コンクリート浮体の製造方法
【課題】発泡スチロール製のブロックを内部に収容したコンクリート浮体の製造方法であって、ブロックの周囲にコンクリートを流し込む際にブロックの浮き上がりを効果的に防止することのできる製造方法を提供する。
【解決手段】コンクリート底壁4を形成する工程と、コンクリート底壁4の上にブロック3を配置する工程と、ブロック3の周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とが実行される。コンクリート底壁4の形成工程では、複数の支柱7の各々の下部7aをコンクリート底壁4に埋設させることで、複数の支柱7をコンクリート底壁4上に立設させる。ブロック3の配置工程では、複数の支柱7をブロック3に形成された貫通孔3cに挿入し、前記貫通孔から延び出した各支柱7の上部7bに対して、他の支柱7の上部7bとの連結を図る連結板16と、連結板16をブロック3へ向けて押しつけるナット17とを取り付ける。
【解決手段】コンクリート底壁4を形成する工程と、コンクリート底壁4の上にブロック3を配置する工程と、ブロック3の周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とが実行される。コンクリート底壁4の形成工程では、複数の支柱7の各々の下部7aをコンクリート底壁4に埋設させることで、複数の支柱7をコンクリート底壁4上に立設させる。ブロック3の配置工程では、複数の支柱7をブロック3に形成された貫通孔3cに挿入し、前記貫通孔から延び出した各支柱7の上部7bに対して、他の支柱7の上部7bとの連結を図る連結板16と、連結板16をブロック3へ向けて押しつけるナット17とを取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート浮体の製造方法に関する。より詳細には、内部に心材として発泡スチロール製のブロックを配置したコンクリート浮体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浮き桟橋等に用いられるコンクリート浮体として、心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したものが知られている。このコンクリート浮体は、上部が開口した型枠内に発泡スチロール製のブロックを配置した状態で、型枠の開口からブロックの周囲及び上方にコンクリートを流し込むことで形成される。
【0003】
このコンクリート浮体の製造時に、ブロックを固定することなくコンクリートを流し込んだ場合には、発泡スチロールとコンクリートとの比重の差から、ブロックが浮き上がって、設計通りのコンクリート浮体を形成することができないという不都合が生じる。このため、従来では、ブロックの浮き上がりを防止するために、図11に示すように門型の鋼材100が配置されていた。鋼材100は、型枠200の外側で垂直に立設する2本の柱101と、これら2本の柱101に支持され、型枠200の開口上方を通過する梁102とを備え、梁102の中央にはジャッキ103が吊下されている。ジャッキ103は、その先端がブロック300の上面300aに接しており、コンクリートの流し込み時には、ジャッキ103がブロック300を下方へ押圧することで、ブロック300の浮き上がりを防止するようになっている。
【0004】
また特許文献1には、ブロックを上下に貫通する支柱により、ブロックの浮き上がりを防止することが開示されている。この支柱は、その下端が、ブロック下方のコンクリート底壁に埋設され、その上端がブロックの上面に固定されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−81279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図11に示す方法によれば、鋼材100やジャッキ103を配置するために、多大なコストや手間を要する。
【0007】
また、特許文献1では、その図1において、ブロックの上面に接する板材が支柱の上端に取り付けられた状態が示されている。このことから、コンクリートの流し込み時には、ブロックの浮力は、板材を通じて支柱に伝達された結果、支柱の下端の埋設部が支持するものと推測される。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、各支柱に作用する浮力を他の支柱に伝達する手段は示されておらず、各支柱は、これらに作用するブロックの浮力を、その埋設部が単独で支持するものと考えられる。このため、ある支柱に対して埋設部の支持力を超える浮力が作用した場合には、その埋設部がコンクリート底壁から抜け出して、ブロックの浮き上がりが生じる虞れがある。
【0009】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、心材としての発泡スチロールブロックと、その周囲を囲むコンクリートとを備えたコンクリート浮体の製造方法であって、発泡スチロールブロックの周囲にコンクリートを流し込む際におけるブロックの浮き上がりを効果的に防止することのできるコンクリート浮体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のコンクリート浮体の製造方法は、心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したコンクリート浮体の製造方法であって、前記コンクリート浮体の底部を構成するコンクリート底壁を形成する工程と、前記コンクリート底壁の上に、前記ブロックを配置する工程と、前記ブロックの周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とを有し、前記コンクリート底壁の形成工程では、複数の支柱の各々の下部を前記コンクリート底壁に埋設させることで、前記複数の支柱を前記コンクリート底壁上に立設させ、前記ブロックの配置工程では、前記複数の支柱を前記ブロックに形成された貫通孔に挿入して、各前記支柱の上部を前記貫通孔から延び出させた後に、各前記支柱の上部に対して、他の支柱の上部との連結を図る連結板と、前記連結板を前記ブロックへ向けて押しつける押圧具とを取り付けることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記ブロックは、その四隅に貫通孔が形成され、前記ブロックの配置工程では、前記支柱を前記ブロックの四隅に形成された貫通孔に挿入して、これらの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、縦方向或いは横方向に隣り合う2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記コンクリート浮体は、前記ブロックを複数備えたものであって、前記ブロックの配置工程では、前記複数のブロックのそれぞれに形成された貫通孔に前記支柱を挿入することで、各前記ブロックの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、異なるブロックに設けられた2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記連結板に形成された貫通孔に前記支柱の上部が通されることによって、前記連結板は、前記支柱の上部に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記押圧具は、前記支柱の上部の外面に形成された螺旋に螺合するナットであることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記ブロックの配置工程では、前記支柱は、前記ブロックの貫通孔を通過する塩化ビニル管の内部に挿入されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記支柱の下部の外面に螺旋が形成され、前記コンクリート底壁の形成工程では、各前記支柱の配置箇所において、前記支柱の螺旋との螺合により前記支柱の高さを調整する高さ調整手段が設けられることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記ブロックの配置工程では、前記連結板の下方において、前記連結板よりも大きな幅を有し、前記ブロックの上面に接する添え板が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のコンクリート浮体の製造方法によれば、コンクリートをブロックの周囲に流し込む際に、コンクリートと発泡スチロールとの比重の差により、ブロックには浮力が生じる。この浮力は、連結板及び押圧具を通じて支柱に伝達された結果、コンクリート底壁に埋設された支柱の下部により支持される。この際には、押圧具が連結板を下方に押さえつけることで、連結板が支柱から抜けることが防止される。また、各支柱に作用するブロックの浮力は、連結板を介して他の支柱に伝達される。これにより、各支柱に作用するブロックの浮力は複数の支柱によって支持される。このため、各支柱にその支持力を超える浮力が作用した場合でも、ブロックの浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0019】
また、簡易な構成によりブロックの浮き上がりを防止することができるために、コンクリート浮体の製造に要する手間やコストの軽減を図る上で有利になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコンクリート浮体1を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
【0021】
コンクリート浮体1は、浮力を生じさせる心材2を内部に収容するものであって、心材2は、格子状に配列された複数の発泡スチロール製ブロック3(以下、ブロック3と記す)から構成されている。
【0022】
図2に示すように、ブロック3の下方にはコンクリート底壁4が形成され、ブロック3の周囲にはコンクリート側壁5が形成され、ブロック3の上方にはコンクリート上壁6が形成されており、ブロック3は、これらコンクリートの壁によって、その全体が被覆されている。また、コンクリート側壁5とコンクリート上壁6とは、コンクリート底壁4の形成後、同時に設けられるようになっている。
【0023】
また、各ブロック3は間隔をあけて配置されており、隣接する2つのブロック3は、これらの間Wにコンクリートが充填されることで、一体に結合されている。
【0024】
以下、コンクリート浮体1の製造方法について図を参照して説明する。図3,4は、コンクリート浮体1の製造工程を示す図である。
【0025】
まず、図3(A)に示すように、コンクリート浮体1の底部を構成するコンクリート底壁4を形成する。この工程では、複数の支柱7をコンクリート底壁4上に立設させる。
【0026】
支柱7の長さはブロック3(図1,2参照)の垂直方向の長さよりも長く、各支柱7の下部7aはコンクリート底壁4に埋設されるようになっている。そして、各支柱7が配置される箇所には、これら支柱7の高さを調整するための高さ調整手段8が設けられる。
【0027】
図5は、図3(A)に示すa範囲の拡大図である。高さ調整手段8は、コンクリートブロック9と、金属板10と、棒材11と、筒体12とから構成され、これらはコンクリート底壁4に埋設されるようになっている。
【0028】
コンクリートブロック9は、支柱7の下方におけるコンクリートのかぶりを確保するために設けられており、コンクリート底壁4の設置面S上に配置される。
【0029】
金属板10は、コンクリートブロック9の上に固定されており、その中央に貫通孔10aが形成されている。
【0030】
棒材11は、その下部11aが金属板10の貫通孔10aに通されることで、金属板10によって位置決めされ、また下端11cがコンクリートブロック9によって支持される。
【0031】
筒体12内部の空間には、その上部において支柱7の下部7aが通され、下部において棒材11の上部11bが通されている。そしてこの状態において、筒体12の内周面12aに形成された螺子に、棒材11の外面に形成された螺旋と、支柱7の外面に形成された螺旋とが螺合している。
【0032】
以上の高さ調整手段8によれば、筒体12内部における棒材11や支柱7の螺旋の螺合位置が調整されることで、支柱7の高さが調整される。
【0033】
そして図3(A)に示すようにコンクリート底壁4を形成した後には、図3(B)に示すように、コンクリート底壁4の上にブロック3を格子状(図1参照)に配置する。
【0034】
図6は、ブロック3を示す斜視図である。ブロック3の上面3a及び下面3bには、他のブロック3との接触による欠けを防止するために、その外周全体に面取りMが施されている。ブロック3の四隅には、面取りMの内側においてブロック3を上下に貫通する貫通孔3cが形成されている。各貫通孔3cには塩化ビニル管14が通されており、図3(B)に示すようにブロック3をコンクリート底壁4上に配置する際には、貫通孔3cに配置した塩化ビニル管14(図6参照)の内部14aに支柱7を挿入して、貫通孔3cから支柱7の上部7bを延び出させるようになっている。
【0035】
そして図3(B)に示すようにブロック3を配置した後では、図3(C)に示すように、各ブロック3の貫通孔3cから延び出た支柱7の上部7bに対して、金属製の添え板15・連結板16・ナット17(押圧具)を取り付ける。
【0036】
図7は、連結板16を示す斜視図である。図8は、図3(C)の作業時におけるコンクリート浮体1の状態を示す平面図である。図9は、図3(C)のb範囲の拡大図である。図10は、添え板15を示す斜視図である。
【0037】
図7に示すように、連結板16の両端部には貫通孔16aが形成されており、これらの貫通孔16aに2つの支柱7の上部7bが通されることで、連結板16は、2つの支柱7を連結するようになっている。
【0038】
本実施の形態では、図8,9に示すように、上記の連結板16として、連結板16A,16B,16C,16Dが設けられる。連結板16Aは、同一のブロック3に設けられて縦方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Bは、同一のブロック3に設けられて横方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Cは、異なるブロック3に設けられて縦方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Dは、異なるブロック3に設けられて横方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。
【0039】
そして図9に示すように、連結板16A,16B,16C,16Dの貫通孔16aが支柱7の上部7bに順次通されることで、ブロック3の隅では、連結板16Aの上に連結板16Bが重なり、連結板16Bの上に連結板16Cが重なり、連結板16Cの上に連結板16Dが重なっている。
【0040】
添え板15は、連結板16A,16B,16C,16Dの下方に配置されるものであって、図10に示すように「く」の字に屈曲して、面取りM(図6,9参照)が施されたブロック3の上面3aの隅に係合可能な形状を呈している。添え板15を構成する2つの平板部15a,15bのうち一方の平板部15aには、貫通孔15cが形成されている。この貫通孔15cに支柱7の上部7bが通されることで(図9参照)、添え板15は、ブロック3の上面3aの隅に取り付けられ、この状態では、添え板15の下面15dは、その全体がブロック3の上面3aに接する。
【0041】
ナット17は、図9に示すように、連結板16A,16B,16C,16Dの上方に配置されるものであって、支柱7の上部7bの外面に形成された螺旋に螺合している。この螺合により、連結板16A,16B,16C,16Dや添え板15は、ブロック3に向けて押し付けられている。
【0042】
そして図3(C)に示したように、支柱7の上部7bに連結板16・添え板15・ナット17を取り付けた後には、図4(D)に示すように、コンクリート底壁4の周囲から立設して、上部が開口する型枠18を設ける。
【0043】
次に図4(E)に示すように、ブロック3の周囲及び上方に型枠18の上部開口からコンクリートを流し込み、コンクリート側壁5及びコンクリート上壁6を形成する。この際には、隣り合うブロック3の間Wにもコンクリートを流し込む。
【0044】
そして図4(E)に示す作業の後、コンクリートの凝固と養生とを待って、型枠18を取り外す。この結果、図1,2に示すように、ブロック3が収容されたコンクリート浮体1が得られる。
【0045】
ここで図4(E)に示したように、ブロック3の周囲や上方にコンクリートを流し込む際には、コンクリートと発泡スチロールとの比重の差により、ブロック3には浮力が生じる。この浮力は、添え板15・連結板16A,16B,16C,16D・ナット17を通じて支柱7に伝達された結果、コンクリート底壁4に埋設された支柱7の下部7aにより支持される。この際には、ナット17が添え板15・連結板16A,16B,16C,16Dを下方に押さえつけることで、添え板15や連結板16A,16B,16C,16Dが支柱7の上部7bから抜けることが防止される。また、各支柱7に作用するブロックの浮力は、連結板16A,16Bを通じて同一のブロック3を貫通する近傍の支柱7に伝達され、さらに、連結板16C,16Dを通じて異なるブロック3を貫通する近傍の支柱7に伝達される。これにより、各支柱7に作用するブロック3の浮力は、複数の支柱7によって堅固に支持される。このため、各支柱7にその支持力を超える浮力が作用した場合でも、ブロック3の浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0046】
また、簡易な構成によりブロック3の浮き上がりを防止することができるために、コンクリート浮体1の製造に要する手間やコストの軽減を図る上で有利になる。
【0047】
また、ブロック3の貫通孔3c内に塩化ビニル管14を配置して、この塩化ビニル管14の内部14aに支柱7を通すようにしたことから、支柱7をブロック3の貫通孔3c内にスムーズに挿入させることができる。
【0048】
また、支柱7の高さを調整する高さ調整手段8を設けたことから、添え板15・連結板16・ナット17の取り付けに要する支柱上部7bの長さを確保する上で有利になる。
【0049】
また、連結板16の下方に連結板16よりも幅の大きな添え板15を配置してブロック3の上面3aに当接させるようにしたことから、ブロック3に浮力が生じた際に、連結板16からブロック3に向けて押し返される力を分散することができる。これにより、前記押し返しの力によってブロック3に生じる変形(食い込み)を小さく抑えることができる。
【0050】
また、連結板16を支柱7に取り付ける際に、溶接を用いることとした場合には、ブロック3が発泡スチロールにより構成されていることから、溶接の火花によりブロック3が燃焼して火災が生じる虞れがある。これに対して、本実施の形態では、連結板16に貫通孔16a(図7参照)を設けて、この貫通孔16aに支柱7を通すようにしたことから、連結板16を安全に支柱7に取り付けることができる。
【0051】
本発明は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲において種々改変することができる。
【0052】
例えば、心材2を構成するブロック3の数は、上記に限らず任意に設定することができる。例えば、ブロック3の数を1つにした場合には、このブロック3に複数の貫通孔3cを設けるとともに、これら貫通孔3cを通させた支柱7の上部7bが連結板により連結される。
【0053】
また、連結板16によって連結される支柱7の数は、上記に限られず任意に設定することができる。例えば、3つの支柱7を1つの連結板16によって連結する場合には、連結板16に3つの貫通孔16aが設けられて、これら貫通孔16aのそれぞれに支柱7の上部7bが通される。
【0054】
また、ブロック3に形成される貫通孔3cの数や位置も、任意に設定することができる。例えば、ブロック3に5つの貫通孔3cを設けた場合には、これら貫通孔3cに通させた5つの支柱7が、2つの支柱7や3つの支柱7からなる組に分けられ、各組の支柱7が連結板16により連結される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンクリート浮体を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】コンクリート浮体の製造工程を示す図である。
【図4】図3に示す工程の後に実施されるコンクリート浮体の製造工程を示す図である。
【図5】図3(A)のa範囲の拡大図である。
【図6】発泡スチロール製のブロックを示す斜視図である。
【図7】連結板を示す斜視図である。
【図8】図3(C)の作業時におけるコンクリート浮体の状態を示す平面図である。
【図9】図3(C)のb範囲の拡大図である。
【図10】添え板を示す斜視図である。
【図11】従来のコンクリート浮体の製造設備を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 コンクリート浮体
2 心材
3 発泡スチロール製のブロック
3c 貫通孔
4 コンクリート底壁
7 支柱
7b 支柱の上部
8 高さ調整手段
14 塩化ビニル管
14a塩化ビニル管の内部
15 添え板
16(16A,16B,16C,16D) 連結板
17 ナット(押圧具)
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート浮体の製造方法に関する。より詳細には、内部に心材として発泡スチロール製のブロックを配置したコンクリート浮体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浮き桟橋等に用いられるコンクリート浮体として、心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したものが知られている。このコンクリート浮体は、上部が開口した型枠内に発泡スチロール製のブロックを配置した状態で、型枠の開口からブロックの周囲及び上方にコンクリートを流し込むことで形成される。
【0003】
このコンクリート浮体の製造時に、ブロックを固定することなくコンクリートを流し込んだ場合には、発泡スチロールとコンクリートとの比重の差から、ブロックが浮き上がって、設計通りのコンクリート浮体を形成することができないという不都合が生じる。このため、従来では、ブロックの浮き上がりを防止するために、図11に示すように門型の鋼材100が配置されていた。鋼材100は、型枠200の外側で垂直に立設する2本の柱101と、これら2本の柱101に支持され、型枠200の開口上方を通過する梁102とを備え、梁102の中央にはジャッキ103が吊下されている。ジャッキ103は、その先端がブロック300の上面300aに接しており、コンクリートの流し込み時には、ジャッキ103がブロック300を下方へ押圧することで、ブロック300の浮き上がりを防止するようになっている。
【0004】
また特許文献1には、ブロックを上下に貫通する支柱により、ブロックの浮き上がりを防止することが開示されている。この支柱は、その下端が、ブロック下方のコンクリート底壁に埋設され、その上端がブロックの上面に固定されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−81279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図11に示す方法によれば、鋼材100やジャッキ103を配置するために、多大なコストや手間を要する。
【0007】
また、特許文献1では、その図1において、ブロックの上面に接する板材が支柱の上端に取り付けられた状態が示されている。このことから、コンクリートの流し込み時には、ブロックの浮力は、板材を通じて支柱に伝達された結果、支柱の下端の埋設部が支持するものと推測される。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、各支柱に作用する浮力を他の支柱に伝達する手段は示されておらず、各支柱は、これらに作用するブロックの浮力を、その埋設部が単独で支持するものと考えられる。このため、ある支柱に対して埋設部の支持力を超える浮力が作用した場合には、その埋設部がコンクリート底壁から抜け出して、ブロックの浮き上がりが生じる虞れがある。
【0009】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、心材としての発泡スチロールブロックと、その周囲を囲むコンクリートとを備えたコンクリート浮体の製造方法であって、発泡スチロールブロックの周囲にコンクリートを流し込む際におけるブロックの浮き上がりを効果的に防止することのできるコンクリート浮体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のコンクリート浮体の製造方法は、心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したコンクリート浮体の製造方法であって、前記コンクリート浮体の底部を構成するコンクリート底壁を形成する工程と、前記コンクリート底壁の上に、前記ブロックを配置する工程と、前記ブロックの周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とを有し、前記コンクリート底壁の形成工程では、複数の支柱の各々の下部を前記コンクリート底壁に埋設させることで、前記複数の支柱を前記コンクリート底壁上に立設させ、前記ブロックの配置工程では、前記複数の支柱を前記ブロックに形成された貫通孔に挿入して、各前記支柱の上部を前記貫通孔から延び出させた後に、各前記支柱の上部に対して、他の支柱の上部との連結を図る連結板と、前記連結板を前記ブロックへ向けて押しつける押圧具とを取り付けることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記ブロックは、その四隅に貫通孔が形成され、前記ブロックの配置工程では、前記支柱を前記ブロックの四隅に形成された貫通孔に挿入して、これらの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、縦方向或いは横方向に隣り合う2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記コンクリート浮体は、前記ブロックを複数備えたものであって、前記ブロックの配置工程では、前記複数のブロックのそれぞれに形成された貫通孔に前記支柱を挿入することで、各前記ブロックの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、異なるブロックに設けられた2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記連結板に形成された貫通孔に前記支柱の上部が通されることによって、前記連結板は、前記支柱の上部に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記押圧具は、前記支柱の上部の外面に形成された螺旋に螺合するナットであることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記ブロックの配置工程では、前記支柱は、前記ブロックの貫通孔を通過する塩化ビニル管の内部に挿入されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記支柱の下部の外面に螺旋が形成され、前記コンクリート底壁の形成工程では、各前記支柱の配置箇所において、前記支柱の螺旋との螺合により前記支柱の高さを調整する高さ調整手段が設けられることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記ブロックの配置工程では、前記連結板の下方において、前記連結板よりも大きな幅を有し、前記ブロックの上面に接する添え板が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のコンクリート浮体の製造方法によれば、コンクリートをブロックの周囲に流し込む際に、コンクリートと発泡スチロールとの比重の差により、ブロックには浮力が生じる。この浮力は、連結板及び押圧具を通じて支柱に伝達された結果、コンクリート底壁に埋設された支柱の下部により支持される。この際には、押圧具が連結板を下方に押さえつけることで、連結板が支柱から抜けることが防止される。また、各支柱に作用するブロックの浮力は、連結板を介して他の支柱に伝達される。これにより、各支柱に作用するブロックの浮力は複数の支柱によって支持される。このため、各支柱にその支持力を超える浮力が作用した場合でも、ブロックの浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0019】
また、簡易な構成によりブロックの浮き上がりを防止することができるために、コンクリート浮体の製造に要する手間やコストの軽減を図る上で有利になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るコンクリート浮体1を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
【0021】
コンクリート浮体1は、浮力を生じさせる心材2を内部に収容するものであって、心材2は、格子状に配列された複数の発泡スチロール製ブロック3(以下、ブロック3と記す)から構成されている。
【0022】
図2に示すように、ブロック3の下方にはコンクリート底壁4が形成され、ブロック3の周囲にはコンクリート側壁5が形成され、ブロック3の上方にはコンクリート上壁6が形成されており、ブロック3は、これらコンクリートの壁によって、その全体が被覆されている。また、コンクリート側壁5とコンクリート上壁6とは、コンクリート底壁4の形成後、同時に設けられるようになっている。
【0023】
また、各ブロック3は間隔をあけて配置されており、隣接する2つのブロック3は、これらの間Wにコンクリートが充填されることで、一体に結合されている。
【0024】
以下、コンクリート浮体1の製造方法について図を参照して説明する。図3,4は、コンクリート浮体1の製造工程を示す図である。
【0025】
まず、図3(A)に示すように、コンクリート浮体1の底部を構成するコンクリート底壁4を形成する。この工程では、複数の支柱7をコンクリート底壁4上に立設させる。
【0026】
支柱7の長さはブロック3(図1,2参照)の垂直方向の長さよりも長く、各支柱7の下部7aはコンクリート底壁4に埋設されるようになっている。そして、各支柱7が配置される箇所には、これら支柱7の高さを調整するための高さ調整手段8が設けられる。
【0027】
図5は、図3(A)に示すa範囲の拡大図である。高さ調整手段8は、コンクリートブロック9と、金属板10と、棒材11と、筒体12とから構成され、これらはコンクリート底壁4に埋設されるようになっている。
【0028】
コンクリートブロック9は、支柱7の下方におけるコンクリートのかぶりを確保するために設けられており、コンクリート底壁4の設置面S上に配置される。
【0029】
金属板10は、コンクリートブロック9の上に固定されており、その中央に貫通孔10aが形成されている。
【0030】
棒材11は、その下部11aが金属板10の貫通孔10aに通されることで、金属板10によって位置決めされ、また下端11cがコンクリートブロック9によって支持される。
【0031】
筒体12内部の空間には、その上部において支柱7の下部7aが通され、下部において棒材11の上部11bが通されている。そしてこの状態において、筒体12の内周面12aに形成された螺子に、棒材11の外面に形成された螺旋と、支柱7の外面に形成された螺旋とが螺合している。
【0032】
以上の高さ調整手段8によれば、筒体12内部における棒材11や支柱7の螺旋の螺合位置が調整されることで、支柱7の高さが調整される。
【0033】
そして図3(A)に示すようにコンクリート底壁4を形成した後には、図3(B)に示すように、コンクリート底壁4の上にブロック3を格子状(図1参照)に配置する。
【0034】
図6は、ブロック3を示す斜視図である。ブロック3の上面3a及び下面3bには、他のブロック3との接触による欠けを防止するために、その外周全体に面取りMが施されている。ブロック3の四隅には、面取りMの内側においてブロック3を上下に貫通する貫通孔3cが形成されている。各貫通孔3cには塩化ビニル管14が通されており、図3(B)に示すようにブロック3をコンクリート底壁4上に配置する際には、貫通孔3cに配置した塩化ビニル管14(図6参照)の内部14aに支柱7を挿入して、貫通孔3cから支柱7の上部7bを延び出させるようになっている。
【0035】
そして図3(B)に示すようにブロック3を配置した後では、図3(C)に示すように、各ブロック3の貫通孔3cから延び出た支柱7の上部7bに対して、金属製の添え板15・連結板16・ナット17(押圧具)を取り付ける。
【0036】
図7は、連結板16を示す斜視図である。図8は、図3(C)の作業時におけるコンクリート浮体1の状態を示す平面図である。図9は、図3(C)のb範囲の拡大図である。図10は、添え板15を示す斜視図である。
【0037】
図7に示すように、連結板16の両端部には貫通孔16aが形成されており、これらの貫通孔16aに2つの支柱7の上部7bが通されることで、連結板16は、2つの支柱7を連結するようになっている。
【0038】
本実施の形態では、図8,9に示すように、上記の連結板16として、連結板16A,16B,16C,16Dが設けられる。連結板16Aは、同一のブロック3に設けられて縦方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Bは、同一のブロック3に設けられて横方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Cは、異なるブロック3に設けられて縦方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。連結板16Dは、異なるブロック3に設けられて横方向に隣り合う貫通孔3cに通された2つの支柱7を連結している。
【0039】
そして図9に示すように、連結板16A,16B,16C,16Dの貫通孔16aが支柱7の上部7bに順次通されることで、ブロック3の隅では、連結板16Aの上に連結板16Bが重なり、連結板16Bの上に連結板16Cが重なり、連結板16Cの上に連結板16Dが重なっている。
【0040】
添え板15は、連結板16A,16B,16C,16Dの下方に配置されるものであって、図10に示すように「く」の字に屈曲して、面取りM(図6,9参照)が施されたブロック3の上面3aの隅に係合可能な形状を呈している。添え板15を構成する2つの平板部15a,15bのうち一方の平板部15aには、貫通孔15cが形成されている。この貫通孔15cに支柱7の上部7bが通されることで(図9参照)、添え板15は、ブロック3の上面3aの隅に取り付けられ、この状態では、添え板15の下面15dは、その全体がブロック3の上面3aに接する。
【0041】
ナット17は、図9に示すように、連結板16A,16B,16C,16Dの上方に配置されるものであって、支柱7の上部7bの外面に形成された螺旋に螺合している。この螺合により、連結板16A,16B,16C,16Dや添え板15は、ブロック3に向けて押し付けられている。
【0042】
そして図3(C)に示したように、支柱7の上部7bに連結板16・添え板15・ナット17を取り付けた後には、図4(D)に示すように、コンクリート底壁4の周囲から立設して、上部が開口する型枠18を設ける。
【0043】
次に図4(E)に示すように、ブロック3の周囲及び上方に型枠18の上部開口からコンクリートを流し込み、コンクリート側壁5及びコンクリート上壁6を形成する。この際には、隣り合うブロック3の間Wにもコンクリートを流し込む。
【0044】
そして図4(E)に示す作業の後、コンクリートの凝固と養生とを待って、型枠18を取り外す。この結果、図1,2に示すように、ブロック3が収容されたコンクリート浮体1が得られる。
【0045】
ここで図4(E)に示したように、ブロック3の周囲や上方にコンクリートを流し込む際には、コンクリートと発泡スチロールとの比重の差により、ブロック3には浮力が生じる。この浮力は、添え板15・連結板16A,16B,16C,16D・ナット17を通じて支柱7に伝達された結果、コンクリート底壁4に埋設された支柱7の下部7aにより支持される。この際には、ナット17が添え板15・連結板16A,16B,16C,16Dを下方に押さえつけることで、添え板15や連結板16A,16B,16C,16Dが支柱7の上部7bから抜けることが防止される。また、各支柱7に作用するブロックの浮力は、連結板16A,16Bを通じて同一のブロック3を貫通する近傍の支柱7に伝達され、さらに、連結板16C,16Dを通じて異なるブロック3を貫通する近傍の支柱7に伝達される。これにより、各支柱7に作用するブロック3の浮力は、複数の支柱7によって堅固に支持される。このため、各支柱7にその支持力を超える浮力が作用した場合でも、ブロック3の浮き上がりを効果的に防止することができる。
【0046】
また、簡易な構成によりブロック3の浮き上がりを防止することができるために、コンクリート浮体1の製造に要する手間やコストの軽減を図る上で有利になる。
【0047】
また、ブロック3の貫通孔3c内に塩化ビニル管14を配置して、この塩化ビニル管14の内部14aに支柱7を通すようにしたことから、支柱7をブロック3の貫通孔3c内にスムーズに挿入させることができる。
【0048】
また、支柱7の高さを調整する高さ調整手段8を設けたことから、添え板15・連結板16・ナット17の取り付けに要する支柱上部7bの長さを確保する上で有利になる。
【0049】
また、連結板16の下方に連結板16よりも幅の大きな添え板15を配置してブロック3の上面3aに当接させるようにしたことから、ブロック3に浮力が生じた際に、連結板16からブロック3に向けて押し返される力を分散することができる。これにより、前記押し返しの力によってブロック3に生じる変形(食い込み)を小さく抑えることができる。
【0050】
また、連結板16を支柱7に取り付ける際に、溶接を用いることとした場合には、ブロック3が発泡スチロールにより構成されていることから、溶接の火花によりブロック3が燃焼して火災が生じる虞れがある。これに対して、本実施の形態では、連結板16に貫通孔16a(図7参照)を設けて、この貫通孔16aに支柱7を通すようにしたことから、連結板16を安全に支柱7に取り付けることができる。
【0051】
本発明は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲において種々改変することができる。
【0052】
例えば、心材2を構成するブロック3の数は、上記に限らず任意に設定することができる。例えば、ブロック3の数を1つにした場合には、このブロック3に複数の貫通孔3cを設けるとともに、これら貫通孔3cを通させた支柱7の上部7bが連結板により連結される。
【0053】
また、連結板16によって連結される支柱7の数は、上記に限られず任意に設定することができる。例えば、3つの支柱7を1つの連結板16によって連結する場合には、連結板16に3つの貫通孔16aが設けられて、これら貫通孔16aのそれぞれに支柱7の上部7bが通される。
【0054】
また、ブロック3に形成される貫通孔3cの数や位置も、任意に設定することができる。例えば、ブロック3に5つの貫通孔3cを設けた場合には、これら貫通孔3cに通させた5つの支柱7が、2つの支柱7や3つの支柱7からなる組に分けられ、各組の支柱7が連結板16により連結される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンクリート浮体を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】コンクリート浮体の製造工程を示す図である。
【図4】図3に示す工程の後に実施されるコンクリート浮体の製造工程を示す図である。
【図5】図3(A)のa範囲の拡大図である。
【図6】発泡スチロール製のブロックを示す斜視図である。
【図7】連結板を示す斜視図である。
【図8】図3(C)の作業時におけるコンクリート浮体の状態を示す平面図である。
【図9】図3(C)のb範囲の拡大図である。
【図10】添え板を示す斜視図である。
【図11】従来のコンクリート浮体の製造設備を示す断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 コンクリート浮体
2 心材
3 発泡スチロール製のブロック
3c 貫通孔
4 コンクリート底壁
7 支柱
7b 支柱の上部
8 高さ調整手段
14 塩化ビニル管
14a塩化ビニル管の内部
15 添え板
16(16A,16B,16C,16D) 連結板
17 ナット(押圧具)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したコンクリート浮体の製造方法であって、
前記コンクリート浮体の底部を構成するコンクリート底壁を形成する工程と、
前記コンクリート底壁の上に、前記ブロックを配置する工程と、
前記ブロックの周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とを有し、
前記コンクリート底壁の形成工程では、複数の支柱の各々の下部を前記コンクリート底壁に埋設させることで、前記複数の支柱を前記コンクリート底壁上に立設させ、
前記ブロックの配置工程では、前記複数の支柱を前記ブロックに形成された貫通孔に挿入して、各支柱の上部を前記貫通孔から延び出させた後に、各前記支柱の上部に対して、他の支柱の上部との連結を図る連結板と、前記連結板を前記ブロックへ向けて押しつける押圧具とを取り付けることを特徴とするコンクリート浮体の製造方法。
【請求項2】
前記ブロックは、その四隅に貫通孔が形成され、
前記ブロックの配置工程では、前記支柱を前記ブロックの四隅に形成された貫通孔に挿入して、これらの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、縦方向或いは横方向に隣り合う2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項3】
前記コンクリート浮体は、前記ブロックを複数備えたものであって、
前記ブロックの配置工程では、前記複数のブロックのそれぞれに形成された貫通孔に前記支柱を挿入することで、各前記ブロックの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、異なるブロックに設けられた2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項4】
前記連結板に形成された貫通孔に前記支柱の上部が通されることによって、前記連結板は、前記支柱の上部に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項5】
前記押圧具は、前記支柱の上部の外面に形成された螺旋に螺合するナットであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項6】
前記ブロックの配置工程では、前記支柱は、前記ブロックの貫通孔を通過する塩化ビニル管の内部に挿入されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項7】
前記支柱の下部には、その外面に螺旋が形成され、
前記コンクリート底壁の形成工程では、各前記支柱の配置箇所において、前記支柱の螺旋との螺合により前記支柱の高さを調整する高さ調整手段が設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項8】
前記ブロックの配置工程では、前記連結板の下方において、前記連結板よりも大きな幅を有し、前記ブロックの上面に接する添え板が配置されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項1】
心材としての発泡スチロール製のブロックを内部に収容したコンクリート浮体の製造方法であって、
前記コンクリート浮体の底部を構成するコンクリート底壁を形成する工程と、
前記コンクリート底壁の上に、前記ブロックを配置する工程と、
前記ブロックの周囲及び上方に、コンクリートを流し込む工程とを有し、
前記コンクリート底壁の形成工程では、複数の支柱の各々の下部を前記コンクリート底壁に埋設させることで、前記複数の支柱を前記コンクリート底壁上に立設させ、
前記ブロックの配置工程では、前記複数の支柱を前記ブロックに形成された貫通孔に挿入して、各支柱の上部を前記貫通孔から延び出させた後に、各前記支柱の上部に対して、他の支柱の上部との連結を図る連結板と、前記連結板を前記ブロックへ向けて押しつける押圧具とを取り付けることを特徴とするコンクリート浮体の製造方法。
【請求項2】
前記ブロックは、その四隅に貫通孔が形成され、
前記ブロックの配置工程では、前記支柱を前記ブロックの四隅に形成された貫通孔に挿入して、これらの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、縦方向或いは横方向に隣り合う2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項3】
前記コンクリート浮体は、前記ブロックを複数備えたものであって、
前記ブロックの配置工程では、前記複数のブロックのそれぞれに形成された貫通孔に前記支柱を挿入することで、各前記ブロックの貫通孔から前記支柱の上部を延び出させた後に、前記連結板により、異なるブロックに設けられた2つの貫通孔から延び出た支柱の上部の連結が図られることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項4】
前記連結板に形成された貫通孔に前記支柱の上部が通されることによって、前記連結板は、前記支柱の上部に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項5】
前記押圧具は、前記支柱の上部の外面に形成された螺旋に螺合するナットであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項6】
前記ブロックの配置工程では、前記支柱は、前記ブロックの貫通孔を通過する塩化ビニル管の内部に挿入されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項7】
前記支柱の下部には、その外面に螺旋が形成され、
前記コンクリート底壁の形成工程では、各前記支柱の配置箇所において、前記支柱の螺旋との螺合により前記支柱の高さを調整する高さ調整手段が設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【請求項8】
前記ブロックの配置工程では、前記連結板の下方において、前記連結板よりも大きな幅を有し、前記ブロックの上面に接する添え板が配置されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコンクリート浮体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−132049(P2010−132049A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307958(P2008−307958)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(308038794)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(308038794)
【Fターム(参考)】
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