説明

コンテナ用ライナ、結合装置及びライナからの荷降し方法

【課題】ライナの荷積み又は荷降しの際にライナが開放されて周囲からのごみやほこりやその他の粒子に晒されてしまうため、荷降し作業を閉鎖系作業として行うことができるようにする。
【解決手段】複数の壁15の少なくとも一つは一つの開口を具備し、この開口はライナの下部に設けられた少なくとも一つの荷降しチューブ14に連通し、一つの荷降しチューブ又は複数の荷降しチューブ14は解放可能なシール手段114を備え、該シール手段は荷降しチューブの外側から接近(アクセス)可能でかつ解放可能である。シール手段はその閉止状態において荷降しチューブを取囲みそれを締付ける。シール手段は解放されると、ライナの内部への接近(アクセス)を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立形式の請求項1及び4に請求された貨物コンテナ用のライナと、従属形式の請求項7に請求された結合装置と、請求項17に請求された本発明によるコンテナ用ライナからの荷降し方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
標準化されたコンテナ、即ち箱は、陸路又は海路による貨物運送の為に非常に広く使用されており、このようなコンテナの多くの利点は、できるだけ多くの種類の貨物、即ち積荷に適合できるようにコンテナの改造が可能であることである。従って、乾燥バルク化学製品や粉体樹脂やペレット状の樹脂や小麦粉やコーヒーやココアや穀物やその他の種類の粒状材料のようなばら積み貨物を運送する為に上述の標準化コンテナを使用する試みがいろいろなされて来ている。
【0003】
このようなばら積み貨物を運送する為に貨物コンテナを使用する場合には、コンテナ自体をきれいな状態に保持するか、又はコンテナから貨物を降ろした後にコンテナを掃除して、その後にコンテナを別の貨物の為に使用できるすることが重要である。更に、ばら積み貨物を汚染から保護することが重要でありかつばら積み貨物を望ましくない天然元素に晒すことがないようにすることも重要である。
【0004】
これらの理由の為に、大きな取外可能なプラスチック・ライナが、ばら積み貨物運送に使用される貨物コンテナの内壁を裏打ちする為に、しばしば使用される。これらのライナは運送中、貨物を保護し、運送後にライナは取外すことができ、これによってコンテナは大した掃除を行うことなしに別の貨物の運送の為に再使用可能となる。
【0005】
このようなライナは使い捨て式のものであることは言うまでもない。従って、ライナの製造に使用される材料の選択は、例えば、原材料の使用に関するコストや、原材料の選択に関する環境上の配慮や、このようなライナを毎日取扱う作業員からの要求等の点で、非常に重要である。
【0006】
このようなライナの利点及び能力の一つは、コンテナをきれいに保持しなければならないという要求を簡単かつ効率的に実現できることである。即ち、コンテナの掃除は非常に迅速かつ比較的安価に行うことができる。具体的には、コンテナ掃除は、単に使用済みのライナを捨て去り、新しいライナを取付けることによって実現できるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、公知のライナ・システムの重大な欠点は、上述のコンテナ裏打ち概念の大きな能力が上述の可能性に関して最適の形で使用されていなかったことである。このことは、コンテナ用ライナの荷積み及び荷降しに関するいわゆる「開(オープン)」系を主に開示する公知のライナ概念を詳細に検討することによって分かるであろう。
【0008】
尚、「開」系とは、本発明の用語によると、ライナの荷積み又は荷降しの際にライナが開放されて周囲からのごみやほこりやその他の粒子に晒されてしまうような系であると理解されるべきである。
【0009】
今日まで、特にライナの荷降しに関する上述の問題は、看過されていた。
【0010】
ライナの荷降しの問題を解決する「閉鎖」系を達成するいくつかの試みが行われて来ており、これらの試みにあたっては、或る種のライナは一体的な堅固な荷降しチューブを具備し、この荷降しチューブは特別に設計された荷降しパイプ・システムに嵌合するように構成される。このようなコンテナの問題の一つは、製造コストが非常に高いことである。また、このようなライナの別の欠点は、ライナの荷降し時には溶着継目(シ−ム)部に非常に大きな応力や圧力が発生するので、荷降しの際に可撓性ライナとチューブとの間の接続部が破損し易いことである。特に、荷降しパイプを介して荷降しされる材料の重量は数トンに達することがある。
【0011】
組み込み(ビルトイン)式の荷降しチューブを有する上述の使い捨てライナの別の欠点は、未使用ライナを顧客へ輸送する為にかなり大きな輸送能力を必要とすること、及び更に重大なこととして、収集及びリサイクルが非常に複雑であることである。従って、荷降し地点には、このようなコンテナ用ライナが多量に雑然と集積されると言った事態になりがちである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、請求項1に記載されたように、本発明のコンテナ用の折り畳み可能なライナは、内部空間を形成する複数の側壁を具備する。
【0013】
上記ライナは上部と下部とを有する。
【0014】
上記複数の側壁の少なくとも一つは一つの開口を具備し、この開口は上記ライナの下部に設けられた少なくとも一つの荷降しチューブに連通し、上記一つの荷降しチューブ又は複数の荷降しチューブは解放可能なシール手段を備え、上記シール手段は上記荷降しチューブの外側から接近(アクセス)可能でかつ解放可能である。
【0015】
上記シール手段はその閉止状態では上記荷降しチューブを取囲んでそれを締付け、上記シール手段は解放された時にはライナ内部への接近(アクセス)を許容するので、非常に有用なコンテナ用ライナが得られる。
【0016】
こうして、本発明の実施形態の比較的簡単な技術によって、荷積みしたライナから閉鎖系での荷降しが可能になる。また、荷降しチューブを遮断する解放可能なシール手段を簡単に解放することによって、ライナの開口を形成することができるが、荷降しチューブがコンテナの内部への開口に連通しているので、上述の解放可能なシール手段の解放は、コンテナ内部との直接の実接触をもたらすものではない。公知の荷降しチューブは、閉止されているがこの公知の荷降しチューブの閉止とは予め用意された開口が例えばナイフなどによって手動的に作られ、これにより、コンテナ内部と接触してしまうものである。更に、このような開系にあっては、ちりやほこりや更には上述のナイフのような物品さえも荷降しされる材料に混入又は接触するといった危険が存在する。このような問題は本発明によって効果的に処理される。
【0017】
本発明の更に重要な態様によると、コンテナ用ライナが非常に安全かつ高信頼性の荷降しシステムに設置できる。これは、ライナの端壁及び荷降しチューブの必要な強度が荷降し作業中にライナに付設される外部支持体によって与えられると言う事実によるものである。
【0018】
本発明の別の態様は、致命的な破損や漏れの可能性が生じない方法でコンテナ用ライナを熟練の作業者によって適宜、事前に用意できるものである。
【0019】
請求項2に記載されたように、上記シール手段がクランプ又はひもを具備する場合には、本発明の更に有効な実施形態が得られる。
【0020】
ひもは、製造工程中にライナに取付けることができ、非常に簡単な方法で解放して取外すこともできる。
【0021】
請求項3に記載されたように、少なくとも一つの荷降しチューブが永久シール、好ましくは少なくとも一つの溶着継目部によって上記少なくとも一つのチューブの外側端の所で閉止された場合には、本発明の更に有効な実施形態が達成される。
【0022】
荷降しチューブの外側端に永久シールを施すことによって、万一解放可能なシールがたまたま運送中に破損や緩んだりし又は漏れた場合にも、チューブ閉止が確保される。この永久シールは、荷降し作業の開始前に例えば荷降しチューブの一部を切断することによって、容易に取除くことができる。
【0023】
本発明のコンテナ用ライナには、適当な個数の荷積み用チューブを適宜設けてもよい。好適実施形態によると、ライナはコンテナ用ライナの上部に配置された一つの荷積み用チューブと一つの通気チューブとを更に具備し、こうして、コンテナ用ライナは、荷積み及び荷降しの全体を閉鎖系で運転することができる。
【0024】
請求項4に記載されたように、コンテナ用の折り畳み可能なライナは、内部空間を形成する複数の側壁を具備し、
上記ライナには上部と下部とを有し、
上記複数の側壁の少なくとも一つは一つの開口を具備し、この開口を、上記ライナの下部に設けられた少なくとも一つの荷降しチューブに連通させ、
上記荷降しチューブの少なくとも一つは永久シール、好ましくは少なくとも一つの溶着継目部によって、上記チューブの下部において閉止され、上記シールは破ることができる構成とするとき、本発明の更に好適な実施形態が得られる。
【0025】
荷降しチューブの外側端に永久シールを施すことによって、万一解放可能なシールがたまたま運送中に破損や緩んだりし又は漏れた場合にもチューブ閉止が確保される。この永久シールは、荷降し作業の開始前に例えば荷降しチューブの一部を切断することによって、容易に取除くことができる。
【0026】
本発明のコンテナ用ライナには、適当な個数の荷積み用チューブを適宜設けてもよい。好適実施形態によると、ライナは一つの荷積み用チューブと一つの通気チューブとを更に具備し、これらの荷積み用チューブと通気チューブとはコンテナ用ライナの上部に配置され、こうして、コンテナ用ライナは、荷積み及び荷降しの全体を閉鎖系で運転することができる。
【0027】
請求項5に記載されたように、一つの荷降しチューブ又は複数の荷降しチューブは解放可能なシール手段を備え、上記シール手段は上記荷降しチューブの外側から接近(アクセス)可能でありかつ解放可能であり、
上記シール手段はその閉止状態において上記荷降しチューブを取囲みかつ締付け、上記シール手段は解放された時にはライナ内部への接近(アクセス)を許容する構成とするとき、外側の永久シールと内側の解放可能シールとの両方を荷降しチューブに設けたことの相乗効果によって最適の荷積み、運送及び荷降し条件が達成されるので、本発明の更に好適な実施形態が得られる。
【0028】
請求項6に記載されたように、上記シール手段がクランプ又はひもを具備する場合には、上述の利点が得られ、本発明の更に好適な実施形態が得られる。
【0029】
請求項7の記載によれば、折り畳み可能ライナの荷降しチューブ用の結合装置はコンテナに設けられ、
上記結合装置は、上記コンテナに直接又は間接に固定されるように構成された取付け端を有しており、
上記結合装置は荷降しパイプを受けるように構成された受け端を更に有しており、
上記受け端は一つの開口を形成し、この開口は取囲む受け表面を有しており、
結合装置が上記荷降しパイプに結合されかつ固定された時に、上記受け表面は、結合装置の受け表面と荷降しパイプの対応する受け表面との間に荷降しチューブの端部/部分を固定するように、構成され、これによって、本発明の非常に有効な実施形態が得られる。
【0030】
本発明による結合装置は、コンテナによって支持された又はコンテナ用ライナ自体によって組込まれた合板等の板又は複雑な機械装置が、荷降し装置又は支持体を構成する必要がある既存のシステムと比較されるべきである。このような公知の装置は全て、コンテナの荷積み前にライナと共に前もって作られるか又はコンテナ内に配置される必要があり、従って、貨物の一部を構成することになる。
【0031】
こうして、本発明による結合装置は、コンテナ用ライナの荷積み後であって荷降しの直前に、取付けることができる。これは、不必要な貨物をコンテナと共に運送する必要がないことを意味している。
【0032】
更に、荷降し装置は、比較的強度の弱いコンテナ用ライナ自体への機械的結合ではなく、コンテナへの支持結合によって取付けられる。
【0033】
請求項8に記載されたように、取付け端と上記受け端とは、荷降しチューブが上記両端の間で直接又は間接的に接近(アクセス)可能となるように、離間されている場合には、荷降しチューブへの自由な接近(アクセス)が可能となるので、更に有効な実施形態が得られる。
【0034】
シール手段、例えばライナの荷降しチューブの周囲に結ばれた単一のひもは、荷降しチューブと荷降しパイプとの間の結合完了後に解放されるので、本発明によるユニークな詳細構造により、ライナの荷降しチューブと荷降しパイプとの間に「閉鎖」系の接続を得ることができる。従って、ライナは、例えば切断のように、ライナ及びライナの積荷に外部から接触する必要なしに、荷降し可能である。
【0035】
請求項9に記載されたように、受け端は開及び閉状態を有し、上記開口は上記閉状態の受け端によって形成される。結合装置内への荷降しチューブの配置は簡単な効率的な方法で行うことができるので、更に有効な実施形態が得られる。荷降しチューブの開口は例えばヒンジ式の二部品開口によって形成してもよく、これは閉止位置で係止することもできる。
【0036】
請求項10に記載されたように、固定手段がコンテナの開口に設けられた保持バーに固定されるように構成されている場合には、本発明の更に好適な実施形態が達成される。こうして、驚いたことに、保持バーは必要な支持及び強度を付与し、これにより荷降しの際に結合装置に作用する圧力に耐えることができる。
【0037】
本発明による簡単な固定方法は、合板のような板又は複雑な機械的装置が荷降し装置又は支持体を構成する為に必要である既存のシステムと比較すべきである。このような公知装置は全て、コンテナの荷積み前にコンテナに配置されなければならず、従って貨物の一部を構成してしまう。
【0038】
請求項11の記載によれば、上記固定手段は、コンテナの少なくとも二本の保持バーに対応する複数のクランプを具備しており、このような場合には、固定手段が簡単かつユーザ・フレンドリな方法で取付けられるので、更に有効な実施形態が達成される。更に、保持バーに簡単にクランプされる単純なクランプの使用は、公知の保持バーに機械的な変更を加える必要がないことを意味する。
【0039】
別の態様によると、保持バーは比較的高圧力に耐えられるように設計されている。既存の保持バーに変更を加えることは、その強度を著しく低下させる危険が生ずる。
【0040】
請求項12に記載されたように、固定手段が複数のクランプを具備し、これらのクランプが上記フレームに調整可能に位置決めされている場合には、本発明の更に有効な実施形態が得られる。こうして、たとえ、保持バーの鉛直方向の位置決めが比較的不正確である場合でも、固定手段は相対的に位置決め可能であるのでコンテナの保持バーに正確に固定される。
【0041】
請求項13に記載されたように、上記装置が固定手段を具備し、この固定手段が開口のフレーム端部においてコンテナに設けられた少なくとも二個の突出部材に固定される場合には、本発明による荷降しフレームの有効な第2実施形態が得られる。結合装置をコンテナの開口フレームに固定することによって、特に簡単かつ強固な取付け体が可能となる。この第2の好適実施形態による結合装置は、保持バーへのフック留めを必要としないので、特に容易に取付けできる。ライナは、積荷で満杯になった時に保持バーの裏面にしばしば強く押し付けられるので、結合装置を固定する為のフック部材を、ライナの損傷なしに所定位置にもたらすことは困難である。
【0042】
請求項14に記載されたように、コンテナに設けられた上記突出部材がドアロック機構の一部を構成するものである場合には、結合装置は、コンテナの開口フレームに適するように事前に改造することなく、コンテナに容易に取付けることができる。
【0043】
請求項15に記載されたように、固定手段が第1及び第2の取付けバーを具備し、これらの第1及び第2の取付けバーが互いに実質的に平行に向いており、かつ突出部材に上記バーをクランプする締付け手段を備えている場合には、移動可能な固定手段が実現でき、これによって、コンテナ・フレーム又は結合部材に何らの修正を加えることなく、結合装置を開口の左方、右方又は中央部に固定することができる。締付け手段は、好ましくはネジ付きロッドと手で締付け可能な蝶ナットとして設計される。
【0044】
請求項16に記載されたように、上記取付け端は支持表面を具備し、この支持表面は、荷降しチューブが結合装置に設けられた時にライナ壁を支持するように構成される場合には、非常に好適な実施形態が達成される。この支持表面の機能は、以下の理由により非常に重要である。即ちこの支持表面は、特に荷降しチューブの周囲領域においてライナの端壁に作用する大きな圧力に起因する荷降しチューブの破損を防止する。本発明の本実施形態によると、ライナの端壁は、過大なスペースを占めることなくコンテナに直接又は間接に固着される簡単かつ比較的小型の装置によって、支持される。
【0045】
請求項17に記載されたように、コンテナ用ライナの荷降し方法が、
本発明による結合装置をコンテナのドア開口に設けるステップと、
もし存在する場合には荷降しチューブの永久シールを取除くステップと、
結合装置が荷降しパイプに結合されかつ固定された時に、端部/部分が結合装置の受け表面と上記荷降しパイプの対応する受け表面との間に固定されるようにライナの荷降しチューブを結合装置に取付けるステップと、
荷降しチューブの解放可能なシール手段を解放するステップと、
を具備する場合には、コンテナ用ライナの非常に効率的かつ安全な荷降し方法が得られる。
【0046】
本発明による荷降し方法にあっては、解放可能なシール手段の取外し前に荷降しパイプに荷降しチューブを完全に結合するので、荷降し作業は閉鎖系作業として行うことができる。堅固な取付けの荷降しチューブを使用しないので、製造コストを低減できると共に結合も効果的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態による荷降しフレームを示した図。
【図2】図1の荷降しフレームの詳細図。
【図3】本発明によるコンテナ用ライナを示した斜視図。
【図4】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図5】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図6】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図7】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図8】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図9】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図10】本発明によるライナの荷降し作業を示した図。
【図11】本発明による荷降しフレームの第2実施形態を示した図。
【図12】本発明による荷降しフレームの第2実施形態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は本発明による荷降し用のフレーム1を示す。この荷降し用フレーム1は複数のクランプ3を有し、これらのクランプ3はコンテナの取付け用の保持バー(不図示)に対応する為に、フレーム1に適宜に位置決めされる。
【0049】
フレーム1は後述の荷降し開口2を支持する。
【0050】
図2は荷降しフレーム1の一部を更に詳細に示した図であり、この図において、クランプ3は調整手段4を具備し、この調整手段4は、フレーム1上のクランプ3を位置決めすると共にそのクランプ3をフレーム1に固定するように構成されている。調整手段6は、クランプ3を締付けてこれによってフレーム1を協働の保持バー(不図示)に締付けるように、構成される。
【0051】
図3は本発明によるライナ10の斜視図である。
【0052】
ライナ10は標準的なコンテナ11内に配置され、このライナ10は荷積み(充填)用チューブ12と通気用チューブ13と荷降し用チューブ14とを具備する。これらのチューブは全てライナ10の前壁15に設置されている。
【0053】
ライナ10はチューブ12を介して荷積みされ、この時にはチューブ13も開放又は通気手段(不図示)に接続される。ライナ前壁15は組込まれたプラスチック・バルク・ヘッド16によって強化されている。
【0054】
チューブ12,13,14は解放(解除)可能なひも112,113,114によってシールされている。
【0055】
図4は本発明による荷積みされたライナ10の初期状態を示したものである。
【0056】
荷積み前に、コンテナ11には複数の保持バー18が設けてある。これらのバー18は、ライナ10を支持すると共に、上述のようにチューブ12,13を介して荷積みされた積荷即ち貨物を支持する。
【0057】
荷降しチューブ14を被覆する前カバー19が最初に取外されて、これによって、荷降しチューブ14が露出する。
【0058】
図5は、図1及び図2に示された荷降しフレーム1が保持バー18に取付けられかつ固着された状態を示す。尚、荷降しチューブ14の周囲のライナ表面は保持バー18と荷降しフレーム1とを介してコンテナ11によってのみ支持される。
【0059】
図6はフレーム1の開口2を詳細に示した図である。本実施形態によると、開口2は支持表面21によって支持されたシリンダー20から構成されている。この支持表面21自体は機械的にフレーム1に接続されている。
【0060】
この開口2の横断面は本発明の範囲内において、他の適当な幾何学形状としてもよい。
【0061】
シリンダー20はシャッタ22を具備し、このシャッタ22はシリンダー20にヒンジされ、係止機構(不図示)を具備する。シャッタ22は、支持表面21とシリンダー20の反対側端25におけるシリンダー開口表面との間において、シリンダー20の内部への入口となる。
【0062】
ライナ10の荷降しチューブ14は、このチューブ14の外側端23がシリンダー20から突出するように、シリンダー20内に配置される。チューブ14の外側端23には溶着(溶接)された永久シール24が設けてある。
【0063】
支持表面21は隣接するライナ壁15を支持する。また、傷を受け易いライナの溶着継目(シーム)部に作用する大きな機械的圧力は支持表面21によって支えられるであろう。
【0064】
図7において、永久シールが切断されこれによりチューブ14の外側端23の内部へ通じる、即ちそこへ接近(アクセス)することができる。
【0065】
図8において、外側端23はシリンダー20の外側端25上に折り返される。
【0066】
図9において、荷降しパイプ30がシリンダー20の外側端25に結合されるが、この結合は、荷降しパイプ30の結合手段の内表面と外側端25とがチューブ14の外側端23を締付けるように、行われる。
【0067】
こうして、外側端23は、シリンダー20と荷降しパイプ30との対応する受け表面間のシール部を構成する。
【0068】
荷降しパイプ30と開口2との間の結合は、ライナ荷降しチューブ14の外側端23がパイプ30及びシリンダー20の対応する受け表面の間に固定されている限り、種々の多くの機械的実施形態によって、達成することができるであろう。
【0069】
尚、これらの受け表面は適当に傾斜させることができ、これによって、結合が容易となる。同様に、パイプ30の受け表面は、荷降しフレーム1の開口2内の受け表面によって固定することもできる。
【0070】
図10において、シャッタ22のロックが解除され開放されて、そして解放可能なひも114が引張られると、荷降しチューブ14が開放される。それから、シャッタ22が閉止され、ライナからの荷降しを荷降しパイプ30を介して行うことができる。
【0071】
荷降しパイプ30は結合部の近傍に荷降し弁(不図示)を具備することが好ましく、これによって、このパイプを流れる流量を全体的に制御可能となる。
【0072】
図11及び図12において、本発明による荷降しフレーム1の第2の実施形態が示されている。この実施形態にあっては、荷降しフレーム1は、コンテナ11の端フレームの床部分に設けられた複数の突出部材42にクランプされるようになっている。これらの突出部材42は、コンテナ11に既に存在するものであり、コンテナのドアロック用のロック機構に使用されている。
【0073】
フレーム1は二本の実質的に水平方向に向いた取付け用バー40,41を具備し、これらの取付け用バー40,41は突出部材42の各側部に配置されかつ締付け手段43によってこれらの突出部材42に締付け固定される。尚、締付け手段43は、好適実施形態にあってはネジ付きロッドと手できつく締付けられる蝶ナットとから構成される。
【0074】
第1の取付け用バー40は二本の受けバー44を具備し、これらの受けバー44は、荷降し開口2を備えた支持表面21を支える。この支持表面21は各側部に、一対の平行な管状体45を備える。フレーム1に表面21を取付ける時には、受けバー44が管状体45内に挿入される。
【0075】
尚、ライナの内部即ち荷降しチューブ14と荷降しパイプ30との間の結合は、ライナの内部との干渉なしで、完成することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 荷降しフレーム
2 荷降し開口
3 クランプ
4 調整手段
10 ライナ
11 コンテナ
12 荷積みチューブ
14 荷降しチューブ
15 ライナの前壁
18 保持バー
21 支持表面
22 シャッタ
23 荷降しチューブの外側端
24 永久シール
25 外側端
30 荷降しパイプ
114 解放可能なひも

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ用の折り畳み可能ライナであって、
上記ライナは、内部空間を形成する複数の側壁を具備し、
上記ライナが上部と下部とを有し、
上記複数の側壁(15)の少なくとも一つが一つの開口を具備し、上記開口が上記ライナの上記下部に設けられた少なくとも一つの荷降しチューブ(14)に連通し、上記一つの荷降しチューブ又は複数の荷降しチューブ(14)は解放可能なシール手段(114)を備え、上記シール手段は上記荷降しチューブの外側から接触可能かつ解放可能であり、
上記シール手段はその閉止状態で上記荷降しチューブを取囲みかつ締付け、上記シール手段は、解放された時に上記ライナの内部へのアクセスを可能とする、
ことを特徴とするコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項2】
上記シール手段はクランプ又はひも(114)を具備することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項3】
上記少なくとも一つの荷降しチューブは、一つの永久シール、好ましくは少なくとも一つの溶着継目部によって上記少なくとも一つのチューブの外側端で閉止されていることを特徴とする請求項1項又は2項に記載のコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項4】
コンテナ用の折り畳み可能ライナであって、
上記ライナが内部空間を形成する複数の側壁を具備し、
上記ライナが上部と下部とを有し、
上記複数の側壁(15)の少なくとも一つが一つの開口を具備し、上記開口が上記ライナの上記下部に設けられた少なくとも一つの荷降しチューブ(14)に連通し、
上記荷降しチューブの少なくとも一つは、永久シール、好ましくは少なくとも一つの溶着継目部によって、上記チューブの端部(24)で閉止されていることを特徴とするコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項5】
上記一つの荷降しチューブ又は複数の荷降しチューブ(14)は解放可能なシール手段(114)を備え、上記シール手段は上記荷降しチューブの外部から接近可能かつ解放可能であり、
上記シール手段はその閉止状態の時に上記荷降しチューブを取囲んで締付け、上記シール手段はその解放時には上記ライナ内部への接近を許容することを特徴とする請求項4に記載のコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項6】
上記シール手段はクランプ又はひも(114)を具備することを特徴とする請求項4又は5に記載のコンテナ用の折り畳み可能ライナ。
【請求項7】
コンテナ内に収容された折り畳み可能ライナの荷降しチューブ用の結合装置であって、
上記結合装置は、上記コンテナ(11)に直接又は間接に固定されるように構成された取付け端を有し、
上記結合装置は、荷降しパイプ(30)を受けるように構成された受け端(25)を更に有し、
上記受け端は開口(2)を形成し、上記開口(2)は取囲む受け表面(25)を有し、
上記受け表面は、上記結合装置が上記荷降しパイプ(30)に結合され固定された時に、上記結合装置の上記受け表面(25)と上記荷降しパイプ(30)の対応の受け表面との間に荷降しチューブ(14)の端部/部分を固定するように、構成されることを特徴とする結合装置。
【請求項8】
上記取付け端と上記受け端(25)は、上記荷降しチューブが上記両端の間で直接又は間接的に接近(アクセス)可能となるように、互いに離間されることを特徴とする請求項7に記載の結合装置。
【請求項9】
上記受け端は開及び閉位置を有し、上記開口(2)は上記閉位置の上記受け端によって形成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項10】
上記装置は固定手段を具備し、上記固定手段はコンテナ(11)の開口(2)に設けられた保持バー(18)に固定されるように構成されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項11】
上記固定手段は複数のクランプ(3)を具備し、上記複数のクランプは、コンテナの開口に設けられた少なくとも二本の保持バー(18)に対応するように設けられることを特徴とする請求項10に記載の結合装置。
【請求項12】
上記固定手段は複数のクランプ(3)を具備し、上記複数のクランプは上記フレーム(1)に調整可能に位置決めされることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の結合装置。
【請求項13】
上記装置は固定手段を具備し、上記固定手段は、開口のフレームの端部においてコンテナに設けられた少なくとも2個の突出部材(42)に固定されるように、構成されることを特徴とする請求項8または9に記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項14】
上記コンテナに設けられた突出部材(42)は、ドアロック機構の一部であることを特徴とする請求項13に記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項15】
上記固定手段は第1及び第2の取付けバー(40,41)を具備し、上記第1及び第2の取付けバーは、その方向が互いに実質的に平行であり、かつ上記バー(40,41)を上記突出部材(42)をクランプする締付け手段(43)を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項16】
上記取付け端は、上記荷降しチューブ(14)が上記結合装置(1)に取付けられた時に、ライナ壁(15)を支持するように構成された支持表面(21)を具備することを特徴とする請求項7乃至15のいずれかに記載の荷降しチューブ用の結合装置。
【請求項17】
コンテナ(11)に収容された請求項1乃至6によるライナ(10)の内部から荷降しする方法であって、
請求項7乃至16のいずれかによる結合装置を上記コンテナのドア開口に設けるステップと、
もしあるならば荷降しチューブの永久シールを除去するステップと、
上記結合装置が荷降しパイプ(30)に結合されて固定された時に、上記荷降しチューブの端部が上記結合装置の受け表面(25)と上記荷降しパイプの対応の受け表面との間に固定されるように、上記ライナの上記荷降しチューブを上記結合装置に取付けするステップと、
上記荷降しチューブの上記解放可能なシール手段(114)を解放するステップと
を具備することを特徴とするライナからの荷降し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−201603(P2011−201603A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123441(P2011−123441)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【分割の表示】特願2007−127335(P2007−127335)の分割
【原出願日】平成11年8月26日(1999.8.26)
【出願人】(599120428)
【氏名又は名称原語表記】Caretex A/S
【Fターム(参考)】