説明

コネクタ

【目的】 本発明は、信号端子間のクロストークの低減及び装置の小型化を図ることができるコネクタを提供する。
【構成】 コネクタは、絶縁性を有するボディ100と、ボディ100にX方向に一列で配列された一対の第1、第2信号端子310S、320Sと、第3信号端子330Sとを備えている。第3信号端子330Sは第1、第2信号端子310S、320Sの間に配置されている。第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数が、第1、第2信号端子310S、320Sにより伝送される信号の周波数の約1/100以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の端子を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタとしては、一列で配列された端子群を備えている。端子群は、複数ペアの一対の差動信号端子と、この差動信号端子のペア間に配置されたグランド端子とを有している(特許文献1参照)。すなわち、前記コネクタは、差動信号端子のペア間にグランド端子を配置することにより、差動信号端子のペア間のクロストークの防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−287560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記コネクタは、端子間の狭ピッチ化及び/又は差動信号端子により伝送される高周波信号の高速化により、差動信号端子のペア間のクロストークが生じ易くなっている。このクロストークを防止するために、差動信号端子のペア間に複数のグランド端子を配置することが考えられる。しかし、グランド端子の数が増えると、前記コネクタの大型化を招来する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、信号端子間のクロストークの低減及び装置の小型化を図ることができるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2及び第3信号端子とを備えている。前記第3信号端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されている。前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/100以下である。
【0007】
このような発明の態様による場合、第3信号端子は第1、第2信号端子の間に配置されている。第3信号端子により伝送される信号の周波数が、第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/100以下であるので、第3信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第1、第2信号端子間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、第1、第2信号端子間に生じるクロストークが低減される。また、第3信号端子は、前記第1コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第1、第2信号端子間にグランド端子が配置される場合に比べて、前記第1コネクタの小型化を図ることができる。
【0008】
複数の前記第3信号端子が前記第1方向における前記第1、第2信号端子の間に配置されていることが好ましい。このような発明の態様による場合、第1、第2信号端子間の距離が開くので、第1、第2信号端子間に発生するクロストークが更に低減される。
【0009】
本発明の第2コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2、第3信号端子及びグランド端子とを備えている。前記第3信号端子及びグランド端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されている。前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である。
【0010】
このような発明の態様による場合、第3信号端子及びグランド端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されている。第3信号端子により伝送される信号の周波数が、第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第3信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第1、第2信号端子間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、第1、第2信号端子間に生じるクロストークが低減される。また、第3信号端子は、前記第2コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第1、第2信号端子間に複数のグランド端子が配置される場合に比べて、前記第2コネクタの小型化を図ることができる。
【0011】
前記グランド端子は、前記第1方向における前記第1、第3信号端子の間及び前記第1方向における前記第2、第3信号端子の間に各々配置された構成とすることが可能である。又は、前記第3信号端子は、前記第1方向における前記第1信号端子と前記グランド端子との間及び前記第1方向における前記第2信号端子と前記グランド端子との間に各々配置された構成とすることが可能である。
【0012】
一対の前記第1信号端子は前記第1方向において互いに隣り合う態様とすることが可能である。一対の前記第2信号端子は前記第1方向において互いに隣り合う態様とすることが可能である。前記一対の第1及び/又は第2信号端子は差動ペアとすることが可能である。
【0013】
本発明の第3コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えている。前記第6信号端子は、前記第1方向における前記第4信号端子と前記第5信号端子との間の領域に配置されている。前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である。
【0014】
このような発明の態様による場合、第6信号端子は第4、第5信号端子の間の領域に配置されている。第6信号端子により伝送される信号の周波数が、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第6信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第4、第5信号端子間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、第4、第5信号端子間に生じるクロストークが低減される。また、第6信号端子は、前記第3コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4、第5信号端子の間の領域にグランド端子が配置される場合に比べて、前記第3コネクタの小型化を図ることができる。
【0015】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記領域に配置された第1グランド端子を更に備えた構成とすることが可能である。このような発明の態様による場合、第4、第5信号端子の間の領域に、第6信号端子に加えて、第1グランド端子が配置されているので、第4、第5信号端子間に生じるクロストークが更に低減される。
【0016】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記領域に配置された第7信号端子及び第2グランド端子の少なくとも一方を更に備えた構成とすることが可能である。前記第7信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0017】
このような発明の態様による場合、第4、第5信号端子の間の領域に、第6信号端子に加えて、第7信号端子及び第2グランド端子の少なくとも一方が配置されている。第7信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第7信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第4、第5信号端子間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、第4、第5信号端子間に生じるクロストークが更に低減される。また、第7信号端子は、前記第3コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4、第5信号端子の間の領域にグランド端子が追加配置される場合に比べて、前記第3コネクタの小型化を図ることができる。
【0018】
前記第3コネクタは、複数の前記第6信号端子が前記領域に配置された構成とすることが可能である。このような発明の態様による場合、第4、第5信号端子間の距離が開くので、第4、第5信号端子間に発生するクロストークが更に低減される。
【0019】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設された第3グランド端子又は第8信号端子を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、一対の前記第4信号端子は前記第1方向において互いに隣り合うように配置することが可能である。前記第3グランド端子又は第8信号端子は、前記一対の第4信号端子の間に平面位置的に配置可能である。前記第8信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0020】
このような発明の態様による場合、第3グランド端子又は第8信号端子が、一対の第4信号端子の間に平面位置的に配置されるので、一対の第4信号端子の間のインピーダンス調整を図ることができる。なお、第8信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第8信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第4信号端子間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能する。
【0021】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設された第4グランド端子又は第9信号端子を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、一対の前記第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合うように配置することが可能である。前記第4グランド端子又は第9信号端子は、前記一対の第5信号端子の間に平面位置的に配置可能である。前記第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0022】
このような発明の態様による場合、第4グランド端子又は第9信号端子が、一対の第5信号端子の間に平面位置的に配置されるので、一対の第5信号端子の間のインピーダンス調整を図ることができる。なお、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第9信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第5信号端子間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能する。
【0023】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記第3グランド端子の隣に配置された第10信号端子又は第5グランド端子を更に備えた構成とすることが可能である。
【0024】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設されており且つ前記ボディを挟んで前記第4信号端子に対向する位置に配置された第3グランド端子又は第8信号端子を更に備えた構成とすることが可能である。前記第8信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0025】
このような発明の態様による場合、第3グランド端子又は第8信号端子が、前記ボディを挟んで第4信号端子に対向する位置に配置されるので、第4信号端子のインピーダンス調整を図ることができる。なお、第8信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第8信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第4信号端子に対して擬似的なグランド端子として機能する。
【0026】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設されており且つ前記ボディを挟んで前記第5信号端子に対向する位置に配置された第4グランド端子又は第9信号端子を更に備えた構成とすることが可能である。前記第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0027】
このような発明の態様による場合、第4グランド端子又は第9信号端子が、ボディを挟んで第5信号端子に対向する位置に配置されるので、第5信号端子のインピーダンス調整を図ることができる。なお、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第9信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第5信号端子に対して擬似的なグランド端子として機能する。
【0028】
一対の前記第4、第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合うように配置することが可能である。一対の前記第3グランド端子又は第8信号端子が前記ボディを挟んで前記一対の第4信号端子に対向する位置に配置可能である。一対の前記第4グランド端子又は第9信号端子が前記ボディを挟んで前記一対の第5信号端子に対向する位置に配置可能である。
【0029】
前記第3コネクタは、前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設された第3グランド端子及び第8信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設された第4グランド端子及び第9信号端子とを更に備えた構成とすることが可能である。一対の前記第4、第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合うように配置することが可能である。前記第3グランド端子が前記一対の第4信号端子のうちの一方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置可能である。前記第8信号端子が前記一対の第4信号端子のうちの他方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置可能である。前記第4グランド端子が前記一対の第5信号端子のうちの一方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置可能である。前記第9信号端子が前記一対の第5信号端子のうちの他方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置可能である。前記第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能である。
【0030】
このような発明の態様による場合、第3グランド端子が一対の第4信号端子のうちの一方とボディを挟んで対向する位置に配置される。第8信号端子が一対の第4信号端子のうちの他方とボディを挟んで対向する位置に配置される。第4グランド端子が一対の第5信号端子のうちの一方とボディを挟んで対向する位置に配置される。第9信号端子が一対の第5信号端子のうちの他方とボディを挟んで対向する位置に配置される。よって、一対の第4、第5信号端子のインピーダンス調整を図ることができる。なお、第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第8、第9信号端子は、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、第4、第5信号端子に対して擬似的なグランド端子として機能する。
【0031】
本発明の第4コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5信号端子及び複数の第6信号端子とを備えている。前記第4信号端子は前記第1方向において隣り合う前記第6信号端子の間に平面位置的に配置されている。前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である。
【0032】
このような発明の態様による場合、第4信号端子は第1方向において隣り合う第6信号端子の間に平面位置的に配置されている。すなわち、第6信号端子が第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣に配置されている。第6信号端子により伝送される信号の周波数が、第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第6信号端子が第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣で、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、擬似的なグランド端子として機能する。よって、第4信号端子と、第6信号端子と同じ列に配置された第5信号端子との間に生じるクロストークが低減される。また、第6信号端子は前記第4コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣にグランド端子が配置される場合に比べて、前記第4コネクタの小型化を図ることができる。
【0033】
一対の前記第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合う構成とすることが可能である。
【0034】
本発明の第5コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子及びグランド端子とを備えている。前記第4信号端子は第1方向において隣り合う前記第6信号端子と前記グランド端子との間に平面位置的に配置されている。前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である。
【0035】
このような発明の態様による場合、第4信号端子は第1方向において隣り合う第6信号端子とグランド端子との間に平面位置的に配置されている。すなわち、第6信号端子及びグランド端子が第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣に配置されている。第6信号端子により伝送される信号の周波数が、第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第6信号端子が第4信号端子の平面位置的な第1方向の一方側の隣で、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、擬似的なグランド端子として機能する。第4信号端子の平面位置的な第1方向の他方側の隣には、グランド端子が配置されている。よって、第4信号端子と、第6信号端子及びグランド端子と同じ列に配置された第5信号端子と間に生じるクロストークが低減される。また、第6信号端子は前記第5コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣にグランド端子が配置される場合に比べて、前記第5コネクタの小型化を図ることができる。
【0036】
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合う構成とすることが可能である。前記第6信号端子及びグランド端子の少なくとも一方が2つとすることが可能である。前記一対の第4信号端子のうちの一方の第4信号端子が、隣り合う前記第6信号端子とグランド端子との間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子が、隣り合う前記第6信号端子の間又は隣り合うグランド端子の間に平面位置的に配置されている。
【0037】
本発明の第6コネクタは、絶縁性を有するボディと、前記ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えた構成とすることが可能である。前記第4信号端子は、前記ボディを挟んで前記第6信号端子に対向する位置に配置されている。前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である。
【0038】
このような発明の態様による場合、第4信号端子は、第6信号端子とボディを挟んで対向する位置に配置されている。第6信号端子により伝送される信号の周波数が、第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるので、第6信号端子が第4信号端子のボディを挟んで対向する位置で、グランド端子と同等の機能を発揮し得ないものの、擬似的なグランド端子として機能する。よって、第4信号端子と、第6信号端子と同じ列に配置された第5信号端子との間に生じるクロストークが低減される。また、第6信号端子は前記第6コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4信号端子の平面位置的な第1方向の両隣にグランド端子が配置される場合に比べて、前記第6コネクタの小型化を図ることができる。
【0039】
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っており且つ前記ボディを挟んで一対の前記第6信号端子に対向する位置に配置可能となっている。
【0040】
前記第6コネクタは、前記ボディに前記第5、6信号端子と同じ高さ位置に配設されたグランド端子を更に備えた構成とすることが可能である。一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合うように配置することが可能である。前記一対の第4信号端子のうちの一方が前記ボディを挟んで前記第6信号端子に対向する位置に配置可能である。他方が前記ボディを挟んで前記グランド端子に対向する位置に配置可能である。
【0041】
一対の前記第5信号端子が前記第1方向において互いに隣り合う構成とすることが可能である。前記一対の第4及び/又は第5信号端子が差動ペアとすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るコネクタの正面、平面及び右側面を表した概略的斜視図である。
【図2A】図2Aは、前記コネクタの図1中の2A−2A断面図である。
【図2B】図2Bは、前記コネクタの図1中の2B−2B断面図である。
【図2C】図2Cは、前記コネクタの図1中の2C−2C断面図である。
【図3】図3は、前記コネクタの端子の図2A中の3−3端面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係るコネクタの端子群の端子の配置の一例を示す端面図である。
【図5】図5は、前記コネクタの端子群の端子の配置の別の一例を示す端面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例3に係るコネクタの概略的正面図である。
【図7A】図7Aは、前記コネクタの図6中の7A−7A断面図である。
【図7B】図7Bは、前記コネクタの図6中の7B−7B断面図である。
【図8A】図8Aは、実験例1の端子群の端子の配置を示す説明図である。
【図8B】図8Bは、実験例2の端子群の端子の配置を示す説明図である。
【図9A】図9Aは、実験例1のノイズ特性を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、実験例2のノイズ特性を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の実施例4に係るコネクタの概略的正面図である。
【図11】図11は、本発明の実施例5に係るコネクタの概略的正面図である。
【図12A】図12Aは、実施例2の前記コネクタの端子群の第1設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図12B】図12Bは、実施例2の前記コネクタの端子群の第2設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図13A】図13Aは、実施例1の前記コネクタの端子群の第1設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図13B】図13Bは、実施例2の前記コネクタの端子群の第3設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図13C】図13Cは、実施例2の前記コネクタの端子群の第4設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14A】図14Aは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第1設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14B】図14Bは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第2設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14C】図14Cは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第3設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14D】図14Dは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第4設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14E】図14Eは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第5設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14F】図14Fは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第6設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14G】図14Gは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第7設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図14H】図14Hは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第8設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図15A】図15Aは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第9設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図15B】図15Bは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第10設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図15C】図15Cは、実施例3の前記コネクタの端子群T1の第11設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16A】図16Aは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第1設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16B】図16Bは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第2設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16C】図16Cは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第3設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16D】図16Dは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第4設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16E】図16Eは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第5設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【図16F】図16Fは、実施例4の前記コネクタの端子群T3の第6設計変形例の端子の配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施例1〜3に係るコネクタついて説明する。
【実施例1】
【0044】
まず、本発明の実施例1に係るコネクタについて図1〜図3を参照しつつ説明する。図1に示すコネクタは図示しない基板上に実装可能なレセプタクルであって、図示しないプラグが接続可能となっている。前記コネクタは、ボディ100と、シェル200と、端子群Tとを備えている。以下、前記コネクタの各構成要素について詳しく説明する。なお、図1〜図2Cにおいて、前記コネクタの幅方向であり且つ端子群Tの端子の配列方向をX(第1方向)、コネクタの前後方向をY、コネクタの高さ方向をZとして示している。Y方向はX方向に直交し、Z方向はX、Y方向に直交している。
【0045】
ボディ100は絶縁樹脂製の射出成型品である。ボディ100は、図2A〜図2Cに示すように、本体部110と、凸部120とを有している。本体部110は矩形状である。凸部120は、本体部110のY方向の第1面(前面)の中央部に設けられ、Y方向に延びた矩形状の板である。凸部120のZ方向の第1面(上面)には、Y方向に延びた複数の溝121がX方向に間隔をあけて配設されている。
【0046】
シェル200は、導電性を有する金属板で構成された角筒であって、ボディ100の外周を覆っている。
【0047】
端子群Tは、図3に示すように、一対の第1信号端子310Sと、一対の第2信号端子320Sと、2本の第3信号端子330Sとを有している。
【0048】
各第1信号端子310Sは、図2Aに示すように、Y方向に延びた導電性を有する金属板である。各第1信号端子310Sは、中間部311Sと、接触部312Sと、垂下部313Sと、テール部314Sとを有している。中間部311SはY方向に延びた板であって、ボディ100の本体部110に埋設され保持されている。中間部311Sは、Y方向の第1、第2端を有している。接触部312Sは、中間部311Sの前記第1端に連接され且つY方向に延びた板である。この接触部312Sは、ボディ100の凸部120の溝121に挿入されている。接触部312Sの先端部には、Z方向の上方に円弧状に湾曲した湾曲部が設けられている。前記湾曲部が上記プラグの信号用のコンタクトに接触可能となっている。
【0049】
垂下部313Sは、中間部311Sの前記第2端に連接され且つ中間部311Sに対して直角に折り曲げられた略L字状の板であって、本体部110のY方向の第2面(後面)に沿ってZ方向に延びている。テール部314Sは、垂下部313SのZ方向の下端に連設され且つ垂下部313Sに対して直角に折り曲げられた板であって、Y方向に延びている。テール部314Sは、上記基板の信号ラインに接続可能となっている。
【0050】
各第2信号端子320Sは、図2Cに示すように、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第1信号端子310Sと同じ形状となっている。各第2信号端子320Sは、中間部321Sと、接触部322Sと、垂下部323Sと、テール部324Sとを有している。なお、第2信号端子320Sの各部については、第1信号端子310Sと説明が重複するため省略する。
【0051】
各第3信号端子330Sは、図2Cに示すように、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第1信号端子310Sと同じ形状となっている。各第3信号端子330Sは、中間部331Sと、接触部332Sと、垂下部333Sと、テール部334Sとを有している。なお、第3信号端子330Sの各部については、第1信号端子310Sと説明が重複するため省略する。
【0052】
上述の端子群Tは、図3に示すように、310S、310S、330S、330S、320S、320Sの順で、ボディ100にX方向に間隔をあけて一列で配列されている(すなわち、端子群Tの端子はボディ100にX方向に一列で配列されている)。一対の第1信号端子310Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の第2信号端子320Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。2本の第3信号端子330Sは、図3に示すように、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間に間隔をあけて配置されている。
【0053】
第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は、第1、第2信号端子310S、320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/100以下である。例えば、一対の第1信号端子310Sにより伝送される高速差動信号の周波数が数GHz、一対の第2信号端子320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz、第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は数MHzとすることができる。また、一対の第1信号端子310Sにより伝送される高速差動信号の周波数が数GHz、一対の第2信号端子320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz、第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は数十MHzとすることができる。これにより、信号伝送時に第3信号端子330Sは一対の第1信号端子310Sと一対の第2信号端子320Sとの間で擬似的なグランド端子として機能する。但し、第3信号端子330Sはグランド端子と同等レベルの信号遮蔽機能(クロストーク低減機能)を発揮するものではない。
【0054】
以下、上述した構成のコネクタの製造方法を詳しく説明する。まず、導電性を有する金属板を用意する。その後、前記金属板を所定の金型を用いてプレス成型し、第1、第2、第3信号端子310S、320S、330Sを作成する。
【0055】
その後、絶縁樹脂製を射出成型し、ボディ100を作成する。このとき、第1信号端子310Sの中間部311S、第2信号端子320Sの中間部321S及び第3信号端子330Sの中間部331Sが本体部110にインサート成型される。これにより、第1、第2、第3信号端子が、310S、310S、330S、330S、320S、320Sの順でボディ100にX方向に一列で配列される。
【0056】
その後、ボディ100をシェル200に挿入する。このように製造されたコネクタは、上記基板上に実装される。このとき、テール部314S、324S、334Sが上記基板の信号ラインに半田接続される。
【0057】
このようなコネクタによる場合、2本の第3信号端子330Sが、第1信号用端子310Sと第2信号用端子320Sとの間に間隔をあけて配置されている。第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は、第1、第2信号端子310S、320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/100以下であるので、第3信号端子330Sは、信号伝送時に一対の第1信号端子310Sと一対の第2信号端子320Sとの間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、一対の第1信号端子310Sにより伝送される差動信号と一対の第2信号端子320Sにより伝送される差動信号とのクロストークが低減される。第3信号端子330Sは、コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第1、第2信号端子310S、320S間にグランド端子が配置される場合に比べて、前記コネクタのX方向の寸法の低減を図ることができ、当該コネクタの小型化を図ることができる。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の実施例2に係るコネクタについて図4又は図5を参照しつつ説明する。図4又は図5に示すコネクタは、端子群T’が端子群Tと相違している以外、実施例1のコネクタと略同じである。よって、端子群T’についてのみ詳しく説明し、実施例1と重複する説明については省略する。なお、実施例2のコネクタの端子群の符号については、’を付して実施例1の端子群Tと区別する。
【0059】
端子群T’は、一対の第1信号端子310Sと、一対の第2信号端子320Sと、2本の第3信号端子330Sと、2本のグランド端子340Gとを有している。第1、第2、第3信号端子310S、320S、330Sは実施例1と同じものである。各グランド端子340Gは、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第1信号端子310Sと同じ構成となっている。すなわち、グランド端子340Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。グランド端子340Gのテール部は、上記基板のグランドラインに接続可能となっている。なお、グランド端子340Gの各部については、第1信号端子310Sと説明が重複するため省略する。
【0060】
この端子群T’は、図4に示すように310S、310S、340G、330S、330S、340G、320S、320Sの順又は図5に示すように310S、310S、330S、340G、340G、330S、320S、320Sの順で、ボディ100にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。2本のグランド端子340G及び第3信号用端子330Sが、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間にX方向に間隔をあけて配置されている。図4に示す配列では、グランド端子340GがX方向における第3信号用端子330Sと第1信号用端子310Sとの間及びX方向における第3信号用端子330Sと第2信号用端子320Sとの間に配置されている。図5に示す配列では、第3信号用端子330SがX方向におけるグランド端子340Gと第1信号用端子310Sとの間及びX方向におけるグランド端子340Gと第2信号用端子320Sとの間に配置されている。
【0061】
第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は、第1、第2信号端子310S、320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。例えば、一対の第1信号端子310Sにより伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、一対の第2信号端子320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は数百MHz〜1GHz程度とすることが可能である。これにより、信号伝送時に第3信号端子330Sは一対の第1信号端子310Sと一対の第2信号端子320Sとの間で擬似的なグランド端子として機能する。
【0062】
このようなコネクタによる場合、2本の第3信号用端子330S及びグランド端子340Gが、第1信号用端子310Sと第2信号用端子320Sとの間に間隔をあけて配置されている。第3信号端子330Sにより伝送される信号の周波数は、第1、第2信号端子310S、320Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下であるので、第3信号端子330Sは、信号伝送時に一対の第1信号端子310Sと一対の第2信号端子320Sとの間で擬似的なグランド端子として機能する。よって、一対の第1信号端子310Sにより伝送される差動信号と一対の第2信号端子320Sにより伝送される差動信号とのクロストークが低減される。第3信号端子330Sは、コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第1、第2信号端子310S、320S間にグランド端子が配置される場合に比べて、前記コネクタのX方向の寸法の低減を図ることができ、当該コネクタの小型化を図ることができる。
【実施例3】
【0063】
次に、本発明の実施例3に係るコネクタについて図6〜図7Bを参照しつつ説明する。図6に示すコネクタは図示しない基板上に実装可能なレセプタクルであって、図示しないプラグが接続可能となっている。前記コネクタは、ボディ400と、シェル500と、端子群T1、T2とを備えている。以下、前記コネクタの各構成要素について詳しく説明する。なお、図6〜図7Bにおいて、コネクタの幅方向であり且つ端子群T1、T2の配列方向をX(第1方向)、コネクタの前後方向をY、コネクタの高さ方向をZとして示している。Y方向はX方向に直交し、Z方向はX、Y方向に直交している。
【0064】
ボディ400は絶縁樹脂製の射出成型品である。ボディ400は、図7A及び図7Bに示すように、本体部410と、凸部420とを有している。本体部410は矩形状である。凸部420は、本体部410のY方向の第1面(前面)の中央部に設けられ、Y方向に延びた矩形状の板である。凸部420のZ方向の第1面(上面)には、Y方向に延びた複数の溝421がX方向に間隔をあけて配設されている。凸部420のZ方向の第2面(下面)には、Y方向に延びた複数の溝422がX方向に間隔をあけて配設されている。溝421、422はX方向に千鳥配置されている。
【0065】
シェル500は、導電性を有する金属板で構成された角筒であって、ボディ400の外周を覆っている。
【0066】
端子群T1、T2は異なる規格に対応している。例えば、端子群T1、T2は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)の規格、USB3.0(Universal Serial Bus)の規格及びDisplayPortの規格のうち何れかに対応した構成とすることが可能である。但し、本実施例3では、端子群T1、T2が対応している規格を断定せずに説明する。
【0067】
端子群T1は、図6に示すように、複数の第4信号端子610Sと、複数の第5信号端子620Sと、複数の第6信号端子630Sと、グランド端子640G(第3グランド端子)と、複数の第7信号端子650Sと、グランド端子660G(第4グランド端子)、第10信号端子670Sとを有している。
【0068】
各第4信号端子610Sは、図7Aに示すようにY方向に延びた導電性を有する金属板である。各第4信号端子610Sは、中間部611Sと、接触部612Sと、垂下部613Sと、テール部614Sとを有している。中間部611SはY方向に延びた板であって、ボディ400の本体部410に埋設され保持されている。中間部611Sは、Y方向の第1、第2端を有している。接触部612Sは、中間部611Sの前記第1端に連接され且つY方向に延びた板である。この接触部612Sはボディ400の凸部420の溝422に挿入され、上記プラグの信号用のコンタクトに接触可能となっている。
【0069】
垂下部613Sは、中間部611Sの前記第2端に連接され且つ中間部611Sに対して直角に折り曲げられた略L字状の板であって、Z方向に延びている。テール部614Sは、垂下部613SのZ方向の下端に連設され且つ垂下部613Sに対して直角に折り曲げられた板であって、Y方向に延びている。テール部614Sは、上記基板の信号ラインに接続可能となっている。
【0070】
各第7信号端子650S及びグランド端子660Gは、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第4信号端子610Sと同じ形状となっている。各第7信号端子650S及びグランド端子660Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。第7信号端子650Sのテール部は、上記基板の信号ラインに接続可能となっている。グランド端子660Gのテール部は、上記基板のグランドラインに接続可能となっている。
なお、第7信号端子650S及びグランド端子660Gの各部については、第4信号端子610Sと説明が重複するため省略する。
【0071】
各第6信号端子630Sは、図7Bに示すようにY方向に延びた導電性を有する金属板である。各第6信号端子630Sは、中間部631Sと、接触部632Sと、垂下部633Sと、テール部634Sとを有している。中間部631SはY方向に延びた板であって、ボディ400の本体部410の貫通孔411に圧入保持されている。中間部631Sは、Y方向の第1、第2端を有している。接触部632Sは、中間部631Sの前記第1端に連接され且つY方向に延びた板である。この接触部632Sはボディ400の凸部420の溝421に挿入され、上記プラグの信号用のコンタクトに接触可能となっている。
【0072】
垂下部633Sは、中間部631Sの前記第2端に連接され且つ中間部631Sに対して直角に折り曲げられた略L字状の板であって、本体部410のY方向の第2面(後面)に沿ってZ方向に延びている。垂下部633SのZ方向の寸法は、垂下部613SのZ方向の寸法よりも大きい。テール部634Sは、垂下部633SのZ方向の下端に連設され且つ垂下部633Sに対して直角に折り曲げられた板であって、Y方向に延びている。テール部634Sは、上記基板の信号ラインに接続可能となっている。
【0073】
各第5信号端子620S、グランド端子640G及び第10信号端子670Sは、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第6信号端子630Sと同じ形状となっている。各第5信号端子620S、グランド端子640G及び第10信号端子670Sは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。第5信号端子620S及び第10信号端子670Sのテール部は、上記基板の信号ラインに各々接続可能となっている。グランド端子640Gのテール部は、上記基板のグランドラインに接続可能となっている。なお、第5信号端子620S、グランド端子640G及び第10信号端子670Sの各部については、第6信号端子630Sと説明が重複するため省略する。
【0074】
上述した端子群T1は、図6に示すように、端子が上下2列で千鳥配置されている。端子群T1の上列は620S、620S、630S、630S、640G、670Sの順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。端子群T1の下列は、660G、650S、650S、610S、610Sの順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。一対の第4信号端子610Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の第5信号端子620Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。X方向における第4信号端子610Sと第5信号端子620Sとの間の領域αに、第6信号端子630S及び第7信号端子650SがX方向に間隔をあけて配置されている。
【0075】
グランド端子640Gは、一対の第4信号端子610Sのとの間に平面位置的に配置されている。グランド端子660Gは、一対の第5信号端子620Sのとの間に平面位置的に配置されている。第10信号端子670Sは、端子群T1の最端且つグランド端子640Gの隣に配置されている。
【0076】
第6、第7、第8信号端子630S、650S、670Sにより各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S、620Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。例えば、一対の第4信号端子610Sにより伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、一対の第5信号端子620Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、第6、第7、第8信号端子630S、650S、670Sにより伝送される信号の周波数は数百MHz〜1GHz程度とすることが可能である。これにより、信号伝送時に第6信号端子630S及び第7信号端子650Sが、第4信号端子610Sと第5信号端子620Sとの間の領域αで擬似的なグランド端子として機能する。但し、第6、第7、第8信号端子630S、650S、670Sは、グランド端子と同等レベルの信号遮蔽機能(クロストーク低減機能)を発揮するものではない。
【0077】
端子群T2は、複数の信号端子710Sと、複数の信号端子720Sと、複数のグランド端子730G、740Gとを有している。この端子群T2は、端子が上下2列でX方向に千鳥配置されている。端子群T2の上列は740G、720S、720S、740Gの順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。端子群T2の下列は710S、710S、730G、710S、710Sの順での順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。
【0078】
各信号端子720S及びグランド端子740GはY方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第6信号端子630Sと同じ形状となっている。各信号端子720S及びグランド端子740Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、信号端子720S及びグランド端子740Gの各部については、第6信号端子630Sと説明が重複するため省略する。
【0079】
各信号端子710S及びグランド端子730GはY方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第4信号端子610Sと同じ形状となっている。各信号端子710S及びグランド端子730Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、信号端子710S及びグランド端子730Gの各部については、第4信号端子610Sと説明が重複するため省略する。
【0080】
一対の信号端子710Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の信号端子720Sは、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。グランド端子730Gは、一対の信号端子720Sの間に平面位置的に各々配置されている。グランド端子740Gは、一対の信号端子710Sの間に平面位置的に各々配置されている。
【0081】
このようなコネクタによる場合、端子群T1において、第6、第7信号端子630S、650Sが、X方向における第4信号端子610Sと第5信号端子620Sとの間の領域αに配置されている。第6、第7信号端子630S、650Sにより各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S、620Sにより各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。このため、信号伝送時に第6、第7信号端子630S、650Sが、領域αで擬似的なグランド端子として機能する。よって、一対の第4信号端子610Sにより伝送される差動信号と一対の第5信号端子620Sにより伝送される差動信号とのクロストークを抑止することができる。第6、第7信号端子630S、650Sは、前記コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、領域αにグランド端子が配置される場合に比べて、前記コネクタのX方向の寸法の低減を図ることができ、当該コネクタの小型化を図ることができる。
【0082】
また、グランド端子640Gが一対の第4信号端子610Sのとの間に平面位置的に配置されている。よって、一対の第4信号端子610S間のインピーダンス調整が図られ、当該第4信号端子610Sにより伝送される差動信号の伝送特性が向上する。同様に、グランド端子660Gが一対の第5信号端子620Sのとの間に平面位置的に配置されている。よって、一対の第5信号端子620S間のインピーダンス調整が図られ、当該第5信号端子620Sにより伝送される差動信号の伝送特性が向上する。
【0083】
ここで、図8Aに示すように、上列の端子をG、G、G、G、S1、S1、S3、G、S3、S3の順で配列し、下列の端子をG、G、G、G、G、G、S4、S2、S2、S4の順で配列して実験1を行った。S1、S1は高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。S2、S2も高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。Gはグランド端子である。S3、S4は低速の信号端子である。
【0084】
この実験1では、S3、S4に信号を伝送させず、信号端子S1に周波数0〜10GHzの掃引させた信号を伝送させた状態で、信号端子S2のノイズを測定した。その結果、図9Aに示すグラフの通りとなった。
【0085】
また、図8Bに示すように、上列の端子をG、G、G、G、S1、S1、G、S’’、S3、S3の順で配列し、下列の端子をG、G、G、G、G、G、S4、S4、S2、S2の順で配列して実験2を行った。S1、S1は高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。S2、S2も高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。Gはグランド端子である。S3、S4、S’’は低速の信号端子である。なお、S4はグランド端子に置換可能である。
【0086】
この実験2では、S3、S4に信号を伝送させず、信号端子S1に周波数0〜10GHzの掃引させた信号を伝送させ且つ信号端子S’’に周波数240MHzの信号を伝送させた状態で、S2のノイズを測定した。その結果、図9Bに示すグラフの通りとなった。
【0087】
この実験1及び2のグラフを比較すると、実験2が実験1よりもノイズが低減したことがわかる。すなわち、実験1では、S1とS2との間の領域に二つのS4が存在しているので、X方向におけるS1とS2との間の距離が長くなり、クロストークの影響を受け難くすることができ、また、S’’の影響も受け難いことがわかる。
【実施例4】
【0088】
次に、本発明の実施例4に係るコネクタについて図10を参照しつつ説明する。図10に示すコネクタは図示しない基板上に実装可能なレセプタクルであって、図示しないプラグが接続可能となっている。前記コネクタは、端子群T1、T2に代えて、端子群T3、T4を備えている点で、実施例3のコネクタと相違している以外、実施例3のコネクタと略同じ構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明については省略する。
【0089】
端子群T3、T4は異なる規格に対応している。例えば、端子群T3、T4は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)の規格、USB3.0(Universal Serial Bus)の規格及びDisplayPortの規格のうち何れかに対応した構成とすることが可能である。但し、本実施例4では、端子群T3、T4が対応している規格を断定せずに説明する。
【0090】
端子群T3は、図10に示すように、複数の第4信号端子610S’と、複数の第5信号端子620S’と、複数の第6信号端子630S’と、複数のグランド端子640G’と、複数の第7信号端子650S’と、複数のグランド端子660G’とを有している。
【0091】
各第4信号端子610S’、第7信号端子650S’及びグランド端子660G’は、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ実施例3の第4信号端子610Sと同じ形状となっている。各第4信号端子610S’、第7信号端子650S’及びグランド端子660G’は、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、第4信号端子610S’、第7信号端子650S’及びグランド端子660G’の各部については、第4信号端子610Sと説明が重複するため省略する。
【0092】
各第5信号端子620S’、第6信号端子630S’及びグランド端子640G’は、Y方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ実施例3の第6信号端子630Sと同じ形状となっている。各第5信号端子620S’、第6信号端子630S’及びグランド端子640G’は、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、第5信号端子620S’、第6信号端子630S’及びグランド端子640G’の各部については、第6信号端子630Sと説明が重複するため省略する。
【0093】
上述した端子群T3は端子が上下2列で千鳥配置されている。端子群T3の上列は620S’、620S’、640G’、630S’、640G’、620S’、620S’、640G’の順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。端子群T3の下列は、660G’、650S’、660G’、610S’、610S’、660G’、650S’、660G’の順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。一対の第4信号端子610S’は、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の第4信号端子610S’のうちの一方の第4信号端子610S’は、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’と第6信号端子630S’との間に平面位置的に配置されている。換言すると、グランド端子640G’と第6信号端子630S’とは、一方の第4信号端子610S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。一対の第4信号端子610S’のうちの他方の第4信号端子610S’は、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’と別のグランド端子640G’との間に平面位置的に配置されている。換言すると、第6信号端子630S’と別のグランド端子640G’とは、他方の第4信号端子610S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。
【0094】
一対の第5信号端子620S’は、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の第5信号端子620S’のうちの一方の第5信号端子620S’は、X方向において互いに隣り合うグランド端子660G’と第7信号端子650S’との間に平面位置的に配置されている。換言すると、グランド端子660G’と第7信号端子650S’とは、一方の第5信号端子620S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。一対の第5信号端子620S’のうちの他方の第5信号端子620S’は、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’と別のグランド端子660G’との間に平面位置的に配置されている。換言すると、第7信号端子650S’と別のグランド端子660G’とは、他方の第5信号端子620S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。
【0095】
第6、第7信号端子630S’、650S’により各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S’、620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。例えば、一対の第4信号端子610S’により伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、一対の第5信号端子620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、第6、第7信号端子630S’、650S’により伝送される信号の周波数は数百MHz〜1GHz程度とすることが可能である。これにより、信号伝送時に第6信号端子630S’は一対の第4信号端子610S’の間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能し、第7信号端子650S’は一対の第5信号端子620S’の間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能する。但し、第6、第7信号端子630S’、650S’はグランド端子と同等レベルの信号遮蔽機能(クロストーク低減機能)を発揮するものではない。
【0096】
端子群T4は、複数の信号端子710S’と、複数の信号端子720S’と、複数のグランド端子730G’、740G’と、複数の他の端子とを有している。この端子群T4は、端子が上下2列で千鳥配置されている。端子群T4の上列は740G’、720S’、720S’、740G’、720S’、720S’、740G’、他の端子の順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。端子群T4の下列は他の端子、730G’、710S’、710S’、730G’、710S’、710S’、730G’の順での順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。
【0097】
各信号端子720S’及びグランド端子740G’はY方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第6信号端子630Sと同じ形状となっている。各信号端子720S’及びグランド端子740G’は、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、信号端子720S’及びグランド端子740G’の各部については、第6信号端子630Sと説明が重複するため省略する。
【0098】
各信号端子710S’及びグランド端子730G’はY方向に延びる導電性を有する金属板であり且つ第4信号端子610Sと同じ形状となっている。各信号端子710S’及びグランド端子730G’は、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有している。なお、信号端子710S’及びグランド端子730G’の各部については、第4信号端子610Sと説明が重複するため省略する。
【0099】
一対の信号端子710S’は、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。一対の信号端子720S’は、X方向において互いに隣り合い、高速差動信号伝送用の差動ペアを構成している。全グランド端子730G’のうち一部のグランド端子730G’は、一対の信号端子720S’の間に平面位置的に各々配置されている。全グランド端子740G’のうち一部のグランド端子740G’は、一対の信号端子710S’の間に平面位置的に各々配置されている。
【0100】
このようなコネクタによる場合、端子群T3において、グランド端子640G’と第6信号端子630S’とが、一方の第4信号端子610S’のX方向の平面位置的な両隣に配置され、第6信号端子630S’と別のグランド端子640G’とが、他方の第4信号端子610S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。また、グランド端子660G’と第7信号端子650S’とが、一方の第5信号端子620S’のX方向の平面位置的な両隣に配置され、第7信号端子650S’と別のグランド端子660G’とは、他方の第5信号端子620S’のX方向の平面位置的な両隣に配置されている。第6、第7信号端子630S’、650S’により各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S’、620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。このため、信号伝送時に第6信号端子630S’は一対の第4信号端子610S’の間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能し、第7信号端子650S’は一対の第5信号端子620S’の間の平面位置的な位置で擬似的なグランド端子として機能する。よって、一対の第4信号端子610S’により伝送される差動信号と一対の第5信号端子620S’により伝送される差動信号とのクロストークを抑止することができる。第6、第7信号端子630S’、650S’は、前記コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、第4信号端子610S’間の平面位置的な位置及び/又は第5信号端子620S’間の平面位置的な位置にグランド端子が配置される場合に比べて、前記コネクタのX方向の寸法の低減を図ることができ、当該コネクタの小型化を図ることができる。
【実施例5】
【0101】
次に、本発明の実施例5に係るコネクタについて図11を参照しつつ説明する。図11に示すコネクタは図示しない基板上に実装可能なレセプタクルであって、図示しないプラグが接続可能となっている。前記コネクタは、端子群T4を備えておらず且つ端子群T3’の端子の配列が実施例4の端子群T3の端子の配列と相違している以外、実施例4のコネクタと略同じ構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明については省略する。なお、端子群は、T3に’を付して実施例4の端子群T3と区別する。
【0102】
ボディ400及びシェル500は、X方向の寸法が実施例4のボディ400及びシェル500のX方向の寸法よりも小さくなっている以外、実施例4のボディ400及びシェル500と同じ構成である。
【0103】
端子群T3’は、端子が上下2列で千鳥配置されていない点で、端子群T3と相違している。具体的には以下の通りである。端子群T3’は、図11に示すように、端子が上下2列で配置されている。端子群T3’の上列は620S’、620S’、640G’、630S’、630S’、620S’、620S’、640G’の順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。端子群T3’の下列は、650S’、650S’、660G’、610S’、610S’、650S’、650S’、660G’の順でボディ400にX方向に間隔をあけて一列で配列されている。なお、上列、下列の端子の形状は、実施例4の上列、下列の端子の形状と同じである。
【0104】
一対の第4信号端子610S’は、Z方向においてボディ400を挟んで一対の第6信号端子630S’に対向する位置に配置されている。一対の第5信号端子620S’は、Z方向においてボディ400を挟んで一対の第7信号端子650S’に対向する位置に配置されている。グランド端子640G’は、Z方向においてボディ400を挟んでグランド端子660G’に対向する位置に配置されている。
【0105】
第6、第7信号端子630S’、650S’により各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S’、620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。例えば、一対の第4信号端子610S’により伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、一対の第5信号端子620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数が数GHz〜10数GHz、第6、第7信号端子630S’、650S’により伝送される信号の周波数は数百MHz〜1GHz程度とすることが可能である。これにより、信号伝送時に第6信号端子630S’は第4信号端子610S’に対して擬似的なグランド端子として機能し、第7信号端子650S’は第5信号端子620S’に対して位置で擬似的なグランド端子として機能する。但し、第6、第7信号端子630S’、650S’はグランド端子と同等レベルの信号遮蔽機能(クロストーク低減機能)を発揮するものではない。
【0106】
このようなコネクタによる場合、端子群T3’において、一対の第4信号端子610S’と一対の第6信号端子630S’とがボディ400を挟んで互いに対向する位置に配置され、一対の第5信号端子620S’と一対の第7信号端子650S’とがボディ400を挟んで互いに対向する位置に配置されている。第6、第7信号端子630S’、650S’により各々伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子610S’、620S’により各々伝送される高速差動信号の周波数の約1/10以下である。このため、信号伝送時に一対の第6信号端子630S’は一対の第4信号端子610S’に対して擬似的なグランド端子として機能し、一対の第7信号端子650S’は一対の第5信号端子620S’に対して擬似的なグランド端子として機能する。よって、一対の第4信号端子610S’により伝送される差動信号と一対の第5信号端子620S’により伝送される差動信号とのクロストークを抑止することができる。第6、第7信号端子630S’、650S’は、前記コネクタの制御信号用の端子や他の低速信号伝送用の端子として用いることが可能であるので、ボディ400を挟んで第4信号端子610S’と対向する位置及び/又はボディ400を挟んで第5信号端子620S’と対向する位置にグランド端子が配置される場合に比べて、前記コネクタのX方向の寸法の低減を図ることができ、当該コネクタの小型化を図ることができる。
【0107】
なお、上述したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、図12A〜図16Fを参照しつつ、設計変形例について詳しく述べる。
【0108】
上記実施例1では、コネクタは、一対の第1、第2信号用端子310S、320Sと、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間に間隔をあけて配置された2本の第3信号端子330Sとを備えているとした。しかし、本発明の第1コネクタは、ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2及び第3信号端子を備えており、前記第3信号端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されており、前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/100以下である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、1本又は3本以上の第3信号端子が第1、第2信号端子の間に配置された態様とすることが可能である。また、前記第1コネクタは、ボディに複数の端子がZ方向(上下方向)に複数列で配列された構成とすることが可能である。この場合、前記複数列のうちの一列に第1、第2及び第3信号端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。
【0109】
上記実施例2では、コネクタは、一対の第1、第2信号用端子310S、320Sと、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間にX方向に間隔をあけて配置された2本のグランド端子340G及び第3信号用端子330Sとを備えているとした。しかし、本発明の第2コネクタは、ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2、第3信号端子及びグランド端子を備えており、前記第3信号端子及びグランド端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されており、前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、一本のグランド端子及び第3信号端子が第1、第2信号端子の間に配置された態様とすることが可能である。
【0110】
また、図12Aに示すように、2本のグランド端子340Gと1本の第3信号用端子330Sが、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間にX方向に間隔をあけて配置されている態様とすることが可能である。なお、2本のグランド端子と1本の第3信号用端子とは、340G、340G、330Sの順、330S、340G、340Gの順で第1、第2信号用端子間に配置することが可能である。また、図12Bに示すように、1本のグランド端子340Gと2本の第3信号用端子330Sが、X方向における一対の第1信号用端子310Sのうちの一方の第1信号用端子310Sと一対の第2信号用端子320Sのうちの一方の第2信号用端子320Sとの間にX方向に間隔をあけて配置されている態様とすることが可能である。なお、1本のグランド端子と2本の第3信号用端子とは、340G、330S、330Sの順、330S、330S、340Gの順で第1、第2信号用端子間に配置することが可能である。
【0111】
また、前記第2コネクタは、ボディに複数の端子がZ方向(上下方向)に複数列で配列された構成とすることが可能である。この場合、前記複数列のうちの一列に第1、第2、第3信号端子及びグランド端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。
【0112】
また、第3信号端子330Sは、一方の第1、第2信号端子310S、320Sの間にだけ配置されるものではない。例えば、第3信号端子330Sは、図13A、図13B及び図13Cに示すように、X方向における他方の第1、第2信号端子310S、320Sの隣(すなわち、端子群のX方向の両端の第1、第2信号端子の隣)に配置することが可能である。なお、X方向における他方の第1、第2信号端子310S、320Sの隣に、第3信号端子330Sに代えて、グランド端子を配置することも可能である。このように端子群のX方向の両端の第1、第2信号端子の隣に第3信号端子330S又はグランド端子を配置することにより、端子群のX方向の両端に位置する一対の第1信号端子310S間及び一対の第2信号端子320S間の各々インピーダンス整合を図ることができる。
【0113】
実施例1及び2では、一対の第1、第2信号端子310S、320Sが差動ペアを構成しているとした。しかし、第1、第2信号端子は、少なくとも一つずつあれば良い。すなわち、第1、第2信号端子はシングルエンド用の端子とすることが可能である。また、一対の第1信号端子を差動ペア用の端子とし、第2信号端子をシングルエンド用の端子とすることが可能である。その逆も可能である。また、上述した第1、第2、第3信号端子310S、320S、330S及びグランド端子340Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有するとした。しかし、第1、第2、第3信号端子及びグランド端子の形状は任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2、第3信号端子及びグランド端子のテール部をZ方向に垂下させ、基板のスルーホールに挿入可能とすることが可能である。また、第1、第2、第3信号端子及びグランド端子をY方向に延びる直線状の板とすることができる。なお、第1、第2、第3信号端子及びグランド端子は同じ形状である必要はなく、各々形状が異なっていても構わない。
【0114】
実施例3では、コネクタは、620S、620S、630S、630S、640G、670Sの順でボディ400に配列された上列の端子と、660G、650S、650S、610S、610Sの順でボディ400に配列された下列の端子とを備えているとした。しかし、本発明の第3コネクタは、ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えており、前記第6信号端子は、前記第1方向における前記第4信号端子と前記第5信号端子との間の領域に配置されており、前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である限り任意に設計変更することが可能である。
【0115】
例えば、X方向における第4信号端子610Sと第5信号端子620Sとの間の領域αに、一つ又は3つ以上の第6信号端子630S及び/又は一つ又は3つ以上の第7信号端子650Sが配置された態様とすることが可能である。また、図14A〜図14Dに示すように、領域αに、第6信号端子630S、第7信号端子650S及びグランド端子680G、690G(第1、第2グランド端子)が配置されている態様とすることが可能である。更に、図14E〜図14Hに示すように、領域αに、第6信号端子630Sに代えて、グランド端子680Gを配置することが可能である。図14E〜図14Hに示す変形例の場合、領域αに一つ又は3つ以上のグランド端子680Gが配置された態様に設計変形することが可能である。また、第10信号端子670に代えて、グランド端子(第5グランド端子)を配置することも可能である。グランド端子640G、660Gは第8、第9信号端子に置換可能である。第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とする。なお、第7信号端子650S、グランド端子640G、660G及び第10信号端子670は省略することが可能である。また、端子群T2も省略することが可能である。
【0116】
実施例3では、端子群T3は上下2列で千鳥配置されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図15Aに示すように、一対の第4信号端子610Sが、図示しないボディを挟んで一対のグランド端子640Gに対向する位置に配置され、一対の第5信号端子620Sが前記ボディを挟んで一対のグランド端子660Gに対向する位置に配置されている。この場合、領域αにおいて、一対の第6信号端子630Sが前記ボディを挟んで一対の第7信号端子650Sに対向する位置に配置されている。また、図15B及び図15Cに示すように、領域αにおいて、一対の第6信号端子630Sの一方はグランド端子680Gに、一対の第7信号端子650Sの一方はグランド端子690Gに置換可能である。更に、一対のグランド端子640G、660Gの少なくとも一方を第8、第9信号端子に置換することが可能である。第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とする。
【0117】
上記した一対の第4、第5信号端子610S、620Sが差動ペアを構成しているとした。しかし、第4、第5信号端子は、少なくとも一つずつあれば良い。すなわち、第4、第5信号端子は、シングルエンド用の端子とすることが可能である。また、一対の第4信号端子を差動ペア用の端子とし、第5信号端子をシングルエンド用の端子とすることが可能である。その逆も可能である。この場合、図15A〜図15Cの例では、第4信号端子610Sが、図示しないボディを挟んでグランド端子640Gに対向する位置に配置され、第5信号端子620Sが前記ボディを挟んでグランド端子660Gに対向する位置に配置された構成とすることが可能である。この場合も、グランド端子640G、660Gは第8、第9信号端子に置換可能である。第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とする。
【0118】
また、上述した第4、第5、第6、第7、第8信号端子610S、620S、630S、650S、670S及びグランド端子640G、660Gは、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有するとした。しかし、第4、第5、第6、第7、第8信号端子及びグランド端子の形状は任意に設計変更することが可能である。例えば、第4、第5、第6、第7、第8信号端子及びグランド端子のテール部をZ方向に垂下させ、基板のスルーホールに挿入可能とすることが可能である。また、第4、第5、第6、第7、第8信号端子及びグランド端子をY方向に延びる直線状の板とすることができる。なお、第4、第5、第6、第7、第8信号端子及びグランド端子は同じ形状である必要はなく、各々形状が異なっていても構わない。第4信号端子が上列に、第5、第6信号端子が下列に配置された態様とすることが可能である。
【0119】
また、前記第3コネクタは、ボディに複数の端子がZ方向(上下方向)に三列以上で配列された構成とすることが可能である。この場合、前記3列以上の列のうちの任意の列に第4信号端子が、第4信号端子の列と異なる列に第5、第6信号端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。
【0120】
実施例4では、コネクタは、620S’、620S’、640G’、630S’、640G’、620S’、620S’、640G’の順でボディ400に配列された上列の端子と、660G’、650S’、660G’、610S’、610S’、660G’、650S’、660G’の順でボディ400に配列された下列の端子とを備えているとした。しかし、これに限定されるものではない。例えば、本発明の第4コネクタとして、ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5信号端子及び複数の第6信号端子とを備えており、前記第4信号端子は第1方向において隣り合う前記第6信号端子の間に平面位置的に配置されており、前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である構成とすることが可能である。或いは、本発明の第5コネクタとして、ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子及びグランド端子とを備えており、前記第4信号端子は第1方向において隣り合う前記第6信号端子と前記グランド端子との間に平面位置的に配置されており、前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である構成とすることが可能である。
【0121】
例えば、図16Aに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’との間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。また、図16Bに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’とグランド端子640G’との間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’と別の第6信号端子630S’との間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’とグランド端子660G’との間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子660G’と別の第7信号端子650S’との間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。
【0122】
図16Cに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’とグランド端子640G’との間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’とグランド端子660G’との間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。また、図16Dに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’と第6信号端子630S’との間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子660G’と第7信号端子650S’との間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。
【0123】
図16Eに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’と第6信号端子630S’との間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合う第7信号端子650S’とグランド端子660G’と間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子660G’間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。また、図16Fに示すように、一方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合う第6信号端子630S’とグランド端子640G’との間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子610S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’間に平面位置的に配置されており、一方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子660G’間に平面位置的に配置されており、他方の第5信号端子620S’が、X方向において互いに隣り合うグランド端子640G’と第7信号端子650S’との間に平面位置的に配置されている態様とすることが可能である。なお、第7信号端子650S’及びグランド端子640G’、660G’は省略することが可能である。また、端子群T4も省略することが可能である。
【0124】
実施例4では、一対の第4、第5信号端子610S’、620S’が差動ペアを構成しているとした。しかし、第4、第5信号端子は、少なくとも一つずつあれば良い。すなわち、第4、第5信号端子は、シングルエンド用の端子とすることが可能である。また、一対の第4信号端子を差動ペア用の端子とし、第5信号端子をシングルエンド用の端子とすることが可能である。その逆も可能である。第4信号端子がシングルエンド用の端子である場合、前記第4信号端子は第1方向において隣り合う第6信号端子間又は第1方向において隣り合う第6信号端子とグランド端子との間に平面位置的に配置すると良い。
【0125】
また、前記第4、5コネクタは、ボディに複数の端子がZ方向(上下方向)に三列以上で配列された構成とすることが可能である。前者の場合、前記3列以上の列のうちの任意の列に第4信号端子が、第4信号端子の列と異なる列に第5、第6信号端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。後者の場合、前記3列以上の列のうちの任意の列に第4信号端子が、第4信号端子の列と異なる列に第5、第6信号端子及びグランド端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。
【0126】
実施例5では、コネクタは、620S’、620S’、640G’、630S’、630S’、620S’、620S’、640G’の順でボディ400に配列された上列の端子と、650S’、650S’、660G’、610S’、610S’、650S’、650S’、660G’の順でボディ400に配列された下列の端子とを備えているとした。しかし、本発明の第6コネクタは、ボディに設けられた第4信号端子と、前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えた構成とすることが可能である。前記第4信号端子は、前記ボディを挟んで前記第6信号端子に対向する位置に配置されている。前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下である限り任意に設計変更することが可能である。
【0127】
例えば、一対の第6信号端子630S’のうちの一方はグランド端子に置換可能である。この場合、一対の第4信号端子610S’のうちの一方が第6信号端子630S’とボディを挟んで対向する位置に配置され、他方が前記グランド端子とボディを挟んで対向する位置に配置される。同様に、一対の第7信号端子650S’のうちの一方はグランド端子に置換可能である。この場合、一対の第5信号端子620S’のうちの一方が第7信号端子650S’とボディを挟んで対向する位置に配置され、他方が前記グランド端子とボディを挟んで対向する位置に配置される。
【0128】
実施例5では、一対の第4、第5信号端子610S’、620S’が差動ペアを構成しているとした。しかし、第4、第5信号端子は、少なくとも一つずつあれば良い。すなわち、第4、第5信号端子は、シングルエンド用の端子とすることが可能である。また、一対の第4信号端子を差動ペア用の端子とし、第5信号端子をシングルエンド用の端子とすることが可能である。その逆も可能である。第4信号端子がシングルエンド用の端子である場合、前記第4信号端子はボディを挟んで第6信号端子に対向する位置に配置されていると良い。
【0129】
また、上述した第4、第5、第6信号端子610S’、620S’、650S’及びグランド端子640G’、660G’は、中間部と、接触部と、垂下部と、テール部とを有するとした。しかし、第4、第5、第6信号端子及びグランド端子の形状は任意に設計変更することが可能である。例えば、第4、第5、第6信号端子及びグランド端子のテール部をZ方向に垂下させ、基板のスルーホールに挿入可能とすることが可能である。また、第4、第5、第6信号端子及びグランド端子をY方向に延びる直線状の板とすることができる。なお、第4、第5、第6信号端子及びグランド端子は同じ形状である必要はなく、各々形状が異なっていても構わない。第4信号端子が上列に、第5、第6信号端子が下列に配置された態様とすることが可能である。
【0130】
また、前記第6コネクタは、ボディに複数の端子がZ方向(上下方向)に三列以上で配列された構成とすることが可能である。この場合、前記3列以上の列のうちの任意の列に第4信号端子が、第4信号端子の列と異なる列に第5、第6信号端子が上述の通り配置されている。それ以外の端子は任意であり、どのような端子を用いても構わない。
【0131】
上記実施例1〜4では、ボディは、本体部と、凸部とを有するとした。しかし、ボディは、上述した端子を保持し得るものである限り任意に設計変更することが可能である。すなわち、端子は、ボディにインサート成型により一部が埋設されていても良いし、ボディの孔や溝に圧入されていても良い。
【0132】
なお、上記実施例1〜4では、コネクタの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上述したコネクタはレセプタクルであるとしたが、プラグとすることも可能である。具体的には、上述した信号端子のテール部にケーブルの芯線を各々直接接続する又は信号端子のテール部に基板を接続し、当該基板にケーブルを接続することにより、プラグコネクタとすることが可能である。
【符号の説明】
【0133】
100・・・・・ボディ
110・・・・ボディ本体
120・・・・凸部
200・・・・・シェル
T・・・・・・・端子群
310S・・・第1信号端子
320S・・・第2信号端子
330S・・・第3信号端子
T’・・・・・・端子群
310S・・・第1信号端子
320S・・・第2信号端子
330S・・・第3信号端子
340G・・・グランド端子
400・・・・・ボディ
410・・・・ボディ本体
420・・・・凸部
500・・・・・シェル
T1・・・・・・端子群
610S・・・第4信号端子
620S・・・第5信号端子
630S・・・第6信号端子
640G・・・グランド端子(第3グランド端子)
650S・・・第7信号端子
660G・・・グランド端子(第4グランド端子)
670S・・・第10信号端子
680G・・・グランド端子(第1グランド端子)
690G・・・グランド端子(第2グランド端子)
T2・・・・・・端子群
710S・・・信号端子
720S・・・信号端子
730G・・・グランド端子
740G・・・グランド端子
T3、T3’・・端子群
610S’・・第4信号端子
620S’・・第5信号端子
630S’・・第6信号端子
640G’・・グランド端子
650S’・・第7信号端子
660G’・・グランド端子
T4・・・・・・端子群
710S’・・信号端子
720S’・・信号端子
730G’・・グランド端子
740G’・・グランド端子
X・・・・・・第1方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2及び第3信号端子とを備えており、
前記第3信号端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されており、
前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/100以下であるコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
複数の前記第3信号端子が前記第1方向における前記第1、第2信号端子の間に配置されているコネクタ。
【請求項3】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに第1方向に一列で配列された第1、第2、第3信号端子及びグランド端子とを備えており、
前記第3信号端子及びグランド端子は前記第1、第2信号端子の間に配置されており、
前記第3信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第1、第2信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記グランド端子は、前記第1方向における前記第1、第3信号端子の間及び前記第1方向における前記第2、第3信号端子の間に各々配置されているコネクタ。
【請求項5】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記第3信号端子は、前記第1方向における前記第1信号端子と前記グランド端子との間及び前記第1方向における前記第2信号端子と前記グランド端子との間に各々配置されているコネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のコネクタにおいて、
一対の前記第1信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っているコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタにおいて、
一対の前記第2信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っているコネクタ。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタにおいて、
前記一対の第1、第2信号端子が差動ペアであるコネクタ。
【請求項9】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに設けられた第4信号端子と、
前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えており、
前記第6信号端子は、前記第1方向における前記第4信号端子と前記第5信号端子との間の領域に配置されており、
前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるコネクタ。
【請求項10】
請求項9記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記領域に配置された第1グランド端子を更に備えているコネクタ。
【請求項11】
請求項9又は10記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記領域に配置された第7信号端子及び第2グランド端子の少なくとも一方を更に備えており、
前記第7信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項12】
請求項9〜11の何れかに記載のコネクタにおいて、
複数の前記第6信号端子が前記領域に配置されているコネクタ。
【請求項13】
請求項9〜12の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設された第3グランド端子又は第8信号端子を更に備えており、
一対の前記第4信号端子は前記第1方向において互いに隣り合っており、
前記第3グランド端子又は第8信号端子は、前記一対の第4信号端子の間に平面位置的に配置されており、
前記第8信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項14】
請求項13に記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設された第4グランド端子又は第9信号端子を更に備えており、
一対の前記第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合っており、
前記第4グランド端子又は第9信号端子は、前記一対の第5信号端子の間に平面位置的に配置されており、
前記第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項15】
請求項14に記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設され且つ前記第3グランド端子の隣に配置された第10信号端子又は第5グランド端子を更に備えているコネクタ。
【請求項16】
請求項9〜12の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設されており且つ前記ボディを挟んで前記第4信号端子に対向する位置に配置された第3グランド端子又は第8信号端子を更に備えており、
前記第8信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項17】
請求項13に記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設されており且つ前記ボディを挟んで前記第5信号端子に対向する位置に配置された第4グランド端子又は第9信号端子を更に備えており、
前記第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項18】
請求項14に記載のコネクタにおいて、
一対の前記第4、第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合っており、
一対の前記第3グランド端子又は第8信号端子が前記ボディを挟んで前記一対の第4信号端子に対向する位置に配置されており、
一対の前記第4グランド端子又は第9信号端子が前記ボディを挟んで前記一対の第5信号端子に対向する位置に配置されているコネクタ。
【請求項19】
請求項9〜12の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、第6信号端子と同じ高さ位置で配設された第3グランド端子及び第8信号端子と、
前記ボディに前記第4信号端子と同じ高さ位置で配設された第4グランド端子及び第9信号端子とを更に備えており、
一対の前記第4、第5信号端子は前記第1方向において互いに隣り合っており、
前記第3グランド端子が前記一対の第4信号端子のうちの一方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置されており、
前記第8信号端子が前記一対の第4信号端子のうちの他方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置されており、
前記第4グランド端子が前記一対の第5信号端子のうちの一方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置されており、
前記第9信号端子が前記一対の第5信号端子のうちの他方と前記ボディを挟んで対向する位置に配置されており、
前記第8、第9信号端子により伝送される信号の周波数は、前記第4、第5信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下とすることが可能であるコネクタ。
【請求項20】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに設けられた第4信号端子と、
前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5信号端子及び複数の第6信号端子とを備えており、
前記第4信号端子は前記第1方向において隣り合う前記第6信号端子の間に平面位置的に配置されており、
前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるコネクタ。
【請求項21】
請求項19記載のコネクタにおいて、
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っているコネクタ。
【請求項22】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに設けられた第4信号端子と、
前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子及びグランド端子とを備えており、
前記第4信号端子は第1方向において隣り合う前記第6信号端子と前記グランド端子との間に平面位置的に配置されており、
前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるコネクタ。
【請求項23】
請求項22記載のコネクタにおいて、
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っており、
前記第6信号端子及びグランド端子の少なくとも一方が2つであり、
前記一対の第4信号端子のうちの一方の第4信号端子が、隣り合う前記第6信号端子とグランド端子との間に平面位置的に配置されており、他方の第4信号端子が、隣り合う前記第6信号端子の間又は隣り合うグランド端子の間に平面位置的に配置されているコネクタ。
【請求項24】
絶縁性を有するボディと、
前記ボディに設けられた第4信号端子と、
前記ボディに前記第4信号端子と異なる高さ位置で第1方向に一列に配列された第5、第6信号端子とを備えており、
前記第4信号端子は、前記ボディを挟んで前記第6信号端子に対向する位置に配置されており、
前記第6信号端子により伝送される信号の周波数が、前記第4信号端子により伝送される信号の周波数の約1/10以下であるコネクタ。
【請求項25】
請求項24記載のコネクタにおいて、
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っており且つ前記ボディを挟んで一対の前記第6信号端子に対向する位置に配置されているコネクタ。
【請求項26】
請求項24記載のコネクタにおいて、
前記ボディに前記第5、6信号端子と同じ高さ位置に配設されたグランド端子を更に備えており、
一対の前記第4信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っており、
前記一対の第4信号端子のうちの一方が前記ボディを挟んで前記第6信号端子に対向する位置に配置されており、他方が前記ボディを挟んで前記グランド端子に対向する位置に配置されているコネクタ。
【請求項27】
請求項21、23、25又は26記載のコネクタにおいて、
一対の前記第5信号端子が前記第1方向において互いに隣り合っているコネクタ。
【請求項28】
請求項14、19又は27記載のコネクタにおいて、
前記一対の第4、第5信号端子が差動ペアであるコネクタ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図14G】
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【図14H】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【公開番号】特開2013−62138(P2013−62138A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199753(P2011−199753)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】