説明

コンタクト群及びコネクタ

【課題】コンタクトの保持を阻害することなくコンタクトの狭ピッチ化を可能にしたコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタのコンタクト群は、互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2を備えている。4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を変化させる異形部としての突起部34を有する。突起部の位置は、4本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、コンタクトの長手方向で異なるものがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト群およびそれを用いたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
対をなす2本の信号線にそれぞれ逆位相の信号からなる差動信号対を伝送する差動伝送方式が知られている。その差動伝送方式はデータ伝送速度を高速にできるという特長をもつため、昨今では様々な分野において実用されている。
【0003】
例えば機器と液晶ディスプレイとの間のデータ伝送に差動伝送方式を用いる場合には、機器及び液晶ディスプレイに、ディスプレイポート規格にしたがって設計されたディスプレイポートコネクタを備える。このディスプレイポート規格としては、VESA Display Port standard 1.0やそれのVersion 1.1aが知られている。
【0004】
このディスプレイポートコネクタは差動信号用コネクタの一種であり、接続相手に接続するための第1の接続側と、機器や液晶ディスプレイの基板に接続するための第2の接続側とを有している。第1の接続側の形態は接続相手との関係があるためディスプレイポート規格により厳密に定められているが、第2の接続側の形態は比較的自由である。
【0005】
この種の差動信号用コネクタは特許文献1に開示されている。その差動信号用コネクタの一例を図9及び図10を参照して説明する。
【0006】
図9に示すように、絶縁性のハウジング1に複数本の導電性のコンタクト2が紙面に垂直な方向に配列されて保持されている。
【0007】
図10は、コンタクト2の配列形態を示す。各コンタクト2はその両側面に突起部3を有する。突起部3はいずれも、コンタクト2の配列方向で対応する位置に形成されている。突起部3がハウジング1の内部に係合することで、コンタクト2はハウジング1に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4439540号公報(特開2008−41656号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された形態の突起部は、次の理由によりコンタクトの狭ピッチ化の障害となる。
【0010】
その理由の一つは、突起部がコンタクトの配列方向で対向するため、隣接するコンタクトの相互間隔を狭めることができないことである。
【0011】
また理由の他の一つを次に説明する。コンタクトを一本ずつ製造するよりも複数本を纏めて製造することが生産性上有利である。その場合には、金属板にプレス加工を施し、連結部から同方向にのびた多数のリードを有する中間部材を打ち抜き形成することになるであろう。この種の中間部材をここではリードフレームと呼ぶ。しかし、そのリードフレームの製造において、コンタクトの狭ピッチ化を目指す場合、上述した突起部の対向間隔が狭くなると、プレス加工が困難になる。
【0012】
それ故に本発明の目的は、コンタクトの保持を阻害することなくコンタクトの狭ピッチ化を可能にしたコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、コネクタのコンタクト群であって、互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含み、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を変化させる異形部を有し、前記異形部の位置は、前記4本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、コンタクトの長手方向で異なるものがあることを特徴とするコンタクト群が得られる。
【0014】
本発明の他の態様によれば、前記コンタクト群と、前記コンタクト群をインサートモールドにより保持したモールド材とを含むことを特徴とするコネクタが得られる。
【0015】
本発明のさらに他の様々な態様については、後文にて明らかにする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンタクトの保持を阻害することなくコンタクトの狭ピッチ化を可能にしたコネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るコネクタの外観斜視図。
【図2】図1のコネクタの分解斜視図。
【図3】図1のコネクタの一部品である上側コンタクト組立体(上側コンタクト組立体)の斜視図。
【図4】図3の上側コンタクト組立体に含まれたコンタクト群の一例を示す平面図。
【図5】図3の上側コンタクト組立体に含まれたコンタクト群の他例を示す平面図。
【図6】図1のコネクタの一部品である下側コンタクト組立体(下側コンタクト組立体)の断面斜視図。
【図7】図6の下側コンタクト組立体に含まれたコンタクト群のみの斜視図。
【図8】(a)は、図7に示すコンタクト群を1枚の金属板からプレス加工した状態の平面図、(b)はそれを折り曲げた状態の3面図。
【図9】特許文献1(特開2008−41656号公報)に開示されているコネクタを説明するための断面図。
【図10】図9のコネクタに含まれたコンタクト群を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るコネクタについて説明する。
【0019】
図1及び図2に示すコネクタ10はプリント基板などの取付対象に搭載される差動信号用コネクタであり、上側コンタクト組立体11と、下側コンタクト組立体12と、コネクタ10を取付対象物に位置決めするためのロケータ13と、上側及び下側コンタクト組立体11,12とロケータ13とを纏めて囲った導電性のコネクタシェル14とを含んでいる。
【0020】
上側コンタクト組立体11は、保持部材としてのモールド材からなる絶縁性の上側ハウジング15と、上側ハウジング15に配列保持された多数の導電性の上側コンタクト16とを含んでいる。上側ハウジング15は、前方にのびた嵌合突起17を有している。
【0021】
上側コンタクト16の各々は、嵌合突起17の上面に配列された水平部16aと、水平部16aの後端から上側ハウジング15の後方に露出して下方に折れ曲がった折曲部16bと、折曲部16bから垂直下方にのびた垂直部16cと、垂直部16cの下端から直角に折れ曲がり、取付対象の上面の配線パターンにSMT構造により半田付けされる接続部16dとを有している。
【0022】
多数の上側コンタクト16は、水平部16aの一部を上側ハウジング15にインサートモールドにより保持されている。なお、水平部16aのうち、上側ハウジング15に保持された部分を、ここでは保持部と呼ぶ。
【0023】
下側コンタクト組立体12は、保持部材としてのモールド材からなる絶縁性の下側ハウジング21と、下側ハウジング21に配列保持された多数の導電性の下側コンタクト22とを含んでいる。下側ハウジング21は、上側ハウジング15との位置合わせを行うための対のポスト21aを有している。下側コンタクト22の各々は、上側ハウジング15の嵌合突起17の下面に沿って配列される水平部22aと、水平部22aの後端から下側ハウジング21の後方に露出して下方に折れ曲がった折曲部22bと、折曲部22bから垂直下方にのびた垂直部22cとを有している。下側コンタクト22の垂直部22cの下端部は、取付対象に形成したスルーホールに挿入されて半田付け固定される端子部22dとされている。
【0024】
ロケータ13は、取付対象の位置決め穴に嵌合する対の位置決めボス23を下面に備えている。ロケータ13の後面には、上側コンタクト16の垂直部16cと同じピッチをもって垂直に長くのびた平行な複数の溝26が形成されている。これらの溝26は、上側コンタクト16の垂直部16cが挿入される。
【0025】
コネクタシェル14は複数の固定用脚部14a,14bを有している。これらの固定用脚部14a,14bが取付対象に係合することにより、差動信号用コネクタ10は取付対象にしっかりと固定される。
【0026】
図4を参照して、上側コンタクト組立体11に含まれたコンタクト群の一例について説明する。
【0027】
図4のコンタクト群は、互いに離間配置された4本のグランド用コンタクト16−1と、これらのグランド用コンタクト16−1の間にそれぞれ2本ずつ離間配置された3ペアの信号用コンタクト16−2とを含んでいる。各グランド用コンタクト16−1はグランドラインの接続に使用され、各信号用コンタクト16−2は信号ラインの接続に使用されるものである。グランド用コンタクト16−1、信号用コンタクト16−2、信号用コンタクト16−2、及びグランド用コンタクト16−1の順に並んだ4本のコンタクトを一つのコンタクトセット31とし、このコンタクトセット31が一部重複しつつ繰り返すことにより、コンタクト群を構成している。コンタクトセット31はいずれも同じ構成であるため、ここではその一つについてのみ説明する。
【0028】
中間の2本の信号用コンタクト16−2とその両側の2本のグランド用コンタクト16−1との全てにおいて、折曲部16bはコンタクトの長手方向で揃った位置に設けられている。即ち、折曲部16bはコンタクトの配列方向で一列に設けられている。こうして、コンタクトの長手方向での一端側(図4の下部側)では、コンタクトセット31の4本のコンタクトを図3に示すように嵌合突起17の上面に沿って一列に配置し、また他端側(図4の上部側)では、コンタクトセット31の4本のコンタクトを図2に示すロケータ13の溝26内に挿入することでロケータ13の背面に沿って一列に配置している。
【0029】
またコンタクトセット31の4本のコンタクトの各々は、図3の上側ハウジング15にモールドインにより保持される保持部32を有している。即ち、保持部32が上側ハウジング15に係合することで、コンタクト群が上側ハウジング15にしっかりと保持される。
【0030】
コンタクトの各々の保持部32には、コンタクト幅を変化させる異形部の一種として複数、即ち、二つの突起部33を設けている。これらの突起部33は、各コンタクトについてはその中心から見て対称となるように、コンタクトの両側面の対応した位置に一体に形成されている。またコンタクトの長手方向における突起部33の形成位置は、グランド用コンタクト16−1と信号用コンタクト16−2とで異なっている。図示例ではグランド用コンタクト16−1の突起部33が保持部32における折曲部16bに近い側に形成されと共に、信号用コンタクト16−2の突起部33が保持部32における折曲部16bから遠い側に形成されているが、これとは逆に形成されてもよい。とにかく、中間の2本の信号用コンタクト16−2の配列の中心から見て、即ち、4本のコンタクトの配列の中心から見て、突起部33は対称に形成されている。
【0031】
このように突起部33は対称に形成されているので、4本のコンタクトからなる差動信号伝送路としての対称性が維持され、したがって、これらの突起部33を設けたことによりコネクタの高周波特性を悪化させることはない。また、突起部33はコンタクトの長手方向で異なる複数箇所に分かれて形成されているため、コンタクトの隣接したもの間の間隔を比較的広くとることができ、したがって、プレス加工の適用も容易である。
【0032】
図5を参照して、上側コンタクト組立体11に含まれたコンタクト群の他例について説明する。図4と同様な部分ついては、同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0033】
図5のコンタクト群においても、中間の2本の信号用コンタクト16−2とその両側の2本のグランド用コンタクト16−1との全てにおいて、折曲部16bはコンタクトの長手方向で揃った位置に設けられている。即ち、折曲部16bはコンタクトの配列方向で一列に設けられている。こうして、コンタクトの長手方向での一端側(図5の下部側)では、コンタクトセット31の4本のコンタクトを図3に示すように嵌合突起17の上面に沿って一列に配置し、また他端側(図5の上部側)では、コンタクトセット31の4本のコンタクトを図2に示すロケータ13の溝26内に挿入することでロケータ13の背面に沿って一列に配置している。
【0034】
コンタクトの各々の保持部32には、コンタクト幅を変化させる異形部の一種として複数、即ち、二つの切欠き34を設けている。これらの切欠き34はコンタクトの両側面に設けられているが、各コンタクトについてはその中心から見て非対称となるように、コンタクトの長手方向で異なる位置に形成されている。またコンタクトの長手方向における切欠き34の形成位置は、隣り合うコンタクト間で異なっている。とにかく、中間の2本の信号用コンタクト16−2の配列の中心から見て、即ち、4本のコンタクトの配列の中心から見て、切欠き34は対称に形成されている。
【0035】
このように切欠き34は対称に形成されているので、4本のコンタクトからなる差動信号伝送路としての対称性が維持され、したがって、これらの切欠き34を設けたことによりコネクタの高周波特性を悪化させることはない。また、切欠き34はコンタクトの長手方向で異なる複数箇所に分かれて形成されているため、コンタクトの隣接したもの間の間隔を比較的広くとることができ、したがって、プレス加工の適用も容易である。
【0036】
図6及び図7を参照して、下側コンタクト組立体12に含まれたコンタクト群の一例について説明する。
【0037】
図6及び図7に示すコンタクト群は、互いに離間配置された4本のグランド用コンタクト22−1と、これらのグランド用コンタクト22−1の間にそれぞれ2本ずつ離間配置された3ペアの信号用コンタクト22−2とを含んでいる。各グランド用コンタクト22−1はグランドラインの接続に使用され、各信号用コンタクト22−2は信号ラインの接続に使用されるものである。グランド用コンタクト22−1、信号用コンタクト22−2、信号用コンタクト22−2、及びグランド用コンタクト22−1の順に並んだ4本のコンタクトを一つのコンタクトセット41とし、このコンタクトセット41が一部重複しつつ繰り返すことにより、コンタクト群を構成している。コンタクトセット41はいずれも同じ構成であるため、ここではその一つについてのみ説明する。
【0038】
中間の2本の信号用コンタクト22−2とその両側の2本のグランド用コンタクト22−1とでは、折曲部22bがコンタクトの長手方向で異なる位置に設けられている。こうして、コンタクトの長手方向での一端側(図6の左上部側)では、コンタクトセット41の4本のコンタクトを一面に沿って一列に配置し、また他端側(図6の右下部側)では、信号用コンタクト22−2と両側の2本のグランド用コンタクト22−1とを異なる列に配置している。しかも、4本のコンタクトのうち中間の2本の信号用コンタクト22−2のピッチを、コンタクトの一端側に比べて他端側で大になしている。
【0039】
またコンタクトセット41の4本のコンタクトの各々は、下側ハウジング21にモールドインにより保持される保持部42を有している。即ち、保持部42が下側ハウジング21に係合することで、コンタクト群が下側ハウジング21にしっかりと保持される。
【0040】
コンタクトの各々の保持部42には、コンタクト幅を変化させる異形部の一種として複数、即ち、二つの突起部43を設けている。これらの突起部43は、図4に示したコンタクト群における突起部33と同様である。
【0041】
下側コンタクト組立体12に含まれたコンタクト群の突起部43も対称に形成されているので、4本のコンタクトからなる差動信号伝送路としての対称性が維持され、したがって、これらの突起部43を設けたことによりコネクタの高周波特性を悪化させることはない。また、突起部43はコンタクトの長手方向で異なる複数箇所に分かれて形成されているため、コンタクトの隣接したもの間の間隔を比較的広くとることができ、したがって、プレス加工の適用も容易である。
【0042】
また、下側コンタクト組立体12に含まれたコンタクト群においても、突起部43の代わりに、図5に示したコンタクト群における切欠き34と同様な切欠きを設けることができ、その場合にも同様な作用効果が得られるのは言うまでもない。
【0043】
図8(a)は、図7に示すコンタクト群を1枚の金属板からプレス加工した状態の平面図であり、図8(b)はそれを折り曲げた状態の3面図である。コンタクトセット41のうち、中間の2本の信号用コンタクト22―2のピッチを広げる位置において、両側の2本のグランド用コンタクト22―1は信号用コンタクト22―2から離間する逃げ部44を設けている。この結果、逃げ部44を設けた部分では、信号用コンタクト22―2とグランド用コンタクト22―1との間隔が広くなるため、プレス加工による形成が容易である。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、またその一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るがそれらには限られない。
【0045】
(付記1)
コネクタ10のコンタクト群であって、互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2,22−1,22−2を含み、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を変化させる異形部33,34,43を有し、前記異形部の位置は、前記4本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、コンタクトの長手方向で異なるものがあることを特徴とするコンタクト群。
【0046】
(付記2)
前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト22−2とその両側の2本のコンタクト22−1とに前記長手方向で位置が異なる折曲部22bを設け、前記一端側では前記4本のコンタクトを一列に配置すると共に、前記他端側では中間の2本のコンタクトと両側の2本のコンタクトとを異なる列に配置した、付記1に記載のコンタクト群。
【0047】
(付記3)
前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト22−2のピッチを、前記長手方向における一端側に比べて他端側で大になした、付記2に記載のコンタクト群。
【0048】
(付記4)
前記ピッチを大にした部分を、前記折曲部よりも前記他端側に設けた、付記3に記載のコンタクト群。
【0049】
(付記5)
前記異形部は、前記コンタクトの各々の幅を広げる突起部33,43である、付記1から4のいずれか一項に記載のコンタクト群。
【0050】
(付記6)
前記突起部は、前記長手方向での位置が、中間の2本のコンタクト16−2,22−2とその両側のコンタクト16−1,22−1とで異なっている、付記5に記載のコンタクト群。
【0051】
(付記7)
前記突起部は、前記コンタクトの各々にその中心から見て対称に複数形成されている、付記5又は6に記載のコンタクト群。
【0052】
(付記8)
前記異形部は、前記コンタクトの各々の幅を狭める切欠部34である、付記1に記載のコンタクト群。
【0053】
(付記9)
前記切欠部は、前記長手方向での位置が、中間の2本のコンタクト16−2とその両側のコンタクト16−1とで異なっている、付記8に記載のコンタクト群。
【0054】
(付記10)
前記切欠部は、前記コンタクトの各々にその中心から見て非対称に複数形成されている、付記8又は9に記載のコンタクト群。
【0055】
(付記11)
付記1から10のいずれか一項に記載のコンタクト群と、前記コンタクト群をインサートモールドにより保持したモールド材とを含むことを特徴とするコネクタ。
【0056】
(付記12)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2,22−1,22−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を増大させる突起部33,43を有し、前記突起部は、中間の2本のコンタクト16−2,22−2の中心から見て対称であるが、中間の2本のコンタクト16−2,22−2とその両側の2本のコンタクト16−1,2−1とではコンタクトの長手方向で異なる位置に設けられていることを特徴とするコネクタ。
【0057】
(付記13)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2,22−1,22−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を減少させる切欠部34を有し、前記切欠部は、中間の2本のコンタクト16−2,22−2の中心から見て対称であるが、各コンタクト内ではコンタクトの長手方向で異なる位置に複数設けられていることを特徴とするコネクタ。
【0058】
(付記14)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト22−1,22−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト22−2とその両側の2本のコンタクト22−1とにコンタクトの長手方向で位置が異なる折曲部22bを設け、前記長手方向での一端側では前記4本のコンタクトを一列に配置すると共に、前記長手方向での他端側では中間の2本のコンタクト22−2と両側の2本のコンタクト22−1とが異なる列に配置し、中間の2本のコンタクト22−2の配列の中心から見て対称であり、かつ、各コンタクトの中心から見ても対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に突起部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【0059】
(付記15)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト22−1,22−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト22−2とその両側の2本のコンタクト22−1とにコンタクトの長手方向で位置が異なる折曲部22bを設け、前記長手方向での一端側では前記4本のコンタクトが一列に配置すると共に、前記長手方向での他端側では中間の2本のコンタクト22−2と両側の2本のコンタクト22−1とが異なる列に配置し、中間の2本のコンタクト22−2の配列の中心から見て対称であるが、各コンタクトの中心から見て非対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に切欠部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【0060】
(付記16)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト16−2とその両側の2本のコンタクト16−1とにコンタクトの長手方向で位置が揃った折曲部16bを設け、前記長手方向での一端側及び他端側の各々で前記4本のコンタクトを一列に配置し、中間の2本のコンタクト16−2の配列の中心から見て対称であり、かつ、各コンタクトの中心から見ても対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に突起部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【0061】
(付記17)
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクト16−1,16−2を含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクト16−2とその両側の2本のコンタクト16−1とにコンタクトの長手方向で位置が揃った折曲部16bを設け、前記長手方向での一端側及び他端側の各々で前記4本のコンタクトを一列に配置し、中間の2本のコンタクト16−2の配列の中心から見て対称であるが、各コンタクトの中心から見て非対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に切欠部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【0062】
(付記18)
コンタクト群と前記コンタクト群をインサートモールドにより保持したモールド材15,21とを含むコネクタ10であって、前記コンタクト群は、互いに間隔をもって配列された二つのグランド用コンタクト16−1,22−1と、前記グランド用コンタクトの間に配置されたペアの信号用コンタクト16−2,22−2とを含み、前記グランド用コンタクトと前記信号用コンタクトとに対し、前記信号用コンタクトのペアの中心から見て対称であるがコンタクトの長手方向では異なる複数位置に、コンタクト幅を変化させる異形部33,34を設けたことを特徴とするコネクタ。
【0063】
(付記19)
前記4本のコンタクトのうち前記両側の2本のコンタクトは、前記中間の2本のコンタクトのピッチを広げる位置において、前記中間の2本のコンタクトから離間する逃げ部44を設けたことを特徴とする、付記14から18のいずれか一項に記載のコネクタ。
【符号の説明】
【0064】
1 ハウジング
2 コンタクト
3 突起部
10 コネクタ
11 上側コンタクト組立体
12 下側コンタクト組立体
13 ロケータ
14 コネクタシェル
14a,14b 固定用脚部
15 上側ハウジング
16 上側コンタクト
17 嵌合突起
16a 水平部
16b 折曲部
16c 垂直部
16d 接続部
21 下側ハウジング
22 下側コンタクト
21a ポスト
22a 水平部
22b 折曲部
22c 垂直部
22d 端子部
23 ボス
25 貫通孔
26 溝
16−1 グランド用コンタクト
16−2 信号用コンタクト
31 コンタクトセット
32 保持部
33 突起部
34 切欠き
22−1 グランド用コンタクト
22−2 信号用コンタクト
41 コンタクトセット
42 保持部
43 突起部
44 逃げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタのコンタクト群であって、互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含み、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を変化させる異形部を有し、前記異形部の位置は、前記4本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、コンタクトの長手方向で異なるものがあることを特徴とするコンタクト群。
【請求項2】
前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとに前記長手方向で位置が異なる折曲部を設け、前記一端側では前記4本のコンタクトを一列に配置すると共に、前記他端側では中間の2本のコンタクトと両側の2本のコンタクトとを異なる列に配置した、請求項1に記載のコンタクト群。
【請求項3】
前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトのピッチを、前記長手方向における一端側に比べて他端側で大になした、請求項2に記載のコンタクト群。
【請求項4】
前記ピッチを大にした部分を、前記折曲部よりも前記他端側に設けた、請求項3に記載のコンタクト群。
【請求項5】
前記異形部は、前記コンタクトの各々の幅を広げる突起部である、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクト群。
【請求項6】
前記突起部は、前記長手方向での位置が、中間の2本のコンタクトとその両側のコンタクトとで異なっている、請求項5に記載のコンタクト群。
【請求項7】
前記突起部は、前記コンタクトの各々にその中心から見て対称に複数形成されている、請求項5又は6に記載のコンタクト群。
【請求項8】
前記異形部は、前記コンタクトの各々の幅を狭める切欠部である、請求項1に記載のコンタクト群。
【請求項9】
前記切欠部は、前記長手方向での位置が、中間の2本のコンタクトとその両側のコンタクトとで異なっている、請求項8に記載のコンタクト群。
【請求項10】
前記切欠部は、前記コンタクトの各々にその中心から見て非対称に複数形成されている、請求項8又は9に記載のコンタクト群。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のコンタクト群と、前記コンタクト群をインサートモールドにより保持したモールド材とを含むことを特徴とするコネクタ。
【請求項12】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を増大させる突起部を有し、前記突起部は、中間の2本のコンタクトの中心から見て対称であるが、中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとではコンタクトの長手方向で異なる位置に設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項13】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトはそれぞれコンタクト幅を減少させる切欠部を有し、前記切欠部は、中間の2本のコンタクトの中心から見て対称であるが、各コンタクト内ではコンタクトの長手方向で異なる位置に複数設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項14】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとにコンタクトの長手方向で位置が異なる折曲部を設け、前記長手方向での一端側では前記4本のコンタクトを一列に配置すると共に、前記長手方向での他端側では中間の2本のコンタクトと両側の2本のコンタクトとが異なる列に配置し、中間の2本のコンタクトの配列の中心から見て対称であり、かつ、各コンタクトの中心から見ても対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に突起部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項15】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとにコンタクトの長手方向で位置が異なる折曲部を設け、前記長手方向での一端側では前記4本のコンタクトが一列に配置すると共に、前記長手方向での他端側では中間の2本のコンタクトと両側の2本のコンタクトとが異なる列に配置し、中間の2本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、各コンタクトの中心から見て非対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に切欠部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項16】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとにコンタクトの長手方向で位置が揃った折曲部を設け、前記長手方向での一端側及び他端側の各々で前記4本のコンタクトを一列に配置し、中間の2本のコンタクトの配列の中心から見て対称であり、かつ、各コンタクトの中心から見ても対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に突起部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項17】
互いに間隔をおいて配列された細長い4本のコンタクトを含むコネクタにおいて、前記4本のコンタクトのうち中間の2本のコンタクトとその両側の2本のコンタクトとにコンタクトの長手方向で位置が揃った折曲部を設け、前記長手方向での一端側及び他端側の各々で前記4本のコンタクトを一列に配置し、中間の2本のコンタクトの配列の中心から見て対称であるが、各コンタクトの中心から見て非対称となるように、前記4本のコンタクトの各々に切欠部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項18】
コンタクト群と前記コンタクト群をインサートモールドにより保持したモールド材とを含むコネクタであって、前記コンタクト群は、互いに間隔をもって配列された二つのグランド用コンタクトと、前記グランド用コンタクトの間に配置されたペアの信号用コンタクトとを含み、前記グランド用コンタクトと前記信号用コンタクトとに対し、前記信号用コンタクトのペアの中心から見て対称であるがコンタクトの長手方向では異なる複数位置に、コンタクト幅を変化させる異形部を設けたことを特徴とするコネクタ。
【請求項19】
前記4本のコンタクトのうち前記両側の2本のコンタクトは、前記中間の2本のコンタクトのピッチを広げる位置において、前記中間の2本のコンタクトから離間する逃げ部を設けたことを特徴とする、請求項14から18のいずれか一項に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−84472(P2013−84472A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224139(P2011−224139)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】