説明

コンタクタ、半導体集積回路の試験方法及び試験装置

【課題】最終試験を所定回数繰り返す毎に行うクリーニング工程を不要とし、半導体集積回路の生産性を向上できるコンタクタ、半導体集積回路の試験方法及び試験装置を提供する。
【解決手段】半導体集積回路11が載置されるIC搭載部20と、コンタクトピン26が立設されるベース部材23との間に研磨シート31を配置する。研磨シート31にはコンタクトピン26が挿通可能なスリットが設けられている。半導体集積回路11を押し下げると研磨シート31によりコンタクトピン26の先端が擦れて研磨され、コンタクトピン26の先端に付着している異物が除去される。その後、更に半導体集積回路11を押し下げると、コンタクトピン26が半導体集積回路11の接続端子に接触する。この状態で半導体集積回路11を駆動し、出力信号により良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)の試験に使用するコンタクタ、半導体集積回路の試験方法及び試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯通信端末、携帯電話及びデジタルカメラ等の携帯型電子機器が広く普及しており、これらの電子機器のより一層の小型化、高性能化及び軽量化が要望されている。また、これらの電子機器に使用される半導体集積回路にも小型化、高性能化及び軽量化が要求されており、半導体集積回路の接続端子の数が増加するとともに接続端子の配列ピッチが狭くなる傾向がある。
【0003】
携帯型電子機器に使用される半導体集積回路のパッケージには、BGA(Ball Grid Array)、FBGA(Fine-pitch Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、及びFLGA(Fine-pitch Land Grid Array)等がある。BGA及びFBGAでははんだにより形成されたボール状の電極を接続端子としてパッケージ底面に格子状に並べており、リフロー炉により配線基板上にはんだ付けする。LGA及びFLGAは、はんだボールの替わりに平面電極パッドを接続端子としてパッケージ底面に格子状に並べたものであり、はんだ付け又はICソケットを介して配線基板に実装される。
【0004】
ところで、半導体集積回路製造時の最終工程において、最終試験(ファイナルテスト)が実施される。この最終試験では、ICテスターを用いて半導体集積回路の電気特性を測定して良否を判定する。ICテスター本体と半導体集積回路との電気的接続は、例えば多数のコンタクトピンを有するコンタクタ(電気的接続をとるための冶具)を介して行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−44825号公報
【特許文献2】特開平11−233220号公報
【特許文献3】特開2004−219144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最終試験は、半導体集積回路を高速動作させた状態で実施されることが多く、要求される電気特性も厳しい。また、コンタクトピンと半導体集積回路の接続端子との間の接触抵抗が電気特性の測定結果に与える影響が大きく、接触抵抗の管理が厳しく要求されている。しかし、従来の試験装置は、単にコンタクトピンを半導体集積回路の接続端子(はんだボール又は平面電極等)に接触させるだけである。そのため、最終試験を繰り返し行うとコンタクトピンの先端に異物(例えばめっき物から剥がれためっき膜等)が付着して接触抵抗が増大し、電気特性を正確に測定できないことがある。
【0007】
このような不具合を回避するために、従来は例えば最終試験を所定回数繰り返した後、コンタクトピンの先端を研磨又は薬液洗浄するクリーニング工程を実行している。しかしながら、クリーニング工程を頻繁に行うと、半導体集積回路の製造(最終試験工程を含む)に要する時間が長くなり、生産性が低下するという問題がある。
【0008】
以上から、最終試験を所定回数繰り返す毎に行うクリーニング工程を不要とし、半導体集積回路の生産性を向上できるコンタクタ、半導体集積回路の試験方法及び試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一観点によれば、半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、ベース部材と、前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートとを有する半導体集積回路用コンタクタが提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記一観点によれば、IC搭載部に載置された半導体集積回路とベース部材との間に、研磨シートを配置している。この研磨シートは、例えばコンタクトピンが通るスリット又は穴が設けられており、接触手段による半導体集積回路又はコンタクトピンの移動時にコンタクトピンの先端を擦るようになっている。このため、仮にコンタクトピンの先端に異物が付着していても、研磨シートにより異物が除去される。これにより、コンタクトピンと半導体集積回路の接続端子との接触状態を常に良好にすることができる。上記一観点によれば、試験を行うたびにコンタクトピンの先端が清浄化されるので、試験工程とは別にコンタクトピンを研磨したり洗浄したりする工程が不要になり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る試験装置を示す模式図である。
【図2】図2は、コンタクタの断面図である。
【図3】図3は、コンタクトピンを示す模式図である。
【図4】図4は、IC搭載部及びカバー部材を上から見た状態を示す平面図である。
【図5】図5は、図4の一部(角部)を拡大して示す図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、研磨シートの取り付け方法の一例を示す図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る半導体集積回路の試験方法を示す断面図である。
【図8】図8は、第1の実施形態に係る半導体集積回路の試験方法を示す模式図である。
【図9】図9(a)〜(d)は、研磨シートのスリットの例を示す図である。
【図10】図10(a),(b)は、第2の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピンの先端部の動きを示す模式図である。
【図12】図12(a),(b)は、第3の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。
【図13】図13は、4枚の研磨シートをそれぞれ示す平面図である。
【図14】図14は、コンタクトピンが研磨シートを透過して半導体集積回路の接続端子と接続した状態を示す模式図である。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。
【図16】図16(a),(b)は、第5の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。
【図17】図17(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピンの先端部の動きを示す模式図である。
【図18】図18(a),(b)は、第6の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。
【図19】図19(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピンの先端の動きを示す模式図である。
【図20】図20は、半導体集積回路に対し最終試験を自動で行う半導体集積回路試験システムの概要を示す図である。
【図21】図21(a),(b)は、第3の搬送装置と、試験ステージに配置されたコンタクタとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る試験装置(ICテスター)を示す模式図である。本実施形態に係る試験装置は、被試験体である半導体集積回路が搭載されるテスターヘッド20と、予め設定されたプログラムにしたがって試験信号を発生し半導体集積回路の電気特性を測定する試験装置本体10とを有している。試験装置本体10とテスターヘッド20との間は、ケーブル15により電気的に接続されている。
【0014】
テスターヘッド20は、試験回路基板21と、この試験回路基板21上に搭載されたコンタクタ22とを有している。試験回路基板21には所定のパターンで電極及び配線が形成されている。図1では試験回路基板21上に2個のコンタクタ22が搭載されている例を示しているが、試験回路基板21上に搭載するコンタクタ22の数は1個でもよく、3個以上でもよい。
【0015】
コンタクタ22には、蝶番を介して蓋部30が取り付けられている。この蓋部30には、コンタクタ22上に搭載された半導体集積回路を押圧する押圧部30aが設けられている。
【0016】
図2は、コンタクタ22の断面図である。この図2に示すように、コンタクタ22は、ベース部材23,24と、カバー部材25と、多数のコンタクトピン26と、ガイドピン27と、コイルばね28と、IC搭載部29とを有している。IC搭載部29には、被試験体である半導体集積回路11に整合する大きさの凹部が設けられており、この凹部内に半導体集積回路11を載置するようになっている。
【0017】
図3はコンタクトピン26を示す模式図である。コンタクトピン26は電気抵抗が小さい金属により形成されており、円筒状の固定部26aと、固定部26a内に配置されたコイルばね26bと、コイルばね26bにより上下方向に移動可能に支持された可動部26cとを有している。可動部26cの先端(上端)には、半導体集積回路11の接続端子に接触する接触部26bが設けられている。また、固定部26aの下端は、試験回路基板21に設けられた電極と電気的に接続される。
【0018】
図2に示すように、ベース部材23は、試験回路基板21上に配置される。ベース部材24も試験回路基板21上に配置されるが、ベース部材24の下側にはベース部材23を内包する空間が設けられている。これらのベース部材23,24は絶縁材料により形成されており、コンタクトピン26を立設するための多数の孔(コンタクトピン立設用孔)が設けられている。これらの孔の配列ピッチは、半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同一に設定されている。
【0019】
また、ベース部材23,24のコンタクトピン立設用孔が設けられた領域の外側には複数(この例では2本)のガイドピン27が立設されている。これらのガイドピン27の上部はIC搭載部29に設けられたガイド穴に挿入されるようになっている。ガイドピン27の周囲にはコイルばね28が巻かれている。IC搭載部29は、これらのガイドピン27及びコイルばね28によりコンタクトピン26の上に保持されている。後述するように、IC搭載部29の上に半導体集積回路11を載置し、蓋部30(押圧部30a)により半導体集積回路11を押し下げると、ガイドピン27に沿ってIC搭載部29が下降し、半導体集積回路11の接続端子とコンタクトピン26の接触部26dとが接触する。
【0020】
ベース部材24の上にはカバー部材25が配置されている。図2に示すように、カバー部材25にはIC搭載部29に対応する大きさの開口部が設けられている。初期状態(蓋部30による押圧前の状態)では、カバー部材25の開口部側の縁部下側がコイルばね28により押し上げられたIC搭載部29の縁部に当接して、IC搭載部29の位置が決定される。
【0021】
図4はIC搭載部29及びカバー部材25を上から見た状態を示す平面図、図5は図4の一部(角部)を拡大して示す図である。前述したように、IC搭載部29には半導体集積回路11に整合する大きさの凹部が設けられている。この凹部の底部には研磨シート31が取り付けられており、図4,図5に示すように研磨シート31には多数の十字状のスリット31aが設けられている。スリット31aの配列ピッチは、半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じに設定されている。
【0022】
研磨シート31は、例えば表面に研磨剤が付着した柔軟性のある薄板からなる。研磨シート31は、後述するように最終試験(高速動作試験)時にコンタクトピン26の先端を擦って異物を除去するものである。また、IC搭載部29は、研磨シート31を容易に交換できる構造であることが好ましい。
【0023】
図6は、研磨シート31の取り付け方法の一例を示す図である。図6(a)はIC搭載部29の断面図、図6(b),(c)はIC搭載部29の部分拡大図である。
【0024】
図6(a)に示すIC搭載部29は、IC搭載部本体41と、研磨シート31を挟んでIC搭載部本体41の下側に配置される研磨シート保持具42とを有している。IC搭載部本体41の下面側にはガイド穴41aが複数設けられており、研磨シート保持具42にはガイド穴41aに挿入される凸状の位置決めポスト42aが設けられている。また、研磨シート31には、位置決めポスト42aに対応する位置に位置決め穴40aが設けられている。
【0025】
位置決めポスト42aは、図6(a)に示すように、水平面に対し中心側(研磨シート保持具42の中心側)の面がほぼ垂直、外側の面が斜めであって、頂部の幅が研磨シート31の位置決め穴40aの幅よりも小さく、底部の幅がIC搭載部本体41のガイド穴41aの幅とほぼ同じに設定されている。
【0026】
IC搭載部29に研磨シート31を設置する場合、図6(b)に示すように研磨シート保持具42の位置決めポスト42aに研磨シート31の位置決め穴40aを嵌め合わせる。その後、図6(c)に示すように、位置決めポスト42aをIC搭載部本体41のガイド穴41aに嵌め込む。このとき、位置決めポスト42aの外側の傾斜面に沿って研磨シート31が外側に引っ張られ、研磨シート31の全体に張力が発生する。これにより、IC搭載部29に研磨シート31を平坦な状態で張り付けることができる。また、研磨シート31が摩耗した場合、研磨シート31を容易に交換することができる。
【0027】
以下、図7,図8を参照して、本実施形態に係る半導体集積回路の試験方法について説明する。なお、図7(a),(b)は最終試験(ファイナルテスト)時におけるコンタクタ22の動きを示す断面図であり、図8(a)〜(c)は最終試験時におけるコンタクトピン26の先端部の動きを示す模式図である。また、図7(a),(b)において、符号30はコンタクタ22に取り付けられた蓋部を示し、符号30aは蓋部30に設けられた押圧部を示している(図1参照)。
【0028】
まず、図7(a)に示すように、IC搭載部29の凹部に半導体集積回路11を載置する。この状態では、IC搭載部29はコイルばね28によりコンタクトピン26の上方に保持されており、図8(a)に示すように、半導体集積回路11の接続端子(はんだボール)11aとコンタクトピン26とは接触していない。
【0029】
次に、蓋部30を閉じて押圧部30aにより半導体集積回路11を押圧する。そうすると、半導体集積回路11がIC搭載部29とともにガイドピン27に沿って下降し、図8(b)に示すように、コンタクトピン26の先端の接触部26dが研磨シート31のスリット31aを通り抜ける。このとき、研磨シート31によりコンタクトピン26の接触部26dが擦られて研磨(ワイピング)される。これにより、接触部26dに異物が付着していても、異物が接触部26dから除去される。
【0030】
その後、更に押圧部30aにより半導体集積回路11及びIC搭載部29を押圧して下降させると、図7(b),図8(c)に示すように、コンタクトピン26の先端部(接続部26d)が半導体集積回路11の接続端子11aと接触する。
【0031】
このようにしてコンタクトピン26と半導体集積回路11の接続端子11aとを接触させた後、試験装置本体10(図1参照)から試験信号を出力して半導体集積回路11を動作させ、半導体集積回路11の電気特性を測定する。そして、その測定結果に基づき、半導体集積回路11の良否を判定する。
【0032】
本実施形態では、蓋部30(押圧部30a)により半導体集積回路11を押圧してIC搭載部29を下方に移動させると、コンタクトピン26の先端(接続部26d)が研磨シート31により擦られて研磨(ワイピング)される。このため、仮にコンタクトピン26の先端に異物が付着していても、コンタクトピン26が半導体集積回路11の接続端子11aに接触する前に異物が除去される。これにより、最終試験において半導体集積回路11の電気特性を常に良好な精度で測定することができ、最終試験の信頼性が向上する。また、最終試験とは別にコンタクトピン26を研磨又は洗浄するクリーニング工程が不要となるので、半導体集積回路の製造(最終試験工程を含む)に要する時間が短縮される。その結果、半導体集積回路の生産性が向上する。更に、従来の方法ではコンタクトピン26を過剰に研磨したり薬液によりコンタクトピン26の電気特性を劣化させるおそれがあるが、本実施形態ではそれらのおそれがなく、コンタクトピン26の寿命が延びるという利点もある。
【0033】
図9(a)〜(d)は、研磨シート31のスリットの例を示す図である。図9(a)は上述の実施形態で説明したようにスリットを十字状としたものであり、図9(b),(c)はコンタクトピン26の接触部26dに対応する位置に接触部26dよりも小径の円形の穴を設け、更に円形の穴から放射状に直線状のスリットを配置したものである。更に、図9(d)はコンタクトピン26の接触部26dの形状に合わせて穴及びスリットを設けた例である。これらの図9(a)〜(d)に示すように、研磨シート31の穴又はスリットの形状は、適宜設定すればよい。
【0034】
(第2の実施形態)
図10(a),(b)は、第2の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。また、図11(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピン26の先端部の動きを示す模式図である。なお、図10(a),(b)において、図7(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0035】
本実施形態の試験装置の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるが、図10(a),(b)に示すように、本実施形態においてはIC搭載部29に2枚の研磨シート32a,32bが上下方向に相互に離隔して配置されている。これらの研磨シート32a,32bには、第1の実施形態の研磨シート31と同様に、多数の十字形のスリットが設けられている。これらのスリットの配列ピッチは、被試験体である半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じに設定されている。
【0036】
試験前の状態では、図10(a),図11(a)に示すように、コンタクトピン26の接触部26dは第1の研磨シート32aの下方に位置している。蓋部30(図1,図7参照)に設けられた押圧部30aにより半導体集積回路11が下方に押し下げられると、図11(b)に示すようにコンタクトピン26の接触部26dは第1の研磨シート32aのスリットを透過する。そして、更に半導体集積回路11が押し下げられると、図10(b),図11(c)に示すようにコンタクトピン26の接触部26dは第2の研磨シート32bのスリットも透過して、半導体集積回路11の接続端子11aに接触する。
【0037】
本実施形態においては、IC搭載部29の1回の移動(下降)によりコンタクトピン26の接触部26dが第1及び第2の研磨シート32a,32bにより合計2回研磨(ワイピング)される。このため、本実施形態においては、第1の実施形態に比べて接触部26dに付着した異物をより確実に除去できるという利点がある。
【0038】
なお、本実施形態ではIC搭載部29に2枚の研磨シート32a,32bが配置される場合について説明したが、3枚以上の研磨シートを上下方向に相互に離隔して配置してもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
図12(a),(b)は、第3の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。なお、図12(a),(b)において、図7(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0040】
本実施形態の試験装置の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるが、図12(a),(b)に示すように、本実施形態においてはIC搭載部29に4枚の研磨シート33a〜33dが上下方向に相互に離隔して配置されている。
【0041】
図13は、各研磨シート33a〜33dをそれぞれ示す平面図である。この図13に示すように、各研磨シート33a〜33dにはそれぞれスリット34a及び貫通穴34bが設けられている。これらのスリット34a及び貫通穴34bの配列ピッチは、半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じに設定されている。
【0042】
スリット34aは第1の実施形態と同様に十字形に形成されており、コンタクトピン26が通る際にコンタクトピン26の先端(接触部)を擦るようになっている。また、貫通穴34bはコンタクトピン26の先端の径よりも若干大きく形成されており、コンタクトピン26が通る際に研磨シートに接触しないようになっている。
【0043】
図14は、コンタクトピン26が研磨シート32a〜33dを透過して半導体集積回路11の接続端子11aと接続した状態を示す模式図である。この図14及び上述した図13に示すように、各研磨シート32a〜32に形成されたスリット34aの位置はそれぞれずれており、IC搭載部29の1回の移動(下降)により各コンタクトピン26がそれぞれ1回だけスリット34aを通過するようになっている。
【0044】
第1の実施形態では1枚の研磨シート31で全てのコンタクトピン26の先端を研磨(ワイピング)するので、コンタクトピン26の数が多い場合は研磨シート31に大きな負荷がかかり、研磨シート31が破損することが考えられる。これに対し、本実施形態においては、1枚の研磨シートにはスリット34aの数と同数のコンタクトピン26しか接触しない。すなわち、本実施形態においては、研磨シート33a〜33dに負荷をかけるコンタクトピン26の数をそれぞれ制限でき、研磨シート33a〜33dの破損を確実に回避できる。
【0045】
研磨シートの枚数、研磨シートに形成するスリット34a及び貫通穴34bの数、並びにスリット34a及び貫通穴34bのレイアウトは、半導体集積回路11の接続端子の数や研磨シートの耐久性などを考慮して適宜設定すればよい。
【0046】
なお、上述の実施形態においては、IC搭載部29の1回の移動(下降)により全てのコンタクトピン26がいずれも1回だけスリット34aを通過するものとしている。しかし、半導体集積回路11のNC(Non-Connection)端子に接触するコンタクトピン26がある場合に、各研磨シートの当該コンタクトピン26に対応する部分にスリット34aを設けず、貫通穴34bだけとしてもよい。これにより、研磨シート33a〜33dにかかる負荷をより一層軽減することができる。
【0047】
また、電気特性が厳しく要求されない接続端子に接続するコンタクトピン26がある場合にも、同様に各研磨シートの当該コンタクトピン26に対応する部分にはスリット34aを設けず、貫通穴34bのみとしてもよい。
【0048】
更に、最終試験時にダミーのコンタクトピン使用する場合も、各研磨シートの当該ダミーコンタクトピンに対応する部分にはスリット34aを設けず、貫通穴34bのみとしてもよい。
【0049】
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。なお、図15において、図2と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0050】
本実施形態の試験装置の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるが、図15に示すように、本実施形態においてはIC搭載部29に2種類の研磨シート35a,35bを上下方向に相互に離隔して配置している。
【0051】
下側に配置された研磨シート35aは粒度が粗い研磨材を含有しており、上側に配置された研磨シート35bは粒度が細かい研磨材を含有している。これらの研磨シート35a、35bには、第1の実施形態の研磨シート31と同様に、十字状のスリットが配列して形成されている。それらのスリットの配列ピッチは、被試験体である半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じに設定されている。
【0052】
IC搭載部29上に半導体集積回路11を載置して蓋部(加圧部)により半導体集積回路11を押圧すると、半導体集積回路11はIC搭載部29とともにガイドピン27に沿って下降する。そして、コンタクトピン26の先端(接触部)が研磨シート35aのスリットを透過する。このとき、コンタクトピン26の先端が研磨シート35aにより擦られ、粗研磨される。
【0053】
更にIC搭載部29が下降すると、コンタクトピン26の先端が研磨シート35bのスリットを透過する。このとき、コンタクトピン26の先端が研磨シート35bにより擦られ、仕上げ研磨される。
【0054】
本実施形態では、IC搭載部29の1回の移動(下降)の際に研磨の程度が異なる2種類の研磨シート35a,35bによりコンタクトピン26の先端を研磨する。このため、コンタクトピン26の研磨状態を任意に設定することができる。
【0055】
なお、本実施形態のように複数枚の研磨シートを使用する場合、それらの研磨シートの間隔を変更できるようにしてもよい。例えば図15のように2枚の研磨シート35a,35bを使用する場合、コンタクトピン26の先端が1枚目の研磨シート35aと接触すると、コンタクトピン26はばね26b(図3参照)により収縮し、研磨シート35aを通り抜けると負荷がとれて一気に伸長する。2枚目の研磨シート35bを1枚目の研磨シート35aの近くに配置するか離れたところに配置するかにより、2枚目の研磨シート35bとコンタクトピン26との接触圧が変わる。すなわち、研磨シート35a,35bの間隔を変えることにより、研磨状態を調整することができる。
【0056】
(第5の実施形態)
図16(a),(b)は、第5の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。また、図17(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピンの先端部の動きを示す模式図である。なお、図16(a),(b)において、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0057】
本実施形態の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるが、図16,図17に示すように、本実施形態においては、IC搭載部29に取り付ける研磨シート36が、2枚のフィルム36aの間にゴム等の弾性体に研磨剤を含んで形成された球36bを挟んだ構造を有している。フィルム36aには被試験体である半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じピッチで、コンタクトピン26が挿通する穴が設けられている。
【0058】
最終試験前の状態では、図16(a),図17(a)に示すように、コンタクトピン26の接続部26aは研磨シート36の下方に位置している。蓋部(図1参照)により半導体集積回路11が下方に押し下げられると、図17(b)に示すようにコンタクトピン26の先端(接触部26d)は研磨シート36内に入る。このとき、コンタクトピン26の先端が球36bにより擦られて研磨される。
【0059】
そして、更に半導体集積回路11が押し下げられると、図16(b),図17(c)に示すように、コンタクトピン26の先端は研磨シート36を通り抜け、半導体集積回路11の接続端子11aに接触する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
(第6の実施形態)
図18(a),(b)は、第6の実施形態に係る試験装置のコンタクタ及びその試験装置を用いた試験方法を示す断面図である。また、図19(a)〜(c)は、最終試験時におけるコンタクトピンの先端の動きを示す模式図である。なお、図18(a),(b)において、図6(a),(b)と同一物には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0061】
本実施形態の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるが、図18,図19に示すように、本実施形態においては、IC搭載部29に取り付ける研磨シート37が、ゴム等の弾性体に研磨剤を含んだ材料により形成されている。研磨シート37には、被試験体である半導体集積回路11の接続端子の配列ピッチと同じピッチで穴37aが設けられている。穴37aの直径は、コンタクトピン26の先端(接続部26d)の直径よりも若干小さく設定されている。
【0062】
研磨前の状態では、図18(a),図19(a)に示すように、コンタクトピン26の接続部26aは研磨シート37の下方に位置している。蓋部(図1参照)により半導体集積回路11が下方に押し下げられると、図19(b)に示すようにコンタクトピン26の先端(接触部26d)は研磨シート37の穴37a内に入る。このとき、コンタクトピン26の先端が研磨シート37(穴37aの壁面)に擦られて研磨される。
【0063】
そして、更に半導体集積回路11が押し下げられると、図18(b),図19(c)に示すように、コンタクトピン26の先端は研磨シート37を通り抜け、半導体集積回路11の接続端子11aに接触する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
(第7の実施形態)
図20は、半導体集積回路に対し最終試験(ファイナルテスト)を自動で行う半導体集積回路試験システムの概要を示す図である。
【0065】
試験すべき半導体集積回路は、トレイに収納されて未試験品トレイ収納部51に載置される。第1の搬送装置52は、未試験品トレイ収納部51から未試験の半導体集積回路を吸着し、プリヒート部53まで搬送する。プリヒート部53では、必要に応じて半導体集積回路を所定の温度まで加温する。常温で最終試験(ファイナルテスト)を実施する場合は、プリヒート部53を設けなくてもよい。
【0066】
第2の搬送装置54は、プレヒート部53に載置された半導体集積回路を、アライメント部55に搬送する。このアライメント部55では、半導体集積回路の位置及び向きが調整される。第3の搬送装置57は、アライメント部55に載置された半導体集積回路を吸着し、コンタクタが配置された試験ステージ56まで搬送する。
【0067】
図21(a),(b)は、第3の搬送装置57と、試験ステージ56に配置されたコンタクタとを示す図である。なお、本実施形態で使用するコンタクタは蓋部を有しないこと以外は基本的に第1の実施形態で説明したコンタクタと同様の構造を有しているので、図21(a),(b)において図2と同一物には同一符号を付している。また、以下の説明では、図1,図8も随時参照する。
【0068】
図21(a)に示すように、第3の搬送装置57は、ヘッド部73と、ヘッド部73の下部に配置されて半導体集積回路11を吸着するチャック74と、ヘッド部73を垂直方向(上下方向)に移動させる垂直移動部と、ヘッド部73を水平方向に移動させる水平移動部とを有している。垂直移動部は、モータ(図示せず)及びリードスクリュー72等により構成されており、水平移動部はモータ(図示せず)及びガイドレール71等により構成されている。
【0069】
第3の搬送装置57は、図21(a)に示すようにコンタクタ22の上方まで半導体集積回路11を搬送すると、ヘッド部73を下降させて半導体集積回路11をコンタクタ22のIC搭載部29の上に配置する。
【0070】
次に、第3の搬送装置57は、ヘッド部73を更に下降させ、半導体集積回路11を介してIC搭載部29を押圧する。これにより、IC搭載部29がガイドピン27に沿って下降し、コンタクトピン26と半導体集積回路11の接続端子11aとが接触する。このとき、図8(a)〜(c)に示すように、コンタクトピン26の先端(接続部26d)が研磨シート31により擦られて清浄化される。
【0071】
次に、試験装置本体10(図1参照)からコンタクタ22を介して半導体集積回路11に試験信号が供給され、半導体集積回路11から試験信号に応じた信号が出力される。試験装置本体10は、半導体集積回路11に入力された信号と半導体集積回路11から出力された信号とを調べ、当該半導体集積回路11の良否を判定する。
【0072】
このようにして最終試験が終了した後、第3の搬送装置57は、半導体集積回路11を吸着したままヘッド部73を上昇させ、仮置き場58まで半導体集積回路11を搬送する。第4の搬送装置59は、仮置き場58に載置された半導体集積回路11を吸着し、最終試験の結果に応じて良品収納トレイ60又は不良品収納トレイ61まで半導体集積回路11を搬送する。
【0073】
本実施形態においては、多数の半導体集積回路に対し最終試験を自動で連続的に実施することができる。この場合、最終試験を実施する毎にコンタクトピン26の先端が研磨シート31に擦られて清浄化されるので、コンタクトピン26と半導体集積回路11の接続端子11aとの接続状態が常に安定な状態となり、最終試験の信頼性が向上する。
【0074】
なお、上述した第1〜第7の実施形態ではいずれも半導体集積回路11のパッケージがBGAの場合について説明したが、上記に開示した技術をFBGA、LGA及びFLGA等のCSP(Chip Size Package)タイプの半導体集積回路、並びにQFP(Quad Flat Package)及びSOP(Small Outline Package)等のリードタイプの半導体集積回路に適用することもできる。
【0075】
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
【0076】
(付記1)半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、
ベース部材と、
前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、
前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートと
を有することを特徴とする半導体集積回路用コンタクタ。
【0077】
(付記2)前記研磨シートには、研磨剤が含まれていることを特徴とする付記1に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【0078】
(付記3)前記研磨シートが、前記IC搭載部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【0079】
(付記4)前記IC搭載部には、前記研磨シートを取り付けるときに前記研磨シートに対し張力を付加する張力付加機構が設けられていることを特徴とする付記3に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【0080】
(付記5)前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置された前記研磨シートの数が複数であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【0081】
(付記6)前記複数の研磨シートには、前記コンタクトピンに接触するスリットと、前記コンタクトピンに接触しない貫通穴とが選択的に設けられていることを特徴とする付記5に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【0082】
(付記7)半導体集積回路と試験装置本体に電気的に接続された複数のコンタクトピンとの間に研磨シートを配置する工程と、
前記コンタクトピン及び前記研磨シートの少なくとも一方を移動させて前記研磨シートにより前記コンタクトピンの先端を擦る工程と、
更に前記コンタクトピン及び前記半導体集積回路の少なくとも一方を移動させて前記コ タクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる工程と、
前記試験装置本体から前記半導体集積回路に試験信号を供給して前記半導体集積回路の電気特性を測定する工程と
を有することを特徴とする半導体集積回路の試験方法。
【0083】
(付記8)試験信号を発生する試験装置本体と、半導体集積回路が載置され前記試験装置本体から出力される試験信号を前記半導体集積回路に伝達するコンタクタとを有し、
前記コンタクタが、
ベース部材と、
前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、
前記ベース部材から離隔して配置され前記半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、
前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートと
を有することを特徴とする半導体集積回路の試験装置。
【0084】
(付記9)試験信号を発生する試験装置本体と、半導体集積回路が載置され前記試験装置本体から出力される試験信号を前記半導体集積回路に伝達するコンタクタと、試験前の前記半導体集積回路を前記コンタクタまで搬送し、試験終了後の前記半導体集積回路を前記コンタクタから搬出する搬送装置とを有し、
前記コンタクタが、
ベース部材と、
前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、
前記ベース部材から離隔して配置され前記半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、
前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートと
を有することを特徴とする半導体集積回路の試験システム。
【0085】
(付記10)前記搬送装置が、試験中も前記半導体集積回路を保持し続けることを特徴とする付記9に記載の半導体集積回路の試験システム。
【符号の説明】
【0086】
10…試験装置本体、11…半導体集積回路、11a…接続端子、15…ケーブル、20…テスターヘッド、21…試験回路基板、22…コンタクタ、23,24…ベース部材、25…カバー部、26…コンタクトピン、27…ガイドピン、28…コイルばね、29…IC搭載部、30…蓋部、30a…押圧部、31,32a,32b,33a〜33d,35a,35b,36,37…研磨シート、31a,34a…スリット、34b…貫通穴、40…位置決め穴、41…IC搭載部本体、41a…ガイド穴、42…研磨シート保持具、42a…位置決めポスト、51…未試験品トレイ収納部、52…第1の搬送装置、53…プリヒート部、54…第2の搬送装置、55…アライメント部、56…試験ステージ、57…第3の搬送装置、58…仮置き場、59…第4の搬送装置、60…良品収納トレイ、61…不良品収納トレイ、71…ガイドレール、72…リードスクリュー、73…ヘッド部、74…チャック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、
ベース部材と、
前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、
前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートと
を有することを特徴とする半導体集積回路用コンタクタ。
【請求項2】
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置された前記研磨シートの数が複数であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【請求項3】
前記複数の研磨シートには、前記コンタクトピンに接触するスリットと、前記コンタクトピンに接触しない貫通穴とが選択的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路用コンタクタ。
【請求項4】
半導体集積回路と検査装置本体に電気的に接続された複数のコンタクトピンとの間に研磨シートを配置する工程と、
前記コンタクトピン及び前記研磨シートの少なくとも一方を移動させて前記研磨シートにより前記コンタクトピンの先端を擦る工程と、
更に前記コンタクトピン及び前記半導体集積回路の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる工程と、
前記検査装置本体から前記半導体集積回路に試験信号を供給して前記半導体集積回路の電気特性を測定する工程と
を有することを特徴とする半導体集積回路の試験方法。
【請求項5】
試験信号を発生する試験装置本体と、半導体集積回路が載置され前記試験装置本体から出力される試験信号を前記半導体集積回路に伝達するコンタクタとを有し、
前記コンタクタが、
ベース部材と、
前記ベース部材に立設される複数のコンタクトピンと、
前記ベース部材から離隔して配置され前記半導体集積回路が載置されるIC搭載部と、
前記IC搭載部及び前記ベース部材の少なくとも一方を移動させて前記コンタクトピンの先端を前記半導体集積回路の接続端子に接触させる接触手段と、
前記IC搭載部に載置された前記半導体集積回路と前記ベース部材との間に配置され、前記接触手段による前記半導体集積回路又は前記コンタクトピンの移動時に前記コンタクトピンの先端を擦る研磨シートと
を有することを特徴とする半導体集積回路の試験装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−27519(P2011−27519A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172753(P2009−172753)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】