説明

コネクタ

【課題】ケース装着の際の不具合を防止することが可能なコネクタを提供する。
【解決手段】ベース部材12とこのベース部材12に固定されたシールドケース14とを有する機器11のシールドケース14に装着されてシールドケース14の内部から外部に導出される機器側コネクタ10であって、第1端子21と、ベース部材12に対して位置が固定されるとともに第1端子21を保持する第1ハウジング25と、第1端子21に可撓性導電部材23を介して接続される第2端子22と、第2端子22を保持し、第1ハウジング25の係合枠30と第2ハウジング33の係合凸部40Aとの係合により第1ハウジング25に対して第2ハウジング33が所定のクリアランスCLを有して係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寸法精度の誤差等に起因したコネクタ嵌合の際の不具合を防止するコネクタが知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−277217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、寸法精度の誤差等による不具合はコネクタ嵌合時に限られるものではない。具体的には、例えば、車両のインバータ等の機器において、図15に示すように、コネクタ1が内部機器3を介してベース部材2に対して固定されるとともに、内部機器3を覆うシールドケース4についてもベース部材2に対して固定される場合がある。この場合、シールドケース4の筒状開口部5にコネクタ1が導出されるようにシールドケース4をベース部材2に装着しようとすると、筒状開口部5とコネクタ1の位置との間の寸法精度の誤差等により、筒状開口部5にコネクタ1を通すことができない等、シールドケース4の装着の際に不具合が生じることが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ケース装着の際の不具合を防止することが可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、ベース部材とこのベース部材に固定されたケースとを有する機器の前記ケースに装着されて前記ケースの内部から外部に導出されるコネクタであって、第1端子と、前記ベース部材に対して位置が固定されるとともに前記第1端子を保持する第1ハウジングと、前記第1端子に可撓性導電部材を介して接続される第2端子と、前記第2端子を保持し、前記第1ハウジングに対して所定のクリアランスを有して係合可能な第2ハウジングと、を備えるところに特徴を有する。
【0007】
ケースとコネクタとが共にベース部材に対して固定される構成であると、ケースのコネクタへの装着の際に、寸法精度の誤差等に起因して組み付けに不具合が生じる懸念がある。一方、本構成によれば、ケースと第1ハウジングが共にベース部材に対して固定されるものであるが、第2ハウジングについては、第1ハウジングに対して所定のクリアランスを有して係合可能となっているため、ケースを装着する際にコネクタとの間に寸法精度の誤差等が生じた場合であっても、第2ハウジングが所定のクリアランスの範囲で第1ハウジングに係合することで、クリアランスに応じて第2ハウジングの位置のずれが許容され、ケースとハウジングとの寸法精度の誤差を吸収できる。よって、寸法精度の誤差等に起因したケース装着の際の不具合を防止することが可能となる。
また、第2ハウジングに保持される第2端子は、第1ハウジングに保持される第1端子に対して可撓性導電部材を介して接続されているため、第2ハウジングの位置が第1ハウジングに対して位置ずれした場合であっても第2端子を第2ハウジングのずれに追従させることが可能になり、第2端子の位置によるコネクタ嵌合の際の不具合等についても防止することができる。
【0008】
上記構成に加えて以下の構成を有すれば、より好ましい。
(2)前記所定のクリアランスは、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの一方に設けられる係合凹部と、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの他方に設けられる係合凸部との係合により生じる。
このようにすれば、簡易な構成で第2ハウジングを第1ハウジングに対して所定のクリアランスを有して係合させることができる。
(3)前記第2ハウジングには、前記ケースの装着の際に前記ケースに当接可能なテーパ面が形成されている。
このようにすれば、ケース装着の際に、ケースの位置がコネクタに対してずれていても、ケースがテーパ面に当接した際に、第2ハウジングをケースが装着可能な位置にずらすことが可能になる。
(4)前記第1端子は、前記ベース部材に対して位置が固定されたホルダに固定されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタのケース装着の際の不具合を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電線側コネクタとシールドケースに装着された機器側コネクタとが対向する斜視図
【図2】図1の幅方向の中間部における縦断面図
【図3】図2の電線側コネクタとシールドケースに装着された機器側コネクタとが嵌合した状態の縦断面図
【図4】機器の概略的構成を示す図
【図5】シールドケース、機器側コネクタ及びホルダを示す分解斜視図
【図6】第1ハウジングを示す正面図
【図7】第1ハウジングを示す側面図
【図8】第2ハウジングを示す正面図
【図9】第2ハウジングを示す平面図
【図10】第2ハウジングを示す側面図
【図11】機器側コネクタのホルダへの取付を説明する側面図
【図12】機器側コネクタがホルダに取り付けられた状態を示す側面図
【図13】機器側コネクタがホルダに取り付けられた状態を示す縦断面図
【図14】ホルダ上の機器側コネクタにシールドケースが取付られた状態を示す側面図
【図15】機器のベース部材へのシールドケースの装着を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
以下、本発明を具現化した実施形態1のコネクタについて、図1〜図14を参照して説明する。
本実施形態の機器側コネクタ10(本発明の「コネクタ」の一例)は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両のインバータ装置に設けられるコネクタであって、図1に示すように、モータ(ジェネレータ)に連なる電線51の端末に取付られた電線側コネクタ50が嵌合装着されるものである。以下では、上下方向については、図2を基準とし、図2におけるコネクタ嵌合方向を前方として説明する。
【0012】
電線側コネクタ50は、車両のモータ(ジェネレータ)等に連なる電線51の端末に取付けられており、図2に示すように、3相交流を伝送可能な3本の電線51の端末に接続された3個の端子金具52と、端子金具52を保持する電線側ハウジング53と、電線側ハウジング53を覆うシールド部57とを備えて構成される。
【0013】
端子金具52は、電線51の端末において露出させた導体部分に接続されている。
電線側ハウジング53は、電線51と端子金具52との接続部分を覆う樹脂モールド部54と、3本の電線51を保持するスペーサ55とからなる。
樹脂モールド部54は、端子金具52の先端側が内部に突出する筒状嵌合部を有する。筒状嵌合部の周囲には、シール用のゴムリング56が装着されている。
【0014】
シールド部57は、上方側をシールドするシールドシェル58と、下方側をシールドするシールドブラケット59とを有する。
シールドシェル58には、両コネクタ10,50の嵌合状態を保持するためのボルト60が挿通される挿通筒部16が設けられている。
シールドブラケット59は、ハウジング24の前面側を覆う板状シールド部と、スペーサ55を覆う筒状シールド部とを有し、板状シールド部がシールドシェル58にネジ留めして固定されている。
【0015】
機器側コネクタ10は、図4に概略的に示すように、インバータ装置等の機器11のシールドケース14(本発明の構成の「ケース」の一例)に装着されてシールドケース14の内部から外部に導出されるコネクタである。
機器11は、金属板材からなるベース部材12と、ベース部材12の上面に固定される回路体等の内部機器13と、ベース部材12に固定されるシールドケース14とを備えて構成される。
【0016】
内部機器13は、ベース部材12に対してボルト等の固定手段17Aにより固定されており、内部機器13の上部には、機器側コネクタ10を保持するホルダ46が固定されている。
シールドケース14は、アルミニウムやアルミニウム合金等からなる金属製であって、ボルト等の固定手段17Bによりベース部材12に固定されるものであり、箱形の板状部15と、機器側コネクタ10を外部と接続するための3個の筒部16とを有する。
【0017】
板状部15は、内部機器13を覆うことができるような大きさで屈曲されている。
各筒部16は、図1に示すように、板状部15から円筒形状に突出している。
【0018】
3個の筒部16が一体に連なる中心部には、ボルト60が挿通される円形状の通し孔18が貫通形成されている。筒部16の内側には、後述するハウジング24の筒状収容部36が配置される。
なお、このシールドケース14は、図1では、筒部16を含む所定幅についてのみ図示され、他の部分(ベース部材12に固定された部分を含む他の部分)は省略されている(他の部分を切り取った形で図示している)。
【0019】
機器側コネクタ10は、図2に示すように、導電性を有する接続部材20と、接続部材20を保持するハウジング24とを備えて構成されている。
接続部材20は、図5に示すように、ハウジング24の上部に2箇所、下部に1箇所の3箇所に設けられており、共に、上下方向に延びる第1端子21と、一端側が第1端子21に接続された可撓性導電部材23と、可撓性導電部材23の他端側に接続され前後方向に延びる第2端子22とを備えている。これにより、第2端子22は、第1端子21に可撓性導電部材23を介して接続されている。
【0020】
第1端子21は、板状の部材であって、その上端側は、端子固定部とされ、この端子固定部には、円形状の端子固定孔21Aが貫通するとともに、端子固定孔21Aよりも基端側に並んだ位置に矩形状の係止孔21Bが貫通している。
第1端子21の基端側(端子固定部の基端側)は、可撓性導電部材23が接続される接続部とされている。
【0021】
可撓性導電部材23は、柔軟な導体であって、例えば、金属細線がメッシュ状に編み込まれた編組線や、電線51や、銅箔等の可撓性を有する種々の部材を使用することができる。この可撓性導電部材23は、各端子21,22に対して可撓性導電部材23が重ねられた状態で、ろう接(ロウ付けやハンダ付け)や溶接等の公知の種々の接続手段により接続される。
第2端子22は、前後方向に長い形状であって、筒状の端子接続部22Aと、端子接続部22Aの後方に延出され可撓性導電部材23に接続される板状の接続部22Bとからなる。
【0022】
ハウジング24は、合成樹脂製であって、後方側に配された第1ハウジング25と、前方側に配され、第2端子22を保持し第1ハウジング25に対して所定のクリアランスCLを有して係合可能な第2ハウジング33とから構成されている。
第1ハウジング25は、ホルダ46等を介してベース部材12に対して位置が固定されるものであり、第1端子21を保持する板状の端子保持壁26と、端子保持壁26の左右の端部から前方に突出する係合枠30(本発明の構成である「係合凹部」の一例)とを備えている。
【0023】
端子保持壁26は、前面側を上下方向及び左右方向に延びる溝部27と、第1端子21の係止孔21Bに係止される係止突部28と、端子保持壁26と貫通して設けられる固定孔29とを有する。
係止突部28は、係止孔21Bの形状に対応して矩形状に突出している。
固定孔29は、ボルトBTの軸部を挿通可能な円形状をなす。
係合枠30は、コ字状の枠体の爪状に突出する両端を端子保持壁26に凹設された装着凹部31の内壁に係止させることにより端子保持壁26に固定されている。
【0024】
第2ハウジング33は、各接続部材20に対応して設けられた3つの端子収容室34を有し、後方において、3つの端子収容室34は一体となっている。
各端子収容室34は、図13に示すように、内部に端子収容孔35を有しており、前方側に設けられた筒状収容部36と、筒状収容部36の後方において拡径する拡径部37と、拡径部37の後方において3つの拡径部37が一体となった一体壁部38とを備えている。
【0025】
筒状収容部36は、筒状の端子接続部22Aを挿通可能な円筒形状であって、その先端部は、相手側端子を挿入可能な端子挿入孔36Aが設けられている。
拡径部37は、筒状収容部36の後端に連なり全周に亘って一様な角度で外周面が傾斜するテーパ面37Aを有し、テーパ面37Aの後方で拡径部37の径が一定となっている。
【0026】
一体壁部38の両側部には、図5に示すように、幅寸法が小さく絞られることによりボルトBTを挿通可能とされた挿通凹部39が形成されている。
一体壁部38の側面のうち、挿通凹部39の上下には、幅方向に突出する係合凸部40Aがそれぞれ形成されている。
【0027】
係合凸部40Aの形状は、前端が側面から垂直に立ち上がり、そこから後方に向けて一様な傾斜状に突出寸法が小さくなる三角形状をなす。係合凸部40Aの上下には、一対のガイド壁40Bが設けられており、両ハウジング25,33の組み付けの際には、ガイド壁40B内に挿通された第1ハウジング25の係合枠30がガイド壁40Bにより案内される。そして、係合枠30が係合凸部40Aに当接すると、係合枠30が撓み変形しつつ、係合凸部40Aの傾斜を乗り越えて復元変形する。
【0028】
これにより、図11に示すように、係合凸部40Aは、係合枠30に対して、所定のクリアランスCLを有して係合可能とされる。これにより、係合凸部40Aを有する第2ハウジング33は、係合枠30を有する第1ハウジング25に対して位置が固定されておらず、クリアランスCLの範囲で移動可能となっている。
即ち、第2ハウジング33は、第1ハウジング25に対して所定のクリアランスCLを有して係合可能となっている。
【0029】
一体壁部38の背面側には、第1ハウジング25の溝部27に陥入する陥入壁41が溝部27の位置に対応して上下方向及び左右方向に延びている。
一体壁部38の前面の中心部には、図13に示すように、電線側コネクタ50に挿通したボルト60によるボルト締めのためのネジ孔の形成されたボス部42が形成されている。
【0030】
拡径部37から一体壁部38に至る端子収容室34の外面には、リテーナ43を装着可能なリテーナ装着孔44が端子収容孔35と連通するように設けられている。
リテーナ43は、第2端子22の後端に係止して第2端子22を正規位置内に保持する保持凸部と、図11に示すように、第2ハウジング33の側面に形成された係止凸部33Aに係止して抜け止めされる一対の装着枠とを有する。
ハウジング24(第1ハウジング25)は、その背面側がホルダ46により固定されるようになっている。
【0031】
ホルダ46は、図5示すように、板状の基部47と、基部47から突出する端子台部48とからなる。
基部47には、内周面にネジ溝が形成された円形状の固定孔47Aが貫通形成されている。
端子台部48の上面には、円形状の端子固定孔48Aが形成されている。端子固定孔48Aの内周面には、ネジ溝が形成されている。
【0032】
このホルダ46は、機器11のベース部材12上にボルト等の固定手段により固定された内部機器13の上に、図示しない取付手段により固定されるものであって、これにより、このホルダ46に固定された第1ハウジング25は、ベース部材12に対して位置が固定されることになる。
【0033】
次に、機器側コネクタ10の組み付け及び取付について説明する。
ホルダ46をベース部材12上に固定された内部機器13に対して図示しない取付手段により取り付けて固定する。
次に、接続部材20の第1端子21の係止孔21Bに第1ハウジング25の係止突部28が係止されるように第1端子21を第1ハウジング25の端子保持壁26上に配置する。
【0034】
次に、第2ハウジング33の筒状収容部36に第2端子22を収容し、陥入壁41が溝部27に嵌り込み、かつ、係合枠30が係合凸部40Aに係合するように、第1ハウジング25と第2ハウジング33とを組み付けハウジング24とする。これにより機器側コネクタ10が成形される(図11)。このとき、第2ハウジング33は、第1ハウジング25に対して上下方向及び前後方向について、所定のクリアランスCLの範囲で係合しているため、第2ハウジング33は、第1ハウジング25に対して位置ずれが許容されている。
【0035】
次に、第1ハウジング25の固定孔29及びホルダ46の固定孔47AにボルトBTの軸部を通して第1ハウジング25をホルダ46に対して固定するとともに、第1端子21の端子固定孔21Aが端子固定孔48Aの位置に合わされているため、これらを通るようにボルトBTによりホルダ46に対してボルト締めする。(図12)。
【0036】
次に、シールドケース14の筒部16が第2ハウジング33の筒状収容部36に挿通されるように、シールドケース14を機器側コネクタ10に被せる。このとき、第2ハウジング33とシールドケース14の位置に寸法精度の誤差等によりずれが生じていても、筒部16の後端がテーパ面37Aに当接して第2ハウジング33(の筒状収容部36)がシールドケース14(の筒部16)の位置に合うように位置ずれするため、シールドケース14を(正規位置に)被せることができる。そして、シールドケース14をベース部材12にボルト等の固定手段17Bにより固定する。
【0037】
本実施形態の構成によれば以下の効果を奏する。
(1)機器側コネクタ10(コネクタ)は、ベース部材12とこのベース部材12に固定されたシールドケース14(ケース)とを有する機器11のシールドケース14に装着されてシールドケース14の内部から外部に導出されるコネクタであって、第1端子21と、ベース部材12に対して位置が固定されるとともに第1端子21を保持する第1ハウジング25と、第1端子21に可撓性導電部材23を介して接続される第2端子22と、第2端子22を保持し、第1ハウジング25に対して所定のクリアランスCLを有して係合可能な第2ハウジング33とを備える。
【0038】
シールドケース14とコネクタとが共にベース部材12に対して固定される構成であると、シールドケース14のコネクタへの装着の際に、寸法精度の誤差等に起因して組み付けに不具合が生じる懸念がある。一方、本実施形態によれば、シールドケース14と第1ハウジング25が共にベース部材12に対して固定されるものであるが、第2ハウジング33については、第1ハウジング25に対して所定のクリアランスCLを有して係合可能となっている。したがって、シールドケース14を装着する際にシールドケース14とコネクタとの間に寸法精度の誤差等が生じた場合であっても、第2ハウジング33が第1ハウジング25に対してクリアランスCLの範囲で係合することで、クリアランスCLに応じて第2ハウジング33の位置のずれが許容され、シールドケース14と機器側コネクタ10との間の寸法精度の誤差を吸収できる。よって、寸法精度の誤差等に起因したシールドケース14の装着の際の不具合を防止することが可能となる。
【0039】
また、第2ハウジング33に保持される第2端子22は、第1ハウジング25に保持される第1端子21に対して可撓性導電部材23を介して接続されているため、第2ハウジング33の位置が第1ハウジング25に対して位置ずれした場合であっても第2端子22を第2ハウジング33のずれに追従させることが可能になり、第2端子22の位置によって生じる電線側コネクタ50との嵌合の際の不具合等についても防止することができる。
【0040】
(2)所定のクリアランスCLは、第1ハウジング25及び第2ハウジング33の一方に設けられる係合枠30(係合凹部)と、第1ハウジング25及び第2ハウジング33の他方に設けられる係合凸部40Aとの係合により生じるため、簡易な構成で第2ハウジング33を第1ハウジング25に対して所定のクリアランスCLを有して係合させることができる。
【0041】
(3)第2ハウジング33には、シールドケース14の装着の際にシールドケース14に当接可能なテーパ面37Aが形成されているため、シールドケース14装着の際に、シールドケース14の位置が第2ハウジング33に対してずれていても、シールドケース14がテーパ面37Aに当接した際に、第2ハウジング33をシールドケース14が装着可能な位置にずらすことができる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、本発明のコネクタは、車両のインバータ装置等の機器11に設けられる機器側コネクタ10としたが、これに限られない。例えば、インバータ装置以外のモータ等の他の機器に設けられるコネクタであってもよく、また、車両以外の機器に設けられるコネクタに本発明を適用することも可能である。また、機器の種類に応じて、コネクタ及びケースが固定されるベース部材についても、種々の部材が適用可能である。
【0043】
(2)上記実施形態では、シールドケース14を用いたが、機器の種類等に応じてシールド機能を有さないケースに本発明を適用することも可能である。
(3)上記実施形態では、係合枠30が係合凸部40Aに係合する構成としたが、これに限られず、第1ハウジング25と第2ハウジング33とが所定のクリアランスを有して係合するのであれば、例えば、係合枠30に代えて一方のハウジングに凹設された係合凹部が他方のハウジングに凸設された係合凸部40Aに係合するものであってもよい。
(4)上記実施形態では、第2端子22は、筒状の端子を例示したが、これに限られず、他の形状の第2端子に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
10…機器側コネクタ(コネクタ)
11…機器
12…ベース部材
13…内部機器
14…シールドケース(ケース)
16…筒部
17…固定手段
20…接続部材
21…第1端子
21A…端子固定孔
21B…係止孔
22…第2端子
23…可撓性導電部材
24…ハウジング
25…第1ハウジング
28…係止突部
29…固定孔
30…係合枠(係合凹部)
33…第2ハウジング
34…端子収容室
36…筒状収容部
37…拡径部
37A…テーパ面
40A…係合凸部
40B…ガイド壁
46…ホルダ
47A…固定孔
48A…端子固定孔
50…電線側コネクタ
51…電線
BT…ボルト
CL…クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材とこのベース部材に固定されたケースとを有する機器の前記ケースに装着されて前記ケースの内部から外部に導出されるコネクタであって、
第1端子と、
前記ベース部材に対して位置が固定されるとともに前記第1端子を保持する第1ハウジングと、
前記第1端子に可撓性導電部材を介して接続される第2端子と、
前記第2端子を保持し、前記第1ハウジングに対して所定のクリアランスを有して係合可能な第2ハウジングと、を備えるコネクタ。
【請求項2】
前記所定のクリアランスは、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの一方に設けられる係合凹部と、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの他方に設けられる係合凸部との係合により生じることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2ハウジングには、前記ケースの装着の際に前記ケースに当接可能なテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1端子は、前記ベース部材に対して位置が固定されたホルダに固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−221614(P2012−221614A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83482(P2011−83482)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】