説明

コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠、およびその製作用鋼製型枠を用いたコンクリート製底枠の製作方法、並びにその製作方法によって製作されたコンクリート製底枠

【課題】可及的安価に構成し得て最終的に製造するシールドトンネル用コンクリートセグメントの製造コストの低減化が図れる、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を提供する。
【解決手段】A,B1,B2,K型の4種のコンクリートセグメントを製造する型枠の底枠を、コンクリートで製作する為の鋼製型枠であり、該セグメントの内周面と一致する凹状円弧面を有する底板と、該底板の四周の端面に固定される側板と端板とを有し、該底板には、平面視で、K型セグメントに合致した等脚台形状のK型対応用基準底板1022と、2角が直角で1辺がK型対応用基準底板の斜辺に一致する台形状のB型対応用第1基準底板1024と、該B型対応用第1基準底板と対称な台形状のB型対応用第2基準底板1026との3種が用意される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状の異なるA型,B1型,B2型,K型の4種からなる1リング分のシールドトンネル用コンクリートセグメントを製造するにあたって、その各種セグメントの製造用型枠における底枠をコンクリートで製作するための技術に係わり、特に、当該コンクリート製底枠を製作するための鋼製型枠、及び当該鋼製型枠を用いて製作する底枠の製作方法、並びに当該製作方法により製作されたコンクリート製底枠に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シールドトンネルに用いるコンクリート製セグメントを製造するにあたっては、組み立て解体が自由に行えて繰り返し転用が可能な鋼製型枠が多用されているが、当該鋼製型枠はその底枠を打設コンクリートの重量や締め固め時の振動等に耐え得るように頑強に製作しなければならないので、その製作費は嵩んでしまい高価なものとなってしまう。このため、コンクリート製セグメントを大量に製造する必要があって当該鋼製型枠を多数用意しなければならない場合には、その生産コストが非常に高くなってしまうという課題があった。
【0003】
そこで、その鋼製型枠のコストダウンを目的として、底枠にコンクリート製のものを採用するようにした技術が、例えば特開2000−326319号公報等にて提案されている。
【0004】
即ち、当該提案の型枠にあっては、先ず、製造するコンクリートセグメントの内周側成型面に対応する面が上面に形成された鋼製の基準型枠を製作し、この基準型枠に硬練りコンクリートを投入して底枠を成型する。次に、基準型枠から脱型された底枠を反転させ、基準型枠の上面に合致する面を上側に向けて配置する。爾後、この底枠の上面に沿って鉄板を張り付けた後、コンクリートセグメントの外周側成型面が形成された側枠を底枠に連結する。そして、これら底枠と側枠とによって区画形成されたコンクリート打設空間内に流動コンクリートを充填し、養生後、脱型してコンクリートセグメントを得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−326319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シールドトンネルでは、図1に示すように、1リング分の複数のセグメントをトンネル掘削孔の内周面に沿って円環状に組み立てて覆工体1として設置するが、その組み立てを容易にするために、当該セグメントにはその形状が異なるA型セグメント2,B1型セグメント3,B2型セグメント4,K型セグメント5の4種類のものが使用されるようになっている。
【0007】
即ち、同図に示すように、1リング分のセグメントにおいてその上部部位に配置されるK型セグメント5は、その両側に先行して配設されたB1型セグメント3とB2型セグメント4との間に、トンネル軸方向や半径方向から挿入されて最後に設置されるようになっている。ここで、図2は図1の内周面を展開して示しているが、当該K型セグメント5はその挿入設置を容易にするために、その形状は展開状態の平面視で底角が鋭角な台形状、この図示例では等脚台形形状とされている。また、これに対応されてその一側に先行配置されるB1型セグメント3は2角が直角で1辺が該K型基準底板の一方の斜辺部に一致する台形状をなし、B2型セグメント4は2角が直角で1辺が該K型基準底板の他方の斜辺部に一致する台形状をなしている。なお、この図示例では、K型セグメント5が等脚台形状をなしているので、B1型セグメント3とB2型セグメント4とは相互に対称な台形形状(2角が直角な台形形状)となっている。そして、B1型セグメント3とB2型セグメント4よりも下方に設置されるA型セグメント2は、その展開状態の平面視形状が矩形となっている。
【0008】
つまり、図1に示すように、1リング分の覆工体1は、A型セグメント2を下部から所定数配設した後、その両側部にB1型セグメント3とB2型セグメント4とを配置して、最後にそれらB1型セグメント3とB2型セグメント4との間にK型セグメント5をトンネル軸方向若しくは半径方向から嵌合挿入して形成するようになっている。
【0009】
そして、当該1リング分の覆工体1はシールドトンネルの掘進に伴わせて設置していくことになるので、当該シールドトンネルの構築にあたっては、その掘進速度に合わせて遅滞させることなく効率よくA型,B1型,B2型,K型からなる4種の各セグメント2,3,4,5を同時進行させて製造していくことが要求されている。即ち、これら4種のセグメント2,3,4,5をコンクリート製となして上記掘進速度に合わせて製造するためには、それら4種の各セグメント2,3,4,5毎に複数の製造用型枠を用意して、それぞれに繰り返し転用しながら製造し続けていくことになる。
【0010】
ところが、その製造に際して、それらの製造用型枠を鋼製のものにしてその数が増えてしまうと、その総製作費用は更に嵩んだものとなってしまう。そこで、前述した従来の提案例のように、コンクリートセグメント製造用型枠の底枠をコンクリート製のものにして、そのコストの低減化を図ることが有用となる。
【0011】
即ち、当該コストの低減化を図るためには、A型セグメント2、B1型セグメント3、B2型セグメント4、K型セグメント5のそれぞれの内周側成型面の円弧形状及び外形形状に対応した上面を有する4種類のコンクリート製の底枠をそれぞれ複数ずつ製作することになる。
【0012】
しかしながら、それら4種類の底枠をコンクリート製とするためには、更にそれらを製作するための型枠が別途に個別に必要となってしまうので、底枠をコンクリート製にすることによるコスト低減効果は薄れてしまうことになる。これ故、コンクリート製底枠の採用を実用化するためには、そのコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を可及的に安価に構成し得る技術の開発が望まれている。
【0013】
本発明は以上のような事情に鑑みて創案されたものであり、その目的は、可及的安価に構成し得て、最終的に製造するコンクリートセグメントの製造コストの低減化が図れる、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠、及び当該製作用鋼製型枠を用いたコンクリート製底枠の製作方法、並びに当該製作方法によって作成されるコンクリート製底枠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、A型,B1型,B2型,K型の4種からなる1リング分の複数のシールドトンネル用コンクリートセグメントを製造するための製造用型枠における底枠を、コンクリートで製作するための底枠の製作用鋼製型枠であって、該各種セグメントの内周面と同一の凹状円弧面を有する底板と、該底板の四周の端面に立設固定される一組の側板並びに一組の端板とを有し、該底板には、それぞれ平面視で、K型セグメントの内周面に合致した底角が鋭角な台形状をなすK型対応用基準底板と、2角が直角で1辺が該K型基準底板の一方の斜辺部に一致する台形状をなすB型対応用第1基準底板と、2角が直角で1辺が該K型基準底板の他方の斜辺部に一致する台形状をなすB型対応用第2基準底板との少なくとも3種が用意され、該端板には、該B型対応用第1基準底板における2つの平行辺に対して直交する直交辺部に対応したB型対応用第1直交辺部端板と、該B型対応用第1基準底板の斜辺部に対応したB型対応用第1斜辺部端板と、該B型対応用第2基準底板における2つの平行辺に対して直交する直交辺部に対応したB型対応用第2直交辺部端板と、該B型対応用第2基準底板の斜辺部に対応したB型対応用第2斜辺部端板との少なくとも4種が用意されている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2に示す発明は、前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記底板には、前記3種の他に更に平面視矩形状をなす矩形基準底板が用意されている、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に示す発明は、前記請求項1または2のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記K型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記K型対応用基準底板を単独で用い、前記端板には、前記B型対応用第1斜辺部端板とB型対応用第2斜辺部端板とを用いる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に示す発明は、前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部同士を突き合わせて用い、前記端板には、前記B型対応用第1斜辺部端板と前記B型対応用第2直交辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項5に示す発明は、前記請求項2に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記B型対応用第1基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの直交辺部同士を付き合わせて用い、前記側板には、前記A型対応用側板を用い、前記端板には、前記B型対応用第1直交辺部端板とB型対応用
第1斜辺部端板とを用いる、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6に示す発明は、前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分同士を突き合わせて用い、 前記側板には、前記A型対応用側板を用い、前記端板には、前記B型対応用第2斜辺部端板と前記B型対応用第1直交辺部端板とを用いる、ことを特徴とする。
【0020】
請求項7に示す発明は、前記請求項2に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記B型対応用第2基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの対応する直交辺部同士を突き合わせて用い、前記側板には、前記A型対応用側板を用い、前記端板には、B型対応用第2斜辺部端板とB型対応用第2直交辺部端板とを用いる、ことを特徴とする。
【0021】
請求項8に示す発明は、前記請求項1または2のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、前記A型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、前記底板には、前記K型対応用基準底板とB型対応用第1基準底板とB型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部同士を突き合わせて用い、前記側板には、前記A型対応用側板を用い、前記端板には、前記B型対応用第1直交辺部端板とB型対応用第2直交辺部端板とを用いる、ことを特徴とする。
【0022】
請求項9に示す発明は、前記請求項1または2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記K型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、前記底板にK型対応用基準底板を単独で用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分に前記B型対応用第1斜辺部端板と前記B型対応用第2斜辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、該コンクリート打設空間内にコンクリートを打設し、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する工程と、該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、を経てコンクリート製底枠を得る、ことを特徴とする。
【0023】
請求項10に示す発明は、前記請求項1に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分には前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分にはB型対応用第1斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分にはB型対応用第2直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、該コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する工程と、該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、を経てコンクリート製底枠を得る、ことを特徴とする。
【0024】
請求項11に示す発明は、前記請求項2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、前記底板に、前記B型対応用第1基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの直交辺部を付き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分には前記B型対応用第1斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分にはB型対応用第1直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、該製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外して該コンクリート製底枠を脱型する工程と、を経てコンクリート製底枠を得る、ことを特徴とする。
【0025】
請求項12に示す発明は、前記請求項1に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分同士を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分には前記B型対応用第2斜辺部端板を組み付け、該底板の直交辺部分には前記B型対応用第1直交辺部端板を組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、該製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、を経て該コンクリート製底枠を得る、ことを特徴とする。
【0026】
請求項13に示す発明は、前記請求項2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、前記底板に、前記B型対応用第2基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分にB型対応用第2斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分に前記B型対応用第1直交辺部端板を組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、該コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、該打設コンクリートの養生後に、該側板と端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、を経てコンクリート製底枠を得る、ことを特徴とする。
【0027】
請求項14に示す発明は、前記請求項1または2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、前記A型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、 前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な長辺側の二辺部分には前記側板を組み付けるとともに、該底板の短辺側の二つの直交辺部分には前記B型対応用第1直交辺部端板と前記B型対応用第2直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート打設空間を形成する底枠の製作用鋼製型枠の組み立て工程と、該コンクリート打設空間内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する底枠のコンクリート打設形成工程と、該打設コンクリートの硬化および養生後に、該側板と端板とを取り外して底枠を脱型する脱型工程と、を経てコンクリート製下型を得る、ことを特徴とする。
【0028】
請求項15に示す発明は、前記請求項9〜14のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法によって製作されたことを特徴とする。
【0029】
請求項16に示す発明は、前記請求項15に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠であって、該底枠には、その周側面の上縁に沿って鋼製の帯板が一体的に周回されて設けられている、ことを特徴とする。
【0030】
請求項17に示す発明は、前記請求項16に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠であって、前記鋼製の帯板は、前記コンクリート製底枠の打設形成時にその製作用鋼製型枠内に予めインサートされて該底枠に一体化されて設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
A型,B1型,B2型,K型の4種からなる1リング分のコンクリートセグメントを製造するにあたって、それら4種のコンクリートセグメントの製造用型枠におけるコンクリート製底枠をコンクリートで製作するようにすると、当該底枠を製作するための鋼製型枠の底板には、その形状が異なる4種類のものが必要になるが、本発明によれば、当該底板の構成部材として、それぞれ平面視で底角が鋭角な台形形状をなすK型対応用基準底板と、2角が直角で1辺が該K型対応用基準底板の一方の斜辺に一致する台形形状をなすB型対応用第1基準底板と、2角が直角で1辺が該K型基準底板の他方の斜辺部に一致する台形形状をなすB型対応用第2基準底板との少なくとも3種を用意するので、これら3種の基準底板を適宜に選択して組み合わせることにより、A型,B1型,B2型,K型に対応した4種類の形状の底板を容易に形成することができる。
【0032】
従って、A型,B1型,B2型,K型の各形状に合致した4種類の底板を個々に用意することなく、A型,B1型,B2型,K型の4種に対応したコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を適宜に構成できるようになり、かつ、3種の基準底板は複数回に亘って繰り返し転用可能であるから、当該コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を、その製作コストを可及的に低減させて安価に提供できるようになり、惹いては4種類のコンクリートセグメントの製造費の低減化を可及的に図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】同図(a)は複数のコンクリートセグメントがリング状に組み立てられてシールドトンネルの覆工体を形成している状態を示す正面図であり、同図(b)は(a)中のb−b線部位から内周側面を展開して示した平面視状態の展開図である。
【図2】プレキャストコンクリート製品の製造用型枠を示す正面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2中のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図2中に示す底枠とこれを支持する架台とを示した正面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図5中のVII−VII線矢視断面図である。
【図8】本発明に係るコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠の正面図である。
【図9】図8の底枠製作用型枠で底枠を打設形成中の状態を示す正面図であり、説明の便宜上、手前側の側板を取り外した状態で示した図である。
【図10】図9に中に示すコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠の底板として用いられる各種の基準底板を模式的に示すものであり、(a)はK型対応用基準底板を、(b)はB型対応用第1基準底板を、(c)はB型対応用第2基準底板を、(d)は矩形基準底板をそれぞれ示し、(a)〜(d)の各図における(i)は展開状態の概略平面視図,(ii)は湾曲状態を示す概略側面図である。
【図11】図10(b)のB型対応用第1基準底板における直交辺部と斜辺部とに対応されて設定されるB型対応用第1直交辺部端板とB型対応用第1斜辺部端板とを模式的に示す概略平面図である。
【図12】図10(c)のB型対応用第2基準底板における直交辺部と斜辺部とに対応されて設定されるB型対応用第2直交辺部端板とB型対応用第2斜辺部端板とを模式的に示す概略平面図である。
【図13】図11と図12とに示すB型対応用第1斜辺部端板とB型対応用第2斜辺部端板とを、図10(a)に示すK型対応用基準底板に組み付ける際の対応関係を模式的に示す概略平面図である。
【図14】B型対応用第1基準底板とK型対応用基準底板とB型対応用第2基準底板とが組み合わされて形成されるA型対応用底板を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図15】図14に示すA型対応用底板の湾曲状態を模式的に示す概略側面図である。
【図16】図14に示すA型対応用底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図17】図15に示す底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す概略側面図である。
【図18】矩形基準底板とB型対応用第1基準底板とを組み合わせて形成されるB1型対応用底板を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図19】図18に示すB1型対応用底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図20】矩形基準底板とB型対応用第2基準底板とを組み合わせて形成されるB2型対応用底板を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図21】図20に示すB2型対応用底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図22】K型対応用基準底板を単独で用いたK型対応用底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図23】K型対応用基準底板とB型対応用第2基準底板とを組み合わせて形成されるB1型対応用底板を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図24】図23に示すB1型対応用底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図25】K型対応用基準底板とB型対応用第1基準底板とを組み合わせて形成されるB2型対応用底板を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【図26】図25に示すB2型対応用底枠の底板に側板と端板とを組み付けた状態の底枠作製用鋼製型枠を模式的に示す展開状態の概略平面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明に係るコンクリート製セグメントの製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠、及び当該製作用型枠を用いたコンクリート製底枠の製作方法、並びに当該製作方法によって製作されるコンクリート製底枠の実施形態について、添付図面を参照して詳述する。
【0035】
図2〜図4はコンクリート製セグメントの製造用型枠2を示している。ここで、当該製造用型枠2は、そのコンクリート製セグメントとして、円弧状に湾曲して平面視では矩形の板状をなすA型セグメントを製造するものを例示している。
【0036】
即ち、図示するように、この製造用型枠2は、底枠4と、この底枠4に着脱自在に固定される側枠6と、当該底枠4を支持する架台8とを有している。
【0037】
上記底枠4は、その上面4aが上記A型セグメントの内周側面を形成するための成形面になっており、図5〜図7に示すように、その長手方向の中央部が上方に向けて膨らむ円弧状をなし、かつ、平面視で矩形をなす板体状を呈している。ここで、当該底枠4はコンクリートで約200mm程度の厚みで成形されており、その外周縁部の下面には、ハンチ42がその周側面と面一に下方に向けて突出されて一体形成されている。
【0038】
また、このハンチ42の適宜箇所には、当該底枠4を架台8上に載置するための複数の脚座44が更に突出されて平坦に形成されており、この図示例にあっては、その脚座44は底枠4の湾曲した長手方向に沿って片側にそれぞれ6カ所ずつ、総計で12カ所に設けられている。
【0039】
また、上記架台8はH形鋼を用いて形成されており、矩形枠体状に組んだ基部82と、この基部82上に一体的に設けられた複数の支持脚84とを有している。これらの支持脚84は上記底枠4をその脚座44部位で支持するためのものであり、当該脚座44に対応されて12カ所に設けられている。
【0040】
ところで、上記底枠4には、そのコンクリート製の周側面の上縁に沿って鋼製の帯板46が一体的に周回されて設けられている。ここで、この帯板46は主に上記側枠6の組み立て精度を高精度に確保するために設けられたものであって、厚み50mm程度の鋼板を用いて、予め工場でその外形寸法や各面の平行度、平面度、直角度、円弧の曲率度、ボルト穴48の位置精度等の各種の形状位置寸法公差が高精度に保たれて矩形枠体状に形成される。また、この帯板46には、側枠6をボルトで締結固定するための締結固定用ボルト穴48がその周側に沿って多数設けられている。
【0041】
そして、図8及び図9に示すように、この矩形枠体状の帯板46は、底枠4をコンクリートで製作する際に、その底枠製作用鋼製型枠10のコンクリート打設空間内にインサートされて、爾後に打設されるコンクリートと一体化されて設けられるようになっている。ここで、底枠4はその製作時には上下が反転されて形成されるようになっており、その底枠製作用鋼製型枠10は全て鋼製で構成されて、精密に組み立てられるようになっている。
【0042】
即ち、図9に示すように、底枠製作用鋼製型枠10は、基台部101と底板102と側枠103とからなり、底枠4の上面を形成することになる底板102は、その最終的な製造品たるセグメントの内周側面形状に一致されて可及的に高精度に形成されていて、基台部101の上部に湾曲形成されて設けられた載置板101a上に着脱自在に固定設置されるようになっている。
【0043】
そして、当該底板102上に矩形枠体状の上記帯板46が載置されるとともに、この帯板46にタッピング形成された締結固定用ボルト穴48と底板102の周側面にタッピング形成されたボルト穴102aとに、図8に示すように側枠103がボルトで締め付けられて固定される。
【0044】
ここで、当該側枠103は、底板102の円弧状に湾曲した長辺側の周側面に取り付けられる一組の側板104と、直線状の短辺側の周側面に取り付けられる一組の端板106とからなり、これらの側板104及び端板106は各々その所定位置に形成された挿通孔108を通じてボルト(図示省略)で締め付けられて、当該底板102と帯板46とに密着固定される。この際、側板104と端板106とは帯板46側を主たる取り付け基準面として密着固定されることによって、その直角度や平行度等の誤差が高精度に保たれて組み付けられる。
【0045】
そして、これらの側板104と端板106の上端部には蓋板110が被せられて設置され、その内部にコンクリート打設空間が区画形成されて底枠製作用鋼製型枠10が組み立てられる。爾後、コンクリート打設口112からそのコンクリート打設空間内にコンクリートを打設、硬化させることによって帯板46を一体化させたコンクリート製の底枠4が製作される。
【0046】
ここで、本実施形態では上記側枠103をなす側板104と端板106とは、それぞれ底枠製作用鋼製型枠10の基部101に設けられた開閉支持手段114,116によって開閉自在に支持されている。
【0047】
即ち、図8及び図9とに示すように、側板104の支持手段114は、当該側板104の下部内側に一体的に突設された支承軸118と、底枠製作用鋼製型枠10の基部に設けられて、その支承軸118を上下から挟んでその軸方向に移動自在に保持する上下一対のローラ120、及び側板104の下端面に一体的に取り付けられたラックギヤ122、このラックギヤ122に噛合されて底枠製作用鋼製型枠10の基部に設けられたピニオギヤ124とからなる。つまり、ピニオンギヤ124を正逆回転駆動することにより、側板104は図示する紙面の表裏方向にスライド移動して開閉作動し、底板102の周側面及び底枠4の帯板46とに対して当接離間移動するようになっている。
【0048】
また、端板106の開閉支持手段116は、当該端板106を支持して下方に延びる支持部材126と、この支持部材126の下端部を回動自在に支持して底枠製作用鋼製型枠10の基部に取り付けられた支持軸128とからなる。即ち、端板106は支持軸128を中心に回動する支持部材126に取り付けられて揺動開閉し、底枠4の帯板46に対して当接離間移動するようになっている。
【0049】
そして、当該側板104と端板106とは、形状位置精度が精密に形成されている上記帯板46の外周面に対して密着当接された時点で、その帯板46の外周面に習って組み上げられて、その直角度や平行度等の組み立て精度が高精度に得られるとともに、その高精度な組み立て精度を保ちながらボルト締めによって強固に帯板46に組み付け固定されるようになっている。
【0050】
そして、上記の様にして製作されたコンクリート製底枠4の周側面には、図2〜図4に示すように、鋼製の側枠6が起立された状態にて組み立て解体自在に締結固定されて、コンクリートセグメント製造用型枠2が構成される。ここで、当該製造用型枠2にあっても、側枠6はそれぞれに一組の側板62と端板64とからなっており、これらはともに平板状をなして所定の高さ寸法を有して形成されている。そして、これらの側板62と端板64も、上記したコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠10の場合と同様に構成された開閉支持手段85,86によって、底枠4の帯板46に対して当接離間移動自在に設けられている。
【0051】
即ち、図2と図4とに示すように、側板62の支持手段85は、当該側板62の下部内側に一体的に突設された支承軸87と、架台8の基部82に設けられてその支承軸87を上下から挟んでその軸方向に移動自在に保持する上下一対のローラ88、及び側板62の下端面に一体的に取り付けられたラックギヤ89、このラックギヤ89に噛合されて架台8の基部82に設けられたピニオギヤ90とからなる。つまり、ピニオンギヤ90を正逆回転駆動することにより、側板62は図2に示す紙面の表裏方向(図4では紙面の左右方向)にスライド移動して、底枠4の帯板46に対して当接離間移動し得るようになっている。ここで、支障軸87を保持する上下一対のローラ88は、側板62の重量によるモーメントを受けるために軸方向にオフセット配置されていて、上側のローラが下側のローラよりも内側に設置されている。なお、このオフセット配置は前述した底枠の製作用鋼製型枠10における開閉支持手段114にあっても同様の構成とされている。
【0052】
また、端板64の開閉支持手段86は、当該端板64を支持して下方に延びる支持部材92と、この支持部材92の下端部を回動自在に支持して架台8の基部82に取り付けられた支持軸94とからなる。即ち、端板64は支持軸94を中心に回動する支持部材92に取り付けられて揺動開閉可能になっている。
【0053】
そして、側板62と端板64とはそれぞれ閉じられると、底枠4の帯板46の外周面に密着当接して相互に面接触し、その帯板46の外周面に設けられているボルト穴48にボルトを介して強固に締め付け固定される。なお、図2中の622は側板62に形成されたボルト挿通孔であり、図3中の642は端板64に形成されたボルト挿通孔である。
【0054】
即ち、このようにして側板62と端板64とを帯板46の外周面に密着当接させると、その時点で、当該側板62と端板64とは形状位置精度が精密に形成されている帯板46の外周面に習って組み上げられて、その直角度や平行度等の組み立て精度が高精度に得られ、その状態を保持したまま帯板46にボルトで強固に締め付け固定されるようになっている。爾後、側板62と端板64とは相互にボルトで強固に締結固定されて側枠6として一体化されることになる。
【0055】
従って、以上のように構成されたコンクリートセグメント製造用型枠2にあっては、そのコンクリート製の底枠4を製作する際に、予め工場で外形寸法や各面の平面度、直角度、平行度、位置度等の形状位置寸法を高精度に保って形成した鋼製の矩形枠体状の帯板46を、図8に示すように、底枠の製作用鋼製型枠10の底板102上に載置して、当該帯板46をこれから製作する底枠4の周側面の上縁部に相当する所定部位に沿わせてインサート配置し、この帯板46の外周面を組み立て基準面として側板104と端板106とを組み付けて側枠103を構成した後、その内部のコンクリート打設空間内にコンクリートを打設、硬化させて当該底枠4を形成するので、鋼製の帯板46をコンクリートと一体化させて底枠4の周側面の上縁部に周回させて設置することができる。
【0056】
しかも、当該帯板46は底枠4の周側面における上縁部のコンクリートの外周を拘束することになるから、当該底枠4の上面外周縁部の補強材としても機能することになり、もって当該底枠4の繰り返しの転用等に対する耐久性の向上にも寄与することができるようになる。
【0057】
そして、最終的な製造品であるセグメントを製造するに際しては、図2〜図4に示すように、当該底枠4の帯板46をセグメント製造用型枠2の組み立て時の基準部材となして、当該帯板46の外周面に側枠6をなす側板62と端板64とを密着当接させ、それらをボルト締めして製造用型枠2を組み立てるので、側枠6をなす側板62及び端板64とを帯板46の平面度や直角度、平行度等の高精度な形状位置寸法に習わせて高精度に組み付けることができ、もって組み立て精度の高いセグメント製造用型枠2を製作できる。これ故、当該セグメント製造用型枠2によって製造されるセグメントもその形状位置精度が高く保たれることになる。
【0058】
なお、当該セグメント製造用型枠2でセグメントを打設形成する際には、底枠4の上面4aに脱型を容易とするための剥離剤等を含侵あるいは塗布しておくようにするか、または剥離層として樹脂層あるいは鉄板等を積層形成しておくようにするのが望ましい。
【0059】
ところで、本発明にあっては、上述したコンクリート製底枠4を作成するにあたって、その底枠製作用鋼製型枠10を以下の様に構成することを特長としている。
【0060】
即ち、底枠製作用鋼製型枠10には、その底板102の構成部材として図10(a)〜(c)に示すように、少なくともK型対応用基準底板1022と、B型対応用第1基準底板1024と、B型対応用第2基準底板1026との3種の基準底板が設定されて予め用意されており、本実施形態では、更に同図(d)に示すように、上記3種の基準底板の他に矩形基準底板1028が加えられて4種の基準底板1022,1024,1026,1028が用意されている。
【0061】
ここで、上記K型対応用基準底板1022は、同図(a)−(i)に展開状態の平面視で示すように、K型セグメントの内周面に合致されて、2つの底角が90°未満の鋭角になっている台形状をなす上面を有している。この上面は同図(a)−(ii)に示すように凹状をなしていて、その裏面にはその周縁部に沿って環状にリブ1023が立設されている。即ち、本実施形態では、このK型対応用基準底板1022は対向する平行な2辺1022a,1022bと、これらの平行な2辺1022a,1022bに対して対称に傾斜する一対の等長の斜辺1022c,1022dとを有した等脚台形状に形成されている。
【0062】
また、同図(b)−(i)に展開状態の平面視で示すように、上記B型対応用第1基準底板1024は、2角が直角で1辺が上記K型対応用基準底板1022の一方の斜辺1022cに一致する斜辺1024dに形成された台形状をなす上面を有しており、この上面は同図(a)−(ii)に示すように凹状をなしていて、その裏面にはその周縁部に沿って環状にリブ1025が立設されている。つまり、このB型対応用第1基準底板1024は、対向する平行な2辺1024a,1024bと、この2辺に直交する直交辺1024cと、この直交辺1024cに対向して上記平行な2辺1024a,1024bに対して傾斜して上記K型対応用基準底板1022の一方の斜辺1022cに一致する斜辺1024dとを有した台形状に形成されている。
【0063】
また、同図(c)−(i)に展開状態の平面視で示すように、上記B型対応用第2基準底板1026は、2角が直角で1辺1026cが上記K型対応用基準底板1022の他方の斜辺1022dに一致する斜辺1026dに形成された台形状をなす上面を有しており、この上面は同図(c)−(ii)に示すように凹状をなしていて、その裏面にはその周縁部に沿って環状にリブ1027が立設されている。つまり、このB型対応用第2基準底板1026は、対向する平行な2辺1026a,1026bと、この2辺1026a,1026bに直交する直交辺1026cと、この直交辺1026cに対向して上記平行な2辺1026a,1026bに対して傾斜して上記K型対応用基準底板1022の他方の斜辺1022dに一致する斜辺1026dとを有した台形状に形成されていて、上記B型対応用第1基準底板1024と対称な台形状をなす上面を有している。
【0064】
さらに、同図(d)−(i)の展開状態の平面視で示すように、上記矩形基準底板1028はその対向する一対二組の2辺1028a,1028b及び1028c,1028d同士が共に平行で矩形状をなした上面を有しており、この上面は同図(d)−(ii)に示すように凹状をなしていて、その裏面にはその周縁部に沿って環状にリブ1029が立設されている。
【0065】
また、図8と図9とに示して上述したように、コンクリート製底枠4の製作用鋼製型枠10にあっては、その側板104は、A型コンクリートセグメントにおける円弧部の長さ(分割円周長)に対応されて当該円弧部よりも長く形成されており、当該側板104は図16及び図17の模式図に示すように、A型対応用側板1042として少なくとも一組で用意されている。また、蛇足ながら、このA型対応用側板1042はB1型,B2型,K型の各コンクリートセグメントにおける円弧部の長さ(分割円周長)よりも長くなっており、これらB1型,B2型,K型のコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠にも流用可能となっている。
【0066】
また、底枠製作用鋼製型枠10には、その端板106として、図11に示すように、上記B型対応用第1基準底板1024における2つの平行辺1024a,1024bに対して直交する直交辺1024cに対応したB型対応用第1直交辺部端板1062と、当該B型対応用第1基準底板1024の斜辺部1024dに対応したB型対応用第1斜辺部端板1064とが設定されるとともに、図12に示すように、上記B型対応用第2基準底板1026における2つの平行辺1026a,1026bに対して直交する直交辺部1026cに対応したB型対応用第2直交辺部端板1066と、当該B型対応用第2基準底板1026の斜辺部に対応したB型対応用第2斜辺部端板1068とが設定されて、少なくとも4種の端板1062,1064,1066,1068が用意される。
【0067】
ここで、これらの端板1062,1064,1066,1068はいずれも側板104間に挟まれて設置される様になっており、各端板1062,1064,1066,1068の周縁に沿ってその裏面に立設される各リブ1063,1065,1067,1069は、当該側板104の内側表面に沿うように形成されている。
【0068】
つまり、上記B型対応用第1斜辺部端板1064とB型対応用第2斜辺部端板1068とは、それぞれの裏面に設けられるリブ1065,1069の立設形状が対称となっている点で相違しており、図13に示すように、K型対応用基準底板1022における一組の斜辺1022c,1022dにも対応したものとなっていて、B型対応用第1斜辺部端板1064はK型対応用基準底板1022の一方の斜辺1022c用の端板として組み付け可能であり、B型対応用第2斜辺部端板1068はK型対応用基準底板1022の他方の斜辺1022d用の端板として組み付け可能である。また、当然ながら、上記B型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第2直交辺部端板1066とは、図10(d)の矩形基準底板1028用の端板としても組み付け可能である。
【0069】
そして、以上のような4種の基準底板1022,1024,1026,1028と、4種の端板1062,1064,1066,1068と、一組の側板1042とを適宜に組み合わせることによって、A型,B1型,B2型,K型の各形状に合致したコンクリート製底枠を作製するための底枠作成用鋼製型枠10に組み立て上げ得るようになっている。
【0070】
以下に、その4種の各形状に合わせて組み立てた底枠作成用鋼製型枠10に付いて説明する。なお、各形状に対応付けて説明するために、底枠作成用鋼製型枠10、底板102、側枠103等の符合にはその対応形状に合わせて、それぞれA,B1,B2,Kの後符合を付記して区別する。
【0071】
《A型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合》
上述の底枠製作用鋼製型枠10でA型セグメント製造用型枠の底枠4を製作する場合には、図14と図15とに示すように、その底枠製作用鋼製型枠10Aの底板102Aには、上記K型対応用基準底板1022とB型対応用第1基準底板1024とB型対応用第2基準底板1026との3つを組み合わせて用いる。即ち、これら3つの基準底板1022,1024,1026は、それらにおける互いに対応する斜辺同士が突き合わされて平面視で矩形状に結合形成されて、凹状の円弧面有したA型対応用底板102Aとして用いられる。
【0072】
そして、図16に示すように、当該底板102Aには端板106Aとして、上記B型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第2直交辺部端板1066とが組み付けられるとともに、側板104AとしてA型対応用側板1042が組み付けられて、A型コンクリートセグメント製造用型枠の底枠製作用鋼製型枠10Aとして組み立てられる。
【0073】
つまり、底板102Aは図8及び図9における基台部101の載置板101a上に固定設置され、開閉支持手段116には端板106AとしてのB型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第2直交辺部端板1066とが取り付けられ、更に開閉支持手段114には側板104AとしてのA型対応用側板1042が取り付けられて、A型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Aが組み立てられる。なお、一組のA型対応用側板1042とB型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第2直交辺部端板1066とからなる側枠103A上には、図16中には図示していないが、蓋板110が被せられる。また、このA型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Aの組み立て時には、図8と図9とによって説明した帯板46が内部にインサートされることになる。
【0074】
そして、上記組み立て工程の終了後に、そのA型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Aのコンクリート打設空間内にコンクリートを打設充填して、コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成するコンクリート打設形成工程を行う。
【0075】
また、当該打設コンクリートの硬化および養生後には、側板1042と端板1062,1066とからなる側枠106Aを取り外して底枠を脱型する脱型工程を行って、A型対応用のコンクリート製底枠を得る。
【0076】
《B1型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合(1)》
また、上述の底枠製作用鋼製型枠10でB1型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠4を製作する場合には、図18及び図19に示すように、その底枠製作用鋼製型枠10B1の底板102B1には、上記矩形基準底板1028とB型対応用第1基準底板1024との2つを組み合わせて用いる。即ち、これら2つの基準底板1028,1024を、それらの互いに対応する直交辺同士を突き合わせて、平面視で1辺が傾斜した台形状に結合形成して、凹状の円弧面を有したB1型対応用底板102B1として用いる。そして、当該底板102B1には端板106B1として、上記B型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第1斜辺部端板1064とが組み付けられるとともに、側板104B1としてA型対応用側板1042が組み付けられて、B1型コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠10B1として組み立てられる。
【0077】
つまり、この底板102B1は図8及び図9における基台部101の載置板101a上においては、図示する左詰め状態にされて固定設置されることになる。そして端板106B1としてのB型対応用第1直交辺部端板1062が、図示する左側の開閉支持手段116に取り付けられる一方、B型対応用第1斜辺部端板1064が、底板102B1を形成するB型対応用第1基準底板1024の斜辺に取り付けられ(図19参照)、更に側板104としてA型対応用側板1042が開閉支持手段114に取り付けられて、B1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1が組み立てられる。
【0078】
なお、一組のA型対応用側板1042とB型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第1斜辺部端板1064とからなる側枠103B1上には、B1型形状に対応されて形成された蓋板(図示省略)が被せられて設けられることになる。また、このB1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1の組み立て時には、上記A型対応用の場合と同様にして帯板(図示省略)が内部にインサートされることになる。ここで、この場合の帯板はB1型に対応されて台形状に形成された物が使用される。
【0079】
そして、上記組み立て工程の終了後に、そのB1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1のコンクリート打設空間内にコンクリートを打設充填して、コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成するコンクリート打設形成工程を行う。
【0080】
また、当該打設コンクリートの硬化および養生後には、側板1042と端板1062,1064とからなる側枠103B1を取り外して底枠を脱型する脱型工程を行って、B1型対応用のコンクリート製底枠を得る。
【0081】
《B2型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合(1)》
また、上述の底枠製作用鋼製型枠10でB2型セグメント製造用型枠の底枠4を製作する場合には、図20及び図21に示すように、その底枠製作用鋼製型枠10B2の底板102B2には、上記矩形基準底板1028とB型対応用第2基準底板1026との2つを組み合わせて用いる。即ち、これら2つの基準底板1028,1026が、それらにおける互いに対応する直交辺同士を突き合わされて平面視で台形状に結合形成されて、凹状の円弧面を有したB2型対応用の底板102B2として用いられる。そして、当該底板102B2に端板106B2として、上記B型対応用第2直交辺部端板1066とB型対応用第2斜辺部端板1068とが組み付けられるとともに、側板104B2としてA型対応用側板1042が組み付けられて、B2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2として組み立てられる。
【0082】
つまり、底板102B2は図8及び図9における基台部101の載置板101a上においては、図示する右詰め状態にされて固定設置されて、端板106B2としてのB型対応用第2直交辺部端板1066が、図示する右側の開閉支持手段116に取り付けられる一方、B型対応用第2斜辺部端板1068が、底板102B2を形成するB型対応用第2基準底板1026の斜辺に取り付けられ(図21参照)、更に側板104B2としてA型対応用側板1042が開閉支持手段114に取り付けられて、B2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2が組み立てられる。
【0083】
なお、一組のA型対応用側板1042とB型対応用第2直交辺部端板1066とB型対応用第2斜辺部端板1068とからなる側枠103B2上には、B2型形状に対応されて形成された蓋板(図示省略)が被せられて設けられることになる。また、このB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2の組み立て時には、上記A型対応用の場合と同様にして帯板(図示省略)が内部にインサートされることになる。ここで、この場合の帯板はB2型に対応されて台形状に形成された物が使用される。
【0084】
そして、上記組み立て工程の終了後に、そのB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2のコンクリート打設空間内にコンクリートを打設充填して、コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成するコンクリート打設形成工程を行う。
【0085】
また、当該打設コンクリートの硬化および養生後には、側板104B2と端板1066,1068とからなる側枠103B2を取り外して底枠を脱型する脱型工程を行って、B2型対応用のコンクリート製底枠を得る。
【0086】
《K型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合》
上述の底枠製作用鋼製型枠10でK型セグメント製造用型枠の底枠4を製作する場合には、図22に示すように、その底枠製作用鋼製型枠10Kの底板102Kには、上記K型対応用基準底板1022を単独で用いる。
【0087】
そして、当該底板102Kには端板106Kとして、上記B型対応用第1斜辺部端板1064とB型対応用第2斜辺部端板1068とが組み付けられるとともに、側板104KとしてA型対応用側板1042が組み付けられて、K型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Kとして組み立てられる。
【0088】
つまり、底板102Kは図8及び図9における基台部101の載置板101a上において、その中央部に位置されて固定設置され、その両斜辺に端板106KとしてのB型対応用第1斜辺部端板1064とB型対応用第2斜辺部端板1068とが取り付けられ、更に開閉支持手段114には側板104KとしてのA型対応用側板1042が取り付けられて、K型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Kが組み立てられる。
【0089】
なお、一組のA型対応用側板1042とB型対応用第1斜辺部端板1064とB型対応用第2斜辺部端板1068とからなる側枠103K上には、K型形状に対応形成された蓋板(図示省略)が被せられることになる。また、このK型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Kの組み立て時には、上記A型対応用の場合と同様にして帯板(図示省略)が内部にインサートされることになる。ここで、この場合の帯板はK型に対応されて等脚台形状に形成された物が使用される。
【0090】
そして、上記組み立て工程の終了後に、そのK型対応用の底枠製作用鋼製型枠10Kのコンクリート打設空間内にコンクリートを打設充填して、コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成するコンクリート打設形成工程を行う。
【0091】
また、当該打設コンクリートの硬化および養生後には、側板1042と端板1064,1068とからなる側枠103Kを取り外して底枠を脱型する脱型工程を行って、K型対応用のコンクリート製底枠を得る。
【0092】
即ち、以上のようにK型対応用基準底板1022、B型対応用第1基準底板1024、B型対応用第1基準底板1026、矩形基準底板1028との4種を予め用意して、これらの各基準底板1022,1024,1026,1028を適宜に組み合わせることによって、形状が異なるA型セグメント,B1型セグメント,B2型セグメント,K型セグメントの4種類に対応した底板102A,102B1,102B2,102Kを形成し得るように構成した、本発明に係る底枠製作用鋼製型枠10によれば、A型セグメント,B1型セグメント,B2型セグメントの各々に形状が合致した大きな底板を個々に用意することなく、A型,B1型,B2型,K型の4種に対応したコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠10A,10B1,10B2,10Kをそれぞれ適宜に組み上げて構成でき、かつ、4種の基準底板1022,1024,1026,1028は複数回に亘って繰り返し転用可能である。
【0093】
従って、形状が異なるA型セグメント,B1型セグメント,B2型セグメント,K型セグメントのそれぞれを個別に製造するための各コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠を作製するにあたって、その底枠製作用鋼製型枠10の構成部材を共通化しながら各形状のセグメントの製造に対応できるようになるため、当該底枠製作用鋼製型枠10(10A,10B1,10B2,10K)の製作コストの可及的な低減化が図れて安価に提供できるようになり、惹いては4種類のコンクリートセグメントの製造費の低減化をも可及的に図れるようになる。
【0094】
===その他の実施形態===
《B1型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合(2)》
上述したB1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1では、矩形基準底板1028とB型対応用第1基準底板1024とを組み合わせて底枠製作用鋼製型枠10B1を組み立てる様にしているが、その変形例として、図23と図24とに示すように、K型対応用基準底板1022とB2型対応用の底板1026とを組み合わせて底枠製作用鋼製型枠10B1’を組み立てる様にしても良い。即ち、この場合には、K型対応用基準底板1022とB2型対応用の底板1026との対応する斜辺同士を付き合わせてB1型対応用の底板102B1’を形成する点が相違する。
【0095】
そして、当該底板102B1’には、上述のB1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1と同様に、端板106B1’として、上記B型対応用第1直交辺部端板1062とB型対応用第1直交辺部端板1064とが組み付けられるとともに、側板104B1’としてA型対応用側板1042が組み付けられて、B1型コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠10B1’として組み立てられる等、その他の点においては、前述のB1型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B1の場合と全く同様に構成されて、B1型対応用のコンクリート製底枠が作製されることになる。
【0096】
《B2型セグメント製造用型枠のコンクリート製底枠を製作する場合(2)》
上述したB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2では、矩形基準底板1028とB型対応用第2基準底板1026とを組み合わせて底枠製作用鋼製型枠10B2を組み立てる様にしているが、その変形例として、図25と図26とに示すように、K型対応用基準底板1022とB1型対応用の底板1024とを組み合わせて底枠製作用鋼製型枠10B2’を組み立てる様にしても良い。即ち、この場合には、K型対応用基準底板1022とB1型対応用の底板1024との対応する斜辺同士を付き合わせてB2型対応用の底板102B2’を形成する点が相違する。
【0097】
そして、当該底板102B2’には、上述のB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2と同様に、端板106として、上記B型対応用第2直交辺部端板1066とB型対応用第2斜辺部端板1068とが組み付けられるとともに、側板104としてA型対応用側板1042が組み付けられて、B2型コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠10B2’として組み立てられる等、その他の点においては、前述のB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2の場合と全く同様に構成されて、B2型対応用のコンクリート製底枠が作製されることになる。
【0098】
ここで、上記2つの変形例のように、K型対応用基準底板1022とB2型対応用の底板1026とを組み合わせて底枠製作用鋼製型枠10B1’を組み立てる一方、K型対応用基準底板1022とB1型対応用の底板1024とを組み合わせてB2型対応用の底枠製作用鋼製型枠10B2’を組み立てるようにすれば、矩形基準底板1028も不要になるので、底枠製作用鋼製型枠10の更なるコスト低減化が図れるようになる。
【0099】
また、前述の各底枠作製用鋼製型枠10A,10B1,10B2,10K,10B1’,10B2’を用いて製作するコンクリート製底枠の実施形態では、いずれもそれらの底枠作製用鋼製型枠10A,10B1,10B2,10K,10B1’,10B2’内に環状の帯板46をインサートして、打設形成するコンクリート底枠の周側面の上縁に沿わせて当該帯板を周回させて設ける例を示しているが、当該帯板46は必須のものではなく、これを省いてコンクリート製底枠を打設形成するようにしても良い。
【0100】
更に、前述の実施形態では、K型セグメントが等脚台形状をなしている場合を例示しているが、これに限定されることはない。即ち、当該K型セグメントの台形形状はその2つの底角の角度が90°未満の鋭角をなす台形形状になっていれば、その2つの斜辺の長さは等しくなくても良い。
【0101】
また、前述の実施形態では、矩形基準底板を1枚使用する場合を例示しているが、当該矩形基準底板は複数枚使用する様にしても良い。この際、その複数枚の矩形基準底板はその円弧部の長さを等しく形成しても、或いは異ならせて形成しても良い。
【0102】
また更に、前述の実施形態では、側板にはA型セグメントの円弧部の長さに対応させて形成してあるA型対応用側板を、A,B1,B2,K型の全ての底枠作製用鋼製型枠において流用するようにしているが、B1,B2,K型用として専用の側板をそれぞれに用意して、これらを適宜に使い分けるようにしても良いことは勿論のことである。
【0103】
なお、各種の基準底板と端板、並びに側板の裏面に形成する補強リブは、その周縁部に形成されるだけではなく、必要に応じて適宜にその中央部等にも立設形成されることは言うまでもない。また、打設形成に使用するコンクリートには、補強材として各種のファイバーを適宜に混合したものを採用し得、そのコンクリートの種類は限定されることはない。
【符号の説明】
【0104】
10 底枠製作用鋼製型枠
10A A型対応用の底枠製作用鋼製型枠
10B1 B1型対応用の底枠製作用鋼製型枠
10B2 B2型対応用の底枠製作用鋼製型枠
10K K型対応用の底枠製作用鋼製型枠
102 底板
102A A型対応用の底板
102B1 B1型対応用の底板
102B1’ B1型対応用の底板
102B2 B2型対応用の底板
102B2’ B2型対応用の底板
102K K型対応用の底板
1022 K型対応用基準底板
1024 B型対応用第1基準底板
1026 B型対応用第2基準底板
1028 矩形基準底板
103 側枠
103A A型対応用の側枠
103B1 B1型対応用の側枠
103B2 B2型対応用の側枠
103K K型対応用の側枠
104 側板
1042 A型対応用側板
106 端板
1062 B型対応用第1直交辺部端板
1064 B型対応用第1斜辺部端板
1066 B型対応用第2直交辺部端板
1068 B型対応用第2斜辺部端板
110 蓋板
46 帯板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A型,B1型,B2型,K型の4種からなる1リング分の複数のシールドトンネル用コンクリートセグメントを製造するための製造用型枠における底枠を、コンクリートで製作するための底枠の製作用鋼製型枠であって、
該各種セグメントの内周面と同一の凹状円弧面を有する底板と、該底板の四周の端面に立設固定される一組の側板並びに一組の端板とを有し、
該底板には、それぞれ平面視で、K型セグメントの内周面に合致した底角が鋭角な台形状をなすK型対応用基準底板と、2角が直角で1辺が該K型基準底板の一方の斜辺部に一致する台形状をなすB型対応用第1基準底板と、2角が直角で1辺が該K型基準底板の他方の斜辺部に一致する台形状をなすB型対応用第2基準底板との少なくとも3種が用意され、
該端板には、該B型対応用第1基準底板における2つの平行辺に対して直交する直交辺部に対応したB型対応用第1直交辺部端板と、該B型対応用第1基準底板の斜辺部に対応したB型対応用第1斜辺部端板と、該B型対応用第2基準底板における2つの平行辺に対して直交する直交辺部に対応したB型対応用第2直交辺部端板と、該B型対応用第2基準底板の斜辺部に対応したB型対応用第2斜辺部端板との少なくとも4種が用意されている、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項2】
前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記底板には、前記3種の他に更に平面視矩形状をなす矩形基準底板が用意されている、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項3】
前記請求項1または2のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記K型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記K型対応用基準底板を単独で用い、
前記端板には、前記B型対応用第1斜辺部端板とB型対応用第2斜辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項4】
前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部同士を突き合わせて用い、
前記端板には、前記B型対応用第1斜辺部端板と前記B型対応用第2直交辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項5】
前記請求項2に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記B型対応用第1基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの直交辺部同士を付き合わせて用い、
前記端板には、前記B型対応用第1直交辺部端板とB型対応用第1斜辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項6】
前記請求項1に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分同士を突き合わせて用い、
前記端板には、前記B型対応用第2斜辺部端板と前記B型対応用第1直交辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項7】
前記請求項2に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記B型対応用第2基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの対応する直交辺部同士を突き合わせて用い、
前記端板には、B型対応用第2斜辺部端板とB型対応用第2直交辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項8】
前記請求項1または2のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠であって、
前記A型セグメントを製造するための底枠を製作する場合には、
前記底板には、前記K型対応用基準底板とB型対応用第1基準底板とB型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部同士を突き合わせて用い、
前記端板には、前記B型対応用第1直交辺部端板とB型対応用第2直交辺部端板とを用いる、
ことを特徴とする、コンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠。
【請求項9】
前記請求項1または2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記K型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板にK型対応用基準底板を単独で用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分に前記B型対応用第1斜辺部端板と前記B型対応用第2斜辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、
該コンクリート打設空間内にコンクリートを打設し、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する工程と、
該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、
を経てコンクリート製底枠を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項10】
前記請求項1に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分には前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分にはB型対応用第1斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分にはB型対応用第2直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、
該コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する工程と、
該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、
を経てコンクリート製底枠を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項11】
前記請求項2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記B1型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板に、前記B型対応用第1基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの直交辺部を付き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分には前記B型対応用第1斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分にはB型対応用第1直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、
該製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、
該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外して該コンクリート製底枠を脱型する工程と、
を経てコンクリート製底枠を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項12】
前記請求項1に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分同士を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分には前記B型対応用第2斜辺部端板を組み付け、該底板の直交辺部分には前記B型対応用第1直交辺部端板を組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、
該製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、
該打設コンクリートの養生後に、該側板と該端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、
を経て該コンクリート製底枠を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項13】
前記請求項2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記B2型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板に、前記B型対応用第2基準底板と前記矩形基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な二辺部分に前記側板を組み付けるとともに、該底板の斜辺部分にB型対応用第2斜辺部端板を組み付け、かつ該底板の直交辺部分に前記B型対応用第1直交辺部端板を組み付けて、コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を組み立てる工程と、
該コンクリート製底枠の製作用鋼製型枠内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させてコンクリート製底枠を形成する工程と、
該打設コンクリートの養生後に、該側板と端板とを取り外してコンクリート製底枠を脱型する工程と、
を経てコンクリート製底枠を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項14】
前記請求項1または2に係るコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法であって、
前記A型セグメントを製造するための底枠を製作するに際しては、
前記底板に、前記K型対応用基準底板と前記B型対応用第1基準底板と前記B型対応用第2基準底板とを組み合わせて、それらの対応する斜辺部分を突き合わせて用い、該底板の平行な長辺側の二辺部分には前記側板を組み付けるとともに、該底板の短辺側の二つの直交辺部分には前記B型対応用第1直交辺部端板と前記B型対応用第2直交辺部端板とを組み付けて、コンクリート打設空間を形成する底枠の製作用鋼製型枠の組み立て工程と、
該コンクリート打設空間内にコンクリートを打設して、該コンクリートを硬化および養生させて底枠を形成する底枠のコンクリート打設形成工程と、
該打設コンクリートの硬化および養生後に、該側板と端板とを取り外して底枠を脱型する脱型工程と、
を経てコンクリート製下型を得る、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いた底枠の製作方法。
【請求項15】
前記請求項9〜14のいずれかに記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠の製作用鋼製型枠を用いて製作するコンクリート製底枠の製作方法によって製作された、ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠。
【請求項16】
前記請求項15に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠であって、
該底枠には、その周側面の上縁に沿って鋼製の帯板が一体的に周回されて設けられている、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠。
【請求項17】
前記請求項16に記載のコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠であって、
前記鋼製の帯板は、前記コンクリート製底枠の打設形成時にその製作用鋼製型枠内に予めインサートされて該底枠に一体化されて設けられている、
ことを特徴とするコンクリートセグメント製造用型枠におけるコンクリート製底枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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