説明

コンテンツ再生装置、テレビジョン受像機、コンテンツ再生方法、コンテンツ再生プログラム、および記録媒体

【課題】鑑賞者以外の者に不快感を与えることなく従来に比べて確実に没入感や臨場感を鑑賞者に与えることが可能なコンテンツ再生装置を実現する。
【解決手段】テレビ100は、コンテンツの映像または音声を再生するコンテンツ再生装置であり、コンテンツから規定の特徴量を抽出するコンテンツ解析部107と、テレビ100に内蔵されているイルミネーション部119が発光する照明光の明るさを制御する光学デバイス制御部118と、を備えている。テレビ100の光学デバイス制御部118は、コンテンツ解析部107が抽出した特徴量の値に応じて照明光の明るさを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、再生するコンテンツに応じた制御をテレビジョン受像機等の本体部に設けた発光部に対して行うことが可能なコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビの急速な普及に伴い、様々なバリエーションのデジタルテレビが開発・販売されるようになってきている。
【0003】
そのようなデジタルテレビの一例として、特許文献1には、周囲光を発する発光手段を備えたデジタルテレビが開示されている。特許文献1に開示されたデジタルテレビは、映像を再生している間、その映像に占める主要な色と同色の周囲光を発光手段から発するようになっている。具体的には、例えば、サッカーの試合の映像を再生している間は主に、芝生の色である緑色の周囲光を発光手段から発するようになっている。これにより、特許文献1のデジタルテレビは、再生する映像によっては、このような発光手段を備えていない通常のテレビと比べてより深い没入感や臨場感を視聴者に与えることができるようになっている。
【0004】
また、特許文献2および特許文献3には、表示装置が表示する映像から抽出可能な特徴量に応じた明るさの照明光を表示装置と同じ部屋に設置されている照明装置が発するように、照明装置を制御する映像受信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−95065号公報(平成21年4月30日公開)
【特許文献2】特開平6−267664号公報(平成6年9月22日公開)
【特許文献3】国際公開第2007/119277号(平成19年10月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のデジタルテレビでは、再生する映像によっては、あまり深い没入感や臨場感を視聴者に与えることができない。
【0007】
すなわち、特許文献1のデジタルテレビは、選手が激しくぶつかり合うサッカーの試合の映像と微風吹くのどかな草原の映像とのように、映像に占める主要な色が同色であって視聴者に与える印象が大きく異なる2つの映像について、そのどちらを再生する場合であっても同色の同じような明るさの周囲光を発光部から発光してしまう。そして、上記の例では、仮に非常に眩い緑色の周囲光を発光させた場合には、草原の映像を表示しているときに適切な臨場感を視聴者に与えることができず、逆に、非常に淡い緑色の周囲光を発光させた場合には、サッカーの試合の映像を表示しているときに適切な臨場感を視聴者に与えることが出来ない。
【0008】
一方、特許文献2および特許文献3の各映像受信装置は、テレビが設置された場所(部屋等)の照明光の明るさが表示する映像に応じた適切な明るさになるように照明装置を制御することができるため、視聴者に適切な臨場感を与えることができる。
【0009】
しかしながら、上記照明装置は、部屋全体を明るくするために表示装置とは別個に設けられている照明装置であることから、上記各映像受信装置は、表示装置が表示する映像によっては部屋全体の明るさを絶えず変化させてしまうことがある。このため、上記各映像受信装置には、同じ部屋にいる映像を視聴していない者に不快感を与えてしまうという問題があった。
【0010】
また、テレビは、アンテナ経由やネットワーク経由で受信した放送信号からコンテンツを取得するか、または、テレビ本体内の記録部やテレビと外部接続された記録装置からコンテンツを取得して再生する。取得するコンテンツの種別には、動画や静止画等があり、番組のカテゴリーも映画、ドラマ、スポーツ、ニュース等さまざまである。ところで、近年では立体映像(3D映像)を一般のテレビに表示できる立体表示装置に3D映像コンテンツを表示して視聴することも増えつつある。従来の立体表示装置は、これらのコンテンツの種別に応じてディスプレイに表示するための映像やスピーカで再生される音声を補正するものもあるが、ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼル等に内蔵された表示ロゴやアイコン、タッチセンサ部等を照明するための発光部をも同時に制御するものはない。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、鑑賞者以外の者に不快感を与えることなく、従来に比べて確実に没入感や臨場感を鑑賞者に与えることが可能なコンテンツ再生装置を実現することにある。また、入力されるコンテンツの特徴量に応じた作動状態がテレビのベゼル部分に設けた発光部でも一目で確認できるという更なる効果を奏するようなコンテンツ再生装置を実現することも本発明の目的の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記課題を解決するために、再生したコンテンツの映像または音声を出力装置から出力させるコンテンツ再生装置において、上記コンテンツから規定の特徴量を抽出する抽出手段と、上記出力装置に内蔵されている発光部が発する光の明るさを制御する発光制御手段と、を備え、上記発光制御手段は、上記抽出手段が抽出した特徴量に応じて上記発光部が発する光の明るさを制御することを特徴としている。ここで、特徴量とは、例えば、動画コンテンツの動きベクトルの大きさや音声コンテンツの音声の大きさ、動画コンテンツの各画像フレームの平均輝度や静止画コンテンツの平均輝度が挙げられる。
【0013】
上記の構成によれば、コンテンツ再生装置は、再生するコンテンツから抽出した特徴量に応じて発光部が発する光の明るさを変化させることとなる。例えば、コンテンツ再生装置は、サッカーの試合の動画コンテンツを再生する場合のように動きベクトルの大きさが大きい場合には発光部が発する光の明るさを強め、草原の映像の動画コンテンツを再生する場合のように動きベクトルの大きさが小さい場合には、光の明るさを弱めることとなる。
【0014】
また、コンテンツ再生装置が光の明るさを制御する発光部は出力装置に内蔵されているため、発光部が発する光の明るさの変化によって、コンテンツを鑑賞していない者が不快感を感じることはない。
【0015】
したがって、コンテンツ再生装置は、鑑賞者以外の者に不快感を与えることなく従来に比べて確実に没入感や臨場感を鑑賞者に与えることができる。
【0016】
なお、例えば、入力されるコンテンツの特徴量に応じてディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼル等に内蔵された表示ロゴやアイコン、タッチセンサ部等の照明が発する光の明るさを制御するようにコンテンツ再生装置を構成した場合、コンテンツ再生装置は、照明によってテレビの特徴量に応じた作動状態をユーザに把握させることができる。
【0017】
また、本発明に係るコンテンツ再生方法は、上記課題を解決するために、再生したコンテンツの映像または音声を出力装置から出力させるコンテンツ再生装置のコンテンツ再生方法において、上記コンテンツから規定の特徴量を抽出する抽出工程と、上記出力装置に内蔵されている発光部が発する光の明るさを制御する発光制御工程と、含み、上記抽出工程において抽出された特徴量に基づいて、上記発光制御工程において上記発光部が発する光の明るさを制御することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生方法は、本発明に係るコンテンツ再生装置と同様の作用効果を奏する。
【0019】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記コンテンツが動画コンテンツまたは音声コンテンツであって、上記抽出手段が、上記コンテンツを再生中、規定の再生期間ごとに、当該再生期間に再生する映像または音声のデータから上記特徴量を抽出するものであり、上記発光制御手段が、上記規定の再生期間ごとに、当該再生期間に上記抽出手段により抽出された上記特徴量に応じた明るさの光を発するよう、上記発光部を制御することが望ましい。
【0020】
上記の構成によれば、コンテンツ再生装置は、1つのコンテンツを再生する場合であっても、再生中の映像や音声の内容に応じて発光部が発する光の明るさを定期的に制御することができるというさらなる効果を奏する。
【0021】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記コンテンツが動画コンテンツであって、上記抽出手段が、上記動画コンテンツに含まれる各画像フレームについて、当該画像フレームを再生する際に当該画像フレームから上記特徴量を抽出するものであり、上記発光制御手段が、上記画像フレームごとに、当該画像フレームから上記抽出手段により抽出された上記特徴量に応じた明るさの光を発するよう、上記発光部を制御することが望ましい。
【0022】
上記の構成によれば、コンテンツ再生装置は、1つの動画コンテンツを再生する場合であっても、再生中の映像や音声の内容に応じて発光部が発する光の明るさをリアルタイムに制御することができるというさらなる効果を奏する。
【0023】
本発明に係るコンテンツ再生装置では、上記抽出手段が上記画像フレームごとに抽出する特徴量は、当該画像フレームおよび当該画像フレームよりも前に再生した画像フレームにより得られる1以上の動きベクトルのスカラ量の合計値であることが望ましい。
【0024】
本発明に係るコンテンツ再生装置では、上記抽出手段が上記規定の再生期間ごとに上記音声のデータから抽出する特徴量は当該再生期間に再生する音声の強さを示す特徴量であることが望ましい。
【0025】
また、本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記発光部には各々が独立して発光可能な複数の発光素子が含まれており、上記発光制御手段が、上記複数の発光素子のうち上記抽出手段が抽出した特徴量が示す音声の強さに応じた数の発光素子のみを点灯状態にすることにより、上記発光部が発する光の明るさを制御することが望ましい。
【0026】
また、本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記発光制御手段が、上記抽出手段が抽出した上記特徴量の値に関わらず上記発光部が発する光の明るさを繰り返し増減させるようになっており、上記光の明るさを増減させる周期を上記特徴量に応じて変更することが望ましい。
【0027】
本発明に係るコンテンツ再生装置では、上記抽出手段が上記規定の再生期間ごとに上記音声のデータから抽出する特徴量は、当該再生期間に再生する音声が上記コンテンツの音声のうちのサビの部分であるか否かを示すサビ区間情報であり、上記発光制御手段が、上記規定の再生期間ごとに、当該再生期間において上記抽出手段により抽出された上記サビ区間情報が当該再生期間に再生する音声がサビの部分であることを示す場合とサビの部分でないことを示す場合とで異なる明るさの光を発光するよう上記発光部を制御することが望ましい。
【0028】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記コンテンツが静止画コンテンツであって、上記抽出手段が、上記静止画コンテンツを構成する各画素の輝度を平均した平均輝度を上記特徴量として抽出し、上記発光制御手段が、上記発光部が上記平均輝度に応じた明るさの照明光を周囲に発するよう上記発光部を制御することが望ましい。
【0029】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生装置は、静止画コンテンツを鑑賞する鑑賞者に与える没入感をより高めることができるというさらなる効果を奏する。
【0030】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、その周囲に上記発光部が照明光を発するものであることが望ましい。
【0031】
上記の構成によれば、コンテンツ再生装置は、発光部が装置の周囲に照明光を発するので、より臨場感を高めることができるというさらなる効果を奏する。
【0032】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記抽出手段が、再生するコンテンツの音声が複数のチャンネルからなる音声である場合に、上記複数のチャンネルの各々について、当該チャンネルの音声から上記特徴量を抽出し、上記発光制御手段が、複数の発光部の各々について当該発光部から発する照明光の明るさを制御するものであって、各発光部から発する照明光の明るさを、上記抽出手段により抽出された複数の上記特徴量のうち異なる特徴量に基づいて制御することが望ましい。
【0033】
上記の構成によれば、特徴量を抽出するチャンネルの音声を出力するスピーカと、該特徴量に基づいて発する光の明るさが制御される発光部と、を予め近づけて配置しておくことにより、コンテンツ再生装置は、鑑賞者に各スピーカから出力される音声の強さを視覚的に把握させることができるというさらなる効果を奏する。
【0034】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記抽出手段が、上記コンテンツから上記コンテンツの付加情報として付与されている文字列を上記特徴量として抽出し、ユーザにより登録されたキーワードと、上記抽出手段が抽出した上記文字列とがマッチングするか否かを判定する判定手段をさらに備え、上記発光制御手段が、上記判定手段がマッチングすると判定した場合と否と判定した場合とで異なる色の光を発するよう、上記発光部を制御することが望ましい。
【0035】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、オンスクリーンディスプレイ画像を生成するOSD画像生成手段をさらに備え、上記OSD画像生成手段が、上記抽出手段が抽出した上記特徴量に応じたオンスクリーンディスプレイ画像を生成することが望ましい。
【0036】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記出力装置がディスプレイであって、上記発光部が、上記ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼルに内蔵されている、ことが望ましい。
【0037】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼルに内蔵されている発光部から上記特徴量に応じた明るさの光を発する。
【0038】
したがって、本発明に係るコンテンツ再生装置は、ユーザに、より強い没入感や臨場感を鑑賞者に与えることができるというさらなる効果を奏する。
【0039】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記ベゼルには電源ボタン部が設けられており、
上記発光部は複数の発光素子から構成されており、上記発光制御手段は、上記電源ボタン部に向けて発光する上記発光素子の他に、上記ベゼルの下辺または上辺の中央に位置する上記発光素子が発する光の明るさおよび発光色の少なくともいずれかを制御することが望ましい。
【0040】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生装置は、コンテンツを再生中に、上記電源ボタン部に向けて上記特徴量に応じた明るさの光を発する発光素子の発光を制御するだけでなく、ディスプレイの中で目立つ位置にある発光素子が上記特徴量に応じた明るさおよび/または発光色の光を発するような発光の制御を行う。
【0041】
したがって、本発明に係るコンテンツ再生装置は、例えば、コンテンツを再生中であるがそのコンテンツの内容がディスプレイに表示されていないような状況において、ディスプレイを見ているユーザに、コンテンツを再生中であることを気付かせ易くすることができるというさらなる効果を奏する。
【0042】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記出力装置が液晶ディスプレイであって、上記発光部が、上記液晶ディスプレイの液晶パネルを照射するような光を発光するバックライト部である、ことが望ましい。
【0043】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生装置では、上記液晶ディスプレイには強い没入感や臨場感を鑑賞者に与えるための発光部をバックライト部とは別個に設けられている必要がないので、一般的な液晶ディスプレイを用いても、ユーザに、より強い没入感や臨場感を鑑賞者に与えることができるというさらなる効果を奏する。
【0044】
上記コンテンツ再生装置は、例えば、上記出力装置が液晶ディスプレイであって、上記発光部として、上記液晶ディスプレイの液晶パネルを照射するような光を発光するバックライトである第1の発光部と、上記液晶ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼルに内蔵されている第2の発光部と、を備え、上記発光制御手段が、上記第1の発光部および上記第2の発光部の少なくともいずれかの発光部から発する光の明るさおよび/または発光色を上記特徴量に応じて制御するようなコンテンツ再生装置として実現することができる。
【0045】
なお、上記コンテンツ再生装置が備える各手段と上記発光部と上記出力装置とを備えていることを特徴とするテレビジョン受像機も、本発明の範疇に含まれる。
【0046】
また、上記コンテンツ再生装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させることを特徴とするプログラムおよびそのようなプログラムをコンピュータが読み込み可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0047】
以上のように、本発明に係るコンテンツ再生装置は、鑑賞者以外の者に不快感を与えることなく従来に比べて確実に没入感や臨場感を鑑賞者に与えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビの構成を示すブロック図である。
【図2】上部に実施形態に係るテレビが備えるベゼルを概略的に示し、下部にベゼルのタッチセンサ部分の詳細なUIを示した図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図2とは異なるベゼルの2つの構成例を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の一実施形態に係るテレビ100について、図1および図2を参照して説明すれば、以下の通りである。
【0050】
〔テレビ100の構成〕
まず、本実施形態に係る液晶テレビ(テレビ100)の構成について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本実施形態に係るテレビ100の構成を示すブロック図である。
【0051】
図1に示すように、外部記憶媒体インターフェース部106、コンテンツ解析部107、ビデオデコード/キャプチャ部108、OSD(オンスクリーン表示)処理部110、映像処理部111、ビデオ出力変換部112、オーディオデコード部113、オーディオ出力変換部115、RAM116、光学デバイス制御部118、イルミネーション部119、CPU120、バックライト部121、bluetooth(登録商標)インターフェース部122、赤外線インターフェース部123、およびイーサネット(登録商標)インターフェース部124、WiFiインターフェース部125、チューナ部126、表示部131、およびスピーカ132を備えている。
【0052】
外部記憶媒体インターフェース部106は、例えばHDMI接続やUSB接続等により接続された外部機器(BD/DVD/HDD/SDカード等)の記憶媒体220との接続部分となるインターフェースである。
【0053】
コンテンツ解析部107は、CPU120からの指令に従い、RAM116が保持しているコンテンツ(外部記憶媒体220に記録されているコンテンツやイーサネットインターフェース部124を介して受信したコンテンツ等、再生対象となった映像コンテンツや静止画コンテンツ)を解析し、解析結果を示すデータをOSD処理部110および光学デバイス制御部118に出力する。
【0054】
コンテンツ解析部107は、静止画コンテンツを解析する場合には、静止画コンテンツの静止画データを映像処理部111に出力する。例えば、静止画コンテンツを規定の再生時間毎に切り替えて再生するスライドショー表示を行う場合には、コンテンツ解析部107は、該スライドショーにおいて表示部131への表示対象となる静止画コンテンツが切り替わる度に、新しく表示する静止画コンテンツについて解析を行うとともに、解析結果を後段に出力する。
【0055】
また、コンテンツ解析部107は、映像コンテンツを解析する場合には、コンテンツの音声データおよび映像データを、それぞれビデオデコード/キャプチャ部108、オーディオデコード部113に徐々に出力していく。なお、コンテンツ解析部107は、動画コンテンツを解析する場合には、動画コンテンツ全体の再生期間に占める一定期間(規定の再生期間)ごとに(例えばビデオデコード/キャプチャ部108に画像フレームを出力するたびに)解析を行うとともに解析結果を後段に出力してもよい。特に、テレビ100を3D映像表示装置(以下3Dテレビ)として実現する場合には、コンテンツ解析部107は、外部記憶媒体220に記録されているコンテンツやイーサネットインターフェース部124を介して受信したコンテンツ、WiFiインターフェース部125を介して受信したコンテンツ、または、内部記憶媒体117に保存されているコンテンツが3Dコンテンツであるか標準のコンテンツ(2Dコンテンツ)であるかを判断し、ユーザの選択モード(3Dモードまたは標準(2D)モード)に応じたコンテンツを映像処理部111に出力する。
【0056】
ビデオデコード/キャプチャ部108は、コンテンツ解析部107から入力されたコンテンツの映像データをデコードし、映像処理部111に出力する。
【0057】
映像処理部111は、ビデオデコード/キャプチャ部108から入力された映像データに各種処理を施してビデオ出力変換部112に出力する。
【0058】
OSD処理部110は、OSD表示が有効になっているときに、OSDを示す画像データを生成してビデオ出力変換部112に出力する。OSD表示のUIには、人間や動物などのキャラクタ、および設定項目を示すアイコンが構成要素として含まれている。ここで、キャラクタは、OSD表示のUIをにぎやかに見せるための装飾的なものであり、キャラクタの表情は、コンテンツ解析部107から入力される解析結果に応じて変化するようになっている。また、UIの背景として単一色の画像(暖色や寒色を含む複数の画像から選択可能)またはスキン画像(木目調やメタリック、額縁等複数のスキンから選択可能)が表示されるようになっている。
【0059】
ビデオ出力変換部112は、映像処理部111から入力された映像データに、OSD処理部110から入力された画像データを重ね合わせてビデオ信号に変換し、表示部131に出力する。
【0060】
オーディオデコード部113は、コンテンツ解析部107から入力されたコンテンツの音声データをデコードし、オーディオ出力変換部115に出力する。
【0061】
オーディオ出力変換部115は、オーディオデコード部113から入力された音声データをオーディオ信号に変換してスピーカ132に出力する。
【0062】
RAM116は、CPU120からの指令に従い、外部記憶媒体インターフェース部106やイーサネットインターフェース部124を介して入力されたコンテンツのデータを一時的に保持する。
【0063】
内部記憶媒体117は、ユーザの操作履歴情報(再生回数と最後に再生された日時とに関するコンテンツごとの情報)を保持する。また、内部記憶媒体117は、ユーザにより入力されたキーワードを保持するようになっている。
【0064】
CPU120は、ユーザが映像コンテンツの再生を指示した旨を示す情報を受け付けると、外部記憶媒体220等からコンテンツを読み出してRAM116に記録する。また、記録されたコンテンツをRAM116から読み出すようコンテンツ解析部107に指令を出す。さらに、CPU120は、ユーザの操作履歴情報を内部記憶媒体117に記録する。
【0065】
光学デバイス制御部118は、図2に示すテレビ100のディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼル等に内蔵された表示ロゴやアイコン、タッチセンサ部等の照明の点灯等を個別にあるいは連動して点灯するためのイルミネーション部119やディスプレイの表示画面を点灯するバックライト部121の各LED(発光素子)から発光する光の明るさや発光間隔などを、コンテンツ解析部107から入力される解析結果に応じて制御する。
【0066】
イルミネーション部119は、図2の上部に示すようなテレビ100のベゼルの部分と、ベゼルの背面に配置されているLEDであって、テレビ100の周囲に照明光を発光する複数のLEDと、から構成されている。複数のLEDは、それぞれ、独立して点灯・消灯が光学デバイス制御部118により制御されるようになっている。なお、図2の下部に示すように、ベゼルのタッチセンサ部をタッチすることにより、ユーザは、テレビ100の各種操作を行うことが可能である。
【0067】
また、イルミネーション部119の上記複数のLEDを構成する一部のLEDは、それぞれ、図2の上部に示すようなベゼルのメーカーロゴ(図における「(公序良俗違反につき、不掲載)」の部分)、ベゼル下部の中央に位置するセンターアイコン(「∧」の部分)、および図2の下部に示すようなタッチセンサ部の電源アイコン(電源ボタン部)の背面に配置されている。換言すれば、光学デバイス制御部118は、例えば、上記複数のLEDのうちセンターアイコンおよび電源アイコンの各背面に配置されている1以上のLEDのみが解析結果に応じた発光を行い、残りのLEDが常に消灯するような発光制御を行うことも可能である。
【0068】
ところで、3Dテレビには、3Dコンテンツを視聴する方式が2種類あり、3D視聴用のメガネをかけて視聴するものと、裸眼で視聴するものとがある。何れの方式の3Dテレビも、3D表示モードに設定するか2D表示モードに設定するかを、ユーザの手動による指示に従って決定したり、自動的に決定したりすることができる。テレビ100を3Dテレビとして実現する場合には、光学デバイス制御部118は、3D表示モードに設定されているときに3Dコンテンツが再生される場合と2Dコンテンツが再生される場合とでイルミネーション部119の上記1以上のLCDが発する光の明るさまたは色が異なるように発光制御を行ってもよい。
【0069】
このような光学デバイス制御部118の発光制御の具体例について図2及び図4(a)を参照して説明する。コンテンツ解析部107は、3D表示モード時に映像コンテンツが3Dコンテンツであると判断すると、光学デバイス制御部118は、図2および図4(a)に示すベゼル下部の中央に位置するセンターアイコン(「∧」の部分)が例えば青く照らされるようにLEDの発光色を制御する。また、コンテンツ解析部107が3D表示モード時に映像コンテンツが2Dコンテンツであると判断すると、光学デバイス制御部118は、図2の上部に示すようなベゼルの下部の中央に位置するセンターアイコンを白く照らされるようにLEDの発光色を制御するか、センターアイコンが光で照らされないようにLEDを消灯する。
【0070】
このように、センターアイコンが青く照らされることで、3Dメガネ方式の3Dテレビは、ユーザに3Dメガネの準備を促すことができるという効果を奏する。また、このように、センターアイコンが白く照らされることで、裸眼方式の3Dテレビは、例えばリモコン装置に設けられた3Dボタンを押すことをユーザに促すことができるという効果を奏する。また、裸眼方式の3Dテレビは、3Dメガネ方式の3Dテレビに比べ視野角が狭いという問題があるが、センターアイコンが青く照らされることで、立体視不可能な位置にいる視聴者に、立体視可能な位置に移動することを促すことができるという効果を奏する。
【0071】
また、内部記憶媒体117に保存された3Dコンテンツが再生される場合は、光学デバイス制御部118は、ベゼルのメーカーロゴ(図2の上部における「(公序良俗違反につき、不掲載)」の部分または図4(a)の「(公序良俗違反につき、不掲載)」の部分)と、中央に位置するセンターアイコンとが異なる色の光で同時に照らされるようにLEDの発光を制御してもよい。一方、3Dテレビ本体の外部から取得した(外部記憶媒体インターフェース部106、イーサネットインターフェース部124、WiFiインターフェース部125、または、チューナ126を介して取得した)3Dコンテンツが再生される場合には、光学デバイス制御部118は、上記ベゼルのメーカーロゴと、上記中央に位置するセンターアイコンとが同じ色で同時に照らされるようにLEDの発光を制御してもよい。
【0072】
さらに、光学デバイス制御部118は、どの外部機器から取得した3Dコンテンツ(2Dコンテンツ)を3Dテレビが再生しているかに応じて、センターアイコンの背面にあるLEDおよびメーカーロゴの背面のあるLEDの少なくともいずれかの発光の態様が異なるように、LEDを制御してもよい。すなわち、外部記憶媒体インターフェース部106、イーサネットインターフェース部124、WiFiインターフェース部125、および、チューナ126のいずれを介して取得したコンテンツであるかに応じて、光学デバイス制御部118は、センターアイコンの背面にあるLEDおよびメーカーロゴの背面のあるLEDの点灯/消灯状態と点灯状態における発光色との少なくともいずれかが異なるようにLEDを制御してもよい。
【0073】
このように構成することにより、3Dテレビは、ユーザに、外部機器のどの機器の映像コンテンツを再生している把握させることができるという効果を奏する。
【0074】
ベゼルが図4(b)のようになっている3Dテレビでは、映像コンテンツが3Dコンテンツであるとコンテンツ解析部107が判断すると、光学デバイス制御部118は、ベゼル下部の左端に位置する3D表示部(図4(b)の「3D」の部分)の背面にあるLEDを青色で点灯し、ベゼル下部の中央に位置する2D表示部(図4(b)の「2D」の部分)の背面にあるLEDを白色で点灯するか消灯するようにしてもよい。
【0075】
これにより、3Dメガネ方式の3Dテレビは、3Dメガネの準備を促すことができる効果を奏する。また、裸眼方式の3Dテレビは、リモコン装置に設けられた3Dボタンを押すことをユーザに促すことができる効果を奏する。
【0076】
また、ベゼルが図4(b)のようになっている3Dテレビでは、内部記憶媒体107に保存されている3Dコンテンツが再生される場合は、光学デバイス制御部118は、3D表示部の背面にあるLEDを青色で点灯し、内部記憶媒体に保存されている2Dコンテンツが再生される場合は、2D表示部の背面にあるLEDを白色で点灯するようにしてもよい。
【0077】
この場合、外部から取得したコンテンツが再生される場合には、光学デバイス制御部118は、3D表示部の背面にあるLEDも2D表示部の背面にあるLEDも点灯しないようにしてもよい。あるいは、外部から取得した3Dコンテンツ(2Dコンテンツ)が再生される場合には、光学デバイス制御部118は、青色および白色以外の色(例えば黄色)で3D表示部(2D表示部)の背面にあるLEDを点灯してもよい。
【0078】
さらに、どの外部機器から取得した3Dコンテンツ(2Dコンテンツ)を3Dテレビが再生しているかに応じて、3D表示部(2D表示部)の背面にあるLEDが異なる態様で発光するように制御してもよい。すなわち、外部記憶媒体インターフェース部106、イーサネットインターフェース部124、WiFiインターフェース部125、および、チューナ126のいずれを介して取得したコンテンツであるかに応じて、上記LEDを異なる態様で発光するように制御してもよい。「異なる態様」の具体例としては、異なる発光色であってもよいし、異なる点滅間隔であってもよい。
【0079】
このように構成することにより、3Dテレビは、ユーザに、内部で記憶しているコンテンツを再生しているのか、外部機器に記録されているコンテンツを再生しているのかを把握させることができる。これにより、例えば、ユーザは、テレビに外部接続機器の操作画面を表示しリモコン操作して映像コンテンツを再生した場合に、外部機器のどの機器の映像コンテンツを再生しているのかが分かるので利便性が向上する。
【0080】
なお、光学デバイス制御部118は、各背面に配置されている上記1以上のLEDを静止画コンテンツの解析結果に応じて発光させる場合には、静止画の平均輝度が明るい(所定の閾値以上である)場合に、上記1以上のLEDを明るく点灯し、そうでない場合に上記1以上のLEDを暗く点灯するようにしてもよい。また、光学デバイス制御部118は、上記1以上のLEDの発光色が静止画の色分布の主要色となるようにイルミネーション部119を制御してもよい。
【0081】
bluetoothインターフェース部122は、bluetoothリモコン210からの電波を受信するためのインターフェースである。
【0082】
赤外線インターフェース部123は、赤外線リモコン211からの電波を受信するためのインターフェースである。
【0083】
WiFiインターフェース部125は、端末機器230との間でWiFi通信を行うためのインターフェースである。
【0084】
チューナ126は、放送波を受信して選局したチャンネルの映像コンテンツを出力する。
【0085】
表示部131は、ビデオ出力変換部112から入力されたビデオ信号に基づいて、コンテンツの映像およびOSDを表示するものであり、表示部131のバックライト部121は、映像を表示するために必要なバックライトを照射する。
【0086】
スピーカ132は、オーディオ出力変換部115から入力されたオーディオ信号に基づきコンテンツの音声を出力する。
【0087】
次に、コンテンツ解析部107によるコンテンツの解析、解析結果に応じた光学デバイス制御部118の処理、および解析結果に応じた光学デバイス制御部118の処理について、具体的に以下に順に説明する。
【0088】
(コンテンツ解析部107によるコンテンツの解析)
コンテンツ解析部107は、以下の5種類の特徴量のうち少なくともいずれかを算出し、算出した特徴量をOSD処理部110および光学デバイス制御部118に出力する。
1.映像コンテンツの各画像フレームに関する特徴量(対象となる画像フレームを構成する各画素から得られる平均輝度(画像フレームの平均輝度)、対象となる画像フレームとその前の画像フレームとから算出される1以上の動きベクトルのスカラ量(大きさ)の合計、色の分布など)

2.音声データに関する特徴量(音声データ全体のうち一定時間毎の音声信号の振幅、一定時間毎の音声信号の周波数分布、一定時間毎の和音進行、一定時間毎のテンポ、サビ区間であるか否かを示すサビ区間情報)
3.静止画像に関する特徴量(静止画像を構成する各画素から得られる平均輝度、色の分布など)
4.コンテンツに関する付加情報(コンテンツのタイトル、作成者、アーティスト情報(作詞者、作曲者、歌手等に関する情報)、リリース年月日、ジャンル情報、楽器情報などを示す文字列)
5.ユーザの操作履歴に関する情報(コンテンツの再生回数、前回再生された日時)
なお、和音進行の検出は、例えば、特開平11−109972号公報に開示された方法を用いることができる。また、テンポの検出は、特開2007−41108号公報に開示された方法を用いることができる。また、サビ区間情報の検出は、例えば、特開2004−233965号公報に開示された方法を用いることができる。
【0089】
(解析結果に応じた光学デバイス制御部118の処理)
光学デバイス制御部118は、コンテンツ解析部107から入力された1種類以上の特徴量に基づいて、イルミネーション部119に配置されているLEDを制御する。
【0090】
1種類の特徴量に基づいた制御の例としては以下のようなものが挙げられる。
【0091】
(入力される特徴量が「動きベクトルのスカラ量の合計」である場合)
光学デバイス制御部118は、動きベクトルのスカラ量の合計値に応じてイルミネーション部119のLEDの明るさを変化させる。具体的には、例えば、光学デバイス制御部118は、スカラ量の合計値が所定の閾値以上である場合に、一定の明るさで発光しているLEDの明るさを大きくし、そうでない場合にLEDの明るさを小さくする。
【0092】
また、光学デバイス制御部118は、動きベクトルのスカラ量の合計値に応じて、フェード(フェードインおよびフェードアウト)を繰り返している各LEDのフェードの時間間隔(周期)を変化させてもよい。すなわち、スカラ量の合計値が所定の閾値以上である場合にLEDのフェードの時間間隔を短くし(点滅状態にし)、そうでない場合にLEDのフェードの時間間隔を長くするようにしてもよい。
【0093】
なお、上記所定の閾値を2以上設定し、一定に明るさで発光するLEDの明るさやフェードを繰り返しているLEDのフェードの時間間隔を3段階以上に変化させるようにしてもよい。また、以降の例においても、閾値を2以上設定し、LEDの制御の段階を3段階以上に変化させるようにしてもよい。
【0094】
(入力される特徴量が「画像フレームの平均輝度」である場合)
光学デバイス制御部118は、画像フレームの平均輝度に応じて、一定の明るさで発光しているイルミネーション部119のLEDの明るさを変化させる。具体的には、光学デバイス制御部118は、平均輝度が所定の閾値以上である場合にLEDの明るさを大きくし、そうでない場合にLEDの明るさを小さくする。
【0095】
また、光学デバイス制御部118は、イルミネーション部119の各LEDの点灯・消灯を制御することにより、イルミネーション部119でアニメーションを表現することができるが、表現するアニメーションの内容を、画像フレームの平均輝度に応じて変更するようにしてもよい。
【0096】
(入力される特徴量が「音声信号の振幅」である場合)
光学デバイス制御部118は、音声信号の振幅値(音声の強さ)に応じて、一定の明るさで発光しているイルミネーション部119の各LEDの明るさを変化させる。具体的には、光学デバイス制御部118は、振幅値が所定の閾値以上である場合に各LEDの明るさを大きくし、そうでない場合に各LEDの明るさを小さくする。
【0097】
また、光学デバイス制御部118は、音声信号の振幅値に応じた数のLEDが点灯状態になるようにしてもよい。例えば、ベゼルの背面に行列状に配置された各LEDのうち、左から1列目からk列目(k:音声信号の振幅値に応じた値)のLEDのみを点灯状態にするようにしてもよい。
【0098】
さらには、光学デバイス制御部118は、音声信号の振幅値に応じて、LEDの発光色を変化させるようにしてもよい。
【0099】
(入力される特徴量が「音声信号の周波数分布」である場合)
光学デバイス制御部118は、ベゼルの背面に行列状に配置された各LEDの点灯・消灯を制御することにより音声信号の周波数分布に応じたイコライザ表示を行うようにしてもよい。ここで、周波数分布に応じたイコライザ表示とは、具体的には、例えば、M行N列の行列状に配置された各LEDを以下のように点灯または消灯状態にする処理が挙げられる。すなわち、周波数分布のうち、予め定められた各周波数帯i(1≦i≦N、iが大きくなるほどその周波数帯における周波数が大きくなる)について、その周波数帯に含まれる周波数成分の強度が予め定められたM段階のうちj段階目である場合に、左からi番目の列のM個のLEDのうち下からj個のLEDを点灯状態にするとともにそれ以外の上からM−j個のLEDを消灯状態にする処理である。
【0100】
このようにすることにより、横軸を周波数、縦軸を振幅とした場合の音声レベルのグラフを概略的に表わすようなイコライザ表示を行うことができる。
【0101】
また、周波数分布のうち、予め定められた各周波数帯i(1≦i≦M、iが大きくなるほどその周波数帯における周波数が大きくなる)について、その周波数帯に含まれる周波数成分の強度が予め定められたN段階のうちj段階目である場合に、下からi番目の行のN個のLEDのうち左からj個のLEDを点灯状態にするとともにそれ以外の右からN−j個のLEDを消灯状態にするようにしてもよい。
【0102】
この場合、縦軸を周波数、横軸を振幅とした場合の音声レベルのグラフを概略的に表わすようなイコライザ表示を行うことができる。
【0103】
(入力される特徴量が「テンポ」である場合)
光学デバイス制御部118は、音声信号から検出可能な「テンポ」の情報に基づいて、イルミネーション部119の各LEDを制御するようにしてもよい。すなわち、テンポが所定の閾値以上である場合に、フェード(フェードイン・フェードアウト)を繰り返している各LEDのフェードの時間間隔を短くし(すなわち、点滅状態にし)、そうでない場合には、フェードの時間間隔を長くするようにしてもよい。
【0104】
あるいは、光学デバイス制御部118は、テンポが所定の閾値以上である場合とそうでない場合とで、各LEDの発光色を変化させるようにしてもよい。発光色を変化させる具体例としては、テンポが所定の閾値以上である場合には発光色を黄色にし、そうでない場合には発光色を青色にするような例が挙げられる。
【0105】
(入力される特徴量が「サビ区間情報」である場合)
光学デバイス制御部118は、音声信号から検出可能な「サビ区間情報」に基づいて、イルミネーション部119の各LEDを制御するようにしてもよい。すなわち、「サビ区間情報」がサビであることを示す場合には、各LEDを明るくし、そうでない場合(すなわち、音声信号が表わす音声がAメロやBメロ部分の音声である場合)には、LEDを暗くする。
【0106】
(入力される特徴量が「色の分布」である場合)
光学デバイス制御部118は、映像コンテンツの画像フレームや静止画コンテンツから検出可能な「色の分布」の情報に基づいて、イルミネーション部119の各LEDを制御するようにしてもよい。すなわち、「色の分布」の中に、原色(ここでの「原色」はR、G、Bの光の三原色だけでなく「C」「M」「Y」の色の三原色、白色、黒色を含む)に近い色(例えば、RGBの各画素値をPR、PG、PB、所定の閾値をTHとしたときに、式1を満たす色)の数が中間色(「原色に近い色」に属さない色)の数よりも多く含まれる場合にLEDを明るくし、そうでない場合にLEDを暗くするようにしてもよい。
【0107】
【数1】

【0108】
あるいは、原色に近い色が中間色より多く含まれる場合、フェード(フェードイン・フェードアウト)を繰り返している各LEDのフェードの時間間隔を短くし(すなわち、点滅状態にし)、そうでない場合には、フェードの時間間隔を長くするようにしてもよい。
【0109】
(入力される特徴量がコンテンツに関する付加情報である場合)
入力される特徴量が、「コンテンツのタイトル」、「作成者」、「アーティスト情報」、「リリース年月日」、「ジャンル情報」、「楽器情報」など、コンテンツに関する付加情報である場合、光学デバイス制御部118は、各LEDを以下のように制御することが可能である。
【0110】
すなわち、光学デバイス制御部118は、ユーザにより入力され内部記憶媒体117が保持しているキーワードと、コンテンツに関する付加情報と、がマッチングするか否かに応じて、各LEDの発光色や明るさを変化させるようにしてもよい。LEDの発光色を変化させる場合、例えば、マッチングするときには発光色を赤色にし、それ以外のときは白色にするなどのようにしてもよい。なお、マッチングするかどうかの基準は「完全一致」であっても「部分一致」であっても構わない。また、「完全一致」でも「部分一致」でもない場合であっても、以下のような場合にマッチングするものとしてもよい。
【0111】
すなわち、関連する2つの文字列を関連づけて予め内部記憶媒体117に保持しておき、付加情報と、キーワードと、が関連する2つの文字列として保持されている場合に、マッチングするものとしてもよい。例えば、「弦楽四重奏」という文字列をそれぞれ「バイオリン」「ビオラ」「チェロ」「コントラバス」という文字列と関連づけて保持しておくことにより、「弦楽四重奏」という「コンテンツのタイトル」と「ビオラ」という「キーワード」と、がマッチングすることとなる。
【0112】
あるいは、テレビ100の外部に、関連する2つの文字列がデータベースに関連付けて記録されている装置が設置されており、テレビ100からネットワーク経由で当該装置のデータベースにアクセス可能である場合には、コンテンツに関する付加情報と、キーワードと、が関連する2つの文字列としてデータベースに保持されている場合に、マッチングするものとしてもよい。
【0113】
(入力される特徴量が上記付加情報のうち特に「ジャンル情報」である場合)
光学デバイス制御部118は、コンテンツに付加情報として付与される「ジャンル情報」に基づいて、イルミネーション部119の各LEDを制御するようにしてもよい。
【0114】
すなわち、一定時間間隔ごとに点灯・消灯の状態が変化している各LEDについて、該時間間隔を音楽コンテンツの「ジャンル情報」に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、音楽コンテンツに「ジャンル情報」が「クラシック」である場合には、時間間隔を長くし、「ジャンル情報」が「ポップス」である場合には、時間間隔を中程度にし、「ジャンル情報」が「ロック」である場合には、時間間隔を短くするようにしてもよい。
【0115】
また、これに加えて、「ジャンル情報」に応じて点灯・消灯のパターンを変化させるようにしてもよい。例えば、「ジャンル情報」が「クラシック」である場合には、行列状に配置された各LEDのうち左側のLEDから順に点灯させ、「ジャンル情報」が「ポップス」や「ロック」である場合には、各LEDの点灯・消灯状態をランダムに決定するようにしてもよい。
【0116】
また、「ジャンル情報」に応じてLEDの発光色やフェードの時間間隔を変化させるようにしてもよい。例えば、「ジャンル情報」が「クラシック」である場合にはフェードの時間間隔を長くし、「ジャンル情報」が「ロック」である場合には、フェードの時間間隔を短く(すなわち、点滅状態に)するようにしてもよい。
【0117】
(入力される特徴量がコンテンツに関するユーザの操作履歴である場合)
入力される特徴量が、「コンテンツの再生回数」、「前回再生された日時」など、ユーザの操作履歴である場合、光学デバイス制御部118は、各LEDを以下のように制御することが可能である。
【0118】
すなわち、光学デバイス制御部118は、「コンテンツの再生回数が所定の回数以上であるか否か」や「前回再生された日時が現在から所定の期間内に含まれているか否か」に応じて、各LEDの発光色や明るさを変化させるようにしてもよい。
【0119】
また、2種類以上の特徴量に基づいた制御の例としては以下のようなものが挙げられる。
【0120】
(入力される特徴量が「動きベクトルのスカラ量の合計」および「音声信号の振幅」である場合)
光学デバイス制御部118は、「動きベクトルのスカラ量の合計」に重み係数W1を乗じた値と「音声信号の振幅」に重み係数W2を乗じた値との和に基づいて、フェードの時間間隔を変化させるようにしてもよい。すなわち、「動きベクトルのスカラ量の合計」や「音声信号の振幅」が大きい場合には、フェードの時間間隔を短く(すなわち、点滅状態に)し、「動きベクトルのスカラ量の合計」や「音声信号の振幅」が小さい場合には、フェードの時間間隔を長くするようにしてもよい。
【0121】
また、「動きベクトルのスカラ量の合計」が大きく「音声信号の振幅」が小さい場合、W1がW2よりも十分大きければ、フェードの時間間隔を短くなり、W1がW2よりも十分小さければフェードの時間間隔を長くなる。同様に、「動きベクトルのスカラ量の合計」が小さく「音声信号の振幅」が大きい場合、W1がW2よりも十分大きければ、フェードの時間間隔を長くなり、W1がW2よりも十分小さければフェードの時間間隔を短くなる。
【0122】
このようにすることにより、例えば、サッカーの試合において、ゴール直前のシーンなど選手の動きが大きく観客の歓声も大きいシーンではイルミネーションを素早く点滅させ、選手の動きが比較的小さく観客の歓声も小さいゴールキック直後のシーンなどではイルミネーションをゆっくり変化させることが可能になる。
【0123】
なお、重み係数W1、W2は、テレビ100の製造時に設定されている値であってもよいし、ユーザによりメニュー等から設定された値であってもよい。
【0124】
以上、2種類以上の特徴量に基づいた制御の例として「動きベクトルのスカラ量の合計」および「音声信号の振幅」に基づいて制御を挙げたが、光学デバイス制御部118がイルミネーション部119を制御するために用いる種類以上の特徴量は、当然これに限られず、任意の2種類以上の特徴量に基づいてイルミネーション部119を制御してもよい。
【0125】
(解析結果に応じたバックライト部121の処理)
光学デバイス制御部118は、イルミネーション部119の制御と略同様な制御をバックライト部121に対して行うことができる。すなわち、光学デバイス制御部118は、特徴量に基づいてイルミネーション部119の各LEDの明るさだけでなく、バックライト部121のバックライトの明るさを制御することができる。なお、具体的に光学デバイス制御部118がどのような特徴量を受け付けた場合にバックライトの明るさをどのように制御するかについては、上述したイルミネーション部119のLEDの明るさの制御方法と同様であるので、説明を省略する。
【0126】
(解析結果に応じたOSD処理部110の処理)
OSD処理部110は、コンテンツ解析部107から入力される特徴量に応じて、OSDを示す画像データを生成するが、特徴量に応じて画像データに含めるOSDのアニメーションを変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、「動きベクトルのスカラ量の合計値」や「音声信号の振幅」に応じて、アニメーション表示の速度を変化させるようにしてもよく、アニメーションの内容を変化させるようにしてもよい。
【0127】
また、OSD処理部110は、再生するコンテンツが明るい内容のコンテンツであるかや暗い内容のコンテンツであるか等に応じて、画像データに含めるキャラクタの表情を変化させるようにしてもよい。ここで、再生するコンテンツが明るい内容のコンテンツであるか暗い内容のコンテンツであるかの判定方法は以下のような方法が挙げられる。
【0128】
例えば、OSD処理部110は、コンテンツ解析部107から入力される特徴量が付加情報のうちの「ジャンル情報」である場合であり、かつ、「ジャンル情報」が”バラエティ”を示す場合にはキャラクタを明るい表情にしてもよい。なお、コンテンツ解析部107が「ジャンル情報」を特徴量として抽出する場合には、再生するコンテンツ自身の「ジャンル情報」を特徴量として抽出してもよいし、再生するコンテンツと関連するコンテンツ(例えば、「再生するコンテンツの付加情報(「タイトル」等)に含まれている文字列とマッチングする文字列」が付加情報(「タイトル」等)に含まれているコンテンツ)の「ジャンル情報」を特徴量として抽出してもよい。
【0129】
また、コンテンツ解析部107は、静止画コンテンツについて、あるいは、映像コンテンツを再生中、各画像フレームについて、静止画(画像フレーム)内で認識した人の顔の笑顔度(どのくらいの笑顔であるのか定量的に示す値)を算出して、算出した笑顔度を特徴量としてOSD処理部110に出力し、OSD処理部110は、コンテンツ解析部107から入力された笑顔度が一定以上である場合にキャラクタを明るい表情にしてもよい。なお、笑顔度の算出方法としては、例えば、特開2010-28773等に記載のベストショット認識方法を用いたり、特開2004-46591号公報に記載された総合笑顔評価値の算出方法を用いたりすることができる。
【0130】
また、コンテンツ解析部107から「和音進行」の特徴量を受け付けた場合、OSD処理部110は、その和音進行の中にメジャーコード(長調和音)がマイナーコード(短調和音)より多く含まれているか否かを判定し、メジャーコードが多く含まれていると判定した場合にはキャラクタの表情を明るくし、そうでないと判定した場合にはキャラクタの表情を暗くするようにしてもよい。
【0131】
また、OSD処理部110は、「動きベクトルのスカラ量の合計」に応じて画像データに含めるアイコンの動きを変化させるようにしてもよい。具体的には、例えば、OSD処理部110は、動きベクトルのスカラ量の合計が所定の閾値以上である場合(画像に含まれる人物等の対象物の動きが激しい場合)にアイコンを素早く飛び跳ねさせ、そうでない場合にアイコンの動きをゆっくりした動きにするか静止させるようにすればよい。
【0132】
さらに、OSD処理部110は、入力される特徴量に応じて、OSD画面の背景色を変更したり、スキンの内容を変更したりしてもよい。例えば、画像フレームが絵画調の画像であることを示すことを特徴量が示す場合には、スキンを額縁のスキンに変更し、画像フレームがアニメ調の画像であることを示すことを特徴量が示す場合にはアイコンをポップなアイコンに変更するようにしてもよい。また、入力される特徴量に「ジャンル情報」が含まれている場合には、複数の額縁のスキンのうちそのジャンル情報に応じた額縁のスキンに変更してもよい。
【0133】
(イルミネーション部119の変形例)
イルミネーション部119の背面には、テレビ100の周囲に照明光を発光する複数のLEDが行列状に配置されているものと説明したが、イルミネーション部119におけるLEDの配置は必ずしもそのようになっていなくてもよい。すなわち、複数のLEDを一直線状や環状に配置してもよい。
【0134】
この場合、光学デバイス制御部118は、1直線状や環状に配置されたN個のLEDの各々の明るさを制御することにより音声信号の周波数分布に応じたイコライザ表示を行うようにしてもよい。すなわち、周波数分布のうち、予め定められた各周波数帯i(1≦i≦N、iが大きくなるほどその周波数帯における周波数が大きくなる)について、その周波数帯に含まれる周波数成分の強度が予め定められたM段階のうちj段階目である場合に、i個目のLEDの明るさがM段階のうちj段階目の明るさになるように制御してもよい。
【0135】
このようにすれば、ユーザは、各LEDの明るさを見ることにより、現在出力している音声の周波数分布を把握することができる。
【0136】
なお、例えば、イルミネーション部119におけるLEDが横一直線状に配置された12個のLEDである場合に、光学デバイス制御部118は、以下のような処理をしてもよい。
【0137】
すなわち、光学デバイス制御部118は、音声信号から検出可能な「和音進行」の情報に基づいて、イルミネーション部119の各LEDを制御するようにしてもよい。より具体的には、和音を構成する構成音は「ド(ピッチクラス値0)」「ド♯(ピッチクラス値1)」「レ」「レ♯」「ミ」「ファ」「ファ♯」「ソ」「ソ♯」「ラ」「ラ♯」「シ(ピッチクラス値11)」の12のピッチクラスのいずれかに属するが、光学デバイス制御部118は、検出した和音の中にピッチクラス値iの構成音が含まれているか否かに応じて、左からi+1番目のLEDの点灯・消灯を制御すればよい。例えば、表1に示すように、検出した和音が「ド」「ミ」「ソ」の三和音である場合には、左から1、5、8番目のLEDを点灯し、それ以外のLEDを消灯するようにすればよい。
【0138】
【表1】

【0139】
(テレビ100の利点)
以上のように、テレビ100では、コンテンツ解析部107がコンテンツから規定の特徴量を抽出し、抽出した特徴量に応じて、イルミネーション部119が発する光の明るさを光学デバイス制御部118が制御する。
【0140】
したがって、テレビ100は、再生するコンテンツから抽出した特徴量に応じてイルミネーション部119が発する光の明るさを変化させることとなる。例えば、テレビ100は、サッカーの試合の動画コンテンツを再生する場合のように動きベクトルの大きさが大きい場合には、イルミネーション部119が発する光の明るさを強め、草原の映像の動画コンテンツを再生する場合のように動きベクトルの大きさが小さい場合には、光の明るさを弱めることとなる。
【0141】
また、テレビ100が光の明るさを制御するLEDはテレビ100に内蔵されているため、LEDが発する光の明るさの変化によって、映像コンテンツを視聴していない者が不快感を感じることはない。
【0142】
これにより、テレビ100は、視聴者以外の者に不快感を与えることなく従来に比べて確実に没入感や臨場感を鑑賞者に与えることができる。
【0143】
(実施形態2)
次に、本発明の別の実施形態に係るオーディオ装置300の構成について、図3を参照して以下に説明する。図3は、本実施形態に係るオーディオ装置300の構成を示すブロック図である。
【0144】
図3に示すように、外部記憶媒体インターフェース部106、コンテンツ解析部107、オーディオデコード部113、オーディオ出力変換部115、RAM116、光学デバイス制御部118、イルミネーション部119、CPU120、bluetoothインターフェース部122、赤外線インターフェース部123、イーサネットインターフェース部124、およびスピーカシステム133を備えている。なお、スピーカシステム133を除く各部材の機能については、実施形態1においてすでに説明したので、ここでは説明を省略するが、コンテンツ解析部107および光学デバイス制御部118については、テレビ100が備えるコンテンツ解析部107および光学デバイス制御部118の機能と一部その機能が異なっているので、スピーカシステム133とともに以下に説明する。
【0145】
(コンテンツ解析部107)
コンテンツ解析部107は、音声コンテンツの解析結果をオーディオデコード部113および光学デバイス制御部118に出力する。
【0146】
コンテンツ解析部107が音声コンテンツの解析結果を出力する処理とは、実施形態1において説明した「2.音声データに関する特徴量」「4.コンテンツに関する付加情報」「5.ユーザの操作履歴に関する情報」のうち少なくともいずれかを算出し、算出した特徴量を光学デバイス制御部118に出力する処理である。なお、音声コンテンツが、ステレオ音声対応のコンテンツやサラウンド音声対応の音声コンテンツのように、複数のチャンネルの音声を含んでいる場合、各チャンネルの音声に対して解析を行い、各チャンネルの解析結果を光学デバイス制御部118に出力するようにしてもよい。
【0147】
(スピーカシステム133)
スピーカシステム133は、複数のスピーカを備え、各チャンネルの音声を異なるスピーカから出力可能なステレオスピーカシステムまたはサラウンドスピーカシステムである。
【0148】
(光学デバイス制御部118)
光学デバイス制御部118は、イルミネーション部119の各LEDの点灯・消灯を制御する。光学デバイス制御部118は、特徴量を受け付けると、実施形態1において説明したのと同様の処理をイルミネーション部119に対して施す。
【0149】
なお、図示はしていないが、イルミネーション部119は、スピーカシステム133が備える各スピーカにも備えられていてもよい。
【0150】
この場合において、コンテンツ解析部107が複数のチャンネルの音声に対して解析を行い、かつ、入力される特徴量が「音声信号の振幅」である場合には、光学デバイス制御部118は、スピーカシステム133に備えられたイルミネーション部119を以下のように制御してもよい。
【0151】
すなわち、光学デバイス制御部118は、音声コンテンツに含まれる各チャンネルについて、当該チャンネルの音声を出力するスピーカに備えられたイルミネーション部119のLEDを、当該チャンネルの「音声信号の振幅」の値に応じた明るさで点灯する(「音声信号の振幅」の値が0である場合には、LEDを消灯する)ようにしてもよい。このようにすると、例えば、スピーカシステム133がステレオスピーカシステムであり、左スピーカからのみ音が鳴っている場合に、左スピーカのLEDのみが発光することとなる。
【0152】
(付記事項)
なお、実施形態1において、コンテンツ解析部107の解析結果に応じた制御を行うのは、OSD処理部110および光学デバイス制御部118であるが、ユーザからの指示によりいずれか一方のみが制御を行うようにしてもよい。また、同様に、ユーザからの指示により光学デバイス制御部118がイルミネーション部119およびバックライト部121のいずれか一方のみを制御するようにしてもよい。
【0153】
また、コンテンツ解析部107は、コンテンツを表示部131に表示するとともに、そのコンテンツのアーティストに関する画像や映像(例えば、アーティストのイラスト、アルバムのジャケット表示、同じアーティストの他のアルバムのジャケット表示)を表示部131に表示するようにしてもよい。
【0154】
また、コンテンツ解析部107は、コンテンツの付加情報を特徴量として後段に出力する場合、コンテンツのデータ自体に含まれているメタ情報を付加情報として使用するだけでなく、そのメタ情報から得られるインターネット上の情報を付加情報として使用してもよい。例えば、実施形態2において、コンテンツ解析部107は、ネットワークインターフェース部124を介して、外部記憶媒体である音楽CDのデータに含まれているTOC情報をインターネット上のCDDBサーバに送信するとともにCDDBサーバからTOC情報に応じた曲名やアーティストの情報を受信し、受信した曲名やアーティストの情報を特徴量として後段に出力してもよい。
【0155】
また、コンテンツの再生が終了した場合、イルミネーション部119のLEDの状態やバックライト部121の輝度、OSDのアニメーション、スキン、キャラクタ等の表示形態を、コンテンツの再生を開始したときの表示形態に戻しても良いし、これらを再生終了時の状態のまま維持するようにしてもよい。
【0156】
また、各実施形態では、イルミネーション部119がテレビ100やオーディオ装置300に備えられているものとして説明したが、イルミネーション部は必ずしもテレビ100やオーディオ装置300に備えられていなくてもよい。すなわち、イルミネーション部119と同様に照明光を発光するイルミネーション装置をテレビ100やオーディオ装置300の外部に備え付け、テレビ100やオーディオ装置300の光学デバイス制御部118がこのイルミネーション装置を制御することによっても本発明を実現することができる。
【0157】
同様に、表示部131、スピーカ132、スピーカシステム133は、テレビ100やオーディオ装置300に備えられていなくてもよい。すなわち、これらと同様の機能を有する外部の表示装置やスピーカ装置、スピーカシステムにテレビ100やオーディオ装置が再生する映像や音声の信号を出力することによっても本発明を実現することができる。
【0158】
また、バックライト部121は、液晶パネル(図示せず)の背面に配置されている直下型方式のバックライトであってもよいし、エッジライト方式のバックライトであってもよい。
【0159】
また、上記実施形態においては、イルミネーション部119を構成する一部のLEDが、それぞれ、ベゼルのメーカーロゴ、センターアイコン(「∧」の部分)、およびタッチセンサ部の電源アイコンの背面に配置されているものとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ベゼルのメーカーロゴを照らすためのLEDを、メーカーロゴの背面以外の任意の位置に配置してもよいが、この場合、該LEDから照射される光がメーカーロゴを照らすように光を導く導光手段がテレビ100に設けられることになる(センターアイコンおよび電源アイコンについても同様である)。なお、導光手段としては公知の様々な手段が適用可能であるが、ベゼルを液晶パネルで構成する場合には液晶パネルの導光板を導光手段としてもよい。
【0160】
さらに、上記実施形態においては、テレビ100が図2の上段に示すようなベゼルを備えるものとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、テレビ100は、センターアイコンの上部にメーカーアイコンが設けられている図4(a)のようなベゼルを備えていてもよい。また、センターアイコンは、ベゼルの下辺の中央ではなく、ベゼルの上辺の中央に配置されていてもよい。
【0161】
あるいは、テレビ100を3D対応テレビとして実現する場合、テレビ100は、図4(b)に示すようなベゼルを備えていてもよい。この場合、テレビ100の光学デバイス制御部118は、3D表示中には図4(b)における「3D」ロゴを照らすためのLEDが特徴量に応じた明るさの点灯状態となり「2D」ロゴを照らすためのLEDが消灯状態となる一方、2D表示中にはその逆となるような発光制御を行ってもよい。
【0162】
光学デバイス制御部118は、例えば、3D表示中には「3D」ロゴを照らすためのLEDの明るさ、またはフェードの時間間隔を制御し、2D表示中には「2D」ロゴを照らすためのLEDの明るさ、またはフェードの時間間隔を制御してもよい。
【0163】
また、光学デバイス制御部118は、コンテンツ解析部107が動画コンテンツまたは音声コンテンツから音声データに関する特徴量を抽出する場合にも、センターアイコンを照らすLEDの発する光の明るさが特徴量に応じた明るさとなるようにイルミネーション部119を制御してもよい。例えば、光学デバイス制御部118は、一定時間毎に抽出する音声信号の振幅が所定の閾値以上である場合には、当該音声信号が表す音声がスピーカ132から出力されている期間、センターアイコンを照らすLEDを点滅させ、そうでない場合には、当該期間そのLEDを消灯してもよい。
【0164】
あるいは、上記音声データがステレオ音声であるかモノラル音声であるかを示す特徴量をコンテンツ解析部107が抽出する場合には、光学デバイス制御部118は、特徴量がステレオ音声を示す場合にセンターアイコンを照らすLEDを点灯し、特徴量がモノラル音声を示す場合にセンターアイコンを照らすLEDを消灯するようにしてもよい。同様に、上記音声データが副音声を含んでいるか否かを示す特徴量をコンテンツ解析部107が抽出する場合には、光学デバイス制御部118は、以下のように発光制御を行ってもよい。すなわち、光学デバイス制御部118は、日本語音声のみの映像コンテンツのように特徴量が副音声を含んでいないことを示す場合にセンターアイコンを照らすLEDを点灯し、2カ国語音声対応の映像コンテンツのように特徴量が副音声を含んでいることを示す場合にセンターアイコンを照らすLEDを消灯するようにしてもよい。
【0165】
(プログラム、記録媒体)
最後に、テレビ100およびオーディオ装置300に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。あるいは、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0166】
すなわちテレビ100およびオーディオ装置300の各機能を実現する制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。テレビ100およびオーディオ装置300(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0167】
プログラムコードをテレビ100およびオーディオ装置300に供給する記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(商標登録)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0168】
またテレビ100およびオーディオ装置300は、通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してテレビ100およびオーディオ装置300に供給する。この通信ネットワークは、テレビ100およびオーディオ装置300にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0169】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえば、IEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線などの有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0170】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、音声や映像を再生することが可能なAV機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0172】
100 テレビ(コンテンツ再生装置、出力装置、ディスプレイ、液晶ディスプレイ、テレビジョン受像機)
106 外部記憶媒体インターフェース部
107 コンテンツ解析部(抽出手段)
108 ビデオデコード/キャプチャ部
110 OSD処理部(OSD画像生成手段)
111 映像処理部
112 ビデオ出力変換部
113 オーディオデコード部
115 オーディオ出力変換部
116 RAM
118 光学デバイス制御部(発光制御手段)
119 イルミネーション部(発光部、第2の発光部)
120 CPU
121 バックライト部(発光部、第1の発光部)
131 表示部
132 スピーカ
300 オーディオ装置(コンテンツ再生装置)
133 スピーカシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生したコンテンツの映像または音声を出力装置から出力させるコンテンツ再生装置において、
上記コンテンツから規定の特徴量を抽出する抽出手段と、
上記出力装置に内蔵されている発光部が発する光の明るさを制御する発光制御手段と、を備え、
上記発光制御手段は、上記抽出手段が抽出した特徴量に応じて上記発光部が発する光の明るさを制御することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
上記コンテンツは、静止画コンテンツ、動画コンテンツまたは音声コンテンツであって、
上記抽出手段は、上記コンテンツを再生中、規定の再生期間ごとに、当該再生期間に再生する映像または音声のデータから上記特徴量を抽出するものであり、
上記発光制御手段は、上記規定の再生期間ごとに、当該再生期間に上記抽出手段により抽出された上記特徴量に応じた明るさの光を発するよう、上記発光部を制御することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
上記コンテンツは動画コンテンツであって、
上記抽出手段は、上記動画コンテンツに含まれる各画像フレームについて、当該画像フレームを再生する際に当該画像フレームから上記特徴量を抽出するものであり、
上記発光制御手段は、上記画像フレームごとに、当該画像フレームから上記抽出手段により抽出された上記特徴量に応じた明るさの光を発するよう、上記発光部を制御することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
上記抽出手段が上記画像フレームごとに抽出する特徴量は、当該画像フレームおよび当該画像フレームよりも前に再生した画像フレームにより得られる1以上の動きベクトルのスカラ量の合計値であることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
上記抽出手段が上記規定の再生期間ごとに上記音声のデータから抽出する特徴量は当該再生期間に再生する音声の強さを示す特徴量であることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
上記発光部には各々が独立して発光可能な複数の発光素子が含まれており、
上記発光制御手段は、上記複数の発光素子のうち上記抽出手段が抽出した特徴量が示す音声の強さに応じた数の発光素子のみを点灯状態にすることにより、上記発光部が発する光の明るさを制御することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
上記発光制御手段は、上記抽出手段が抽出した上記特徴量の値に関わらず上記発光部が発する光の明るさを繰り返し増減させるようになっており、上記光の明るさを増減させる周期を上記特徴量に応じて変更することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
上記抽出手段が上記規定の再生期間ごとに上記音声のデータから抽出する特徴量は、当該再生期間に再生する音声が上記コンテンツの音声のうちのサビの部分であるか否かを示すサビ区間情報であり、
上記発光制御手段は、上記規定の再生期間ごとに、当該再生期間において上記抽出手段により抽出された上記サビ区間情報が当該再生期間に再生する音声がサビの部分であることを示す場合とサビの部分でないことを示す場合とで異なる明るさの光を発するよう、上記発光部を制御することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
上記コンテンツは静止画コンテンツであって、
上記抽出手段は、上記静止画コンテンツを構成する各画素の輝度を平均した平均輝度を上記特徴量として抽出し、
上記発光制御手段は、上記発光部が上記平均輝度に応じた明るさの照明光を周囲に発するよう上記発光部を制御することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項10】
上記発光部は、上記コンテンツ再生装置の周囲に照明光を発することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項11】
上記発光部を複数備え、
上記抽出手段は、再生するコンテンツの音声が複数のチャンネルからなる音声である場合に、上記複数のチャンネルの各々について、当該チャンネルの音声から上記特徴量を抽出し、
上記発光制御手段は、複数の上記発光部の各々について当該発光部から発する照明光の明るさを制御するものであって、各発光部から発する照明光の明るさを、上記抽出手段により抽出された複数の上記特徴量のうち異なる特徴量に基づいて制御することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項12】
上記抽出手段は、上記コンテンツから上記コンテンツの付加情報として付与されている文字列を上記特徴量として抽出し、
ユーザにより登録されたキーワードと、上記抽出手段が抽出した上記文字列とがマッチングするか否かを判定する判定手段をさらに備え、
上記発光制御手段は、上記判定手段がマッチングすると判定した場合と否と判定した場合とで異なる色の光を発するよう上記発光部を制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項13】
オンスクリーンディスプレイ画像を生成するOSD画像生成手段をさらに備え、
上記OSD画像生成手段は、上記抽出手段が抽出した上記特徴量に応じたオンスクリーンディスプレイ画像を生成することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項14】
上記出力装置はディスプレイであって、
上記発光部は、上記ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼルに内蔵されている、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項15】
上記ベゼルには電源ボタン部が設けられており、
上記発光部は複数の発光素子から構成されており、
上記発光制御手段は、上記電源ボタン部に向けて発光する上記発光素子の他に、上記ベゼルの下辺または上辺の中央に位置する上記発光素子が発する光の明るさおよび発光色の少なくともいずれかを制御することを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項16】
上記出力装置は液晶ディスプレイであって、
上記発光部は、上記液晶ディスプレイの液晶パネルを照射するような光を発光するバックライト部である、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項17】
上記出力装置は液晶ディスプレイであって、
上記発光部として、上記液晶ディスプレイの液晶パネルを照射するような光を発光するバックライトである第1の発光部と、上記液晶ディスプレイの表示面を囲むように設けられたベゼルに内蔵されている第2の発光部と、を備え、
上記発光制御手段は、上記第1の発光部および上記第2の発光部の少なくともいずれかの発光部から発する光の明るさおよび発光色の少なくともいずれかを上記特徴量に応じて制御することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置が備える各手段と上記発光部と上記出力装置とを備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項19】
再生したコンテンツの映像または音声を出力装置から出力させるコンテンツ再生装置のコンテンツ再生方法において、
上記コンテンツから規定の特徴量を抽出する抽出工程と、
上記出力装置に内蔵されている発光部が発する光の明るさを制御する発光制御工程と、を含み、
上記抽出工程において抽出された特徴量に基づいて、上記発光制御工程において上記発光部が発する光の明るさを制御することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか1項に記載のコンテンツ再生装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのコンテンツ再生プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のコンテンツ再生プログラムを記録している記録媒体であってコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−199858(P2011−199858A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40209(P2011−40209)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】