説明

コイル部品及びインピーダンスの調整方法

【課題】インピーダンスの調整を容易に行うことができるコイル部品及びインピーダンスの調整方法を提供する。
【解決手段】コモンモードフィルタ1では、第1〜第3巻芯部21〜23のそれぞれに第1〜第3巻線31〜33が巻回されており、中央に配置される第2巻芯部22に巻回される第2巻線32は、第2巻芯部22の両側に配置された第1及び第3巻芯部21,23に巻回される第1及び第3巻線31,33と巻回方向が逆になっており、且つ一端部が接地されている。このような構成において、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32の巻回数を変更すると、第2巻線32と第1巻線31及び第3巻線33との磁気結合の強度が変化し、これに伴いインピーダンスが変化する。そのため、第2巻線32の巻回数を変更することで、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品及びこのコイル部品におけるインピーダンスの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコイル部品として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1に記載のノイズフィルタ(コモンモードフィルタ)では、電源線に直列に接続された2本のコイルを、電源電流に対して負結合となるように互いに逆方向にトロイダルコアに巻回すると共に、グランドに接続された接地コイルをトロイダルコアに更に巻回している。これにより、ノイズフィルタでは、電源線に接続された2本コイルを流れるコモンモードノイズ成分に対して、接地コイルを流れるコモンモードノイズ成分が逆向きとなるため、コモンモードノイズ成分が除去されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−162425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のノイズフィルタでは、ノイズ除去性の向上を図るためにコモンモードインピーダンスを高くすべく巻線(コイル)の巻回数を増やすと、漏れ磁束が大きくなる。そのため、漏れ磁束の増大に伴いディファレンシャルインピーダンスも高くなり、信号伝送に悪影響を及ぼすおそれがある。このように、従来のノイズフィルタでは、インピーダンスの調整が容易ではなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インピーダンスの調整を容易に行うことができるコイル部品及びインピーダンスの調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るコイル部品は、互いに離間すると共に略平行に配置された第1〜第3巻芯部と、第1〜第3巻芯部の軸方向の両端のそれぞれを連結するように形成された一対の連結部とから構成されるコアと、第1〜第3巻芯部のそれぞれに巻回される第1〜第3巻線と、第1〜第3巻線に電気的に接続されると共に連結部に設けられた第1〜第3電極とを備え、第1巻芯部及び第3巻芯部は、第2巻芯部を両側から挟むように配置されており、中央に配置された第2巻芯部に巻回される第2巻線は、第1巻芯部及び第3巻芯部に巻回される第1巻線及び第3巻線と巻回方向が逆になっていると共に、一端が接地されていることを特徴とする。
【0007】
このコイル部品では、第1〜第3巻芯部のそれぞれに第1〜第3巻線が巻回されており、中央に配置される第2巻芯部に巻回される第2巻線は、第2巻芯部の両側に配置された第1巻芯部及び第3巻芯部に巻回される第1巻線及び第3巻線と巻回方向が逆になっており、且つ一端部が接地されている。これにより、各巻線を同相で流れるコモンモードノイズ成分に対して、第1巻線と第2巻線とによってインピーダンスを発生してコモンモードチョークコイルとして機能し、同様に第3巻線と第2巻線とによってインピーダンスを発生してコモンモードチョークコイルとして機能することにより、コモンモードノイズ成分を減衰させることができる。そして、このような構成において、第2巻芯部に巻回される第2巻線の巻回数を変更すると、第2巻線と第1巻線及び第3巻線との磁気結合の強度が変化し、これに伴いインピーダンスが変化する。そのため、第2巻線の巻回数を変更することで、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。したがって、コモンモードインピーダンスを高くすると共に、ディファレンシャルインピーダンスを低下させるようなインピーダンスの調整が容易にできる。
【0008】
また、第2巻芯部に巻回される第2巻線の巻回数は、第1巻芯部及び第3巻芯部に巻回される第1巻線及び第3巻線の巻回数よりも多いことが好ましい。このように、中央に配置された第2巻芯部における第2巻線の巻回数を増やすことにより、第2巻線と第1巻線及び第3巻線との磁気結合が高くなるので、コモンインピーダンスを高くしつつ、ディファレンシャルインピーダンスを低下させることができる。
【0009】
また、本発明は、上記のようにコイル部品の製造方法の発明として記述できる他に、以下のようにインピーダンスの調整法方の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明に係るインピーダンスの調整方法は、互いに離間すると共に略平行に配置された第1〜第3巻芯部と、第1〜第3巻芯部の軸方向の両端のそれぞれを連結するように形成された一対の連結部とから構成されるコアと、第1〜第3巻芯部のそれぞれに巻回される第1〜第3巻線と、第1〜第3巻線に電気的に接続されると共に連結部に設けられた第1〜第3電極とを備え、第1巻芯部及び第3巻芯部が第2巻芯部を両側から挟むように配置されているコイル部品のインピーダンス調整方法であって、中央に配置された第2巻芯部に巻回される第2巻線を、第1巻芯部及び第3巻芯部に巻回される第1巻線及び第3巻線の巻回方向と逆にすると共に、一端を接地することを特徴とする。
【0011】
また、第2巻芯部に巻回される2巻線の巻回数を、第1巻芯部及び第3巻芯部に巻回される第1巻線及び第3巻線の巻回数よりも多くすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。これにより、コモンモードインピーダンスを高くすると共に、信号伝送に影響しないディファレンシャルインピーダンスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るコモンモードフィルタの斜視図である。
【図2】図1に示すコモンモードフィルタの上面図である。
【図3】コモンモードフィルタの回路図である。
【図4】信号の流れを示す図である。
【図5】周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。
【図6】第2実施形態に係るコモンモードフィルタの上面図である。
【図7】図6に示すコモンモードフィルタの周波数とインピーダンスとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態は、本発明のコイル部品をコモンモードフィルタ(コモンモードチョーク)に適用した例である。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るコモンモードフィルタを示す斜視図である。図2は、図1に示すコモンモードフィルタの上面図である。各図に示すように、コモンモードフィルタ1は、コア2と、巻線3と、電極4とを備えている。このコモンモードフィルタ1は、例えば、長さが12mm、幅が15mm、高さが5mmに設定されている。コモンモードフィルタ1は、例えば、電源回路に用いられる。
【0016】
コア2は、第1〜第3巻芯部21〜23と、一対の連結部24,25とから構成されている。第1〜第3巻芯部21〜23及び連結部24,25は、磁性体(例えば、フェライト等)からなる。この第1〜第3巻芯部21〜23は、柱状をなしており、いずれも軸心方向に直交する断面積が同等となっている。第1〜第3巻芯部21〜23は、互いに離間すると共に略平行に並設されている。具体的には、第1巻芯部21、第2巻芯部22及び第3巻芯部23がこの順に略平行に設けられており、第1及び第3巻芯部21,23が、所定の間隔を有して第2巻芯部22を両側から挟むように配置されている。なお、上記柱状には、円柱、角柱等の形状が含まれる。
【0017】
連結部24,25は、第1〜第3巻芯部21〜23の両端(上下端)のそれぞれを連結するように形成されている。具体的には、連結部24,25は、柱状をなしており、第1〜第3巻芯部21〜23の軸心方向に直交する方向に延在すると共に、第1〜第3巻芯部21〜23の軸方向(長手方向)の両端に互いに対向するように連結されている。第1〜第3巻芯部21〜23と連結部24,25とは、一体的に形成されている。このような構成により、コア2は、日の字状を呈している。
【0018】
巻線3は、第1巻線31と、第2巻線32と、第3巻線33とを含んでいる。この第1巻線31、第2巻線32及び第3巻線33は、例えば銅線等であり、直径φが0.4mm〜0.7mm程度である。
【0019】
第1巻線31は、第1巻芯部21において軸心方向に複数ターン(ここでは6ターン)巻回されている。第2巻線32は、第2巻芯部22において軸心方向に第1巻線31と同様に複数ターン(6ターン)巻回されており、その巻回方向は、第1巻線31の巻回方向と逆方向となっている。第3巻線32は、第3巻芯部23において軸心方向に第1及び第2巻線31,32と同様に複数ターン(6ターン)巻回されており、その巻回方向は、第1巻線31の巻回方向と同方向となっている。すなわち、第1〜第3巻線31〜33の巻回数は、すべて同一であり、第1〜第3巻線31〜33の巻回方向は、第2巻線32の巻回方向だけが第1及び第3巻線31,33の巻回方向と異なっている。このような構成により、第1及び第3巻線31,33と第2巻線32とでは、ディファレンシャルモード信号が逆位相となる。第1〜第3巻線31〜33は、互いに電気的に絶縁されると共に、互いに磁気結合する。
【0020】
電極4は、第1電極41a,41bと、第2電極42a,42bと、第3電極43a,43bとを含んでいる。第1電極41a,41bには、第1巻線31の両端がそれぞれ電気的に接続されている。第2電極42a,42bには、第2巻線32の両端がそれぞれ電気的に接続されている。第3電極43a,43bには、第3巻線33の両端がそれぞれ電気的に接続されている。第1巻線31と第1電極41a,41b、第2巻線32と第2電極42a,42b及び第3巻線33と第3電極43a,43bとの接続(継線)は、熱圧着、溶接、あるいは、はんだ付けによって行われる。第1電極41a,41b、第2電極42a,42b及び第3電極43a,43bは、いずれも連結部24,25の上面、側面及び下面に亘って設けられている。
【0021】
第1電極43a,43bのうち、第1電極43aは、ディファレンシャルモード信号の入力端となっており、第1電極43bには、負荷(回路等)が接続される。第2電極42a,42bのうち、第2電極42aは、信号の出力端となっており、第2電極42bは、グランドに接続(接地)されている。第3電極43a,43bのうち、第3電極43aは、ディファレンシャルモード信号の入力端となっており、第3電極43bには、負荷(回路等)が接続される。つまり、コモンモードフィルタ1では、2つの入力に対してグランドが1つ(共通)になっている。
【0022】
なお、電極4は、連結部24,25の上面、側面及び下面に金属材料(例えば、Ag等)を主成分とする導電ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に金属めっきを施すことにより、形成される。金属めっきには、NiとSn、CuとNiとSn、NiとAu、NiとPdとAu、NiとPdとAg、又は、NiとAg等を用いることができる。なお、電極4は、金属製の板材にて構成し、連結部24,25の対応する位置に装着して構成してもよい。金属製の板材には、例えば金属めっき(NiとSn)を施した燐青銅等を用いることができる。
【0023】
続いて、上記構成を有するコモンモードフィルタ1の動作について説明する。図3は、コモンモードフィルタの回路図であり、図4(a)は、ディファレンシャルモード信号の流れを説明する図、図4(b)は、コモンモード信号の流れを説明する図である。図3では、第1巻芯部21と第1巻線31とで構成されるコイルをL1、第2巻芯部22と第2巻線32とで構成されるコイルをL2、第3巻芯部23と第2巻線33とで構成されるコイルをL3で示している。また、第1電極41bは、「supply1(負荷)」に接続され、第3電極43bは、「suppuly2(負荷)」に接続され、第2電極42bは、「common ground(グランド)」に接続されている。
【0024】
図3及び図4に示すように、コモンモードフィルタ1では、第1電極41a及び第3電極43aからディファレンシャルモード信号l1,l2が入力され、第2電極42aから出力(l1+l2)される。具体的には、コモンモードフィルタ1では、第1巻線31に発生する磁束と第2巻線32に発生する磁束は互いに打ち消しあう方向に流れる。同様に、第3巻線33に発生する磁束と第2巻線32に発生する磁束は互いに打ち消しあう方向に流れる。
【0025】
また、コモンモードノイズ成分は、第1巻線31(コイルL1)と第2巻線32(コイルL2)、及び第2巻線32(コイルL2)と第3巻線(コイルL3)との合成磁束によりコモンモードインピーダンスが高くなるため、コモンモードノイズ成分が除去される。
【0026】
図5は、周波数とインピーダンスとの関係(インピーダンス特性)を示す図である。図5において、縦軸はインピーダンス[Ω]、横軸は周波数[MHz]となっており、コモンモードを破線com、ディファレンシャルモードを実線Diffで示している。図5に示すように、コモンモードフィルタ1では、周波数が110[MHz]付近までは、ディファレンシャルインピーダンスの方がコモンモードインピーダンスよりも高く設定されている。
【0027】
以上説明したように、コモンモードフィルタ1では、第1〜第3巻芯部21〜23のそれぞれに第1〜第3巻線31〜33が巻回されており、中央に配置される第2巻芯部22に巻回される第2巻線32は、第2巻芯部22の両側に配置された第1及び第3巻芯部21,23に巻回される第1及び第3巻線31,33と巻回方向が逆になっており、且つ一端部が接地されている。これにより、各巻線31〜33を同相で流れるコモンモードノイズ成分に対して、第1巻線31と第2巻線32とによってインピーダンスを発生してコモンモードチョークコイルとして機能し、同様に第3巻線33と第2巻線32とによってインピーダンスを発生してコモンモードチョークコイルとして機能することにより、コモンモードノイズ成分を減衰させることができる。そして、このような構成において、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32の巻回数を変更すると、第2巻線32と第1巻線31及び第3巻線33との磁気結合の強度が変化し、これに伴いインピーダンスが変化する。そのため、第2巻線32の巻回数を変更することで、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。したがって、コモンモードインピーダンスを高くすると共に、ディファレンシャルインピーダンスを低下させるようなインピーダンスの調整が容易にできる。
【0028】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係るコモンモードフィルタについて説明する。図6は、第2実施形態に係るコモンモードフィルタの上面図である。同図に示すコモンモードフィルタ1は、第2巻芯部22に巻回される第2コイル32Aの巻回数が第1実施形態と異なっており、その他の構成については第1実施形態と同様である。なお、図6(a)は、ディファレンシャルモード信号の流れを示し、図6(b)は、コモンモード信号の流れを示している。
【0029】
具体的には、図6に示すように、コモンモードフィルタ1Aは、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32Aの巻回数が第1巻芯部21及び第3巻芯部23に巻回される第1巻線31及び第3巻線33の巻回数よりも多くなっている。より詳細には、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32Aの巻回数は、第1巻芯部21及び第3巻芯部23に巻回される第1巻線31及び第3巻線33の巻回数の2倍(第1巻線:第2巻線:第3巻線=1:2:1)となっている。なお、第2巻線32Aの直径φは、0.4mm〜0.7mm程度である。
【0030】
このような構成により、コモンモードフィルタ1Aでは、第2巻線32Aの巻回数が第1巻線31及び第3巻線33よりも多いため、第2巻線32Aと第1巻線31との磁気結合、及び第2巻線32Aと第3巻線33との磁気結合が、第1実施形態のコモンモードフィルタ1に比して高い(強い)。つまり、コモンモードフィルタ1Aでは、ディファレンシャルインピーダンスが低くなると共に、コモンモードインピーダンスが高くなる。具体的には、図7を参照しながら説明する。
【0031】
図7は、周波数とインピーダンスの関係を示す図である。図7において、縦軸はインピーダンス[Ω]、横軸は周波数[MHz]となっており、コモンモードを破線com、ディファレンシャルモードを実線Diffで示している。図7に示すように、コモンモードフィルタ1Aでは、第2巻線32Aの巻回数を第1巻線31及び第3巻線33よりも多くすることにより、ディファレンシャルインピーダンスが低く設定されている。一方で、コモンモードインピーダンスは、ディファレンシャルインピーダンスよりも高く設定されている。つまり、第2巻線32Aの巻回数を変更することで、インピーダンスの調整を良好に行うことができる。
【0032】
以上説明したように、コモンモードフィルタ1Aでは、第1実施形態と同様に、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32Aの巻回数を変更すると、第2巻線32Aと第1巻線31及び第3巻線33との磁気結合の強度が変化し、これに伴いインピーダンスが変化する。そのため、第2巻線32Aの巻回数を変更することで、インピーダンスの調整を容易に行うことができる。したがって、コモンモードインピーダンスを高くすると共に、ディファレンシャルインピーダンスを低下させるようなインピーダンスの調整が容易にできる。
【0033】
また、第2巻芯部22に巻回される第2巻線32Aは、第1巻芯部21及び第3巻芯部23に巻回される第1巻線31及び第3巻線33よりも巻回数が多いので、第2巻線32Aと第1巻線31及び第3巻線33との磁気結合を強める(密にする)ことができる。これにより、コモンモードインピーダンスを高めることができると共に、ディファレンシャルインピーダンスを低減させることができる。したがって、信号伝送に影響しないディファレンシャルインピーダンスを得ることができると共に、コモンモードインピーダンスを高く設定することが可能となる。
【0034】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1巻線31及び第3巻線33の巻回数を6ターンとしているが、第1巻線31及び第3巻線33の巻回数はこれに限定されず、所望するインピーダンス特性に応じて適宜変更可能である。
【0035】
また、第2実施形態では、第2巻線32Aの巻回数を第1巻線31及び第3巻線33の巻回数よりも多く(2倍に)することでインピーダンスの調整を行っているが、第2巻線32Aが巻回される第2巻芯部22の断面積を、第1巻芯部21及び第3巻芯部23よりも大きくすることでインピーダンスの調整を行ってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1…コモンモードフィルタ、2…コア、3…巻線、4…電極、21…第1巻芯部、22…第2巻芯部、23…第3巻芯部、31…第1巻線、32,32A…第2巻線、33…第3巻線、41a,41b…第1電極、42a,42b…第2電極、43a,43b…第3電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間すると共に略平行に配置された第1〜第3巻芯部と、当該第1〜第3巻芯部の軸方向の両端のそれぞれを連結するように形成された一対の連結部とから構成されるコアと、
前記第1〜第3巻芯部のそれぞれに巻回される第1〜第3巻線と、
前記第1〜第3巻線に電気的に接続されると共に前記連結部に設けられた第1〜第3電極とを備え、
前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部は、前記第2巻芯部を両側から挟むように配置されており、
中央に配置された前記第2巻芯部に巻回される前記第2巻線は、前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部に巻回される前記第1巻線及び前記第3巻線と巻回方向が逆になっていると共に、一端が接地されていることを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記第2巻芯部に巻回される前記第2巻線の巻回数は、前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部に巻回される前記第1巻線及び前記第3巻線の巻回数よりも多いことを特徴とする請求項1記載のコイル部品。
【請求項3】
互いに離間すると共に略平行に配置された第1〜第3巻芯部と、当該第1〜第3巻芯部の軸方向の両端のそれぞれを連結するように形成された一対の連結部とから構成されるコアと、
前記第1〜第3巻芯部のそれぞれに巻回される第1〜第3巻線と、
前記第1〜第3巻線に電気的に接続されると共に前記連結部に設けられた第1〜第3電極とを備え、
前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部が前記第2巻芯部を両側から挟むように配置されているコイル部品のインピーダンス調整方法であって、
中央に配置された前記第2巻芯部に巻回される前記第2巻線を、前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部に巻回される前記第1巻線及び前記第3巻線の巻回方向と逆にすると共に、一端を接地することを特徴とするインピーダンスの調整方法。
【請求項4】
前記第2巻芯部に巻回される前記第2巻線の巻回数を、前記第1巻芯部及び前記第3巻芯部に巻回される前記第1巻線及び前記第3巻線の巻回数よりも多くすることを特徴とする請求項3記載のインピーダンスの調整方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−243917(P2011−243917A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117254(P2010−117254)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】