説明

コンテンツ位置推定装置

【課題】住所情報やスポット名のない曖昧な表現で記述されたコンテンツを地図上にマッピングできるコンテンツ位置推定装置を提供する。
【解決手段】マッピングすべき位置の推定の対象となるコンテンツを取得する第1の取得手段100と、マッピングすべき位置が既知の1つ以上の既知コンテンツのテキストの単語ごとに、単語が含まれるテキストの既知コンテンツのマッピングすべき位置として特定したエリアの位置情報を含む地図情報を格納する格納手段103と、取得されたコンテンツのテキストを単語ごとに分割する分割手段110と、分割された単語に対応する地図情報を格納手段から取得する第2の取得手段112と、取得された複数の地図情報を合成して合成地図情報を生成する生成手段111と、合成地図情報において、マッピングすべき位置の重なりが最も多い位置を取得されたコンテンツのマッピングすべき位置と決定する決定手段113とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツなどの情報を地図上にマッピングするコンテンツ位置推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Webコンテンツ(ニュース、ブログなど)などの地図上のPOI位置の特定は、付加されたGPS情報、住所、既知(マッピング済み)のPOI名などから可能である。住所からの位置の特定はジオコーディングと呼ばれ、住所データベースに基づいて行われる。それらの情報が無い場合でも、様々な情報を利用して位置を特定することが試みられている。下記の非特許文献1に開示されている技術は、ブログなどの文書の位置を特定する技術である。この技術では、文書中に含まれる住所やスポット名の文字列から、文書中の主題と関連の強いものを抽出し、最も関連が強いものをその文書の地図上の位置として推定している。また、下記の特許文献1には、文書中の住所情報及び住所情報の断片を利用して地図上の位置を特定する技術が開示されている。なお、特許文献1に開示された技術では、住所情報のほか、電話番号、目印地点名、空港コードなどを用いるとしている。
【特許文献1】特表2007−524113号公報(要約)
【非特許文献1】“Loco Sticker”, http://okilab.jp/project/location/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、地理的な場所がわからない若しくは曖昧な表現で記述されたコンテンツを収集して地図上にマッピングする際、住所や既知のスポット名のみに基づいた従来技術のマッピングでは、収集されたコンテンツを地図上にマッピングすることができないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、住所情報やスポット名のない曖昧な表現で記述されたコンテンツを地図上にマッピングすることができるコンテンツ位置推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明によれば、表示手段に表示される地図上にテキストを含むコンテンツをマッピングする際の本来マッピングすべき位置を推定するコンテンツ位置推定装置であって、マッピングすべき位置の推定の対象となるコンテンツを前記コンテンツ位置推定装置の外部から取得する第1の取得手段と、マッピングすべき位置が既知の1つ以上の既知コンテンツのテキストの単語ごとに、前記単語が含まれるテキストの前記既知コンテンツの前記マッピングすべき位置として特定したエリアの位置情報を含む地図情報を格納する格納手段と、取得された前記コンテンツのテキストを単語ごとに分割する分割手段と、分割された単語に対応する前記エリアの位置情報を含む前記地図情報を前記格納手段から前記単語ごとに順次取得する第2の取得手段と、取得された複数の前記地図情報を合成して合成地図情報を生成する生成手段と、生成された前記合成地図情報において、配置された前記マッピングすべき位置の地図上の重なりが最も多い位置を取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置と決定する決定手段とを、備えるコンテンツ位置推定装置が提供される。この構成により、住所情報やスポット名のない曖昧な表現で記述されたコンテンツを地図上にマッピングすることができる。なお、ここでの表示手段は、後述するような地図内蔵端末などが有するディスプレイなどを言う。また、上述したエリアの位置情報とは、例えば座標データなどの情報である。
【0006】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、前記第1の取得手段が前記既知コンテンツを取得し、前記分割手段が取得された前記既知コンテンツのテキストを単語ごとに分割し、前記生成手段が分割された前記単語ごとに前記地図情報を生成して前記格納手段に格納することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、あらかじめ単語ごとの地図情報を生成することができる。
【0007】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、取得された前記コンテンツと前記既知コンテンツとが同一か否かを判断し、また取得された前記コンテンツのマップピングすべき位置を特定できるか否かを判断する判断手段を更に備え、取得された前記コンテンツと前記既知コンテンツとが同一である場合に、前記決定手段が、前記既知コンテンツのマッピングすべき位置を取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置と決定し、また取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置が特定できると判断された場合にのみマッピングすべき位置を決定することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、位置推定の精度及び効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、前記生成手段が、前記合成地図情報を生成する際、取得された前記コンテンツの取得先サイトの情報、前記コンテンツの制作者の情報、前記コンテンツの閲覧者の情報、前記コンテンツの属するカテゴリの上位コンテンツの情報の少なくとも1つ以上を含む外部情報を考慮して前記合成地図情報を生成することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、位置推定の精度及び効率を向上させることができる。
【0009】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、前記生成手段が、取得された前記コンテンツのテキストに含まれる位置関係を示す単語、連語を用いて地図上でのマッピング位置のエリアを絞り込み、前記合成地図情報を生成することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、位置推定の精度及び効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、前記生成手段が、計測された高精度な位置情報に基づいて地図上でのマッピングすべき位置のエリアを絞り込み、前記合成地図情報を生成することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、位置推定の精度及び効率を向上させることができる。ここで、位置情報は後述するデジタル位置情報に相当する。
【0011】
また、本発明のコンテンツ位置推定装置において、取得される前記コンテンツが投稿されたブログ情報である場合、前記決定手段が、取得される前記ブログ情報ごとに逐次、マッピングすべき位置を決定することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ブログ投稿システムにおいても対応することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンテンツ位置推定装置は、上記構成を有し、住所情報やスポット名のない曖昧な表現で記述されたコンテンツを地図上にマッピングすることができる。また、コンテンツの位置特定が難しいコンテンツの位置が特定されることで、地図情報サイトなどでは扱えるコンテンツ量を増やすことができる。また、コンテンツに対して位置特定を行うために住所情報や緯度経度情報などを指定する必要がなくなり、ブログなどの執筆を便利にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施の形態に係るコンテンツ位置推定装置の構成について図1を用いて説明する。図1に示すように、クローラ100は、インターネット108を通じてコンテンツを回収し、回収したコンテンツをコンテンツDB101に格納するものである。位置情報解析部102は、コンテンツDB101に格納されたコンテンツを取得し、後述する単語分布図生成フェーズと、コンテンツ位置推定フェーズの処理を行うものである。位置情報解析部102は、さらに分割部110、取得部111、生成部112、決定部113、判断部114から構成されている。位置情報付きコンテンツDB103は、位置情報解析部102によって解析され、位置情報が付与されたコンテンツを格納するものである。
【0014】
なお、音声認識システム104は、カーナビゲーション(カーナビ)システムなどユーザの音声指示などを認識するものである。IME、入力システム105は、ユーザなどからの指示(コマンドなど)を受け付けるものである。地図サーバ106は地図情報を格納するものである。地図内蔵端末107は、地図情報及びディスプレイなどの表示手段を有し、ディスプレイなどの表示手段に、位置情報解析部102によってコンテンツ位置の推定がなされたコンテンツをマッピングした地図情報を表示させるものである。地図サーバ106や地図内蔵端末107は、位置情報付きコンテンツDB103に格納された、位置情報が推定されたコンテンツを取得し、地図上に当該コンテンツをマッピングする。高精度位置計測装置109は、GPS情報など高精度な位置情報を計測するものである。
【0015】
ここで、位置情報解析部102による単語分布図生成フェーズの一例について図2(a)〜(c)を用いて説明する。この単語分布図生成フェーズは、あらかじめ地図上の位置が既知のコンテンツテキストから各単語の地理分布を得るものである。この得られた単語ごとの地理分布は、コンテンツの位置推定の際に利用される。
【0016】
図2(a)に示すように、あらかじめ地図上の位置が既知のコンテンツテキストを用意する(ステップS201)。具体的には、図2(b)に示すようなあらかじめ地図上での位置(例えば、鎌倉、江ノ島、浅草など)がわかっているコンテンツテキスト201〜204を用意する。分割部110は用意されたこれらのコンテンツテキスト201〜204をそれぞれ単語ごとに分割する(ステップS202)。なお、この分割には、例えば形態素解析と呼ばれる手法(http://chasen-legacy.sourceforge.jp/を参照)を用いる。この手法は日本語の意味のある語列の最小単位である形態素を切り出すものである。
【0017】
それぞれのコンテンツテキストが単語に分割された後、生成部111は分割された単語ごとの地理分布205を求める(ステップS203)。ここで、単語ごとの地理分布を求める方法の一例について図3を用いて説明する。例えば、「海」という単語における地理分布を求める場合、「海」という単語を有するコンテンツテキストがどれにあたるかを確認する。図2(b)に示すコンテンツテキストの場合、コンテンツテキスト201、203が「海」という単語を有するコンテンツテキストに該当する。
【0018】
それぞれのコンテンツテキストが示す位置は、コンテンツテキスト201では「鎌倉」、コンテンツテキスト203では「江ノ島」となっている。これにより、グリッドごとに分割した地図300上の中から「鎌倉」、「江ノ島」それぞれに相当するグリッドを選択し、選択されたグリッドに“1”を加算する。図3の場合では、3つのグリッドに数値が記載されており、グリッド301に相当する部分は2度選択されたことを意味する。このように、各グリッドの密度を数値で表すことによって単語ごとの地理分布(密度マップとも言う)を求める。
【0019】
また、点分布は非常に疎になる可能性があり、推定の要に足らない面がある。その場合は各点(あるいはグリッド)間の値(カウント)を補完して埋めることがよい。補完は既知の点、グリッドの周辺で補完データを発生させればよい。方法としては、近隣点又はグリッドの平均を採用する方法、TIN(Triangulated Irregular Network:http://ja.wikipedia.org/wiki/TINを参照)を発生させる方法、クリギング法(http://www.stat.math.keio.ac.jp/sympo/takeda.ppt.files/frame.htmを参照)などがある。このようにして、図2(c)に示す単語ごとの地理分布205を求める。
【0020】
次に、位置情報解析部102によるコンテンツ位置推定フェーズの一例について図4(a)〜(d)を用いて説明する。このコンテンツ位置推定フェーズは、単語分布図生成フェーズによって生成された地理分布を用いて、住所情報などが不明のコンテンツの地図上における位置を推定するものである。
【0021】
まず、住所情報などが存在しない(地理的位置が不明)コンテンツテキストを用意する(ステップS401)。ここで用意されるコンテンツテキスト(対象コンテンツテキスト)の一例を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、対象コンテンツテキストが示す当該コンテンツの地図上における位置は「不明」であるが、コンテンツ内容「海の近くの寺が・・・」は記載されている。
【0022】
分割部110はこのような対象コンテンツテキストを単語に分割する(ステップS402)。取得部112は、分割された単語に対応する地理分布を、単語分布図生成フェーズで生成された地理分布(図4(c)に示す地理分布)の中から取得する(ステップS403)。生成部111は、取得した地理分布を合成して合成分布(図4(d)に示す合成分布)を求める(ステップS404)。ここで、合成分布とは地理分布を合成させたものである。上述したグリッド状の地理分布の場合であれば、単にグリッドごとの値を足し合わせたものでよいが、好ましくは単語ごとに全体の単語数による平均化(ノーマライズ)をしたほうがよい。
【0023】
決定部113は、求めた合成分布のピーク部分(密度の高い部分)をコンテンツの地図上における位置と推定する(ステップS405)。図4(d)に示す合成分布の場合、重なり部分400が対象コンテンツの地図上における位置と推定される。
【0024】
ここで、コンテンツの地図上における位置の推定の精度、効率を向上させるために、上述するステップS403の後、対象コンテンツテキストが既知のPOIに関するものであるか否かの判定と、対象コンテンツテキストがPOIに関するものであるか否かの判定を行うことも可能である。この判定は、例えば判断部114が行う。対象コンテンツテキストが既知のPOIに関するものであれば、コンテンツの地図上における位置の推定を行う必要はなく、既知のPOIに関するものの位置を対象コンテンツの地図上の位置とすればよい。また、対象コンテンツテキストがPOIに関するものでなければ、そもそもPOIに関係のないものであるため、地図上の位置を推定する必要はない。
【0025】
対象コンテンツテキストが既知のPOIに関するものであるか否かの判定には、既知のPOIのコンテンツテキストへの文書単位での近接度(単語構成を利用したVSM(Vector Space Model)空間での余弦距離など)を用い、所定の閾値以上である場合に同一コンテンツと判定する。閾値は正解データ集合から経験的に学習手法を用いて決定する。VSMは文書間の近接度を求める際に用いられ、まず各文書の異なる単語数wによるベクトルV(V=(w1、w2、・・・、wi、・・・、wn))を定義する。その場合、近接度はベクトルの内積(sim(Di、Dj)=Vi・Vj)をもって表される。同一のPOIを表す文書であることが明らかな場合としてこの内積が所定の値以上かどうかで判定する。なお、上述したVSMの詳細については下記の文献(URL)に記載されている。http://unicorn.ike.tottori-u.ac.jp/murakami/paper/INTERNATIONAL/PACLING_2001_9/murakami/
【0026】
また、対象コンテンツテキストがPOIに関するものであるか否かを判定する方法としては例えば以下のものがある。その方法は、対象コンテンツテキストに含まれる単語による合成分布の分散がある閾値を超える場合(ちらばりすぎて特定できない場合)にPOIに関連のない文書であると判定するものである。
【0027】
さらに、コンテンツの地図上における位置の推定の精度、効率を向上させるために、コンテンツテキストの単語のみならず、サイト(サイト単位で地域性がある場合がある)、記述者(位置は記述者の居住地に大きく左右される)、閲覧者、上位コンテンツのタイトル(カテゴリなどである程度位置が特定できる場合がある)などの外部情報を用いて、コンテンツの地図上における位置を推定することも可能である。さらに、単語ごとの出現頻度と上記閲覧者などの情報から得られる推定位置を重ね合わせ、単語の地理分布の情報を修正することも可能である。これにより、関連は薄いが偶然そのコンテンツに出現した単語などの影響を抑制することができる。
【0028】
さらに、コンテンツの地図上における位置の推定の精度、効率を向上させるために、位置関係を示す単語、連語を用いて、既知のPOIとの位置関係を表す語から対象コンテンツの地図上における位置を推定することも可能である。位置関係を幾何学的(右側、隣、向こう、奥、手前など)、地理的(南側、ふもと、沿岸など)語から、実際の関係を示す空間的なオペレータに変換し、それらのオペレータで表せる範囲を絞りこむ。オペレータごとの幾何学的、空間的な位置関係による範囲も空間的確率分布で表す。
【0029】
具体的な範囲の絞りこみについて説明する。“その店は寺の南にある”という文書はpredicateとargumentを持つオペレータに変換できる。すなわち、(predicate、arg1、arg2、…)→(南にある、店、寺)などのように述語論理や関数型言語(Lisp)風の記述に変換ができる。これを論理的な推論にかける(店はどのような場所にあるかを推論する)ことも可能である。この結果を元にオペレータに対応する地理的な範囲を指定する。さらに、(隣にある、店、学校)、(沿い、店、川)などの情報があった場合は図5に示すように地理的な絞りこみができる。なお、地形、建物、道路、水域などの形状を示す地理的形状情報や属性情報をも用いて範囲の絞りこみを行うようにしてもよい。属性情報とは、建物や土地の用途の情報などを言う。
【0030】
さらに、コンテンツの地図上における位置の推定の精度、効率を向上させるために、高精度位置計測装置109を用いて計測された、GPS情報などの高精度なデジタル位置情報(プローブカー、携帯アクセスログ、GPS情報付き画像などによる軌跡の情報や、GPS投稿記事など、対象コンテンツとは関係の無いもの)の集合(分布)を元に、人間の行動対象となるPOIのみに絞りこむことを行うことも可能である。これにより、何もない山野や、道路外、田畑などのPOIたり得ない位置を排除することができるとともに、人がよく訪れる箇所に重みを置くなどができるため、より精度の高い推定を行うことができる。
【0031】
なお、上述した方法は、ユーザがテキスト情報を入力して投稿するようなシステム(ブログ投稿システムなど)においても用いることが可能であり、現在入力済みのテキストに基づいて逐次的に地図上における位置を推定し、その位置を提示するようにすることも可能である。その位置情報に基づいて、例えばテキスト入力画面の傍らにある地図をスクロールしたり、ズームにしたりすることができる。
【0032】
また、上述した方法は、カーナビなどのようなユーザからの音声を認識できるシステムでの音声認識途中において、既に入力されたテキストの内容から地図上における位置が推定でき、位置情報に基づいた音声認識のチューニングをリアルタイムで行うことも可能である。例えば、「海」「サーフィン」などのキーワードが現われた場合には、トピックによる生起発話の推定確率値をアップする(「サザン」など)とともに、「湘南」、「九十九里浜」などの関連地名の推定確率値をアップする。さらに、テキスト上では直接関係の無い単語だが地理的位置を介して関連のある単語(「江ノ電」など)の単語の推定確率値もアップする。
【0033】
次に、本発明の実施の形態に係るコンテンツ位置推定装置の処理フローの一例について図6を用いて説明する。なお、各ステップの処理主体はコンテンツ位置推定装置である。図6に示すように、まず、住所情報などが不明で地図上における位置を特定できないコンテンツのコンテンツテキスト(地理的位置が不明のコンテンツテキスト)を取得する(ステップS601)。取得したコンテンツテキストを対象コンテンツテキストとし、対象コンテンツテキストを単語に分割する(ステップS602)。分割された単語ごとの地理分布(密度マップ)を取得する(ステップS603)。
【0034】
ここで、取得された地理分布により、対象コンテンツが既知のコンテンツと同一か否かを判断し(既知のPOIと一致するか:ステップS604)、同一である場合には既知のコンテンツの地図上での位置を出力する(ステップS605)。同一でない場合には、取得された地理分布を合成して合成分布を求める(ステップS606)。ここで、合成分布の分散が所定の閾値を超えているか否かを判断し(POIに関するコンテンツではないか:ステップS607)、超えている場合には位置を出力せず終了する。超えていない場合には上述した外部情報から得られる推定位置を合成分布に重ねる(ステップS608)。
【0035】
位置関係を示す単語などから分布を生成し、生成された分布をさらに重ねる(ステップS609)。上述したデジタル位置情報を用いてPOIの候補地を絞りこむ(ステップS610)。そして、最終的な合成分布のピークを対象コンテンツの地図上における位置と推定する(ステップS611)。なお、ステップS604、S605、S607、S608〜S610はコンテンツの地図上における位置の推定の精度、効率を向上させるものであるためのオプションであって、必ずしも必要ではないが、これらのステップがあることは好ましい態様である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係るコンテンツ位置推定装置は、住所情報やスポット名のない曖昧な表現で記述されたコンテンツを地図上にマッピングすることができるため、コンテンツなどの情報を地図上にマッピングするコンテンツ位置推定装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ位置推定装置の構成の一例を示す構成図を含む図である。
【図2a】本発明の実施の形態における単語分布図生成フェーズのステップの一例を示すフロー図である。
【図2b】本発明の実施の形態における地図上での位置がわかっているコンテンツ(既知コンテンツ)のテキストの一例を示す図である。
【図2c】本発明の実施の形態における単語ごとの地理分布の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における単語ごとの地理分布を求める方法の一例を説明するための図である。
【図4a】本発明の実施の形態におけるコンテンツ位置推定フェーズのステップの一例を示すフロー図である。
【図4b】本発明の実施の形態における対象コンテンツテキストの一例を示す図である。
【図4c】本発明の実施の形態における単語分布図生成フェーズで生成された地理分布の一例を示す図である。
【図4d】本発明の実施の形態における合成分布の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における地理的な絞り込みを行う場合の態様を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコンテンツ位置推定装置処理フローの一例について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
100 クローラ(第1の取得手段)
101 コンテンツDB
102 位置情報解析部
103 位置情報付きコンテンツDB(格納手段)
104 音声認識システム
105 IME、入力システム
106 地図サーバ
107 地図内蔵端末
108 インターネット
109 高精度位置計測装置
110 分割部(分割手段)
111 生成部(生成手段)
112 取得部(第2の取得手段)
113 決定部(決定手段)
114 判断部(判断手段)
201、202、203、204 コンテンツテキスト
205 単語ごとの地理分布
300 地図
301 グリッド
400 重なり部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示される地図上にテキストを含むコンテンツをマッピングする際の本来マッピングすべき位置を推定するコンテンツ位置推定装置であって、
マッピングすべき位置の推定の対象となるコンテンツを前記コンテンツ位置推定装置の外部から取得する第1の取得手段と、
マッピングすべき位置が既知の1つ以上の既知コンテンツのテキストの単語ごとに、前記単語が含まれるテキストの前記既知コンテンツの前記マッピングすべき位置として特定したエリアの位置情報を含む地図情報を格納する格納手段と、
取得された前記コンテンツのテキストを単語ごとに分割する分割手段と、
分割された単語に対応する前記エリアの位置情報を含む前記地図情報を前記格納手段から前記単語ごとに順次取得する第2の取得手段と、
取得された複数の前記地図情報を合成して合成地図情報を生成する生成手段と、
生成された前記合成地図情報において、配置された前記マッピングすべき位置の地図上の重なりが最も多い位置を取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置と決定する決定手段とを、
備えるコンテンツ位置推定装置。
【請求項2】
前記第1の取得手段は、前記既知コンテンツを取得し、
前記分割手段は、取得された前記既知コンテンツのテキストを単語ごとに分割し、
前記生成手段は、分割された前記単語ごとに前記地図情報を生成して前記格納手段に格納する請求項1に記載のコンテンツ位置推定装置。
【請求項3】
取得された前記コンテンツと前記既知コンテンツとが同一か否かを判断し、また取得された前記コンテンツのマップピングすべき位置を特定できるか否かを判断する判断手段を更に備え、
取得された前記コンテンツと前記既知コンテンツとが同一である場合に、前記決定手段は、前記既知コンテンツのマッピングすべき位置を取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置と決定し、また取得された前記コンテンツのマッピングすべき位置が特定できると判断された場合にのみマッピングすべき位置を決定する請求項1又は2に記載のコンテンツ位置推定装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記合成地図情報を生成する際、取得された前記コンテンツの取得先サイトの情報、前記コンテンツの制作者の情報、前記コンテンツの閲覧者の情報、前記コンテンツの属するカテゴリの上位コンテンツの情報の少なくとも1つ以上を含む外部情報を考慮して前記合成地図情報を生成する請求項1から3のいずれか1つに記載のコンテンツ位置推定装置。
【請求項5】
前記生成手段は、取得された前記コンテンツのテキストに含まれる位置関係を示す単語、連語を用いて地図上でのマッピング位置のエリアを絞り込み、前記合成地図情報を生成する請求項1から4のいずれか1つに記載のコンテンツ位置推定装置。
【請求項6】
前記生成手段は、計測された高精度な位置情報に基づいて地図上でのマッピングすべき位置のエリアを絞り込み、前記合成地図情報を生成する請求項1から5のいずれか1つに記載のコンテンツ位置推定装置。
【請求項7】
取得される前記コンテンツが投稿されたブログ情報である場合、
前記決定手段は、取得される前記ブログ情報ごとに逐次、マッピングすべき位置を決定する請求項1から6のいずれか1つに記載のコンテンツ位置推定装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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