選対象記憶手段が上記事前当選対象を当選対象として記憶するときの上記所定の確率は100%であることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2のゲーム装置において、
上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであって、少なくとも配列情報生成後に行う選択については抽選により当選対象を選択するものであることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3のゲーム装置において、
上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであり、
上記当選対象選択手段が配列情報生成後に行う抽選では、配列情報生成前に選択した事前当選対象のうち当選対象として上記当選対象記憶手段に記憶されたものを上記複数の選択対象から除いた選択対象の中から当選対象を選択することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のゲーム装置において、
上記配列画像表示手段が上記配列画像を表示した後に上記当選対象記憶手段に記憶されている当選対象を報知する報知手段を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5のゲーム装置において、
上記当選対象選択手段は、上記一ゲーム期間内に行う上記所定回数の選択のうちの一部の選択を配列情報生成前に行うものであり、
上記報知手段は、上記事前選択対象のうち当選対象として上記当選対象記憶手段に記憶されたものと、該当選対象選択手段が配列情報生成後に選択した当選対象とを、略同一の報知態様により報知することを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6のゲーム装置において、
ベット対象のベットを受け付けるベット受付手段と、
配当を払い出す配当払出手段とを有し、
上記ゲーム制御手段は、上記判定手段が上記特定配列であると判定したとき、該ベット受付手段が受け付けたベット対象の量に応じた量の配当を該配当払出手段に払い出させる制御を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項7のゲーム装置において、
所定期間内に上記ベット受付手段が受け付けたベット対象の量と該配当払出手段が払い出した配当の量との比率であるペイアウト率を示すペイアウト率データを記憶するペイアウト率記憶手段を有し、
上記配列情報生成手段は、該ペイアウト率記憶手段に記憶されているペイアウト率データの示すペイアウト率が所定の設定ペイアウト率に近づくように、上記当選対象選択手段が配列情報生成前に選択した事前当選対象に基づいて上記選択対象配列を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8のゲーム装置において、
上記配列画像表示手段は、上記配列情報に基づいて上記複数の選択対象画像をマトリクス状に配列した配列画像を表示し、
上記判定手段は、該配列画像上における縦方向、横方向及び斜め方向の少なくとも1つのライン上に当選対象に対応した選択対象画像が並ぶときの配列を上記特定配列として判定を行うことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図7】
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