説明

コンタクト要素及び差し込み接続部におけるコンタクト要素の使用方法

コンタクト要素(10)は、長手方向に延びるバネ弾性支持薄板(11)と、そして複数のウェブ要素(17)と、を含み、これらのウェブ要素は、支持薄板(11)の上に、支持薄板の長手方向に互いに後ろに位置するように、支持薄板の平面に直交する方向に弾性的に配置されるので、電気コンタクトが2つの対向する表面の間に確立される。一層コンパクトな構造が、これらのウェブ要素(17)が、支持薄板の長手方向に延びる中心平面(M1)に対して非対称に構成されるので実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的な接続を行なう技術の分野に関する。本発明は、請求項1の前段に記載のコンタクト要素、及び差し込み接続部におけるコンタクト要素の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトラメラ(lamellae:薄層)の形のコンタクト要素はずっと以前から知られており、そして高信頼度に、かつ永久的に、更には十分大きい電流が流れるように電気的に接続されることになる2つの表面の間の比較的大きい隙間をブリッジするために使用される。このようなコンタクト要素及びラメラは支持薄板(carrier strip)を利用し、支持薄板の上には、薄板の平面から突出し、かつ薄板の平面にバネのようにねじって押し戻すことができる1列のウェブ要素が、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置される。最初のコンタクトラメラの場合、コンタクトを確立しているウェブ要素は、支持薄板の薄板材料からスタンピング/曲げプロセスによって形成されたものである(例えば、米国特許第3,453,587号A明細書を参照されたい)。これらのコンタクトラメラは従って、単一部品構成のコンタクト要素である。
【0003】
これらのコンタクト要素は、支持薄板自体からスタンピングによって形成されたウェブ要素の幾何学寸法が制限されるだけでなく、良好なバネ特性、及び良好な電気伝導/コンタクト形成特性の両方を持つ必要がある支持薄板材料の選択が制限されるという不具合を有していた。
【0004】
従って、もっと後になってから、支持薄板のばね特性を、支持薄板に取り付けられるウェブ要素の電気特性を最適化しながら最適化することができるように、支持薄板及びウェブ要素を個別部品(2部品構成のコンタクト要素)として提供することが提案された。同時に、ウェブ要素の寸法決定に関する自由度が高まることによって比較的長いコンタクト距離をブリッジすることが可能になった。このタイプのコンタクト要素またはコンタクトラメラは、例えば米国特許第4,456,325号A明細書、及び欧州特許出願公開第0254770号A2明細書または欧州特許出願公開第1119077号A1明細書に記載されている。
【0005】
最後に挙げた文献(欧州特許出願公開第1119077号A1明細書)では、曲げることによりV字を形成するコンタクトクリップがウェブ要素として使用され、これらのコンタクトクリップには挟み止め端部が自由端に設けられ、そしてこれらのコンタクトクリップは支持薄板に取り付けられる。下側面では、挟み止め端部が、一方のコンタクト領域との電気コンタクトを、各コンタクト領域に対応するようにしてコンタクトポイントを介して行なう。コンタクトクリップの先端は、他方の対向するコンタクト領域とのコンタクトを別のコンタクトポイントで行なう。差し込み方向の前の方に位置するコンタクトクリップの脚部は、コンタクトクリップを、差し込み接続部を挿入するときに、支持薄板の方向に徐々に摺動させて圧縮することができるように作用する。差し込み方向の後ろの方に位置するコンタクトクリップの脚部は、同等の機能を持たない。しかしながら、後ろの方に位置する脚部は、コンタクト要素の幅を広げるように作用し、これは小型化に関して不利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,453,587号A明細書
【特許文献2】米国特許第4,456,325号A明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0254770号A2明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1119077号A1明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、コンタクト要素をコンタクトラメラの形で提供することにあり、このコンタクト要素は、コンタクト要素が2部品構成であるという利点を有すると同時に、更にコンパクトな構造とすることができる、またはより小さい外形寸法のコンタクト要素で、より大きい電流を伝達する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、請求項1記載の種々の特徴の全てによって達成される。本発明にとって、電気コンタクトを確立する個別ウェブ要素群が、支持薄板の長手方向に延びる中心平面に対して非対称に形成されることが重要である。その結果、幅が相対的に狭い状態において、単位長さ当たりのコンタクトポイントの数を大幅に増やすことが可能になる。
【0009】
本発明の一つの実施形態は、ウェブ要素群がそれぞれ、支持薄板の長手方向と交差する方向に互いから離間する2つの挟み止め端部を有し、そして挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群が支持薄板に取り付けられ、そして挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群が支持薄板に取り付けられ、そして挟み止め端部を介して、2つの対向する表面のうちの一つの表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とし、そしてウェブ要素群がそれぞれ、三角形のコンタクトフィンを有し、コンタクトフィンは挟み止め端部に接続され、そしてコンタクトフィンのフィン先端が中心平面の一方の側に配置され、かつ2つの対向する表面のうちの他方の表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とする。
【0010】
具体的には、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素群の支持薄板は、各ウェブ要素に対応するようにして、2つのバネアームを有し、これらのバネアームは、支持薄板の長手方向に延びるウェブから反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能し、そしてこれらのバネアームの自由端には、該当するウェブ要素が、当該ウェブ要素の挟み止め端部を介して取り付けられ、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素群は重なるように配置される。
【0011】
コンタクトフィンはほぼ直角三角形の形状を有することが好ましく、挟み止め端部は一つの辺(三角形の底辺を除いた辺)の両端に配置され、そしてフィン先端は他の辺、及び斜辺により形成される。
【0012】
別の実施形態は、挟み止め端部の領域において、ウェブ要素群は、各挟み止め端部に対応するようにして、支持薄板またはバネアームを、コンタクト突起で挟み込むようにして取り囲むことを特徴とする。
【0013】
ウェブ要素群を支持薄板に、またはバネアームに、支持薄板またはバネアームを挟み込むようにして取り付ける他に、噛み合わせ接続を、支持薄板またはバネアームと挟み止め端部との間で行なうことができ、この場合、噛み合わせ接続を確立するために、穴を支持薄板に、またはバネアームに形成し、挟み止め端部が前記穴に、対応するエンボスを介して係合する。
【0014】
取り付け(installation)を容易にするために、挟み止め端部を超えて側方に突出するガイド突起は、バネアームの自由端と一体形成することができる。
【0015】
ガイド突起は、個別バネアームの自由端と一体形成されることが好ましく、前記ガイド突起は、挟み止め端部を超えて側方に、好ましくは一方の側でのみ突出する。
【0016】
本発明の更に別の実施形態は、コンタクト要素が、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素群を1列だけ有し、そして関連する支持薄板はそれに対応するようにして、ウェブを一つだけ含み、このウェブは、支持薄板の長手方向に延び、かつ支持薄板の中心を延びるとともに、2つのバネアームを有し、これらのバネアームは反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能することを特徴とする。
【0017】
コンタクトポイントの密度は、コンタクト要素が、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置される2つの平行列のウェブ要素群を有する場合に、関連する支持薄板がそれに対応するようにして、2つのウェブを含み、これらのウェブが、支持薄板の長手方向に平行に延び、かつ各ウェブに対応するようにして、前記ウェブから反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能する2つのバネアームを有する場合に、そして2つのウェブから内側に突出するこれらのバネアームが互いに端部においてペアで中心接続部を介して接続される場合に大きくすることができる。この場合、中心接続部は、各場合において、差し込み方向の後ろの方に位置することになるウェブ要素が差し込み作業中に事前圧縮され、かつ電気コンタクトを、2つの対向する表面の間で完全差し込み状態において個別に確立するように設計されるので、非常に有利である。
【0018】
具体的には、2つの平行列のウェブ要素群は、これらの列の間に位置する中心平面に対して鏡像を形成するように設計され、かつ配置される。
【0019】
上記構成は、ウェブ要素群がそれぞれ、互いから支持薄板の長手方向と交差する方向に離間する2つの挟み止め端部を有し、そしてこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群が支持薄板に取り付けられ、更にこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群が2つの対向する表面のうちの一方の表面との電気コンタクトを行なう場合に、かつウェブ要素群がそれぞれ、三角形のコンタクトフィンを有し、これらのコンタクトフィンが挟み止め端部に接続され、そしてこれらのコンタクトフィンのフィン先端が、これらの列の間に位置する中心平面の両側に、かつ直ぐ傍に配置され、そして2つの対向する表面のうちの他方の表面との電気コンタクトを行なう場合に非常に好都合である。
【0020】
プラグ及びソケットを含む差し込み接続部におけるコンタクト要素の使用は、コンタクト要素が、フィン先端が差し込み方向の後ろの方に配置されるように、プラグの外側の凹部に、またはソケットの内側の凹部に収容されることを特徴としている。
【0021】
コンタクト要素が、コンタクト要素を横切る方向に外側に突出するガイド突起群を有する場合、前記コンタクト要素は、凹部の中の複数の側方アンダーカットの中を、ガイド突起群を介して案内されるので有利である。
【0022】
コンタクト要素の更に好ましい使用は、コンタクト要素が、コンタクト要素を横切る方向に外側に突出するガイド突起群を有することを特徴としている。この場合、ガイド突起群は、ウェブ要素群を超えて、好ましくは一方の側で突出する。コンタクト要素は、凹部の中の単一の側方アンダーカットの中を、ガイド突起を介して案内される。この場合、これらのガイド突起は1列に配置され、1列のガイド突起群はアンダーカットに突出する。
【0023】
本発明について以下に更に詳細に、例示的な実施形態を図面とともに参照しながら説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】種々の補助図(a)〜(g)に、本発明の第1の例示的な実施形態による非対称ウェブ要素群を1列だけ有するコンタクト要素の種々の詳細図を示す。
【図2】種々の補助図(a)〜(c)に、側方ガイド突起を持つ、そして持たない図1によるコンタクト要素を取り付ける様子を示す。
【図3】図2によるコンタクト要素を先行技術によるコンタクト要素と比較する様子を示す。
【図4】種々の補助図(a)〜(g)に、本発明の第2の例示的な実施形態による2つの平行列の非対称ウェブ要素群を有するコンタクト要素の種々の詳細図を示す。
【図5】種々の補助図(a)〜(c)に、側方ガイド突起を持つ、そして持たない図4によるコンタクト要素を取り付ける様子を示す。
【図6】図4によるコンタクト要素を先行技術による2つのコンタクト要素と比較する様子を示す。
【図7】幾つかの補助図(a)〜(c)に、図4によるコンタクト要素を備える差し込み接続部の差し込み作業を示し、コンタクト要素はプラグ上に配置される。
【図8】幾つかの補助図(a)〜(c)に、図4によるコンタクト要素を備える差し込み接続部の差し込み作業を示し、コンタクト要素はソケット内に配置される。
【図9】2つの補助図(a)、(b)に、図1によるコンタクト要素を備える差し込み接続部の差し込み作業を示し、コンタクト要素はプラグ上に配置される(a)、またはソケット内に配置される(b)。
【図10】図7による差し込み接続部における許容角度偏差(α)を示す。
【図11】本発明の第3の例示的な実施形態による非対称ウェブ要素群を1列だけ有するコンタクト要素の図を示す。
【図12a】取り付けられる、または取り付けられようとしているプラグ内のコンタクト要素の詳細図を示す。
【図12b】取り付けられる、または取り付けられようとしているプラグ内のコンタクト要素の詳細図を示す。
【図13a】取り付けられる、または取り付けられようとしているソケット内のコンタクト要素の詳細図を示す。
【図13b】取り付けられる、または取り付けられようとしているソケット内のコンタクト要素の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、種々の補助図1(a)〜1(g)に、本発明の第1の例示的な実施形態による非対称ウェブ要素を1列だけ並べた構成のコンタクト要素の種々の詳細図を示している。コンタクト要素10は、長手方向に延伸し、かつ適切な金属シートにより構成されるバネ弾性支持薄板11と、複数のウェブ要素17(図1(g))と、を含み、これらのウェブ要素17は、一方が他方の後ろになるように、支持薄板11の長手方向に配置され、そして支持薄板11に、支持薄板の平面に直交する方向に弾性圧縮することができるように取り付けられて、2つの対向する表面(図9の26,27または46,47)の間の電気コンタクトを確立する。
【0026】
導電率の非常に高い導電材料(例えば、Cu)により構成され、かつ表面処理される(例えば、銀メッキされる)ことが好ましいウェブ要素17は、支持薄板の長手方向に延びる中心平面M1(図1(b))に対して非対称に形成される。前記ウェブ要素群はそれぞれ、2つの挟み止め端部(clamping feet)18,19を有し、これらの挟み止め端部は互いから、支持薄板の長手方向と交差する方向に離間し、そしてこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群を支持薄板11に取り付け、更にこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群は、2つの対向する表面26,27または46,47(図9)のうちの一方の表面との電気コンタクを行なう。
【0027】
これらのウェブ要素17はそれぞれ、挟み止め端部18,19に接続される三角形のコンタクトフィン20を有し、そしてコンタクトフィン20のフィン先端21は、中心平面M1(図1(b))の一方の側に配置され、そしてこのフィン先端21は、2つの対向する表面26,27または46,47のうちの他方の対向する表面との電気コンタクトを行なう。コンタクトフィン20を三角形の形状にすることにより、ウェブ要素17を所望の非対称形にする。フィン先端21から挟み止め端部18に延びる傾斜22によってウェブ要素17を、図9によるコンタクト要素が差し込み接続部26,27または46,47に配設される場合に、徐々に圧縮することができる。
【0028】
ウェブ要素のバネ動作は、ウェブ要素17用の支持薄板11によって行なうことができ、支持薄板11は各ウェブ要素に対応するようにして、支持薄板の長手方向に延びるウェブ12から反対方向に、ウェブと交差するように突出する2つのバネアーム13,14を有し、そしてこれらのバネアームは、ねじれバネとして作用し、更にこれらのバネアームには、これらのバネアームの自由端に、該当するウェブ要素17が、当該ウェブ要素の挟み止め端部18,19を介して取り付けられる。緩み状態ではわずかに捻れるバネアーム13,14(図1(g)の高さh1になっている状態)は、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろに非常に近接して配置されるので、これらのウェブ要素17の重なり具合が大きくなり、従ってこれらのウェブ要素17によって、コンタクト要素の単位長さ当たりの接触度合い、及び電流密度が大きくなる。図1(g)によれば、コンタクト要素10によって、コンタクトが行なわれることになる2つの表面の間の最大高さh2を高さを埋め合わせることができ;最小高さh3は、これらのウェブ要素17が、一方が他方の上になって鱗状に位置する場合に得られる。
【0029】
コンタクト要素10を組み立てるために、個々のウェブ要素17(図1(b))を、予め用意した支持薄板11(図1(a))にバネアーム13,14を介して取り付け、これらのバネアームは挟み止め端部18,19の領域に、挟み止め端部をコンタクト突起23(図1(f))に覆い被さるように曲げることにより固定される。挟み止め(clamping)によって、圧入接続部が支持薄板11とウェブ要素17との間に得られる。ウェブ要素17を支持薄板11またはバネアーム13,14に挟み付けによって取り付ける他に、噛み合わせ接続(interlocking connection)を、支持薄板11またはバネアーム13,14と挟み止め端部18,19との間に用いることができる。これは、穴16を支持薄板11またはバネアーム13,14の適切な箇所に形成し、挟み止め端部18,19を前記穴に、コンタクト突起23の対応するエンボスを介して係合させることにより行なうことができる。このエンボスは図面には示していない。他のタイプの噛み合わせ接続も同じようにして用いることができる。
【0030】
コンタクト要素10を確実に取り付け位置(図2(b);図9)に保持するために、挟み止め端部18,19を超えて側方に突出するガイド突起15は、バネアーム13,14の自由端に一体的に形成することができる。コンタクト要素10が凹部28に、プラグ27の外側で、またはソケット46の内側で収容される場合、前記コンタクト要素は、凹部28の側方アンダーカット29を、ガイド突起15(図2,9)によってガイドされる。しかしながら、図3によれば、側方ガイド突起を持たないコンタクト要素10’を用いることもでき、この場合、前記コンタクト要素は図2(a)によれば、ソケットに緩く取り付けられると、アンダーカットの無い簡易な凹部28に挿入される。
【0031】
しかしながら、図1〜3及び9の非対称な単一ウェブの変形ではなく、本発明は、図4〜8及び10による非対称な2ウェブの変形を含むこともできる。その結果、コンタクトポイントの数は2倍になる。この場合、コンタクト要素30の支持薄板31(図4(a))は、図1(a)による平行に延びる支持薄板31を実質的に2つ含み、これらの支持薄板はウェブ32,32’、及びウェブから突出するバネアーム34,34’または35,35’を有し、そしてこの場合、2つのウェブ32,32’から内側に向かって突出するバネアーム34’,35’は互いにペアで端部において、中心平面M3に位置する中心接続部33を介して接続される。
【0032】
支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置される2つの平行列のウェブ要素36,37は、コンタクト要素30を設ける場合に配設され、各ウェブ要素は2つの挟み止め端部38,39または42,43を有し、これらの挟み止め端部は、互いから支持薄板(図4(b))の長手方向と交差する方向に離間し、そしてこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群が支持薄板31に取り付けられ、更にこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素群は、2つの対向する表面のうちの一方の表面との電気コンタクトを、2つのコンタクトポイントで行なう。2つの平行列のウェブ要素36,37は、これらの列の間に位置する中心平面M3に対して鏡像を形成するように設計され、そして配置される。
【0033】
ウェブ要素36,37はそれぞれ、挟み止め端部38,39または42,43に接続される三角形のコンタクトフィン20を有し、これらのコンタクトフィン20のフィン先端40,44は、これらの列の間に位置する中心平面M3の両側に、かつ当該中心平面M3の直ぐ傍に配置され、そして2つの対向する表面のうちの他方の表面との電気コンタクトを、各フィン先端に対応するようにして一つのコンタクトポイントで行なう。コンタクトフィン20は基本的に、直角三角形の形状を有することが好ましく、この場合、挟み止め端部38,39または42,43は三角形の一つの辺の両端に配置され、そしてフィン先端40または44は、他の辺及び斜辺により形成される。2つの隣接するウェブ要素38,39のコンタクトフィン20は、互いに対して鏡像を形成するように配置され、中心平面M3は鏡面として作用する。
【0034】
図1(f)及び(e)、及び図4(f)及び(e)から判かるように、ウェブ要素17または36,37は、傾斜22または41,45、及びフィン先端21または40,44に沿って丸み部分25を有する。この丸み部分によって、差し込み作業(plugging process)を行なっている間の弾性圧縮中のウェブ要素17または36,37の回転が容易になる(図7〜9)。差し込み作業は、差し込み接続部のコンタクト部材の上に位置する丸み部分48または49によって更に容易になり、前記コンタクト部材の一端が、前方のウェブ要素の傾斜に沿って挿入中に摺動する。
【0035】
図4のコンタクト要素30の場合における共通の支持薄板31を介して相互作用するウェブ要素36,37の特殊な機能は、コンタクト要素31で差し込み接続する挿入作業を示す図7及び8から判かり:2つのバネは、バネアーム34’及び35’が機械的に接続されているので中心平面M3(中心接続部33)において接続され、これらのバネアーム34’及び35’は捻れバネとして機能し、かつ内側に向かって誘導される。挿入中、コンタクト要素31の前方のウェブ要素群が最初に、支持薄板に向かって回転するので、これらのウェブ要素は弾性圧縮される(図7(a)−>図7(b)または図8(a)−>図8(b))。中心接続部33があるので、この回転移動が少なくとも部分的に、隣接ウェブ要素に伝達され、この隣接ウェブ要素はそれぞれ後方に位置し、そして同じようにして圧縮される。その結果、コンタクト要素に対して移動するコンタクト部材(図7の26;図8の47)は、後方のウェブ要素のフィン先端に乗り掛かるようにして、問題を全く生じることなく摺動することができる。
【0036】
中心に向かって移動するフィン先端群であって、非対称ウェブ要素群のフィン先端群の更に別の利点は図10から明らかになる:コンタクト部材群の間の角度偏差(角度α)が挿入中に更に大きくなっても許容することができる。
【0037】
コンタクト要素10または10’を、同じ出願人によるLA−CUタイプの公知のコンタクト要素ST1と図3において比較すると、(ほぼ同じ幅を有する場合に)単位長さ当たりのコンタクトポイントの数が非常に多くなり、従って更に大きい電流密度を本出願による解決策により達成することができることが分かる。
【0038】
コンタクト要素30または30’を、同じ出願人によるLA−CUタイプの公知のコンタクト要素ST1、及び欧州特許出願公開第1119077号A1明細書から判明するコンタクト要素ST2と図6において比較すると、(ST2と比較して幅が狭い場合に)単位長さ当たりのコンタクトポイントの数が非常に多くなり、従って更に大きい電流密度を本出願による解決策により達成することができることが判かる。ST1とは異なり、幅はかなり狭く、そして単位長さ当たりのコンタクトポイントの数は非常に多い。
【0039】
以下の項目を要約として挙げることができる:
2つの導電性金属表面を電気的にコンタクト接続する新規のコンタクト要素は、2つの異なる材料により作製される2つの部品が、機械特性及び電気特性を提供する役割を個々に担っているという点で優れている。コンタクト要素の特定構造により確実に、既存のコンタクト要素よりも優れた電気特性及び許容誤差の両方を、小さい空間内で大きく改善することができる。
【0040】
この場合、コンタクト要素の2つの変形が存在する:
・ 非対称な単一ウェブの変形は、嵌合部材との上側コンタクトポイントが支持薄板の薄板幅の中心に位置せず、その結果、相対的に広い作業領域が小さい空間内で実現する点で優れている。
【0041】
・ 対称な2ウェブの変形は、同じ構造を有する2つの非対称なウェブ要素が、単一ウェブの変形の場合と同じように、互いに対して隣接するように薄板バネの上に取り付けることにより、互いに対して傾斜することを特徴とし、嵌合部材との2つの上側コンタクトポイントが支持薄板の薄板幅の中心に位置することを特徴とし、そして2つのウェブ要素が個々にバネ変形し、かつ同時に、中心接続部を介して接続されることにより、十分に大きい影響を与えて、確実に側面が調和して圧縮される(差し込み作業)ことを特徴としている。
【0042】
新規のコンタクト要素は以下の固有の特性及び利点で優れている。
【0043】
・ バネ変形支持薄板及び導電性ウェブ要素に分離されることによって機械特性及び電気特性が最適化される。
【0044】
・ グリッドパターンがウェブ要素またはコンタクトクリップの高機能積層可能構造に起因して小さい。
【0045】
・ 大きな公差及び角度偏差を補正するための作業領域が適度に大きい。
【0046】
・ 2ウェブ変形の場合、2つのウェブ要素が互いに対して傾斜することによって、個別ウェブ変形の2つの要素の場合におけるよりもずっと大きい角度偏差が許容される。
【0047】
・ 幅に対する作業領域の比が最適化される。
【0048】
・ 3ポイントコンタクト(2つのコンタクトポイントが下部に、1つのコンタクトポイントが上部に位置する)が各個別ウェブ要素上で行なわれる。
【0049】
・ 幅が、中心の回転ジョイントに起因して狭くなる。
【0050】
・ 電流密度が、特に2ウェブ変形の場合に極めて大きくなる。
【0051】
・ 取り付け作業の選択肢が増える。
【0052】
・ ソケット及びプラグへの取り付け作業が可能になる。
【0053】
・ 上側コンタクトポイントを嵌合部材に、ウェブ要素またはコンタクトクリップの一方の側で(中心においてではなく)取り付けることにより、狭い幅の作業領域を広くすることができ、作業領域及び幅の比が、コンタクトウェブの傾斜を変えないで最適化される。
【0054】
・ ウェブ要素またはコンタクトクリップの構造によって、これらのウェブ要素またはコンタクトクリップを積層することができる。その結果、グリッドパターンを更に小さくすることができる。
【0055】
・ 2ウェブ変形の場合、薄板幅の中心における2つのコンタクトポイントによって、角度許容誤差を最適化することができる。
【0056】
・ 2ウェブ変形の場合、2つの回転ジョイントの中心接続部によって確実に、第2ウェブ要素を第1ウェブ要素によって、圧縮作業中に一方の側から事前圧縮することができる(差し込み作業)。これにより確実に、調和したスムーズな挿入作業を行なうことができる。
【0057】
・ 同時に、2ウェブ変形の場合、2つのウェブ要素は、互いに十分独立して作用するので、2つの上側コンタクトポイントの接触が保証される。その結果、コンタクトが極めて良くなり、従って電流密度が極めて大きくなる。
【0058】
上述の利点も当てはまるコンタクト要素の第3の実施形態を図11に示す。同じ構成要素には同じ参照記号を付している。更に、既に述べた例示的な実施形態の特徴または部分的特徴は、以下の例示的な実施形態と必要に応じて組み合わせて更に別の変形を構成することができる。
【0059】
例示的な実施形態が図11に示されるコンタクト要素100の第3の例示的な実施形態は基本的に、支持薄板111と、そして支持薄板から突出する複数のウェブ要素117と、を備える。支持薄板111及びウェブ要素117は、上に既に説明した例示的な実施形態にほぼ類似している。
【0060】
従って、コンタクト要素100は、長手方向に延びるバネ弾性支持薄板111と、そして複数のウェブ要素117と、を含み、これらのウェブ要素117は、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置され、かつ支持薄板に、支持薄板の平面に直交するように弾性的に取り付けられて、電気コンタクトを2つの対向する表面の間に確立する。ガイド突起115は、個別バネアーム113の自由端に一体的に形成されることが好ましく、前記ガイド突起は、ウェブ要素117の挟み止め端部118を超えて側方に突出する、好ましくは一方の側にのみ突出する。
【0061】
一方の側に一体的に形成され、かつ上述の特徴を有するガイド突起115は、列挙した他の特徴とは別の(特に、ウェブ要素の非対称構造とは別の)発明を提供することができる。
【0062】
別の構成として、第3の例示的な実施形態では、ガイド突起115の長さは、前の例示的な実施形態のガイド突起の長さとは異なると言うこともできる。ガイド突起115は、上述のように、バネアームの自由端に一体的に形成される。この場合、支持薄板111の第1の側から突出するガイド突起115は、支持薄板111の第2の側から突出するガイド突起よりも長い。第1の側は、例えば支持薄板111の中心軸Mの右側に位置し、第2の側はこの場合、中心軸Mの左側に位置する側である。
【0063】
ウェブ要素117は、支持薄板111の上に配置されて、傾斜122が長い方のガイド突起115の方を向き、かつフィン先端121が短い方のガイド突起の方に向くようにすることが好ましい。別の表現をすると、傾斜122の側の長い方のガイド突起115は、中心軸Mにほぼ直交するウェブ要素117の幅Bを超えて突出する。別の表現をすると、バネアームの自由端に一体的に形成されるガイド突起115は、挟み止め端部118を超えて側方に突出するように延びるとも言える。
【0064】
別の構成として、ウェブ要素117を逆の向きに配置して、長い方のガイド突起115がフィン先端121の側で突出するようにすることもできる。
【0065】
短い方のガイド突起の長さは、当該ガイド突起が、ウェブ要素117の幅Bを超えて突出することがないように構成されることが好ましい。別の構成として、短い方のガイド突起115を配置しなくても済むようにすることもできる、または短い方のガイド突起115は、当該突起がウェブ要素117の幅Bを超えて延びるような長さを有することができる。後者の場合、ガイド突起は上述の構成に従って、両方の側で延びることになる。
【0066】
概括すると、長い方のガイド突起は、ウェブ要素117の幅Bを超えてコンタクト要素の一方の側で少なくとも突出すると言える。その結果、コンタクト要素100の最大幅は、長い方のガイド要素115の突出長さLだけ長くなる。従って、コンタクト要素の最大幅は、ウェブ要素117の幅B、及びガイド要素115の突出長さLから成る。
【0067】
図12a及び12bは、円筒状プラグ127及びソケット126を示している。この場合、円筒状プラグ127には、本発明によるL字形溝が設けられ、L字形溝は、単一のアンダーカット129を持つ凹部128を含むことにより、本出願において列挙されるコンタクト要素を収容する。別の構成として、例えば先行技術において公知の他のコンタクト要素を同じようにして、本発明による凹部128に挿入することができる。
【0068】
すなわち、概括すると、コンタクト要素100は、コンタクト要素を横切る方向に外に向かって突出するガイド突起115を有し、ガイド突起115はウェブ要素117を超えて、特に一方の側で突出し、そしてコンタクト要素100は、凹部128の単一の側方アンダーカット129の中を、ガイド突起115を介して案内される。この場合、コンタクト要素100は凹部128の中に位置し、ガイド突起115はアンダーカット129に向かって突出する。
【0069】
図12a及び12bは、凹部128が配置される領域の部分断面図を示し、この場合、断面は、円筒状プラグ127の中心を貫通して延びる。凹部128は、円筒状プラグ127の表面1271から後者の円筒状プラグ127の中に向かって延びる。凹部128は、第1の側壁1280、第2の側壁1281、及び支持表面1282によって区切られる。凹部128は、深さTE及び幅BEを持つ矩形断面を有する。深さTEは、ウェブ要素117の一部が、プラグ127の表面1271を超えて突出するように選択される。
【0070】
更に、凹部128は、側壁1280,1281のうちの一つの側壁に食い込んで延びるアンダーカット129を一つだけ有する。従って、アンダーカット129は、凹部128の一方の側に配置される。例示的な本実施形態では、アンダーカット129は、第2の側壁1281に食い込んで延びる。この場合、アンダーカットは、当該アンダーカットが対応する側壁1280,1281に、支持表面1282の方向に食い込んで延び、この場合、アンダーカット129が支持表面1282とほぼ一致するので有利である。アンダーカット129は、側壁から見たときに、奥行きTを有する。奥行きTは、ガイド突起115の突出部分の長さにほぼ対応することが好ましい。結果として得られる溝は、アンダーカット129が配置されるので、L字形と呼ぶこともできる。
【0071】
図12aは、コンタクト要素、この場合はコンタクト要素100がL字溝に、または本発明によるアンダーカット129付き凹部128に挿入される様子を示している。この場合、コンタクト要素100は凹部128に傾けて挿入されて、突出ガイド突起115の一部がアンダーカット129の中に突出することができるようになる。次に、コンタクト要素100をアンダーカット129の方向に、コンタクト要素の一部が第2の側壁1281に達するまで押し込む。次のステップでは、コンタクト要素100を次に、支持表面1282の方向に押し込むことができる。コンタクト要素100が凹部128の中に、かつアンダーカット129の中に位置すると直ぐに、前記コンタクト要素が完全に取り付けられる。この状態を図12bに示す。
【0072】
図12bは同じように、プラグ127をソケット126に挿入することができる様子を示している。コンタクト要素100とアンダーカット129付き凹部128との間に遊びがある場合、コンタクト要素100は、この場合には停止部として機能する第1の側面1280の方向に押される。従って、凹部128の幅BEの寸法は、幅BEが決して、コンタクト要素100の最大幅Bよりも広くなることがないように決定される。これにより、コンタクト要素100が、凹部にしっかりと収容された状態から解放されることがないことが保証される。
【0073】
図12bから、アンダーカットを、別の構成として、第1の側壁1280に配置することができることも判かる。コンタクト要素を同じ方向に取り付けようとする場合、すなわちフィン先端21を差し込み方向の後ろ側に配置しようとする場合、ガイド突起115は、ウェブ要素117の他方の側、または挟み止め端部119の他方の側を超えて延びる必要がある。
【0074】
説明したアンダーカット129付き凹部128の第1の利点は、コンタクト要素100を凹部に、当該凹部に固有の応力により、かつガイド突起115を介して機械的に保持することができることである。
【0075】
アンダーカット129付きの本発明による凹部128、またはL字形溝は、コンタクト要素を溝に挿入することができる際に通過する挿入経路を設ける必要が無いので非常に有利である。その結果、コンタクト要素100を収容する溝は、非常に簡単に、従って更に迅速に、かつ更にコスト効率の高い方法で作製することができる。更に、コンタクト要素100の挿入は、他の溝の場合におけるよりも簡単である。更に、固定リングなどのような固定要素を用いなくても済ませることもできる。
【0076】
アンダーカット129付き凹部128が円筒状プラグの上に示されている上述の実施形態に代わる実施形態として、アンダーカット129付きの本発明による凹部128を他の要素に対して使用することもできる。
【0077】
図13a及び13bは、アンダーカット129付き凹部128をソケット126内に配置する様子を示している。同じ構成要素には同じ参照記号を付している。この場合、凹部128は、当該凹部をソケットの表面1261に窪みを形成して設けるようにして配置される。L字形溝は、この場合も、非常に簡単に、かつ更にコスト効率の高い方法で作製することができる。
【0078】
別の実施形態では、L字形溝、すなわちアンダーカット129付き凹部128を円筒状表面にだけでなく、平坦表面にも配置することも可能である。
【0079】
更に別の例示的な実施形態では、例えば図5及び6に示すコンタクト要素、具体的には2列に配置されるコンタクト要素30,30’を、これらのコンタクト要素が同じようにして、挟み止め端部を超えて、またはウェブ要素を超えて一方の側で突出する個別ガイド突起を一つだけ有するように適合させることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
10,10’,100 コンタクト要素(コンタクトラメラ)
11,31,111 支持薄板
12,112 ウェブ
13,14,113,114 バネアーム
15,115 ガイド突起
16 穴
17,117 ウェブ要素
18,19,118,119 挟み止め端部
20,120 コンタクトフィン
21,40,44,121 フィン先端
22,41,45,122 傾斜部
23,123 コンタクト突起
24 曲げ部
25 丸み部分
26,126 ソケット
1261 ソケットの表面
27,127 プラグ
1271 プラグの表面
28,128 凹部
1280 第1側壁
1281 第2側壁
1282 支持表面
29,129 アンダーカット
30,30’ コンタクト要素(コンタクトラメラ)
32,32’ ウェブ
33 中心接続部
34,34’ バネアーム
35,35’ バネアーム
36,37 ウェブ要素
38,39 挟み止め端部
42,43 挟み止め端部
46 ソケット
47 プラグ
48,49 丸み部分
α 角度
h1,...h3 高さ
M1,M2,M3 中心平面(ウェブ要素)
ST1,ST2 先行技術

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びるバネ弾性支持薄板(11,31,111)と、そして支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置され、かつ支持薄板(11,31,111)に、支持薄板の平面に直交する方向に弾性圧縮することができるように取り付けられる複数のウェブ要素(17;36,37,117)と、を有することにより、2つの対向する表面(26,27;46,47,1261,1271)の間に電気コンタクトを確立するコンタクト要素(10,10’;30,30’;100)であって、ウェブ要素(17;36,37,117)は、支持薄板の長手方向に延びる中心平面(M1,M2)に対して非対称に形成されることを特徴とする、コンタクト要素。
【請求項2】
ウェブ要素(17;36,37,117)はそれぞれ、2つの挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)を有し、これらの挟み止め端部は互いから、支持薄板の長手方向と交差する方向に離間し、そして挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素が支持薄板(11,31,111)に取り付けられ、かつ挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素は2つの対向する表面(26,27;46,47,1261,1271)のうちの一方の表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とし、そしてウェブ要素(17;36,37,117)はそれぞれ、三角形のコンタクトフィン(20,120)を有し、コンタクトフィンは挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)に接続され、そしてコンタクトフィンのフィン先端(21;40,44,121)は中心平面(M1,M2)の一方の側に配置され、かつ2つの対向する表面(26,27;46,47,1261,1271)のうちの他方の表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とする、請求項1記載のコンタクト要素。
【請求項3】
支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素(17;36,37,117)の支持薄板(11,31,111)は、各ウェブ要素に対応するようにして、2つのバネアーム(13,14;34,34’,35,35’,113,114)を有し、これらのバネアームは、支持薄板の長手方向に延びるウェブ(12;32,32’,112)から反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能し、そしてこれらのバネアームの自由端には、該当するウェブ要素(17;36,37,117)が、当該ウェブ要素の挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)を介して取り付けられることを特徴とし、そして支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素(17;36,37,117)は重なるように配置されることを特徴とする、請求項2記載のコンタクト要素。
【請求項4】
コンタクトフィン(20,120)はほぼ直角三角形の形状を有し、挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)は一つの辺の両端に配置され、そしてフィン先端(21;40,44,121)は他の辺、及び斜辺により形成されることを特徴とする、請求項2又は3記載のコンタクト要素。
【請求項5】
挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)の領域において、ウェブ要素(17;36,37,117)は、各挟み止め端部に対応するようにして、支持薄板(11,31,111)またはバネアーム(13,14;34,34’,35,35’,113,114)を、コンタクト突起(23,123)で挟み込むようにして取り囲むことを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のコンタクト要素。
【請求項6】
ウェブ要素(17;36,37,117)を支持薄板(11,31,111)に、またはバネアーム(13,14;34,34’,35,35’,113,114)に、支持薄板またはバネアームを挟み込むようにして取り付ける他に、噛み合わせ接続を、支持薄板(11,31,111)またはバネアーム(13,14;34,34’,35,35’,113,114)と挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)との間で行なうことを特徴とする、請求項5記載のコンタクト要素。
【請求項7】
噛み合わせ接続を確立するために、穴(16)を支持薄板(11,31,111)に、またはバネアーム(13,14;34,34’,35,35’,113,114)に形成し、挟み止め端部(18,19;38,39;42,43,118,119)が前記穴に、対応するエンボスを介して係合することを特徴とする、請求項6記載のコンタクト要素。
【請求項8】
挟み止め端部(18,19;39;43)を超えて側方に突出するガイド突起(15)は、バネアーム(13,14;34,35)の自由端と一体形成されることを特徴とする、請求項3記載のコンタクト要素。
【請求項9】
ガイド突起(15,115)は、バネアーム(13,14;34,35,113,114)の自由端と一体形成され、前記ガイド突起は、挟み止め端部(18,19;38,39;42,43;118,119)を超えて側方に、好ましくは一方の側でのみ突出することを特徴とする、請求項3記載のコンタクト要素。
【請求項10】
コンタクト要素(10,100)は、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置されるウェブ要素(17,117)を1列だけ有し、そして関連する支持薄板(11,111)はそれに対応するようにして、ウェブ(12,112)を一つだけ含み、このウェブは、支持薄板の長手方向に延び、かつ支持薄板(11,111)の中心を延びるとともに、2つのバネアーム(13、14,113,114)を有し、これらのバネアームは反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンタクト要素。
【請求項11】
コンタクト要素(30)は、支持薄板の長手方向に一方が他方の後ろになるように配置される2つの平行列のウェブ要素(36,37)を有することを特徴とし、関連する支持薄板(31)はそれに対応するようにして、2つのウェブ(32,32’)を含み、これらのウェブは、支持薄板の長手方向に平行に延び、かつ各ウェブに対応するようにして、前記ウェブ群から反対方向に、ウェブと交差するように突出し、かつねじれバネとして機能する2つのバネアーム(34,34’;35,35’)を有することを特徴とし、そして2つのウェブ(32,32’)から内側に突出するバネアーム(34’,35’)は互いに端部においてペアで中心接続部(33)を介して接続されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコンタクト要素。
【請求項12】
中心接続部(33)は、各場合において、差し込み方向の後ろの方に位置することになるウェブ要素(36)が、差し込み作業中に弾性的に事前圧縮され、かつ電気コンタクトを、2つの対向する表面(26,27;46,47)の間で完全差し込み状態において個別に確立するように設計されることを特徴とする、請求項11記載のコンタクト要素。
【請求項13】
2つの平行列のウェブ要素(36,37)は、これらの列の間に位置する中心平面(M3)に対して鏡像を形成するように設計され、かつ配置されることを特徴とする、請求項12記載のコンタクト要素。
【請求項14】
ウェブ要素(36,37)はそれぞれ、互いから支持薄板の長手方向と交差する方向に離間する2つの挟み止め端部(38,39;42,43)を有し、そしてこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素が支持薄板(31)に取り付けられ、そしてこれらの挟み止め端部を介して、前記ウェブ要素が、2つの対向する表面(26,27;46,47)のうちの一方の表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とし、そしてウェブ要素(36,37)はそれぞれ、三角形のコンタクトフィン(20)を有し、これらのコンタクトフィンは挟み止め端部(38,39;42,43)に接続され、そしてこれらのコンタクトフィンのフィン先端(40,44)は、これらの列の間に位置する中心平面(M3)の両側に、かつ直ぐ傍に配置され、そして2つの対向する表面(26,27;46,47)のうちの他方の表面との電気コンタクトを行なうことを特徴とする、請求項13記載のコンタクト要素。
【請求項15】
プラグ(27,47,127)及びソケット(26,46,126)を含む差し込み接続部における請求項2及び10に記載のコンタクト要素の使用であって、コンタクト要素(10,10’,100)は、フィン先端(21,121)が差し込み方向の後ろの方に配置されるように、プラグ(27,127)の外側の、またはソケット(46、126)の内側の凹部(28,128)に収容されることを特徴とする、コンタクト要素の使用。
【請求項16】
コンタクト要素(30,30’,100)は、プラグ(27,127)の外側の、またはソケット(46、126)の内側の凹部(28,128)に収容されることを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか一項に記載のコンタクト要素の使用。
【請求項17】
コンタクト要素(10,30,100)は、コンタクト要素を横切る方向に外側に突出するガイド突起(15,115)を有し、かつ凹部(28,128)の中の側方アンダーカット(29,129)の中をガイド突起(15,115)を介して案内されることを特徴とする、請求項15又は16記載の使用。
【請求項18】
コンタクト要素(10,30,30’,100)は、コンタクト要素を横切る方向に外側に突出するガイド突起(15,115)を有し、ガイド突起(15,115)は、ウェブ要素(17;36,37;117)を超えて、特に一方の側で突出し、そしてコンタクト要素(10,30,100)は、凹部(28,128)の中の単一の側方アンダーカット(129)の中をガイド突起(15,115)を介して案内されることを特徴とする、請求項15又は16記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【公表番号】特表2010−517243(P2010−517243A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547509(P2009−547509)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000313
【国際公開番号】WO2008/092284
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(506068184)マルチ−ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (6)