コイン精米機
【課題】 玄米に混入している石礫類を選別する石抜機や、この玄米を精米する精米機等を収容する精米機筐体を、小型、簡潔に構成して、据付け場所の制限を受け難くする。
【解決手段】 石抜機4の上側には前記玄米ホッパ3を設置し、下側には正面側引出口10の扉11を開いて埃溜器9を引出可能にして収容する石抜室12を形成し、横側には前記昇降機5を配置して、前記石抜機4の玄米排出部13、及び残米排出部14から前記昇降機5にわたって玄米シュート15、及び残米シュート16を設け、石抜排出部17から直下の前記石抜室12にわたって石抜シュート18を設ける構成。
【解決手段】 石抜機4の上側には前記玄米ホッパ3を設置し、下側には正面側引出口10の扉11を開いて埃溜器9を引出可能にして収容する石抜室12を形成し、横側には前記昇降機5を配置して、前記石抜機4の玄米排出部13、及び残米排出部14から前記昇降機5にわたって玄米シュート15、及び残米シュート16を設け、石抜排出部17から直下の前記石抜室12にわたって石抜シュート18を設ける構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、精米機へ供給する玄米から、これに混入しているおそれのある石礫類を選別除去するコイン精米機に関し、狭い箇所にも設置し易くした簡潔、かつ簡易な小型形態とするものである。
【背景技術】
【0002】
玄米の投入を受ける玄米ホッパから、この玄米を精米機へ搬送供給して精米する行程の間に、石抜機を設けて、石礫や、わら屑等を選別除去したり、又、精米作動時には前記玄米ホッパの蓋を閉鎖状態にロックするロック機構を設ける等の技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4033717号公報(第8頁、9頁、図3、図4)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
玄米に混入している石礫類を選別する石抜機や、この玄米を精米する精米機等を収容する精米機筐体を、小型、簡潔に構成して、据付け場所の制限を受け難くするものである。石抜機の上側に玄米ホッパを配置する形態では、この石抜機で選別された玄米や、石礫等を流下案内するシュータは、これら選別玄米等を流下させるための所定以上の傾斜角度を要するために、この上側に配置の玄米ホッパの配置高さが高くなって、精米利用者は玄米の投入供給が行い難くなる。
【0005】
このため、前記石抜機の下側に、これから選別して落下する石礫を受ける石抜室を形成し、この石抜機の横側に接近して昇降機を配置して、石礫用、及び選別玄米用等のシュータを短く簡単に形成し、石抜機を低く構成し易くして、この上側に玄米ホッパを低く配置して、この玄米ホッパに対する玄米の投入を行い易くするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、略箱形状外形の精米筐体(1)内に、玄米投入口(2)から供給される玄米を収容する玄米ホッパ(3)、この玄米ホッパ(3)から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機(4)、この石抜機(4)で選別された玄米を揚穀する昇降機(5)、この昇降機(5)から供給される玄米を受けて精米する精米機(6)、この精米機(6)で精米された白米を収容する白米ホッパ(7)、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室(8)を配置して、前記石抜機(4)の上側には前記玄米ホッパ(3)を設置し、
前記石抜機(4)は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤(43)を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米排出口(13)を、前記筐体(1)の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石排出部(17)、及び残米排出部(14)を筐体(1)の正面側に対向させて設置し、前記昇降機(5)の背面側下部には、前記玄米排出口(13)の玄米を流下案内する玄米シュート(15)をのぞませる玄米口(45)を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート(16)をのぞませる残米口(47)を設けたことを特徴とするコイン精米機とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記石抜機(4)、及び精米機(6)は精米筐体(1)の床(49)面上に据付けると共に、昇降機(5)の底部は、これら石抜機(4)と精米機(6)との間の床(49)面部を開口して形成した据付穴(50)底位に載置することを特徴とする請求項1記載のコイン精米機とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、昇降機5を、石抜機4や玄米ホッパ3、石抜室12等の位置する玄米供給室と、精米機6や白米ホッパ7等の位置する精米室との間の仕切部に設けて、この昇降機5の背面側下部の玄米口45に、玄米シュート15をのぞませ、正面側下部の残米口47に、残米シュート16をのぞませることによって、これら左右の石抜機4と精米機6との間隔を狭くして筐体1幅を狭幅に形成することができ、しかも、前記石抜シュート18はもとより、各玄米シュート15、及び残米シュート16等の長さを短かくして急勾配に設定することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、昇降機5を介して左右両側部に配置される石抜機4と精米機6は、駆動振動力を大きく生ずるものであるが、底部を据付穴50に低く嵌合させた昇降機5を左右両側から挾持するようにして、床22上面に直接搭載して取付けるものであるから、これら昇降機5、及び床49等による防振効果を高めることができ、精米筐体1の強度、構成を特別に強くする必要はなく、軽量、小形のコンパクトな形態とすることができる。又、この昇降機5の底部にのぞむ各玄米シュート15や、残米シュート16の傾斜角度を急勾配に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コイン精米機の正面図。
【図2】コイン精米機の外観正面図と、左右側面図、及び平面図。
【図3】コイン精米機の平面図。
【図4】コイン精米機の玄米供給室部の側面図。
【図5】コイン精米機の精米室部の側面図。
【図6】精米工程を示すブロック図。
【図7】コイン精米機の精米制御のブロック図。
【図8】コイン精米機の制御のフローチャート。
【図9】側面から見た石抜機の要部を説明する図。
【図10】玄米ホッパ部の側面図。
【図11】白米ホッパ部の側面図。
【図12】昇降機設置部の正面図。
【図13】糠収容室底部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に基づいて、箱型の精米筐体1は、内部に石抜機4や、精米機6を主体とする昇降機5や、玄米ホッパ3、白米ホッパ7、サイクロン21、及びこれらに付随するコンベアや、各機駆動用のモータ等が配置される。精米筐体1内は、略左右に区切られて、中央部には精米室19を形成し、この左手側には玄米供給室20を、又、右手側には糠収容室8を形成する。このうち、玄米供給室20の下部には、石抜機4を設置し、この上側に玄米ホッパ3を位置させる玄米投入室46を形成して、この玄米投入室46の正面側壁部に玄米投入口2を形成する。
【0012】
この玄米投入口2から持込みの玄米袋をのぞませて玄米を玄米ホッパ3に供給する。この玄米ホッパ3の上面には手で開閉できる玄米供給蓋22を設け、閉鎖状態をロック機構23によってロック可能の構成としている。この玄米ホッパ3には供給された玄米の有無や、又は玄米量等を検出する玄米センサ24や、この玄米ホッパ3から直下の石抜機4へ玄米を流下供給させる玄米供給口25を開口して形成する。
【0013】
前記中央部の精米室19部には、精米機6の上方に精米ホッパ27を設けて、昇降機5で揚穀した玄米を収容して精米機6へ供給する。又、この精米室19の正面側壁部には機外へ開放する精米取出口28を形成して、この精米取出口28の下部に白米ホッパ7を設けて、この白米ホッパ7上に精米機6の精米口29をのぞませて、この精米口29から排出される白米を白米ホッパ7内に受けて収容する。
【0014】
この白米ホッパ7の下端にはホッパ口30を下向きに開口して、このホッパ口30の下側を受けるようにシュート状に形成した白米取出シャッタ31をシャッタ軸周りに回動して、前後水平状の閉鎖位置から、前下り傾斜して開口する開口位置へ切替回動するように構成している。この白米取出シャッタ31は、適宜の深さに形成して、このシャッタ31底面で受けた白米をこの開口部から袋ホルダに吊下げた袋に流下させて収容することができる。
【0015】
前記中央部の精米室19の白米ホッパ7から上側部には、操作パネル32を形成し、この操作パネル32の外側には、コインメック33や、精米白度を選択指定する白度選択スイッチ34等が配置され、裏側にコントローラ48が設けられている。
【0016】
前記右手側の糠収容室8には、前記精米機6底部のブロワー35で吸引搬送される糠をサイクロン21で分離して、この下側に配置の糠袋36に収容する。この糠袋36は複数袋前後に配置して、サイクロン21から補集された糠をオーガ41で搬送しながら各糠袋36に収容することができ、各糠袋36が一杯になると、正面のドア37を開けて出し入れして袋替作業することができる。
【0017】
ここにおいて、略箱形状の精米筐体1内に、玄米投入口2から供給される玄米を収容する玄米ホッパ3、この玄米ホッパ3から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機4、この石抜機4で選別された玄米を揚穀する昇降機5、この昇降機5から供給される玄米を受けて精米する精米機6、この精米機6で精米された白米を収容する白米ホッパ7、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室8等を配置する。
【0018】
前記石抜機4の上側には前記玄米ホッパ3を設置し、下側には正面側引出口10の扉11又は精米室19及び石抜機5の前側の全面を縦軸芯に回動することで開閉する開閉扉73を開くと、埃溜箱9を引出可能にして収容する石抜室12を形成し、横側には前記昇降機5を配置して、前記石抜機4の玄米排出口13、及び残米排出部14から前記昇降機5にわたって玄米シュート15、及び残米シュート16を設け、石抜選別口部17から直下の前記石抜室12にわたって石抜シュート18を設けている。また、石抜機4の前側には石抜シュート18の下方にあって石抜シュート18を通過した石を溜める石溜箱72を設けている。
【0019】
コイン精米機は、利用者が所定量の玄米を持込んで、コインメックにこの玄米量の精米するに必要な所定料の精米料金を投入して、玄米ホッパ3の供給蓋22を開けることによって、玄米をこの玄米ホッパ3に供給すると共に、精米白度を選定する等によって精米作用が開始される。
【0020】
玄米ホッパ3に供給された玄米は、直下の石抜機4の揺動選別盤43面に流下供給されて、この揺動選別盤43の揺動により選別されて、玄米が揺動選別盤43の下流にある玄米排出口13へ選別され、石礫が石排出部17へ、又、残米が残米排出部14へ選別される。なお、この実施の形態の石抜機4では石排出部17と残米排出部14は共に揺動選別盤43の上流にあって同じ個所であるが、説明の便宜上別の名称を付している。
【0021】
玄米排出口13に選別された玄米は、玄米シュート15から昇降機5を揚穀されて、精米タンク27に貯留され、順次ロータリバルブ27で精米機6へ供給されて精米処理される。この精米された白米は、白米ホッパ7へ取出されるが、精米により生じた糠は、糠ファン35で隣の糠収容室8に搬送され、サイクロン21で空気と糠を分離して糠袋36に搬送して袋詰される。
【0022】
又、前記石抜機4の石排出部17に取出された石櫟は、石抜シュート18を案内されて、この直下に設ける石溜箱72に受けられる。また、揺動選別盤43から飛散した少量の玄米や異物あるいは選別作業で石抜室12内で発生した埃は石抜室12の下部にある埃溜箱9に受けられる。石溜箱72と埃溜箱9は作業後に扉11又は開閉扉73を開けてまず石溜箱72を取り出し、次いで埃溜箱9を引出口10から引き出してそれぞれ排出処理することができる。又、前記石抜機4の残米排出部14に取出された残米は、残米シュート16を経て昇降機5へ流下供給されて精米機6による精米作用を受ける。
【0023】
又、前記石抜機4は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤43を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米排出口13を、前記筐体1の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石排出部17(残米排出部14)を筐体1の正面側に対向させて設置し、前記昇降機5の背面側下部には、前記玄米排出口13の玄米を流下案内する玄米シュート15をのぞませる玄米口45を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート16をのぞませる残米口47を設けた形態とする。
【0024】
玄米ホッパ3に投入された玄米は、この直下の石抜機4に流下供給されて、石櫟を選別した状態で精米機6へ搬送供給されて精米されるが、この石抜機4は揺動選別盤43を玄米投入口2側高位で奥背面側低位の傾斜姿勢に設定して、この揺動選別盤43で選別される玄米は、背面側に位置する傾斜下端側の玄米排出口13から玄米シュート15を流下案内されて、昇降機5の奥側底部の玄米口45へ流下供給される。又、この揺動選別盤43の手前正面側で、傾斜上端側に位置する石排出部17から選別される石礫は、石抜シュート18を案内されて、直下の石抜室12の埃溜箱9に落下収容される。又、残米排出部14に排出された残米は、残米シュート16を経て手前側の残米口47から昇降機5へ流下供給される。
【0025】
前記玄米排出口13と隣接の昇降機5の玄米口45との間の玄米シュート15や、石排出部17と石抜室12との間の石抜シュート18、及び残米排出部14と昇降機5の残米口47との間の残米シュート16は、いずれも最短距離に設定されているが、前記揺動選別盤43の位置が床底部上の石抜室12の上側位置に高く設定されているため、石櫟の流下はもとより、玄米や、残米のシュート18、15、16の流下傾斜角を急角度に形成することができる。
【0026】
更には、前記石抜機4、及び精米機6は精米筐体1の床49面上に据付けると共に、昇降機5は、この左右両側の石抜機4と精米機6との間に挟持されるような姿勢に支持構成されて、この底部が、これら石抜機4と精米機6との間の床49面部を開口して形成した据付穴50底位に載置された形態として設置される。
【0027】
玄米ホッパ3から供給される玄米は、前記のように石抜機4において揺動選別作用を受けて、昇降機5を揚穀されて精米機6により精米されるが、これら石抜機4や、精米機6等は床49上面に取付支持されているため、振動吸収の効果もよく、円滑で安定した耐久性を維持される。これに対して昇降機5は底部を低く据付穴50に嵌合させて設定しているため、隣接の石抜機4の玄米排出口13や、残米排出部14との間のシュート15、16の連通口である玄米口45や、残米口47等の位置を低く設定して、これら玄米や、残米の流下供給を円滑に行わせる。又、昇降機5は上方へ高く突出し易いものであるが、できるだけ低くして、精米筐体1を低くし、箱型形態にコンパクト化することができる。
【0028】
次に精米運転の概要について説明する。
玄米ホッパ3に玄米を供給し、コインメック33に精米料金を供給して料金応分の精米運転を行うコイン精米機において、玄米ホッパ3の供給口を開閉する開閉蓋22は、閉鎖位置でロックする蓋ロック機構23を有して、精米運転はこの開閉蓋22を閉鎖位置にロックした状態で行い、料金供給による精米運転の完了後は、玄米センサ24又は第二玄米センサ27aの残量玄米の検出によってコインメック33に精米料金を供給することにより、開閉蓋22をロックした状態のままで精米運転を再開可能とする運転制御装置の構成とする。
【0029】
精米運転の順序について図8に基づいて説明すると、精米するときは、まずコインメック33に精米しようとする玄米量に応じた精米料金(例えば300円)を供給する。すると開閉蓋22の蓋ロック機構23が解除されるため、この開閉蓋22を開いて、玄米ホッパ3に精米しようとする目的量の玄米(例えば20キログラム)を供給する。そして開閉蓋22を閉じるとロック機構23が作動してロックされ、操作パネルの精白度選択スイッチ34を選択可能となる。そして、所望の精白度(例えば上白)を選択することによって精米運転が開始される。
【0030】
玄米ホッパ3の玄米は順次石抜機4に供給され、石抜き処理がなされる。そして、昇降機5を経て精米ホッパ27で一時貯留される。そして、第二玄米センサ27aが玄米有りを検出するとロータリバルブ27bにより精米機6に玄米が供給されて精米運転が開始され、白米ホッパ7に精白米が貯留される。そして、利用者は精米運転が終了すると白米取り出しシャッタ31を操作して精白米を取り出す。
【0031】
運転時間中に玄米センサ24が玄米無しを検出すると終了動作工程に入り、石抜機4の残米処理を行なってから運転終了となる。
この開閉蓋22は、精米料金に応じた精米時間の運転が終っても閉鎖状態にロックされている。この精米料金に応じた精米運転が完了した後は、玄米ホッパ3内に残留玄米があることを玄米センサ24が検出するか、又は第二玄米センサ27aが精米ホッパ27内に玄米有りを検出すると、コインメック33にこの残留玄米量に応じた精米料金を供給したときに、開閉蓋22を閉鎖ロックした状態のままで精米運転を再開する。この追加料金は投入可能料金、すなわち精米運転開始時に投入できる額より低い限度額又は最小単位の投入金額を上限として設定されている(例えば100円)。この限度額以上の料金分については受け付けずに返却する。そして追加精米料金分に応じた精米時間が経過すると、この追加の精米運転が停止する。玄米センサ23又は第二玄米センサによって残留玄米を検出されないときは、精米運転終了と判定し、初期状態に戻る。
【0032】
このように精米運転は、コインメック33に投入された精米料金に応じた運転時間にわたって行われて、この精米運転中はもとより運転時間の経過後も玄米ホッパ3の開閉蓋22は開かないため、玄米の追加供給を行うことはできず、従って、1回の運転で連続して玄米を供給して白米ホッパ7がオーバフローすることを防止できる。そして、精米時間経過により精米運転が完了した後に、玄米ホッパ3内に残留玄米があるときは、これを玄米センサ24又は第二玄米センサ27aで検出すること等によって、この残留量に応じた応分の精米料金をコインメック33に追加供給することによって、開閉蓋22を閉めたままの状態で新たに玄米を追加供給することはなく精米運転を再開することができる。
【0033】
次に石抜機5の構成の詳細と、精米運転時の石抜機5の選別処理及び終了動作工程における石抜機5の石抜処理及び残米処理について説明する。
前記石抜機4は、小さな揺上突子や、噴気孔等を配置形成した揺動選別盤43を、架台上に揺動リンクを介して吊り下げて、この揺動選別盤43面を、手前正面側の玄米投入口2の側が上位にして、奥側背面側を下位にする状態に、即ち奥側下がりの形態に傾斜させて設定したもので、この下側にはブロワー44を設けて、このブロワー44から吹き出す風圧を選別盤43の下側に当てることによって、揺動選別盤43の前記噴気孔からこの選別盤43面上へ噴風させながら揺動選別作用を補助させる形態である。
【0034】
この揺動選別盤43の上面に供給される玄米を揺動選別することによって、比重選別作用による玄米がこの揺動選別盤43の傾斜下端部側に形成の玄米排出口13に排出され、比重の大きい石礫や、この石礫を含む玄米等が傾斜上端側の石排出部17、及び残米排出部13へ揺り上げられて排出姿勢に滞留される。これら石排出部17と残米排出部13は、同じ位置に形成されていて、石抜シャッタ41を選別盤43面よりも適宜高く突出させることによって、通常の揺動選別時ではこの石抜シャッタ41の閉鎖によって、この石排出部17に選別されてくる最下層部の石礫や、この上層部の玄米や、わら屑等を滞留させるが、この石抜シャッタ41を開くことによって、排出室51の石排出部17へ石礫を排出し、この石礫が排出された後にこの上層部に滞留していた残留玄米を残米排出部14へ排出させる選別形態である。この石抜選別形態において、排出室51には、切替弁42が前記石排出部17と残米排出部14との間に切替て、前記石礫類は石排出部17へ案内し、残米は残米排出部14へ案内するように切替ることができる形態である。このような石抜機4の玄米排出口13の下側に玄米シュート15を設け、残米排出部14の下側に残米シュート15を、又、石排出部17の下側に石抜シュート18をそれぞれ配置する。
【0035】
前記石抜機4の玄米シュート16に排出される玄米は、この石抜室12の奥側から右隣に配置の昇降機5の玄米口45に流入されて、この昇降機5を経て精米室19の精米ホッパ27へ揚穀供給される。又、前記石抜機4の直下には、石抜室12を適宜の高さに形成して、手前側の引出口10を前記玄米投入口2の下方に形成して、この引出口10を開閉する扉11を設けている。石抜機5の前には石抜シュート18を経た石を収容する石溜箱72を載置し、石抜室12内の下部には前後方向へ摺動自在の埃溜箱9を設けて、揺動選別盤43から飛散した若干の穀物や石抜室12内で発生した埃を受けて収容する。この石溜箱72や埃溜箱9を引出口10から手前外側へ引出して排出処理を行うことができる。
【0036】
又、前記残米排出部14から残米シュート16を経て流下される玄米は、昇降機5下端部の手前側に形成の玄米口47にのぞませて設け、この昇降機5へ流入下玄米を精米機6へ搬送して精米する形態である。又、前記昇降機5は、左側の玄米供給室20と中央部の精米室19との間の仕切部に位置して構成されて、この玄米供給室20の石抜機4から取り出された玄米を受けて揚穀しながら、隣接精米室19の精米機6へ最短距離で搬送供給する。
【0037】
前記揺動選別盤43の手前側端部に、石排出部17、及び残米排出部14の外周部を覆うように形成する排出室51を設け、この排出室51の下部に、前記切換弁42が横方向の弁軸54の周りに前後方向に回動可能に設けられて、この排出室51の下方前部に配置の残米シュート16と、下方後部に配置の石抜シュート18とに切換えて、排出初期の石礫類は石排出部17から石抜シュート18へ流下案内し、排出後期の残米は残米排出部14から残米シュート16へ流下案内する形態である。
【0038】
前記揺動選別盤43上端部の石抜シャッタ41や、この切換弁42は、玄米ホッパ3の玄米センサ24による玄米無しの検出によってコントローラ48からの出力により電磁機構等を介して作動されるもので、揺動選別によってこの選別盤43の傾斜上端側部に揺り上げられた下層には石礫が沈んで滞溜しているが、前記石抜シャッタ41が開かれることによって、この揺動選別盤43の終端部に滞溜していた下層部の石礫が、この排出室51の石排出部17へ短時間(数秒間)で揺動により送出されて排出落下される。
【0039】
このとき切換弁52は、石抜シュート18側へ流下案内するように切替えられていて、排出される石礫を石溜箱72内へ流下案内させる。このような石抜選別された石礫を排出する排出作用が完了すると、前記石礫層の上側にあった玄米が、残米として揺上げ搬送されてこの排出室51側に送り出されるものであるが、このとき、切替弁42が石排出部17から残米排出部14の側へ切替られて、排出された残米を残米シュート16を経て昇降機5の残米口47へ流下案内する。
【0040】
前記残米排出部14の下側には、残米シュート16の入口部に磁石52を設けて、この残米シュート16へ流下される残米に混入する金属異物を、この磁石52に吸着して除去するものである。この磁石52や、切換弁42等を設ける排出室51の手前外側部には、前カバー53を着脱して、これら磁石52や、切換弁42の状況を簡単に点検することができる。
【0041】
前記玄米ホッパ3は、石抜機4の上側に着脱することができるが(図10参照)、この玄米ホッパ3の下端部のホッパ口をのぞませるパネルカバー55を一体的に(しかも、図例では上下二枚板の形態に)構成して、このパネルカバー55を、揺動選別盤43の上方を覆うようにして石抜機4のフレームに取り付けるもので、メンテナンス等を簡単、容易化するものである。又、同様にして、白米ホッパ7を覆うパネルカバー56と、精米機6の精米口29に取り付けるシュート57とを一体構成として(図11参照)、これら精米口29と白米ホッパ7の上端との間に着脱する形態としている。
【0042】
又、前記昇降機5の下端部には、前後一対のプレートブラケット58を形成して、このブラケット58を介して床49上の部材に取付支持させる(図12参照)。又、この昇降機5の下端部は、据付穴50に設けられるL字型ブラケット61に支持させている。62は昇降機5を駆動する電動モータであり、前記隣接精米室19部の床49上面に取り付けることができる。
【0043】
前記糠収容室8の底部には、床49の上面に前後方向に沿うレール63を設け、このレール63に糠袋台車64の転輪65を支持して前後に引出し移動し易く案内する。又、この糠収容室8のドア口66の下端縁67には、このドア37の内側下端縁68との間に、側断面山形状のガイドプレート69を介在させて設け、このドア37の下端部の間隙部70から糠収容室8内へネズミ等が侵入するのを防止する。
【符号の説明】
【0044】
1 精米筐体
2 玄米投入口
3 玄米ホッパ
4 石抜機
5 昇降機
6 精米機
7 白米ホッパ
8 糠収容室
9 埃溜箱
10 引出口
11 扉
12 石抜室
13 玄米選口部
14 残米派出口部
15 玄米シュート
16 残米シュート
17 石抜選別口部
18 石抜シュート
19 精米室
20 玄米供給室
24 玄米センサ
43 揺動選別盤
45 玄米口
47 残米口
49 床
50 据付穴
51 排出室
【技術分野】
【0001】
この発明は、精米機へ供給する玄米から、これに混入しているおそれのある石礫類を選別除去するコイン精米機に関し、狭い箇所にも設置し易くした簡潔、かつ簡易な小型形態とするものである。
【背景技術】
【0002】
玄米の投入を受ける玄米ホッパから、この玄米を精米機へ搬送供給して精米する行程の間に、石抜機を設けて、石礫や、わら屑等を選別除去したり、又、精米作動時には前記玄米ホッパの蓋を閉鎖状態にロックするロック機構を設ける等の技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4033717号公報(第8頁、9頁、図3、図4)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
玄米に混入している石礫類を選別する石抜機や、この玄米を精米する精米機等を収容する精米機筐体を、小型、簡潔に構成して、据付け場所の制限を受け難くするものである。石抜機の上側に玄米ホッパを配置する形態では、この石抜機で選別された玄米や、石礫等を流下案内するシュータは、これら選別玄米等を流下させるための所定以上の傾斜角度を要するために、この上側に配置の玄米ホッパの配置高さが高くなって、精米利用者は玄米の投入供給が行い難くなる。
【0005】
このため、前記石抜機の下側に、これから選別して落下する石礫を受ける石抜室を形成し、この石抜機の横側に接近して昇降機を配置して、石礫用、及び選別玄米用等のシュータを短く簡単に形成し、石抜機を低く構成し易くして、この上側に玄米ホッパを低く配置して、この玄米ホッパに対する玄米の投入を行い易くするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、略箱形状外形の精米筐体(1)内に、玄米投入口(2)から供給される玄米を収容する玄米ホッパ(3)、この玄米ホッパ(3)から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機(4)、この石抜機(4)で選別された玄米を揚穀する昇降機(5)、この昇降機(5)から供給される玄米を受けて精米する精米機(6)、この精米機(6)で精米された白米を収容する白米ホッパ(7)、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室(8)を配置して、前記石抜機(4)の上側には前記玄米ホッパ(3)を設置し、
前記石抜機(4)は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤(43)を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米排出口(13)を、前記筐体(1)の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石排出部(17)、及び残米排出部(14)を筐体(1)の正面側に対向させて設置し、前記昇降機(5)の背面側下部には、前記玄米排出口(13)の玄米を流下案内する玄米シュート(15)をのぞませる玄米口(45)を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート(16)をのぞませる残米口(47)を設けたことを特徴とするコイン精米機とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記石抜機(4)、及び精米機(6)は精米筐体(1)の床(49)面上に据付けると共に、昇降機(5)の底部は、これら石抜機(4)と精米機(6)との間の床(49)面部を開口して形成した据付穴(50)底位に載置することを特徴とする請求項1記載のコイン精米機とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、昇降機5を、石抜機4や玄米ホッパ3、石抜室12等の位置する玄米供給室と、精米機6や白米ホッパ7等の位置する精米室との間の仕切部に設けて、この昇降機5の背面側下部の玄米口45に、玄米シュート15をのぞませ、正面側下部の残米口47に、残米シュート16をのぞませることによって、これら左右の石抜機4と精米機6との間隔を狭くして筐体1幅を狭幅に形成することができ、しかも、前記石抜シュート18はもとより、各玄米シュート15、及び残米シュート16等の長さを短かくして急勾配に設定することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、昇降機5を介して左右両側部に配置される石抜機4と精米機6は、駆動振動力を大きく生ずるものであるが、底部を据付穴50に低く嵌合させた昇降機5を左右両側から挾持するようにして、床22上面に直接搭載して取付けるものであるから、これら昇降機5、及び床49等による防振効果を高めることができ、精米筐体1の強度、構成を特別に強くする必要はなく、軽量、小形のコンパクトな形態とすることができる。又、この昇降機5の底部にのぞむ各玄米シュート15や、残米シュート16の傾斜角度を急勾配に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コイン精米機の正面図。
【図2】コイン精米機の外観正面図と、左右側面図、及び平面図。
【図3】コイン精米機の平面図。
【図4】コイン精米機の玄米供給室部の側面図。
【図5】コイン精米機の精米室部の側面図。
【図6】精米工程を示すブロック図。
【図7】コイン精米機の精米制御のブロック図。
【図8】コイン精米機の制御のフローチャート。
【図9】側面から見た石抜機の要部を説明する図。
【図10】玄米ホッパ部の側面図。
【図11】白米ホッパ部の側面図。
【図12】昇降機設置部の正面図。
【図13】糠収容室底部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に基づいて、箱型の精米筐体1は、内部に石抜機4や、精米機6を主体とする昇降機5や、玄米ホッパ3、白米ホッパ7、サイクロン21、及びこれらに付随するコンベアや、各機駆動用のモータ等が配置される。精米筐体1内は、略左右に区切られて、中央部には精米室19を形成し、この左手側には玄米供給室20を、又、右手側には糠収容室8を形成する。このうち、玄米供給室20の下部には、石抜機4を設置し、この上側に玄米ホッパ3を位置させる玄米投入室46を形成して、この玄米投入室46の正面側壁部に玄米投入口2を形成する。
【0012】
この玄米投入口2から持込みの玄米袋をのぞませて玄米を玄米ホッパ3に供給する。この玄米ホッパ3の上面には手で開閉できる玄米供給蓋22を設け、閉鎖状態をロック機構23によってロック可能の構成としている。この玄米ホッパ3には供給された玄米の有無や、又は玄米量等を検出する玄米センサ24や、この玄米ホッパ3から直下の石抜機4へ玄米を流下供給させる玄米供給口25を開口して形成する。
【0013】
前記中央部の精米室19部には、精米機6の上方に精米ホッパ27を設けて、昇降機5で揚穀した玄米を収容して精米機6へ供給する。又、この精米室19の正面側壁部には機外へ開放する精米取出口28を形成して、この精米取出口28の下部に白米ホッパ7を設けて、この白米ホッパ7上に精米機6の精米口29をのぞませて、この精米口29から排出される白米を白米ホッパ7内に受けて収容する。
【0014】
この白米ホッパ7の下端にはホッパ口30を下向きに開口して、このホッパ口30の下側を受けるようにシュート状に形成した白米取出シャッタ31をシャッタ軸周りに回動して、前後水平状の閉鎖位置から、前下り傾斜して開口する開口位置へ切替回動するように構成している。この白米取出シャッタ31は、適宜の深さに形成して、このシャッタ31底面で受けた白米をこの開口部から袋ホルダに吊下げた袋に流下させて収容することができる。
【0015】
前記中央部の精米室19の白米ホッパ7から上側部には、操作パネル32を形成し、この操作パネル32の外側には、コインメック33や、精米白度を選択指定する白度選択スイッチ34等が配置され、裏側にコントローラ48が設けられている。
【0016】
前記右手側の糠収容室8には、前記精米機6底部のブロワー35で吸引搬送される糠をサイクロン21で分離して、この下側に配置の糠袋36に収容する。この糠袋36は複数袋前後に配置して、サイクロン21から補集された糠をオーガ41で搬送しながら各糠袋36に収容することができ、各糠袋36が一杯になると、正面のドア37を開けて出し入れして袋替作業することができる。
【0017】
ここにおいて、略箱形状の精米筐体1内に、玄米投入口2から供給される玄米を収容する玄米ホッパ3、この玄米ホッパ3から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機4、この石抜機4で選別された玄米を揚穀する昇降機5、この昇降機5から供給される玄米を受けて精米する精米機6、この精米機6で精米された白米を収容する白米ホッパ7、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室8等を配置する。
【0018】
前記石抜機4の上側には前記玄米ホッパ3を設置し、下側には正面側引出口10の扉11又は精米室19及び石抜機5の前側の全面を縦軸芯に回動することで開閉する開閉扉73を開くと、埃溜箱9を引出可能にして収容する石抜室12を形成し、横側には前記昇降機5を配置して、前記石抜機4の玄米排出口13、及び残米排出部14から前記昇降機5にわたって玄米シュート15、及び残米シュート16を設け、石抜選別口部17から直下の前記石抜室12にわたって石抜シュート18を設けている。また、石抜機4の前側には石抜シュート18の下方にあって石抜シュート18を通過した石を溜める石溜箱72を設けている。
【0019】
コイン精米機は、利用者が所定量の玄米を持込んで、コインメックにこの玄米量の精米するに必要な所定料の精米料金を投入して、玄米ホッパ3の供給蓋22を開けることによって、玄米をこの玄米ホッパ3に供給すると共に、精米白度を選定する等によって精米作用が開始される。
【0020】
玄米ホッパ3に供給された玄米は、直下の石抜機4の揺動選別盤43面に流下供給されて、この揺動選別盤43の揺動により選別されて、玄米が揺動選別盤43の下流にある玄米排出口13へ選別され、石礫が石排出部17へ、又、残米が残米排出部14へ選別される。なお、この実施の形態の石抜機4では石排出部17と残米排出部14は共に揺動選別盤43の上流にあって同じ個所であるが、説明の便宜上別の名称を付している。
【0021】
玄米排出口13に選別された玄米は、玄米シュート15から昇降機5を揚穀されて、精米タンク27に貯留され、順次ロータリバルブ27で精米機6へ供給されて精米処理される。この精米された白米は、白米ホッパ7へ取出されるが、精米により生じた糠は、糠ファン35で隣の糠収容室8に搬送され、サイクロン21で空気と糠を分離して糠袋36に搬送して袋詰される。
【0022】
又、前記石抜機4の石排出部17に取出された石櫟は、石抜シュート18を案内されて、この直下に設ける石溜箱72に受けられる。また、揺動選別盤43から飛散した少量の玄米や異物あるいは選別作業で石抜室12内で発生した埃は石抜室12の下部にある埃溜箱9に受けられる。石溜箱72と埃溜箱9は作業後に扉11又は開閉扉73を開けてまず石溜箱72を取り出し、次いで埃溜箱9を引出口10から引き出してそれぞれ排出処理することができる。又、前記石抜機4の残米排出部14に取出された残米は、残米シュート16を経て昇降機5へ流下供給されて精米機6による精米作用を受ける。
【0023】
又、前記石抜機4は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤43を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米排出口13を、前記筐体1の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石排出部17(残米排出部14)を筐体1の正面側に対向させて設置し、前記昇降機5の背面側下部には、前記玄米排出口13の玄米を流下案内する玄米シュート15をのぞませる玄米口45を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート16をのぞませる残米口47を設けた形態とする。
【0024】
玄米ホッパ3に投入された玄米は、この直下の石抜機4に流下供給されて、石櫟を選別した状態で精米機6へ搬送供給されて精米されるが、この石抜機4は揺動選別盤43を玄米投入口2側高位で奥背面側低位の傾斜姿勢に設定して、この揺動選別盤43で選別される玄米は、背面側に位置する傾斜下端側の玄米排出口13から玄米シュート15を流下案内されて、昇降機5の奥側底部の玄米口45へ流下供給される。又、この揺動選別盤43の手前正面側で、傾斜上端側に位置する石排出部17から選別される石礫は、石抜シュート18を案内されて、直下の石抜室12の埃溜箱9に落下収容される。又、残米排出部14に排出された残米は、残米シュート16を経て手前側の残米口47から昇降機5へ流下供給される。
【0025】
前記玄米排出口13と隣接の昇降機5の玄米口45との間の玄米シュート15や、石排出部17と石抜室12との間の石抜シュート18、及び残米排出部14と昇降機5の残米口47との間の残米シュート16は、いずれも最短距離に設定されているが、前記揺動選別盤43の位置が床底部上の石抜室12の上側位置に高く設定されているため、石櫟の流下はもとより、玄米や、残米のシュート18、15、16の流下傾斜角を急角度に形成することができる。
【0026】
更には、前記石抜機4、及び精米機6は精米筐体1の床49面上に据付けると共に、昇降機5は、この左右両側の石抜機4と精米機6との間に挟持されるような姿勢に支持構成されて、この底部が、これら石抜機4と精米機6との間の床49面部を開口して形成した据付穴50底位に載置された形態として設置される。
【0027】
玄米ホッパ3から供給される玄米は、前記のように石抜機4において揺動選別作用を受けて、昇降機5を揚穀されて精米機6により精米されるが、これら石抜機4や、精米機6等は床49上面に取付支持されているため、振動吸収の効果もよく、円滑で安定した耐久性を維持される。これに対して昇降機5は底部を低く据付穴50に嵌合させて設定しているため、隣接の石抜機4の玄米排出口13や、残米排出部14との間のシュート15、16の連通口である玄米口45や、残米口47等の位置を低く設定して、これら玄米や、残米の流下供給を円滑に行わせる。又、昇降機5は上方へ高く突出し易いものであるが、できるだけ低くして、精米筐体1を低くし、箱型形態にコンパクト化することができる。
【0028】
次に精米運転の概要について説明する。
玄米ホッパ3に玄米を供給し、コインメック33に精米料金を供給して料金応分の精米運転を行うコイン精米機において、玄米ホッパ3の供給口を開閉する開閉蓋22は、閉鎖位置でロックする蓋ロック機構23を有して、精米運転はこの開閉蓋22を閉鎖位置にロックした状態で行い、料金供給による精米運転の完了後は、玄米センサ24又は第二玄米センサ27aの残量玄米の検出によってコインメック33に精米料金を供給することにより、開閉蓋22をロックした状態のままで精米運転を再開可能とする運転制御装置の構成とする。
【0029】
精米運転の順序について図8に基づいて説明すると、精米するときは、まずコインメック33に精米しようとする玄米量に応じた精米料金(例えば300円)を供給する。すると開閉蓋22の蓋ロック機構23が解除されるため、この開閉蓋22を開いて、玄米ホッパ3に精米しようとする目的量の玄米(例えば20キログラム)を供給する。そして開閉蓋22を閉じるとロック機構23が作動してロックされ、操作パネルの精白度選択スイッチ34を選択可能となる。そして、所望の精白度(例えば上白)を選択することによって精米運転が開始される。
【0030】
玄米ホッパ3の玄米は順次石抜機4に供給され、石抜き処理がなされる。そして、昇降機5を経て精米ホッパ27で一時貯留される。そして、第二玄米センサ27aが玄米有りを検出するとロータリバルブ27bにより精米機6に玄米が供給されて精米運転が開始され、白米ホッパ7に精白米が貯留される。そして、利用者は精米運転が終了すると白米取り出しシャッタ31を操作して精白米を取り出す。
【0031】
運転時間中に玄米センサ24が玄米無しを検出すると終了動作工程に入り、石抜機4の残米処理を行なってから運転終了となる。
この開閉蓋22は、精米料金に応じた精米時間の運転が終っても閉鎖状態にロックされている。この精米料金に応じた精米運転が完了した後は、玄米ホッパ3内に残留玄米があることを玄米センサ24が検出するか、又は第二玄米センサ27aが精米ホッパ27内に玄米有りを検出すると、コインメック33にこの残留玄米量に応じた精米料金を供給したときに、開閉蓋22を閉鎖ロックした状態のままで精米運転を再開する。この追加料金は投入可能料金、すなわち精米運転開始時に投入できる額より低い限度額又は最小単位の投入金額を上限として設定されている(例えば100円)。この限度額以上の料金分については受け付けずに返却する。そして追加精米料金分に応じた精米時間が経過すると、この追加の精米運転が停止する。玄米センサ23又は第二玄米センサによって残留玄米を検出されないときは、精米運転終了と判定し、初期状態に戻る。
【0032】
このように精米運転は、コインメック33に投入された精米料金に応じた運転時間にわたって行われて、この精米運転中はもとより運転時間の経過後も玄米ホッパ3の開閉蓋22は開かないため、玄米の追加供給を行うことはできず、従って、1回の運転で連続して玄米を供給して白米ホッパ7がオーバフローすることを防止できる。そして、精米時間経過により精米運転が完了した後に、玄米ホッパ3内に残留玄米があるときは、これを玄米センサ24又は第二玄米センサ27aで検出すること等によって、この残留量に応じた応分の精米料金をコインメック33に追加供給することによって、開閉蓋22を閉めたままの状態で新たに玄米を追加供給することはなく精米運転を再開することができる。
【0033】
次に石抜機5の構成の詳細と、精米運転時の石抜機5の選別処理及び終了動作工程における石抜機5の石抜処理及び残米処理について説明する。
前記石抜機4は、小さな揺上突子や、噴気孔等を配置形成した揺動選別盤43を、架台上に揺動リンクを介して吊り下げて、この揺動選別盤43面を、手前正面側の玄米投入口2の側が上位にして、奥側背面側を下位にする状態に、即ち奥側下がりの形態に傾斜させて設定したもので、この下側にはブロワー44を設けて、このブロワー44から吹き出す風圧を選別盤43の下側に当てることによって、揺動選別盤43の前記噴気孔からこの選別盤43面上へ噴風させながら揺動選別作用を補助させる形態である。
【0034】
この揺動選別盤43の上面に供給される玄米を揺動選別することによって、比重選別作用による玄米がこの揺動選別盤43の傾斜下端部側に形成の玄米排出口13に排出され、比重の大きい石礫や、この石礫を含む玄米等が傾斜上端側の石排出部17、及び残米排出部13へ揺り上げられて排出姿勢に滞留される。これら石排出部17と残米排出部13は、同じ位置に形成されていて、石抜シャッタ41を選別盤43面よりも適宜高く突出させることによって、通常の揺動選別時ではこの石抜シャッタ41の閉鎖によって、この石排出部17に選別されてくる最下層部の石礫や、この上層部の玄米や、わら屑等を滞留させるが、この石抜シャッタ41を開くことによって、排出室51の石排出部17へ石礫を排出し、この石礫が排出された後にこの上層部に滞留していた残留玄米を残米排出部14へ排出させる選別形態である。この石抜選別形態において、排出室51には、切替弁42が前記石排出部17と残米排出部14との間に切替て、前記石礫類は石排出部17へ案内し、残米は残米排出部14へ案内するように切替ることができる形態である。このような石抜機4の玄米排出口13の下側に玄米シュート15を設け、残米排出部14の下側に残米シュート15を、又、石排出部17の下側に石抜シュート18をそれぞれ配置する。
【0035】
前記石抜機4の玄米シュート16に排出される玄米は、この石抜室12の奥側から右隣に配置の昇降機5の玄米口45に流入されて、この昇降機5を経て精米室19の精米ホッパ27へ揚穀供給される。又、前記石抜機4の直下には、石抜室12を適宜の高さに形成して、手前側の引出口10を前記玄米投入口2の下方に形成して、この引出口10を開閉する扉11を設けている。石抜機5の前には石抜シュート18を経た石を収容する石溜箱72を載置し、石抜室12内の下部には前後方向へ摺動自在の埃溜箱9を設けて、揺動選別盤43から飛散した若干の穀物や石抜室12内で発生した埃を受けて収容する。この石溜箱72や埃溜箱9を引出口10から手前外側へ引出して排出処理を行うことができる。
【0036】
又、前記残米排出部14から残米シュート16を経て流下される玄米は、昇降機5下端部の手前側に形成の玄米口47にのぞませて設け、この昇降機5へ流入下玄米を精米機6へ搬送して精米する形態である。又、前記昇降機5は、左側の玄米供給室20と中央部の精米室19との間の仕切部に位置して構成されて、この玄米供給室20の石抜機4から取り出された玄米を受けて揚穀しながら、隣接精米室19の精米機6へ最短距離で搬送供給する。
【0037】
前記揺動選別盤43の手前側端部に、石排出部17、及び残米排出部14の外周部を覆うように形成する排出室51を設け、この排出室51の下部に、前記切換弁42が横方向の弁軸54の周りに前後方向に回動可能に設けられて、この排出室51の下方前部に配置の残米シュート16と、下方後部に配置の石抜シュート18とに切換えて、排出初期の石礫類は石排出部17から石抜シュート18へ流下案内し、排出後期の残米は残米排出部14から残米シュート16へ流下案内する形態である。
【0038】
前記揺動選別盤43上端部の石抜シャッタ41や、この切換弁42は、玄米ホッパ3の玄米センサ24による玄米無しの検出によってコントローラ48からの出力により電磁機構等を介して作動されるもので、揺動選別によってこの選別盤43の傾斜上端側部に揺り上げられた下層には石礫が沈んで滞溜しているが、前記石抜シャッタ41が開かれることによって、この揺動選別盤43の終端部に滞溜していた下層部の石礫が、この排出室51の石排出部17へ短時間(数秒間)で揺動により送出されて排出落下される。
【0039】
このとき切換弁52は、石抜シュート18側へ流下案内するように切替えられていて、排出される石礫を石溜箱72内へ流下案内させる。このような石抜選別された石礫を排出する排出作用が完了すると、前記石礫層の上側にあった玄米が、残米として揺上げ搬送されてこの排出室51側に送り出されるものであるが、このとき、切替弁42が石排出部17から残米排出部14の側へ切替られて、排出された残米を残米シュート16を経て昇降機5の残米口47へ流下案内する。
【0040】
前記残米排出部14の下側には、残米シュート16の入口部に磁石52を設けて、この残米シュート16へ流下される残米に混入する金属異物を、この磁石52に吸着して除去するものである。この磁石52や、切換弁42等を設ける排出室51の手前外側部には、前カバー53を着脱して、これら磁石52や、切換弁42の状況を簡単に点検することができる。
【0041】
前記玄米ホッパ3は、石抜機4の上側に着脱することができるが(図10参照)、この玄米ホッパ3の下端部のホッパ口をのぞませるパネルカバー55を一体的に(しかも、図例では上下二枚板の形態に)構成して、このパネルカバー55を、揺動選別盤43の上方を覆うようにして石抜機4のフレームに取り付けるもので、メンテナンス等を簡単、容易化するものである。又、同様にして、白米ホッパ7を覆うパネルカバー56と、精米機6の精米口29に取り付けるシュート57とを一体構成として(図11参照)、これら精米口29と白米ホッパ7の上端との間に着脱する形態としている。
【0042】
又、前記昇降機5の下端部には、前後一対のプレートブラケット58を形成して、このブラケット58を介して床49上の部材に取付支持させる(図12参照)。又、この昇降機5の下端部は、据付穴50に設けられるL字型ブラケット61に支持させている。62は昇降機5を駆動する電動モータであり、前記隣接精米室19部の床49上面に取り付けることができる。
【0043】
前記糠収容室8の底部には、床49の上面に前後方向に沿うレール63を設け、このレール63に糠袋台車64の転輪65を支持して前後に引出し移動し易く案内する。又、この糠収容室8のドア口66の下端縁67には、このドア37の内側下端縁68との間に、側断面山形状のガイドプレート69を介在させて設け、このドア37の下端部の間隙部70から糠収容室8内へネズミ等が侵入するのを防止する。
【符号の説明】
【0044】
1 精米筐体
2 玄米投入口
3 玄米ホッパ
4 石抜機
5 昇降機
6 精米機
7 白米ホッパ
8 糠収容室
9 埃溜箱
10 引出口
11 扉
12 石抜室
13 玄米選口部
14 残米派出口部
15 玄米シュート
16 残米シュート
17 石抜選別口部
18 石抜シュート
19 精米室
20 玄米供給室
24 玄米センサ
43 揺動選別盤
45 玄米口
47 残米口
49 床
50 据付穴
51 排出室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略箱形状外形の精米筐体(1)内に、玄米投入口(2)から供給される玄米を収容する玄米ホッパ(3)、この玄米ホッパ(3)から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機(4)、この石抜機(4)で選別された玄米を揚穀する昇降機(5)、この昇降機(5)から供給される玄米を受けて精米する精米機(6)、この精米機(6)で精米された白米を収容する白米ホッパ(7)、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室(8)を配置して、前記石抜機(4)の上側には前記玄米ホッパ(3)を設置し、
前記石抜機(4)は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤(43)を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米選別口部(13)を、前記筐体(1)の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石選別口部(17)、及び残米排出部(14)を筐体(1)の正面側に対向させて設置し、前記昇降機(5)の背面側下部には、前記玄米排出部(13)の玄米を流下案内する玄米シュート(15)をのぞませる玄米口(45)を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート(16)をのぞませる残米口(47)を設けたことを特徴とするコイン精米機。
【請求項2】
前記石抜機(4)、及び精米機(6)は精米筐体(1)の床(49)面上に据付けると共に、昇降機(5)の底部は、これら石抜機(4)と精米機(6)との間の床(49)面部を開口して形成した据付穴(50)底位に載置することを特徴とする請求項1記載のコイン精米機。
【請求項1】
略箱形状外形の精米筐体(1)内に、玄米投入口(2)から供給される玄米を収容する玄米ホッパ(3)、この玄米ホッパ(3)から供給される玄米を受けて揺動しながら石抜選別する石抜機(4)、この石抜機(4)で選別された玄米を揚穀する昇降機(5)、この昇降機(5)から供給される玄米を受けて精米する精米機(6)、この精米機(6)で精米された白米を収容する白米ホッパ(7)、及び精米により生じた糠を袋詰収容する糠収容室(8)を配置して、前記石抜機(4)の上側には前記玄米ホッパ(3)を設置し、
前記石抜機(4)は、この揺動選別面を上下に傾斜させた揺動選別盤(43)を主体とするもので、この傾斜下端側に形成の玄米選別口部(13)を、前記筐体(1)の背面側に対向させると共に、この傾斜上端側に形成の石選別口部(17)、及び残米排出部(14)を筐体(1)の正面側に対向させて設置し、前記昇降機(5)の背面側下部には、前記玄米排出部(13)の玄米を流下案内する玄米シュート(15)をのぞませる玄米口(45)を設け、又、反対側の正面側下部には、前記残米シュート(16)をのぞませる残米口(47)を設けたことを特徴とするコイン精米機。
【請求項2】
前記石抜機(4)、及び精米機(6)は精米筐体(1)の床(49)面上に据付けると共に、昇降機(5)の底部は、これら石抜機(4)と精米機(6)との間の床(49)面部を開口して形成した据付穴(50)底位に載置することを特徴とする請求項1記載のコイン精米機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−35195(P2012−35195A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177614(P2010−177614)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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