説明

コンテナ

【課題】従来より回動蓋がコンテナ本体から外れ難いコンテナを提供する。
【解決手段】本発明のコンテナ10では、回動蓋50を閉状態にすると、回動蓋50の第1軸支持突部51における支持板部71に対して、コンテナ本体10Hの一開口縁に設けた段差面28Aが外側から対向する。そして、支持板部71の外面サイドリブ75Aに、段差面28Aに形成された本体側係合リブ26が第1軸受突部21と反対側から対向する。これにより、第1回動支持軸21Jが回動支持孔21Cから抜ける方向への回動蓋50の移動が規制される。しかも、その移動規制のための本体側係合リブ26及び外面サイドリブ75Aが、回動支持孔21Cと第1回動支持軸21Jの近傍に位置しているので、コンテナ本体10Hが変形しても、回動支持孔21Cから第1回動支持軸21Jが抜けることを確実に防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ本体の上面開口の開口縁に回動蓋を回動可能に連結して備えたコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンテナとして、コンテナ本体の上面開口の一開口縁に沿って設けられた複数の回動支持突部と、回動蓋の一外縁部に沿って設けられた複数の回動支持突部とが交互に並べられたものが知られている。このコンテナでは、蓋側の回動支持突部群のうち両端部の1対の回動支持突部から互いに逆向きに突出した1対の回動支持軸が、本体側の回動支持突部群のうち両端部の1対の回動支持突部に備えた回動支持孔に回動可能に軸支されている。また、残りの回動支持突部の間では、隣り合った回動支持突部の一方に備えた回動支持軸が他方に備えた軸受溝に受容されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4051265号公報(図4,図7,図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のコンテナでは、例えば落下してコンテナ本体の側面角部が床に打ち付けられてコンテナ本体が変形すると、回動支持軸が回動支持孔から抜けたり、回動支持軸が回動支持孔からずれて過大な負荷を受けることで破損したりして、回動蓋がコンテナ本体が外れる事態が生じ得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より回動蓋がコンテナ本体から外れ難いコンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るコンテナは、コンテナ本体の上面開口の一開口縁に設けた本体側回動支持突部と、回動蓋の一外縁部に設けた蓋側回動支持突部とを、コンテナ本体の上面開口の一開口縁に沿って隣り合わせに並べ、本体側回動支持突部及び蓋側回動支持突部の何れか一方から他方に向かって突出した回動支持軸が、他方に形成された回動支持孔に挿入されることで、回動蓋が回動可能に支持されて上面開口を開閉可能なコンテナにおいて、本体側回動支持突部と回動蓋の一外縁部とにそれぞれ設けられるか、又は、蓋側回動支持突部とコンテナ本体の一開口縁とにそれぞれ設けられ、回動蓋を閉状態としたときに回動支持軸の軸方向で互い対向して回動支持軸が回動支持孔から抜ける方向への回動蓋の移動を規制しかつ、その規制を回動蓋の起立状態で解除可能な直動規制部を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンテナにおいて、各蓋側回動支持突部は、閉状態の回動蓋の一外縁部から上方に突出しかつ回動蓋の回動軸と平行な支持板部と、支持板部の上端部を外側に湾曲又は屈曲させてなる溝部と、溝部の両端を閉塞する1対の閉塞板部とを備えて、本体側回動支持突部寄りの一方の閉塞板部に回動支持軸が突設され、コンテナ本体の一開口縁には、回動蓋を閉状態にしたときに、支持板部の外面に対向する段差面が形成され、支持板部の外面のうち本体側回動支持突部側の側縁部に沿ってそれぞれ突出形成された直動規制部としての蓋側係合リブと、段差面に突出形成されて、回動蓋を閉じたときに、蓋側係合リブに本体側回動支持突部と反対側から対向する直動規制部としての本体側係合リブとを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のコンテナにおいて、回動蓋は、閉状態から270度離れた垂下姿勢まで回動可能に構成され、コンテナ本体の一開口縁の上面には、回動蓋が垂下姿勢になったときに、支持板部が当接する上面当接部が設けられたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のコンテナでは、回動蓋を閉状態にすると、コンテナ本体と回動蓋とにそれぞれ設けられた直動規制部が回動支持軸の軸方向で互い対向することで、回動支持軸が回動支持孔から抜ける方向への回動蓋の移動が規制される。しかも、その移動規制のための直動規制部が、本体側回動支持突部と回動蓋の一外縁部とにそれぞれ設けられるか、又は、蓋側回動支持突部とコンテナ本体の一開口縁とにそれぞれ設けられて、回動支持孔と回動支持軸の近傍に位置しているので、コンテナ本体が変形しても、回動支持軸が回動支持孔から抜けたり、ずれたりすることを確実に防ぐことができる。これにより、本発明のコンテナでは、従来より回動蓋をコンテナ本体から外れ難くすることができる。また、回動蓋を起立状態にすると直動規制部による回動蓋の移動規制が解除されるので、回動蓋をコンテナ本体に組み付ける際に、回動蓋を起立状態にして回動支持軸を回動支持孔に容易に挿入することができる。即ち、コンテナ本体に対する回動蓋の組み付けを容易に行うことができる。
【0010】
請求項2の構成によれば、回動蓋を閉状態にすると、蓋側回動支持突部が有する支持板部の外面に、コンテナ本体の一開口縁の段差面が外側から対向する。そして、支持板部の外面に突出形成された直動規制部としての蓋側係合リブに対して、段差面に突出形成された直動規制部としての本体側係合リブが対向して、回動支持軸が回動支持孔から抜ける方向への回動蓋の移動が規制される。また、蓋側係合リブは、支持板部を補強する役割も果たす。
【0011】
請求項3のコンテナでは、回動蓋は、閉状態から270度離れた垂下姿勢まで回動すると、回動蓋の支持板部が、コンテナ本体の一開口縁の上面に設けた上面当接部と当接して、回動蓋の自重を受け止める。これにより、回動支持軸及び回動支持孔に対する負荷が軽減されてそれら回動支持軸及び回動支持孔の変形が抑えられ、この点においても従来より回動蓋をコンテナ本体から外れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテナの斜視図
【図2】回動蓋を閉状態にしたコンテナの斜視図
【図3】折畳状態のコンテナの斜視図
【図4】上部枠の斜視図
【図5】上部枠と回動蓋の一部を拡大した斜視図
【図6】上部枠の一部を拡大した斜視図
【図7】回動蓋の全体の斜視図
【図8】第1と第2の軸支持突部の斜視図
【図9】回動蓋と上部枠の一部を破断した斜視図
【図10】回動蓋と閉状態にしたコンテナの側断面図
【図11】回動蓋を垂下姿勢にしたコンテナの側断面図
【図12】回動蓋と上部枠の一部を拡大した平断面図
【図13】上部枠と回動蓋の一部を拡大した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のコンテナ10は、上面開放の箱形状をなしたコンテナ本体10Hの上面に1対の回動蓋50,50を回動可能に組み付けてなる。
【0014】
図2に示すように、コンテナ本体10Hは、その底部を構成する底部ベース11と上部を構成する上部枠20との間に、1対の跳上側壁40,40と1対の折曲側壁30,30とを備えている。また、底部ベース11及び上部枠20は、共に平面形状が長方形になっていて、図1に示すように、コンテナ本体10Hの上面開口10Kも長方形になっている。
【0015】
図2に示すように、各折曲側壁30は、上下方向の中央に備えた中間ヒンジ30Aで上側折曲側壁31と下側折曲側壁32とに分割されて内側に2つ折り可能に構成され、各折曲側壁30の上下の両端部が、上部枠20と底部ベース11の各長辺部分に回動可能に連結されている。また、各跳上側壁40は、上端部のみが上部枠20の各短辺部分に回動可能に連結され、起立姿勢で1対の折曲側壁30,30の間に挟まれ、その起立姿勢から内側に回動して1対の折曲側壁30,30の間から上方に退き上部枠20の内部に収容されるようになっている。
【0016】
この構成により、コンテナ本体10Hは、図2に示した組立状態から1対の跳上側壁40,40、1対の折曲側壁30,30の順番で折り畳んで図3に示した折畳状態にすることができる。そして、折畳状態になると、下側折曲側壁32が底部ベース11の外縁部に備えた包囲壁11Aの内側に収容されると共に、上側折曲側壁31が上部枠20の内側に収容されて、上部枠20の下端部が包囲壁11Aの上面に当接する。
【0017】
なお、上側及び下側の折曲側壁31,32と跳上側壁40は、図2に示すように、それぞれ外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材31H,32H,40Hと、それら枠部材31H,32H,40Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材31G,32G,40Gとを一体成形した構造になっている。
【0018】
図1に示すように、1対の回動蓋50,50は、コンテナ本体10Hの上面のうち上面開口10Kの開口縁における1対の長辺部分(即ち、上部枠20における1対の長辺部分の上面)に回動可能に連結されている。これら回動蓋50,50は、図2に示すように、先端に波形湾曲部50Wを有し、回動蓋50,50が閉状態になると一方の回動蓋50の波形湾曲部50Wにおける山部分が他方の回動蓋50の波形湾曲部50Wにおける谷部分に収まる。
【0019】
また、各回動蓋50の外縁部における1対の短辺部分には、それぞれ矩形孔50Aが貫通形成されている。そして、回動蓋50を閉状態にすると、上部枠20の各短辺部分の上面から突出した断面矩形の上面突部20Aが矩形孔50Aを貫通して、回動蓋50の横ずれを規制する。
【0020】
さらに、各回動蓋50の外縁部における一方の短辺部分には、ロックスライダ60がスライド可能に組み付けられていて、両回動蓋50,50を閉状態にするとそれら両回動蓋50,50のロックスライダ60,60の先端が上部枠20における1対の短辺部分の内側面に突き合わされる。また、図1に示すように、上部枠20における1対の短辺部分の内側面には、それぞれ係合スリット20Bが形成されていて(図1には、一方の係合スリット20Bのみが示されている)、ロックスライダ60をスライドさせることで、ロックスライダ60の先端を係合スリット20Bに挿入して回動蓋50を閉状態に固定することができる。
【0021】
なお、回動蓋50も上記した上側及び下側の折曲側壁31,32等と同様に、外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材50Hと、その枠部材50Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材50Gとを一体成形した構造になっている。
【0022】
さて、回動蓋50をコンテナ本体10Hの上面に回動可能に連結するために、図4に示すように上部枠20における1対の長辺部分の上面には、それらの長手方向に沿って軸受突部群29Gが一列に並べて設けられると共に、図7に示すように、各回動蓋50には、上部枠20の長辺部分に対応した一外縁部に沿って軸支持突部群59Gが一列に並べて設けられている。
【0023】
まず、上部枠20の軸受突部群29Gについて詳説する。図4に示した軸受突部群29Gのうち両端部は、本発明に係る「本体側回動支持突部」に相当する1対の第1軸受突部21,21になっていて、それら1対の第1軸受突部21,21は、上部枠20の長辺部分における両端寄り位置に配置されている。そして、軸受突部群29Gのうち中央の第5軸受突部25と各第1軸受突部21との間に、それぞれ第1軸受突部21側から順番に第2軸受突部22、第3軸受突部23及び第4軸受突部24が間隔を空けて配置されている。即ち、第5軸受突部25の両側に第1〜第4の軸受突部21〜24がそれぞれ対をなして左右対称に配置されている。そして、これら第1〜第5の軸受突部21〜25によって軸受突部群29Gが構成されている。
【0024】
また、図5に示すように、上部枠20の長辺部分の上面のうち上面開口10Kから離れた外縁部には、軸受突部群29Gの間に上面段差突部28が設けられ、その上面段差突部28によってコンテナ本体10Hの上面に、本発明に係る段差面28Aが形成されている。そして、第1軸受突部21のうち上面段差突部28の上面より上側部分に回動支持孔21Cが形成されると共に、第2〜第5の軸受突部22〜25のうち上面段差突部28の上面より上側部分に軸受溝22C,23C,24C,25Cがそれぞれ形成されている。
【0025】
図6に示すように、第1軸受突部21は、断面異形の筒体の上面を閉塞した構造をなしている。また、回動支持孔21Cは、第1軸受突部21のうち第2軸受突部22側を向いた側面に開口した丸孔になっている。そして、回動支持孔21Cの中心軸S1が上部枠20の上面における長辺部分の長手方向と平行になっている。なお、第1軸受突部21の側面における回動支持孔21Cの開口縁には、回動支持孔21Cの直径より大きな幅で回動支持孔21Cから第1軸受突部21の上面まで延びた陥没溝21Dが形成されている。
【0026】
第2軸受突部22は、上部枠20の上面から起立し、回動支持孔21Cの中心軸S1と平行な矩形突壁22Dと、その矩形突壁22Dの両側縁部から上面開口10K側に突出した1対の下側支持壁22A,22Aと、矩形突壁22Dの上端縁から上面開口10K側に突出した上部突片22Bとを備えている。1対の下側支持壁22A,22Aの上端部は、矩形突壁22Dの上下方向における中間に位置しかつ、矩形突壁22D側が円弧状に窪んでいる。また、上部突片22Bは、先端に向かうに従って下方に向かうように湾曲している。これにより、第2軸受突部22のうち下側支持壁22A,22Aの上端部と上部突片22Bの下面との間には、回動支持孔21Cの軸方向から見て上面開口10K側に開放したC字形の軸受溝22Cが形成されている。
【0027】
第4軸受突部24は、第2軸受突部22と同様の構造を有し、回動支持孔21Cの軸方向から見て上面開口10K側に開放したC字形の軸受溝24Cを備えている。
【0028】
第3軸受突部23は、上部枠20の上面から起立し、回動支持孔21Cの軸方向と平行な矩形突壁23Dと、矩形突壁23Dの幅方向の中央から上面開口10K側に突出した中央区画壁23Aと、矩形突壁23Dの上端縁から上面開口10K側に突出したフック壁23Bとを備えている。そして、フック壁23Bの下面に半円弧状の溝形状をなしかつ中央区画壁23Aによって2つに区画された1対の軸受溝23C,23Cが備えられている。
【0029】
図5に示すように、第5軸受突部25は、第3軸受突部23の矩形突壁23Dより横幅が広い矩形突壁25Dと、第3軸受突部23の中央区画壁23Aより厚い中央区画壁25Aと、第3軸受突部23のフック壁23Bと同様のフック壁25Bとを有し、1対のフック壁25Bの下面に中央区画壁25Aによって2つに区画された1対の軸受溝25C,25Cを備えている。そして、上記した軸受溝22C,23C,24C,25Cと回動支持孔21Cとが同軸上に配置されている。
【0030】
図6に示すように、第1軸受突部21と第2軸受突部22との間の上面段差突部28の上面には、第1軸受突部21側の端部を段付き状に高くして本発明に係る上面当接部27Aが形成されている。また、その上面段差突部28の段差面28Aには、第1軸受突部21側の端部寄り位置に本発明に係る「直動規制部」及び「本体側係合リブ」としての本体側係合リブ26が形成されている。本体側係合リブ26は、段差面28Aから段付き状に突出して上下方向に延びている。また、本体側係合リブ26の両側面は、回動支持孔21Cの軸方向と直交した平坦面になっている。さらに、本体側係合リブ26の一方の側面は、上面当接部27Aのうち上面段差突部28の上面に対する段差面と面一になっていて、本体側係合リブ26の他方の側面は、第1軸受突部21の側面との間に隙間を空けて対向している。また、本実施形態では、第2軸受突部22と第3軸受突部23との間の上面段差突部28の上面にも、第2軸受突部22側の端部を段付き状に高くして本発明に係る上面当接部27Bが形成されると共に、第3軸受突部23と第4軸受突部24との間の上面段差突部28の上面にも、第4軸受突部24側の端部を段付き状に高くして本発明に係る上面当接部27Cが形成されている。
【0031】
上部枠20の軸受突部群29Gに関しては以上であり、次に、回動蓋50の軸支持突部群59Gについて詳説する。図7に示すように、回動蓋50には、軸支持突部群59Gを設けるために、回動蓋50の一外縁部における両端寄り位置の間を、窓板部材50G側にずらして外縁切欠部50Pが形成され、その外縁切欠部50Pの内部に軸支持突部群59Gが設けられている。軸支持突部群59Gの両端部は、本発明に係る「蓋側回動支持突部」に相当する1対の第1軸支持突部51,51になっていて、それら1対の第1軸支持突部51,51の内側に間隔を空けて1対の第2軸支持突部52,52が配置され、さらに、1対の第3軸支持突部53,53の内側に間隔を空けて1対の第4軸支持突部54,54が配置されている。そして、1対の第4軸支持突部54,54の間の中心に対して第1〜第4の軸支持突部51〜54が左右対称に配置され、これら第1〜第4の軸支持突部51〜54によって軸支持突部群59Gが構成されている。
【0032】
また、第1〜第4の軸支持突部51〜54は、外縁切欠部50Pの奥面から窓板部材50Gと平行になって突出した複数の蓋外縁突片70Aの先端に一体形成されている。具体的には、第1〜第4の軸支持突部51〜54は、何れも、図9に示すように蓋外縁突片70Aの先端から上側に起立した支持板部71と、支持板部71の上端部を外側に湾曲させてなる溝部72と、図8に示すように、溝部72の両端を閉塞する1対の閉塞板部73とを備えた構造になっている。また、上記した蓋外縁突片70Aと支持板部71とは同じ幅をなし、蓋外縁突片70Aの下面における両側縁部には、1対の外面サイドリブ70B,70Bが突出形成されると共に、支持板部71の外面における両側縁部には、1対の外面サイドリブ75A,75Bが突出形成され、それら1対の外面サイドリブ75A,75Bの上端部が閉塞板部73,73に繋がっている。さらに、支持板部71の下端部は、蓋外縁突片70Aの下面から突出していて、その支持板部71の下面と外面サイドリブ70B,70Bの下面と外面サイドリブ75A,75Bの下面が面一になっている。
【0033】
そして、本実施形態では、1対の第1軸支持突部51,51に備えた外面サイドリブ75A,75Bのうち第2軸支持突部52,52から離れた側の一方の外面サイドリブ75A,75Aが、本発明に係る「直動規制部」及び「蓋側係合リブ」になっている。
【0034】
なお、図7に示すように、隣り合った第1と第2の軸支持突部51,52の間と、第2と第3の軸支持突部52,53の間と、第3と第4の軸支持突部53,54の間とには、蓋外縁突片70A,70Aの側部対向面の基端部を連絡するように連絡板70Cが形成され、図8に示すように、各連絡板70Cの下面の先端縁には、連絡リブ70Dが突出係止されている。
【0035】
図7に示すように、第1〜第4の軸支持突部51〜54における各閉塞板部73の外側面には、同軸上に第1〜第5の回動支持軸21J〜25Jが設けられている。第1回動支持軸21Jは、第1軸支持突部51のうち第2軸支持突部52との反対面から突出している。第2回動支持軸22Jは、第1と第2の軸支持突部51,52の対向面間に差し渡され、第3回動支持軸23Jは、第2と第3の軸支持突部52,53の対向面にそれぞれ形成されて、間隔を空けて突き合わされている。また、第4回動支持軸24Jは、第3と第4の軸支持突部53,54の対向面の間に差し渡され、第5回動支持軸25Jは、両第4軸支持突部54,54の対向面にそれぞれ形成されて、間隔を空けて突き合わされている。また、第1〜第5の回動支持軸21J〜25Jは、断面円形の棒状をなしている。さらに、両持ち状態の第2及び第4の回動支持軸22J,24Jは、片持ち状態の第1及び第3及び第5の回動支持軸21J,23J,25Jに比べて径が小さくなっている。
【0036】
回動蓋50の軸支持突部群59Gに関しては以上である。図1に示すように、回動蓋50が上部枠20に組み付けられた状態では、上記した軸支持突部群59Gを構成する第1〜第4の軸支持突部51〜54と、軸受突部群29Gを構成する第1〜第5の軸受突部21〜25は交互に並び、それらの両端部では、1対の第1軸受突部21,21の内側に1対の第1軸支持突部51,51が配置された状態になる。そして、図12に示すように、第1回動支持軸21Jが回動支持孔21Cに挿入され、第2回動支持軸22Jが軸受溝22Cに受容され、図示しないが、第3回動支持軸23Jが軸受溝23Cに受容され、第4回動支持軸24Jが軸受溝24Cに受容され、第5回動支持軸25Jが軸受溝25Cに受容される。これにより、回動蓋50が上部枠20に対して回動可能に連結されている。
【0037】
また、回動蓋50を上部枠20に組み付けるには、上部枠20の上方で回動蓋50を起立状態にして1対の第1軸支持突部51,51の間を湾曲状に弾性変形させ、両第1軸支持突部51,51の第1回動支持軸21J,21Jを1対の第1軸受突部21,21の側面における回動支持孔21C,21Cの開口に突き合わせ、回動蓋50を弾性復元させる。すると、その弾性復元の過程で第1回動支持軸21J,21Jが回動支持孔21C,21Cに挿入されると共に、第3及び第5の回動支持軸23J,25Jが上面開口10K側から第3及び第5の軸受突部23,25のフック壁23B,25Bの先端下縁部に摺接して軸受溝23C,25Cに受容され、さらに、第2及び第4の回動支持軸22J,24Jが、第2及び第4の軸受突部22,24の上部突片22B,22Bを弾性変形させながら軸受溝22C,24Cに押し込まれる。このようにして、回動蓋50が上部枠20に組み付けられている。
【0038】
本実施形態のコンテナ10の構成に関する説明は、以上である。次に、このコンテナ10の作用効果について説明する。コンテナ10では、回動蓋50を閉状態にすると、回動蓋50の各第1軸支持突部51における支持板部71に対して、コンテナ本体10Hの一開口縁に設けた段差面28Aが外側から対向する(図10参照)。そして、支持板部71のうち第1回動支持軸21J側に備えた外面サイドリブ75Aに、段差面28Aに形成された本体側係合リブ26が第1軸受突部21と反対側から対向する(図12参照)。これにより、回動蓋50における回動軸方向の両端寄り位置で、それぞれ第1回動支持軸21Jが回動支持孔21Cから抜ける方向への回動蓋50の移動が規制される。しかも、その移動規制のための本体側係合リブ26及び外面サイドリブ75Aが、回動支持孔21Cと第1回動支持軸21Jの近傍に位置しているので、例えば、コンテナ本体10が落下して床に打ち付けられることでコンテナ本体10Hが変形しても、第1回動支持軸21Jが回動支持孔21Cから抜けたり、ずれたりすることを確実に防ぐことができる。これにより、本実施形態のコンテナ10では、従来より回動蓋50をコンテナ本体10Hから外れ難くすることができる。
【0039】
また、回動蓋50を起立状態にすると図13に示すように、外面サイドリブ75Aと本体側係合リブ26とが対向しなくなり、回動蓋50の移動規制が解除されるので、回動蓋50をコンテナ本体10Hに組み付ける際に、回動蓋50を起立状態にして、例えば、湾曲変形させた後、弾性復元させて1対の第1回動支持軸21J,21Jを1対の回動支持孔21C,21Cに容易に挿入することができる。即ち、コンテナ本体10Hに対する回動蓋50の組み付けを容易に行うことができる。
【0040】
さらには、本実施形態のコンテナ10では、回動蓋50を閉状態から270度離れた垂下姿勢まで回動して開くと、第1軸支持突部51及び第2軸支持突部52における支持板部71,71が、コンテナ本体10Hの一開口縁に備えた上面当接部27A,27B,27Cに当接する(図11参照)。これにより、垂下姿勢の回動蓋50の自重を上面当接部27A,27B,27Cにて受け止めることでき、第1回動支持軸21J及び回動支持孔21Cに対する負荷が軽減されて第1回動支持軸21J及び回動支持孔21Cの変形が抑えられる。このことによっても、従来より回動蓋50をコンテナ本体10Hから外れ難くすることができる。
【0041】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0042】
(1)前記実施形態では、折り畳み可能なコンテナ本体10に回動蓋50,50を備えたコンテナ10に本発明を適用した一例を示したが、折り畳み不能なコンテナ本体に回動蓋を備えたコンテナに本発明を適用してもよい。
【0043】
(2)前記実施形態では、本発明に係る直動規制部が、本体側係合リブ26及び外面サイドリブ75Aのようにリブ構造になっていたが、本発明に係る直動規制部は、リブ構造に限定されるものではなく、例えば、段差部であったり、凹凸係合する凹部と突部であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 コンテナ
10H コンテナ本体
10K 上面開口
20 上部枠
21 第1軸受突部(本体側回動支持突部)
21C 回動支持孔
21J 第1回動支持軸(回動支持軸)
26 本体側係合リブ(直動規制部)
27A,27B,27C 上面当接部
28 上面段差突部
28A 段差面
50 回動蓋
51 第1軸支持突部(蓋側回動支持突部)
71 支持板部
72 溝部
73 閉塞板部
75A 外面サイドリブ(直動規制部,蓋側係合リブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体の上面開口の一開口縁に設けた本体側回動支持突部と、回動蓋の一外縁部に設けた蓋側回動支持突部とを、前記コンテナ本体の上面開口の一開口縁に沿って隣り合わせに並べ、前記本体側回動支持突部及び前記蓋側回動支持突部の何れか一方から他方に向かって突出した回動支持軸が、他方に形成された回動支持孔に挿入されることで、前記回動蓋が回動可能に支持されて前記上面開口を開閉可能なコンテナにおいて、
前記本体側回動支持突部と前記回動蓋の前記一外縁部とにそれぞれ設けられるか、又は、前記蓋側回動支持突部と前記コンテナ本体の前記一開口縁とにそれぞれ設けられ、前記回動蓋を閉状態としたときに前記回動支持軸の軸方向で互い対向して前記回動支持軸が前記回動支持孔から抜ける方向への前記回動蓋の移動を規制しかつ、その規制を前記回動蓋の起立状態で解除可能な直動規制部を備えたことを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
各前記蓋側回動支持突部は、閉状態の前記回動蓋の一外縁部から上方に突出しかつ前記回動蓋の回動軸と平行な支持板部と、前記支持板部の上端部を外側に湾曲又は屈曲させてなる溝部と、前記溝部の両端を閉塞する1対の閉塞板部とを備えて、前記本体側回動支持突部寄りの一方の前記閉塞板部に前記回動支持軸が突設され、
前記コンテナ本体の前記一開口縁には、前記回動蓋を閉状態にしたときに、前記支持板部の外面に対向する段差面が形成され、
前記支持板部の外面のうち前記本体側回動支持突部側の側縁部に沿ってそれぞれ突出形成された前記直動規制部としての蓋側係合リブと、
前記段差面に突出形成されて、前記回動蓋を閉じたときに、前記蓋側係合リブに前記本体側回動支持突部と反対側から対向する前記直動規制部としての本体側係合リブとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記回動蓋は、閉状態から270度離れた垂下姿勢まで回動可能に構成され、
前記コンテナ本体の前記一開口縁の上面には、前記回動蓋が前記垂下姿勢になったときに、前記支持板部が当接する上面当接部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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