コルゲーション部を有する強化皮膜を備えたタンク
【課題】液化天然ガス等を輸送するためのタンクにおいて、金属製のシート部材で構成された薄膜の、圧力に対する強度を改善して、この薄膜に生じうる塑性変形を回避または除去する。
【解決手段】容器内に収容された生産物と接触するように設けられた薄膜を有する少なくとも1つの壁部と、この薄膜に隣り合うように設けられた断熱層と、を備えた流体を密封する断熱性の容器に関するものである。前記薄膜は、少なくとも1つのコルゲーション部2,3を有する少なくとも1つのプレート1で構成されている。前記容器には、前記コルゲーション部の下において前記薄膜と前記断熱層との間に挿入された補強部材5が設けられている。前記補強部材は、前記金属シート部材または前記支持部に固定されている。
【解決手段】容器内に収容された生産物と接触するように設けられた薄膜を有する少なくとも1つの壁部と、この薄膜に隣り合うように設けられた断熱層と、を備えた流体を密封する断熱性の容器に関するものである。前記薄膜は、少なくとも1つのコルゲーション部2,3を有する少なくとも1つのプレート1で構成されている。前記容器には、前記コルゲーション部の下において前記薄膜と前記断熱層との間に挿入された補強部材5が設けられている。前記補強部材は、前記金属シート部材または前記支持部に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を密封するタンクに関し、特に、液化天然ガス(LNG)の船舶輸送のための流体密封・断熱タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フランス国特許第2,781,557号明細書には、船舶の構造に設けられたタンクが記載されており、このタンクは、液化天然ガスの輸送を許容するように構成されたものである。
【0003】
タンクの仕切壁は、タンクの内部から外部に向かって順に、流体を密封する一次隔壁と、断熱性一次隔壁と、流体を密封する二次隔壁と、断熱性二次隔壁とで構成されている。前記流体を密封する一次隔壁は、コルゲーション部を施されかつステンレス鋼で構成された金属製のシート部材で構成された薄膜とされている。より綿密にいえば、各シート部材は、船舶の軸に対して平行な一連のコルゲーション部と、前記船舶の軸に対して直角な他の一連のコルゲーション形とを有している。
【0004】
動作中において、機械的応力が薄膜において生じる。これらの機械的応力の出所は複数存在する。タンクが冷却された場合における熱反応、船舶の梁の影響、充填に起因する静水圧、および船荷の動き、特に波のうねりによる船荷の動きに起因する動圧などである。
【0005】
前記薄膜の前記複数の金属製シート部材の上に設けられた前記複数のコルゲーション部は、薄膜を変形させて熱反応および前記船舶の梁の影響によって生じた機械的応力を制限するために構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス国特許第2,781,557号明細書
【特許文献2】フランス国特許第2,861,060号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動圧がコルゲーション部の塑性変形を惹起させることが知られている。そして、前記使用において、かかる変形は、シート部材の可撓性を低下させ、薄膜の流体密封性を損なうことにつながりうる、特に、複数のシート部材どうしの接合部においてそうである。
【0008】
圧力に対する薄膜の強度を向上させるとともに薄膜の塑性変形を低減させるために、フランス国特許2,861,060号は、コルゲーション部に補強リブを設けることを提案している。しかしながら、圧力に対する薄膜の強度をより一層増大させることが有益である。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前記従来技術においてみられる不都合性の少なくとも一部を排したタンクを提供することにある。特に、本発明の目的は、薄膜の圧力への強度を改善し、もって塑性変形を回避または除去することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によって提唱される解決手段は、少なくとも1つの壁部を備えた流体を密封するタンクにおいて、前記少なくとも1つの壁部には、前記流体を密封するタンクに収容された生産物と接触するように設けられた、流体を密封する薄膜と、前記薄膜と隣り合うように設けられた支持部と、が設けられ、前記薄膜が、少なくとも1つのコルゲーション部を有する少なくとも1つのシート部材で構成され、前記コルゲーション部の下には、補強部材が、前記薄膜と前記支持部との間に配置されるように挿入され、かつ、前記補強部材が、前記金属シート部材または前記支持部に固定されていることを特徴とするタンクに存する。
【0011】
かかる補強部材は、前記薄膜に生じる機械的応力を制限することができることがわかる。もちろん、前記薄膜は、複数のシート部材で構成されてもよく、前記シート部材は、複数のコルゲーション部を有してもよく、また、一の補強部材は、一または複数のシート部材の一または複数のコルゲーション部の下に配置されてもよい。前記支持部は、例えば、断熱性レイヤとされてもよく、より正確にいえば、断熱性レイヤで構成された合板で構成されたパネルとされてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、前記補強部材には、内部通路が設けられていて、前記内部通路を介して前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を横断して気体が流れるように、前記内部通路が前記補強部材を貫通して設けられている。
【0013】
一実施形態によれば、前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を迂回して前記気体を流すための外部通路が備えられている。
【0014】
有利には、前記補強部材は、合板、ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールからなる群から選ばれる材料で構成されている。
【0015】
一実施形態によれば、前記補強部材の外側には輪郭部が設けられ、かつ、前記輪郭部の形状が、前記コルゲーション部の形状に対応したものとされている。
【0016】
好ましくは、前記補強部材の前記輪郭部の内側には、少なくとも1つのクモの巣状補強部分が設けられている。
【0017】
有利には、前記タンク内に生産物が存在していない状態における前記補強部材と前記コルゲーション部との間の最短距離は、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とされている。
【0018】
好ましくは、前記シート部材には、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第1列コルゲーション部と、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第2列コルゲーション部とが備えられ、前記第2列コルゲーション部が、前記第1列コルゲーション部を横断して設けられ、かつ、前記補強部材が、前記第1列コルゲーション部に属する前記コルゲーション部の1つの下に挿入されている。
【0019】
一実施形態によれば、前記補強部材は、前記第2列コルゲーション部に属する2つのコルゲーション部の距離に対応する長さを有している。
【0020】
変形例として、前記補強部材の長さは、前段落で定義した長さより長いものとされてもよく、短いものとされてもよい。
【0021】
有利には、前記補強部材は、前記薄膜と前記支持部とに対してスライド可能に前記コルゲーション部の下に挿入されている。
【0022】
一実施形態によれば、前記薄膜には、アンダーカットが設けられ、かつ、前記補強部材が、前記アンダーカットに係止されまたは押し込まれている。
【0023】
一実施形態によれば、少なくとも2つの前記補強部材が、それぞれ、隣り合う前記薄膜の2つのコルゲーション部の下に配置され、かつ、前記2つの補強部材の一方が、該2つの補強部材の他方に対するストップ部とされている。
【0024】
有利には、前記補強部材には、予め定められた閾値を超える応力が作用した場合に変形または破断しやすく構成された少なくとも1つの部位が設けられている。
【0025】
これにより、前記薄膜の制御された塑性変形によって、前記薄膜が受ける圧力を決定することができ、その下に配置されている支持部に対する損傷の潜在的リスクを判定することができる。
【0026】
好ましくは、前記薄膜は、前記コルゲーション部から離れた側において前記支持部と接触されている。
【0027】
本発明は、同様に、以下に述べる本発明のタンクを備えた浮設体も提供することができる。船舶または他の形式の浮遊施設に関するものである。
【0028】
以下の本発明の実施形態の記載によって、本発明はより一層理解されやすく、また、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点はより一層明確に理解される。本発明の実施形態の記載は、添付の図面を参照しつつもっぱら説明を意図してなされたものであって、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るタンクにおけるコルゲーション部を有するシート部材を示した斜視図である。
【図2】図1のコルゲーション部を有するシート部材におけるコルゲーション部および第1の変形例に係る補強部材の断面斜視図である。
【図3】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図4】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図5】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図6】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図7】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図8】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図9】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図10】補強部材の他の変形例を示した断面図である。
【図11】補強部材の他の変形例を示した断面図である。
【図12】コルゲーション部の交差部分における、図1に示したシート部材の上面図であり、また、クリッピングによりコルゲーション部の下に固定された補強部材の部分断面斜視図である。
【図13】複数のコルゲーション部の下に同時に配置されるように構成された補強部材を示した図である。
【図14】互いに協働するように構成された2つの補強部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態に係るタンクは、前記背景技術に関する記述において引用したフランス国特許第2,781,557号およびフランス国特許第2,861,060号に記載されたタンクと同様の多層構造を有するものである。特に、このタンクは、コルゲーション部を施された複数の金属製シート部材1で構成された、流体を密封する一次薄膜を備えており、また、この流体を密封する一次薄膜は断熱性一次レイヤの合板4で構成されたパネルの上に配置されている。かかる多層構造の一般的様相は前述のとおりであるが、本発明の一実施形態に係るタンクの詳細部分について、以下に記載することにする。
【0031】
図1に示すように、前記シート部材1は、コルゲート形状を施されたシート部材であって、ステンレスで構成されており、略矩形の形状とされている。前記タンクの流体を密封する一次薄膜は、この形式の複数のシート部材の端部どうしを溶接することにより構成されている。図1に示すように、前記シート部材1は、該シート部材1の長手方向に延在された3つの大形コルゲーション部2と、前記シート部材1の幅方向に延在された9つの小形コルゲーション部3とを有している。ここで、複数の大形コルゲーション部2と複数の小形コルゲーション部3とを峻別しうるのは、前記複数の大形コルゲーション部2の高さが前記複数の小形コルゲーション部3の高さよりも大きいことによる。
【0032】
変形例として、前記シート部材1は、異なる数の大形コルゲーション部2および/または小形コルゲーション部3を備えてもよい。同様に、変形例として、前記シート部材1の前記複数のコルゲーション部に、フランス国特許第2,861,060号に記載されたような複数の補強リブを設けてもよい。また、前記シート部材1の複数のコルゲーション部は他の構成を有してもよく、例えば、フランス国特許第フランス国特許第2,735,847号または韓国特許公開第10‐2005‐0050170号などに記載されたような構成を有してもよい。
【0033】
図2に示すように、前記シート部材1は、その下に延在している断熱性レイヤの合板4上に配置されている。変形例として、前記シート部材1は、他の形式の支持部の上に配置されてもよい。また、この図において、補強部材5が前記大形コルゲーション部2の下でかつ前記シート部材1と前記合板4との間に設けられていることがわかる。
【0034】
本明細書においては、「〜の下に(sous〜)」とは、補強部材5がコルゲーション部によって覆われていることを意味するが、補強部材5が必ずコルゲーション部の下側に配置されていることを意味するものではない。つまり、前記タンクの垂直な複数の仕切壁の上であれば、前記補強部材5はそれを覆っているところの前記コルゲーションと同じ高さに配置されてもよい。図2に示した例においては、前記補強部材5の長さは、2つの小形コルゲーション部3の間の距離に対応している。
【0035】
複数の補強部材5は、2つの小形コルゲーション部3の間における各大形コルゲーション部2の下に配置されることができる。補強部材5の点数と分布とは、運用中において前記タンクの前記流体を密封する一次薄膜上に作用すると想定される応力の分布にしたがって決定されてもよい。
【0036】
変形例として、前記補強部材5の長さは、2つの小形コルゲーション部3の間の距離より小さいものとされてもよく、あるいは、複数のコルゲーション部どうしの交差部分の幾何学形状が許容するのであれば、前記距離よりも大きいものとされてもよい。
【0037】
また、変形例として、前記複数の補強部材5は、前記複数の小形コルゲーション部3の下に配置されてもよい。前記補強部材5は、図2に示したような仕方で実現されるものであり、シート部材1にも合板4にも固定されていない。したがって、それは、必要であれば大形コルゲーション部2の下でスライドすることができる。したがって、本発明のタンクの製造は、補強部材5を固定するステップを含まない。変形例として、前記補強部材5は、前記流体を密封する一次薄膜または合板4に固定されてもよい。
【0038】
前記補強部材5については多数の形状を観念することができる。図3ないし図11は、かかる観念しうる他の異なる形態を示したものである。図3ないし図9は、前記補強部材5をスライスしたものの斜視図であって、その長さは図示されたものよりも大きいものとされてもよい。
【0039】
図10および図11の図示は(前記補強部材5の)断面図である。これらの異なる図において、類似の要素には同一の符号を付するものとする。
【0040】
図3の前記補強部材5は、中実断面を有している。前記補強部材5の2つの側面6は、湾曲しており、前記大形コルゲーション部2の形状に対応した形状を有している。しかしながら、前記複数の側面6は、前記大形コルゲーション部2の頂部までは延在されておらず、前記補強部材5には平らな上面7が設けられている。前記大形コルゲーション部2の頂部と前記上面7との間を、気体が流れることができる。
【0041】
図4の前記補強部材5には、前記大形コルゲーション部2の形状に対応する外形を有する輪郭部7が設けられている。また、円形の通路9を介して、前記補強部材5内を気体が通過することができる。
【0042】
図5に示す変形例では、前記通路9は、前記輪郭部8の外形に対応した形状を有しているが、これは、通路のより大きな面積を確保するためである。
【0043】
また、図6に示す前記補強部材5は、前記大形コルゲーション部2の形状に対応した外部形状を有する輪郭部8と、通路9とを有している。前記補強部材5の機械的強度を改善させるために、前記通路9の内部に形成された複数のクモの巣状補強部分10が、前記通路9を横断して設けられている。図7ないし図9は、前記複数のクモの巣状補強部分10の代替的な構成を示した図である。
【0044】
図3ないし図9に示す補強部材は、一例として以下に示す材料のいずれかを用いて構成されることができる:ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス繊維強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールなど。補強部材は、任意の適切な技術(射出成形、鋳造、押出成形、機械加工など)を用いて製造されることができる。
【0045】
図10および図11に記載された前記複数の補強部材5は、中実断面を有しており、それらの側面6には、それぞれ、2つの平型バンドを有している。図3に示した補強部材におけると同様、上面7と前記コルゲーション部の頂部との間を気体が通過できるようになっている。図10および図11の前記複数の補強部材5は、例えば、機械加工を施した合板によって実現されることができる。
【0046】
図11の前記補強部材5は、その裏面23に固定された突起22を備えてもよい。前記突起22は、前記補強部材5を合板4に固定するために設けられたもので、例えば、合板の2つのシート部材の間の接合部分に設けられてもよい。
【0047】
図12は、その右側部分に、大形コルゲーション部2と小形コルゲーション部3との交差部分におけるコルゲーション部の幾何学形状を示している。前記薄膜がこの部位においてアンダーカット20を有していることが看取される。図12の右側部分が示すのは、大形コルゲーション部2の下に配置された補強部材5が、その端部において、複数のタブ21を有しているということであり、これらのタブ21がアンダーカット20に係止されることにより、前記補強部材5が薄膜に固定されるように構成されている。変形例として、前記複数のタブ21は(アンダーカット20に)押し込められてもよい。
【0048】
図13は、同時に複数の大形コルゲーション部2と小形コルゲーション部3との下に配置された補強部材5の斜視図である。この補強部材5の形状は、交差部分を含めて、コルゲーション部の形状に対応したものである。内部に延在された複数の通路9は、複数の小形コルゲーション部3の下と、同様に、複数の大形コルゲーション部2の下とに延在して設けられている。図14は、2つの補強部材5を図示しており、そのうちの1つが、コルゲーション部の交差部分において、1つの大形コルゲーション部2の下に配置され、もう1つが1つの小形コルゲーション部3の下に配置されるように構成されている。ここで、前記複数の補強部材5は、それぞれ、互いに対して位置決めを行うためのノッチ24を備えている。同図から理解されるように、前記複数の補強部材5は、矩形断面を有している。
【0049】
ここに記載された複数の異なる形状を有する補強部材5は、コルゲーション部が熱収縮の場合に変形することを許容するとともに、コルゲーション部が静水圧および動圧に起因して変形した場合に該コルゲーション部に対する支持を提供する。この目的を達成するために、タンクが空のとき(したがって熱的負荷、静水圧または動圧が存在しない場合において)、前記補強部材5と該補強部材5がその下に存在しているところの前記コルゲーション部との間の最短距離は、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とすることが考えられる。
【0050】
複数の異なる形態を有する補強部材5は、それぞれ、特定の性質を有している。すなわち、製造コストと製造容易性、機械的強度、原材料所要量などである。具体的な適用の局面においては、最も適切な形態を適宜選択することができる。
【0051】
補強部材をもたない薄膜と比較した場合における、該薄膜において生じる応力に対する前記補強部材5の効果を検証するために、数値的シミュレーションを行った。これらのシミュレーションによって、
−熱的負荷(冷気による薄膜の収縮)の場合、補強部材5が存在していても薄膜に好ましくない応力が生じることがない、
−熱的負荷および均一圧力荷重(船荷の静水圧に対応)の場合、補強部材5が設けられていることで、薄膜における応力を低減させることができる、および、
−熱的負荷および非対称圧力荷重(船荷の動圧に対応)の場合、補強部材5が設けられていることで、薄膜における応力を低減させることができる
ことが示されている。
【0052】
本発明は、特定の実施形態との関連において説明されてきたけれども、本発明がかかる特定の実施形態に限定されるものではないことは明らかであり、また、本発明の範囲を逸脱しないかぎりにおいて、記載された態様に対応する技術的等価物およびそれらの組み合せもまた含まれることは明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 シート部材
2 大形コルゲーション部
3 小形コルゲーション部
4 合板
5 補強部材
6 側面
7 上面
8 輪郭部
9 通路
10 クモの巣状補強部分
20 アンダーカット
21 タブ
22 突起
23 裏面
24 ノッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を密封するタンクに関し、特に、液化天然ガス(LNG)の船舶輸送のための流体密封・断熱タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フランス国特許第2,781,557号明細書には、船舶の構造に設けられたタンクが記載されており、このタンクは、液化天然ガスの輸送を許容するように構成されたものである。
【0003】
タンクの仕切壁は、タンクの内部から外部に向かって順に、流体を密封する一次隔壁と、断熱性一次隔壁と、流体を密封する二次隔壁と、断熱性二次隔壁とで構成されている。前記流体を密封する一次隔壁は、コルゲーション部を施されかつステンレス鋼で構成された金属製のシート部材で構成された薄膜とされている。より綿密にいえば、各シート部材は、船舶の軸に対して平行な一連のコルゲーション部と、前記船舶の軸に対して直角な他の一連のコルゲーション形とを有している。
【0004】
動作中において、機械的応力が薄膜において生じる。これらの機械的応力の出所は複数存在する。タンクが冷却された場合における熱反応、船舶の梁の影響、充填に起因する静水圧、および船荷の動き、特に波のうねりによる船荷の動きに起因する動圧などである。
【0005】
前記薄膜の前記複数の金属製シート部材の上に設けられた前記複数のコルゲーション部は、薄膜を変形させて熱反応および前記船舶の梁の影響によって生じた機械的応力を制限するために構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】フランス国特許第2,781,557号明細書
【特許文献2】フランス国特許第2,861,060号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動圧がコルゲーション部の塑性変形を惹起させることが知られている。そして、前記使用において、かかる変形は、シート部材の可撓性を低下させ、薄膜の流体密封性を損なうことにつながりうる、特に、複数のシート部材どうしの接合部においてそうである。
【0008】
圧力に対する薄膜の強度を向上させるとともに薄膜の塑性変形を低減させるために、フランス国特許2,861,060号は、コルゲーション部に補強リブを設けることを提案している。しかしながら、圧力に対する薄膜の強度をより一層増大させることが有益である。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前記従来技術においてみられる不都合性の少なくとも一部を排したタンクを提供することにある。特に、本発明の目的は、薄膜の圧力への強度を改善し、もって塑性変形を回避または除去することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によって提唱される解決手段は、少なくとも1つの壁部を備えた流体を密封するタンクにおいて、前記少なくとも1つの壁部には、前記流体を密封するタンクに収容された生産物と接触するように設けられた、流体を密封する薄膜と、前記薄膜と隣り合うように設けられた支持部と、が設けられ、前記薄膜が、少なくとも1つのコルゲーション部を有する少なくとも1つのシート部材で構成され、前記コルゲーション部の下には、補強部材が、前記薄膜と前記支持部との間に配置されるように挿入され、かつ、前記補強部材が、前記金属シート部材または前記支持部に固定されていることを特徴とするタンクに存する。
【0011】
かかる補強部材は、前記薄膜に生じる機械的応力を制限することができることがわかる。もちろん、前記薄膜は、複数のシート部材で構成されてもよく、前記シート部材は、複数のコルゲーション部を有してもよく、また、一の補強部材は、一または複数のシート部材の一または複数のコルゲーション部の下に配置されてもよい。前記支持部は、例えば、断熱性レイヤとされてもよく、より正確にいえば、断熱性レイヤで構成された合板で構成されたパネルとされてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、前記補強部材には、内部通路が設けられていて、前記内部通路を介して前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を横断して気体が流れるように、前記内部通路が前記補強部材を貫通して設けられている。
【0013】
一実施形態によれば、前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を迂回して前記気体を流すための外部通路が備えられている。
【0014】
有利には、前記補強部材は、合板、ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールからなる群から選ばれる材料で構成されている。
【0015】
一実施形態によれば、前記補強部材の外側には輪郭部が設けられ、かつ、前記輪郭部の形状が、前記コルゲーション部の形状に対応したものとされている。
【0016】
好ましくは、前記補強部材の前記輪郭部の内側には、少なくとも1つのクモの巣状補強部分が設けられている。
【0017】
有利には、前記タンク内に生産物が存在していない状態における前記補強部材と前記コルゲーション部との間の最短距離は、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とされている。
【0018】
好ましくは、前記シート部材には、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第1列コルゲーション部と、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第2列コルゲーション部とが備えられ、前記第2列コルゲーション部が、前記第1列コルゲーション部を横断して設けられ、かつ、前記補強部材が、前記第1列コルゲーション部に属する前記コルゲーション部の1つの下に挿入されている。
【0019】
一実施形態によれば、前記補強部材は、前記第2列コルゲーション部に属する2つのコルゲーション部の距離に対応する長さを有している。
【0020】
変形例として、前記補強部材の長さは、前段落で定義した長さより長いものとされてもよく、短いものとされてもよい。
【0021】
有利には、前記補強部材は、前記薄膜と前記支持部とに対してスライド可能に前記コルゲーション部の下に挿入されている。
【0022】
一実施形態によれば、前記薄膜には、アンダーカットが設けられ、かつ、前記補強部材が、前記アンダーカットに係止されまたは押し込まれている。
【0023】
一実施形態によれば、少なくとも2つの前記補強部材が、それぞれ、隣り合う前記薄膜の2つのコルゲーション部の下に配置され、かつ、前記2つの補強部材の一方が、該2つの補強部材の他方に対するストップ部とされている。
【0024】
有利には、前記補強部材には、予め定められた閾値を超える応力が作用した場合に変形または破断しやすく構成された少なくとも1つの部位が設けられている。
【0025】
これにより、前記薄膜の制御された塑性変形によって、前記薄膜が受ける圧力を決定することができ、その下に配置されている支持部に対する損傷の潜在的リスクを判定することができる。
【0026】
好ましくは、前記薄膜は、前記コルゲーション部から離れた側において前記支持部と接触されている。
【0027】
本発明は、同様に、以下に述べる本発明のタンクを備えた浮設体も提供することができる。船舶または他の形式の浮遊施設に関するものである。
【0028】
以下の本発明の実施形態の記載によって、本発明はより一層理解されやすく、また、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点はより一層明確に理解される。本発明の実施形態の記載は、添付の図面を参照しつつもっぱら説明を意図してなされたものであって、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るタンクにおけるコルゲーション部を有するシート部材を示した斜視図である。
【図2】図1のコルゲーション部を有するシート部材におけるコルゲーション部および第1の変形例に係る補強部材の断面斜視図である。
【図3】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図4】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図5】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図6】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図7】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図8】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図9】補強部材の変形例を示した斜視図である。
【図10】補強部材の他の変形例を示した断面図である。
【図11】補強部材の他の変形例を示した断面図である。
【図12】コルゲーション部の交差部分における、図1に示したシート部材の上面図であり、また、クリッピングによりコルゲーション部の下に固定された補強部材の部分断面斜視図である。
【図13】複数のコルゲーション部の下に同時に配置されるように構成された補強部材を示した図である。
【図14】互いに協働するように構成された2つの補強部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態に係るタンクは、前記背景技術に関する記述において引用したフランス国特許第2,781,557号およびフランス国特許第2,861,060号に記載されたタンクと同様の多層構造を有するものである。特に、このタンクは、コルゲーション部を施された複数の金属製シート部材1で構成された、流体を密封する一次薄膜を備えており、また、この流体を密封する一次薄膜は断熱性一次レイヤの合板4で構成されたパネルの上に配置されている。かかる多層構造の一般的様相は前述のとおりであるが、本発明の一実施形態に係るタンクの詳細部分について、以下に記載することにする。
【0031】
図1に示すように、前記シート部材1は、コルゲート形状を施されたシート部材であって、ステンレスで構成されており、略矩形の形状とされている。前記タンクの流体を密封する一次薄膜は、この形式の複数のシート部材の端部どうしを溶接することにより構成されている。図1に示すように、前記シート部材1は、該シート部材1の長手方向に延在された3つの大形コルゲーション部2と、前記シート部材1の幅方向に延在された9つの小形コルゲーション部3とを有している。ここで、複数の大形コルゲーション部2と複数の小形コルゲーション部3とを峻別しうるのは、前記複数の大形コルゲーション部2の高さが前記複数の小形コルゲーション部3の高さよりも大きいことによる。
【0032】
変形例として、前記シート部材1は、異なる数の大形コルゲーション部2および/または小形コルゲーション部3を備えてもよい。同様に、変形例として、前記シート部材1の前記複数のコルゲーション部に、フランス国特許第2,861,060号に記載されたような複数の補強リブを設けてもよい。また、前記シート部材1の複数のコルゲーション部は他の構成を有してもよく、例えば、フランス国特許第フランス国特許第2,735,847号または韓国特許公開第10‐2005‐0050170号などに記載されたような構成を有してもよい。
【0033】
図2に示すように、前記シート部材1は、その下に延在している断熱性レイヤの合板4上に配置されている。変形例として、前記シート部材1は、他の形式の支持部の上に配置されてもよい。また、この図において、補強部材5が前記大形コルゲーション部2の下でかつ前記シート部材1と前記合板4との間に設けられていることがわかる。
【0034】
本明細書においては、「〜の下に(sous〜)」とは、補強部材5がコルゲーション部によって覆われていることを意味するが、補強部材5が必ずコルゲーション部の下側に配置されていることを意味するものではない。つまり、前記タンクの垂直な複数の仕切壁の上であれば、前記補強部材5はそれを覆っているところの前記コルゲーションと同じ高さに配置されてもよい。図2に示した例においては、前記補強部材5の長さは、2つの小形コルゲーション部3の間の距離に対応している。
【0035】
複数の補強部材5は、2つの小形コルゲーション部3の間における各大形コルゲーション部2の下に配置されることができる。補強部材5の点数と分布とは、運用中において前記タンクの前記流体を密封する一次薄膜上に作用すると想定される応力の分布にしたがって決定されてもよい。
【0036】
変形例として、前記補強部材5の長さは、2つの小形コルゲーション部3の間の距離より小さいものとされてもよく、あるいは、複数のコルゲーション部どうしの交差部分の幾何学形状が許容するのであれば、前記距離よりも大きいものとされてもよい。
【0037】
また、変形例として、前記複数の補強部材5は、前記複数の小形コルゲーション部3の下に配置されてもよい。前記補強部材5は、図2に示したような仕方で実現されるものであり、シート部材1にも合板4にも固定されていない。したがって、それは、必要であれば大形コルゲーション部2の下でスライドすることができる。したがって、本発明のタンクの製造は、補強部材5を固定するステップを含まない。変形例として、前記補強部材5は、前記流体を密封する一次薄膜または合板4に固定されてもよい。
【0038】
前記補強部材5については多数の形状を観念することができる。図3ないし図11は、かかる観念しうる他の異なる形態を示したものである。図3ないし図9は、前記補強部材5をスライスしたものの斜視図であって、その長さは図示されたものよりも大きいものとされてもよい。
【0039】
図10および図11の図示は(前記補強部材5の)断面図である。これらの異なる図において、類似の要素には同一の符号を付するものとする。
【0040】
図3の前記補強部材5は、中実断面を有している。前記補強部材5の2つの側面6は、湾曲しており、前記大形コルゲーション部2の形状に対応した形状を有している。しかしながら、前記複数の側面6は、前記大形コルゲーション部2の頂部までは延在されておらず、前記補強部材5には平らな上面7が設けられている。前記大形コルゲーション部2の頂部と前記上面7との間を、気体が流れることができる。
【0041】
図4の前記補強部材5には、前記大形コルゲーション部2の形状に対応する外形を有する輪郭部7が設けられている。また、円形の通路9を介して、前記補強部材5内を気体が通過することができる。
【0042】
図5に示す変形例では、前記通路9は、前記輪郭部8の外形に対応した形状を有しているが、これは、通路のより大きな面積を確保するためである。
【0043】
また、図6に示す前記補強部材5は、前記大形コルゲーション部2の形状に対応した外部形状を有する輪郭部8と、通路9とを有している。前記補強部材5の機械的強度を改善させるために、前記通路9の内部に形成された複数のクモの巣状補強部分10が、前記通路9を横断して設けられている。図7ないし図9は、前記複数のクモの巣状補強部分10の代替的な構成を示した図である。
【0044】
図3ないし図9に示す補強部材は、一例として以下に示す材料のいずれかを用いて構成されることができる:ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス繊維強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールなど。補強部材は、任意の適切な技術(射出成形、鋳造、押出成形、機械加工など)を用いて製造されることができる。
【0045】
図10および図11に記載された前記複数の補強部材5は、中実断面を有しており、それらの側面6には、それぞれ、2つの平型バンドを有している。図3に示した補強部材におけると同様、上面7と前記コルゲーション部の頂部との間を気体が通過できるようになっている。図10および図11の前記複数の補強部材5は、例えば、機械加工を施した合板によって実現されることができる。
【0046】
図11の前記補強部材5は、その裏面23に固定された突起22を備えてもよい。前記突起22は、前記補強部材5を合板4に固定するために設けられたもので、例えば、合板の2つのシート部材の間の接合部分に設けられてもよい。
【0047】
図12は、その右側部分に、大形コルゲーション部2と小形コルゲーション部3との交差部分におけるコルゲーション部の幾何学形状を示している。前記薄膜がこの部位においてアンダーカット20を有していることが看取される。図12の右側部分が示すのは、大形コルゲーション部2の下に配置された補強部材5が、その端部において、複数のタブ21を有しているということであり、これらのタブ21がアンダーカット20に係止されることにより、前記補強部材5が薄膜に固定されるように構成されている。変形例として、前記複数のタブ21は(アンダーカット20に)押し込められてもよい。
【0048】
図13は、同時に複数の大形コルゲーション部2と小形コルゲーション部3との下に配置された補強部材5の斜視図である。この補強部材5の形状は、交差部分を含めて、コルゲーション部の形状に対応したものである。内部に延在された複数の通路9は、複数の小形コルゲーション部3の下と、同様に、複数の大形コルゲーション部2の下とに延在して設けられている。図14は、2つの補強部材5を図示しており、そのうちの1つが、コルゲーション部の交差部分において、1つの大形コルゲーション部2の下に配置され、もう1つが1つの小形コルゲーション部3の下に配置されるように構成されている。ここで、前記複数の補強部材5は、それぞれ、互いに対して位置決めを行うためのノッチ24を備えている。同図から理解されるように、前記複数の補強部材5は、矩形断面を有している。
【0049】
ここに記載された複数の異なる形状を有する補強部材5は、コルゲーション部が熱収縮の場合に変形することを許容するとともに、コルゲーション部が静水圧および動圧に起因して変形した場合に該コルゲーション部に対する支持を提供する。この目的を達成するために、タンクが空のとき(したがって熱的負荷、静水圧または動圧が存在しない場合において)、前記補強部材5と該補強部材5がその下に存在しているところの前記コルゲーション部との間の最短距離は、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とすることが考えられる。
【0050】
複数の異なる形態を有する補強部材5は、それぞれ、特定の性質を有している。すなわち、製造コストと製造容易性、機械的強度、原材料所要量などである。具体的な適用の局面においては、最も適切な形態を適宜選択することができる。
【0051】
補強部材をもたない薄膜と比較した場合における、該薄膜において生じる応力に対する前記補強部材5の効果を検証するために、数値的シミュレーションを行った。これらのシミュレーションによって、
−熱的負荷(冷気による薄膜の収縮)の場合、補強部材5が存在していても薄膜に好ましくない応力が生じることがない、
−熱的負荷および均一圧力荷重(船荷の静水圧に対応)の場合、補強部材5が設けられていることで、薄膜における応力を低減させることができる、および、
−熱的負荷および非対称圧力荷重(船荷の動圧に対応)の場合、補強部材5が設けられていることで、薄膜における応力を低減させることができる
ことが示されている。
【0052】
本発明は、特定の実施形態との関連において説明されてきたけれども、本発明がかかる特定の実施形態に限定されるものではないことは明らかであり、また、本発明の範囲を逸脱しないかぎりにおいて、記載された態様に対応する技術的等価物およびそれらの組み合せもまた含まれることは明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 シート部材
2 大形コルゲーション部
3 小形コルゲーション部
4 合板
5 補強部材
6 側面
7 上面
8 輪郭部
9 通路
10 クモの巣状補強部分
20 アンダーカット
21 タブ
22 突起
23 裏面
24 ノッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの壁部を備えた流体を密封するタンクにおいて、
(イ)前記少なくとも1つの壁部には、前記流体を密封するタンクに収容された生産物と接触するように設けられた、流体を密封する薄膜と、前記薄膜と隣り合うように設けられた支持部と、が設けられ、
(ロ)前記薄膜が、少なくとも1つのコルゲーション部を有する少なくとも1つの金属シート部材で構成され、
(ハ)前記コルゲーション部の下には、補強部材が、前記薄膜と前記支持部との間に配置されるように挿入され、かつ、
(ニ)前記補強部材が、前記金属シート部材または前記支持部に固定されている
ことを特徴とするタンク。
【請求項2】
前記薄膜には、アンダーカットが設けられ、かつ、前記補強部材が、前記アンダーカットに係止されまたは押し込まれていることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記支持部が、このタンクの断熱性レイヤをなす少なくとも2つのパネルで構成され、前記補強部材の裏面には突起が固定され、かつ、前記突起が、前記支持部の2つのパネルの間の接合部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項4】
前記補強部材には、内部通路が設けられていて、前記内部通路を介して前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を横断して気体が流れるように、前記内部通路が前記補強部材を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項5】
前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を迂回して前記気体を流すための外部通路が備えられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項6】
前記補強部材が、合板、ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールからなる群から選ばれる材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項7】
前記補強部材の外側には輪郭部が設けられ、かつ、前記輪郭部の形状が、前記コルゲーション部の形状に対応したものとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項8】
前記補強部材の前記輪郭部の内側には、少なくとも1つのクモの巣状補強部分が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のタンク。
【請求項9】
前記タンク内に前記生産物が存在していない状態における前記補強部材と前記コルゲーション部との間の最短距離が、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項10】
前記シート部材には、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第1列コルゲーション部と、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第2列コルゲーション部とが備えられ、前記第2列コルゲーション部が、前記第1列コルゲーション部を横断して設けられ、かつ、前記補強部材が、前記第1列コルゲーション部に属する前記コルゲーション部の1つの下に挿入されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項11】
前記補強部材が、前記第2列コルゲーション部に属する2つのコルゲーション部の距離に対応する長さを有していることを特徴とする請求項10に記載のタンク。
【請求項12】
少なくとも2つの前記補強部材が、それぞれ、隣り合う前記薄膜の2つのコルゲーション部の下に配置され、かつ、前記2つの補強部材の一方が、該2つの補強部材の他方に対するストップ部とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項13】
前記補強部材には、予め定められた閾値を超える応力が作用した場合に変形または破断しやすく構成された少なくとも1つの部位が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項14】
前記薄膜が、前記コルゲーション部から離れた側において前記支持部と接触されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項15】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンクを備えた浮設体。
【請求項1】
少なくとも1つの壁部を備えた流体を密封するタンクにおいて、
(イ)前記少なくとも1つの壁部には、前記流体を密封するタンクに収容された生産物と接触するように設けられた、流体を密封する薄膜と、前記薄膜と隣り合うように設けられた支持部と、が設けられ、
(ロ)前記薄膜が、少なくとも1つのコルゲーション部を有する少なくとも1つの金属シート部材で構成され、
(ハ)前記コルゲーション部の下には、補強部材が、前記薄膜と前記支持部との間に配置されるように挿入され、かつ、
(ニ)前記補強部材が、前記金属シート部材または前記支持部に固定されている
ことを特徴とするタンク。
【請求項2】
前記薄膜には、アンダーカットが設けられ、かつ、前記補強部材が、前記アンダーカットに係止されまたは押し込まれていることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記支持部が、このタンクの断熱性レイヤをなす少なくとも2つのパネルで構成され、前記補強部材の裏面には突起が固定され、かつ、前記突起が、前記支持部の2つのパネルの間の接合部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項4】
前記補強部材には、内部通路が設けられていて、前記内部通路を介して前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を横断して気体が流れるように、前記内部通路が前記補強部材を貫通して設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項5】
前記コルゲーション部と前記支持部との間における前記補強部材を迂回して前記気体を流すための外部通路が備えられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項6】
前記補強部材が、合板、ポリエチレン、ポリカーボネート、ガラス強化ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、および発泡スチロールからなる群から選ばれる材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項7】
前記補強部材の外側には輪郭部が設けられ、かつ、前記輪郭部の形状が、前記コルゲーション部の形状に対応したものとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項8】
前記補強部材の前記輪郭部の内側には、少なくとも1つのクモの巣状補強部分が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のタンク。
【請求項9】
前記タンク内に前記生産物が存在していない状態における前記補強部材と前記コルゲーション部との間の最短距離が、前記コルゲーション部の高さの0%ないし5%とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項10】
前記シート部材には、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第1列コルゲーション部と、互いに平行な複数のコルゲーション部からなる第2列コルゲーション部とが備えられ、前記第2列コルゲーション部が、前記第1列コルゲーション部を横断して設けられ、かつ、前記補強部材が、前記第1列コルゲーション部に属する前記コルゲーション部の1つの下に挿入されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項11】
前記補強部材が、前記第2列コルゲーション部に属する2つのコルゲーション部の距離に対応する長さを有していることを特徴とする請求項10に記載のタンク。
【請求項12】
少なくとも2つの前記補強部材が、それぞれ、隣り合う前記薄膜の2つのコルゲーション部の下に配置され、かつ、前記2つの補強部材の一方が、該2つの補強部材の他方に対するストップ部とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項13】
前記補強部材には、予め定められた閾値を超える応力が作用した場合に変形または破断しやすく構成された少なくとも1つの部位が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項14】
前記薄膜が、前記コルゲーション部から離れた側において前記支持部と接触されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンク。
【請求項15】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタンクを備えた浮設体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−144298(P2012−144298A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−66540(P2012−66540)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【分割の表示】特願2011−530521(P2011−530521)の分割
【原出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(595133839)ガズトランスポール エ テクニガズ (24)
【氏名又は名称原語表記】GAZTRANSPORT ET TECHNIGAZ
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【分割の表示】特願2011−530521(P2011−530521)の分割
【原出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(595133839)ガズトランスポール エ テクニガズ (24)
【氏名又は名称原語表記】GAZTRANSPORT ET TECHNIGAZ
【Fターム(参考)】
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