説明

コネクタ

【課題】信号の伝送速度の高速化に適応させ、かつ組立て性の向上を図る。
【解決手段】コネクタは、ハウジング内に複数(n個)のコンタクトモジュール組立体40−1〜40−nが面対向して並んでいる。コンタクトモジュール組立体40は、対をなす第1、第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41、51をグランドプレート70を間に挟んで組み合わされて一体化されている。第1、第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41、51は、夫々第1、第2のシグナルコンタクト部材と第1、第2の成形樹脂部とを有する。第1、第2のシグナルコンタクト本体44,144の片面は第1の成形樹脂部より露出している。第1、第2のシグナルコンタクト本体44,144、第1、第2の成形樹脂部、グランドプレート70は、マイクロストリップライン構造を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに係り、特に、通信機器等においてケーブルをプリント回路基板に電気的に接続するのに使用される高速伝送対応であってライトアングル型のソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器は、例えば、内部に、端の箇所にライトアングル型のソケットコネクタが実装してあるプリント回路基板が組み込んであり、ライトアングル型のソケットコネクタのソケット部が、通信機器のパネルの開口から突き出ている構成である。通信機器は、ケーブルの端のプラグが、上記のソケット部に接続された状態で使用される。
【0003】
ライトアングル型のソケットコネクタは、前側に多数のコンタクト部が突き出して縦横に整列しており、下側に多数のターミナル部が突き出して縦横に整列している構成である。コンタクト部は、プラグの縦横に整列しているコンタクトと接続される部分をいう。ターミナル部は、プリント回路基板の縦横に整列している端子部と半田付け或いは圧入されて接続される部分を指す。ソケットコネクタの横側から見て、コンタクト部とターミナル部とは直角(ライトアングル)の配置となっている。
【0004】
近年、伝送する信号の大容量化に伴って、通信システムあっては、信号の伝送速度を高速とすることが求められており、そのために、伝送される信号間のシールド性を高めること、信号伝送路のインピーダンスを上げること等が要求されている。
【0005】
上記のソケットコネクタは信号伝送路の一部を形成するため、ソケットコネクタにおいても、シグナルコンタクトが形成する信号伝送路を通って伝送される信号間のシールド性を高めること、各信号伝送路のインピーダンスを上げること等が要求されている。
【0006】
従来のソケットコネクタの一例は、ハウジングに、略長方形の小さいサイズのプリント回路基板を有するコンタクトモジュール組立体が、面対向する位置関係で複数並んで組み込んである構成である。信号伝送路はこのプリント回路基板にパターンとして形成してあり、プリント回路基板を適宜設計することによって、シールド性を高めること及びインピーダンスを上げることは可能である。
【0007】
しかし、コンタクトモジュール組立体は、プリント回路基板の他に、コンタクト部が並んでいるコンタクト部品及びターミナル部が並んでいるターミナル部品等を別に用意して、これらを上記プリント回路基板の別々の辺に半田付けして固定する必要があった。また、半田付け後に、洗浄をしたり、外観を検査することが必要となる。このように、コンタクトモジュール組立体は、作業工数がかかるものであった。
【0008】
また、特表2003−522396号公報の図1及び図2A,図2Bには、第1のウェーハ半体と第2のウェーハ半体とが重なって一体化してあるウェーハが、複数、面対向して並んでいる構成のソケットコネクタが記載してあります。第1のウェーハ半体は、第1の信号要素と接地要素とがインサート成形してある小片板状の構造であり、第2のウェーハ半体は、第2の信号要素がインサート成形してある小片板状の構造である。このソケットコネクタは、前記のプリント回路基板を使用したソケットコネクタに比較して、製造は容易である。
【特許文献1】特表2003−522396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、以下の問題があった。
【0010】
ウェーハは、第1の信号要素と第2の信号要素とが対向しており、接地要素が線状であって隣り合う第1の信号要素の間に配置してある構成である。このため、構造上、接地要素は、第1の信号要素と第2の信号要素との間を十分にシールドすることが困難であった。
【0011】
また、第1、第2の信号要素は、共に、全周囲を合成樹脂によって包まれている構成であり、インピーダンスを上げることが難しかった。また、第1、第2の信号要素は、マイクロストリップライン構造とはなっておらず、インピーダンスをコネクタの仕様の値にする設計が難しかった。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ハウジングに、複数のコンタクトモジュール組立体が組み込まれて並んでいるコネクタであって、
各コンタクトモジュール組立体は、
第1のシグナルコンタクト本体とこの一端の第1のシグナルコンタクト部と他端の第1のシグナルターミナル部を有するシグナルコンタクト部材が第1の成形樹脂部にインサート成形してある第1のシグナルコンタクトモジュールと、
第2のシグナルコンタクト本体とこの一端の第2のシグナルコンタクト部と他端の第21のシグナルターミナル部を有する第2のシグナルコンタクト部材が第2の成形樹脂部にインサート成形してある第2のシグナルコンタクトモジュールと、
板状のグランドプレート本体と該グランドプレート本体より突き出ている複数のグランドコンタクト部及び複数のグランドターミナル部とを有するグランドプレートを有し、
前記第1のシグナルコンタクトモジュールと前記第2のシグナルコンタクトモジュールとが、間に前記グランドプレートを挟んで組み合わされており、両面側に、前記第1のシグナルコンタクト本体及び前記第2のシグナルコンタクト本体がストリップ導体を形成し、前記第1、第2の成形樹脂部が誘電体基板を形成し、前記グランドプレートが共通の接地導体を形成してなるマイクロストリップライン構造を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を有する。
(1)組み立てる構造であるにも拘わらず、マイクロストリップライン構造をなすため、第1、第2のシグナルコンタクト本体が構成する信号伝送路のインピーダンスをコネクタの仕様の値に調整して定める設計が容易である。
(2)板状のグランドプレート本体が中間に存在することによって、第1のシグナルコンタクト本体と第2のシグナルコンタクト本体との間のシールド性を高めることが出来る。
(3)上記の(1)、(2)の効果によって、信号の伝送速度の高速化に対応することが出来る。
(4)コンタクトモジュール組立体は、第1のシグナルコンタクトモジュールと第2のシグナルコンタクトモジュールとが、間にグランドプレートを挟んで組み合わされている構成であるため、組み立てが容易である。
(5)グランドプレートが共通の接地導体を形成する構成であるため、グランドプレートは単一で足り、部品点数を少なく出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1になるソケットコネクタ10を、これが実装されるプリント回路基板20と、これに接続されるケーブル30の先端のコネクタ31と対応させて示す。図2は、コネクタ10を、分解して示す。コネクタ10は、形式はライトアングル型で、シングル伝送に適合した構成である。
【0017】
X1−X2はコネクタ10の長手方向、Y1−Y2は奥行き方向、Z1−Z2は高さ方向である。Y2側が前面側、Y1側が後面側である。
【0018】
図3はコネクタ10の平面図、図4はコネクタ10を前面側から見た図、図5はコネクタ10を底面図、図6は図3中、VI-VI 線に沿う断面図である。
【0019】
全部の図について、符号が込み合う箇所については、図示の便宜上、符号の一部を省略している。また、複数の同じ部分については、枝番を付した同じ符号を付している。
【0020】
また、明細書において、同じ部分の個々を特定しないで同じ部分の全体を指す場合には、枝番を省略した符号を使用する。
【0021】
コネクタ10は、ハウジング11内に、そのY1側から、コンタクトモジュール組立体40がきつく差し込まれて、複数(n個)のコンタクトモジュール組立体40−1〜40−nが面対向してX1−X2方向に並んでおり、コンタクトモジュール組立体40のうちハウジング11よりY1側に突き出ている部分がシールドカバー(図示せず)によって覆われており、Z2側に整列シート35が装着してある構成である。
【0022】
ハウジング11は、合成樹脂製の成形部品であり、X1−X2方向に長い長方形の枠部12と、枠部12の両側よりY2方向に突き出ているラッチ用腕部13、14と、両側よりZ2方向に突き出ているボス部15,16とを有する。
【0023】
コネクタ10の前面側、即ち、枠部12内には、図4に示すように、シグナルコンタクト部45、145とグランドコンタクト部72とがX1−X2及びY1−Y2方向に、交互に配されてマトリクス状に整列している。コネクタ10の下面には、プレスフィットピン構造であるシグナルターミナル部46、146とグランドターミナル部73とが、X1−X2及びY1−Y2方向に、交互に配されてマトリクス状に整列している。整列シート35は、シグナルターミナル部46、146とグランドターミナル部73を拘束してマトリクス状に整列している状態に維持する。
【0024】
コネクタ10は、整列シート35を取り外した状態で、ボス部15,16を穴21,22に嵌合させて位置を決めて、シグナルターミナル部46−1、146−1等とグランドターミナル部73−1等をプリント回路基板20の端子穴23に圧入して、プリント回路基板20上に、無半田で実装されて使用される。
[コンタクトモジュール組立体40の構造の概略]
図7(A)はコンタクトモジュール組立体40をX1側から斜めに見て示すと共に分解して示す斜視図、同図(B)はコンタクトモジュール組立体40をX2側から斜めに見て示す斜視図である。図8はコンタクトモジュール組立体40の投象図である。
【0025】
図9は図8(B)を拡大して示す図である。
【0026】
図10は図8(A)中、X-X線に沿う拡大断面図である。図11は、図8(B)中、XI-XI線に沿う拡大断面図、図12は、図8(A)中、XII-XII線に沿う拡大断面図、図13は、図8(A)中、XIII-XIII線に沿う拡大断面図である。図14は、図7(A)中、円XIVで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【0027】
コンタクトモジュール組立体40は、図7に示すように、対をなす第1、第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41、141を、グランドプレート70を間に挟んで組み合わされて一体化されている構成であり、しかも、両面側にマイクロストリップライン構造を有している構成である。
[第1のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41の構造]
図15(A)、(B)及び図16は、第1のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41を示す。図16は図15(A)中、XVI-XVI線に沿う拡大断面図である。図17は第1のシグナルコンタクトフレーム42を示す斜視図である。
【0028】
第1のモジュール41は、図17に示す第1のシグナルコンタクトフレーム42を合成樹脂成形装置(図示せず)の成形金型(図示せず)にセットし、合成樹脂を成形金型内に注入して、第1のシグナルコンタクト部材43の片面だけを包み反対側の面を露出させるようにしてインサート成形し、成形金型より取り出したのちに、最後にフレーム部47を切除することによって製造された、インサート成形モジュールであり、第1のシグナルコンタクト部材43−1〜43−4と第1の成形樹脂部50とを有する。
【0029】
図7及び図8等に示す構造のコンタクトモジュール組立体40において、上記の第1のシグナルコンタクト部材43−1〜43−4は、マイクロストリップライン構造のうちのストリップ導体を形成し、第1の成形樹脂部50は、マイクロストリップライン構造のうちの誘電体基板を形成する。
【0030】
<第1のシグナルコンタクトフレーム42>
第1のシグナルコンタクトフレーム42は、図17に示すように、4つの線状の第1のシグナルコンタクト部材43−1〜43−4がピッチp1で並んでおり、その両端がフレーム部47と繋がっている形状である。第1のシグナルコンタクト部材43−1〜43−4は、略L字形状である第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と、各第1のシグナルコンタクト本体44のY2端の第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4と、各第1のシグナルコンタクト本体のZ2端の第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4とを有する。第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4の断面形状は一辺の長さがAである略正方形である。第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4は通常のピン形状を有する。第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4はプレスフィットピンの形状を有する。
【0031】
<第1の成形樹脂部50>
第1の成形樹脂部50は、略長方形の板状であり、X1側の面51X1とX2側の面52X2とを有する。第1の成形樹脂部50の最大厚さB(縁取り部53、54,55の厚さ)は上記寸法Aの約2倍である。
【0032】
面51X1は、Y1,Y2、Z2側の辺に沿う凸状の縁取り部53、54,55を有する。縁取り部53、54,55によって囲まれるた内側の広い部分は、縁取り部53、54,55より凹んでおり、この部分の厚さはB1であり、上記の厚さBより薄い。
【0033】
面51X1が上記の形状となっていることによって、(1)第1のシグナルコンタクト本体44−1等は、厚さBの略中心とされて、且つ、面52X2との寸法Eを所定の値とされて、且つ、片面が面51X1と同一平面に位置するように配置してあり、(2)第1のシグナルコンタクト本体44は、その両端部については、縁取り部54,55によって全周を囲まれて固定されており、(3)第1のシグナルコンタクト部45は、第1の成形樹脂部50の厚みの略中心から突き出ており、(4)第1のシグナルターミナル部46は、第1の成形樹脂部50の厚みの略中心から突き出ている。また、凸状の縁取り部53、54,55は、第1のモジュール41の機械的強度を上げる役割も有する。
【0034】
上記の寸法Eは、コンタクトモジュール組立体40の状態では、第1のシグナルコンタクト本体44とグランドプレート70との間の寸法であり、第1のシグナルコンタクト本体44のインピーダンスの決定に関係する寸法である。
【0035】
縁取り部53には、第1の成形樹脂部50の高さ方向の中央の箇所に、係止孔56が貫通して形成してある。縁取り部54のZ2側の箇所に、係止孔57が貫通して形成してある。
【0036】
面52X2には、係止孔56の直ぐZ1側の位置に、断面が四角形状の係止突起58が形成してある。
【0037】
第1の成形樹脂部50のZ1及びZ2側の面のY2の箇所には、ハウジング11に対する固定のための突条部59が形成してある(図14参照)。
【0038】
<第1の成形樹脂部50と第1のシグナルコンタクトフレーム42との関係>
第1のシグナルコンタクト本体44−1は、図16中に拡大して示すように、Z1側の面44−1Z1と、Z2側の面44−1Z2と、X2側の面44−1X2を、第1の成形樹脂部50によって包まれ、成形樹脂内に埋め込まれて、第1の成形樹脂部50に固定してある。X1側の面44−1X1は面51X1に露出している。後述するように、所望のインピーダンスを得るためである。縁取り部53,54の箇所では、第1のシグナルコンタクト本体44−1は成形樹脂によって全周を囲まれている。即ち、第1のシグナルコンタクト本体44−1は、その両端の箇所については、成形樹脂によって全周を囲まれて固定されている。縁取り部54のうちのY1側の箇所、即ち、第1の成形樹脂部50のうち厚さが薄い部分に対向する箇所に、スリット60が複数形成してあり、スリット59の箇所では第1のシグナルコンタクト本体44が露出してあり、第1のシグナルコンタクト本体44のうち露出する部分がY2方向に延長されている(図12及び図14参照)。よって、第1のモジュール41は、所定の機械的強度を維持しつつ、第1のシグナルコンタクト本体44のうち露出する部分が延長された構成となっている。
【0039】
他の第1のシグナルコンタクト本体44−2、44−3、44−4についても、上記の第1のシグナルコンタクト本体44−1と同様に、X1側の面が露出された状態で、第1の成形樹脂部50内に埋まっている。
【0040】
第1の成形樹脂部50の面51X1には、各第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4の内側(各第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4に対してZ2側及びY2側)に沿って、第1の溝61−1〜61−4が形成してある。各溝61−1〜61−4は幅C,深さDを有する。幅Cは前記のピッチp1に略等しい寸法であり、上記寸法Aの約2倍と広い。深さDの寸法は、上記寸法Aより少し長い。溝61−1〜61−4は、コネクタ10において、隣りに位置するコンタクトモジュール組立体40の第2のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4の露出した面に、図6に符号201−1等で示す空気層(自由空間)を形成するためのものである。
【0041】
第1の成形樹脂部50のY2側の端面より、第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4が突き出ており、ピッチp1で並んでおり、Z2側の端面より、第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4が突き出ており、ピッチp2で並んでいる。
【0042】
第1の成形樹脂部50の面52X2には、Y2側の端面側には、隣り合う第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4の間の位置及び第1のシグナルコンタクト部45−4よりZ2側の位置に、スリット62−1〜62−4が形成してある。同じく、面52X2のZ2側の端面側には、隣り合う第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4間の位置及び第1のシグナルターミナル部46−4よりY2側の位置に、スリット63−1〜63−4が形成してある。スリット62−1〜62−4は、グランドプレート70のグランドコンタクト部73−1等の根元の湾曲部が入り込む部分であり、スリット63−1〜63−4は、グランドプレート70のグランドターミナル部73−3等の根元の曲り部が入り込む部分である。
[第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール141の構造]
図18(A),(B),図19は第2のモジュール141を示す。図19は図18(A)中、XIX-XIX線に沿う拡大断面図である。図20は第2のシグナルコンタクトフレーム142を示す。
【0043】
第2のモジュール141は、前記の第1のモジュール41をその面51X1に関して略面対称である構成であり、対応する部分には100を加算した符号を付す。
【0044】
第2のモジュール141は、インサート成形モジュールであり、第2のシグナルコンタクト部材143−1〜143−4と第2の成形樹脂部150とを有する。
【0045】
第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4は、X2側の面144−1X2が面部151X2に露出している。
【0046】
第1のシグナルコンタクトインサート成形モジュール41と第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール141とを重ねて、X1側から見た状態で、第2のシグナルコンタクト部材143−1〜143−4は、X1側から見て、第1のシグナルコンタクト部材43−1〜43−4より、Z2側に、ピッチp1の1/2の寸法L1ずれた配置となっている(図8(A)及び図10参照)。第2のコンタクト部145−1〜145−4は、第1のコンタクト部45−1〜45−4より、Z2側に、ピッチp1の1/2の寸法L1ずれた配置となっている。コンタクトモジュール組立体40において、図9に示すように、第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4と第2のシグナルコンタクト部145−1〜145−4とが千鳥状に配置されるようにするためである。第2のターミナル部146−1〜146−4は、第1のターミナル部46−1〜46−4より、Y2側に、ピッチp2の約1/4のピッチの寸法L2ずれた配置となっている(図5及び図8(C)参照)。
【0047】
第2の溝161−1〜161−4は、面部152X2であって、各第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4の外側(各第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4に対してZ1側及びY1側)に沿っている。
【0048】
面部151X1には、前記の係止突起58に対応する係止孔158が形成してある。
【0049】
図7及び図8等に示す構造のコンタクトモジュール組立体40において、上記の第2のシグナルコンタクト部材143−1〜143−4は、マイクロストリップライン構造のうちのストリップ導体を形成し、第2の成形樹脂部150は、マイクロストリップライン構造のうちの誘電体基板を形成する。
[グランドプレート70の形状]
図21(A),(B)はグランドプレート70を示す。図22はグランドプレート70をY2側から見た図、図23はグランドプレート70をZ2側から見た図である。
【0050】
グランドプレート70は、マイクロストリップライン構造のうちの接地導体を形成する。なお、後述するように、コンタクトモジュール組立体40のX1側のマイクロストリップライン構造の接地導体として且つX2側のマイクロストリップライン構造の接地導体として共通に利用されるため、グランドプレート70の枚数は一つで足りている。
【0051】
グランドプレート70は、板状のグランドプレート本体71と、グランドプレート本体71のY2側の縁71Y2よりY2方向に突き出ている複数のグランドコンタクト部72と、グランドプレート本体71のZ2側の縁71Z2よりZ2方向に突き出ている複数のグランドターミナル部73とを有する。
【0052】
グランドプレート本体71は、第1、第2のシグナルコンタクト本体44,144全体を覆う大きさ及び形状であって、第1のモジュール41及び第2のモジュール141と略同じ大きさの形状を有する(図7参照)。グランドコンタクト部72は通常のピン形状を有し、グランドターミナル部73はプレスフィットピンの形状を有する。
【0053】
グランドコンタクト部72は、ピッチp3で並んでおり、且つ、根元の箇所で、X2側とX1側とに交互に曲げてあり、図6に示すように、X2側とX1側とに交互に千鳥状に並んでいる。
【0054】
グランドターミナル部73は、根元の箇所で、X2側とX1側とに交互に曲げてあり、図6に示すように、略、X2側とX1側とに交互に千鳥状に並んでいる。
【0055】
グランドターミナル部73は、Y1−Y2の方向の両端のグランドターミナル部73−1、73−8と、その間に位置して、対をなすグランドターミナル部73−2、73−3及び73−4、73−5及び73−6、73−7とを有する。
【0056】
また、グランドプレート本体71のY1側の縁71Y1には、X1方向に折れ曲った第1の係止片74と、X2方向に折れ曲った第2の係止片75が形成してある。
【0057】
グランドプレート本体71のY1側の縁71Y1側には、Z1側の縁71Z1よりX2方向に折れ曲った第2の係止片76と、縁71Z2よりX1方向に折れ曲った第1の係止片77が形成してある。
【0058】
また、グランドターミナル部73−1と対をなすグランドターミナル部73−2、73−3との間、対をなすグランドターミナル部73−2、73−3と対をなすグランドターミナル部73−4、73−5との間、対をなすグランドターミナル部73−4、73−5と対をなすグランドターミナル部73−6、73−7との間、対をなすグランドターミナル部73−6、73−7とグランドターミナル部73−8との間には、縁71Z2よりZ2方向に張り出した張り出し部78〜81が形成してある。
[コンタクトモジュール組立体40の構造]
コンタクトモジュール組立体40は、図7に示すように、対をなす第1、第2の成形モジュール41、141を、グランドプレート70を間に挟んで組み合わされて一体化されている構成である。
【0059】
コンタクトモジュール組立体40は、例えば、第2の成形モジュール141をその面151X1が上面をなる向きで作業テーブル上に置き、グランドプレート70を第2の成形モジュール141に重ねるように置いて押し付け、更に、第1の成形モジュール41をその面51X1が上面をなる向きで置いて押し付け、全体を強く圧縮させることによって組み立てられる。半田付け等は不要であり、半田付けをした場合に半田付け後に必要とされる洗浄は不要である。よって、コンタクトモジュール組立体40の製造は容易である。
【0060】
図12はグランドプレート70と第2の成形モジュール141との関係を示す。グランドプレート70は、第2の成形モジュール141に対しては、図13に示すように、第2の係止片75を係止孔156に圧入されて、且つ、図12に示すように、第2の係止片76を係止孔157に圧入されて位置を決められて固定してある。
【0061】
コンタクト部72のうちX2側に曲げてあるコンタクト部の根元部がスリット162に嵌合している。ターミナル部73のうちX2側に曲げてあるコンタクト部の根元部がスリット163に嵌合している。
【0062】
第1の成形モジュール41は、図11中のグランドプレート70に重ねるようにして組み合わされる。このとき、図13に示すように、係止孔56が第1の係止片74に圧入され、且つ、図12に示すように、係止孔57が第1の係止片77に圧入され、更には、図13に示すように、係止突起58が係止孔158に圧入されて、第1の成形モジュール41は、グランドプレート70に対して位置決めされ且つ固定され、且つ、第2の成形モジュール141に対して位置決めされ且つ固定される。スリット62は、コンタクト部72のうちX1側に曲げてあるコンタクト部の根元部に嵌合し、スリット63は、ターミナル部73のうちX1側に曲げてあるターミナル部の根元部に嵌合する。
【0063】
ここで、コンタクト部72及びターミナル部73の根元の部分はグランドプレート本体71の面に垂直の方向に張り出しているけれども、この部分がスリット62,162、63,163内に収まっているため、コンタクト部72及びターミナル部73の根元の部分に邪魔されることなく、第1、第2の成形モジュール41、141とグランドプレート70とは、図10に示すように、密着する。
【0064】
図12及び図13に示すように、グランドプレート70と第1の成形モジュール41とは、Y1側における係止片74と係止孔56との係止及びY2側における係止片77と係止孔57との係止によって、即ち、離れた二箇所における係止によって固定してある。グランドプレート70と第2の成形モジュール141とは、Y1側における係止片75と係止孔156との係止及びY2側における係止片76と係止孔157との係止によって、即ち、離れた二箇所における係止によって固定してある。第1の成形モジュール41と第2の成形モジュール41とは、上記のグランドプレート70を介して固定してあり、且つ、係止突起58と係止孔158との係止によって固定してある。
【0065】
<第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4、グランドプレート70との位置関係>
図10に示すように、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4は第1の成形樹脂部50を介してグランドプレート70と対向しており、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4がストリップ導体を形成し、第1の成形樹脂部50が誘電体基板を形成し、グランドプレート70が接地導体を形成して、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4、第1の成形樹脂部50及びグランドプレート70はマイクロストリップライン構造を構成している。第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4を有する信号伝送路は、前記の寸法E等を適宜調整されて、図1のソケットコネクタ40の仕様にあったインピーダンスを有する。
【0066】
同じく図10に示すように、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4は第2の成形樹脂部150を介してグランドプレート70と対向しており、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4がストリップ導体を形成し、第2の成形樹脂部150が誘電体基板を形成し、グランドプレート70が接地導体を形成して、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4、第2の成形樹脂部150及びグランドプレート70は、同じく、マイクロストリップライン構造を構成している。第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4を有する信号伝送路は、前記の寸法E等を適宜調整されて、図1のソケットコネクタ40の仕様にあったインピーダンスを有する。
【0067】
即ち、コンタクトモジュール組立体40は、X1側とX2側との両面側にマイクロストリップライン構造を有しており、且つ、夫々のマイクロストリップライン構造は、グランドプレート70が接地導体として共通である構造である。
【0068】
第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4及び第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4は、共に、グランドプレート70と対向する面とは反対側の面が露出して、比誘電率が1.00である空気に晒されており、電磁界は第1、第2の成形樹脂部50、150と自由空間にまたがって形成される。これは、インピーダンスを整合させやすい構造である。
【0069】
<第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4、第1の溝61−1〜61−4、第2の溝161−1〜161−4との位置関係>
図8(A),図9に示すように、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4はコンタクトモジュール組立体40のX1側の面に露出しており、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4はコンタクトモジュール組立体40のX2側の面に露出している。
【0070】
コンタクトモジュール組立体40のX2側の面には、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4に対応する箇所に第2の溝161−1〜161−4が存在している。X1側の面には、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4に対応する箇所に第1の溝61−1〜61−4が存在している。
【0071】
コンタクトモジュール組立体40をX1側から見ると、即ち、第2の成形モジュール141上に第1の成形モジュール14が重なった状態でX1側から見ると、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4とは交互に並んでおり、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4の裏側には第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4に沿うように第2の溝161−1〜161−4が存在し、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と第2の溝161−1〜161−4とは対応している。また、第1の溝61−1〜61−4の裏側には第1の溝161−1〜161−4に沿うように第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4が存在し、第1の溝61−1〜61−4と第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4とは対応している。
【0072】
<第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4、第2のシグナルコンタクト部145−1〜145−4、グランドコンタクト部72−1〜72−8との配列>
図9に示すように、第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4と第2のシグナルコンタクト部145−1〜145−4とが千鳥状に配置され、グランドコンタクト部72−1〜72−8が前記の千鳥状とは逆の千鳥状とされて、二列で配置してある。
【0073】
X1側の列について見ると、第1のシグナルコンタクト部45−1〜45−4とグランドコンタクト部72とが交互に並んでおり、X2側の列について見ると、第2のシグナルコンタクト部145−1〜145−4とグランドコンタクト部72とが交互に並んでいる。
【0074】
<第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4、第2のシグナルターミナル部146−1〜146−4、グランドターミナル部73−1〜73−8との配列>
特に、図8(C)及び図5に示すように、第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4と第2のシグナルターミナル部146−1〜146−4とが千鳥状に配置され、グランドターミナル部73−1〜73−8が前記の千鳥状とは略逆の千鳥状とされて二列で配置してある。
【0075】
X1側の列について見ると、奇数番号のグランドターミナル部73−1、73−3、73−5、73−7と第1のシグナルコンタクト部46−1〜46−4と交互に並んでいる。X2側の列について見ると、第2のシグナルターミナル部146−1〜146−4と偶数番号のグランドターミナル部73−2、73−4、73−6、73−8とが交互に並んでいる。
【0076】
<第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4、第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4、グランドプレート本体71、張り出し部78〜81との関係>
図7(A)及び図11に示すように、グランドプレート本体71は第1の成形樹脂部50,150と略同じ大きさであり、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4の間はグランドプレート本体71によってシールドされている。
【0077】
ここで、張り出し部78は、第1のシグナルコンタクト本体44−1のうちの第1のターミナル部46−1に近い部分44−1a(図11参照)及び第2のシグナルコンタクト本体144−1のうちの第2のシグナルターミナル部146−1に近い部分144−1a(図11参照)との間に位置しており、部分44−1aと部分144−1aとの間をシールドしている。
【0078】
同様に、張り出し部79は部分44−2aと部分144−2aとの間を、張り出し部80は部分44−3aと部分144−3aとの間を、張り出し部81は部分44−4aと部分144−4aとの間をシールドしている。
【0079】
よって、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4とは、その全長に亘ってシールドされている。
【0080】
また、張り出し部78〜81が存在することによって、第1のシグナルコンタクト本体44−1〜44−4と第2のシグナルコンタクト本体144−1〜144−4とは、第1、第2のターミナル部に近い部分についても、マイクロストリップライン構造とされ、その全長に亘って、マイクロストリップライン構造とされている。
[コネクタ10内の隣り合うコンタクトモジュール組立体40の関係]
個々のコンタクトモジュール組立体40は、ハウジング11の枠部12内に枠部12内の段部(図示せず)に突き当たる位置まで差し込まれた状態で、面対向してX1−X2方向に隙間無く並んでいる。第1、第2の成形モジュール41、141の夫々に形成してある突条部59,159が枠部12の内側の天井面及び床面に押し当たっており、この部分の摩擦力によって各コンタクトモジュール組立体40はハウジング11と強く結合してある。
【0081】
ここで、隣り合うコンタクトモジュール組立体40−1、40−2、40−3との関係について、図4、図5、図6等を参照して説明する。
【0082】
{第2のコンタクトモジュール組立体40−2の第1のシグナルコンタクト部45−2→第1のシグナルコンタクト本体44−2→第1のシグナルターミナル部46−2の伝送路、及び第2のシグナルコンタクト部145−2→第2のシグナルコンタクト本体144−2→第2のシグナルターミナル部146−2の伝送路についてのシールド及びインピーダンス}
<第1のシグナルコンタクト部45−2及び第2のシグナルコンタクト部145−2の部分>
図4に示すように、第1のシグナルコンタクト部45−2は、そのZ1側に位置するグランドコンタクト部と、そのZ2側に位置するグランドコンタクト部と、そのX1側に位置するグランドコンタクト部(第2のコンタクトモジュール組立体40−2のグランドコンタクト部)と、そのX2側に位置するグランドコンタクト部との中間に位置している。
【0083】
第2のシグナルコンタクト部145−2は、そのZ1側に位置するグランドコンタクト部と、そのZ2側に位置するグランドコンタクト部と、そのX1側に位置するグランドコンタクト部(第1のコンタクトモジュール組立体40−1のグランドコンタクト部)と、そのX2側に位置するグランドコンタクト部との中間に位置している。
【0084】
他の第1のシグナルコンタクト部45−1、45−3、45−4及び他の第2のシグナルコンタクト部145−1、145−3、145−4も上記のシグナルコンタクト部45−2、145−2と同じ配置の関係にある。
【0085】
よって、第1のコンタクト部45−1〜45−4及び第2のコンタクト部145−1〜145−4の夫々は、間の位置にグランドコンタクト部が存在するように配置してあり、シールドされている。
【0086】
<第1のシグナルシグナルコンタクト本体44−2の部分>
図5及び図6に示すように、第1のシグナルコンタクト本体44−2は、第2のシグナルコンタクト本体144−1、144−2に対しては、グランドプレート本体71と張り出し部79とによって、その全長に亘ってシールドされている。
【0087】
第1のシグナルコンタクト本体44−2の露出している面は、第3のコンタクトモジュール組立体40−3の溝161−2と対向しており、第1のシグナルコンタクト本体44−2の露出している面側には空気層200−2が存在している。よって、第1のシグナルコンタクト本体44−2のインピーダンスは、全周が合成樹脂でもって囲まれた状態のインピーダンスに比べて高くなって、所望のインピーダンスとされている。
【0088】
また、第1のシグナルコンタクト本体44−2がストリップ導体を形成し、第1の成形樹脂部50が誘電体基板を形成し、グランドプレート70が接地導体を形成して、第1のシグナルコンタクト本体44−2、第1の成形樹脂部50及びグランドプレート70は、
電磁界が第1の成形樹脂部50と自由空間にまたがって形成される形式のマイクロストリップライン構造を構成している。
【0089】
他の第1のシグナルコンタクト本体44−1、44−3、44−4も、上記の第1のシグナルコンタクト本体44−2と同様に、同じコンタクトモジュール組立体40の第2のシグナルコンタクト本体に対しては、グランドプレート本体71と張り出し部78,80,81によって、その全長に亘ってシールドされている。また、第1のシグナルコンタクト本体44−1、44−3、44−4の露出している面は、夫々、第3のコンタクトモジュール組立体40−3の溝161−1、161−3、161−4と対向しており、第1のシグナルコンタクト本体44−1、44−3、44−4の露出している面側には空気層200−1、200−3、200−4が存在しており、所望のインピーダンスとされている。他の第1のシグナルコンタクト本体44−1、44−3、44−4も、上記と同じくマイクロストリップライン構造を構成している。
【0090】
<第2のシグナルコンタクト本体144−2の部分>
図5及び図6に示すように、第2のシグナルコンタクト本体144−2は、第1のシグナルコンタクト本体44−2、44−3に対しては、グランドプレート本体71と張り出し部79とによって、その全長に亘ってシールドされている。
【0091】
第2のシグナルコンタクト本体144−2の露出している面は、第1のコンタクトモジュール組立体40−1の溝61−1と対向しており、第2のシグナルコンタクト本体144−2の露出している面側には空気層201−2が存在している。よって、第2のシグナルコンタクト本体44−2のインピーダンスは、全周が合成樹脂でもって囲まれた状態のインピーダンスに比べて高くなって、所望のインピーダンスとされている。
【0092】
また、第2のシグナルコンタクト本体144−2がストリップ導体を形成し、第2の成形樹脂部150が誘電体基板を形成し、グランドプレート70が接地導体を形成して、第2のシグナルコンタクト本体144−2、第2の成形樹脂部150及びグランドプレート70は、電磁界が第2の成形樹脂部150と自由空間にまたがって形成される形式のマイクロストリップライン構造を構成している。
【0093】
他の第2のシグナルコンタクト本体144−1、144−3、144−4も、上記の第1のシグナルコンタクト本体144−2と同様に、同じコンタクトモジュール組立体40の第1のシグナルコンタクト本体に対しては、グランドプレート本体71と張り出し部78,80,81によって、その全長に亘ってシールドされている。また、第2のシグナルコンタクト本体144−1、144−3、144−4の露出している面は、夫々、第1のコンタクトモジュール組立体40−1の溝61−1、61−3、61−4と対向しており、第2のシグナルコンタクト本体144−1、144−3、144−4の露出している面側には空気層201−1、201−3、201−4が存在しており、所望のインピーダンスとされている。
【0094】
他の第2のシグナルコンタクト本体144−1、144−3、144−4も、上記と同じくマイクロストリップライン構造を構成している。
【0095】
<第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4及び第2のシグナルターミナル部146−1〜146−4の部分>
図5に示すように、第1のシグナルターミナル部46−1〜46−4及び第2のシグナルターミナル部146−1〜146−4は、千鳥状に並んでおり、同じく略千鳥状に並んで分散しているグランドターミナル部73−1〜73−8の間に位置している。
[変形例]
図24に示すように、第1のシグナルコンタクト本体44を、その露出面44aが、第1の成形樹脂部50の面51X1より寸法S凹んだ状態となるようにしてもよい。第2のシグナルコンタクト本体144についても、第2の成形樹脂部150の面より凹んだ状態となるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施例1になるソケットコネクタを、これが実装されるプリント回路基板と、これに挿入接続されるケーブルの先端のコネクタと対応させて示す斜視図である。
【図2】図1のコネクタを分解して示す斜視図である。
【図3】コネクタの平面図である。
【図4】コネクタを前面側から見て、コンタクトモジュール組立体が並んでいる状態を拡大して示す図である。
【図5】コネクタを下面側から見て、コンタクトモジュール組立体が並んでいる状態を拡大して示す図である
【図6】コンタクトモジュール組立体が並んでいる状態を拡大して示す、図3中、VI-VI 線に沿う拡大断面図である。
【図7】コンタクトモジュール組立体を分解して示す斜視図
【図8】コンタクトモジュール組立体の投象図である。
【図9】図8(B)を拡大して示す図である。
【図10】図8(A)中、X-X線に沿う拡大断面図である。
【図11】図8(B)中、XI-XI線に沿う拡大断面図である。
【図12】図8(A)中、XII-XII線に沿う拡大断面図である。
【図13】図8(A)中、XIII-XIII線に沿う拡大断面図である。
【図14】図7(A)中、円XIVで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【図15】第1のシグナルコンタクトインサート成形モジュールを示す斜視図である。
【図16】図15(A)中、XVI-XVI線に沿う拡大断面図である。
【図17】第1のシグナルコンタクトフレームを示す斜視図である。
【図18】第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュールを示す斜視図である。
【図19】図18(A)中、XVI-XVI線に沿う拡大断面図である。
【図20】第2のシグナルコンタクトフレームを示す斜視図である。
【図21】グランドプレートを示す図である。
【図22】グランドプレートをY2側から見た図である。
【図23】グランドプレートをZ2側から見た図である。
【図24】シグナルコンタクト本体のインサート成形の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
10 ソケットコネクタ
20 プリント回路基板
11 ハウジング
35 整列シート
40 コンタクトモジュール組立体
41 第1のシグナルコンタクトインサート成形モジュール
42 第1のシグナルコンタクトフレーム
43 第1のシグナルコンタクト部材
44 第1のシグナルコンタクト本体
45 第1のシグナルコンタクト部
46 第1のシグナルターミナル部
50 第1の成形樹脂部面
51X1、52X2 面
53、54,55 縁取り部
56,57 係止孔
58 係止突起
60 スリット
61 第1の溝
62,63 スリット
70 グランドプレート
71 グランドプレート本体
72 グランドコンタクト部
73 グランドターミナル部
74、77 第1の係止片
75、76 第1の係止片
141 第2のシグナルコンタクトインサート成形モジュール
142 第1のシグナルコンタクトフレーム
143 第1のシグナルコンタクト部材
144 第1のシグナルコンタクト本体
145 第1のシグナルコンタクト部
146 第1のシグナルターミナル部
150 第2の成形樹脂部
151X1、152X2 面
153、154,155 縁取り部
156,157,158 係止孔
160 スリット
161 第2の溝
162,163 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに、複数のコンタクトモジュール組立体が組み込まれて並んでいるコネクタであって、
各コンタクトモジュール組立体は、
第1のシグナルコンタクト本体とこの一端の第1のシグナルコンタクト部と他端の第1のシグナルターミナル部を有するシグナルコンタクト部材が第1の成形樹脂部にインサート成形してある第1のシグナルコンタクトモジュールと、
第2のシグナルコンタクト本体とこの一端の第2のシグナルコンタクト部と他端の第21のシグナルターミナル部を有する第2のシグナルコンタクト部材が第2の成形樹脂部にインサート成形してある第2のシグナルコンタクトモジュールと、
板状のグランドプレート本体と該グランドプレート本体より突き出ている複数のグランドコンタクト部及び複数のグランドターミナル部とを有するグランドプレートを有し、
前記第1のシグナルコンタクトモジュールと前記第2のシグナルコンタクトモジュールとが、間に前記グランドプレートを挟んで組み合わされており、両面側に、前記第1のシグナルコンタクト本体及び前記第2のシグナルコンタクト本体がストリップ導体を形成し、前記第1、第2の成形樹脂部が誘電体基板を形成し、前記グランドプレートが共通の接地導体を形成してなるマイクロストリップライン構造を有する、コネクタ。
【請求項2】
前記第1のシグナルコンタクトモジュールは、前記第1のシグナルコンタクト本体が、前記第1の成形樹脂部の外側の面に露出しており、
前記第2のシグナルコンタクトモジュールは、前記第2のシグナルコンタクト本体が、前記第2の成形樹脂部の外側の面に露出している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1及び第2の成形樹脂部は、夫々前記外側の面が、凸状の縁取り部を有し、該縁取り部の内側に、前記縁取り部の箇所より薄い厚さの部分を有する形状であり、
前記第1及び第2のシグナルコンタクト本体は、前記薄い厚さの部分では、露出しており、且つ、前記縁取り部では全周を成形樹脂によって包まれている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記縁取り部は、その一部に、前記第1、第2のシグナルコンタクト本体に対応する箇所に、前記第1、第2のシグナルコンタクト本体を露出させるスリットを有する、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記グランドプレートは、前記グランドプレート本体の端を折り曲げられて形成してある、前記第1のシグナルコンタクトモジュールの前記第1の成形樹脂部を係止するための第1の係止部と、前記第2のシグナルコンタクトモジュールの前記第2の成形樹脂部を係止するための第2の係止部を有し、
前記第1の係止部が前記第1のシグナルコンタクトモジュールの前記第1の成形樹脂部と係止され、前記第2の係止部が前記第2のシグナルコンタクトモジュールの前記第2の成形樹脂部と係止されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記係止部は、前記グランドプレート本体のうち、前記グランドコンタクト部が突き出ている側の上部及び下部と、前記グランドコンタクト部が突き出ている側とは反対側の箇所に形成してある、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1のシグナルコンタクトモジュールの前記第1の成形樹脂部と、前記第2のシグナルコンタクトモジュールの前記第2の成形樹脂部とは、対向する位置に係止突起と係止孔を有し、該係止突起が前記係止孔に係止されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトモジュール組立体は、
前記第1のシグナルコンタクトモジュールの前記第1のシグナルコンタクト本体と、前記第2のシグナルコンタクトモジュールの前記第2のシグナルコンタクト本体とは、前記第1のシグナルコンタクトモジュールと前記第2のシグナルコンタクトモジュールとを重ねた状態で、交互に並ぶように配置してあり、
且つ、前記第1のシグナルコンタクトモジュールの前記第1の成形樹脂部は、その外側の面に、前記第1のシグナルコンタクト本体に沿う第1の溝を有し、前記第2のシグナルコンタクトモジュールの前記第2の成形樹脂部は、その外側の面に、前記第2のシグナルコンタクト本体に沿う第2の溝を有し、
前記第1のシグナルコンタクトモジュールと前記第2のシグナルコンタクトモジュールとを重ねた状態で、前記第1の溝と前記第2のシグナルコンタクト本体とが対応し、前記第2の溝と前記第1のシグナルコンタクト本体とが対応する構成であり、
一つのコンタクトモジュール組立体とこの両側のコンタクトモジュール組立体とは、該一つのコンタクトモジュール組立体の前記第1のシグナルコンタクト本体と、一側の隣のコンタクトモジュール組立体の前記第2の溝とが対向し、前記一つのコンタクトモジュール組立体の前記第2のシグナルコンタクト本体と上記とは反対側の隣のコンタクトモジュール組立体の前記第1の溝とが対向する関係にある、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記グランドプレートの複数のグランドコンタクト部及び複数のグランドターミナル部は、根元の部分を交互に曲げられて千鳥状に並んでおり、
前記第1の成形樹脂部及び前記第2の成形樹脂部は、前記のグランドコンタクト部の根元の湾曲部分及び前記のグランドターミナル部の根元の湾曲部分が入り込むスリットを有する、請求項1に記載のコネクタ。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図1】
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【図2】
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