説明

コネクタ

【課題】プラグをレセプタクルに強固に仮固定できるようにする。
【解決手段】レセプタクル30は円筒部31とフランジ32とよりなる。プラグ40は内部コネクタを収容する円筒状のバレル41とカップリングナットを有する。バレル41の先端に嵌合片41aと互いに対向する一対の係止片41b,41cとが突出形成され、係止片41b,41cの先端には係止爪41d,41eが形成されている。プラグ40とレセプタクル30はカップリングナット42が円筒部31に螺合されて結合され、結合の前に嵌合片41a及び係止片41b,41cが円筒部31に嵌合挿入されて位置決めされ、かつ係止片41b,41cがレセプタクル30に係止されることによってプラグ40がレセプタクル30に仮固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプラグとレセプタクルとよりなるコネクタに関し、特に互いに接続される光コネクタなどの内部コネクタの一方及び他方をそれぞれ内部に収容可能な構造とされて、それら内部コネクタの外殻を構成し、内部コネクタを保護するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は特許文献1に記載されているコネクタの構成を示したものであり、図11中、11は光ファイバの端末に取り付けられた光コネクタを示し、12は光コネクタ11が挿入接続される相手方の光コネクタを示す。また、13は光コネクタ11を内部に収容するプラグを示し、14は光コネクタ12を内部に収容するレセプタクルを示す。プラグ13とレセプタクル14は光コネクタ11,12のそれぞれ外殻を構成している。なお、図11中、15は光ケーブルを示し、16は光コネクタ12が取り付けられているトランシーバを示す。
【0003】
レセプタクル14は円筒部17と、その円筒部17の一端に形成されたフランジ18とよりなる。円筒部17の外周にはねじが形成されており、また円筒部17の内面にはくぼみ19が2箇所に形成されている。
【0004】
プラグ13は筒状体21と、その筒状体21の外側に位置される外筒22を備え、筒状体21には片持ち梁状をなす2本のアーム23が突出形成されている。各アーム23の先端には係止部24が設けられている。
【0005】
プラグ13とレセプタクル14とはプラグ13の外筒22の先端側内周に形成されているねじがレセプタクル14の円筒部17のねじに螺合されることによって結合される。この際、プラグ13の2本のアーム23の先端に設けられている係止部24はレセプタクル14の円筒部17のくぼみ19に挿入されて係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0003501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したようなプラグ13とレセプタクル14の構造によれば、プラグ13のアーム23先端の係止部24をレセプタクル14に係止させることにより、プラグ13のアーム23をレセプタクル14に固定することができ、つまりプラグ13をレセプタクル14に仮固定することができるため、光コネクタ11と12の接続作業を行い易いものとなっている。例えば、レセプタクル14が天井等に取り付けられ、プラグ13を鉛直方向上方に向かってレセプタクル14に結合する場合においても、光コネクタ11の挿入接続作業時や外筒22の螺合時に、それらの脱落(落下)を回避することができる。
【0008】
しかしながら、図11に示したプラグ13では係止部24はレセプタクル14の円筒部17内において互いに対向する2つとされ、また単にレセプタクル14に引っ掛かるような形状とされており、さらにアーム23が長いため、係止強度が強いとは言えず、特に係止部24が対向する左右方向(Y方向)と直交する上下方向(Z方向)に外力が加わった場合には係止部24がレセプタクル14から外れ易いといった問題がある。
【0009】
この発明の目的はこの問題に鑑み、プラグとレセプタクルの螺合による結合の前に、プラグを強固にレセプタクルに仮固定することができるようにし、従来に比し、仮固定時の係止強度の向上を図ったコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明によれば、互いに接続される内部コネクタの一方及び他方をそれぞれ収容可能とされ、それら内部コネクタの外殻を構成して互いに結合されるプラグとレセプタクルとよりなるコネクタにおいて、レセプタクルは円筒部と、その円筒部の一端に形成されたフランジとよりなり、プラグは内部コネクタを収容する円筒状のバレルと、そのバレルの外周に取り付けられてバレルの軸心方向に移動可能とされたカップリングナットとを有し、バレルの先端に嵌合片と、互いに対向する一対の係止片とが前記軸心方向に突出して形成され、それら一対の係止片の先端には互いに外向きに突出する係止爪が形成され、プラグとレセプタクルはカップリングナットが前記円筒部の外周に形成されているねじに螺合されて結合される構造とされ、結合の前に嵌合片及び一対の係止片が前記円筒部に嵌合挿入されて円筒部の内面に位置決めされ、かつ係止爪によって一対の係止片がレセプタクルに係止されることによってプラグがレセプタクルに仮固定される構造とされる。
【0011】
請求項2の発明では請求項1の発明において、一対の係止片は前記円筒部の内面に互いに対向して形成された溝にそれぞれ位置して位置決めされる。
【0012】
請求項3の発明では請求項2の発明において、一対の係止片の一方にスリットが形成され、そのスリットに挿入係合するキーが前記溝の一方に形成されている。
【0013】
請求項4の発明では請求項1の発明において、前記円筒部の内周面に環状凹部が形成され、その環状凹部に係止爪が位置して一対の係止片が係止される。
【0014】
請求項5の発明では請求項1の発明において、嵌合片にスリットが形成され、そのスリットに前記円筒部の内面に突出形成されたキーが挿入係合して嵌合片が位置決めされる。
【0015】
請求項6の発明では請求項1の発明において、バレルの先端側及び前記円筒部の先端側に互いに位置が一致されて切り欠きが形成されているものとされる。
【0016】
請求項7の発明では請求項6の発明において、前記円筒部の切り欠きの位置を示すマーカがフランジに設けられている。
【0017】
請求項8の発明では請求項6の発明において、バレルの切り欠きはバレルの周方向において嵌合片が位置しない側の一対の係止片間を切り欠くように形成されている。
【0018】
請求項9の発明では請求項1の発明において、バレルとカップリングナットとの間にOリングが挟み込まれている。
【0019】
請求項10の発明では請求項1の発明において、カップリングナットによって挟み込まれるOリングが前記円筒部の根元部分に配されている。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、プラグとレセプタクルの螺合による結合の前に、プラグを強固にレセプタクルに仮固定することができる。これにより、例えばプラグを鉛直方向上方に向かってレセプタクルに結合するような場合であっても、不測の外力によりプラグが脱落(落下)するといったことを完全に防止することができ、よって内部コネクタの接続作業やプラグの螺合作業を容易に、かつ安心して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】Aはこの発明によるコネクタの一実施例におけるレセプタクルを示す斜視図、Bはこの発明によるコネクタの一実施例におけるプラグを示す斜視図。
【図2】Aは図1Aに示したレセプタクルの正面図、Bはその側面図、Cはその平面図、Dはその背面図、Eはその断面図。
【図3】Aは図1Bに示したプラグの側面図、Bはその縦断面図、Cはその横断面図。
【図4】Aは図1に示したプラグとレセプタクルが螺合結合された状態を示す斜視図、Bはその断面図。
【図5】プラグとレセプタクルが仮固定される前の状態を示す部分拡大図。
【図6】プラグとレセプタクルが仮固定された状態を示す部分拡大図。
【図7】カップリングナットがバレルの後方側に移動した状態を示す断面図。
【図8】内部コネクタを収容したプラグとレセプタクルが結合される様子を示す斜視図(その1)。
【図9】内部コネクタを収容したプラグとレセプタクルが結合される様子を示す斜視図(その2)。
【図10】内部コネクタを収容したプラグとレセプタクルが結合される様子を示す斜視図(その3)。
【図11】Aは従来のコネクタを示す斜視図、BはAに示したコネクタが結合される前の状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
【0023】
図1A,Bはこの発明によるコネクタを構成するレセプタクルとプラグの外観を示したものであり、図1A,Bでは内部に収容される内部コネクタの図示はそれぞれ省略している。図2はレセプタクルの形状を示したものであり、図3はプラグの形状、断面構造を示したものである。
【0024】
レセプタクル30は円筒部31と、その円筒部31の一端に形成されたフランジ32とよりなり、金属製とされる。円筒部31の外周にはねじ31aが形成されている。円筒部31の先端側は大きく切り欠かれており、この切り欠き31bによって円筒部31の先端側は上方に大きく開放されている。
【0025】
円筒部31の内面には互いに対向して一対の溝31c,31dが軸心方向に形成されており、一方の溝31cには溝31cを円筒部31の周方向において2分するようにキー31eが突出形成されている。また、円筒部31の内面の切り欠き31bと対向する部分にもキー31fが軸心方向に延伸して突出形成されている。
【0026】
これら一対の溝31c,31d、キー31e,31fは円筒部31の先端から所定の長さ形成されており、これらの後端に続いて円筒部31の内周面には環状凹部31gが形成されている。
【0027】
フランジ32は方形状をなし、その4隅には座ぐり32aが形成され、さらに貫通穴32bがそれぞれ形成されている。なお、フランジ32の4辺のうち、円筒部31の切り欠き31bの位置と対応する辺の側面には、マーカ32cが形成されている。マーカ32cはこの例では図1A,図2Cに示したような形状を有するわずかな凹みとされている。
【0028】
レセプタクル30は例えばパネル等に取り付けられるもので、取り付けはフランジ32がねじ止め固定されることによって行われる。ねじは4隅の貫通穴32bを挿通してパネルにねじ止めされ、この際、ねじ頭は座ぐり32a内に沈み込んで位置するものとなっている。
【0029】
レセプタクル30にはOリング33,34が配されている。一方のOリング33は円筒部31の根元部分に配置され、他方のOリング34はフランジ32の背面側に形成された円筒部31と同心の環状をなす溝32dに配置されている。Oリング34はフランジ32をパネル等に取り付ける際、パネルとフランジ32によって挟み込まれるものとなっている。
【0030】
プラグ40はこの例ではバレル41とカップリングナット42とクランプ本体43とクランプナット44とOリング45とバレルパッキン46とケーブルシール47とによって構成されている。バレル41、クランプ本体43及びクランプナット44は樹脂製とされ、カップリングナット42は金属製とされている。
【0031】
バレル41は円筒状をなし、先端には嵌合片41aと一対の係止片41b,41cが軸心方向に突出して形成されている。一対の係止片41b,41cは互いに対向するように形成されており、それらの先端には互いに外向きに突出する係止爪41d,41eが形成されている。なお、一方の係止片41bには軸心方向にスリット41fが形成され、係止片41bはスリット41fによって2分されている。
【0032】
嵌合片41aは係止片41b,41cよりも幅広とされ、つまりバレル41の円周に占める割合が大とされている。嵌合片41aには軸心方向にスリット41gが形成されている。
【0033】
バレル41の先端側には切り欠き41hが大きく形成されており、切り欠き41hによってバレル41の先端側は上方に大きく開放されている。切り欠き41hはバレル41の先端から軸心方向、バレル41の中央付近まで形成されている。なお、切り欠き41hはこの例ではバレル41の周方向において嵌合片41aが位置しない側の一対の係止片41b,41c間を切り欠くように形成されている。これにより、係止片41b,41cは切り欠き41hの周方向両端に位置するものとなっている。
【0034】
係止片41b,41c及び嵌合片41aが形成されているバレル41の先端部はやや外径が大とされて大径部41iが形成されており、係止片41b,41c及び嵌合片41aの各外側面(外周面)はこの大径部41iの外周面より1段下がった位置に位置され、つまり若干軸心寄りに位置されている。また、係止片41b,41cの、嵌合片41a側の根元部分にはスリット41jが形成され、これにより係止片41b,41cの弾性変形可能領域が拡張された構造となっている。
【0035】
カップリングナット42はバレル41を囲むようにバレル41の外周に取り付けられている。カップリングナット42の先端内周面にはねじ42aが形成されている。カップリングナット42はバレル41の軸心方向に移動可能とされており、バレル41とカップリングナット42との間にはOリング45が挟み込まれている。Oリング45はバレル41の外周に突出形成された2つの環状凸部41k間に位置されて位置決めされており、カップリングナット42が移動しても露出することはない。なお、環状凸部41kより少し後方のバレル41の外周には溝41mが環状に形成されている。
【0036】
一方、バレル41の後端側には筒状をなすクランプ本体43がねじ結合されて取り付けられている。バレルパッキン46はバレル41とクランプ本体43との間に挟み込まれている。
【0037】
クランプ本体43の後端側にはクランプナット44が螺合されて取り付けられている。クランプナット44はクランプ本体43の外周に螺合され、螺合によりクランプ本体43の後端側部分は押圧されて押し込まれ、つまり径がすぼめられるものとなっている。なお、ケーブルシール47はクランプナット44が螺合されるクランプ本体43の後端側部分の内面に配されている。
【0038】
図4は上記のような構造を有するプラグ40とレセプタクル30が結合された状態を示したものであり、カップリングナット42がレセプタクル30の円筒部31に螺合されて、プラグ40とレセプタクル30が結合されている。この際、レセプタクル30に配されているOリング33はカップリングナット42によって挟み込まれるものとなっている。また、プラグ40のバレル41に形成されている嵌合片41a及び一対の係止片41b,41cはレセプタクル30の円筒部31に嵌合挿入されており、一対の係止片41b,41cはレセプタクル30に係止されている。
【0039】
レセプタクル30の円筒部31への嵌合片41a及び一対の係止片41b,41cの挿入は、プラグ40のカップリングナット42とレセプタクル30の螺合による結合の前に行われ、これによりプラグ40をレセプタクル30に仮固定することができるものとなっている。
【0040】
図5はこの仮固定される前の状態を示したものであり、図6は仮固定された状態を示したものである。カップリングナット42はバレル41の後端方向に移動されている。
【0041】
嵌合片41a及び一対の係止片41b,41cは図6に示したようにレセプタクル30の円筒部31に嵌合挿入される。一対の係止片41b,41cは円筒部31の内面に形成されている溝31c,31dにそれぞれ位置して位置決めされる。この際、一方の係止片41bに形成されているスリット41fには、溝31cに形成されているキー31eが挿入係合される。また、係止片41b,41cにそれぞれ形成されている係止爪41d,41eはレセプタクル30の環状凹部31gに位置して引っ掛り、これにより係止片41b,41cはレセプタクル30に係止される。
【0042】
一方、嵌合片41aに形成されているスリット41gには、レセプタクル30の円筒部31の内面に形成されているキー31fが挿入係合され、これにより嵌合片41aが位置決めされる。
【0043】
このように、この例では一対の係止片41b,41c及び嵌合片41aはレセプタクル30の円筒部31に嵌合挿入され、係止片41bは溝31cの壁面及びキー31eによって、係止片41cは溝31dの壁面によってそれぞれ位置決めされて動きが規制されると共に、係止爪41d,41eがレセプタクル30の環状凹部31gに引っ掛って抜け止めされるものとなっており、また嵌合片41aはキー31fによって位置決めされて動きが規制されるものとなっている。
【0044】
このような構成により、この例ではレセプタクル30に対するバレル41の係止強度は従来に比し、大幅に向上しており、外力があらゆる方向に加わってもバレル41が外れることなく、プラグ40を強固にレセプタクル30に仮固定することができるものとなっている。
【0045】
なお、図6に示したように、バレル41の切り欠き41hとレセプタクル30の切り欠き31bは互いに位置が一致するように形成されており、これによりプラグ40をレセプタクル30に仮固定した際、内部コネクタを視認可能な大きな開口が形成されるものとなっている。
【0046】
図7はバレル41に対し、カップリングナット42が後方に移動した状態を示したものである。カップリングナット42の後端は図7に示したようにクランプ本体43の大径部43aに突き当たるものとなっており、これによりカップリングナット42は抜け止めされている。
【0047】
図8〜10は内部コネクタを収容したプラグ40とレセプタクル30が結合される様子を順に示したものである。プラグ40のバレル41には光コネクタ50が収容されており、レセプタクル30には光コネクタ付きトランシーバ60の光コネクタ70が収容されている。プラグ40及びレセプタクル30はこれら光コネクタ50,70の外殻を構成している。
【0048】
プラグ40のレセプタクル30への結合は下記の手順で行われる。
(1)まず、クランプナット44をゆるめる。これにより光ケーブル80の押圧固定が解除され、プラグ40に対して光コネクタ50が自由になる。
(2)光コネクタ50を光コネクタ70に接続する(図8)。
(3)係止片41b,41c及び嵌合片41aをレセプタクル30に挿入し、プラグ40をレセプタクル30に仮固定する(図9)。
(4)カップリングナット42をレセプタクル30に螺合して固定する(図10)。
(5)最後に、クランプナット44を締め付ける。
【0049】
これにより、プラグ40とレセプタクル30の結合作業が完了する。
【0050】
一方、プラグ40の取り外しは下記の手順で行われる。
(1)カップリングナット42をゆるめ、レセプタクル30から外す。
(2)光コネクタ50を光コネクタ60から外す。
(3)大径部41iの、係止片41b,41cの根元に位置する部分(係止解除部41n)を両側から押しながら、係止片41b,41c及び嵌合片41aをレセプタクル30から引き抜く。これにより、プラグ40がレセプタクル30から離脱し、取り外し作業が完了する。
【0051】
以上、この発明の実施例について説明したが、上述した実施例の主な特徴点及びそれによる利点を以下に列記する。
【0052】
(a)互いに対向する一対の係止片41b,41cに加え、嵌合片41aがレセプタクル30に挿入されて位置決め固定され、これらによりプラグ40の仮固定が行われるものとなっている。よって、仮固定時の係止強度が大幅に向上し、内部コネクタの接続離脱作業やカップリングナット42の螺合作業を容易に、かつ安心して行うことができる。
【0053】
(b)一方の係止片41bにスリット41fを設け、これに係合するキー31eをレセプタクル30に設けている。これにより、係止片41b,41c及び嵌合片41aの誤挿入を防止することができる。
【0054】
(c)レセプタクル30の円筒部31の内面に溝31c,31dを設け、これら溝31c,31dに係止片41b,41cが案内されて挿入されるものとなっている。よって、係止片41b,41cの動きを溝31c,31dによって規制することができる。
【0055】
(d)バレル41及びレセプタクル30の円筒部31に大きな切り欠き41h,31bを設け、大きな開口が形成されるようにしている。よって、内部コネクタの接続離脱作業を容易に行うことができる。
【0056】
(e)レセプタクル30のフランジ32にマーカ32cを設けている。これにより、円筒部31の切り欠き31bの位置がわかり、つまり内部コネクタを視認できる方向がわかるため、例えば内部コネクタの離脱作業を行う際の作業者の位置取りが容易となる。
【0057】
(f)カップリングナット42の螺合が完了した際に露出する溝41mがバレル41の外周に設けられている。よって、この溝41mの視認により螺合が完了したことを確認することができる。
【0058】
(g)レセプタクル30のフランジ32をパネル等に取り付け固定するためのねじのねじ頭は座ぐり32a内に位置する。よって、カップリングナット42と干渉することはなく、またねじ頭で怪我をするといったことも防止することができる。
【0059】
(h)レセプタクル30はOリング33,34を備え、プラグ40はOリング45、バレルパッキン46及びケーブルシール47を備えている。よって、プラグ40とレセプタクル30とよりなるコネクタの防水構造が実現されている。
【0060】
なお、上述した実施例では光コネクタを内部コネクタとして説明しているが、この光コネクタは例えば規格化されているLCコネクタやSCコネクタ等とされる。内部コネクタはこのような光コネクタに限らず、電気コネクタであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
11,12 光コネクタ 13 プラグ
14 レセプタクル 15 光ケーブル
16 トランシーバ 17 円筒部
18 フランジ 19 くぼみ
21 筒状体 22 外筒
23 アーム 24 係止部
30 レセプタクル 31 円筒部
31a ねじ 31b 切り欠き
31c,31d 溝 31e,31f キー
31g 環状凹部 32 フランジ
32a 座ぐり 32b 貫通穴
32c マーカ 32d 溝
33,34 Oリング 40 プラグ
41 バレル 41a 嵌合片
41b,41c 係止片 41d,41e 係止爪
41f,41g スリット 41h 切り欠き
41i 大径部 41j スリット
41k 環状凸部 41m 溝
41n 係止解除部 42 カップリングナット
42a ねじ 43 クランプ本体
43a 大径部 44 クランプナット
45 Oリング 46 バレルパッキン
47 ケーブルシール 50 光コネクタ
60 光コネクタ付きトランシーバ 70 光コネクタ
80 光ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続される内部コネクタの一方及び他方をそれぞれ収容可能とされ、それら内部コネクタの外殻を構成して互いに結合されるプラグとレセプタクルとよりなるコネクタであって、
前記レセプタクルは円筒部と、その円筒部の一端に形成されたフランジとよりなり、
前記プラグは前記内部コネクタを収容する円筒状のバレルと、そのバレルの外周に取り付けられてバレルの軸心方向に移動可能とされたカップリングナットとを有し、
前記バレルの先端に、嵌合片と、互いに対向する一対の係止片とが前記軸心方向に突出して形成され、それら一対の係止片の先端には互いに外向きに突出する係止爪が形成されており、
前記プラグと前記レセプタクルは前記カップリングナットが前記円筒部の外周に形成されているねじに螺合されて結合される構造とされ、
前記結合の前に、前記嵌合片及び前記一対の係止片が前記円筒部に嵌合挿入されて前記円筒部の内面に位置決めされ、かつ前記係止爪によって前記一対の係止片が前記レセプタクルに係止されることによって前記プラグが前記レセプタクルに仮固定されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記一対の係止片は前記円筒部の内面に互いに対向して形成された溝にそれぞれ位置して位置決めされることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記一対の係止片の一方にスリットが形成され、そのスリットに挿入係合するキーが前記溝の一方に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記円筒部の内周面に環状凹部が形成され、その環状凹部に前記係止爪が位置して前記一対の係止片が係止されることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記嵌合片にスリットが形成され、そのスリットに前記円筒部の内面に突出形成されたキーが挿入係合して前記嵌合片が位置決めされることを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記バレルの先端側及び前記円筒部の先端側に互いに位置が一致されて切り欠きが形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタにおいて、
前記円筒部の切り欠きの位置を示すマーカが前記フランジに設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項6記載のコネクタにおいて、
前記バレルの切り欠きはバレルの周方向において前記嵌合片が位置しない側の前記一対の係止片間を切り欠くように形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項9】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記バレルと前記カップリングナットとの間にOリングが挟み込まれていることを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記カップリングナットによって挟み込まれるOリングが前記円筒部の根元部分に配されていることを特徴とするコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97878(P2013−97878A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236859(P2011−236859)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】