説明

ゲーム装置

【課題】遊戯者が本物の自動車を用いて、仮想空間内での仮想自動車をよりリアルに走行させることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】載置台32に載置される自動車10の駆動輪12の回転速度を検出する回転速度検出手段34と、操舵輪14の操舵角を検出する操舵角検出手段36と、自動車のランプの点灯状態を検出するランプ点灯検出手段38,40とを設ける。自動車を操作する遊戯者に視認可能に所定の画像を表示する表示手段50,52を設け、回転速度検出手段により検出された駆動輪の回転速度と、操舵角検出手段により検出された操舵輪の操舵角と、ランプ点灯検出手段により検出されたランプの点灯状態とから算出された自動車の走行状態に基づいて、仮想空間内で仮想自動車を走行させ、走行する仮想自動車の走行状態に基づいた所定の画像を、表示手段により遊戯者に視認可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置に関し、特に、遊戯者が本物の自動車を操縦することにより仮想空間内で仮想自動車を走行させるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アミューズメント施設において人気のあるゲーム装置として、自動車を模した模擬操縦遊戯機が知られている。模擬操縦遊戯機は、自動車の操縦席を模した操縦装置とゲーム画面を表示する表示装置とからなっている。遊戯者は、操縦装置の座席部に座り、表示装置に映し出される映像を見ながら操縦装置の操縦部を操作し、模擬的に自動車の操縦を行う。
【0003】
自動車の操縦席を模した操縦装置の代わりに、遊戯者が本物の自動車により操縦するゲーム装置が知られている(特許文献1参照)。また、遊戯者が本物のオートバイを操縦するオートバイゲーム機が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
また、ゲームを行うものではないが、本物の自動車に近い模擬自動車を操作者が運転する自動車運転シミュレータが知られている(特許文献3参照)
また、実際に駆動する模型玩具を使用し、模型玩具の走行状態に基づいて仮想空間上で走行体を走行させるゲームを行うゲーム装置が知られている(特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平11−090038号公報
【特許文献2】特開平01−214385号公報
【特許文献3】実開平03−043676号公報
【特許文献4】特開2002−263368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、遊戯者が本物の自動車を用いて、仮想空間内での仮想自動車をよりリアルに走行させることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲーム装置は、自動車を載置するための載置台と、前記載置台に載置される自動車の駆動輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記載置台に載置される自動車の操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記載置台に載置される自動車のランプの点灯状態を検出するランプ点灯検出手段と、前記載置台に載置される自動車を操作する遊戯者に視認可能に所定の画像を表示する表示手段と、前記回転速度検出手段により検出された駆動輪の回転速度と、前記操舵角検出手段により検出された操舵輪の操舵角と、前記ランプ点灯検出手段により検出されたランプの点灯状態とから算出された自動車の走行状態に基づいて、仮想空間内で仮想自動車を走行させ、走行する仮想自動車の走行状態に基づいた所定の画像を、前記表示手段により遊戯者に視認可能に表示させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上述したゲーム装置において、前記ランプ点灯検出手段は、前記自動車のブレーキランプの点灯状態を検出し、前記制御手段は、前記ランプ点灯検出手段により検出された前記ブレーキランプの点灯状態に基づいて、前記仮想自動車にブレーキをかけるようにしてもよい。
【0008】
上述したゲーム装置において、前記ランプ点灯検出手段は、前記自動車の方向ランプの点灯状態を検出し、前記制御手段は、前記ランプ点灯検出手段により検出された前記方向ランプの点灯状態に基づいて、前記仮想自動車の方向指示を行うようにしてもよい。
【0009】
上述したゲーム装置において、前記表示手段は、前記自動車の窓ガラスに設ける半透明シートと、前記半透明シートに前記所定の画像を投影する投影手段とを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、自動車を載置するための載置台と、載置台に載置される自動車の駆動輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、載置台に載置される自動車の操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、載置台に載置される自動車のランプの点灯状態を検出するランプ点灯検出手段と、載置台に載置される自動車を操作する遊戯者に視認可能に所定の画像を表示する表示手段と、回転速度検出手段により検出された駆動輪の回転速度と、操舵角検出手段により検出された操舵輪の操舵角と、ランプ点灯検出手段により検出されたランプの点灯状態とから算出された自動車の走行状態に基づいて、仮想空間内で仮想自動車を走行させ、走行する仮想自動車の走行状態に基づいた所定の画像を、表示手段により遊戯者に視認可能に表示させる制御手段とを設けたので、遊戯者が本物の自動車を用いて、仮想空間内での仮想自動車をよりリアルに走行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[一実施形態]
本発明の一実施形態によるゲーム装置について図1乃至図5を用いて説明する。図1は本実施形態によるゲーム装置の概要を示す図であり、図2は本実施形態によるゲーム装置における自動車の走行状態の検出手段の説明図であり、図3は本実施形態によるゲーム装置における自動車のランプ検出手段の説明図であり、図4は本実施形態によるゲーム装置における自動車の操作検出手段の説明図であり、図5は本実施形態によるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態のゲーム装置30は、遊戯者が所有する自動車10をゲーム装置30内に乗り入れて、その本物の自動車10を操縦することによりゲーム装置30を操作するものである。遊戯者がいつも運転している自動車10により、バーチャルなレースゲーム等のゲームを楽しむことができる。
【0013】
図1に示すように、ゲーム装置30には、遊戯者所有の自動車10を乗り入れるための載置台32が設けられている。
【0014】
載置台32には、図2に示すように、自動車10の後輪12の位置にローラ34が設けられ、更に、ローラ34の回転を検出する回転検出装置(図示せず)が設けられている。ローラ34と回転検出装置(図示せず)により後輪検出装置80を構成している。後輪検出装置80は、制御部60に接続されている。
【0015】
遊戯者の自動車10の後輪12が駆動輪の場合には、駆動輪である後輪12が回転し、後輪12が回転するとローラ34も同様に回転するので、回転検出装置によりローラ34の回転を検出することにより、後輪検出装置80により駆動輪である後輪12の回転速度を検出することができる。
【0016】
なお、遊戯者の自動車10の前輪14が駆動輪で、後輪12が駆動輪でない場合には、後輪12は回転しないので、後輪12がローラ34上に載置されているだけとなる。
【0017】
載置台32には、図2に示すように、自動車10の前輪14の位置に左右に回転可能な回転台36が設けられ、更に、回転台36の回転角を検出する回転角検出装置(図示せず)が設けられている。回転台36と回転角検出装置(図示せず)により前輪検出装置82を構成している。前輪検出装置82は、制御部60に接続されている。
【0018】
遊戯者の自動車10の前輪14が操舵輪の場合には、前輪14の向きが回転すると回転台36も同様に回転するので、回転角検出装置により回転台36の回転角を検出することにより、前輪検出装置82により、操舵輪である前輪14の向きを検出することができる。
【0019】
なお、遊戯者の自動車10の前輪14が駆動輪でもある場合には、回転台36上のローラ37とローラ37に接続された回転検出装置(図示せず)により、前輪14の回転も検出するようにする。
【0020】
載置台32の前方及び後方には、載置台32に載置される自動車10の前部及び後部を撮像するためのカメラ38、40が設けられている。カメラ38、40は、制御部60に接続されている。
【0021】
自動車10の前部には、例えば、図3(a)に示すように、ヘッドランプ16と方向指示ランプ17とが設けられている。自動車10前方に設けられたカメラ38は、自動車10の前部を撮像して、撮影された画像から制御部60のCPU62により画像認識を行い、ヘッドランプ16と方向指示ランプ17の点灯状態を検出する。
【0022】
自動車10の後部には、例えば、図3(b)に示すように、ブレーキランプ18と方向指示ランプ19とが設けられている。自動車10後方に設けられたカメラ40は、自動車10の後部を撮像して、撮影された画像から制御部60のCPU62により画像認識を行い、ブレーキランプ18と方向指示ランプ19の点灯状態を検出する。
【0023】
載置台32の前方には、図1に示すように、ゲーム画像を表示するために、大型のスクリーン50が設けられている。スクリーン50に画像を投影するために、プロジェクタ52が設けられている。プロジェクタ52は、制御部60に接続されており、グラフィックプロセッサ52によって生成された画像をスクリーン50に投影する。
【0024】
スクリーン50は、自動車10の前方に位置するため、自動車10は、スクリーン50の画像表示面に対して対向する側から載置台32に移動する。
【0025】
載置台32には回転台36が載置面より下方に埋め込まれた状態で配置されているため、載置台32は、ゲーム装置においてその分だけ高い位置に位置することになる。
【0026】
これにより、スクリーン50の画像表示面に対して対向する側には、載置台32に向かって高くなるスロープ(図示しない)を設けている。
【0027】
載置台32の周囲には、図1に示すように、ゲーム音響を提供するために、スピーカー54が設けられている。スピーカー54は、制御部60に接続されている。
【0028】
尚、ゲーム音響は、スピーカー54を用いず、自動車10内のスピーカー(図示せず)にゲーム音響を出力するために、図1に示すように、FM送信装置58が設けるようにしてもよい。具体的には、FM送信装置58は、制御部60に接続されており、後述する制御部60により生成されたゲーム音響をFM送信装置58からFM電波として出力し、そのFM電波を自動車10のFMラジオ(図示せず)で受信して、自動車10内のスピーカー(図示せず)からゲーム音響を発することで可能となる。
【0029】
制御部60には、図5に示すように、制御部60全体をコントロールするCPU62と、ゲームプログラムやデータを記憶するメモリ64と、HDD66と、ゲームにおける画像表示のための所定の画像を生成するためのグラフィックプロセッサ68と、ゲームにおける音響のための所定の音声を生成するためのオーディオプロセッサ70と、周辺装置の信号入出力のための入出力インターフェース72とが設けられている。
【0030】
制御部60には、更に、各種データ等を出力するためのプリンタ74と、ICカード等のカードを読み書きするためのカードリーダライタ76が設けられている。また、制御部60は、LANインタフェース(図示せず)を介して外部ネットワークと接続することができる。
【0031】
グラフィックプロセッサ68には、図5に示すように、プロジェクタ52が接続されている。
【0032】
オーディオプロセッサ70には、図5に示すように、アンプ78が接続され、アンプ76にはスピーカー54が接続されている。
【0033】
オーディオプロセッサ70には、図5に示すように、FM送信装置58が接続するようにしてもよい。
【0034】
入出力インターフェース72には、図5に示すように、ローラ34の回転を検出する回転検出装置80と、回転台36の回転角を検出する回転角検出装置82と、自動車10の前部及び後部を撮像するためのカメラ38、40とが接続されている。
【0035】
また、載置台32の周囲には、ゲームの臨場感を提供するために、振動アクチュエータ56が設けられている。振動アクチュエータ56は、制御部60に接続されている。
【0036】
以上のような装置を用いることで、自動車10に対して何ら改造や改修を加えることなく、遊戯者が所有する個々の自動車を用いてレーシングゲームを楽しむことができる。
【0037】
尚、自動車10の種類や大きさ等によっては、載置台32上に自動車を載せることができない場合や、車幅やホイルベースの違いによってローラ34上と回転台36上のローラ37にそれぞれ後輪12と前輪14を乗せることができない場合がある。
【0038】
このような場合は、自動車10のハンドル(ステアリング)20に対する遊戯者の操作を検出するために、ハンドル用コントローラ42を設け、このハンドル用コントローラ42を、図4(a)、(b)に示すように、ハンドル20に装着する。ハンドル用コントローラ42には、回転センサ、制御部、無線送信部(図示せず)が設けられており、遊戯者によるハンドル20の回転を検出して、その検出信号を無線により制御部60に送信する。
【0039】
また、自動車10のブレーキペダル22に対する遊戯者の操作を検出するために、ブレーキ用コントローラ44を設け、このブレーキ用コントローラ44を、図4(c)に示すように、ブレーキペダル22に装着する。ブレーキ用コントローラ44には、圧力センサ、制御部、無線送信部が設けられており、遊戯者によるブレーキペダル22への踏み込み動作を検出して、その検出信号を無線により制御部60に送信する。
【0040】
更に、自動車10のアクセルペダル24に対する遊戯者の操作を検出するために、アクセル用コントローラ46を設け、このアクセル用コントローラ46を、図4(d)に示すように、アクセルペダル24に装着する。アクセル用コントローラ46には、圧力センサ、制御部、無線送信部が設けられており、遊戯者によるアクセルペダル24への踏み込み動作を検出して、その検出信号を無線により制御部60に送信する。
【0041】
尚、制御部60の入出力インターフェース72には、ハンドル(ステアリング)20に対する遊戯者の操作を検出するハンドル用コントローラ42と、ブレーキペダル22に装着されるブレーキ用コントローラ44と、アクセルペダル24に装着されるアクセル用コントローラ46とを、無線ではなく配線によって接続するようにしても良い。
【0042】
次に、本発明の一実施形態によるゲーム装置の動作について説明する。
【0043】
ゲーム装置30は、例えば、仮想空間内に仮想自動車を走行させるゲームを実行する。
【0044】
遊戯者は自分の自動車10を運転して、ゲーム装置30の載置台32に駐車させる。
【0045】
遊戯者は、エンジンをかけたままゲーム開始の合図と共に、通常の運転と同様に、ハンドル(ステアリング)20、ブレーキペダル22、アクセルペダル24を操作して、自動車10を運転する。
【0046】
ゲーム装置10は、後輪検出装置80により後輪12の回転を検出し、前輪検出装置82により前輪12の回転角を検出し、遊戯者の操作を検出する。また、カメラ38、40により撮影された画像から制御部60により画像認識を行い、自動車10前部のヘッドランプ16、方向指示ランプ17と、自動車10後部のブレーキランプ18、方向指示ランプ19の点灯状態を検出する。
【0047】
ゲーム装置30の制御部60は、これらから自動車10の走行状態を把握し、その走行状態に基づいて、仮想空間内で走行する仮想自動車を走行させる。
【0048】
ゲーム装置30の制御部60は、走行する仮想自動車の走行状態に基づいた所定の画像と所定の音響を生成し、所定の画像をプロジェクタ52によりスクリーン50に投影し、ゲーム音響をスピーカー54から出力し、振動アクチュエータ56から所定の振動を出力する。
【0049】
遊戯者は、スクリーン50に投影された所定の画像を見ながら、自動車10を運転操作して、ゲームを実行する。
【0050】
尚、自動車10の種類や大きさ等によっては、載置台32上に自動車を載せることができない場合や、車幅やホイルベースの違いによってローラ34上と回転台36上のローラ37にそれぞれ後輪12と前輪14を乗せることができない場合は、遊戯者が自分の自動車10を運転して、ゲーム装置30の載置台32に駐車させた後、一旦自動車10のエンジンを停止させ、ハンドル(ステアリング)20にハンドル用コントローラ42を装着し、ブレーキペダル22にブレーキ用コントローラ44を装着し、アクセルペダル24にアクセル用コントローラ46を装着する。
【0051】
遊戯者は、ゲーム開始の合図と共に、通常の運転と同様に、ハンドル用コントローラ42、ブレーキ用コントローラ44、アクセル用コントローラ46を介して、ハンドル(ステアリング)20、ブレーキペダル22、アクセルペダル24にアクセル用コントローラ46を操作して、自動車10を擬似的に運転する。
【0052】
ゲーム装置10は、ハンドル用コントローラ42、ブレーキ用コントローラ44、アクセル用コントローラ46により、遊戯者の操作を検出することで、実際の自動車を用いて、ゲームを行なうことができる。
【0053】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0054】
例えば、上記実施形態では、ゲーム画像を表示するために、大型のスクリーン50を設け、プロジェクタ52によりゲーム画像を投影したが、図6に示すように、自動車10の窓ガラスに半透明シート90を装着し、その半透明シート90にプロジェクタ92によりゲーム画像を投影するようにしてもよい。自動車10の窓ガラスに直接ゲーム画像が投影されるので、よりリアルなゲームを楽しむことができる。
【0055】
また、上記実施形態では、載置台32に自動車10を載置し、自動車10の前輪12、後輪14をローラ34、回転台36で受けるようにしたが、自動車10を載置台32上でジャッキアップし、ジャッキアップされた状態で自動車10のエンジンをかけ、前輪12の向きを変え、後輪14を回転させ、それらの動きをカメラにより撮像し、前輪12、後輪14の動きである回転や操舵角を検出するようにしてもよい。これにより、駆動輪は空回りするため、自動車10が誤って進行方向に移動してしまうことを防ぐことが出来る。
【0056】
また、ジャッキアップと合わせて回転台36とローラ34も前輪12および後輪14に接した程度の状態でせり上げることで、自動車10の自重ほど回転台36とローラ34に重さをかけずに駆動輪を回転させることができるので、自動車10が誤って進行方向に移動してしまうことを防ぐことが出来る。
【0057】
また、車輪の左右方向の間隔や前後方向の間隔(ホイールベース)が異なる自動車の場合、回転台36またはローラ34の位置を変更できるよう、これらを水平方向に移動する移動手段(図示しない)を回転台36またはローラ34に設けても良い。
【0058】
尚、後輪14はステアリング操作とは関係なく、前輪のように向きは変わらないので、ローラ34は、左右の後輪に対して一直線上に同じローラを用いるようにしても良い。このとき、左右の回転台36の間隔が最大に開いた状態の左右のローラ37のそれぞれ外側の端までの距離と少なくとも同じ長さにしておくことが望ましい。このようにすることで、後輪14に対しては車幅に関係なくローラ34を左右へ移動させる必要を無くすことができる。
【0059】
回転台36やローラ34を、前後左右にそれぞれ移動させる場合、移動可能な隙間を載置台32に設ける必要がある。このとき、あまりに広い隙間を設けることは、自動車10が載置台32に移動してくる場合、その隙間に車輪が嵌ってしまう恐れがある。
【0060】
このため、回転台36やローラ34には、載置台32と重なる位置に床面(図示しない)を設け、回転台36やローラ34の移動に伴ってその床面が移動するようにすることで、車輪の隙間への脱輪を防止することが出来る。
【0061】
このとき、上記の通りローラ34は左右車輪12に共通であるため、移動は前後方向のみ行なえば良く、ホイールベースの違いによる調整は、ローラ34の自動車10に対する前後方向への移動のみで完了することが出来る。
【0062】
また、これにより、回転台36は、前輪14の幅の調整のみ行なえばよく、自動車10に対して左右方向の移動のみで調整を完了することが出来る。
【0063】
以上により、ローラ34および回転台36は、自動車10に対してそれぞれ前後方向、左右方向のみの移動を行なえばよくなるため、ローラ34および回転台36の水平方向の移動手段を簡略化することが出来る。
【0064】
また、前輪駆動車の場合、載置台32に移動してくる際、ローラ34が回転自在のままであった場合、ローラ34によって自動車10を前方に移動させることが出来なくなる。これは、後輪駆動車であっても同様の問題が発生する可能性がある。
【0065】
このため、ゲーム開始前においては、ローラ34やローラ37は回転しないよう固定させる回転固定手段(図示しない)を設けておくことが望ましい。自動車10が定位置についた時点でゲームを開始させる際に、回転固定手段によるローラ34やローラ37の固定を解除するよう制御部60が制御するようにしても良い。
【0066】
また、本発明のゲーム装置においては、仮想空間内で自動車のレースゲームを行うため、敵車となる仮想自動車は、本発明によって走行制御される他の遊戯者である場合と、CPU62によって制御される仮想自動車の場合がある。
【0067】
一般的に、ビデオレースゲームにおいては、実際の自動車が実際の道路を走行する場合よりも高速で走行させることによって、通常では味わえないスピード感を得ることが出来る。
【0068】
このため、実際の自動車から検出された走行状態のパラメータをそのままビデオゲーム内の仮想自動車に適用した場合は、ビデオレースゲーム固有のスピード感を得ることが出来ない。
【0069】
このため、実際の自動車から検出された走行状態のパラメータを、所定の倍率で修正し、この修正された走行状態のパラメータを用いてビデオレースゲームを行なうことが望ましい。
【0070】
本発明における検出された走行状態のパラメータは、プリンタおよび/またはICカード等のゲーム装置に対して着脱可能な記憶媒体に記録され、自動車の走行性能を遊戯者毎に記録として残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態によるゲーム装置の概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるゲーム装置における自動車の走行状態の検出手段の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態によるゲーム装置における自動車のランプ検出手段の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態によるゲーム装置における自動車の操作検出手段の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態によるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態によるゲーム装置における所定の画像を表示する表示手段の説明図である。
【符号の説明】
【0072】
10…自動車
12…後輪
14…前輪
16…ヘッドランプ
17…方向指示ランプ
18…ブレーキランプ
19…方向指示ランプ
20…ハンドル(ステアリング)
22…ブレーキペダル
24…アクセルペダル
30…ゲーム装置
32…載置台
34…ローラ
36…回転台
38、40…カメラ
42…ハンドル用コントローラ
44…ブレーキ用コントローラ
46…アクセル用コントローラ
50…スクリーン
52…プロジェクタ
54…スピーカー
56…振動アクチュエータ
58…FM送信装置
60…制御部
62…CPU
64…メモリ64
66…HDD
68…グラフィックプロセッサ
70…オーディオプロセッサ
72…入出力インターフェース
74…プリンタ
76…カードリーダライタ
78…アンプ
80…後輪検出装置
82…前輪検出装置
90…半透明シート
92…プロジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を載置するための載置台と、
前記載置台に載置される自動車の駆動輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記載置台に載置される自動車の操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記載置台に載置される自動車のランプの点灯状態を検出するランプ点灯検出手段と、
前記載置台に載置される自動車を操作する遊戯者に視認可能に所定の画像を表示する表示手段と、
前記回転速度検出手段により検出された駆動輪の回転速度と、前記操舵角検出手段により検出された操舵輪の操舵角と、前記ランプ点灯検出手段により検出されたランプの点灯状態とから算出された自動車の走行状態に基づいて、仮想空間内で仮想自動車を走行させ、走行する仮想自動車の走行状態に基づいた所定の画像を、前記表示手段により遊戯者に視認可能に表示させる制御手段と
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記ランプ点灯検出手段は、前記自動車のブレーキランプの点灯状態を検出し、
前記制御手段は、前記ランプ点灯検出手段により検出された前記ブレーキランプの点灯状態に基づいて、前記仮想自動車にブレーキをかける
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゲーム装置において、
前記ランプ点灯検出手段は、前記自動車の方向ランプの点灯状態を検出し、
前記制御手段は、前記ランプ点灯検出手段により検出された前記方向ランプの点灯状態に基づいて、前記仮想自動車の方向指示を行う
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、
前記表示手段は、
前記自動車の窓ガラスに設ける半透明シートと、前記半透明シートに前記所定の画像を投影する投影手段とを有する
ことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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