説明

コバルト及びクロムを含む廃液の処理方法

【課題】中和滓中のクロム濃度を低減でき、廃液処理により得られる中和滓を電池用のリサイクル原料として利用することが可能なコバルト及びクロムを含む含有廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリを加え、第1の中和処理を行う工程と、第1の中和処理後の廃液をろ過、水洗及び圧搾して第1中和滓を得る工程であって、圧搾時に排出される圧搾ろ液をろ過時に排出されるろ液から除去する第1のろ過工程と、圧搾ろ液除去後のろ液を追加ろ過する工程と、追加ろ加後のろ液にアルカリを加え、第2の中和処理を行う工程と、第2の中和処理後のろ液をろ過、水洗及び圧搾して第2中和滓を得る第2のろ過工程とを備えるコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コバルト及びクロムを含む廃液の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロメート処理液やステンレス鋼の酸洗廃液などのクロムを含有する廃液の処理方法が知られている。例えば、特許文献1では、6価クロムを100〜1000ppm含有するクロム含有廃液にpH2以下の条件で、硫酸第一鉄を連続的に添加し、かつ該クロム含有廃液の酸化還元電位をORP計で連続的に測定し、酸化還元電位が変曲点を挟んで100mV以上低下した時点から3〜7分経過した時点で硫酸第一鉄の添加を終了することが記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1では、クロムを除去することについては記載されているが、コバルトとクロムとを含有する廃液中からコバルトとクロムを回収する方法については記載がされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−82839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、コバルトとクロムとを含有する溶液の新たな処理方法として、本発明者らは、コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリを加えて中和処理を行うことにより、コバルト及びクロムを含有する水酸化物滓(中和滓)の回収を行う方法を検討した。この処理では、中和処理を2段階に分けて行う。まず1回目の中和処理により、Co及びCrを含有する水酸化物滓(中和滓)を回収する。その後、1回目のろ液を用いて2回目の中和処理を行い、Coを含有する水酸化物滓(中和滓)を回収する。
【0006】
しかしながら、上記の処理方法では、1回目の中和滓だけでなく、2回目の中和後の中和滓中にもCrが含まれてしまうため、得られた中和滓を電池用のリサイクル原料として利用することが難しい。電池リサイクル原料として利用するためには、中和滓中のCr濃度を極力下げる必要がある。Cr濃度を下げるためには、例えば中和処理の回数を更に増やすことも考えられるが、処理工程が長くなり効率的ではない。
【0007】
上記問題点を鑑み、本発明は、中和滓中のクロム濃度を低減でき、廃液処理により得られる中和滓を電池用のリサイクル原料(コバルト原料)として利用することが可能なコバルト及びクロムを含む含有廃液の処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、第1のろ過工程においてろ過、水洗、圧搾を行う際に、圧搾時に排出される圧搾ろ液をろ過時に排出されるろ液から分離除去すること及び圧搾ろ液除去後のろ液に対して適切なろ過を行うことにより、第2中和滓中のクロム濃度を低減でき、電池用のリサイクル原料として好適な中和滓が得られることを見出した。
【0009】
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリを加え、第1の中和処理を行う工程と、第1の中和処理後の廃液をろ過、水洗及び圧搾して第1中和滓を得る工程であって、圧搾時に排出される圧搾ろ液をろ過時に排出されるろ液から除去する第1のろ過工程と、圧搾ろ液除去後のろ液を追加ろ過する工程と、追加ろ加後のろ液にアルカリを加え、第2の中和処理を行う工程と、第2の中和処理後のろ液をろ過、水洗及び圧搾して第2中和滓を得る第2のろ過工程とを備えるコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法である。
【0010】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の一実施態様は、追加ろ過する工程が、圧搾ろ液除去後のろ液をろ過精度1μm以下のフィルタでろ過することを含む。
【0011】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の別の一実施態様は、第1のろ過工程が、フィルタープレスにより第1の中和処理後の廃液を加圧ろ過することを含む。
【0012】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の更に別の一実施態様は、第1のろ過工程が、通気度1.67cc/sec・cm2以下のろ布を用いることを含む。
【0013】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の更に別の一実施態様は、第1の中和処理が、廃液にアルカリを加えてpH3〜5に調整する工程を含み、第2の中和処理が、ろ液にアルカリを加えてpH11〜13に調整する工程を含む。
【0014】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の更に別の一実施態様は、アルカリが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水のいずれかを含む。
【0015】
本発明のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法の更に別の一実施態様は、第2中和滓を電池リサイクル原料として用いることを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中和滓中のクロム濃度を低減でき、廃液処理により得られる中和滓を電池用のリサイクル原料として利用することが可能なコバルト及びクロムを含む含有廃液の処理方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るコバルト及びクロムを含む溶液にアルカリを加えてpH調整により中和処理した場合のコバルト及びクロムの中和滓(沈殿物)への移行率を表すグラフである。
【図2】第1実施例の処理フローを表すフローチャートである。
【図3】第2実施例の処理フローを表すフローチャートである。
【図4】第1比較例の処理フローを表すフローチャートである。
【図5】第2比較例の処理フローを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係るコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法は以下に示す(1)第1の中和処理(2)第1のろ過工程(3)追加ろ過工程(4)第2の中和処理、及び(5)第2のろ過工程を少なくとも含む。以下に各工程の具体例を説明する。
【0019】
(1)第1の中和処理
第1の中和処理では、コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリを加え、第1の中和処理を行う。廃液中に含まれるクロムを中和滓中に移行させるために、pHを3〜5に調整するのが好ましく、より好ましくはpH4〜5、更に好ましくはpH4〜4.5である。廃酸に添加されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が好適に利用可能である。
【0020】
(2)第1のろ過工程
第1のろ過工程では、第1の中和処理後の廃液(第1中和後液)に対して、フィルタープレス(FP)機を用いて加圧ろ過する。具体的にはまず、フィルタープレス機に対して所定の圧力(ろ過圧力)を与えて第1中和後液をろ過、水洗する。ろ過圧力は、例えば0.2〜0.4MPaである。次いで、フィルタープレス機に対して所定の圧力(圧搾圧力)を与えて第1中和滓を圧搾する。圧搾圧力は、例えば0.4〜0.7である。圧搾時にはろ布とろ板の隙間から第1中和滓が押し出されるため、圧搾時に排出される液体中には滓が混ざり白濁する。本実施形態では、圧搾時に排出される液体を回収し、ろ過時に排出されるろ液とは別に、第1の中和処理後の廃液から分離除去することにより、第1のろ過工程で最終的に得られるろ液中への滓の混入を抑制できる。ろ布上に残存するケーキは第1中和滓として取り出す。
【0021】
第1のろ過工程においてフィルタープレス機内に配置されるろ布の一般的な通気度は0.5〜2cc/sec・cm2であるが、ろ布の目を通過する微小な滓を減少させるためには、通気度のより低いろ布を用いるのが好ましい。一方で、通気度が低すぎると固液分離(ろ過性)が悪くなるという場合がある。このため、本実施形態では、通気度1.67cc/sec・cm2以下のろ布を用いるのが好ましい。ろ布の種類に特に制限はないが、例えば、ポリプロピレン製で厚み0.5〜1.5mmのろ布を利用することができる。なお、「通気度」とは、JIS L1096の通気度測定方法を用いて算出された値を意味する。
【0022】
(3)追加ろ過工程
第1のろ過工程の後、以下に示す工程(4)を行う前に、第1のろ過工程で得られるろ液に対して更に追加的なろ過を行うことが好ましい(追加ろ過工程)。追加ろ過工程では、例えば円筒状のフィルタカートリッジ内にポリプロピレン等の樹脂製の円筒状フィルタが充填されたろ過器を用いたろ過を行うことができる。フィルタの種類に特に制限はないが、ろ過精度1μm以下のフィルタを用いるのが好ましい。「ろ過精度」とは、各フィルタメーカーが試験粒子を用いてフィルタのろ過効率が99.9%以上となるところの粒子径を意味する。
【0023】
(4)第2の中和処理
第2の中和処理では、追加ろ過工程後のろ液にアルカリを加え、第2の中和処理を行う。ここでは、ろ液中に含まれるコバルトを中和滓中に選択的に移行させるために、pHを11〜13に調整するのが好ましく、より好ましくはpH11.5〜12.5、更に好ましくはpH12〜12.5である。廃酸に添加されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が好適に利用可能である。
【0024】
(5)第2のろ過工程
第2のろ過工程では、第2の中和処理後のろ液をフィルタープレスにより加圧ろ過する。第1のろ過工程とは異なり、ここでは圧搾時の液体の除去は行わずに、所定のろ過圧力でろ液をろ過した後、水洗し、その後、所定の圧搾圧力で圧搾を行い、ろ布上のケーキを第2中和滓として取り出す。本工程で得られる第2中和滓中はコバルト濃度が1mg/以下に低減されているため、電池用のリサイクル原料として利用することが可能である。なお、第2のろ過工程のろ過工程で得られるろ液は、コバルト、クロム等の金属成分が基準値以下に除去されているため、焼却等により容易に処分することができる。
【0025】
(6)圧搾後液の処理
圧搾時に排出された圧搾ろ液はクロムを多量に含んでいる。このため、圧搾ろ液に対してアルカリを加え、pH11〜13に調整して中和処理(第3の中和処理)を更に行い、圧搾ろ液から第3の中和滓を取り出してもよい(第3のろ過工程)。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0027】
<コバルト及びクロムの分離試験>
本発明の実施の形態に係る廃液の処理方法を行う前に、コバルトとクロムを含む廃液中からコバルト及びクロムを分離させる際のpH調整の検討を行った。ここでは、コバルト及びクロムを含む廃液に対し、アルカリとして水酸化ナトリウム液(24質量%)を加えながらpH3〜12の範囲で調整して中和処理を行った例を示す。廃液中のコバルト濃度は、42400mg/L、クロム濃度は、8470mg/Lであった。中和後のろ液のICP分析を行い、コバルト及びクロムの沈殿物(中和滓)中への移行率を調べた。結果を図1に示す。
【0028】
図1に示すように、pH3.5以上で、コバルトとクロムの中和滓への移行が急激に始まっていることが分かる。クロムをほぼ完全に(98%以上)回収するためには、pH4以上が必要である。但し、pH4以上の場合はコバルトも約50%沈降することが分かる。一方、コバルトをほぼ完全に(98%以上)回収するためには、pH8以上が必要であることが分かる。
【0029】
<廃液処理>
(実施例1)
図2に示すフローチャートに従って、コバルト及びクロムを含む塩化アンモニウム溶液を処理した。まず、コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリとして水酸化ナトリウム液(24質量%)を加え、pHを4.4に調整して第1の中和処理を行った。
【0030】
次に、第1の中和処理後の廃液に対して、ろ過圧力0.4MPa、圧搾圧力0.7MPaで、通気度1.67cc/sec・cm2のろ布を用いてフィルタープレスによりろ過、水洗、圧搾を行った。圧搾時に排出された圧搾ろ液は、ろ液とは別のコンテナに回収し、ろ布上の沈殿物は第1中和滓として回収した。得られたろ液(ろ液1)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0031】
第1のろ過工程で得られたろ液(ろ液1)に対して、円筒型樹脂製フィルタカートリッジ(住友スリーエム株式会社製、キュノ(登録商標)フィルターハウジング(1M1−PS))内にポリプロピレン製の糸巻型フィルタ(住友スリーエム株式会社製、キュノ(登録商標)樹脂製フィルタ(D−PPPY))を充填したろ過器を用いて追加ろ過を行った。ろ材のろ過精度は1μmであった。得られたろ液(ろ液2)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0032】
追加ろ過後のろ液(ろ液2)に対してアルカリとして水酸化ナトリウム液(24質量%)を加え、pHを12.2に調整して第2の中和処理を行った。第2の中和処理後のろ液を、フィルタープレスによりろ過する第2のろ過処理を行い、第2中和滓とろ液に分離した。
【0033】
(実施例2)
図3に示すフローチャートに従って、コバルト及びクロムを含む塩化アンモニウム溶液を処理した。まず、コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリとして水酸化ナトリウム液(24質量%)を加え、pHを4.4に調整して第1の中和処理を行った。
【0034】
次に、第1の中和処理後の廃液に対して、ろ過圧力0.4MPa、圧搾圧力0.7MPaで、通気度0.5cc/sec・cm2、厚み0.66mm、ポリプロピレン製の糸で織られたろ布(PF−8050K−05、大塚実業株式会社製)を用いてフィルタープレスにより、ろ過、水洗、圧搾を行った。圧搾時に排出された圧搾ろ液は、ろ液とは別のコンテナに回収し、ろ布上の沈殿物は第1中和滓として回収した。得られたろ液(ろ液3)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0035】
第1のろ過工程で得られたろ液(ろ液3)に対して、円筒型樹脂製フィルタカートリッジ(住友スリーエム株式会社製、キュノ(登録商標)フィルターハウジング(1M1−PS))内にポリプロピレン製の糸巻型フィルタ(住友スリーエム株式会社製、キュノ(登録商標)樹脂製フィルタ(D−PPPY))を充填したろ過器を用いて追加ろ過を行った。ろ材のろ過精度は1μmであった。得られたろ液(ろ液4)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0036】
追加ろ過後のろ液に対してアルカリとして水酸化ナトリウム液(24質量%)を加え、pHを12.2に調整して第2の中和処理を行った。第2の中和処理後のろ液を、フィルタープレスにより加圧ろ過し、第2中和滓とろ液に分離した。
【0037】
(比較例1)
図4に示すフローチャートに従って、コバルト及びクロムを含む塩化アンモニウム溶液を処理した。比較例1では、第1のろ過工程時においてフィルタープレスにおける圧搾時の圧搾ろ液をろ過時のろ液から分離せず、その後の追加ろ過工程を行わない以外は、実施例1と同様の条件で行った。第1のろ過工程後のろ液(ろ液5)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0038】
(比較例2)
図5に示すフローチャートに従って、コバルト及びクロムを含む塩化アンモニウム溶液を処理した。比較例2では、実施例1に対し、第1のろ過工程時においてフィルタープレスにおける圧搾時の圧搾ろ液をろ過時のろ液から分離しなかった以外は、実施例1と同様の条件で行った。追加ろ過工程後のろ液(ろ液6)のコバルト濃度及びクロム濃度を表1に示す。
【0039】
(圧搾後液)
実施例1において圧搾時に排出された圧搾ろ液(ろ液7)中のコバルト濃度及びクロム濃度を調べた。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
実施例1のろ液1の結果に示すように、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収することで、ろ液中のクロム濃度が7.4mg/L程度に低減されている。実施例1のろ液2の結果に示すように、第1の中和処理後に、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収し、フィルタープレス後に追加ろ過を行うことにより、追加ろ過後のろ液中のクロム濃度を1mg以下(0.2mg/L)に抑えることができる。また、実施例2のろ液3の結果に示すように、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収するとともに、フィルタープレス時のろ布の通気度を従来よりも小さくすることにより、フィルタープレス後のろ液中のクロム濃度を1mg以下(0.3mg/L)に抑えることができる。実施例2のろ液4の結果に示すように、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収するとともに、フィルタープレス時のろ布の通気度を従来よりも小さくし、更に追加ろ過を行うことにより、フィルタープレス後のろ液中のクロム濃度を0.01mg/L以下にまで抑えることができている。これら実施例1および実施例2で得られる第2中和滓のクロム濃度は十分に低いため、電池リサイクル原料としての利用が可能である。
【0042】
一方、比較例1は、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収せず、追加ろ過工程を行わない例である。第1の中和処理後のろ液5には、クロムが38.1mg/L含有していることから、その後第2の中和処理及び第2のろ過工程を行ったとしても、2回目の中和滓(第2中和滓)中にはクロムが含まれるため、電池池用のリサイクル原料としての利用は不適である。また、比較例2のろ液6の結果に示すように、フィルタープレスにおける圧搾時の液体を分離回収せずに、単に第1の中和処理後に追加ろ過工程を行っただけでは、クロム濃度が十分(1mg/L以下)に低減しないことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コバルト及びクロムを含む廃液にアルカリを加え、第1の中和処理を行う工程と、
第1の中和処理後の廃液をろ過、水洗及び圧搾して第1中和滓を得る工程であって、圧搾時に排出される圧搾ろ液をろ過時に排出されるろ液から除去する第1のろ過工程と、
圧搾ろ液除去後のろ液を追加ろ過する工程と、
追加ろ加後のろ液にアルカリを加え、第2の中和処理を行う工程と、
前記第2の中和処理後のろ液をろ過、水洗及び圧搾して第2中和滓を得る第2のろ過工程と
を備えるコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項2】
前記追加ろ過する工程が、圧搾ろ液除去後のろ液をろ過精度1μm以下のフィルタでろ過することを含む請求項1に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項3】
前記第1のろ過工程が、フィルタープレスにより第1の中和処理後の廃液を加圧ろ過することを含む請求項1又は2に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項4】
前記第1のろ過工程が、通気度1.67cc/sec・cm2以下のろ布を用いることを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項5】
前記第1の中和処理が、前記廃液にアルカリを加えてpH3〜5に調整する工程を含み、前記第2の中和処理が、前記ろ液にアルカリを加えてpH11〜13に調整する工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項6】
前記アルカリが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水のいずれかを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。
【請求項7】
前記第2中和滓を電池リサイクル原料として用いることを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のコバルト及びクロムを含む廃液の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−66187(P2012−66187A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212643(P2010−212643)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】