説明

コンテンツ中継サーバ、コンテンツ中継システム、コンテンツ中継方法及びそのプログラム

識別情報やコンテンツ情報などを記憶する情報記憶部201と、コンテンツを受信するコンテンツ受信部202と、受信した識別情報に対応するコンテンツ情報を情報記憶手段から抽出し、受信したコンテンツがコンテンツ送信先で受信可能か否かをこのコンテンツ情報に基づき判定する転送判定部203と、コンテンツを識別情報に対応したコンテンツ送信先に転送するコンテンツ転送手段204と、送信元情報に従い転送拒否通知をする転送拒否通知部205とを備えるコンテンツ中継サーバとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信網を介してコンテンツを送受信する際に、このコンテンツを中継するコンテンツ中継サーバ、及び、このコンテンツ中継サーバを介してコンテンツを送受信するコンテンツ中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図1に記載されているようなインターネットを介してコンテンツを伝送するシステムが提案されている。コンテンツとしては、テキストメッセージ、静止画像、及び動画像があり、それぞれテキスト、JPEG、及びMPEG4の形式のファイルを電子メールに添付して伝送することができる。
【0003】
例えば、特開2000−261493号公報にも上記システムに関する発明が記載されている。
【0004】
図1において、コンテンツ中継サーバ61は電子メールに添付されたコンテンツを受信し、コンテンツ受信機器に転送するサーバであり、コンテンツ送信機器62はコンテンツを送信する機器であり、コンテンツ蓄積機器63はコンテンツ中継サーバから送信されたコンテンツを受信し、内部に備えたハードディスクドライブにコンテンツを蓄積する機器である。
【0005】
コンテンツ送信機器62はファイルを添付した電子メールを送信可能なパソコン、コンテンツ蓄積機器63はJPEGファイルを添付した電子メールを受信可能なファクシミリ装置や、電子メールを受信でき、JPEGファイル、及びMPEG4ファイルを再生可能なパソコンである。
【0006】
コンテンツ中継サーバ61は、コンテンツ蓄積機器63宛ての電子メールを受信可能なアカウントを登録し、メールアカウント毎に、対応するコンテンツ蓄積機器のコンテンツ情報を記憶している。コンテンツ情報は、コンテンツ蓄積装置に転送可能なコンテンツのフォーマット及び最大サイズを登録したコンテンツ情報管理表として記憶されている。
【0007】
コンテンツ中継サーバ61は、コンテンツ蓄積機器63宛てのファイルを添付された電子メールを受信すると、添付ファイルがJPEGフォーマットであるかどうかを確認し、さらにファイルサイズが100kB以下であるかどうかを確認する。2つの条件に合致した場合には、コンテンツ蓄積機器63に受信したJPEGファイルを転送する。
【0008】
条件に合致しない場合には、コンテンツ中継サーバ61においてコンテンツ蓄積機器63で受信可能なファイル形式に変換し、コンテンツ蓄積機器63に転送する。例えば、ファイルサイズが200kBのJPEGファイルが添付されていた場合には、画素数の削減、或いは再圧縮処理によるファイルサイズの削減をコンテンツ中継サーバ61で実行後、コンテンツ蓄積機器63に転送する。
【0009】
しかしながら、上記従来の構成では、コンテンツ中継サーバに接続されるメールクライアントの台数が多くなるにしたがって、コンテンツ中継サーバでのコンテンツ変換処理の処理負荷が増大する。
【0010】
本発明は上記のような課題に対してなされたものであり、コンテンツの変換処理を不要とするコンテンツ中継サーバ、コンテンツ中継システムの提供を第1の目的とする。
【0011】
また、コンテンツがコンテンツ中継サーバに到着しているにもかかわらずコンテンツを変換中はコンテンツ蓄積機器のユーザはその到着を知ることができないため、前記ユーザはコンテンツの到着をいらいらして待たなければならず、さらにはコンテンツ送信先などにコンテンツの送信の有無を確認するなどの煩雑な手続きをしなければならない。
【0012】
本発明はまた、上記のような課題に対してなされたものであり、コンテンツ蓄積機器のユーザがいらいらせずコンテンツを入手できるコンテンツ中継サーバの提供、および、コンテンツ中継システムの提供を第2の目的とする。
【0013】
また、コンテンツ送信先のコンテンツ情報の変更に柔軟に対応できるコンテンツ中継サーバの提供、および、コンテンツ中継システムの提供を第3の目的とする。
【0014】
さらに、コンテンツ中継サーバが悪意のある第三者が送信したメールにも応答する可能性があるので、スパムメールを大量に送信される危険性が発生し、セキュリティ上このましくない。
【0015】
そこで、セキュリティを確保した上で、送信元のユーザに受信拒否を通知可能なコンテンツ中継サーバ及びコンテンツ中継システムの提供を第4の目的とする。
【発明の開示】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明にかかるコンテンツ中継サーバは、コンテンツの送受信の中継をするコンテンツ中継サーバであって、コンテンツの送信先の識別情報とコンテンツの送信先が受信可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを対応づけて記憶し、さらに、コンテンツ送信元に関する送信元情報と、コンテンツ送信先に関する送信先情報とを記憶する情報記憶手段と、コンテンツの送信元から送信された送信先の識別情報と、これに対応づけられたコンテンツと、送信元情報とを受信するコンテンツ受信手段と、受信した送信先の識別情報に対応するコンテンツ情報を情報記憶手段から抽出し、受信したコンテンツがコンテンツ送信先で受信可能か否かをこのコンテンツ情報に基づき判定する転送判定手段と、転送可能と判断された場合に受信したコンテンツを送信先の識別情報に対応したコンテンツ送信先に転送するコンテンツ転送手段と、転送不可と判断された場合に送信元情報に従い送信元に転送拒否通知をする転送拒否通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0017】
これにより、コンテンツ中継サーバは転送可否の判断のみを行い、コンテンツの変換処理を送信者側に負担させることができるため、コンテンツの変換という負荷を削除することが可能となる。
【0018】
また、前記コンテンツ中継サーバはさらに、転送判定手段が転送不可と判断した場合に、送信先情報に従い送信先にコンテンツ中継サーバにコンテンツが到着したが転送不可であった旨の到着予告を通知する到着予告手段を備えても良い。
【0019】
これにより、受信不可能なコンテンツがコンテンツ中継サーバに送信された場合においても、コンテンツが少なくともコンテンツ中継サーバに到着したことを確認することができ、安心して変換後のコンテンツの受信を待つことができるようになる。
【0020】
また、前記コンテンツ中継サーバはさらに、前記情報記憶手段には、特定の送信元から送信されるコンテンツの受信を拒否するための拒否情報が記憶されるとともに、コンテンツの送信元から送信された送信元情報が拒否情報に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には受信を拒否するとともに、送信元に受信拒否通知をする受信拒否手段を備えることが好ましい。
【0021】
これにより、悪意のある第三者が大量にコンテンツを送信してきたとしても、コンテンツ中継サーバでその受信を拒否するため、セキュリティを確保することができる。
【0022】
また、コンテンツ中継サーバを介してコンテンツの送受信を行うコンテンツ中継システムであって、コンテンツを送信する個別の識別情報を備えたコンテンツ送信機器と、コンテンツ送信機器に対応したアドレスが付与されたメッセージ表示機器と、コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積機器と、上記のコンテンツ中継サーバとを備えるコンテンツ中継システムによって、上記課題を解決しても良い。
【0023】
これによって、上記と同様の作用、効果を得ることができる。
前記コンテンツ中継システムはさらに、コンテンツの到着予告が通知される送信先表示機器を備えても良い。
【0024】
また、前記コンテンツ蓄積機器はさらに、受信可能なコンテンツ情報が変更された際、コンテンツ中継サーバにその旨を通知するコンテンツ情報更新要求手段を備え、コンテンツ中継サーバはさらに、前記コンテンツ情報更新要求に応じて情報記憶手段に蓄積されるコンテンツ情報を更新する情報更新手段を備えるものでも良い。
【0025】
これによりコンテンツ送信先の仕様などが変更となっても、柔軟にその変更に対応することが可能となる。
【0026】
なお、本発明は、このようなコンテンツ中継サーバやコンテンツ中継システムとして実現できるばかりでなく、これらを構成する各装置が備える特徴的な手段をステップとするコンテンツ中継方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
【0027】
そして、そのようなプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどの伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態を、図を参照しつつ説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図2は、コンテンツ中継システムの概略構成を示す模式図である。
【0030】
コンテンツ中継システムは、ファイルの状態となされたコンテンツを電子メールに添付して送受信するシステムであって、コンテンツ中継サーバ11と、コンテンツ蓄積機器12と、コンテンツ送信機器14と、メッセージ表示機器15と、送信先表示機器16とを備えている。
【0031】
コンテンツ中継サーバ11は、電子メールに添付された状態で送信されたコンテンツを宛先のコンテンツ蓄積機12に送信する中継するサーバである。図3に示すように、コンテンツ中継サーバ11は、情報記憶部201と、コンテンツ受信部202と、転送判定部203と、コンテンツ転送部204と、転送拒否通知部205とを備えている。
【0032】
前記情報記憶部201は、コンテンツ蓄積機12を識別する識別情報とコンテンツ蓄積機12が受信可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを対応づけて記憶するハードディスクドライブなどの不揮発メモリで構成される。
【0033】
コンテンツ受信部202は、コンテンツ送信機14から送信されたコンテンツと送信元情報と送信先の識別情報とを受信する処理部である。
【0034】
転送判定部203は、受信した識別情報に対応するコンテンツ情報を情報記憶手段から抽出し、受信したコンテンツがコンテンツ蓄積機12で受信可能か否かを前記コンテンツ情報に基づき判定する処理部である。
【0035】
コンテンツ転送部204は、転送可能と判断された場合に受信したコンテンツを識別情報に対応したコンテンツ送信先に転送する処理部である。
【0036】
転送拒否通知部205は、転送不可と判断された場合に送信元情報に従い転送拒否通知をする処理部である。
【0037】
コンテンツ蓄積機器12は、例えば、家庭内に設置され、Ethernet(登録商標)インターフェースを備えたビデオレコーダ機器である。
【0038】
コンテンツ送信機器14は、電子メールを送信可能なパソコンや携帯端末である。
メッセージ表示機器15、及び、送信元表示機器16は電子メールを受信可能な携帯端末などである。
【0039】
図4は、コンテンツ送信機器14が、コンテンツ蓄積機器12の対応可能なコンテンツを送信した場合の通信手順を示すシーケンス図である。
【0040】
まず、コンテンツ蓄積機器12は、コンテンツ蓄積機器12が受信できかつ再生可能なコンテンツのファイル形式、及びファイルサイズをコンテンツ情報としてコンテンツ中継サーバ11に通知するとともに、識別情報や送信先情報も通知する(S301)。ファイル形式は後述するメッセージタイプで通知する。
【0041】
コンテンツ中継サーバ11は、コンテンツ蓄積機器12から受け取ったコンテンツ情報などを情報記憶部201に登録する(S302)。
【0042】
次に、コンテンツ送信機器14は、JPEGファイル形式の静止画像を添付した電子メールをコンテンツ中継サーバ11に送信する(S303)。この電子メールには送信先であるコンテンツ蓄積機12の識別情報も含まれている。
【0043】
コンテンツ中継サーバ11は、後述する手順で電子メールに添付された添付ファイル、すなわちコンテンツがコンテンツ蓄積機器12に転送可能か否かを判定する(S304)。
【0044】
コンテンツ蓄積機器12に転送可能であると判定した場合には、コンテンツ蓄積機器12に対して後述する転送可能情報を通知する(S305)。
【0045】
コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ到着通知に応じてコンテンツ中継サーバ11にコンテンツ要求を送信する(S306)。
【0046】
コンテンツ中継サーバ11はコンテンツ要求に応じてコンテンツ蓄積機器12にコンテンツを送信する(S307)。
【0047】
コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ中継サーバ11から受け取ったコンテンツを記憶装置に保存する(S308)。
【0048】
図5は、コンテンツ中継サーバ11における転送拒否の判定処理動作を示すフローチャートである。
【0049】
まず、受信した電子メールに含まれる識別情報に基づいてコンテンツを転送すべき機器としてコンテンツ蓄積機器12を特定する(S401)。
【0050】
次に、情報記憶部201から特定されたコンテンツ蓄積機器12のコンテンツ情報を取り出す(S402)。
【0051】
次に、コンテンツ情報に基づいて添付ファイルがJPEGファイルか否か(S403)、ファイルサイズが100kB以下であるか否かを確認し(S404)、両方の条件に合致していれば転送可能であると判定し転送可能情報を作成する(S405)。一方、前記いずれかの条件を満足していなければ、転送拒否情報を作成する(S406)。
【0052】
図6は、コンテンツ送信機器14がコンテンツ蓄積機器の対応できないコンテンツを送信した場合の通信手順を示すシーケンス図である。
【0053】
まず、メッセージ表示機器15は、コンテンツ中継サーバ11に対して送信元情報を登録する(S501)。登録手順は、HTTPプロトコル等の公知の技術を利用できる。
【0054】
コンテンツ蓄積機器12からのコンテンツ情報などの送信、及び記憶が行われる(S301、S302)。
【0055】
コンテンツ送信機器14はMP3フォーマットの音楽コンテンツを添付した電子メールをコンテンツ中継サーバ11に送信する(S303)。
【0056】
コンテンツ中継サーバ11は、前述の手順に基づきコンテンツをコンテンツ蓄積機器に転送可能か否かを判定する(S304)。MP3フォーマットのコンテンツの場合には、コンテンツ蓄積機器に転送できないと判断されるので、予め登録された送信元情報に従い転送拒否情報を転送拒否通知部205により送信する(S502)。
【0057】
転送拒否情報を受信したユーザは、コンテンツをコンテンツ蓄積機器の受信可能な形態に変換し(S503)、コンテンツ送信機器14からコンテンツ中継サーバ11に再送信する(S504)。
【0058】
一方、到着予告部206は送信先表示機器16に対して到着予告を通知する(S505)。
【0059】
この通知により、コンテンツ蓄積機器12のユーザはいらいらせずにコンテンツの到着を待つことができる。
【0060】
以降の動作は、コンテンツ蓄積機器12に転送可能であると判定されるので、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツ到着を通知する(S305)。コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ到着通知に応じてコンテンツ中継サーバ11にコンテンツ要求を送信する(S306)。コンテンツ中継サーバ11はコンテンツ要求に応じてコンテンツ蓄積機器12にコンテンツを送信する(S307)。コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ中継サーバ11から受け取ったコンテンツを記憶装置に保存する(S308)。
【0061】
図7は、情報蓄積部201に登録されているコンテンツ情報等を表の形式で示した図である。
【0062】
コンテンツ蓄積機器12が対応しうるコンテンツの種類は、予め図6に示すようなメッセージタイプとして定義している。
【0063】
メッセージタイプ0001は、コンテンツ蓄積機器がテキストファイルのみに対応し、かつファイルサイズは10kB以下という受信条件を示している。
【0064】
メッセージタイプ0002は、コンテンツ蓄積機器がJPEGファイル、或いはJPEGファイルとテキストファイルの組合せに対応し、JPEGファイル、及びテキストファイルのファイルサイズはそれぞれ、100kB以下、10kB以下という受信条件であることを示している。
【0065】
メッセージタイプ0003は、コンテンツ受信機器がMPEG4ファイルのみに対応し、かつファイルサイズは5MB以下という受信条件を示している。
【0066】
コンテンツ中継サーバ11は、受信した電子メールの添付ファイルが各メッセージタイプに定義された条件を満たす場合には、コンテンツ蓄積機器12にコンテンツ到着通知を送信し(S305)、各メッセージタイプに定義された条件を満たさない場合には、転送拒否通知をメッセージ表示機器15から送信された送信元情報に従い送信する(S502)。
【0067】
コンテンツ蓄積機器12は、コンテンツ中継サーバ11に対して、コンテンツ情報として受信可能なコンテンツを定義したメッセージタイプを通知する。コンテンツ蓄積機器12は、コンテンツ中継サーバに予め自身に設定された機器IDを含んだ識別情報も通知する。コンテンツ中継サーバ11は、情報記憶部201に識別情報とメッセージタイプの対応を登録する。識別情報には、コンテンツ送信用のメールアカウントも含まれている。
【0068】
図8は、情報蓄積部201に登録されている他の情報を表の形式で示した図である。
コンテンツ中継サーバ11は、電子メールを受信すると、情報記憶部201から、識別情報に対応したコンテンツ蓄積機器12を特定し、当該コンテンツ蓄積機器12のメッセージタイプと電子メールの添付ファイルを比較する。
【0069】
メッセージタイプが0001の場合には、電子メールの添付ファイルがテキストファイルであり、かつテキストファイルのファイルサイズが10kB以下であれば、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツ到着通知を送信する(S305)。条件に合致しない場合には、送信先情報に従いメッセージ表示機器に転送拒否通知を送信する(S502)。
【0070】
メッセージタイプが0002の場合には、添付ファイルが、JPEGファイルのみ、或いはJPEGファイルとテキストファイルの2つのファイルが添付され、かつそれぞれのファイルのサイズが受信条件に合致している場合に、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツ到着通知を送信する(S305)。条件に合致しない場合には、送信先情報に従いメッセージ表示機器に転送拒否通知を送信する(S502)。
【0071】
メッセージタイプが0003の場合には、添付ファイルがMPEG4で、かつファイルサイズが5MB以下の場合には、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツ到着通知を送信する(S305)。条件に合致しない場合には、送信先情報に従いメッセージ表示機器に転送拒否通知を送信する(S502)。
【0072】
以上のように、本実施形態においては、コンテンツ蓄積機器に対応しないコンテンツが送信された場合は、転送できない旨をコンテンツの送信元に通知し、コンテンツの送信元において前記コンテンツ蓄積機に対応しうるコンテンツに変換するため、コンテンツ中継サーバの変換負荷を回避することができる。
【0073】
しかも、前記コンテンツが転送できなかった旨をコンテンツ送信先にも送信するため、コンテンツ送信先のユーザはいらいらせずにコンテンツの到着を待つことができる。
【0074】
(実施の形態2)
図9は、本発明の他の実施形態であるコンテンツ中継システムの概略構成を示す模式図であり、コンテンツ蓄積機器12と、コンテンツ再生機器13と、コンテンツ送信機器14とがインターネットを介してコンテンツ中継サーバ11に接続されている。
【0075】
コンテンツ蓄積機器12は、家庭内に設置され、Ethernet(登録商標)インターフェースを備えたビデオレコーダ機器であり、受信可能なコンテンツが変更された際にコンテンツ情報を通知することのできる更新要求部121を備えている。
【0076】
コンテンツ再生機器13はEthernet(登録商標)インターフェースを備えた画像や文字等のコンテンツを表示できるテレビ機器であり、コンテンツ蓄積機器12に蓄積されたコンテンツを、Ethernet(登録商標)を介して表示できるものである。
【0077】
コンテンツ送信機器14は、電子メールを送信可能なパソコン、或いは携帯端末などである。
【0078】
図10は、コンテンツを中継する通信手順を示すシーケンス図である。
まず、コンテンツ再生機器13がコンテンツ蓄積機器12に再生可能なコンテンツの情報、具体的には、ファイル形式及び最大ファイルサイズを通知する(S901)。コンテンツ蓄積機器12に備えられた情報更新要求部121は、コンテンツ再生機器13やコンテンツ蓄積機器12自身が蓄積や再生が可能なコンテンツが変更されたかを判別し(S902)、変更がなければ(S902:no)コンテンツ中継サーバ11に対してコンテンツ情報等は送信しない。変更があれば(S902:yes)コンテンツ蓄積機器100kB以下のJPEGファイルを再生できるなどのコンテンツ情報を通知する(S301)。ファイル形式などはメッセージタイプとして通知する。
【0079】
コンテンツ中継サーバ11に備えられた情報更新部207は、前記コンテンツ情報を入手すれば情報記憶部201に登録されている情報を更新する。コンテンツ中継サーバ11は、コンテンツ蓄積機器12から受け取ったコンテンツ情報を情報記憶部201に登録する(S302)。
【0080】
コンテンツ送信機器14は、JPEGファイル形式の静止画像を添付した電子メールをコンテンツ中継サーバ11に送信する(S303)。
【0081】
コンテンツ中継サーバ11には予めコンテンツ蓄積機器12に対応した識別情報と送信先情報とが登録されている。
【0082】
コンテンツ中継サーバ11は、次の手順で電子メールに添付された添付ファイル、すなわちコンテンツがコンテンツ蓄積機器12に転送可能か否かを判定する。まず、受信した電子メールに含まれる識別情報に基づいてコンテンツを転送すべき機器としてコンテンツ蓄積機器12を特定する(S401)。次に情報記憶部201からコンテンツ蓄積機器12のコンテンツ情報を取り出す(S402)。さらに、コンテンツ情報に基づいて添付ファイルがJPEGファイルか否か(S403)、ファイルサイズが100kB以下であるか否かを確認し(S404)、両方の条件に合致していれば転送可能であると判定する。
【0083】
コンテンツ中継サーバ11は、コンテンツ蓄積機器12に転送可能であると判定した場合、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツ到着を通知する(S305)。
【0084】
コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ到着通知に応じてコンテンツ中継サーバ11にコンテンツ要求を送信する(S306)。
【0085】
コンテンツ中継サーバ11はコンテンツ要求に応じてコンテンツ蓄積機器12へJPEGファイルを送信する(S307)。
【0086】
コンテンツ蓄積機器12はコンテンツ中継サーバ11から受け取ったコンテンツを記憶装置に保存する(S308)。
【0087】
コンテンツ蓄積機器12は、コンテンツ再生機器13にコンテンツの到着を通知する(S903)。
【0088】
コンテンツ再生機器13は、コンテンツ蓄積機器12から受信したコンテンツ到着通知に応じて、コンテンツ蓄積機器12に対してコンテンツを要求する(S904)。
【0089】
コンテンツ蓄積機器12は、当該コンテンツ要求に応じて、コンテンツ再生機器13へコンテンツを送信する(S905)。
【0090】
コンテンツ再生機器13は、コンテンツを再生し、静止画像の表示を行う(S906)。
【0091】
なお、コンテンツ中継サーバ11は、受信したコンテンツがコンテンツ蓄積機器12に転送できないと判断した場合には、転送拒否通知を所定のメールアドレスに送信する。コンテンツを送信したユーザは、当該転送拒否通知に応じて、コンテンツをコンテンツ蓄積機器の再生可能な形態に変換し、コンテンツ送信機器14を用いて再度コンテンツ中継サーバ11に送信することができる。
【0092】
また、図11に示すように、コンテンツがコンテンツ中継サーバ11に送信された際の送信元情報が拒否情報20に含まれている場合、コンテンツ中継サーバ11の受信拒否部209がコンテンツの受信を拒否するとともに、送信元情報に従いこのコンテンツを送信した送信元に受信拒否通知を通知する。
【0093】
以上のように、本実施形態においては、予め再生可能なコンテンツの情報をコンテンツ中継サーバに記憶しコンテンツ情報が変更になっても識別情報はそのままでコンテンツ情報だけを更新するので、コンテンツ蓄積機や再生機器の変更や組み替えを自由に行うことができる。
【0094】
また、悪意のある第三者からのメールは受信拒否部により拒否されるため、セキュリティを向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、パソコンや携帯電話等のコンテンツ送信機器からビデオレコーダやテレビ機器コンテンツを中継するコンテンツ中継システムやこれに用いられるコンテンツ中継サーバなどに適用でき、特にファイルの状態のコンテンツを電子メールなどに添付して送受信するコンテンツ中継システム及びこれに用いられるコンテンツ中継サーバ等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】従来例を示す概略構成図である。
【図2】コンテンツ中継システムを示す概略構成図である。
【図3】コンテンツ中継サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】転送可能なコンテンツが送信された場合のコンテンツ中継サーバの情報の流れを示すシーケンス図である。
【図5】コンテンツ中継サーバにおける転送可否の判断処理動作を示すフローチャートである。
【図6】転送不可なコンテンツが送信された場合のコンテンツ中継サーバの情報の流れを示すシーケンス図である。
【図7】データの記憶関係を示す図である。
【図8】他のデータの記憶関係を示す図である。
【図9】他のコンテンツ中継システムを示す概略構成図である。
【図10】他のコンテンツ中継サーバの情報の流れを示すシーケンス図である。
【図11】悪意のある第三者からコンテンツが送信される場合を示した模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの送受信の中継をするコンテンツ中継サーバであって、
コンテンツの送信先の識別情報とコンテンツの送信先が受信可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを対応づけて記憶し、さらに、コンテンツ送信元に関する送信元情報と、コンテンツ送信先に関する送信先情報とを記憶する情報記憶手段と、
コンテンツの送信元から送信された送信先の識別情報と、これに対応づけられたコンテンツと、送信元情報とを受信するコンテンツ受信手段と、
受信した送信先の識別情報に対応するコンテンツ情報を情報記憶手段から抽出し、受信したコンテンツがコンテンツ送信先で受信可能か否かをこのコンテンツ情報に基づき判定する転送判定手段と、
転送可能と判断された場合に受信したコンテンツを送信先の識別情報に対応したコンテンツ送信先に転送するコンテンツ転送手段と、
転送不可と判断された場合にメッセージ表示機器及び送信元表示機器の少なくともいずれか一方に転送拒否通知をする転送拒否通知手段と
を備えることを特徴とするコンテンツ中継サーバ。
【請求項2】
前記コンテンツ中継サーバはさらに、
転送判定手段が転送不可と判断した場合に、送信先情報に従いコンテンツ中継サーバにコンテンツが到着したが転送不可であった旨の到着予告を送信先に通知する到着予告手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ中継サーバ。
【請求項3】
前記コンテンツ中継サーバはさらに、
前記情報記憶手段には、特定の送信元から送信されるコンテンツの受信を拒否するための拒否情報が記憶されるとともに、
コンテンツの送信元から送信された送信元情報が拒否情報に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には受信を拒否するとともに、送信元に受信拒否通知をする受信拒否手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ中継サーバ。
【請求項4】
コンテンツ中継サーバを介してコンテンツの送受信を行うコンテンツ中継システムであって、
コンテンツを送信する個別の識別情報を備えたコンテンツ送信機器と、
コンテンツ送信機器に対応したアドレスが付与されたメッセージ表示機器と、
コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積機器と、
請求項1に記載のコンテンツ中継サーバと
を備えることを特徴とするコンテンツ中継システム。
【請求項5】
前記コンテンツ中継システムはさらに、
コンテンツの到着予告が通知される送信先表示機器を備えることを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ中継システム。
【請求項6】
前記コンテンツ蓄積機器はさらに、
受信可能なコンテンツ情報が変更された際、コンテンツ中継サーバにその旨を通知するコンテンツ情報更新要求手段を備え、
コンテンツ中継サーバはさらに、前記コンテンツ情報更新要求に応じて情報記憶手段に蓄積されるコンテンツ情報を更新する情報更新手段を備える
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ中継システム。
【請求項7】
コンテンツの送受信の中継をするコンテンツ中継サーバによるコンテンツ中継方法であって、
前記コンテンツ中継サーバは、コンテンツの送信先の識別情報とコンテンツの送信先が受信可能なコンテンツに関するコンテンツ情報とを対応づけて記憶し、コンテンツ送信元に関する送信元情報と、コンテンツ送信先に関する送信先情報とを記憶する情報記憶手段を備え、
前記コンテンツ中継方法は、コンテンツの送信元から送信された送信先の識別情報と、これに対応づけられたコンテンツと、送信元情報とを受信するコンテンツ受信ステップと、
受信した送信先の識別情報に対応するコンテンツ情報を情報記憶手段から抽出し、受信したコンテンツがコンテンツ送信先で受信可能か否かをこのコンテンツ情報に基づき判定する転送判定ステップと、
転送可能と判断された場合に受信したコンテンツを送信先の識別情報に対応したコンテンツ送信先に転送するコンテンツ転送ステップと、
転送不可と判断された場合にメッセージ表示機器及び送信元表示機器の少なくともいずれか一方に転送拒否通知をする転送拒否通知ステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ中継方法。
【請求項8】
コンテンツの送受信の中継をするコンテンツ中継プログラムであって、
請求項7に記載のコンテンツ中継方法に含まれるステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記コンテンツ中継サーバは、
前記情報記憶手段には、特定の送信元から送信されるコンテンツの受信を拒否するための拒否情報が記憶されるとともに、
コンテンツ送信機器から送信された送信元情報が拒否情報に含まれているか否かを判定し、含まれている場合にはコンテンツの受信を拒否する受信拒否手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ中継サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−531354(P2007−531354A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525965(P2006−525965)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002666
【国際公開番号】WO2005/099200
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】