説明

コルゲート管用差込み継手

【課題】コルゲート管の接続を確認し易いコルゲート管用差込み継手を提供する。
【解決手段】この差込み継手は、筒状の継手本体と、その入口側に取り付けられたリテーナ押さえ51と、継手本体の内孔内に配置された気密パッキン31と、コルゲート管Tの環状凹部に係合する爪を有するリテーナ40と、を有している。差込み継手は、さらに、コルゲート管Tの先端が継手本体内孔の奥に達するまでは、気密パッキン31が奥に移動するのを阻止し、コルゲート管Tの先端が前記内孔の奥に達した段階で、前記気密パッキン31が奥に移動可能となるストッパ60を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛇腹状のコルゲート管をガス配管等に接続するための差込み継手に関し、特には、コルゲート管の接続を確認し易いコルゲート管用差込み継手に関する。
【背景技術】
【0002】
図20は、建物のガス配管の例を模式的に示す図である。
この配管例においては、建物100の外にガスメータ110が設置されており、ガスメータ110から建物100側に向かって延び出したガス配管(鋼管)103の途中に接続部(チー)103aが設けられている。この接続部103aには、コルゲート管用差込み継手101を介してコルゲート管Tの端部が接続されている。コルゲート管Tの反対側の端部は、ガスコンセント105に繋がっている。このガスコンセント105には、例えばゴム管106を通じてガスストーブ等のガス機器107が接続されている。
【0003】
従来のコルゲート管用差込み継手としては、本出願人らにより出願された特許文献1に係るものがある。
同文献記載の差込み継手は、コルゲート管が挿入される筒状の継手本体と、その内部に配置されたパッキンと、コルゲート管の径方向に縮径してコルゲート管外周の環状凹部に係合するリテーナ等を備えている。この差込み継手では、コルゲート管を継手本体内の奥まで挿入した後、手前に引き上げるだけで同管を継手本体内に固定できるので、ペンチやスパナ等の工具を用いることなく容易に接続できるという利点がある。
【特許文献1】特開2002−54776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の従来のコルゲート管用差込み継手は、簡単な作業でコルゲート管の接続を行うことができ、実用上問題はない。しかし、コルゲート管の接続作業が正常に行われたことを作業者が確認しやすくするなどの更なる改善の余地が残されている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コルゲート管の接続を確認し易いコルゲート管用差込み継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための、本発明のコルゲート管用差込み継手は、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体の内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体の内孔入口側に取り付けられた、前記リテーナが前記継手本体から抜け出すのを防止すると共に、前記リテーナを縮径させるリテーナ押さえと、を備えるコルゲート管用差込み継手であって、さらに、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定の位置まで挿入されるまでは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定の位置まで挿入された段階で前記爪との係合が解かれて前記リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダを備えている。
また、この形態の場合、前記リテーナホルダが前記リテーナの奥に配置されており、
前記コルゲート管の先端を前記内孔の奥の所定の位置まで挿入した後に、手前に引いた場合に、前記リテーナホルダが奥に移動した後に手前に移動して、前記リテーナを前記リテーナ押さえに向けて押し、これにより前記リテーナが縮径して前記コルゲート管の環状凹部に係合して前記コルゲート管が前記継手本体内に固定されるものとすることができる。
【0006】
このコルゲート管用差込み継手を用いてコルゲート管を接続するには、まず、コルゲート管を継手本体内に挿入する。この際、リテーナホルダによってリテーナが拡径状態に維持されているので、コルゲート管を継手本体内に十分挿入していない時点でコルゲート管引き戻したとしても、リテーナが縮径してコルゲート管の環状凹部に係合することはなく、コルゲート管の接続は行われない。すなわち、挿入が不十分な状態でコルゲート管を手前に引いた場合にはコルゲート管が継手本体内から抜けるようになっているので、作業者は、コルゲート管の挿入が不十分であったことを知ることができる。作業者が、再度、コルゲート管を挿入して継手本体内の奥まで入れることで、リテーナホルダとリテーナの爪との係合が解かれリテーナが縮径可能となり、コルゲート管を引き戻すことでリテーナが縮径してコルゲート管が固定される。
なお、本明細書中において「継手本体内孔の奥の所定位置」とは、コルゲート管先端部がパッキンに十分に入って十分なシール性が確保されるとともに、リテーナの爪がコルゲート管の凹部に適正に係合しうる状態となる位置をいう。
【0007】
また、本発明のコルゲート管用差込み継手は、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定位置の手前の位置に達するまでは、前記リテーナホルダが奥に移動するのを阻止するとともに、達した後は前記リテーナホルダが奥に移動するのを許容するストッパをさらに備え、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定の位置に達した段階で、前記リテーナホルダと前記リテーナとの係合が解かれるものとすることができる。
このような構成によれば、コルゲート管が内孔の奥の所定の位置まで挿入されない限り、リテーナホルダが奥へ行くことはないので、リテーナホルダとリテーナの爪とが係合したままの状態が維持される。つまり、リテーナの縮径不能の状態が維持されるので、たとえコルゲート管を途中で引いたとしても、コルゲート管が固定されることはない。
なお、気密パッキンとリテーナホルダとが連結され、パッキンとリテーナホルダとが一緒に移動するものとしてもよい。
【0008】
リテーナホルダの、具体的な一態様としては、前記コルゲート管よりも大径の略環状のベース部と、該ベース部の外周部付近から奥に延び出し、その先端が前記気密パッキンの外周に係止される脚部と、前記ベース部の内周部付近から手前に延び出した、前記リテーナを拡径した状態に維持する立上り部と、を有するものとすることができる。
【0009】
また、脚部を有する上記のようなリテーナホルダの形態を採用する場合においては、前記継手本体の内孔内周面の、前記リテーナよりやや奥には段部が形成されており、前記リテーナホルダが、拡縮径可能であって、手前に移動して前記段部まできたところで拡径してその段部端面に係止され、前記リテーナホルダが再び奥へと戻らなくなる構成であることが好ましい。
この実施形態においては、リテーナホルダは、リテーナをリテーナ押さえに向けて押し付ける役目を果たす部材である。したがって、これが再び内孔内奥に戻るということは、リテーナの縮径が解除され、コルゲート管の固定に緩みが生じうることを意味する。これに対して、本発明のように、接続後はリテーナホルダが奥へと戻らないようになっていれば、仮に接続後にコルゲート管Tが継手本体内に押し込まれたとしても、リテーナが拡径することはなく、コルゲート管の固定が緩むことはない。
【0010】
ストッパの具体的な一態様としては、前記コルゲート管よりも大径の略環状のベース部と、該ベース部から、径方向内側に張り出した、前記コルゲート管の先端が当接する受け爪と、前記ベース部から手前に延び出したスペーサ部と、を有するものであって、前記コルゲート管を挿入する前の初期状態においては、前記スペーサ部が前記継手本体の前記内孔奥の段部端面と前記気密パッキンとの間に挟まれた状態で、前記ストッパが前記内孔の最奥部よりやや手前に配置されており、前記コルゲート管を挿入すると、該コルゲート管の先端によって前記受け爪が奥に押され、該受け爪が内側に倒れ込むようにストッパ全体が縮径し、この縮径により前記スペーサ部が前記段部端面から外れ、前記ストッパが内孔の最奥部に押されて移動するものとすることができる。
【0011】
また、本発明のコルゲート管用差込み継手は、前記リテーナホルダによって前記リテーナが拡径させられている状態では、前記リテーナの外周が前記継手本体の内孔内の段部に当たって、該リテーナの奥への移動が阻止される構成とすることができる。
このようにリテーナが継手本体内の奥へ移動しないようになっている場合、コルゲート管を奥まで入れてリテーナホルダが奥へ移動したとき、リテーナホルダとリテーナの爪との係合を解除し易いという利点がある。
【0012】
また、本発明のコルゲート管用差込み継手は、前記気密パッキンの内孔の最奥部付近には、前記コルゲート管の最先端寄りの環状凹部に係合する、径方向内側に張り出した環状突起が形成されていてもよい。このような環状突起が形成されていることにより、コルゲート管と気密パッキンとの間のシール性を向上させることができる。また、コルゲート管に対する気密パッキンの追従性を向上させるのにも有利である。
【0013】
この場合、前記継手本体の内孔内周面にも環状の拡大リング溝を設けることが好ましい。上記のような環状突起を設けた場合、コルゲート管を気密パッキンの内孔に挿入する際に必要な力が大きくなるが、継手本体内に拡大リング溝が設けられていれば、気密パッキンの部分的な拡径が可能となり、コルゲート管挿入時に必要な力を小さくすることができるためである。
【0014】
ストッパは、上記の他にも、全体として略環状のストッパ部材と、該ストッパ部材の外周に嵌められたストップリングと、で構成されており、前記ストッパ部材は、前記コルゲート管の先端が当接する略環状の内周部と、該ベース部の外周部付近から手前に延び出し、その外周に前記ストップリングが嵌められるスペーサ部と、を有し、前記コルゲート管を挿入する前の初期状態においては、前記ストップリングが、前記継手本体の内孔内奥の段部端面に係止されており、前記コルゲート管を挿入すると、該コルゲート管の先端が前記内周部に当接し、前記ストップリングが前記ストッパ部材から外れることにより、同ストッパ部材が奥に移動し、これにより、前記リテーナホルダが前記内孔の奥に移動可能となるものとすることができる。
このような、ストッパ部材とストップリングとからなるストッパの場合、ストッパを1部品で構成するのと比べて、ストッパ部材の構造を簡単にすることができるという利点がある。
【0015】
この形態の場合、前記気密パッキンの奥端面に環状の溝が掘られており、前記気密パッキンを内孔の奥まで移動させると、前記ストップリングが前記気密パッキンを径方向内側に付勢した状態で該溝内に収まる構成としてもよい。
この場合、ストップリングの付勢力により、気密パッキンがコルゲート管の外周面に押し付けられるので、シール性を向上させることができる。
【0016】
本発明の他のコルゲート管用差込み継手は、気密シール性の向上を目的とするものであり、外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体と、前記継手本体の内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、前記内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、前記継手本体の内孔入口側に取り付けられた、前記リテーナが前記継手本体から抜け出すのを防止すると共に、前記リテーナを縮径させるリテーナ押さえと、を備えるコルゲート管用差込み継手であって、前記気密パッキンの内孔の最奥部付近には、前記コルゲート管の先端近傍の環状凹部に係合する、径方向内側に張り出した環状突起が形成されており、これに対応して、前記継手本体の内孔内周面にも環状の拡大リング溝が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上述したようにコルゲート管の接続が確認し易いコルゲート管用差込み継手を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のコルゲート管用差込み継手の一形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手を示す断面図であり、コルゲート管が挿入されていない初期状態を示している。図2〜図5は、同じく第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図であり、コルゲート管の接続作業の各段階を示している。
【0019】
図2は、コルゲート管を継手本体の内孔の奥まで挿入した状態を示し、図3は、図2の状態からコルゲート管をさらに挿入した状態を示している。図4は、コルゲート管をさらに挿入し、ストッパ60(詳細後述)が内孔の奥に押し込まれた状態を示している。図5は、その後、コルゲート管を引き戻し、コルゲート管が継手内に接続された状態(施工完了状態)を示している。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、「奥」とは図の下側(コルゲート管の先端側)を指し、「手前」とは図の上側(コルゲート管の元側、内孔の入口側)を指す。
【0020】
図1に示すように、本実施形態のコルゲート管用差込み継手1は、コルゲート管が挿入される内孔を有するボディ5を備えており、その内部に後述する種々の部品が収容されている。
【0021】
コルゲート管は従来より市販されて用いられているものであり、図2に示すように、外周に環状の凹凸が形成された蛇腹状のフレキシブル管2a(金属製)と、それを覆う被覆チューブ2b(樹脂製)とを有している。コルゲート管Tの先端側は、被覆チューブ2bが剥ぎ取られ内側のフレキシブル管2aが露出した状態となっている。
【0022】
ボディ5は、図1に示すように、略円筒状の継手本体10と、該継手本体10の入口に取り付けられたリテーナ押さえ50と、からなる。継手本体10及びリテーナ押さえ50はいずれも一例として銅合金製である。ボディ5の内部には、手前から順に、リテーナ40、リテーナホルダ70、耐火パッキン35、気密パッキン31、ワッシャ39、及び、ストッパ60が収容されている。
【0023】
継手本体10は、図6に示すように全体として略円筒状であり、外径が相対的に大きい本体部10Aと、その下端側に形成された、外径が相対的に小さい接続部10Bと、を有する。接続部10Bは、下方に向かってすぼまっており、その外周には雄ネジが切られている。この雄ネジを、チー103a(図20参照)にねじ込むことで、継手本体10がガス配管に接続される。
【0024】
本体部10A内の最奥部には、内径がやや小さいストッパ収容部11Aが形成されている。ストッパ収容部11Aは、施工完了状態(図5参照)でストッパ60(詳細後述)が収容される構造部である。ストッパ収容部11Aの手前には、同収容部11Aよりも径が大きいパッキン収容部11Bが形成されている。パッキン収容部11Bは、継手本体10の内孔内のうち、気密パッキン31(図1参照、詳細後述)の厚みよりもやや長い領域にわたって形成されている。
【0025】
パッキン収容部11Bの手前には、同収容部11Bよりも径がやや大きいリテーナホルダ収容部11Cが形成されている。さらにその手前には、同収容部11Cよりも径がやや大きいリテーナ収容部11Dが形成されている。リテーナ収容部11Dの手前の内周面には、メネジ11Eが切られている。
【0026】
図6に示すように、パッキン収容部11Bの奥寄りの部位には、環状の溝(拡大リング溝)13が形成されており、部分的に大径となっている。
ストッパ収容部11Aとその手前のパッキン収容部11Bとの境界は、径方向に平らな段部端面12aとなっている。同様に、パッキン収容部11Bとその手前のリテーナホルダ収容部11Cとの境界、及び、リテーナホルダ収容部11Cとその手前のリテーナ収容部11Dとの境界も、それぞれ、径方向に平らな段部端面12b、12cとなっている。ストッパ収容部11Aの最奥部の端面12dも径方向に平らな面である。
【0027】
図1に示すように、リテーナ押さえ50は、手前側が相対的に外径の大きい大径部51であり、奥側が相対的に外径の小さい筒状挿入部53である。筒状挿入部53は、継手本体10の内孔内に挿入される。筒状挿入部53の外周下端部にはオネジ53Eが切られており、このオネジ53Eが、継手本体10の入口付近のメネジ11Eに螺合する。
【0028】
図1に示すように、リテーナ押さえ50の筒状挿入部53の外周と、継手本体10の内周との間には、OリングR1が介装されており、これにより水密シール性が確保されている。リテーナ押さえ50の大径部51の内側には水密パッキン55が嵌め込まれている。水密パッキン55は弾性体からなると共に、環状のヒレ部55aを有し、コルゲート管Tが挿入された際に、このヒレ部55aがコルゲート管Tの外周に密着してリテーナ押さえ50の内周との間を水密シールする(図2〜図5参照)。
【0029】
図1に示すように、リテーナ押さえ50の側壁には、同壁を横方向に貫通する貫通孔51hが形成されており、この孔51h内には、通気部材59(一例として「サンマップ(商品名)」日東電工社製)が密に嵌め込まれている。通気部材59は、高分子ポリエチレン等製の微小多孔質材から形成され、気体は通すが固体や液体は通さない性質を有する。
【0030】
図1に示すように、リテーナ押さえ50の内周下端部には、手前に向かってすぼまる内周テーパ面57が形成されている。内周テーパ面57は、後述するリテーナ40の外周テーパ面47aに押し当たる環状のテーパ面である。
【0031】
次に、リテーナ40について図7を参照して説明する。
図7(A)はリテーナ単体の平面図であり、(B)は一部断面正面図であり、(C)は(B)のA部を拡大して示す拡大断面図である。
【0032】
リテーナ40は、全体として略環状に形成されており、図7(B)に示すように、上部に形成された環状の支持部42と、この支持部42の下端に一体的に設けられた複数(この例では6つ)の爪43と、を有する。環状支持部42の外径は、リテーナ押さえ50の筒状挿入部53(図1参照)の内径よりもやや小さい。
【0033】
各爪43は、図7(A)に示すように、環状支持部42の周方向に等間隔に配置されている。各爪43は、図7(C)に示すように、環状支持部42と一体に形成された肉厚な基部47と、該基部47の下部に埋め込まれた真鍮等製(一例)の爪部材45と、を有している。環状支持部42と基部47との接続部分は弾性的に変形可能であり、これにより、各爪43の先端部が、その接続部付近を支点として径方向に回動可能(リテーナが縮拡径可能)となっている。
【0034】
各爪部材45の先端45aは、径方向内側にせり出ている。リテーナ40が自然な形状のとき(外力が加わっていない状態をいう)、各爪43の先端45aがなす円C45(図7(A)参照)の径は、コルゲート管Tの外径とほぼ同じかやや大きい程度である。
【0035】
図7(C)に示すように、基部47の外周部のおよそ上半分の領域には、上側に向かってすぼまる外周テーパ面47aが形成されている。外周テーパ面47aは、リテーナ押さえ50の内周テーパ面57に押し当たって略面接触する面である(図5参照)。外周テーパ面47aの下端には縦方向のストレート面47bが続いて形成されている。ストレート面47bの下端には、下側に向かってすぼまる下端テーパ面45bが続いて形成されている。
【0036】
次に、気密パッキン31及び耐火パッキン35について説明する。
気密パッキン31は、図1に示すように、比較的厚みのある円筒状の部材であり、一例としてNBR(ニトリルゴム)製である。気密パッキン31は内孔31hを有しており、内孔31hの内径はコルゲート管Tの外径よりもやや小さい。内孔31hの入口付近は、コルゲート管Tを挿入し易くするため、面取りされている(C面31c)。気密パッキン31の外周部上端寄りの部位には、リテーナホルダ40の脚部75(詳細下記)が係止される環状の溝31dが形成されている。
【0037】
図1に示すように、気密パッキン31の内孔31hの最奥部付近には、コルゲート管Tの先端近傍の環状凹部2c(図2参照)に係合する、環状の突起31aが形成されている。この環状突起31aは、その断面が横向きの台形であり、径方向内側にせり出ている。
なお、上述した継手本体10内の拡大リング溝13は、図1に示すように初期状態においては、この環状突起31aに対応したほぼ同じ高さのところに設けられている。
【0038】
気密パッキン31は継手本体10内で上下に摺動移動する部材である。この摺動を滑らかにするため、又は、気密パッキン31の内孔31hへのコルゲート管Tの挿通を滑らかにするため、気密パッキン31の内周及び外周(少なくとも一方でも可)にシリコンオイル等の潤滑材を塗布してもよい。
【0039】
耐火パッキン35は、図1に示すように、気密パッキン31よりも薄い環状の部材であり、気密パッキン35の上面に接して配置されている。耐火パッキン35は、一例としてNBRに膨張黒鉛を混成した材料からなる。火災等でパッキン35が高温となると、同パッキン35が膨張変形し、コルゲート管Tの外周と継手本体10の内周との間をシールする。耐火パッキン35は、リテーナホルダ70の8本の脚部75(詳細下記)に抱えられるような形態で配置されている。耐火パッキン35の上面はリテーナホルダ70のベース部73(詳細下記)の下面に略当接し、外周面は脚部75の内面に略当接している。
【0040】
図8は、リテーナホルダ70の外観斜視図である。図9(A)は図8のA−A切断線における断面図であり、図9(B)はリテーナホルダの底面図である。
リテーナホルダ70は一例として金属製であり、ベース部73を有している。図9(B)に示すように、ベース部73は全体として環状に形成されているが、一部に割り73cが入っていて、縮拡径可能となっている。ベース部73の外周付近には、外側から径方向内側に延びるスリット73aが、周方向に略等間隔に形成されている。スリット73aは隣接する脚部75(詳細下記)同士の間に1つずつ形成されている。このスリット73aが形成されていることにより、脚部75が径方向内側(図9(A)の矢印X参照)に撓み易くなっている。
【0041】
脚部75は、ベース部73の外周部に沿って周方向に等間隔に形成されている。この例では8本の脚部75が形成されている。図9(A)に示すように、各脚部75は、ベース部73の外周部から下向きに伸び出し、その下端(先端)は、気密パッキン31(図1参照)の環状の溝31dに入り込んで係止される、径方向内側に延び出した爪75aとなっている。なお、各脚部75の外周がなす円C75の径は、継手本体10内のパッキン収容部11B(図1参照)の内径よりもやや大きい。
【0042】
図9(A)に示すように、ベース部73の上面内周部にはストッパ環71が設けられている。ストッパ環71は、ベース部73の上面から上向きに立ち上がった複数の立上り片71a(この例では8つ)から構成されている。
ストッパ環71の外径C71は、自然な形状におけるリテーナ40の各爪43の先端がなす円C45(図7参照)よりやや大きい。図1に示すように、ストッパ環71は、リテーナ40の各爪43の内側にセットされる。これにより、リテーナ40の各爪43が、自然な形状よりもやや拡径した状態に弾性変形し、その状態に維持される。
【0043】
なお、リテーナホルダ70は樹脂製であってもよい。また、脚部75の数は8本に限定されるものでなく適宜変更可能である。ストッパ環71は、リテーナ40の爪43を拡径した状態に維持する役割を果たすものであれば形状は種々変更可能であり、複数の立上り片71aからなるものでなく、例えば単一の円筒状の構造部とすることもできる。
【0044】
次に、ストッパ60について説明する。
図10は、ストッパ60の外観斜視図である。図11(A)は図10のA−A切断線における断面図であり、図11(B)は平面図であり、図11(C)は底面図である。
【0045】
ストッパ60は一例として樹脂製であり、図10に示すように、略環状のベース部63を有している。ベース部63の内側には、図11(B)に示すように、径方向内側に延び出した複数の受け爪65が一体に形成されている。この例では、8つの受け爪65が周方向に略等間隔に配置されている。隣接する受け爪65の間は径方向内側から外側に向かって延びるスリット66となっている。なお、スリット66の奥はなだらかなR状となっている。
【0046】
図11(A)に示すように、受け爪65は、コルゲート管T(図2参照)の先端が当接する、径方向内側に延び出した略水平な受け面65aを有している。
受け面65aの内周部からは、縦方向下向きに延び出した内周面65bが続いて形成されている。内周面65bの下端部からは、径方向外側下向きに延び出した傾斜面65cが続いて形成されている。なお、この傾斜面65cは、後述するように、受け爪65が矢印Xb方向に回動し(図11(A)参照)、ストッパ60がストッパ収容部11A(図4参照)内に収まった際に、同収容部11Aの段部端面12dと略平行となる面である。
傾斜面65cの外周部からは、径方向外側上向きに延び出した傾斜面65dが続いて形成されている。傾斜面65dの外周部からは上向きに延び出した外周面63a(ベース部63の外周面)が続いて形成されている。
【0047】
図10に示すように、ベース部63上面の外周部付近には、各受け爪65に対応するように8つのスペーサ部61が立設されている。
図11(A)に示すように、スペーサ部61は、縦方向に延びる内周面61c及び外周面61bと、その上端に形成され、ワッシャ39(図1参照、詳細下記)の下面が当接する上面61aと、を有している。外周面61bは、ベース部63の外周面63aよりもやや外側に位置している。両外周面61b、63aは、径方向に平らな面61d(下面61d)によって繋がれ、この部分が段状となっている。スペーサ部61の内周面61cと、受け爪65の受け面65aとは、傾斜面65fによって繋がれている。
【0048】
上記のように構成されたストッパ60は、受け爪65の受け面65aを下向きに押すことで、受け爪65及びスペーサ部61が矢印Xb方向に回動しつつ、ストッパ全体として縮径可能する。具体的には、受け爪65は、その付け根付近を回動中心として下方に回動する。スペーサ部61も、その付け根付近を回動中心として、径方向内側に倒れ込むように回動する。全受け爪65及びスペーサ部61がXb方向に回動する結果、ストッパ全体が縮径する。
【0049】
再び図1を参照する。ストッパ60上にはワッシャ39(図1参照)が配置される。
ワッシャ39は、気密パッキン31よりも硬質の材料(例えば金属)からなり、その外径が筒状本体10内のパッキン収容部11Bよりやや小さく、内径がコルゲート管Tの外径よりも大きい。なお、ワッシャ39とストッパ60は一体物でもよい。
【0050】
次に、以上のような部品から構成された本実施形態のコルゲート管用差込み継手1の動作について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、コルゲート管Tが挿入される前の初期状態では、ストッパ60は、ストッパ収容部11Aには収まっておらず、その入口部分に係止されている。具体的には、ストッパ60のスペーサ部61の下面61d部分の段部が、ストッパ収容部11A入口の段部端面12aに係止された状態となっている。この状態では、ストッパ60はほぼ自然な形状(図10参照)である。
【0051】
ストッパ60の手前にはワッシャ39が配置されており、ワッシャ39の下面は、ストッパ60のスペーサ部61の上面61aに接している。仮にこの状態でワッシャ39を奥へと押し込もうとしても、スペーサ部61によって移動が阻止されているため、ワッシャ39が奥へと移動することはない。
【0052】
なお、ワッシャ39が設けられていない場合、スペーサ部61が気密パッキン31の下面に食い込んでしまう可能性があるが、本実施形態の構成では、ワッシャ39が設けられているのでそのような懸念はない。
【0053】
図1に示すように、ワッシャ39の手前には気密パッキン31及び耐火パッキン35が順に配置されている。ワッシャ39の上面と気密パッキン31の下面、及び、気密パッキン31の上面と耐火パッキン35の下面は、それぞれ互いに接している。
【0054】
耐火パッキン35の手前にはリテーナホルダ70が配置されている。リテーナホルダ70の脚部75は、耐火パッキン35及び気密パッキン31の外周面に沿って奥に延び、その先端の爪75aが気密パッキン31の外周の環状溝31dに係止されている。脚部75の外周下端側は継手本体10内のパッキン収容部11Bの内周壁に押し当っている。
【0055】
リテーナ40について見ると、リテーナ40の外周テーパ面47aと、リテーナ押さえ50の内周テーパ面57との間には隙間があいている。リテーナ40の各爪43の内側には、リテーナホルダ70のストッパ環71がセットされている。このようにストッパ環71を各爪43の内側にセットすることで、各爪43は自然な形状よりもやや拡径した状態に維持され、縮径不能となる。この状態では、各爪43の外周部は、継手本体10内のリテーナ収容部11D内に収まっている。リテーナ40が奥に移動しようとしても、各爪43の外周部のがリテーナ収容部11Dの段部端面12cに引っ掛かるので、リテーナ40が奥へ移動することはない。
【0056】
コルゲート管Tを接続するには、まず、図2に示すように継手1内にコルゲート管Tを挿入する。この際、コルゲート管Tの先端は、リテーナ押さえ50内の水密パッキン55、リテーナ押さえ50の筒状挿入部53、リテーナ40、リテーナホルダ70、耐火パッキン35、気密パッキン31、及びワッシャ39を順に通って、最奥部のストッパ60に到る。
【0057】
コルゲート管Tを挿入していく際、コルゲート管外周の環状凸部が、気密パッキン31の内孔31hの内周面に押し込まれながら摺動する。この摺動により、気密パッキン31には押し込み方向の力が加わることとなるが、ストッパ60のスペーサ部61により移動が阻止されているので、気密パッキン31及びワッシャ39が奥に移動することはない。
【0058】
図2に示すように、コルゲート管Tの先端近傍の環状凸部2dが、気密パッキン31の環状突起31aを超えるためには、比較的大きな力でコルゲート管Tを押し込む必要がある。しかしながら、本実施形態においては、継手本体10内の対応箇所(突起31aの裏)に拡大リング溝13が形成されており、環状凸部2dが環状突起31aを超える際、気密パッキン31の奥側が同溝13内で拡大できるので、コルゲート管Tをそれほど大きな力で押し込む必要はない。気密パッキン31の環状突起31aは、コルゲート管Tの環状凸部2dを超え、その手前の環状凹部2cに嵌り込む。
【0059】
次いで、図3に示すように、コルゲート管Tを図2の状態から少し押し込むと、コルゲート管Tの先端によって、ストッパ60の各受け爪65が奥に押されて、受け爪65が矢印Xb方向に回動し始める。この回動は、上述したように受け爪65の付け根付近を回動中心として行われ、受け爪65は内孔奥へと徐々に押し込まれていく。一方、ワッシャ39の下面に接していたスペーサ部61も、その付け根付近を回動中心として、径方向内側へと倒れ込むように矢印Xb方向に回動していく。
【0060】
次いで、図4に示すように、コルゲート管Tをさらに押し込むと、ストッパ60全体がさらに縮径し、スペーサ部61の下面61aがストッパ収容部11Aの入口部分(段部端面12a)から外れてストッパ60全体が同収容部11Aに押し込まれる。スペーサ部61が外れることにより、ワッシャ39、気密パッキン31、耐火パッキン35、及び、リテーナホルダ70が奥へと移動可能となる。この図3から図4の間で、リテーナホルダ70が奥へ移動可能となるときのコルゲート管先端の位置が、「内孔の奥の所定位置の手前の位置」である。
【0061】
図3から図4にかけての状態では、コルゲート管Tの挿入に併せて気密パッキン31も内孔奥へと押し込まれる。気密パッキン31が内孔奥へと押し込まれると、リテーナホルダ70も一緒に奥へと引かれて移動する。リテーナホルダ70が奥へと移動するのに伴って、リテーナホルダ70の内側に配置されていた耐火パッキン35も一緒に奥へと押されて移動する。
【0062】
リテーナホルダ70が奥に移動することにより、同ホルダ上面のストッパ環71が、リテーナ40の爪43の内側から外れる(図4参照、この時のコルゲート管の先端の位置が「内孔の奥の所定の位置」である)。これにより、各爪43が元の位置に復元し、リテーナ40が自然な形状に戻る。各爪43の先端がなす円C45の径は、リテーナホルダ70のストッパ環71の外径C71よりも小さいので、一旦外れたストッパ環71が、各爪43の内側に再度嵌り込むことはない。
【0063】
なお、ストッパ環71が各爪43の内側から外れる際、ストッパ環71の外周が各爪43の内側に摺動するので、この摩擦力により、リテーナ40にも内孔奥へと引き込もうとする力がかかる。しかしながら、リテーナ40の各爪43の外周部は、上述したように継手本体10内のリテーナ収容部11D内に収まっているので、奥へと移動しようとすると、各爪43の外周部がリテーナ収容部11Dの段部に引っ掛かる。したがって、リテーナ40は奥に移動することなく、リテーナホルダ70のみが奥へと移動してストッパ環71が各爪43の内側から外れるようになっている。
【0064】
図4の状態をより具体的に説明すると、気密パッキン31は、その下端面がワッシャ39を介して継手本体10内の段部端面12aに突き当たるまで、内孔奥へと押し込まれている。気密パッキン31の環状突起31aは、コルゲート環Tの環状凹部2cに嵌り込んだままである。気密パッキン31の環状突起31aがこのようにコルゲート管の環状凹部2cに嵌り込んでいるので、コルゲート管Tを抜き差しした際に、気密パッキン31が同コルゲート管Tに良好に追従する。また、気密パッキン31の環状突起31aがこのようにしっかりとコルゲート管Tの環状凹部2cに嵌り込んでいる場合、気密シール性が向上するという利点もある。
【0065】
図4の状態では、一例として、ストッパ60の受け爪65下側の傾斜面65cは、ストッパ収容部11Aの奥の端面12dと略平行となっている。また、両面65c、12dとの間には、一定の隙間S70が確保されている。この隙間S70は、コルゲート管Tの長さのバラツキを吸収するための隙間である。
【0066】
次いで、コルゲート管Tの施工を完了するために、図5に示すように、コルゲート管Tを手前に引き上げる。コルゲート管Tと一緒に気密パッキン31が手前に移動し気密パッキン31が手前に移動することにより、耐火パッキン35を介してリテーナホルダ70が手前に引き上げられる。リテーナホルダ70を手前に引き上げると、同ホルダ70のストッパ環71の上端が、今度は、リテーナ40下側の傾斜面45bに突き当たる。
【0067】
その後、リテーナホルダ70を徐々に引き上げていくと、ストッパ環71の上端によってリテーナ40の傾斜面45bが手前側に押されて、リテーナ40がリテーナ押さえ50に向けて押される。その結果、同リテーナの外周テーパ面47aが、リテーナ押さえ50の内周テーパ面57に徐々に押し付けられていき、これにより、リテーナ40の各爪43が徐々にすぼまっていく。図5に示すように、リテーナの外周テーパ面47aがリテーナ押さえの内周テーパ面57に略面接触した時点で、各爪43が完全にすぼまり、コルゲート管T外周の所定の環状凹部に係合する。これにより、コルゲート管Tが継手本体10内で固定される(施工完了)。
【0068】
図4から図5にかけての状態では、リテーナホルダ70が手前に移動する途中で、継手本体10内のパッキン収容部11Bに掛かっていた脚部75の下端側が、同パッキン収容部11Bから外れて径方向外側に復元し、リテーナホルダ収容部11Cに係合する。これらの収容部11B、11Cの境界は段部端面12bとなっているので、脚部75が手前側の収容部11Cに係合した後は、同ホルダ70を奥に移動させようとしても脚部75先端が段部端面12bにぶつかり、リテーナホルダ70は奥へと戻ることはない。なお、図1の初期状態では、リテーナホルダ70の脚部75の下端部はリテーナホルダ収容部11Bに掛かっているので、リテーナホルダ70の奥への移動に支障をきたすことはない。
【0069】
以上説明したような本実施形態の構成では、差込み継手1内にコルゲート管Tを挿入し、気密パッキン31及びリテーナホルダ70が奥へと押されて継手本体10内の所定位置(図4参照)まで移動し、リテーナホルダ70のストッパ環71がリテーナ40の爪43から外れた段階でリテーナ40が縮径可能となる。このような構成によれば、コルゲート管Tを継手本体10内に十分挿入していない時点で引き戻した場合には、リテーナ40が縮径することはなくコルゲート管Tが継手本体10から抜けるので、作業者は、コルゲート管の挿入が不十分であったことを知ることができる。コルゲート管Tを、再度挿入して奥まで入れて、その後、引き戻すことによりコルゲート管Tを正常に固定することができる。
【0070】
こうした仕組みを備えていない差込み継手では、コルゲート管Tを十分挿入していない時点で引き戻した場合、リテーナ40が縮径してしまい、爪43が不適正な部位に係合して接続不良となりうる可能性があった。これに対して本実施形態の差込み継手1では、コルゲート管Tを十分挿入しない限りリテーナ40は縮径しないので、そうした接続不良の発生を低減することができる。
【0071】
特には、ストッパ60の機能により、コルゲート管Tが継手本体10内の所定位置(図4参照)に達するまでは、気密パッキン31及びリテーナホルダ70の奥への移動が阻止されているので、ストッパ環71がリテーナ40の爪43から外れることもない。別な言い方をすれば、このストッパ60は、コルゲート管Tが継手本体10内の奥まで十分に挿入されたことを検出するセンサとして役割を果たしており、このセンサがコルゲート管の正常な接続に役立っている。
【0072】
また、図4、図5を参照して説明したように、本実施形態の構成によれば、コルゲート管Tを引き上げ、リテーナ40がリテーナ押さえ50に押し当って縮径した施工完了状態では、リテーナホルダ70の脚部75の下端側が、継手本体10内のパッキン収容部11Bから外れて手前側の収容部11Cに係合し、奥へ戻らないようになっている。リテーナホルダ70は、リテーナ40をリテーナ押さえ50に向けて押し付ける役目を果たす部材であるところ、これが再び内孔内奥に戻るということは、リテーナ40の縮径が解除され、コルゲート管Tの固定に緩みが生じうることを意味する。これに対して本実施形態によれば、前述の通り、接続後(施工完了状態、図5参照)はリテーナホルダ70が奥へと戻らないため、仮に接続後にコルゲート管Tが継手本体内に押し込まれたとしても、リテーナ40が拡径することはなく、コルゲート管Tの固定に緩みが生じることはない。
【0073】
なお、リテーナホルダ70としては、コルゲート管Tが所定位置まで挿入されるまではリテーナ40を拡径させた状態に維持し、所定位置まで挿入されたら(図3参照)それを解除する機能を備えていれば、図8、図9に示した形態の他にも種々変更可能である。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、図12〜図19を参照して第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手について説明する。図12〜16は、第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である。図17は、この差込み継手に用いられている継手本体の断面図である。図18は、ストッパ部材(詳細下記)の外観斜視図である。図19(A)は、図18のA−A切断線における断面図であり、図19(B)は平面図、図19(C)は底面図である。
【0075】
図12に示すように、このコルゲート管用差込み継手1′は、第1の実施形態の単一部品からなるストッパ60を、2部品からなるストッパ80に変更し、また、気密パッキン31の形状を若干変更して気密パッキン31′としたものである。さらに、これらの変更に合わせて、継手本体10′の内孔形状を一部変更している。
【0076】
気密パッキン31′は、材質及び外形は第1の実施形態の気密パッキン31(図1参照)と同じであるが、内孔31h内の最奥部付近の環状突起31aを無くしている。また、パッキン31′の下面に、後述するストップリングR2が収まる環状の溝31eが形成されている点で相違している。なお、気密パッキン31の下のワッシャ39は省略されている。
【0077】
気密パッキン31′の環状突起31aを無くしたのに合わせて、図17に示すように、本実施形態の継手本体10′では、パッキン収容部11Bの内周の拡大リング溝13(図6参照)を省略している。ストッパ収容部11A、パッキン収容部11B、リテーナホルダ収容部11C、リテーナ収容部11D、及び、メネジ11Eが形成されている点は、第1の実施形態の継手本体10と同様である。但し、本質的な相違ではないが、ストッパ収容部11Aの底面外周部に僅かなテーパ面12fが形成されている。
【0078】
本実施形態の差込み継手1′の主たる特徴部は、ストッパ80が、略環状のストッパ部材88と、その外周に取外し可能に嵌められたストップリングR2と、で構成されている点にある。
ストップリングR2は、一例としてC字型の弾性部材であり、自然な形状よりもやや拡径させられた状態で、ストッパ部材88の外周に嵌められる。ストップリングR2は図12に示すように円形断面である。
【0079】
ストッパ部材88は、図18に示すように全体として略環状に形成されており、コルゲート管T(図13参照)の先端が当接する環状の内周部83と、該内周部83の上面外周部に立設された複数のスペーサ部81と、を有している。
【0080】
図19に示すように、内周部83の上面83b及び下面83bは、一例としていずれもフラットである。下面83bの外周部は、面取りされてC面83cとなっている。内周部83の外径C83は、継手本体10′内のストッパ収容部11Aの内径よりやや小さい。
【0081】
スペーサ部81は、この例では8つ設けられており、周方向に略等間隔に配置されている。スペーサ部81は、具体的には図19(A)に示すように、内周部上面83aから立ち上がった立上り部81aと、その上部から径方向外側に延び出した鍔片81bと、を有している。
【0082】
立上り部81aの根本外側にはR部84aが形成されている。同様に、立上り部81aと鍔片81bとの内角部にもR部84bが形成されている。特に限定されるものではないが、鍔片81bの外周部がなす円C84の径は、内周部83の外径C83(ストッパ収容部11Aの内径にほぼ同じ、図12参照)よりもやや大きい。
【0083】
次に、以上のような部品から構成された本実施形態のコルゲート管用差込み継手1′の動作について図12〜図16を参照して説明する。
【0084】
図12に示すように、コルゲート管Tが挿入される前の初期状態では、ストッパ部材88がストッパ収容部11Aの入口部分に係止されている。具体的には、ストッパ部材88の各立上り部81aを取り込むように、同立上り部81aの外側にストップリングR2がやや拡径させられた状態で嵌められている。なお、このようにストップリングR2を嵌めたとしても、立上り部81aは径方向内側に大きく曲がることなく、ほぼ自然な形状を維持している。
【0085】
気密パッキン31′は、ストッパ部材88の直ぐ上に配置されており、この例では、気密パッキン31′の下面がストッパ部材88の鍔片81bの上面に接している。図12(B)に示すように、ストップリングR2の断面中心Rxは、ストッパ収容部11Aの内周壁よりも外側にあり、段部端面12a上に位置している。
【0086】
図12(B)に示すように、鍔片81bの外周端81tは、ストップリングR2の断面中心Rxよりも外側に位置している。仮にこの状態で、気密パッキン31′に押込み方向(下向き)の力が加わったとしても、その力は、鍔片81b及びストップリングR2を介して、継手本体10′内の段部端面12aに垂直に作用する。この場合、ストップリングR2を拡径させる横向きの分力は生じないので、ストップリングR2が拡径することはない。
【0087】
次いで、図13に示すようにコルゲート管Tを継手1′内に挿入する。この際、コルゲート管Tの先端は、リテーナ押さえ50内の水密パッキン55、リテーナ押さえ50の筒状挿入部53、リテーナ40、リテーナホルダ70、耐火パッキン35、及び気密パッキン31′を順に通って、最奥部のストッパ部材88に到る。コルゲート管Tを挿入していく際、コルゲート管外周の環状凸部が気密パッキン31′の内孔31hの内周面に摺動する。この摺動により、気密パッキン31′には押し込み方向の力が加わることとなるが、ストッパ部材88及びストップリングR2により移動が阻止されているので、奥に移動することはない。
【0088】
次いで、図14に示すように、コルゲート管Tを図13の状態から少し押し込むと、コルゲート管Tの先端がストッパ部材88の内周部83の上面に当接して、同ストッパ部材88全体が奥に押される。このように、ストッパ部材88が奥に移動しようとすると、図13(B)に示すように鍔片81bの下面外周部寄りの位置に、ストップリングR2からの反力が上向きに作用することとなる。この力は、鍔片81b及び立上り部81aを径方向内側(矢印Xc参照)に曲げようとする曲げ荷重として作用する。これにより、立上り部81a及び鍔片81bが一体的に径方向内側にやや曲がり、その結果、立上り部81aの外側に嵌められていたスリップリングR2が、一時的に拡径して鍔片81bの外周部を乗り越え、ストッパ部材88から外れることとなる。
【0089】
こうしてストップリングR2が外れることにより、ストッパ部材88が継手本体10′内奥のストッパ収容部11A内へと移動可能となり、コルゲート管Tの挿入と共に同ストッパ部材88がストッパ収容部11A内へと徐々に押し込まれていく。
【0090】
上記工程(図14参照)でストッパ部材88から外れたストップリングR2は継手本体10′の段部端面12aのところに留まっている。この状態では、ストップリングR2はストッパ部材88の鍔片81bによってやや押し拡げられている。図14から図15の状態にかけて、気密パッキン31′を奥へと徐々に押し込んでいくと、ストップリングR2は、同パッキン31′の下端面の環状の溝31e内に徐々に入っていく。
【0091】
図14から図15の状態にかけて、気密パッキン31′が内孔奥へと押し込まれると、第1の実施形態同様、リテーナホルダ70も一体に奥へと移動する。リテーナホルダ70が奥へと移動するのに伴って、同ホルダのストッパ環71がリテーナの爪43から外れ、リテーナ40が縮径可能となる。
【0092】
コルゲート管Tをさらに押し込むと、図15に示すように最終的には、気密パッキン31′は、その下端面が内孔内の段部端面12aに当接まで押し込まれる。また、ストッパ部材88は、コルゲート管Tの先端により押されて、その下端面83bがストッパ収容部11Aの奥の端面12dに当接する位置まで押し込まれる。
【0093】
こうして気密パッキン31′が最奥部まで押し込まれると、ストップリングR2の全体が、同パッキン31′の環状の溝31e内に収まる。ストップリングR2は、ストップ部材88の鍔片81bによりやや押し拡げられた状態で、環状の溝31e内に入っていき、溝31eに収まった状態で、溝31eの内周面を径方向内側に付勢する。この付勢により、気密パッキン31′がコルゲート管Tの外周に密に押し当てられることとなる。
【0094】
次いで、図16に示すように、第1の実施形態同様、コルゲート管Tの施工を完了するためにコルゲート管Tを手前に引き上げる。すると、気密パッキン31′及びその一部に収まったストップリングR2も一緒に手前に移動する。この例では、ストップ部材88はストッパ収容部11A内に残る。
【0095】
それ以外の部品の動作は第1の実施形態と同様であり、リテーナホルダ70が手前に移動し、それに伴って、リテーナ40が手前に引き上げられ、リテーナ40のテーパ面47aとリテーナ押さえ50のテーパ面57とが係合することにより、各爪43がすぼまって、コルゲート管Tが継手本体10′内で固定され、施工が完了する。
【0096】
以上説明したような第2の実施形態の構成によれば、継手本体内にリテーナホルダ70が設けられているので、コルゲート管Tを所定位置まで押し込んではじめてリテーナ40が縮径可能となるという、第1の実施形態同様の作用効果を得ることができる。
また、施工完了時にはストップリングR2により気密パッキン31′がコルゲート管Tに向けて押し付けられるようになっているので(図15参照)、気密パッキン31′のシール性をより向上させることができる。
【0097】
(第3の実施形態)
本発明はコルゲート管用差込み継手に限らず、ガス栓等にも適用することが可能である。ここで、ガス栓とは、ガスの配管同士を相互接続すると共に、その接続状態を切り替える栓体を備えたものである。以下、ガス栓の一例について説明する。
【0098】
ガス栓は、例えば真鍮等で構成された筒状の本体を備えている。この本体の両端部がそれぞれ接続部となっており、一方の接続部にはガスの元管(又は、そこから引き出された配管)が接続され、反対側の接続部には、ガス機器に繋がるコルゲート管が接続される。この本体の長さ方向ほぼ中央には、本体内部のガス流路を開閉する栓体が取り付けられている。
【0099】
栓体は、一例として、ガス流路を横切るように配置された柱状部材であり、ガス流路に連通する横孔を有している。また、栓体は、作業者によって操作されるハンドルに接続されている。ハンドルを操作して栓体を回し、同栓体の横孔をガス流路の方向に一致させることで、ガス流路が開放状態となり、ガスの元管とガス機器とが相互接続される。一方、栓体を回し、同栓体の横穴がガス流路に連通しない状態とすることで、ガス流路が閉塞状態なり、ガスの元管とガス機器との接続が遮断される。
【0100】
このようなガス栓において、その筒状の本体の一端及び/又は両端に、上記実施形態で説明したような本発明に係る差込み継手を一体的に組み込むことができる。この場合、本体端部の筒状の部分が上記実施形態にいう継手本体10、10′(図3、図12参照)ということになる。その内部に配置される部品(気密パッキン31、リテーナ40、リテーナホルダ70、及びストッパ60等)は、上記実施形態と同様の配置とすることができる。このように本発明をガス栓に適用した場合においても、上記実施形態同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図であり、コルゲート管を継手本体の内孔の奥まで挿入した状態を示している。
【図3】第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図であり、図2の状態からコルゲート管をさらに挿入した状態を示している。
【図4】第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図であり、コルゲート管をさらに挿入し、ストッパが内孔の奥に押し込まれた状態を示している。
【図5】第1の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図であり、コルゲート管を引き上げ、コルゲート管が継手内に接続された状態(施工完了状態)を示している。
【図6】継手本体の断面図である。
【図7】図7(A)はリテーナ単体の平面図であり、図7(B)は一部断面正面図であり、図7(C)は(B)のA部を拡大して示す拡大断面図である。
【図8】リテーナホルダの外観斜視図である。
【図9】図9(A)は図8のA−A切断線における断面図であり、図9(B)はリテーナホルダの底面図である。
【図10】ストッパの外観斜視図である。
【図11】図11(A)は図10のA−A切断線における断面図であり、図11(B)は平面図であり、図11(C)は底面図である。
【図12】第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である(初期状態)。
【図13】第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である。
【図14】第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である。
【図15】第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である。
【図16】第2の実施形態のコルゲート管用差込み継手の断面図である(施工完了状態)。
【図17】継手本体の断面図である。
【図18】ストッパ部材の外観斜視図である。
【図19】図19(A)は、図18のA−A切断線における断面図であり、図19(B)は平面図、図19(C)は底面図である。
【図20】ガス配管及び本発明に関連する差込み継手の用途を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0102】
1・・・差込み継手、2a・・・フレキシブル管、2b・・・被覆チューブ、2c・・・環状凹部
5・・・ボディ、10、10′・・・継手本体、10A・・・本体部、10B・・・接続部
11A・・・ストッパ収容部、11B・・・パッキン収容部、11C・・・リテーナホルダ収容部、11D・・・リテーナ収容部、11E・・・メネジ、12a〜12d・・・段部端面、13・・・拡大リング溝
31、31′・・・気密パッキン、31c・・・C面、環状突起・・・31a、31d・・・溝、31h・・・内孔
35・・・耐火パッキン、39・・・ワッシャ
40・・・リテーナ、42・・・支持部、43・・・爪、45・・・爪部材、45b・・・テーパ面、47・・・基部、47a・・・外周テーパ面
50・・・リテーナ押さえ、51・・・大径部、51a・・・パッキン溝、53・・・筒状挿入部、53E・・・オネジ、53h・・・貫通孔、55・・・水密パッキン、57・・・内周テーパ面、59・・・通気部材
60・・・ストッパ、61・・・スペーサ部、63・・・ベース部、65・・・受け爪、65a・・・受け面、66・・・スリット
70・・・リテーナホルダ、71・・・ストッパ環、73・・・ベース部、73a・・・スリット、75・・・脚部、75a・・・爪
80・・・ストッパ、81・・・スペーサ部、81a・・・立上り部、81b・・・鍔片、83・・・内周部、88・・・ストッパ部材
R1・・・Oリング、R2・・・ストップリング、S70・・・隙間、T・・・コルゲート管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体
と、
前記継手本体の内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
前記内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、
前記継手本体の内孔入口側に取り付けられた、前記リテーナが前記継手本体から抜け出すのを防止すると共に、前記リテーナを縮径させるリテーナ押さえと、
を備えるコルゲート管用差込み継手であって、
前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥に達するまでは、前記気密パッキンが奥に移動するのを阻止し、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥に達した段階で、前記気密パッキンが奥に移動可能となるストッパをさらに備えることを特徴とするコルゲート管用差込み継手。
【請求項2】
前記ストッパは、
前記コルゲート管よりも大径の略環状のベース部と、
該ベース部から、径方向内側に張り出した、前記コルゲート管の先端が当接する受け爪と、
前記ベース部から手前に延び出したスペーサ部と、
を有するものであって、
前記コルゲート管を挿入する前の初期状態においては、前記スペーサ部が前記継手本体の前記内孔奥の段部端面と前記気密パッキンとの間に挟まれた状態で、前記ストッパが前記内孔の最奥部よりやや手前に配置されており、
前記コルゲート管を挿入すると、該コルゲート管の先端によって前記受け爪が奥に押され、該受け爪が内側に倒れ込むようにストッパ全体が縮径し、この縮径により前記スペーサ部が前記段部端面から外れ、前記ストッパが内孔の最奥部に押されて移動することを特徴とする、請求項1に記載のコルゲート管用差込み継手。
【請求項3】
外周に環状の凹凸が形成されたコルゲート管が挿入される内孔を有する筒状の継手本体
と、
前記継手本体の内孔内に配置され、前記コルゲート管の外周面に密着する気密パッキンと、
前記内孔内に配置された、拡縮径可能であって縮径時に前記コルゲート管の環状凹部に係合する爪を有するリテーナと、
前記継手本体の内孔入口側に取り付けられた、前記リテーナが前記継手本体から抜け出すのを防止すると共に、前記リテーナを縮径させるリテーナ押さえと、
を備えるコルゲート管用差込み継手であって、
さらに、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定の位置まで挿入されるまでは、前記リテーナの爪と係合して該リテーナを拡径した状態に維持し、前記コルゲート管の先端が前記内孔の奥の所定の位置まで挿入された段階で前記爪との係合が解かれて前記リテーナの縮径を可能とするリテーナホルダを備えることを特徴とするコルゲート管用差込み継手。
【請求項4】
前記リテーナホルダが前記リテーナの奥に配置されており、
前記コルゲート管の先端を前記内孔の奥の所定の位置まで挿入した後に、手前に引いた場合に、前記リテーナホルダが奥に移動した後に手前に移動して、前記リテーナを前記リテーナ押さえに向けて押し、これにより前記リテーナが縮径して前記コルゲート管の環状凹部に係合して前記コルゲート管が前記継手本体内に固定されることを特徴とする、請求項3に記載のコルゲート管用差込み継手。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−137185(P2012−137185A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54007(P2012−54007)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2007−104484(P2007−104484)の分割
【原出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000106298)株式会社サンコー (39)
【Fターム(参考)】