説明

コンタクトレンズケース

【課題】ケース単体で良好な自然乾燥を行うことができるコンタクトレンズケースを提供することを目的としている。
【解決手段】コンタクトレンズを収容する凹状の第一及び第二収容部20R,20Lが並設されたケース本体部2と、ケース本体部2にヒンジ22Rを介して連結されて第一収容部20Rに被着された開閉可能な第一蓋部21Rと、ケース本体部2にヒンジ22Lを介して連結されて第二収容部20Lに被着された開閉可能な第二蓋部21Lと、が備えられたコンタクトレンズケース1において、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lに、蓋部裏側に向かって突出した脚部28R,28Lがそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のコンタクトレンズケースとして、従来、例えば下記特許文献1に示されているような、ケア剤容器のキャップに着脱可能なコンタクトレンズケースが知られている。このコンタクトレンズケースは、コンタクトレンズを収容する凹状の収容部を有するケース本体部と、ケース本体部にヒンジを介して連結されて収容部に被着される開閉可能な蓋部と、が備えられている。ケース本体部は、左右のコンタクトレンズを別々に収容できるように、基台部に一対の収容部が並設されている。また、基台部の中間部分には、ケア剤容器のキャップの鍔部に対して嵌合可能な嵌合凹部が形成されている。このコンタクトレンズケースによれば、蓋部を開けると共にケース本体部を裏返した姿勢で前記嵌合凹部をケア剤容器のキャップの鍔部に嵌合させることで、裏返した姿勢で保持される。これにより、収容部の内側や蓋部の裏面の液切れが良くなり、水洗後のコンタクトレンズケースを良好に自然乾燥させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−178994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のコンタクトレンズケースでは、自然乾燥を行う際にケア剤容器と組み合わせて使用する必要があるが、ケース単体でも良好な自然乾燥を行うことができるコンタクトレンズケースの要望がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記した要望に応えるべく、ケース単体で良好な自然乾燥を行うことができるコンタクトレンズケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンタクトレンズケースは、コンタクトレンズを収容する凹状の第一及び第二収容部が並設されたケース本体部と、該ケース本体部にヒンジを介して連結されて前記第一収容部に被着された開閉可能な第一蓋部と、前記ケース本体部にヒンジを介して連結されて前記第二収容部に被着された開閉可能な第二蓋部と、が備えられたコンタクトレンズケースにおいて、前記第一蓋部及び前記第二蓋部に、蓋部裏側に向かって突出した脚部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、コンタクトレンズケースを乾燥させる際には、第一蓋部及び第二蓋部をそれぞれ開いた状態で、ケース本体部を上下に反転させて裏返し、第一蓋部及び第二蓋部の下向きに突出した脚部を接地面にそれぞれ接地させる。これにより、コンタクトレンズケースは、裏返した姿勢で安定して自立する。
【0008】
また、本発明に係るコンタクトレンズケースは、前記第一収容部及び前記第一蓋部を有する第一ケース部材と、前記第二収容部及び前記第二蓋部を有する第二ケース部材と、が別体に形成されており、前記第一ケース部材と前記第二ケース部材とが連結部を介して着脱可能に連結されていることが好ましい。
これにより、第一ケース部材と第二ケース部材とを別々に成形することができるので、二色成形を行うことなく、第一蓋部と第二蓋部との色分けを行うことが可能である。
また、連結部を外すことで第一ケース部材と第二ケース部材とを分離させることが可能であるので、第一ケース部材と第二ケース部材を重ね合わせた状態で携帯したり保管したりすることも可能であり、また、第一ケース部材と第二ケース部材とのうちの何れか一方だけを持ち運ぶことも可能である。
【0009】
また、本発明に係るコンタクトレンズケースは、前記第一蓋部及び前記第二蓋部がそれぞれ開いた状態で、平面視において該第一蓋部及び第二蓋部が互いに前記ケース本体部の中心点回りに180度回転対称の位置に配設されていると共に、前記第一蓋部及び前記第二蓋部にそれぞれ設けられた前記脚部同士が互いに前記中心点回りに180度回転対称の位置に配設されていることが好ましい。
これにより、コンタクトレンズケースを裏返した姿勢で自立させたときの安定感が向上する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコンタクトレンズケースによれば、裏返した姿勢で安定して自立させることができるので、ケース単体で良好な自然乾燥を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのコンタクトレンズケースの平面図であり、第一、第二蓋部がそれぞれ開いた状態を表した図である。
【図2】図1に示すA−A´間の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するための第一ケース部材(第二ケース部材)の斜視図であり、第一蓋部(第二蓋部)が開いた状態を表した図である。
【図4】本発明の実施の形態を説明するための第一ケース部材(第二ケース部材)の平面図であり、第一蓋部(第二蓋部)が開いた状態を表した図である。
【図5】図1に示すB−B´間の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態を説明するためのコンタクトレンズケースの側面図であり、乾燥時の姿勢を表した図である。
【図7】本発明の実施の形態を説明するための連結部の断面図であり、第一ケース部材及び第二ケース部材の着脱時の状態を表した図である。
【図8】本発明の変形例を説明するためのコンタクトレンズケースの平面図である。
【図9】本発明の変形例を説明するための第一ケース部材(第二ケース部材)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るコンタクトレンズケースの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1、図2に示すように、コンタクトレンズケース1は、コンタクトレンズを保管するための合成樹脂からなるプラスチック容器であり、その概略構成としては、左右のコンタクトレンズをそれぞれ収容する一対の収容部(第一収容部20R及び第二収容部20L)が並設されたケース本体部2と、ヒンジ22R,22Lを介してケース本体部2にそれぞれ連結された蓋部(第一蓋部21R及び第二蓋部21L)と、を備えている。
【0014】
なお、図2に示す鎖線ORは第一収容部20Rの中心軸線を示しており、図2に示す鎖線OLは第二収容部20Lの中心軸線を示している。また、図1に示す符号Pは、ケース本体部2の中心点を示しており、この中心点Pは、平面視において前記した2本の中心軸線OR,OL間の真中に位置している。本実施の形態では、上記した中心軸線OR,OLに沿った方向を「軸方向」とし、中心軸線OR,OLに直交する方向を「径方向」とし、中心軸線OR,OL周りの方向を「周方向」とする。また、第一、第二収容部20R,20Lの開口縁側を「上」とし、その反対側を「下」とする。また、第一収容部20R及び第二収容部20Lの並び方向(図1に示すX方向)を「平面視横方向」とし、その平面視横方向に直交する水平方向(図1に示すY方向)を「平面視縦方向」とする。
【0015】
コンタクトレンズケース1は、別体に形成された一対のケース部材(第一ケース部材11及び第二ケース部材12)からなる。第一ケース部材11は、上記した第一収容部20Rと第一蓋部21Rとを有する部材であり、第二ケース部材12は、上記した第二収容部20Lと第二蓋部21Lとを有する部材である。これら第一ケース部材11及び第二ケース部材12は、同金型で成形された同一形状の部材であり、平面視横方向に隣接して配設されていると共に連結部(第一連結部29R及び第二連結部29L)を介して着脱可能に連結されている。
【0016】
ここで、第一、第二ケース部材11,12の構成について詳しく説明する。
【0017】
図3、図4に示すように、第一ケース部材11は、略半球状に窪んで上方に向けて開口した凹状の第一収容部20Rと、その第一収容部20Rの径方向外側に全周に亘って周設された第一外殻部23Rと、第一収容部20Rの上端開口部に被着される開閉可能な第一蓋部21Rと、第二ケース部材12に連結するための第一連結部29Rと、を備えている。
【0018】
第一収容部20Rは、縦断面視半円弧状に形成されたボール皿状の皿部であり、この第一収容部20Rの内側には、コンタクトレンズケア用の液体が入れられた状態でコンタクトレンズが収容可能である。
第一外殻部23Rは、中心軸線ORを中心にして軸方向に延在する円筒形状の筒部である。この第一外殻部23Rの内側には第一収容部20Rが配設されており、第一外殻部23Rの上端部が第一収容部20Rの外周面に連結されている。
【0019】
第一蓋部21Rは、ヒンジ22Rを介して第一外殻部23Rの上端部に連結されたヒンジキャップであり、その概略構成としては、天壁部24Rと、周壁部25Rと、鍔部26Rと、シール部27Rと、一対の脚部28R,28Rと、を備えている。
【0020】
天壁部24Rは、平面視円形状の平板部であり、第一蓋部21Rが閉じられた状態において中心軸線ORに対して垂直に配置されると共に第一収容部20Rの上に配置される。
周壁部25Rは、天壁部24Rの外縁から第一蓋部21Rの裏側(第一蓋部21Rが閉じられた状態では下側)に向けて突出した円筒形状の筒部である。この周壁部25Rは、第一蓋部21Rが閉じられた状態において第一外殻部23Rの上方に配置されると共に第一収容部20Rの上端部の外周に嵌合される。
【0021】
鍔部26Rは、周壁部25Rの先端部(第一蓋部21Rが閉じられた状態における下端部)の外周面から突出した平板状のフランジであり、周壁部25Rの外周のうち、ヒンジ22Rの径方向反対側(図4における右側)の位置に配設されている。この鍔部26Rは、第一蓋部21Rが閉じられた状態において第一連結部29Rの上方に配置される。
シール部27Rは、天壁部24Rの裏面に突設された円筒形状の筒部であり、周壁部25Rの内側に配設されている。このシール部27Rは、第一蓋部21Rが閉じられた状態において第一収容部20Rの上端部の内側に嵌合される。
【0022】
脚部28Rは、第一蓋部21Rの裏側に向かって突出した突起部であり、鍔部26Rの裏面に突設されている。また、脚部28Rは、平面視において周壁部25Rの内周面に沿って円弧状に湾曲された壁状部である。一対の脚部28R,28Rは、鍔部26Rの平面視縦方向の両側部分に対称に配設されている。これら一対の脚部28R,28Rは、第一蓋部21Rが閉じられた状態において第一外殻部23Rの外側にそれぞれ位置し、第一外殻部23Rの外周面に沿って配置される。
【0023】
上記した構成の第一蓋部21Rを第一外殻部23Rに連結するヒンジ22Rは、平面視縦方向の全長に亘って延在する溝が形成された折り曲げ可能な板部であり、第一蓋部21Rの周壁部25Rの下端部の外周面と第一外殻部23Rの上端部の外周面との間に介在されている。なお、この第一ヒンジ22Rは、第一蓋部21Rを90度以上の角度で開くことができ、その開閉角度が90度以上180度以下の状態でコンタクトレンズケース1を裏返し姿勢で自立させることを可能にするものである。
【0024】
第一連結部29Rは、第一外殻部23Rの外周面からそれぞれ突設された一対の突出部30R、31Rからなる。これら一対の突出部30R、31Rは、中心軸線ORに対する垂直面に沿って形成された板状部であり、第一外殻部23Rの外周のうち、ヒンジ22Rの径方向反対側(図4における左側)の位置に配設されている。また、一対の突出部30R、31Rは、平面視縦方向に間隔をあけて配設されている。
【0025】
一方の突出部30Rの先端部の下面には、第二ケース部材12の他方の突出部31Lの係合孔35Lにアンダーカット嵌合する爪部32R(係合部)が垂下されている。この爪部32Rは、平面視横方向に沿って配設された壁状部であり、爪部32Rの下端部の外面(他方の突出部31R側の反対側を向いた面)には、下方に向かって内面側に傾斜した傾斜面33Rが形成されている。
【0026】
他方の突出部31Rの上面には、第二ケース部材12の一方の突出部30Lが嵌め合わされる窪み部34Rが形成されている。この窪み部34Rは、平面視横方向の先端側の縁部及び平面視縦方向の内側(一方の突出部30R側)の縁部まで切欠かれた段差部であり、この窪み部34Rの底面には、第二ケース部材12の一方の突出部30Lの爪部32Lが挿入される係合孔35Rが形成されている。また、窪み部34Rの平面視横方向に延在する上縁部には、下方に向かって内側に傾斜した傾斜面36Rが形成されている。
【0027】
第二ケース部材12には、第二収容部20Lと第二外殻部23Lと第二蓋部21Lと第二連結部29Lとが備えられており、前記した第二蓋部21Lは、ヒンジ22Lを介して第二外殻部23Lに連結されており、第二蓋部21Lの鍔部26Lの下面には、一対の脚部28L,28Lが備えられている。この第二ケース部材12は、上述した第一ケース部材11と同一形状であるため、第二ケース部材12の詳しい構成については、第一ケース部材11の符号のRをLに変更した符号を付すことで説明を省略する。
【0028】
上記した構成からなる第一ケース部材11及び第二ケース部材12は、図1に示すように、平面視において互いに中心点P回りに180度回転対称の位置に配設されており、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lがそれぞれ開いた状態では、平面視において第一蓋部21R及び第二蓋部21Lが互いに中心点P回りに180度回転対称の位置に配設されていると共に、第一蓋部21Rの脚部28R,28R及び第二蓋部21Lの脚部28L,28Lが互いに中心点P回りに180度回転対称の位置に配設されている。これにより、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lがそれぞれ開いた状態では、第一収容部20Rの平面視横方向の一方側(第二収容部20L側の径方向反対側)に第一蓋部21Rが配設され、また、第二収容部20Lの平面視横方向の他方側(第一収容部20R側の径方向反対側)に第二蓋部21Lが配設されている。つまり、第一蓋部21R、第一収容部20R、第二収容部20L、第二蓋部21Lの順で平面視横方向に直列に並設されている。
【0029】
また、上記した第一ケース部材11及び第二ケース部材12は、各々に設けられた連結部(第一連結部29R及び第二連結部29L)同士を着脱可能に連結させることで組み合わされている。すなわち、図1、図5に示すように、第一ケース部材11の一方の突出部30Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの窪み部34Lの内側に嵌め込まれ、第一ケース部材11の一方の突出部30Rの爪部32Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの係合孔35Lにアンダーカット嵌合されている。また、第二ケース部材12の一方の突出部30Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの窪み部34Rの内側に嵌め込まれ、第二ケース部材12の一方の突出部30Lの爪部32Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの係合孔35Rにアンダーカット嵌合されている。
【0030】
次に、上記した構成からなるコンタクトレンズケース1の作用について説明する。
【0031】
コンタクトレンズケース1を水洗した後に自然乾燥する際には、まず、図1、図2に示すように、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lをそれぞれ開いた状態にする。また、第一ケース部材11及び第二ケース部材12は第一連結部29R及び第二連結部29Lを介して連結させておく。
次に、図6に示すように、ケース本体部2を上下に反転させて裏返して、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lの下向きに突出した脚部28R,28Lを接地面Xにそれぞれ接地させる。これにより、コンタクトレンズケース1は、裏返した姿勢で安定して自立する。そして、この姿勢でコンタクトレンズケース1を自然乾燥する。
【0032】
また、コンタクトレンズケース1を第一ケース部材11と第二ケース部材12とに分離させる際には、図7に示すように、第一ケース部材11と第二ケース部材12とを平面視横方向に延在する回転中心線Q回りに相対的に回転させる。これにより、第一ケース部材11の一方の突出部30Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの窪み部34Lの内側から外れて第一ケース部材11の一方の突出部30Rの爪部32Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの係合孔35Lから抜け出ると共に、第二ケース部材12の一方の突出部30Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの窪み部34Rの内側から外れて第二ケース部材12の一方の突出部30Lの爪部32Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの係合孔35Rから抜け出て、第一連結部29Rと第二連結部29Lとの結合が外れる。その結果、第一ケース部材11と第二ケース部材12とが分離可能となる。
なお、第一ケース部材11(第二ケース部材12)の一方の突出部30R(30L)と他方の突出部31R(31L)とは、前記回転中心線Q回りに、180度の回転対称形状となっている。
【0033】
また、分離された第一ケース部材11及び第二ケース部材12を連結させる際には、まず、図7に示すように、第一ケース部材11の爪部32Rの下端が第二ケース部材12の窪み部34Lの傾斜面36Lに摺接すると共に第二ケース部材12の爪部32Lの下端が第一ケース部材11の窪み部34Rの傾斜面36Rに摺接する位置に第一ケース部材11と第二ケース部材12とを配置する。その後、第一ケース部材11と第二ケース部材12とを、上述した連結解除の時とは反対方向に回転中心線Q回りに相対的に回転させる。これにより、第一ケース部材11の一方の突出部30Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの窪み部34Lの内側に嵌め込まれて第一ケース部材11の一方の突出部30Rの爪部32Rが第二ケース部材12の他方の突出部31Lの係合孔35Lに挿入されると共に、第二ケース部材12の一方の突出部30Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの窪み部34Rの内側に嵌め込まれて第二ケース部材12の一方の突出部30Lの爪部32Lが第一ケース部材11の他方の突出部31Rの係合孔35Rに挿入され、第一連結部29Rと第二連結部29Lとが結合される。その結果、第一ケース部材11と第二ケース部材12とが連結される。
【0034】
また、上述したように第一ケース部材11と第二ケース部材12とを相対的に回転させる際、上記した窪み部34L,34Rの内壁面が爪部32R,32Lの傾斜面33R,33L上を摺動すると共に、爪部32L,32Rの下端が窪み部34R,34Lの傾斜面36R,36L上を摺動するので、第一ケース部材11と第二ケース部材12とが容易に回転する。
なお、上記した「回転中心線Q」は、図1に示すように平面視において2本の中心軸線OR,OL同士を結ぶ仮想線であり、図7に示すように縦断面視において一方の突出部30R(30L)の下面と他方の突出部31R(31L)の窪み部34R(34L)の底面とを結ぶ線の真中位置を通る仮想線である。
【0035】
上記したコンタクトレンズケース1によれば、裏返した姿勢で安定して自立させることができるので、第一、第二収容部20R,20Lの内部の液切れが良くなり、コンタクトレンズケース1単体で良好な自然乾燥を行うことができる。
特に、上記したコンタクトレンズケース1では、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lがそれぞれ開いた状態で、平面視において第一蓋部21R及び第二蓋部21Lが互いに中心点P回りに180度回転対称の位置に配設されていると共に、第一蓋部21Rの脚部28R,28R及び第二蓋部21Lの脚部28L,28Lが互いに中心点P回りに180度回転対称の位置に配設されているため、コンタクトレンズケース1を裏返した姿勢で自立させたときの安定感が向上する。これにより、より簡単にコンタクトレンズケース1を裏返した姿勢で自立させることができる。
【0036】
また、上記したコンタクトレンズケース1では、第一収容部20R及び第一蓋部21Rを有する第一ケース部材11と第二収容部20L及び第二蓋部21Lを有する第二ケース部材12とが別体に形成されているため、第一蓋部21Rと第二蓋部21Lとの色分けを行うことが可能である。これにより、二色成形を行うことなく、左右が認識しやすいコンタクトレンズケース1を製造することができる。
【0037】
また、第一ケース部材11と第二ケース部材12とは第一連結部29R及び第二連結部29Lを介して着脱可能に連結されており、第一連結部29Rと第二連結部29Lの結合を外すことで第一ケース部材11と第二ケース部材12とを分離させることが可能であるので、第一ケース部材11と第二ケース部材12を重ね合わせた状態で携帯したり保管したりすることも可能であり、また、第一ケース部材11と第二ケース部材12とのうちの何れか一方だけを持ち運ぶことも可能である。これにより、コンタクトレンズケース1の使い易さを向上させることができる。
【0038】
また、上記したコンタクトレンズケース1では、爪部32R,32Lに傾斜面33R,33Lが形成されていると共に、窪み部34R,34Lの縁部に傾斜面36R,36Lが形成されており、第一ケース部材11と第二ケース部材12とを回転中心線Q回りに容易に相対回転させることができるので、第一ケース部材11と第二ケース部材12との分離時や連結時の操作性を向上させることができる。
【0039】
また、上記したコンタクトレンズケース1では、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lが閉じられたときに、脚部28R,28Lが第一収容部20Rや第二収容部20Lの外部にそれぞれ配置されるので、接地面の埃などが脚部28R,28Lに付着した場合であっても、コンタクトレンズを収容する空間を清潔に保つことができる。
【0040】
以上、本発明に係るコンタクトレンズケースの実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明は、上記した構成の連結部29R,29Lに限定されず、他の構成の結合部を用いることも可能であり、図8、図9に示すように、一方の突出部130R,130Lの下面に、先端部が拡径されたボス部132R,132Lが垂下され、他方の突出部131R,131Lにテーパー状のボス孔135R.135Lが形成されており、第一ケース部材11のボス部132Rを第二ケース部材12のボス孔135Lに挿入してアンダーカット嵌合させると共に、第二ケース部材12のボス部132Lを第一ケース部材11のボス孔135Rに挿入してアンダーカット嵌合させることで、第一ケース部材11と第二ケース部材12とを連結させる構成であってもよい。
【0041】
また、上記した実施の形態では、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lに一対の脚部28R,28R,28L,28Lがそれぞれ設けられているが、本発明は、脚部の数は適宜変更可能であり、例えば、脚部が1つであってもよく、或いは3つ以上の脚部が設けられていてもよい。
【0042】
また、上記した実施の形態では、第一蓋部21Rが平面視横方向の一方側に開き、第二蓋部21Lが平面視横方向の他方側に開くため、第一蓋部21R及び第二蓋部21Lがそれぞれ開いた状態では、第一、第二収容部20R、20L及び第一、第二蓋部21R、21Lが一列に並設されるが、本発明は、第一蓋部21Rや第二蓋部21Lが他の方向に開く構成であってもよい。例えば、第一蓋部21Rが平面視縦方向の一方側に開き、第二蓋部21Lが平面視縦方向の他方側に開く構成であってもよい。
【0043】
また、上記した実施の形態では、第一収容部20Rを有する第一ケース部材11と第二収容部20Lを有する第二ケース部材12とに分離可能な構成となっているが、本発明は、ケース本体部が一部品からなり、第一収容部及び第二収容部が一体に形成された構成であってもよい。
さらに、第一ケース部材11と第二ケース部材12とを別体で構成する場合においても、両者を同一形状にすることに限定されず、例えば第一蓋部と第二蓋部の形状を異ならせることなどによって、両ケース部材の識別性を高めることも可能である。
なお、第一、第二蓋部が開放状態にあるときに、その蓋部に当接する規制部(例えば、第一、第二収容部20R,20Lや第一、第二外殻部23R,23Lの外面に形成された突部)を設け、乾燥操作時における第一、第二蓋部の開放角度を一定に維持する構成を採用することもできる。
【0044】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 コンタクトレンズケース
2 ケース本体部
20R 第一収容部
20L 第二収容部
21R 第一蓋部
21L 第二蓋部
22R ヒンジ
22L ヒンジ
28R 脚部
28L 脚部
29R 第一連結部(連結部)
29L 第二連結部(連結部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズを収容する凹状の第一及び第二収容部が並設されたケース本体部と、
該ケース本体部にヒンジを介して連結されて前記第一収容部に被着された開閉可能な第一蓋部と、
前記ケース本体部にヒンジを介して連結されて前記第二収容部に被着された開閉可能な第二蓋部と、
が備えられたコンタクトレンズケースにおいて、
前記第一蓋部及び前記第二蓋部に、蓋部裏側に向かって突出した脚部がそれぞれ設けられていることを特徴とするコンタクトレンズケース。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトレンズケースにおいて、
前記第一収容部及び前記第一蓋部を有する第一ケース部材と、前記第二収容部及び前記第二蓋部を有する第二ケース部材と、が別体に形成されており、
前記第一ケース部材と前記第二ケース部材とが連結部を介して着脱可能に連結されていることを特徴とするコンタクトレンズケース。
【請求項3】
請求項1または2記載のコンタクトレンズケースにおいて、
前記第一蓋部及び前記第二蓋部がそれぞれ開いた状態で、平面視において該第一蓋部及び第二蓋部が互いに前記ケース本体部の中心点回りに180度回転対称の位置に配設されていると共に、前記第一蓋部及び前記第二蓋部にそれぞれ設けられた前記脚部同士が互いに前記中心点回りに180度回転対称の位置に配設されていることを特徴とするコンタクトレンズケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate