説明

コンクリートのような混合物を製造する方法。

【課題】 本発明は、別々の成分を混合することなしにコンクリートのような良質で均一な混合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】 コンクリートの例では、セメント、砂利、砂および水の成分は、測定され、そして別々の空気圧ホースのような別々の送出し手段を使用して使用箇所へ別々に送出される。各成分の流量または送出量が、測定され、そして別々に制御され、個々の送出し手段の個々の送出し手段の出力物は、コンクリートが敷設されようとする共通の使用箇所で同時に合流する。これらの成分の比は、混合物を特定の用途に適合させるために調整され得る。これらの成分は、使用箇所で初めて合流して混合し、前混合が行なわれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートのような混合物を製造する方法に向けられており、例の関係で混合物としてコンクリートを使用して説明されるが、いずれの混合物に対しても用途を有している。
【背景技術】
【0002】
通常、セメントコンクリートは、セメント、砂、砂利および水のようないくつかの異なる種類の成分よりなり、これらの成分の各々は、異なる比重を有している。また、良好な品質のコンクリートは、製品全体にわたって均一に分散されて混合されたこれらの成分のすべてを有しなければならない。かくして、良好なコンクリートを製造するために、成分は、通常、コンクリートが敷設される前にコンクリートミキサを使用して絶えず混合されなければならない。
【0003】
しかしながら、混合は、それ自身の一連の付随問題を有している。一例として、例えば、現場が高い、遠い、或いはミキサから届き難いときなど、ミキサから現場までの輸送中、コンクリートの均一性を保つのが困難である。何故なら、成分が分離し、混合物がその均一性を失うからである。また、工場において精密コンクリートのような良質のコンクリート製品を得るために、コンクリートの良好な混合が必要である。しかしながら、セメント−水混合物は、跳ね返り、周囲の物体に付着するので、作業所をきれいに保つのが困難である。更に、混合物が乾燥すると、周囲の物体を清浄するようにこの混合物を掻き取るのが困難である。これらの問題は、成分の混合後、特に、水が混合された後に起こる。下記の米国特許(これらは参照によりここに組み入れられる)に論述されているような、コンクリートを製造するために砂利、砂、セメントおよび水の成分を混合するための種々の方法が提案されている。
【0004】
チェスジュニアの米国特許第5,597,120号は、流動化室300、次いで単一のノズルへ次々に流れる別々のホッパー内の乾燥および含水成分の使用に関している。
【0005】
ウエスブロッドの米国特許第4,298,288号は、成分を単一の混合室46へ送出す別々の供給手段を備えた個々の成分区画室に関している。
【0006】
クレインへダー等の米国特許第6,224,250号は、混合のためにブレンダー50へ移行する個々の成分用の別々のタンクおよびポンプに関している。
【0007】
ベッスルの米国特許第2,809,866号は、使用箇所で水と混合される混合セメント/砂を保持するための均一ミキサ(第2欄、25行目およびそれ以降を参照)に関している。
【0008】
ドハーティの米国特許第4,792,234号は、ミキサを有する可搬性のコンクリートバッチプラントに関している。
【0009】
コーンウエルの米国特許第4,390,371号は、諸成分を受入れ、そしてそれらを混合してセメント製品にする静的ミキサに関している。
【0010】
マークフェルト等の米国特許第3,881,656号は、乾燥材料および水を分散前に混合するための混合装置に関している。
【0011】
バブコックの米国特許第5,219,222号は、諸成分を混合するための混合塔に関している。
【0012】
これらの引例のどれも、使用現場へ成分のすべて直接の送出を前混合なしで別々に且つ制御可能な割合/比で行なう混合方法または装置を示していないものと思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、成分が集合された後にコンクリートのような多成分混合物の混合、移送および注入を回避し、それでもコンクリート中の成分の均一性を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、混合方法のような、良質で非常に均一な製品混合物を製造する上方を提供する。
【0015】
均一性は、製品から採取される所定量に諸成分が如何に一様に存在するかを説明する概念である。かくして、均一性は、相対概念であり、且つ試験体の大きさに関連付けられる。一般には、試験される試料体が小さければ小さいほど、製品中の成分の高い均一性を達成するのが困難になる。
【0016】
かくして、逆に、小さい単位で成分の混合物を製造すれば、製品中の成分の高い均一性を達成することができる。
【0017】
実際に、コンクリート製品における高い均一性の目的を達成するために、例えば、各成分用の別々の空気圧コンベヤホースのような適切な手段を使用してセメント、砂利、砂および水のような成分を、別々にコンクリートを敷設する箇所まで移送することができる。ここで、ホースの排出端部のところで成分の量の比が常に一定であるように、各成分が、ホースの始点で測定され、異なる成分が、夫々のホースの端部に同時に達する。かくして、ホースにおける諸成分の流れは、材料および特定の状況の要件に応じて連続的でも、或いは断続的でもよい。
【0018】
本発明によれば、成分の各々を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、送出すことを備えている多成分混合物を使用現場に供給するための方法が提供される。
【0019】
また、本発明は、コンクリート成分を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、供給することを備えている均一なコンクリートを使用現場に供給するための方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明によれば、成分の各々を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、送出すことを備えている多成分混合物を使用現場に供給するための方法が提供される。
【0021】
多成分混合物は、コンクリートであってもよく、諸成分は砂利、砂、セメントおよび水を含む。
これらの別々の成分は、別々の供給ホースにより供給されてもよい。
別々の成分は、夫々の成分が送出される圧力を制御することによって制御可能な割合で供給され得る。
これらの成分は、連続法または断続法で供給される。
制御可能な割合は、調整可能であってもよい。
また、本発明は、コンクリート成分を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、供給することを備えている均一なコンクリートを使用現場に供給するための方法を提供する。
これらのコンクリート成分は、砂利、砂、セメントおよび水を含んでもよく、制御可能な割合は、調整可能であってもよい。
【0022】
本発明は、別々の成分を前混合することなしにコンクリートのような良質の均一な混合物を製造する方法を提供する。コンクリートの例では、セメント、砂利、砂および水の諸成分が、計量され、そして別々の空気圧ホースのような別々の送出し手段を使用して別々に使用現場へ送出される。各成分の流量または送出量は、測定され、そして別々に制御され、個々の送出し手段の出力物は、コンクリートが敷設されようとする共通の使用現場で同時に合流する。これらの成分の比は、混合物を特定の用途に適合させるために調整され得る。これらの成分は、使用現場で初めて合流して混合し、前混合が行なわれない。
【0023】
単位時間で注入される混合物の量は、非常に短い時間間隔で注入される成分の量と、注入される成分の速度との積であると考えられることができる。
【0024】
より正確には、図1を参照して、それぞれ4つの成分A、B、CおよびDを有する場合を考察する。
符号εは、対応するホースの一部に現われる成分の粒子または領域の数であり、iは、A、B、CおよびDのうちの1つである。
符号Δは、測定されてホースにより移送される成分A、B、CおよびDの単位量の最も大きい長さである。
生成物における諸成分の均一性は、ε×Δ、ε×Δ、ε×Δ、ε×Δにおける成分の量の一定比により達成されることができる。すなわち、4つの数字、ε×Δ、ε×Δ、ε×Δ、ε×Δの比が注入作用において一定に保たれるかぎり、ホースの諸部分の面積および成分の移送速度を変えても、諸成分の均一性が達成されることができる。かくして、このようにして成分A、B、CおよびDを注入することにより、小さい単位で成分の混合物を製造するのと同じ効果をもたらす。
【0025】
また、単位時間で生じられるコンクリートまたは混合物の量は、空気圧コンベヤの移送速度を速めることにより、および/またはε、ε、εおよびεを、それらの比を変更することなしに大きくすることにより、増大されることができる。このように、生成物の
任意の部分から採取されたコンクリートの単位量における各成分の量は一定であり、従って、成分の比もまた、生産性を損失することなしに一定である。
【0026】
また、ホースが、成分の供給源からコンクリートが敷設されようとする箇所に達することができるかぎり、任意の場所で良質のコンクリートを製造することができる。かくして、混合された均一のコンクリートを供給する目的は、成分の前混合なしで達成されることができる。
また、この方法でコンクリートの注入作用を全く正確に制御することができる。この方法を、連続注入作用での大型構造体の構築だけではなく、小さいコンクリート製品の製造にも適用することができる。
【0027】
本発明の方法の最も基本的な適用は、幾つかの異なる成分を同時に注入することであるが、必要であれば、材料を注入する順序を決めることもでき、これは、成分を予め混合することによりコンクリートを製造する従来の方法ではなされることができない。この方法を、連続注入作用での大型の構造体の構築だけではなく、小さいコンクリート製品の製造にも適用することができる。
【0028】
図2は、別々の供給管路を通して制御可能な割合または比で末端の右側にボックスにより表される使用現場箇所まで送出されている成分A(砂利または石)、成分B(砂)、成分C(セメント)および成分D(水)を示している。これらの別々の成分は、それらの使用箇所の前に混合されない。これらの成分が制御可能な割合および流量で使用箇所まで送出されるので、前混合が必要とされず、周囲の物体への跳ね掛けが回避される。各成分の割合および供給量は、コンベヤ機構などの送り速度、図2に左側にボックスにより示されるように材料に及ぼされる圧力、コンベヤ機構または供給管の大きさ、または当業者に公知な他の手段の大きさにより制御されてもよい。間隔Iは、成分の比およびコンベヤの速度により定められる。
【0029】
コンクリートを例として使用して本発明を説明したが、この方法は、成分の均一性を必要とする同様な製造にも適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による混合物用の4つの成分の概略図である。
【図2】コンクリートを製造するための(1)石または砂利、(2)砂、(3)セメントおよび(4)水の4つの成分を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分混合物を使用現場に供給するための方法であって、成分の各々を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、送出すことを具備している方法。
【請求項2】
前記多成分混合物は、コンクリートであり、成分は、砂利、砂、セメントおよび水を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
別々の成分は、別々の供給ホースにより供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
別々の成分は、夫々の成分が送出される圧力を制御することにより制御可能な割合で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
成分は、連続法で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
成分は、断続法で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
制御可能な割合は、調整可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
均一なコンクリートを使用現場に供給するための方法であって、コンクリート成分を前混合なしに別々に且つ他の成分に対して制御可能な割合で使用現場に直接、供給することを具備している方法。
【請求項9】
成分は、砂利、砂、セメントおよび水を含んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
制御可能な割合は、調整可能である、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−524779(P2007−524779A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509354(P2006−509354)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/009330
【国際公開番号】WO2004/092091
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(500300260)
【出願人】(500300271)
【出願人】(500300282)
【Fターム(参考)】