説明

コンテナーバック

【課題】安全に開放作業することができるコンテナーバックを提供する。
【解決手段】上部にロープ2で閉じることができる開口部3が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒4が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体5と、コンテナーバック本体5に取付けられた吊り下げロープ7と、コンテナーバック本体5の底面に排出筒4を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片8と、このカバー片8を覆うように前記コンテナーバック本体5の排出筒4の周囲に設けられた複数個の開閉カバー10と、この複数個の開閉カバー10の先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられたコンテナーバック本体5の上部位置に係止できる開閉ロープ11と、この開閉ロープ11にスライド移動可能に取付けられた複数個の開閉カバー10を開閉状態に位置させることができるロック筒12とでコンテナーバック1を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンクリート骨材や土砂を収納し、クレーン等で吊り上げて、下部の排出口を開放することでミキサー等へ投入することができるコンテナーバックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンテナーバックは上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部にロープで閉じることができる排出筒が形成されたコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体のロープで閉じられた排出筒を覆うように、該コンテナーバック本体の底面に縫着された4個の開閉カバーと、この4個の開閉カバーの先端部に形成されたロープ挿入筒に挿入された、該開閉カバーを開閉するロープと、前記コンテナーバック本体の外壁面に縫着固定されたクレーン等の取り下げロープとで構成されている。
【0003】
このように構成されたコンテナーバックはクレーン等のフックに吊り下げロープを係止させて吊り上げ、コンテナーバック本体に収納された収納物を投入する部位の上面に下面を位置させ、コンテナーバックの底面で開閉ロープを開放して開閉カバーを開放するとともに、収納物の重みで下方へ突出した排出筒を閉じているロープをコンテナーバックの底面部位で外して、排出筒より投入する部位へ排出しているため、開閉ロープやロープを取り外す作業は、クレーン等で吊り上げられているコンテナーバックの底面部位で行なわれるため、危険で、大変な作業になるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、コンテナーバック本体の底面に配置された複数個の開閉カバーの開閉をコンテナーバック本体の底面に位置して作業しなくても、開放作業を行なえるようにして、安全に作業することができるコンテナーバックを提供することを目的としている。
【0005】
また、本発明は複数個の開閉カバーを安全に、かつ確実に開放状態にしてコンテナーバック内に収納された収納物を効率よく、確実に排出することができるコンテナーバックを提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができるロック筒とでコンテナーバックを構成している。
【0008】
本発明は上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができるロック筒と、このロック筒が位置する部位と反対側の前記複数個の開閉カバーの先端部に取付けられた開閉ロープ部位に取付けられた前記コンテナーバック本体の外側部位より複数個の開閉カバーが開放する方向に引張ることができる開放ロープとでコンテナーバックを構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0010】
(1)上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができるロック筒とで構成されているので、クレーン等のフックに吊り下げロープを係止して吊り上げ、コンテナーバック本体の底面を排出部位に位置させた状態でロック筒をスライド移動させて開閉ロープの複数個の開閉カバーを閉じている開閉ロープをゆるめることにより、複数個の開閉カバーは収納されている収納物の重さによって開放し、カバー片および排出筒を複数個の開閉カバーより外方へ突出して排出筒より収納物が落下排出される。
この収納物の排出作業はロック筒の移動でよく、ロック筒の後端部がコンテナーバックの外周部に位置する部位に設定することにより、完全にコンテナーバックの底面に位置することなく、コンテナーバックより収納された収納物を安全に排出させることができる。
【0011】
(2)前記(1)によって、排出筒をロープで絞って閉じることなく、折り曲げた後、カバー片で覆って複数個の開閉カバーで覆うだけでよいので、構造が簡単で、楽に使用することができる。
【0012】
(3)前記(1)によって、構造が簡単であるので、誰でもが間違って使用することなく、安全に使用することができる。
【0013】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、複数個の開閉カバーを開放ロープによって、開閉ロープをスライド移動させて複数個の開閉カバーを確実に開放させることができる。
したがって、開放ロープの取付けだけで強制的に複数個の開閉カバーを開放することができ、確実に収納物を排出筒より排出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図10に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1はコンクリート骨材や土砂等の収納物を収納して、トラック等で現場へ輸送して排出することができる本発明のコンテナーバックで、このコンテナーバック1は上部にロープ2で閉じることができる開口部3が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒4が形成されたコンテナーバック本体5と、このコンテナーバック本体5を前記排出筒4を下部に位置した状態でクレーン等のフック6で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体5の外壁面に縫着固定された上部がループ状の吊り下げロープ7、7と、前記コンテナーバック本体5の底面に一端部が縫着固定された、前記排出筒4を閉じるように折り曲げた状態で覆うことができるカバー片8と、このカバー片8を覆うように前記コンテナーバック本体5の排出筒4の周囲に後端部が縫着固定され、先端部にロープ挿入孔9が形成された複数個、本実施の形態ではほぼ台形状の4個の開閉カバー10、10、10、10と、この開閉カバー10、10、10、10のロープ挿入孔9、9、9、9へ挿入され、両端部が前記吊り下げロープ7、7の前記コンテナーバック本体5に縫着されていない部位に係止することができる開閉ロープ11と、この開閉ロープ11にスライド移動可能に取付けられた可撓性のロック筒12と、このロック筒12のスライド移動を阻止する、前記開閉ロープ11が対応する側面より外方へ突出するように案内することができる案内孔13、13を有する位置決め筒14と、前記開閉カバー10、10、10、10のロープ挿入孔9、9、9、9に挿入された開閉ロープ11の反開放側に取付けられた先端部が前記コンテナーバック本体5に縫着されていない部位に係止することができる開放ロープ15とで構成されている。
【0016】
上記構成のコンテナーバック1は底面の排出筒4を折りたたんで閉口し、カバー片8で覆うとともに開閉ロープ11のロック筒12を開閉カバー10、10、10、10の開口部が狭くなるようにスライド移動させてカバー片8を覆い、位置決め筒14をスライド移動させてロック筒12の移動を阻止する。
この状態で、開閉ロープ11と開放ロープ15の先端部を吊り下げロープ7、7に取り外し可能に結び、コンテナーバック本体5内にコンクリート骨材や土砂等の収納物16を入れる。
コンテナーバック本体5内に所定量の収納物16が入ると、開口部3をロープ2で閉じ、吊り下げロープ7、7をクレーンのフック6に取付け、持ち上げてトラック17の荷台18へ積み込む。
【0017】
トラック17で現場へ輸送されたコンテナーバック1はクレーンのフック6に吊り下げロープ7、7を取付けて持ち上げ、排出する部位へ移動させ、排出する部位に位置すると開閉ロープ11と開放ロープ15を吊り下げロープ7、7より外し、コンテナーバック本体5の外周部より位置決め筒14を開閉カバー10、10、10、10が十分に開口する部位までスライド移動させるとともに、ロック筒12も開放方向にスライド移動させる。
この状態で、コンテナーバック1内の収納物16の自重によって開閉カバー10、10、10、10、カバー片8および排出筒4は下方へ押し圧され、開放方向に移動して、排出筒4よりコンテナーバック1内の収納物16を排出することができる。
なお、開閉カバー10、10、10、10が十分に開放しない場合には開放ロープ15を引張ることにより、開閉ロープ11が開閉カバー10、10、10、10のロープ挿入孔9、9、9、9をスライド移動し、開閉カバー10、10、10、10を十分に開放することができる。
開放ロープ15の操作は開閉ロープ11の操作者がコンテナーバック1の上部を通過させて行なったり、別の操作者が開閉ロープ11の開閉部を開放できるように引張って行なう。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図11ないし図19に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、後端側に開閉ロープ11が両側部より外方へ突出する開閉ロープ案内孔13、13を形成したロック筒12Aを用いた点で、このようなロック筒12Aを用いて構成したコンテナーバック1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、部品点数が減少して、取り扱いやコストの低減を図ることができる。
【0020】
図14ないし図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、開閉ロープ11の開閉カバー10、10、10、10のロープ挿入孔9、9、9、9に挿入されている開放側部位Xにカバー片8の遊端部が位置するようにコンテナーバック本体5の底面に取付け、開放ロープがなくても容易にカバー片8および排出筒4が開放できるようにした点で、このように構成したコンテナーバック1Bにしても、前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
【0021】
図17ないし図19に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第2の形態と主に異なる点は、コンテナーバック本体5の外壁面に開閉ロープ11および開放ロープ15の先端部寄りの部位を係止することができる面ファスナー19、19を用いたロープ係止具20、20を用いた点で、このようなロープ係止具20、20を用いて構成されたコンテナーバック1Cにしても、前記本発明を実施するための第2の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明はコンクリート骨材や土砂等の収納物を輸送する場合に用いられるコンテナーバックを製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態のクレーンで吊り下げられた状態の正面図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態のクレーンで吊り下げられた状態の底面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の排出筒の取付け状態の説明図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態のカバー片の取付け状態の説明図。
【図6】本発明を実施するための最良の第1の形態の開閉カバーの取付け状態の説明図。
【図7】本発明を実施するための最良の第1の形態のロック筒と開閉ロープの説明図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の開閉カバーの開放状態の説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の開放ロープを引張る状態の説明図。
【図10】本発明を実施するための最良の第1の形態の開放ロープが引張られた状態を示す説明図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図12】本発明を実施するための第2の形態のロック筒の説明図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の開閉カバーの開放状態の説明図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の正面図。
【図15】本発明を実施するための第3の形態の底面図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の開閉カバーの開放状態の説明図。
【図17】本発明を実施するための第4の形態の正面図。
【図18】本発明を実施するための第4の形態の底面図。
【図19】本発明を実施するための第4の形態のロープ係止具の説明図。
【符号の説明】
【0024】
1、1A、1B、1C:コンテナーバック、
2:ロープ、 3:開口部、
4:排出筒、 5:コンテナーバック本体、
6:フック、 7:吊り下げロープ、
8:カバー片、 9:ロープ挿入孔、
10:開閉カバー、 11:開閉ロープ、
12、12A:ロック筒、 13:案内孔、
14:位置決め筒、 15:開放ロープ、
16:収納物、 17:トラック、
18:荷台、 X:開放部位、
19:面ファスナー、 20:ロープ係止具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができるロック筒とからなることを特徴とするコンテナーバック。
【請求項2】
上部にロープで閉じることができる開口部が形成され、底面中央部に折りたたみ可能な小径の排出筒が形成されたコンクリート骨材等を収納するコンテナーバック本体と、このコンテナーバック本体を前記排出筒を下部に位置させた状態で吊り上げられるように、該コンテナーバック本体に取付けられた吊り下げロープと、前記コンテナーバック本体の底面に前記排出筒を閉じるように折り曲げた状態で覆うカバー片と、このカバー片を覆うように前記コンテナーバック本体の排出筒の周囲に設けられた複数個の開閉カバーと、この複数個の開閉カバーの先端部にリング状でスライド移動可能に取付けられた、前記コンテナーバック本体の上部位置に係止できる開閉ロープと、この開閉ロープにスライド移動可能に取付けられた前記複数個の開閉カバーを開閉状態に位置させることができるロック筒と、このロック筒が位置する部位と反対側の前記複数個の開閉カバーの先端部に取付けられた開閉ロープ部位に取付けられた前記コンテナーバック本体の外側部位より複数個の開閉カバーが開放する方向に引張ることができる開放ロープとからなることを特徴とするコンテナーバック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−302958(P2008−302958A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152321(P2007−152321)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(508144462)
【Fターム(参考)】