説明

コンクリート集成材及びその構築方法

【課題】 中心の芯材が降伏し難く、しかも施工性及び経済性に優れたコンクリート集成材及びその構築方法を提供する。
【解決手段】 コンクリート集成材において、芯材1と、この芯材1の周囲に配置される単材2又は組単材4と、それら全体を拘束する拘束部5とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート集成材及びその構築方法に係り、特に鉄道土木構造物に用いるコンクリート集成材及びその構築方法に関するものである。なお、本発明において、コンクリート集成材とは、部品としてのコンクリートその他を集めて成した部材をいう。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄筋コンクリート部材は、図8に示すように、大地震時に軸方向鉄筋が降伏した後に破断したりあるいはコンクリートが圧縮破壊するため、復旧に多大な費用と時間を要するといった問題があった。
これを改善し、軸方向鉄筋の降伏、破断あるいはコンクリートの圧縮破壊による部材破壊の防止機能を発揮させるために、以下のような摩擦減衰機構を有する弾性耐震柱の提案(下記特許文献1及び非特許文献1,2参照)がなされている。
【0003】
図10は特許文献1に示したかかる従来の摩擦減衰機構を有する弾性耐震柱を示す図である。この図に示すように、弾性耐震柱110は、分割した単材111a〜111fを束ねるように強度の大きな拘束部112a,112bで拘束し、プレストレスを導入している。また、非特許文献1,2において、機能の発揮方向を一方向に限定し、平板を3枚重ねた構造に単純化して、上記部材破壊の防止を発揮できることを確認している。図9はその弾性耐震柱を示す図であり、弾性耐震柱100は、単材101a〜101cが拘束部102により締め付けられることによって束ねられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/090723号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】澤田純男,西郡一雅,「摩擦減衰機構を有する弾性耐震橋脚柱の提案」,土木学会第60回年次学術講演会,1−272,平成17年9月,pp.541−542
【非特許文献2】澤田純男,高橋良和,西郡一雅,「摩擦減衰機構を持つ弾性耐震柱の実験的研究」,土木学会第62回年次学術講演会,1−351,平成19年9月,pp.697−698
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した摩擦減衰機構を有する弾性耐震柱では、(1)中心部の単材111aが必ずしも効果を発揮せず非効率である、(2)部材の完成形にあわせて単材111a〜111fを設計する必要があるため経済性が損なわれる、(3)単材111a〜111fが大きいため施工性に劣り、仮にそれらを小さく設計しても、本数が多いためにやはり施工性に劣る、といった問題があった。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みて、中心部の機能を最適化し、しかも施工性及び経済性に優れたコンクリート集成材及びその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕コンクリート集成材において、芯材と、この芯材の周囲に配置される単材又は組単材と、それら全体を拘束する拘束部とを具備することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載のコンクリート集成材において、前記芯材は鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートであることを特徴とする。
【0009】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載のコンクリート集成材において、前記単材は軸方向に負荷される引張・圧縮力を負担可能な鋼材又は長繊維からなる補強筋を内芯として有するコンクリート又はモルタルを充填した塩化ビニール管又は金属製単管からなることを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載のコンクリート集成材において、前記単材がコンクリート又はモルタルを充填した金属製単管からなることを特徴とする。
【0010】
〔5〕上記〔3〕又は〔4〕記載のコンクリート集成材において、前記金属製単管が、ステンレス製単管、アルミニウム製単管又は鋼製単管からなることを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載のコンクリート集成材において、前記単材の軸方向鉄筋を配置した断面形状は、円形、楕円形又は多角形であることを特徴とする。
〔7〕上記〔1〕又は〔2〕記載のコンクリート集成材において、前記組単材は前記単材を複数本束ねて構成することを特徴とする。
【0011】
〔8〕コンクリート集成材積層構築体であって、上記〔1〕から〔7〕の何れか一項記載のコンクリート集成材上に別のコンクリート集成材を積層することを特徴とする。
〔9〕コンクリート集成材の構築方法において、芯材と単材をプレキャストコンクリート工場で作製し、前記単材を複数本まとめて拘束した組単材を準備し、前記芯材と前記単材又は組単材を現場に搬入し、前記芯材を中心としてその周囲に前記単材又は組単材を複数配置し、周囲を拘束部により拘束することを特徴とする。
【0012】
〔10〕コンクリート集成材の構築方法において、上記〔9〕記載のコンクリート集成材の構築方法によって構築されるコンクリート集成材を積層する場合、はじめに構築したコンクリート集成材の前記芯材の上部に別の芯材を配置してその周囲に単材又は組単材を配置し、はじめに構築したコンクリート集成材の単材又は組単材と、前記上部に配置された単材又は組単材とを継手で接続し、新たに上部に積み上がった前記芯材とこの芯材を中心として配置された複数の単材又は組単材の周囲を拘束部で拘束することを特徴とする。
【0013】
〔11〕上記〔10〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記単材又は組単材の軸方向の接続を行う継手は、前記単材又は組単材が前記補強筋を有する場合は、前記補強筋をあらかじめ端部から所定長露出させておき、前記単材又は組単材と外形寸法が同じ金属製管材を前記単材又は組単材の端部に軸方向に連続して配置し、前記金属製管材内部に充填材を充填し、前記上部に配置する単材又は組単材をその補強筋が前記充填材を充填した金属製管材内部に配置されるように軸方向に連続して配置することにより構成することを特徴とする。
【0014】
〔12〕上記〔11〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記金属製管材に充填される充填材は、前記上部に配置する単材又は組単材を設置した後に、前記金属製管材にあらかじめ設けた注入口から充填することを特徴とする。
〔13〕上記〔10〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記単材又は組単材の軸方向の接続を行う継手は、前記単材又は組単材がコンクリート又はモルタルを充填した金属製単管によりなる場合は、この金属製単管の端部にあらかじめコンクリート又はモルタルの充填されない所定長の空間を設けておき、この空間に前記所定長の2倍以下の長さの補強筋を軸方向に配置し、前記上部に配置する単材又は組単材を軸方向に連続して配置し、前記空間に充填材を充填することにより構成することを特徴とする。
【0015】
〔14〕上記〔13〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記金属製単管に充填される充填材は、前記金属製単管にあらかじめ設けた注入口から充填することを特徴とする。
〔15〕上記〔11〕から〔14〕の何れか一項記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記充填材は、無機モルタル又は有機樹脂であることを特徴とする。
【0016】
〔16〕上記〔15〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記無機モルタルは、セメントを主成分とする静的破砕剤であることを特徴とする。
〔17〕上記〔16〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記静的破砕剤が材齢1日で膨張圧2300〜2700t/m2 であることを特徴とする。
〔18〕上記〔1〕記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記芯材が既設構造の補強すべき部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地震等により大規模な曲げ、せん断力が作用しても損傷し難く、しかも施工性及び経済性に優れたコンクリート集成材及びその構築方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を示すコンクリート集成材の斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示すコンクリート集成材の上面図である。
【図3】本発明の実施例を示すコンクリート集成材の構築フローチャートである。
【図4】本発明の実施例を示すコンクリート集成材の構築の様子を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す軸方向に積層したコンクリート集成材を示す図である。
【図6】内部に補強筋を有する単材の接続方法の説明図である。
【図7】コンクリート又はモルタルを充填した金属製単管からなる単材の接続方法の説明図である。
【図8】従来のコンクリート集成材の軸方向鉄筋の降伏状況を示す図面代用写真である。
【図9】従来の摩擦減衰機構を有する弾性耐震柱を示す図(その1)である。
【図10】従来の摩擦減衰機構を有する弾性耐震柱を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のコンクリート集成材は、芯材と、この芯材の周囲に配置される単材又は組単材と、それら全体を拘束する拘束部とを具備する。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示すコンクリート集成材の斜視図、図2はそのコンクリート集成材の上面図である。
これらの図において、1は芯材、2は補強筋3を有する単材、4は単材2を複数本(ここでは3本ずつ)あらかじめ束ねて拘束した組単材であり、単材2又は組単材4の数で断面の大きさを調整することができるようにする。5は組み上がったコンクリート集成材を拘束する拘束部である。
【0021】
ここで、芯材1は鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートとする。引張力による破壊を抑制するために、軸方向にあらかじめ切断しておくことができる。また、この芯材1として、発泡スチロールを使用して軽量化することもできるが、その場合は、断面形状保持のためのスチフナ(stiffener)が必要になる。
また、単材2は軸方向に負荷される引張・圧縮力を負担可能な鋼材又は長繊維からなる補強筋3を有しており、コンクリート又はモルタルを充填した塩化ビニール管又は金属製単管からなる。ただし、金属製単管とした場合は補強筋3は省略可能である。その金属製単管は、アルミニウム管、ステンレス管又は鋼管が好適である。単材2の軸方向鉄筋としての補強筋3を配置した断面形状は、円形、楕円形又は多角形である。組単材4は、この単材2を複数本束ねて構成される。
【0022】
図3は本発明の実施例を示すコンクリート集成材の構築フローチャート、図4はこのコンクリート集成材の構築の様子を示す図、図5は本発明の実施例を示す軸方向に積層したコンクリート集成材を示す図、図6は内部に補強筋を有する単材の接続方法の説明図、図7はコンクリート又はモルタルを充填した金属製単管からなる単材の接続方法の説明図である。
【0023】
本発明のコンクリート集成材の構築方法について、図3のフローチャート及び図4,図5を参照しながら説明する。
(1)まず、図4(a)に示すように、コンクリートからなる芯材1と補強筋3を配置した単材2をプレキャストコンクリート工場で作製する(ステップS1)。
(2)次いで、図4(b)に示すように、単材2、又は必要に応じて単材2を複数本(例えば、2本〜5本、ここでは3本ずつ)まとめて拘束した組単材4を準備する(ステップS2)。
【0024】
(3)次に、準備した芯材1と単材2又は組単材4を現場に搬入する(ステップS3)。
(4)次に、必要に応じてクレーンを使い、芯材1を中心位置に配置する(ステップS4)。
(5)次に、必要に応じてクレーンを使い、図4(c)に示すように、芯材1の周囲に単材2又は組単材4を配置する(ステップS5)。
【0025】
(6)次に、芯材1を中心に複数個の単材2又は組単材4を配置してその周囲を拘束部5により拘束し、図4(d)に示すように、コンクリート集成材6を構築する(ステップS6)。なお、例えば、芯材の重量及び体積を小さくするために1つの芯材の高さを予め低く製作しておいた場合は、図4(e)に示すように、積み重なった複数の芯材1′を単材2又は組単材4が取り囲んでコンクリート集成材6′が構成される。
【0026】
(7)コンクリート集成材を軸方向に積層するか否かを確認し(ステップS7)、軸方向に積層する場合には、図5に示すように、芯材1の上に、別コンクリートからなる芯材11を積層する(ステップS8)。なお、7は芯材11と芯材1との境界面である。
(8)その芯材11の周囲に配置した単材12又は組単材の補強筋13とコンクリート集成材6の単材2又は組単材4の補強筋3とを継手14で接続する(ステップS9)。なお、図5(a)では、芯材11と芯材1との境界面7の位置(高さ)と継手14の位置(高さ)は同じであるが、施工性を考慮した任意の高さに相互にずらすことができる〔図5(b)参照〕。
【0027】
(9)最後に、新たに積み上がった上部の周囲を拘束部15で拘束し、コンクリート集成材16が構築される(ステップS10)。
ここで、上記ステップS9で述べたコンクリート集成材の構築方法について図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
図6において、20は最初に構築されるコンクリート集成材6の単材、21はその単材20の補強筋、22は単材20の端部、23は金属製管材、24は金属製管材23に充填される充填材、25は単材20の上に構築されるコンクリート集成材16の単材、26はその単材25の補強筋である。
【0028】
図5に示すようなコンクリート集成材を構築する場合、継手14を構成するため、図6(a)に示すような補強筋21をあらかじめ端部22から所定長露出させた単材20でコンクリート集成材6を構築する。そして、図6(b)に示すように、単材20と外形寸法が同じ金属製管材23を単材20の端部22に軸方向に連続して配置し、この金属製管材23の中に充填材24として無機モルタル又は有機樹脂を充填する。次に、図6(c)に示すように、その金属製管材23の内部に補強筋26が配置されるように、コンクリート集成材16の単材25を軸方向に連続して配置する。
【0029】
この時、金属製管材23の中に充填する充填材24は、単材25を軸方向に配置した後に、金属製管材23にあらかじめ形成した注入口(図示なし)から充填するようにしてもよい。なお、ここでは、単材と同じ外形寸法の金属製管材23を用いて単材どうしを接続するようにしているが、補強筋を端部から所定長露出させた単材を複数本拘束して組単材を構成し、その組単材の外形寸法と同じ金属製管材を用いて継手を構成するようにしてもよい。
【0030】
一方、図7において、30は最初に構築されるコンクリート集成材6の金属製単管からなる単材、31はその単材30の端部、32は単材30の端部31に形成されるコンクリート又はモルタルの充填されない空間、33は補強筋、34はコンクリート集成材6の上に構築されるコンクリート集成材16の金属製単管からなる単材、35は単材30にあらかじめ形成された注入口、36は充填材である。
【0031】
単材が金属製単管よりなる場合、継手14を構成するため、図7(a)に示すような、金属製単管の端部31にコンクリート又はモルタルの充填されない所定長の空間32を設けた単材30でコンクリート集成材6を構築する。そして、図7(b)に示すように、この所定長の空間32にその2倍以下の長さの補強筋33を軸方向に配置し、図7(c)に示すように、コンクリート集成材16の単材34を軸方向に連続して配置する。最後に、単材30に設けられている注入口35から空間32に充填材36としての無機モルタル又は有機樹脂を充填する。
【0032】
なお、ここでは単材の場合で説明したが、単材を複数本拘束して構成した組単材の場合でも同様である。
ここで、金属製管材23又は空間32に充填される充填材24,36としての無機モルタルは、セメントを主成分とする静的破砕剤であり、材齢1日で膨張圧2300〜2700t/m2 となる静的破砕剤であることが望ましい。
【0033】
以上説明したコンクリート集成材は、次のような効果を奏する。
(a)単材2,12は汎用的な寸法で作製しており、また、廉価である。この単材2は、コンクリート又はモルタルを充填した塩化ビニール管又は金属製単管からなり、その断面形状は、円形、楕円形又は多角形状である。例えば、断面が四角形状の汎用品を使用することができる。組単材4又は構築されたコンクリート集成材6を解体することにより、単材としての再利用が可能である。例えば、複雑な駅の切替工事などで仮設材として転用可能である。
【0034】
(b)単材2を複数本束ねた組単材4を形成するようにしているので、現場での作業工程が低減でき、拘束効果も増大する。
(c)地震時に、組み上がった単材同士又は単材と芯材との接触面で滑動し地震動によるエネルギーを摩擦力で吸収して損傷することがない。仮に損傷しても、組単材4を交換することにより早期復旧が可能である。
【0035】
(d)芯材1と単材2をプレキャストコンクリート工場でプレキャスト部材として作製することにより、高品質化を図り、工期の短縮を図ることができる。
(e)単材2として塩化ビニール管を用いると、塩化ビニール管から脱型しない場合、著しく耐久性が向上する。
本発明で構築されたコンクリート集成材の特性は完全一体形に近い。また、中心部の芯材1には曲げ耐荷力を期待する必要がないため、これを断面の保持および軸力の保持機能に特化させることができる。
【0036】
本発明によれば、中心のコンクリート芯材によって軸圧縮力を保持し、大規模な荷重が作用した場合のエネルギーを吸収して部材の損傷を抑制する。さらに、単材の形状や寸法と集成方法の見直しを行うことにより、実施工に適合するコンクリート集成材の構造が実現でき、経済性及び施工性の問題を解決することができる。
上記した実施の形態は、本発明のコンクリート集成材を新設構造物の構成部材として適用する場合を示したものであるが、本発明のコンクリート集成材は既設構造物の補強方法として適用することも可能である。この場合、図1において、芯材1は既設構造物の補強すべき部材(例えば、無筋の鉄道橋脚)となり、既設構造物の補強すべき部材をとり囲むように単材2又は組単材4を配置し、周囲を拘束する。
【0037】
このように既設構造物の補強方法として適用したコンクリート集成材は、上記した(a)〜(e)のほか、以下の効果を奏することができる。
(f)既設構造物について軸方向鉄筋のアンカーによる定着を用いることなく、曲げ及びせん断補強を可能とする。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のコンクリート集成材及びその構築方法は、中心のコンクリート芯材が降伏し難く、しかも施工性及び経済性に優れたコンクリート集成材及びその構築方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1,1′,11 芯材
2,12,20,25 単材
3,13,21,26,33 補強筋
4 組単材
5,15 拘束部
6,6′,16 コンクリート集成材
7 境界面
14 継手
22,31 単材の端部
23 金属製管材
24,36 充填材
30,34 金属製単管からなる単材
32 空間
35 注入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、該芯材の周囲に配置される単材又は組単材と、それら全体を拘束する拘束部とを具備することを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリート集成材において、前記芯材は鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートであることを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコンクリート集成材において、前記単材は軸方向に負荷される引張・圧縮力を負担可能な鋼材又は長繊維からなる補強筋を内芯として有するコンクリート又はモルタルを充填した塩化ビニール管又は金属製単管からなることを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項4】
請求項1又は2記載のコンクリート集成材において、前記単材がコンクリート又はモルタルを充填した金属製単管からなることを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項5】
請求項3又は4記載のコンクリート集成材において、前記金属製単管が、ステンレス製単管、アルミニウム製単管又は鋼製単管からなることを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項6】
請求項1又は2記載のコンクリート集成材において、前記単材の軸方向鉄筋を配置した断面形状は、円形、楕円形又は多角形であることを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項7】
請求項1又は2記載のコンクリート集成材において、前記組単材は前記単材を複数本束ねて構成することを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項記載のコンクリート集成材上に別のコンクリート集成材を積層することを特徴とするコンクリート集成材。
【請求項9】
芯材と単材をプレキャストコンクリート工場で作製し、前記単材を複数本まとめて拘束した組単材を準備し、前記芯材と前記単材又は組単材を現場に搬入し、前記芯材を中心としてその周囲に前記単材又は組単材を複数配置し、周囲を拘束部により拘束することを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項10】
請求項9記載のコンクリート集成材の構築方法によって構築されるコンクリート集成材を積層する場合、はじめに構築したコンクリート集成材の前記芯材の上部に別の芯材を配置してその周囲に単材又は組単材を配置し、はじめに構築したコンクリート集成材の単材又は組単材と、前記上部に配置された単材又は組単材とを継手で接続し、新たに上部に積み上がった前記芯材とこの芯材を中心として配置された複数の単材又は組単材の周囲を拘束部で拘束することを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項11】
請求項10記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記単材又は組単材の軸方向の接続を行う継手は、前記単材又は組単材が前記補強筋を有する場合は、前記補強筋をあらかじめ端部から所定長露出させておき、前記単材又は組単材と外形寸法が同じ金属製管材を前記単材又は組単材の端部に軸方向に連続して配置し、前記金属製管材内部に充填材を充填し、前記上部に配置する単材又は組単材をその補強筋が前記充填材を充填した金属製管材内部に配置されるように軸方向に連続して配置することにより構成することを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項12】
請求項11記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記金属製管材に充填される充填材は、前記上部に配置する単材又は組単材を設置した後に、前記金属製管材にあらかじめ設けた注入口から充填することを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項13】
請求項10記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記単材又は組単材の軸方向の接続を行う継手は、前記単材又は組単材がコンクリート又はモルタルを充填した金属製単管によりなる場合は、この金属製単管の端部にあらかじめコンクリート又はモルタルの充填されない所定長の空間を設けておき、該空間に前記所定長の2倍以下の長さの補強筋を軸方向に配置し、前記上部に配置する単材又は組単材を軸方向に連続して配置し、前記空間に充填材を充填することにより構成することを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項14】
請求項13記載のコンクリート集成材積層構築体の構築方法において、前記金属製単管に充填される充填材は、前記金属製単管にあらかじめ設けた注入口から充填することを特徴とするコンクリート集成材積層構築体の構築方法。
【請求項15】
請求項11から14の何れか一項記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記充填材は、無機モルタル又は有機樹脂であることを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項16】
請求項15記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記無機モルタルは、セメントを主成分とする静的破砕剤であることを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項17】
請求項16記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記静的破砕剤が材齢1日で膨張圧2300〜2700t/m2 であることを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。
【請求項18】
請求項1記載のコンクリート集成材の構築方法において、前記芯材が既設構造の補強すべき部材であることを特徴とするコンクリート集成材の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−226172(P2011−226172A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97726(P2010−97726)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】