説明

コインロックアウト機構を有するゲーム装置

【課題】プレイヤーがゲームを行っている最中に、他のプレイヤーが、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いしてしまうことを防止する。
【解決手段】本発明は、複数のプレイヤーでプレイ可能なゲーム装置において、ゲームが開始された後、コインロックアウト機構により、コイン投入口をロックアウトすることにより、ゲーム中に他のプレイヤーの参加を防止し、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いしてしまうことを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインロックアウト機構を有するゲーム装置に関し、特に、複数のプレイヤーが同一のゲーム空間でプレイすることが可能なゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のプレイヤーが、それぞれ対応する画面を見ながら、レーシングなどのゲームを行う複数の画面を有するゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置では、例えば、一方の画面でプレイヤーがゲームをプレイしている最中に、他のプレイヤーからコインが投入され、コインが受け付けられると、他のプレイヤーが他方の画面で別ラインのゲームをプレイできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、複数のプレイヤーが、同時に同一のゲームをプレイすることのみを前提とするゲーム装置、例えば、複数のプレイヤーが同時に同一のゲームに参加し、そのゴールまでの時間を競うようなゲーム装置の場合、あるプレイヤーがプレイ中に他のプレイヤーからのコインを受け付けることができるとすると、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いをしてしまう恐れがある。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数のプレイヤーが同時に同一のゲームをプレイすることを前提とするゲーム装置であっても、プレイヤーがゲームを行っている最中に、他のプレイヤーが、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いしてしまうことを防止することができるコインロックアウト機構を備えるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の発明によれば、同一のゲームで複数のプレイヤーがプレイ可能なゲーム装置において、コインが投入されたことを検出する手段と、ユーザからのゲーム開始のイベントを受け付ける手段と、前記コインが投入されたことが検出され、かつ前記ゲーム開始のイベントを受け付けた後、前記ゲームが開始されたことを検出する手段と、前記ゲームが開始されたたことが検出された場合に、前記ゲーム装置のコイン投入口にコインが投入されることを防止するためのロックアウトの指示を行うロックアウト信号を出力する手段と、前記出力されたロックアウト信号に応答して、前記コイン投入口をロックアウトするコインロックアウト機構とを具備することを特徴とするゲーム装置、である。
【0006】
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記同一のゲームに参加している複数のプレイヤーのゲームが全て終了したか否かを判断する手段と、全て終了したと判断された場合に、前記コイン投入口のロックアウトを解除するためのロックアウト解除信号を出力する手段とをさらに具備し、前記コインロックアウト機構は、前記出力されたロックアウト解除信号に応答して、前記コイン投入口のロックアウトを解除することを特徴とするゲーム装置、である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のプレイヤーが同時に同一のゲームをプレイすることを前提とするゲーム装置であっても、プレイヤーがゲームを行っている最中に、他のプレイヤーが、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いしてしまうことを防止することができるコインロックアウト機構を備えるゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るコインロックアウト機構を備えるゲーム装置について説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係るコインロックアウト機構を備えるゲーム装置を示す図である。
【0010】
同図において、1はコインロックアウト機構を備えるゲーム装置全体を示している。このゲーム装置1は、基台2、この基台2に対して垂直方向に取り付けられ、ゲーム全体の制御を行なう制御装置(図示せず)を格納する制御装置格納部3及びこの制御装置格納部3の上部に配置された表示部4を備えている。
【0011】
本実施の形態のゲーム装置は、1人或いは複数のプレイヤーが、載置板上で跳躍を行うと、その跳躍を検出し、検出された跳躍のタイミングなどに基づいて、ゲーム画面中のキャラクターにその跳躍を反映させて、ゴールまでの時間を競うゲームであることを前提としているが、ゲームの内容そのものは、本願発明の要旨とは関係しないので、ここでは、その説明を省略する。
【0012】
基台2には、2台のプレイヤー状態検出部11a、11bが設けられている。これらプレイヤー状態検出部11a、11bは、プレイヤーがプレイヤー状態検出部11a、11bの載置板12a、12bに載ったときの状態(載置板12a、12bの傾き、沈みの程度など)をリアルタイムにセンサで検出して、そのセンサ信号を制御装置に出力するものである。これらプレイヤー状態検出部11a、11bにて検出されたセンサ信号は、プレイヤーの跳躍状態の判断などに使用され、ゲームの内容に反映されることになる。
【0013】
また、プレイヤー状態検出部11a、11bは、垂直方向に設置された支持部13a、13bを介して、プレイヤーが跳躍する際に危険防止のために掴まるための水平方向に取り付けられたハンドル14a、14bを有する。また、これらハンドル14a、14bには、プレイヤーの指示(例えば、画面上に表示されるスタートボタンの選択、決定など)を入力するための入力インターフェイス(ボタン)15a、15bを備えており、これら入力インターフェイス15a、15bを介して入力された情報は、ユーザ指示信号として、それぞれ制御部に出力される。
【0014】
制御装置格納部3は、その前面にコイン投入部21を有している。このコイン投入部21は、制御部からのロックアウト信号に応答して、コイン投入口をロックアウトし、制御部からのロックアウト解除信号に応答して、コイン投入口のロックアウトを解除するロックアウト機構を有している。
【0015】
表示部4は、2台の表示画面16a、16bを有している。この表示画面16a、16bには、対応するプレイヤーのゲーム画面が表示される。なお、本実施の形態のゲーム装置では、同一のゲーム空間で複数のプレイヤーがプレイするゲーム装置であるので、同一のゲーム空間における各プレイヤーに対応するゲーム画面(例えば、プレイヤーに対応するゲーム画面中のキャラクターに焦点があてられた画面)が表示されることになる。
【0016】
なお、図1においては、説明の簡略化のため、2人プレイ用のゲーム装置を示したが、これに限られるものではないことはいうまでもない。例えば、3人プレイ可能なゲーム装置の場合、対応する3台のプレイヤー状態検出部、表示画面が設けられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に係るコインロックアウト機構を備えるゲーム装置の制御部の構成を示す図である。
【0018】
制御部31は、図2に示すように、バス32にCPU33、表示制御部34、ROM35、メモリ36、入出力インターフェイス37及び記憶装置38が接続されている。
【0019】
CPU33は、記憶装置38に格納されたゲームプログラム41及びロックアウト機構制御プログラム41と協働して、特に、ゲーム処理及び本発明の実施の形態に係るロックアウト機構の制御処理を司る他、ゲーム装置全体の制御を司る。
【0020】
表示制御部34は、表示部4の表示画面16a、16bにそれぞれ表示されるゲーム画面などの表示制御を司る。
【0021】
ROM35は、システムのBIOSプログラムが格納される。なお、本実施の形態では、記憶装置38にゲームプログラム41、ロックアウト機構制御プログラム42を格納する場合について示しているが、これらプログラムはROM35に格納されていても良い。
【0022】
メモリ36は、ゲームプログラム41及びロックアウト機構制御プログラム42を実行する際に必要とされるワークエリアなどに使用される。
【0023】
入出力インターフェイス37は、コイン投入21のコイン投入検出部52からのコイン投入検出信号、入力インターフェイス15a、15bそれぞれからのユーザ指示信号、プレイヤー状態検出部11a、11bからのセンサ信号の入力インターフェイス、或いはCPU33からロックアウト機構51へ出力されるロックアウト信号及びロックアウト解除信号の出力インターフェイスとして機能する。
【0024】
記憶装置38は、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリなどであり、ゲームプログラム41、ロックアウト機構制御プログラム42及びクレジット格納部43を有する。
【0025】
ゲームプログラム41は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置のゲームプログラムであり、1人又は複数のプレイヤーが同一のゲーム空間でプレイすることが可能で、複数のプレイヤーでプレイする場合には、各プレイヤーが同時にスタートして、ゴールまでの時間を競うゲームである。なお、ゲームプログラム41は、このようなゲームに限らないことはいうまでもない。
【0026】
ロックアウト機構制御プログラム42は、本発明の実施の形態に係るロックアウト機構51の制御処理を司る。
【0027】
クレジット格納部43は、プレイヤーのクレジットの残量を格納する。
【0028】
以下、図3及び図4のフローチャートを参照して、本発明の実施の形態に係るロックアウト機構を有するゲーム装置の動作について説明する。
【0029】
ゲームプログラム41によって提供されるゲームが起動すると(S1)、ゲームのデモ画面が表示画面16a、16bに表示され(S2)、このデモ画面が表示されている間に、コインが投入されたか、あるいは、クレジットの残があるか否かの判断が行われる(S3)。
【0030】
コインが投入されたか否かは、コイン投入検出部52で、センサーなどを使用して検出される。クレジット残があるか否かは、クレジット格納部43に格納されたクレジット残を照会することにより検出される。なお、コインが投入された場合には、クレジット残(現在)=クレジット残+1として、クレジット格納部43のクレジット残を更新する。
【0031】
S3において、コイン投入が検出され、或いはクレジット残があることが検出されると、1台目の機器からゲームスタートが選択されたか否かの判断が行われる(S4)。このゲームスタートの選択は、例えば、デモ画面中にスタートボタンを表示し、この表示されたスタートボタンを1台目の機器の入力インターフェイス15aを使用して、選択、決定することにより検出される。なお、入力インターフェイス15aにスタートボタンを設け、当該スタートボタンが押下されたことを検出しても良く、イベント(ゲームスタートなど)の特定の方法については、種々考えることができる。
【0032】
S4において、1台目の機器からゲームスタートが選択されたと判断された場合、「クレジット残=クレジット残−1」として、クレジット残を更新するとともに(S5)、タイマー(図示せず)を動作して、計時動作をスタートする。
【0033】
その後、表示画面16a、16bに対戦相手を受け付けるための画面を表示し(S6)、2台目の機器からゲームスタートが選択されたか否かの判断が行われる(S7)。このゲームスタートの選択は、例えば、対戦相手受付画面中にスタートボタンを表示し、この表示されたスタートボタンを2台目の機器の入力インターフェイス15bを使用して、選択、決定することにより検出される。なお、イベントの特定の方法は、これに限られないことは、S4において述べた通りである。
【0034】
S7において、ゲームスタートが選択されていないと判断された場合には、S4においてタイマーをスタートさせてから一定時間が経過しているか否かの判断が行われ(S8)、一定時間が経過していないと判断された場合には、S7の処理に戻る。S8において、一定時間が経過したと判断された場合には、1人プレイであると判断され(S9)、当該プレイヤーのゲームが開始する(S10)。
【0035】
一方、S7において、2台目の機器からゲームスタートが選択されたと判断された場合には、「クレジット残≧1」であるか否かの判断が行なわれ(S11)、S11において、クレジット残<1であればコイン投入催促画面を表示し(S12)、コイン投入があるか否かの判断が行われる(S13)。
【0036】
S13において、コイン投入がないと判断された場合には、S12の処理に戻り、コイン投入がされたと判断された場合には、2人プレイであると判断され(S15)、当該2人のプレイヤーのゲームが開始する(S10)。
【0037】
また、S11において、「クレジット残≧1」であると判断された場合には、「クレジット残=クレジット残−1」とし、2人プレイであると判断され(S15)、当該2人のプレイヤーのゲームが開始する(S10)。
【0038】
ゲームが開始されると、制御部31のCPU33は、入出力インターフェイス37を介して、ロックアウト機構51に、ゲーム装置のコイン投入口にコインが投入されることを防止するためのロックアウトの指示を行うロックアウト信号を出力する(S21)。ロックアウト機構51は、このロックアウト信号に応答して、コイン投入口をロックアウトする(S22)。これにより、プレイヤーがゲームを行っている最中に、他のプレイヤーが、他の画面でも別ラインで同一のゲームをプレイすることができるものと勘違いしてしまうことを防止することができる。
【0039】
次に、全てのプレイヤーのゲームが終了したか否かの判断が行われる(S23)。すなわち、S9において、一人プレイであると判断された場合には、当該プレイヤーのゲーム(機器1のゲーム)が終了したか否か、S15において、2人プレイであると判断された場合には、双方のプレイヤーのゲーム(機器1および機器2のゲーム)が終了したか否かの判断が行われる。
【0040】
S23において、全てのプレイヤーのゲームが終了したと判断された場合には、制御部31のCPU33は、入出力インターフェイス37を介して、ロックアウト機構51に、コイン投入口のロックアウトを解除するためのロックアウト解除信号を出力する(S24)。
【0041】
ロックアウト機構51は、このロックアウト解除信号に応答して、コイン投入口のロックアウトを解除し(S22)、S1の処理に戻る。
【0042】
したがって、本発明の実施の形態によれば、ゲーム開始後、コイン投入口をロックアウト機構によりコインロックアウトするので、複数のプレイヤーが同一のゲームに同時に参加するゲームにおいて、他のプレイヤーが当該ゲームに参加できると勘違いしてしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るコインロックアウト機構を備えるゲーム装置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコインロックアウト機構を備えるゲーム装置の制御部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るロックアウト機構を有するゲーム装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係るロックアウト機構を有するゲーム装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1…ゲーム装置、2…基台、3…制御装置格納部、4…表示部、11a、11b…プレイヤー状態検出部、12a、12b…載置板、13a、13b…支持部、14a、14b…ハンドル、15a、15b…入力インターフェイス、16a、16b…表示画面、21…コイン投入部、31…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のゲームで複数のプレイヤーがプレイ可能なゲーム装置において、
コインが投入されたことを検出する手段と、
ユーザからのゲーム開始のイベントを受け付ける手段と、
前記コインが投入されたことが検出され、かつ前記ゲーム開始のイベントを受け付けた後、前記ゲームが開始されたことを検出する手段と、
前記ゲームが開始されたたことが検出された場合に、前記ゲーム装置のコイン投入口にコインが投入されることを防止するためのロックアウトの指示を行うロックアウト信号を出力する手段と、
前記出力されたロックアウト信号に応答して、前記コイン投入口をロックアウトするコインロックアウト機構と
を具備することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記同一のゲームに参加している複数のプレイヤーのゲームが全て終了したか否かを判断する手段と、
全て終了したと判断された場合に、前記コイン投入口のロックアウトを解除するためのロックアウト解除信号を出力する手段とをさらに具備し、
前記コインロックアウト機構は、前記出力されたロックアウト解除信号に応答して、前記コイン投入口のロックアウトを解除することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記イベント受付手段は、複数のイベント入力部と、前記複数のイベント入力部のうち、最初にゲーム開始のイベントを受け付けたイベント入力部からゲーム開始のイベントを受け付けた後、所定時間内に、前記最初にゲーム開始のイベントを受け付けたイベント入力部以外のイベント入力部からゲームに参加するためのイベントを受け付ける手段とをさらに具備し、
前記判断手段は、前記ゲームに参加するためのイベントを受け付けた場合に、ゲームに参加するためのイベントを受け付けたイベント入力部のプレイヤーがゲームに参加していると判断することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームは、複数のプレイヤーによって同時にプレイが開始されるゲームであることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
同一のゲームで複数のプレイヤーがプレイ可能なゲーム装置におけるコインロックアウト機構制御方法において、
コインが投入されたことを検出し、
ユーザからのゲーム開始のイベントを受け付け、
前記コインが投入されたことが検出され、かつ前記ゲーム開始のイベントを受け付けた後、前記ゲームが開始されたことを検出し、
前記ゲームが開始されたたことが検出された場合に、前記ゲーム装置のコイン投入口にコインが投入されることを防止するためのロックアウトの指示を行うロックアウト信号を出力し、
コインロックアウト機構が、前記出力されたロックアウト信号に応答して、前記コイン投入口をロックアウトすることを特徴とするコインロックアウト機構制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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