説明

ゲーム装置

【課題】ゲーム停止後のゲーム継続を可能とする新規なゲームシステムの提供。
【解決手段】操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行する処理手段と、ゲームの実行状態を停止させる停止手段と、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲーム停止以前のゲーム実行履歴状態を再現後、ゲーム停止点からゲームの継続が開始されるようにした継続手段と、を備えるゲーム装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に係わり、特に、仮想3次元空間において自動車などのオブジェクトを遊戯者の操作に応答させて移動させる状態の画像処理を実行するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータグラフィックス技術の発達に伴い、業務用、家庭用を問わず、シミュレーション装置やゲーム装置が広く一般に普及するようになっている。これらの装置の一つのジャンルとして、仮想3次元空間(ゲーム空間)に設定したコース上をオブジェクトとしての自動車を移動させて周回時間や周回数を競うドライビング(カーレース)ゲームがあり、根強い人気を得ている。
【0003】
このゲームを行なうシミュレーション装置又はゲーム装置(以下、ゲーム装置という)は、通常、予め記憶したゲームプログラムを実行するコンピュータ装置を内蔵した装置本体と、ゲームで表現させるオブジェクトの移動を指令する操作信号をコンピュータ装置に与える操作器(コントローラ)と、コンピュータ装置でゲームプログラムが実行されることによるゲーム展開に伴う画像を表示するディスプレイと、ゲーム展開に伴う音響を発生させる音響装置とを備える。
【0004】
このゲーム装置にあっては、遊戯者をドライバにみたてた自動車(オブジェクト)などがディスプレイに表示される。遊戯者は、操作器を操作して走行路、走行速度などの情報をコンピュータ装置に与える。コンピュータ装置は、この操作情報に応じて自動車の挙動をリアルタイムに計算して走行状態の画像データを求め、この画像データをディスプレイに表示させる。
【0005】
ディスプレイに表示させる画像には、遊戯者の自動車のみならず、道路標識なども背景とともに表示される。遊戯者は、ディスプレイに表示された走行路の曲がり具合、カーブなどを示す標識の内容、周りの景色の移動具合などから走行状態を読み取り、加速や減速を操作器(アクセルペダル、レバー、シフトレバーなど)を介して制御する。
【0006】
例えば、シミュレーション装置においては、前記操作器の操作が正確であればあるほど走行距離を伸ばすことができる。なお、このシミュレーション装置では、例えば、1単位のコインの投入によって所定時間での操作が可能となっており、運転技術が上達すればするほど走行距離や走行可能時間を伸ばせるようになっている。しかして、運転技術が未熟の場合には走行距離を伸ばすことができない。
【0007】
いずれにしても、所定時間が経過すると、ゲーム画面は停止して以後操作器による操作が継続できないこととなる。このとき、いわゆるコンティニュー画面が併せて表示される。このコンティニュー画面は、カウントダウン方式となっており、例えば10秒からカウントダウンし、この10秒が経過する前に新たにコインを投入することで、ゲームが終了した時点の状態からゲームを継続することができる。
【0008】
すなわち、ゲーム開始当初のスタート地点からゲームを再開することなく、ゲームの終了或いは一時停止の位置からゲームを継続することができる。このゲームの継続方法は従来から広く実行されている。この方法によれば、ゲームが一旦終了或いは中断しても、ゲームの開始当初の状態に戻ることなく、途中の状態からゲームを継続することができるという効果がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ゲームが終了或いは中断した時点で一旦ゲームの継続性が絶たれていることから、ゲームが途中の状態からいきなり再開されるとなると遊戯者はそのゲームの流れ速度に十分対応できずに運転操作の流れを見失い、運転操作を巧くこなすことができない。特に乗り物運転ゲームや格闘ゲームなど、乗り物や人物などのゲーム上のキャラクタに素早い動きを与えるようにしたゲーム装置では、ゲームの面白さを削ぐことにもなりかねない。
【0010】
本発明はこの課題を解決可能である新規なゲーム実行処理の継続技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明は、操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行する処理手段と、ゲームの実行状態を停止させる停止手段と、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲーム停止以前のゲーム実行履歴状態を再現後、ゲーム停止点からゲームの継続が開始されるようにした継続手段と、を備えるゲーム装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲームの停止以前の状態のゲーム画面が再現されるので、遊戯者は、ゲーム停止に至る過程を再認識できる。この再認識を経てゲーム停止状態からゲームが再開されて継続されることから、ゲーム停止後のゲーム処理のためのゲーム操作を遊戯者は結果的に巧くこなすことができる。
【0013】
さらに、本発明は、ゲーム画面が再現される過程において、遊戯者が操作端末を操作して入力が徐々にゲーム処理手段に有効になるので、ゲーム継続後のゲーム処理を遊戯者はさらに巧くこなすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0015】
この実施形態で実施するゲーム装置は、周回コース(走行ライン)を走行してラップタイムを競うドライビングゲームを提供する。
【0016】
図1に、このゲーム装置の電気的な概略ブロック図を示す。同図に示すように、ゲーム装置はゲーム処理ボード10を備える。このゲーム処理ボード10には、操作装置11、ディスプレイ12、スピーカ13、外部拡張コネクタ14などの装置が電気的に接続されている。遊戯者はディスプレイ12に表示されるゲーム画面を見ながら、操作装置11の各種デバイスを操作してドライビングゲームを行うことができる。
【0017】
ゲーム処理ボード10は、図示しないカウンタのほか、CPU(中央処理装置)21、ジオメトリプロセッサ22、システムメモリ23、プログラムデータ用ROM24、ブートメモリ25、バスコントローラ用のバスアービタ26、レンダリングプロセッサ27、グラフィックメモリ28、ビデオDAC29、オーディオプロセッサ30、オーディオメモリ31、オーディオDAC32を備え、これらの要素の一部同士がバスライン33により互いに接続されている。
【0018】
CPUは請求項に記載された各手段を実現する。システムメモリは、ゲーム実行処理履歴状態を記憶するようにも構成されている。ゲームの実行処理履歴状態とは、ゲームオーバー或いはポーズボタンによるゲーム停止以前の所定期間内のゲームの処理状態をいう。
【0019】
CPU21は、バスライン33を介してジオメトリプロセッサ22およびシステムメモリ23に接続されるとともに、バスアービタ26およびバスライン33を介して、その第1の系統はプログラムデータ用ROM24、ブートROM25に、その第2の系統はI/O34を経由して操作装置11に、その第3の系統は外部拡張コネクタ14に、その第3の系統はオーディオプロセッサ30に、その第4の系統はレンダリングプロセッサ27にそれぞれ接続されている。またレンダリングプロセッサ27はグラフィックメモリ28およびビデオDAC29に接続されている。オーディオプロセッサ30はオーディオメモリ31およびオーディオDAC32に接続されている。
【0020】
システムメモリ23は、この装置の所定プログラムや画像処理プログラムを予め記憶している。またブートROM25はシステム立ち上げ用のプログラムを予め記憶している。
【0021】
CPU21は、電源投入後、ブートROM25に記憶されている立ち上げ用プログラムを読み込んでシステムを起動し、その後はシステムメモリROM22に内蔵させたプログラムに基づいて各種の演算および制御に関わる処理を実行する。その処理には、予め設定した複数の運転モードから所望の運転モードを選択する処理、各運転モードに特有の処理、車両の挙動計算(シミュレーション)処理、および特殊効果の計算処理が含まれる。
【0022】
挙動計算は、仮想3次元空間(ゲーム空間)での車両の動きをシミュレートするものである。これを実行するには、仮想3次元空間における車両のポリゴンの座標値が決定された後、この座標値を2次元視野座標系に変換するための変換マトリクスと形状データ(ポリゴンデータ)とがジオメトリプロセッサ23に指定される。なお、ポリゴンデータとは、複数の頂点の集合からなるポリゴン(多角形:主に3角形、4角形)の各頂点の相対ないしは絶対座標の座標データ群を言う。
【0023】
プログラムデータ用ROM24(記憶媒体)には、複数のポリゴンから成る形状データ(各頂点から成るキャラクタ、地形、背景などの3次元データ)が予め記憶されている。この形状データはジオメトリプロセッサ22に渡される。ジオメトリプロセッサ22はCPU21から送られてくる変換マトリクスで、指定された形状データの透視変換を行い、3次元仮想空間での座標系から視野座標系に変換した形状データを得る。この形状データはレンダリングプロセッサ27に送られる。
【0024】
レンダリングプロセッサ27は、グラフィックメモリ28からテクスチャデータを読み出し、変換された視野座標系の形状データにこのテクスチャを貼り付け、ビデオDAC29内のフレームバッファに出力する。フレームバッファに一時記憶された車両、地形(背景)などのポリゴン画面(シミュレーション結果)と文字情報などのスクロール画面とが指定プライオリティにしたがって合成され、最終的なフレーム画像データが一定タイミング毎に生成される。このフレーム画像データはD/A変換されてディスプレイ12に送られ、ゲーム画面としてリアルタイムに表示される。
【0025】
オーディオプロセッサ30はCPU21からの指令に基づき音響データを生成し、このデータをオーディオDAC32を介してスピーカ13に出力する。これにより、音響データが電力増幅され、スピーカ13から音響として出力される。
【0026】
さらに操作装置11には、遊戯者が操作する運転モード選択スイッチ11a、ステアリング11b、アクセルペダル11c、ブレーキペダル11d、シフトレバー11e、ビューチェンジスイッチ11fなどが装備されている。これにより、遊戯者はディスプレイ12の表示画面を見ながら、運転モード選択情報、操舵角情報、加速情報、減速情報、変速機シフト位置情報、仮想3次元空間に置くカメラ視点の位置情報などのドライビング情報をI/F34を介してCPU21に与えることができる。
【0027】
上記構成により、遊戯者は所定の位置(ディスプレイ12が真正面となる位置)に着座し、操作装置11の各種デバイスに手足を配置することで、ゲーム操作の準備が完了する。
【0028】
ゲームがスタートすると、遊戯者はディスプレイ12に表示される画像をみながら、画面に表示されている車両を操作する。画像の中は三次元仮想空間とされ、直線及び曲線路、上り坂や下り坂、障害物等の時々刻々と変化する画像に基づいて各種操作端末(ハンドル、ギヤ、アクセル、ブレーキ)を操作することができるようになっている。ゲーム処理ボードは、これらの操作量から車両の挙動計算を行うとともに、走行路上にこの車両を配置する。車両の近傍(車両の斜め後方、或いは車両内のドライバーズアイ等)に仮想カメラを配置して、この仮想カメラからの映像を画面を作成して画面に表示するようにしている。
【0029】
遊戯者が運転を開始したのち、所定時間が経過すると、ゲーム処理ボードは、ゲーム停止の一態様としてのゲーム終了(ゲームオーバ)のための制御処理を実行する。ゲームオーバーの時点では、ゲームの画面はゲームオーバーの状態で停止されている。ゲームオーバーの際、コンティニュー表示がなされるようになっている。コンティニュー表示は、画面上で時計表示を10秒から0秒までカウントダウンさせている。このカウントダウン中に遊戯者がコインを投入すると、ゲームが完全に終了してスタート時の初期状態に戻ることなく、ゲームの停止状態からゲーム処理を継続することができる。
【0030】
このゲーム処理の継続のための制御処理において、既述のように、従来のゲーム装置はゲームオーバーの時点の停止状態の画面からゲーム処理が再開される。これに対して、この実施形態に記載されたゲーム装置では、ゲームオーバーに至る過去の状態からゲーム状態を再現した後ゲームオーバー時点の状態からゲーム処理を継続・再開させる。
【0031】
図2はこのゲームの継続制御処理の基本構成図である。図2において、ゲームは矢印の時間軸方向に進行する。ゲーム停止点とは、ゲームオーバーの時点や地点をいう。ゲーム再開点とは、ゲーム停止点に至るゲーム状態での過去の時点や地点をいう。ゲーム停止点からゲーム再開点までの連続したゲーム処理データは、前記システムメモリに記憶されている。両点間にあるゲーム処理状態は、ゲームの進行の過去の履歴であるゲーム実行履歴状態に対応する。
【0032】
ゲーム実行履歴状態とは、例えば所定の時間(数秒)や距離のゲームの処理の一連のデータに対応する。このデータとしては、過去のゲーム処理状態を示す画面データそのものであったり、或いは、遊戯者の操作データやそのデータに基づいて演算された物体の座標などの演算値である。後者の場合は、ゲーム処理ボードは、この演算値に基づいてゲーム再開点からゲーム停止点までのゲーム画面を再度演算して再現する。
【0033】
この図2におけるゲーム処理の継続のための制御態様には次のことがある。ゲーム停止状態からゲーム再開点まで一気に戻り、ゲーム再開点からのゲーム実行履歴状態を再現する形態。ゲーム停止状態からゲーム再開点までのゲーム実行履歴状態を逆再生し、次いで、このゲーム実行履歴状態を再現する形態。
【0034】
ゲーム実行履歴状態の再現量については次のとおりである。ゲームの実行履歴再現量、すなわち、ゲーム停止点からゲーム再開点までの間隔は、固定でも変動でもよい。前者の場合は所定時間、例えば、数秒、或いは所定の距離数、例えば、50−100mである。後者の場合の一例は、ゲーム停止点での仮想の車両の速度等のゲームの処理速度を一例とするゲーム状態の特性値に応じて前記ゲーム実行履歴再現量を変化させる。例えば、車両速度が高い場合には、同再現量を多くする。また、ゲームボードは、ゲーム中断またはゲームオーバーからゲーム再開までに経過した時間によって再現量を変化させることもできるし、また、遊戯者あるいはゲーム装置の保守者等によって任意に再現量を設定するための指令入力をゲームボードの所定記憶領域に設定することが、例えば、ゲーム処理ボードは、逆再生時に遊戯者が所定の操作ボタンを押し続けている間ずっと画面が逆再生するように制御することである。
【0035】
なお、ゲーム再開点からゲーム停止点(ゲーム継続点)までは、ゲーム実行履歴そのものではなく、これを変更させた再現も本発明の実施形態として許容される。この再現形態としては、遊戯者が理想的な操作をした場合の再現形態を用いても良い。例えば、車が衝突(クラッシュ)した直後にゲームオーバーになった場合、ゲームを継続(コンティニュー)しても、ゲーム再開からクラッシュに至るまでの再現を行った後操作が移行されるので、またクラッシュしやすい状況に陥りやすいことから、クラッシュを含まない或いはクラッシュをしにくいような再形態にゲーム実行履歴を変更して再現しても良く、また、後述のように、ゲーム再開点から遊戯者の操作入力を有効にして、ゲーム停止点における遊戯者が望まないゲーム状態に至ることを回避した再現形態でも良い。
【0036】
また、ゲームの実行履歴状態を再現中、遊戯者が過去に採ったハンドル操作形態をハンドル入力装置にフィードバックすることもできる。この結果、ゲーム継続点に至るゲーム実行履歴状態の再現期間中、遊戯者はハンドル操作を予備的に体感することができ、ゲーム継続状態に円滑に移行することができる。
【0037】
図2の制御がゲーム装置に適用されると、ゲーム停止点からゲーム再開点まで車両が逆戻りするゲーム画面が表示され、次いで、ゲーム再開点からゲーム停止点まで車両が進む画面が表示される。ゲーム停止点まで車が到達した時点からゲーム処理の継続が有効となる。この意味でゲーム停止点はゲーム継続点と一致する。但し、ゲーム処理の継続が開始されるゲーム継続点はゲーム停止点に一致しなくても良い。例えば、ゲーム停止点の僅か手前の地点にゲーム継続点があっても良い。
【0038】
次に、遊戯者がハンドル、ブレーキなどの入力手段を操作した場合、この操作とゲームの継続との関係について説明する。図3において、有効度とは、この操作量がゲーム処理に反映する程度であり、有効度が1とは、操作量をほぼ全てゲーム処理に反映する程度をいう。通常のゲーム実行処理期間中は有効度が1である。有効度が0とは、操作量が全くゲーム処理に影響しない程度をいう。ゲーム継続点から有効度は1になり、ゲーム再開点からゲーム継続点までは有効度は0である。すなわち、遊戯者はゲーム再開点からゲーム継続点までは入力端末を操作しても、車両を何等コントロールできない。
【0039】
図4は、図3の変更例である。ゲーム再開点からゲーム継続点まで前記有効度が徐々に0から1まで変化していく状態を示している。aは有効度の変化率がゲーム再開点において大きく、cは有効度の変化率がゲーム継続点において大きい場合を示している。bはこの変化率がゲーム再開点からゲーム継続点まで一定であることを示している。図3に示す実施形態の場合は、ゲーム再開点からゲーム停止点までの車両などの挙動計算値をメモリが記憶することにより、この記憶値に遊戯者の操作値を徐々に加えて車両の挙動演算を実行し、この演算結果の映像を再現しながらゲーム継続点からゲームを継続する。ゲーム継続点以降のゲームデータがゲームにおける遊戯者得点値となる。遊戯者はゲーム開始点からゲーム継続点までの間に、入力手段を駆使することによって、ゲーム継続点以降の状態をゲーム停止時よりか有利にすることができる。
【0040】
ゲーム処理ボードは、有効度(f)が0から1の場合、遊戯者の操作量にこのfの値を乗じてゲーム処理手段に渡し、ゲーム処理手段はこの補正後の入力値を用いてゲームプログラムで規定された所定の演算処理を実行させる。
【0041】
図3及び図4の実施形態とも、次の制御動作が付加的に実行されても良い。ゲーム停止状態では、入力手段の操作量が特定の場合で終わることがある。例えば、コースの途中のカーブの部分を車両が走行中にゲームオーバーとなるような場合である。この場合は、ゲーム再開点からゲーム継続点に至るまで、ハンドルの操舵角が中立の位置からゲームオーバーの際の操舵角まで、ゲーム処理ボードがハンドルを制御する。なお、前記システムメモリは、ゲーム実行期間中所定時間以内のゲーム状態を順次更新記憶する特定メモリ領域を備えている。
【0042】
次に、本発明の他の形態について説明する。この形態では、ゲーム処理ボードは、ゲームの停止がポーズボタンによって一時的に停止され、これを継続させる場合の後述の制御動作を実行する。なお、ポーズ機能を有するゲーム装置では、ポーズボタンを再度操作することによって、ポーズ状態からゲームが継続される。従来はポーズ状態から直ちにゲームが継続されていたが、この実施形態に係わるゲーム装置では、既述の図2乃至図4の制御動作を実行可能である。
【0043】
この実施形態が前記実施形態と異なる点は、次の点である。ゲーム処理ボードは、ゲーム再開点からゲーム継続点までの間、ゲーム画面にその旨例えば「自動再現中」の表示を行う。ゲーム停止点からゲームを継続させるか、前記ゲーム実行履歴状態を再現してからゲーム処理を継続するかを選択できる手段を、ゲーム装置が有している。ゲーム処理ボードは、ゲーム再開点からゲーム継続点までの所要時間を表示手段に表示する、或いは、ゲーム再開点からゲーム継続点までの所要時間をカウントダウン方式によって表示手段に表示する。また、ゲーム状態の記憶方法は次のとおりである。
【0044】
図5はこの記憶方式を説明する概念図である。システムメモリは、領域1と領域2の二つのゲーム実行履歴状態を記憶するメモリ部分を備えている。このメモリシステムは、ゲーム再開点からゲーム継続点までが3秒間、すなわち、自動再現時間が3秒間である場合に対応している。
【0045】
領域1及び2とも、6秒毎にその期間内の全ゲーム処理データを全て更新記憶できるように構成されている。各々の記憶領域の記憶開始のタイミングは3秒ずれている。ポーズボタンを押下した時点で、3秒以上記憶している領域のデータをゲーム処理ボードが読みとる。読みとったデータは3秒以上のデータであるが下記のいずれかの方法で自動再現を行う。
【0046】
3秒以上の記憶データを全て自動再現し、3秒前からゲーム継続点までカウントダウン表示を実行する。ポーズ中に、記憶した3秒以上の記憶分を高速で再現し、3秒前の時点で画面を止め、ポーズ解除後に3秒前からの自動再現を行うとともにカウントダウン表示を実行する。
【0047】
領域1及び2を設けることによって、ゲーム処理がどの時点で停止されようと、所定時間以上のゲーム状態が履歴として連続的に保存されるという効果を有する。
【0048】
なお、本実施形態では運転ゲームを例に採り説明したが、格闘ゲームなどキャラクタが素早く動く形態のゲームであれば、本発明の適用することが特に好適である。遊戯者はゲーム停止後のゲーム継続時にキャラクタの素早い動きに対応しなければならない。
【0049】
なお、従来ローリングスタートと呼ばれるゲームの開始方法がある。ローリングスタートは予め車を走行させながらレースをスタートさせるものである。スタート前の車の走行期間中、遊戯者の入力操作はゲーム処理ボードに有効とされない。このローリングスタートを本発明に係わるゲーム制御と比較すると、ゲーム継続点に至るまで車は走行している点では同じであるが、本制御では、ゲーム継続点に至るまでの車には、遊戯者の操作が100パーセントまたはある程度有効である点においてローリングスタートのためのゲーム処理とは相異する。
【0050】
ローリングスタートは、コンティニューや一時停止と異なり常にゲーム開始点が同じであり、また、通常遊戯社に操作が移行する地点は頻繁に操作を必要としない場所を選ぶことが多いため、ゲームの再現中に遊戯者の操作を有効にする必要がない。
【0051】
本発明によれば、過去のゲーム状態を再現しながらゲームを継続させることができるために、ゲームの停止時点からゲーム処理を円滑に遊戯者が行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のブロックである。
【図2】ゲーム処理を継続させるための制御態様の基本構成を示す特性図である。
【図3】ゲーム状態履歴再現期間中の遊戯者によるゲーム操作量とゲーム処理との関係図である。
【図4】その変形例である。
【図5】本発明の他の形態に係わるゲームの継続システムの基本構成である。
【符号の説明】
【0053】
10 ゲーム処理ボード11 操作装置12 ディスプレイ13 スピーカ21 CPU22 ジオメトリプロセッサ23 システムメモリ24 ROM26 バスアービタ27 レンダリングプロセッサ28 グラフィックメモリ29 ビデオDAC30 オーディオプロセッサ31 オーディオメモリ32 オーディオDAC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行する処理手段と、ゲームの実行状態を停止させる停止手段と、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲーム停止以前のゲーム実行履歴状態を再現後、ゲーム処理が継続されるようにした継続手段と、を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記継続手段は、ゲーム停止点からゲーム処理の継続が開始される請求1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記継続手段は、ゲーム停止地点以前の地点からゲーム停止地点迄のゲームの実行履歴状態を再現する請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記継続手段は、ゲーム停止時点以前からゲーム停止時点までのゲーム実行履歴状態を再現する請求項2記載のゲーム装置。
【請求項5】
ゲーム実行履歴状態の再現量は、ゲーム停止時点のゲームの処理状態に応じて制御される請求項1乃至4のいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項6】
ゲームの実行速度が早いほど、ゲーム停止地点からより以前の地点からのゲーム実行履歴状態が再現される請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記継続手段は、ゲーム停止時点から所定の時間以前分のゲーム実行履歴状態を再現してなる請求項4記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記継続手段は、ゲーム実行履歴再現中ゲーム継続点までカウントダウン表示可能に構成されてなる請求項1乃至3のいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記停止手段は、ゲームオーバーを実行する手段である請求項1乃至3のいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記停止手段は、ゲームの一時停止を実行する手段である請求項1乃至3のいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記継続手段は、所定時間内にゲームを継続するための入力があったことを条件として、前記ゲーム実行履歴状態を再現するようにし、この時間内にこの入力が無い場合には、ゲーム実行処理を完全に終了させるようにした請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記継続手段は、ゲームの実行履歴状態再現中に、ゲーム停止状態に至るまでのゲーム画面を表示手段に表示するように構成されてなる請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記継続手段は、ゲーム実行履歴状態再現開始前に、ゲーム実行処理が停止状態に至る仮定のゲーム画面を前記表示手段に逆再生させるように構成されてなる請求項12記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記継続手段は、前記ゲーム実行履歴状態再現期間中に、遊戯者からの前記処理手段に対する操作入力を有効にするように構成されてなる請求項2記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記継続手段は、前記ゲーム実行履歴状態再現期間中の遊戯者からの前記処理手段に対する操作入力を徐々に有効にするように構成されてなる請求項14記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記継続手段は、前記ゲーム実行履歴状態が前記ゲーム停止状態に至った後には、前記操作入力が完全に有効になるように構成されてなる請求項15記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記継続手段は、前記ゲーム実行履歴状態が前記ゲーム停止状態に至った後には、前記操作手段にある入力端末がゲームの停止状態の操作量を持つようになるように、この入力手段の入力端末を制御するように構成されてなる請求項1、2、14乃至16のいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記継続手段は、前記ゲーム実行履歴状態がゲーム停止状態に至った後に前記操作入力を有効にするように構成されてなる請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項19】
前記継続手段は、ゲーム実行履歴状態再現開始から前記ゲーム停止状態に至るまでの時間を表示手段に表示するように構成されてなる請求項1または2記載のゲーム装置。
【請求項20】
乗り物を運転するゲーム装置であって、遊戯者によって乗り物を操作するための運転用操作端末と、この操作端末の操作量に応じて乗り物運転ゲームを実行するゲーム処理手段と、ゲームオーバーの処理を実行するゲーム停止手段と、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲームオーバー以前の地点からゲームオーバーの地点までの前記乗り物ゲーム処理画面を表示手段上で再現し、この再現の過程で前記ゲームオーバーの地点に至るまで遊戯者による前記操作端末の操作が徐々に有効になるようにした継続手段とを、備えた乗り物運転用ゲーム装置。
【請求項21】
ゲーム実行処理を一時的に中断し、これを解除してゲーム実行処理を継続させるポーズ手段を設けたゲーム装置であって、遊戯者により操作される入力用端末と、この端末の操作量に応じてゲームを実行するゲーム処理手段と、ゲーム一時中断を解除してゲームを継続させる際、ゲームオーバー以前の所定の時間分のゲーム処理画面を表示手段に再現し、この再現が完了した時点から遊戯者の操作入力が可能になるようにし、かつ、操作入力が可能になったことを遊戯者に告知するようにした継続手段と、を備えたゲーム装置。
【請求項22】
請求項1または2記載の処理手段と停止手段とそして継続手段とをコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【請求項23】
請求項1または2記載の処理手段と停止手段とそして継続手段とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項24】
操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行でき、ゲームの実行状態を停止でき、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲーム停止以前のゲーム実行履歴状態を再現後、ゲーム停止状態からゲームの継続が開始されるようにした制御を実行するゲーム装置。
【請求項25】
操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行でき、ゲームの実行状態を停止でき、ゲーム停止後にゲームを継続させる際、ゲーム停止以前のゲーム実行履歴状態を再現後、ゲーム停止状態からゲームの継続が開始されるようにした制御を実行するゲーム処理方法。
【請求項26】
操作手段からの遊戯者の操作量に基づいて、時系列的に連続するゲームを実行する処理手段と、遊戯者によって実行されたゲーム状態をゲーム画面に再現する手段と、再現の過程中前記ゲーム状態で実行された遊戯者の前記操作手段に対する操作入力態様をこの操作手段に与える手段とを備えるゲーム装置。
【請求項27】
前記ゲーム実行履歴状態を再現中に、ゲーム実行履歴期間中に前記遊戯者が前記操作手段に与えた操作入力態様をこの操作手段で再現する手段とを備える請求項1または2記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−220983(P2008−220983A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120572(P2008−120572)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【分割の表示】特願平11−218016の分割
【原出願日】平成11年7月30日(1999.7.30)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】