説明

コモンモードチョークコイル部品

【課題】 コモンモードチョークコイル部品の通電による信号波形の歪みを抑制できるコモンモードチョークコイル部品を提供する。
【解決手段】 コイル形成用導体パターンMと、磁性層とが交互に積層形成されている積層体の側面に複数の外部接続用電極が設けられている構成を備えたコモンモードチョークコイル部品であって、前記積層体の内部には、コイル形成用導体パターンMにより構成されるコモンモードチョークコイルの両端部をそれぞれ予め定められた接続相手の外部接続用電極に接続させるための引き出し導体パターン3b,3c(3i,3j)を設け、コモンモードチョークコイルの両端側の引き出し導体パターン3b,3c(3i,3j)のうちの少なくとも一方側は、コイル形成用導体パターンMよりも導体パターンの幅を細くして、信号波形歪みの発生を抑制するためのインダクタンスを持つ構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動線路に流れるコモンモードノイズを除去するコモンモードチョークコイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に示されるような互いに間隔を介して並設されている対を成す線路30,31から成る差動線路32には、様々な原因によって、電磁雑音の放射の原因となるコモンモードノイズが流れてしまう。このため、差動線路32にコモンモードチョークコイル33を介設してコモンモードを除去することが多い。図6(a)にはコモンモードチョークコイル部品の一例が模式的な外観斜視図により示され、図6(b)には図6(a)のコモンモードチョークコイル部品の模式的な分解図が示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図6(a)のコモンモードチョークコイル部品1は、磁性層2(2a〜2k)と、導体パターン3(3b,3c,3e〜3j)とが交互に積層されて成る積層体Kの側面に、外部接続用電極4(4A,4B),5(5A,5B)が形成されている形態を有している。このコモンモードチョークコイル部品1では、導体パターン3e,3gは磁性層2f,2gに形成されたビアホール6を介して電気的に接続されて第1のコイルを形成している。また、導体パターン3f,3hは磁性層2g,2hに形成されたビアホール7を介して電気的に接続されて第2のコイルを形成している。導体パターン3e,3gから成る第1のコイルと、導体パターン3f,3hから成る第2のコイルとは、対を成してコモンモードチョークコイル8を構成している。
【0004】
第1のコイルの一端側(導体パターン3e側の端部)は、磁性層2c,2d,2eに形成されているビアホール10を介して導体パターン3bに接続されており、当該導体パターン3bによって外部接続用電極4Bに電気的に接続されている。また、第1のコイルの他端側(導体パターン3g側の端部)は、磁性層2h,2iに形成されているビアホール11を介して導体パターン3iに接続されており、当該導体パターン3iによって外部接続用電極4Aに電気的に接続されている。
【0005】
第2のコイルの一端側(導体パターン3f側の端部)は、磁性層2d,2e,2fに形成されているビアホール12を介して導体パターン3cに接続されており、当該導体パターン3cによって外部接続用電極5Bに電気的に接続されている。また、第2のコイルの他端側(導体パターン3h側の端部)は、磁性層2i,2jに形成されているビアホール13を介して導体パターン3jに接続されており、当該導体パターン3jによって外部接続用電極5Aに電気的に接続されている。
【0006】
図6に示されるコモンモードチョークコイル部品1は上記のように構成されており、当該コモンモードチョークコイル部品1は、例えば図6(a)に示されるように、対を成す線路30,31から成る差動線路32に介設される。つまり、差動線路32の各線路30,31には、それぞれ、コモンモードチョークコイル部品配設部分に、分断部が設けられており、線路30の分断部の図6に示す左端側に外部接続用電極5Aが接続され、線路30の分断部の右端側に外部接続用電極5Bが接続される。また、線路31の分断部の左端側には外部接続用電極4Aが接続され、線路31の分断部の右端側には外部接続用電極4Bが接続される。
【0007】
差動線路32の線路31の通電電流は、例えば外部接続用電極4Aからコモンモードチョークコイル部品1の内部の第1のコイルに流れ込み、第1のコイルから外部接続用電極4Bを介して線路31に流れ出す。また、線路30の通電電流は、例えば外部接続用電極5Bからコモンモードチョークコイル部品1の内部の第2のコイルに流れ込み、第2のコイルから外部接続用電極5Aを介して線路32に流れ出る。上記のように、線路30,31の通電電流は、それぞれ、コモンモードチョークコイル部品1の第1のコイル又は第2のコイルを通電し、当該第1のコイル又は第2のコイルの通電により、差動線路32のコモンモードノイズが除去される。
【0008】
【特許文献1】特開平7−37734号公報
【特許文献2】特開平8−79190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、差動線路32には様々な周波数の信号が通電することから、それら信号の周波数を含む予め設定された周波数範囲に渡って、コモンモードチョークコイル部品1の特性インピーダンスは一定で、また、その特性インピーダンスは、差動線路32とインピーダンスマッチングを取るために差動線路32の特性インピーダンスと同じ値であることが望ましい。しかしながら、図6に示されるようなコモンモードチョークコイル部品1では、設定の周波数範囲における周波数の高い側において、特性インピーダンスが、差動線路32の特性インピーダンスの値からずれてしまうというインピーダンス特性を持つことがある。このため、上記設定の周波数範囲における周波数の高い側の信号に対して、コモンモードチョークコイル部品1と、差動線路32とのインピーダンス不整合が起こり、これにより、コモンモードチョークコイル部品1を通過した信号の波形に歪みが生じるという問題が発生する。
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、コモンモードチョークコイル部品の通電に因る信号波形歪みの発生を抑制することができるコモンモードチョークコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、コイル形成用導体パターンと、磁性層とが交互に積層形成されている積層体の側面に複数の外部接続用電極が設けられている構成を備えたコモンモードチョークコイル部品であって、前記積層体の内部には、コイル形成用導体パターンにより構成されるコモンモードチョークコイルの両端部をそれぞれ予め定められた接続相手の外部接続用電極に接続させるための引き出し導体パターンが設けられており、コモンモードチョークコイルの両端側の引き出し導体パターンのうちの少なくとも一方側は、コイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くして、コモンモードチョークコイル部品の通電に因る信号波形歪みの発生を抑制するためのインダクタンスを持つ信号波形歪み防止用導体パターンとしたことを特徴としている。
【0012】
また、この発明は、コイル形成用導体パターンと、磁性層とが交互に積層形成されている積層体の側面に複数の外部接続用電極が設けられている構成を備えたコモンモードチョークコイル部品であって、前記積層体の内部には、コイル形成用導体パターンにより構成される複数のコモンモードチョークコイルを直列に連結するためのコイル連結用導体パターンと、コモンモードチョークコイルの直列連結回路の両端部をそれぞれ予め定められた接続相手の外部接続用電極に接続させるための引き出し導体パターンとが設けられており、コモンモードチョークコイルの両端側の引き出し導体パターンのうちの少なくとも一方側と、コイル連結用導体パターンとは、それぞれ、コイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くして、コモンモードチョークコイル部品の通電に因る信号波形歪みの発生を抑制するためのインダクタンスを持つ信号波形歪み防止用導体パターンとしたことをも特徴としている。
【0013】
さらに、この発明では、信号波形歪み防止用導体パターンは、少なくとも1つの曲がり部を有する形状と成していることや、螺旋状であることをも特徴としてる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、コモンモードチョークコイル部品の内部において、コモンモードチョークコイルの端部と、外部接続用電極とを接続するための引き出し導体パターンにインダクタンスを持たせて、当該引き出し導体パターンを信号波形歪み防止用導体パターンとした構成を備えている。つまり、コモンモードチョークコイルの特性インピーダンスは、予め定められた周波数範囲の全領域に渡って、組み込み対象の差動線路の特性インピーダンスに基づいた設定値に一定であることが望ましいが、周波数範囲の周波数の高い側において、コモンモードチョークコイルの特性インピーダンスが設定値からずれることがある。このような場合に、この発明では、引き出し導体パターンにインダクタンスを持たせたので、そのインダクタンスによって、コモンモードチョークコイルの特性インピーダンスの設定値に対するずれを小さく、又は無くす方向に補正することができる。これにより、コモンモードチョークコイル部品全体で見たときに、設定の周波数範囲の全領域に渡って、コモンモードチョークコイル部品の特性インピーダンスを、差動線路と整合するための設定値、あるいは、その設定値に対する許容範囲内の値とすることができる。このため、コモンモードチョークコイル部品は、差動線路とのインピーダンス不整合を抑制することができることから、コモンモードチョークコイル部品に通電することに起因した信号波形歪みの発生を小さく抑制することができる。
【0015】
また、この発明では、引き出し導体パターンをコイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くして、引き出し導体パターンにインダクタンスを持たせる構成であるので、引き出し導体パターンの形成に必要な面積を増加することなく、引き出し導体パターンにインダクタンスを持たせることができる。つまり、コモンモードチョークコイル部品の大型化を回避しながら、上記のような信号波形歪みの発生を防止できるコモンモードチョークコイル部品を提供することができる。
【0016】
さらに、引き出し導体パターンに、より大きなインダクタンスを持たせたい場合には、引き出し導体パターンをコイル形成用導体パターンよりも細く形成すると共に、その形状を1つ以上の曲がり部を有する形状としたり、螺旋形状とすることにより、コモンモードチョークコイル部品の大型化を回避しながら、引き出し導体パターンに、より大きなインダクタンスを持たせることができる。
【0017】
さらにまた、コモンモードチョークコイル部品の内部に複数のコモンモードチョークコイルがコイル連結用導体パターンを介して直列に接続されており、そのコイル連結用導体パターンと、コモンモードチョークコイルの直列連結回路の両端側のうちの少なくとも一方側の引き出し導体パターンとを、それぞれ、コイル形成用導体パターンよりも細くして、インダクタンスを持たせる構成としたものにあっても、上記同様に、コモンモードチョークコイル部品の大型化を回避しながら、予め設定された周波数範囲の全領域に渡って、コモンモードチョークコイル部品を差動線路にインピーダンス整合させることができ、これにより、コモンモードチョークコイル部品を通電することによる信号波形の歪みを小さく抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態例の説明において、図6に示されるコモンモードチョークコイル部品1と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0019】
第1実施形態例のコモンモードチョークコイル部品1は、図6(a)、(b)に示されるコモンモードチョークコイル部品とほぼ同様な構成を備えており、磁性層2(2a〜2k)と、導体パターン3(3b,3c,3e〜3j)とが交互に積層形成された積層体Kの側面に複数の外部接続用電極4(4A,4B),5(5A,5B)が形成されている。このコモンモードチョークコイル部品1では、導体パターン3e〜3hはコモンモードチョークコイル8を形成するためのコイル形成用導体パターンであり、残りの導体パターン3b,3c,3i,3jは引き出し導体パターンである。この第1実施形態例では、引き出し導体パターン3b,3c,3i,3jのそれぞれの長さは0.1mm以上の長さとなっている。
【0020】
この第1実施形態例では、コモンモードチョークコイル8の一端側に設けられている引き出し導体パターン3i,3jと、コモンモードチョークコイル8の他端側に設けられている引き出し導体パターン3b,3cとのうちの少なくとも一方側は、図1(a)のイメージ図に示されるように、コイル形成用導体パターンM(3e〜3h)よりも細く形成されて、インダクタンスを持っている。このため、この第1実施形態例のコモンモードチョークコイル部品1の等価回路は、コモンモードチョークコイル8の一端側の引き出し導体パターン3i,3j(又は3b,3c)だけにインダクタンスを持たせた場合には、例えば図2(a)に示されるような回路となり、また、コモンモードチョークコイル8の両端側の引き出し導体パターン3b,3c,3i,3jにそれぞれインダクタンスを持たせた場合には、例えば図2(b)に示されるような回路となる。
【0021】
この第1実施形態例では、インダクタンスを持つ引き出し導体パターンは信号波形歪み防止用導体パターンと成しており、当該信号波形歪み防止用導体パターンのインダクタンスは、コモンモードチョークコイル部品1全体の特性インピーダンスが、予め定めた周波数範囲の全領域に渡って、組み込み対象の差動線路の特性インピーダンス、あるいは、そのインピーダンスに対する許容範囲内のインピーダンスとなるための値(例えば0.5nH〜4.0nHの範囲内の微小なインダクタンス値)に設定されている。これにより、コモンモードチョークコイル部品1と差動線路とのインピーダンス整合を改善することができることから、コモンモードチョークコイル部品1の通電に因る信号波形の歪み発生を抑制することができる。
【0022】
このことは、本発明者の実験により確認されている。図3にその実験結果が示されている。図3のグラフは、実験により得られたコモンモードチョークコイル部品1の特性インピーダンスと信号の周波数との関係を示しており、実線Aは、第1実施形態例において特有な信号波形歪み防止用導体パターンを有するコモンモードチョークコイル部品1に関し、点線Bは、信号波形歪み防止用導体パターンを持たないコモンモードチョークコイル部品1に関するものである。この実験では、信号波形歪み防止用導体パターンの形成の有無以外は同じ条件の下で行われており、差動伝送規格の一つに基づき、コモンモードチョークコイル部品1のコモンモードチョークコイル8の特性インピーダンスが100Ωとなるように設計され、その特性インピーダンス(100Ω)に対して±20Ωまでが許容範囲となっている。
【0023】
図3のグラフにも示されているように、信号波形歪み防止用導体パターンを形成することにより、予め設定された周波数範囲(例えば500MHz〜2.5GHz)の全領域に渡って、コモンモードチョークコイル部品1の特性インピーダンスを許容範囲内にすることができる。
【0024】
また、本発明者は、コモンモードチョークコイル部品1を通過した差動線路を通電している信号のアイパターンを実験により求めており、その実験結果が図4(a)、(b)に示されている。図4(a)は信号波形歪み防止用導体パターンが設けられていない従来例の構成を持つコモンモードチョークコイル部品1に関し、図4(b)は第1実施形態例において特有な信号波形歪み防止用導体パターンが設けられているコモンモードチョークコイル部品1に関するものである。これら図4(a)、(b)の比較からも分かるように、信号波形歪み防止用導体パターンを設けることにより、アイパターンが改善されており、このことからも、信号波形の歪みが抑制されていることが分かる。
【0025】
なお、図1(a)の例では、コイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くしただけで、信号波形歪み防止用導体パターンにインダクタンスを持たせる構成であったが、例えば、コモンモードチョークコイル部品1の大型化を抑制しながら、より大きなインダクタンスを信号波形歪み防止用導体パターンに持たせたい場合には、例えば、図2(b)に示されるように信号波形歪み防止用導体パターンの幅を細くするのに加えて、信号波形歪み防止用導体パターンを、少なくとも1つの曲がり部を有する形状としたり、図1(c)に示されるような螺旋状としてもよく、信号波形歪み防止用導体パターンの形状は直線状に限定されるものではなく、適宜な形状を採り得るものである。なお、図1(c)に示されるように信号波形歪み防止用導体パターンを螺旋状に形成する場合には、当該信号波形歪み防止用導体パターンは複数の層に渡って形成された複数の導体パターンと、それら導体パターンを接続させるためのビアホールとを有して構成されることとなる。
【0026】
以下に、第2実施形態例を説明する。この第2実施形態例の説明では、第1実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0027】
この第2実施形態例のコモンモードチョークコイル部品1は、図5に示されるような等価回路を持つものである。つまり、この第2実施形態例のコモンモードチョークコイル部品1は、積層体Kの内部に、コイル形成用導体パターン16から成る複数のコモンモードチョークコイル17(17a,17b)がコイル連結用導体パターン18を介して直列に連結されている。このコモンモードチョークコイル17(17a,17b)の直列連結回路の両端側には、それぞれ、外部接続用電極20(20a,20b),21(21a,21b)に接続するための引き出し導体パターン22(22a〜22d)が設けられている。その直列連結回路の一端側の引き出し導体パターン22a,22bと、直列連結回路の他端側の引き出し導体パターン22c,22dとのうちの少なくとも一方側(図5の例では両方)、および、コイル連結用導体パターン18はインダクタンスを持ち、信号波形歪み防止用導体パターンと成している。
【0028】
この第2実施形態例においても、第1実施形態例と同様に、引き出し導体パターン22とコイル連結用導体パターン18により構成される信号波形歪み防止用導体パターンは、コモンモードチョークコイル部品1が、設定の周波数範囲の全領域に渡って、差動線路にインピーダンス整合できるためのインダクタンス(例えば0.5nH〜4.0nHの範囲内の微小なインダクタンス値)を持つことができるように、設計されている。このため、この第2実施形態例においても、第1実施形態例と同様の優れた効果を得ることができる。
【0029】
なお、この発明は第1や第2の各実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、引き出し導体パターンは、コイル形成用導体パターンとは異なる層に形成されていたが、例えば回路基板におけるコモンモードチョークコイル部品1の占有面積の規制が緩いような場合には、磁性層2の面積を広げて、コイル形成用導体パターンと引き出し導体パターンを同じ層に形成してもよい。
【0030】
また、もちろん、コイル形成用導体パターンにより構成されるコモンモードチョークコイルの巻回数や形状等は図示の例に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態例のコモンモードチョークコイル部品において特有な構成部分を説明するための図である。
【図2】第1実施形態例のコモンモードチョークコイル部品の等価回路を説明するための回路図である。
【図3】第1実施形態例において特有な構成から得られる効果を説明するための実験結果のグラフである。
【図4】図3と共に、第1実施形態例において特有な構成から得られる効果を説明するための図である。
【図5】第2実施形態例のコモンモードチョークコイル部品の等価回路を説明するための回路図である。
【図6】コモンモードチョークコイル部品の一構造例を説明するためのモデル図である。
【図7】差動線路と、コモンモードチョークコイル部品との関係例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
1,15 コモンモードチョークコイル部品
2 磁性層
3 導体パターン
4,5,20,21 外部接続用電極
8,17 コモンモードチョークコイル
18 コイル連結用導体パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル形成用導体パターンと、磁性層とが交互に積層形成されている積層体の側面に複数の外部接続用電極が設けられている構成を備えたコモンモードチョークコイル部品であって、前記積層体の内部には、コイル形成用導体パターンにより構成されるコモンモードチョークコイルの両端部をそれぞれ予め定められた接続相手の外部接続用電極に接続させるための引き出し導体パターンが設けられており、コモンモードチョークコイルの両端側の引き出し導体パターンのうちの少なくとも一方側は、コイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くして、コモンモードチョークコイル部品の通電に因る信号波形歪みの発生を抑制するためのインダクタンスを持つ信号波形歪み防止用導体パターンとしたことを特徴とするコモンモードチョークコイル部品。
【請求項2】
コイル形成用導体パターンと、磁性層とが交互に積層形成されている積層体の側面に複数の外部接続用電極が設けられている構成を備えたコモンモードチョークコイル部品であって、前記積層体の内部には、コイル形成用導体パターンにより構成される複数のコモンモードチョークコイルを直列に連結するためのコイル連結用導体パターンと、コモンモードチョークコイルの直列連結回路の両端部をそれぞれ予め定められた接続相手の外部接続用電極に接続させるための引き出し導体パターンとが設けられており、コモンモードチョークコイルの両端側の引き出し導体パターンのうちの少なくとも一方側と、コイル連結用導体パターンとは、それぞれ、コイル形成用導体パターンよりも導体パターンの幅を細くして、コモンモードチョークコイル部品の通電に因る信号波形歪みの発生を抑制するためのインダクタンスを持つ信号波形歪み防止用導体パターンとしたことを特徴とするコモンモードチョークコイル部品。
【請求項3】
信号波形歪み防止用導体パターンは、少なくとも1つの曲がり部を有する形状と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコモンモードチョークコイル部品。
【請求項4】
信号波形歪み防止用導体パターンは螺旋状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコモンモードチョークコイル部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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