コンテンツ再生装置
【課題】ストリーミング再生の中断再開を行なうコンテンツ再生装置に関し、無線ネットワークから離脱しているコンテンツサーバとの再生再開を行なう。
【解決手段】無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、コンテンツの再生開始時にコンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部31と、コンテンツの再生再開時にコンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部30とを備え、コンテンツサーバに再接続された時点で、記憶部31の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツを再生する。
【解決手段】無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、コンテンツの再生開始時にコンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部31と、コンテンツの再生再開時にコンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部30とを備え、コンテンツサーバに再接続された時点で、記憶部31の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツを再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークに接続したコンテンツ再生装置に関し、より詳細には、無線ネットワークを介して接続したコンテンツサーバ内に格納された、音楽ファイルや映像ファイルといったコンテンツをストリーミング再生することが可能なコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ネットワーク上のコンテンツサーバに音楽ファイルや映像ファイルなどのコンテンツを蓄積しておき、そのネットワークに接続された複数の再生装置によってコンテンツサーバ上のコンテンツを共有し再生するための設計ガイドラインとしてDLNA(Digital Living Network Alliance)が多くの機器に採用されている。DLNAは、コンテンツの再生装置であるDMP(Digital Media Player)と、コンテンツサーバであるDMS(Digital Media Server)を定義し、その準拠すべき設計ガイドラインを定めている。DLNAでは、ネットワークの基盤技術として、既にインターネット接続で一般的に用いられている、Ethernet(登録商標)、IEEE802.11、TCP/IP、HTTP、RTPなどを採用する。
【0003】
また、DLNAでは、DMPとDMSとがお互いの機器を発見し能力交換を行なうためのプロトコルとして、UPnP DA(Universal Plug And Play Device Architecture)を採用する。さらに、DLNAは、DMPがDMSからコンテンツの一覧を取得し、コンテンツを選択・再生するためのプロトコルとして、UPnP AV(Universal Plug And Play Audio Visual)を採用する。これらにより、DLNAに従えば、ネットワークを介して、コンテンツサーバに蓄積されたコンテンツをコンテンツ再生装置でストリーミング再生することが可能となる。
【0004】
また一方で、記憶デバイスの高集積化や、インターネットによるコンテンツの配信サービスの普及によって、無線ネットワーク機能を持つモバイル機器にコンテンツを蓄積し利用することも一般化されてきている。従って、モバイル機器がDLNAを採用することによって、コンテンツサーバとして利用されるユースケースが今後ますます増えることが想定される。
【0005】
例えば、無線ネットワークを備えDLNAを採用する車載AV機器が、上記したモバイル機器とネットワーク接続するようなユースケースが想定される。この場合、コンテンツサーバとなるモバイル機器に蓄積されたコンテンツを、コンテンツ再生装置となる車載AV機器に送信し、ストリーミング再生することが可能となる。
【0006】
ところで、車載AV機器においては、自動車のイグニッションスイッチOFF/ONによる、コンテンツ再生の中断再開は頻繁に起こるが、多くのユーザが中断されたコンテンツはその中断位置から再生が再開されることを期待している。従って、従来あるような、機器自体にコンテンツが蓄積されている車載AV機器の場合には、中断位置を記憶しておいて、再開時に記憶した中断位置から再生する機能を有しているのが通常である。運転開始前にユーザ自身に中断位置からの再生再開を行なうために煩雑な操作を強いることは、安全運転から注意を逸らすという意味で望ましくないため、このような機能の実現は非常に重要である。
【0007】
上記例で示した、コンテンツサーバに蓄積されたコンテンツをコンテンツ再生装置である車載AV機器で再生する場合においては、下記特許文献1によって、同様の再生中断再開機能の実現が可能である。だだし、下記特許文献1では、コンテンツサーバは有線ネットワークによって事前に接続されており、コンテンツ再生装置がネットワークに接続した時点で、直ちに蓄積されたコンテンツを利用できることを前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4715535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、モバイル機器がコンテンツサーバである場合には、機器自体の電源ON/OFFのみならず、無線ネットワーク機能のON/OFFやDLNA機能のON/OFFが、モバイル機器に対するユーザ操作によって容易にできてしまうため、コンテンツ再生装置がネットワークに接続した時点では、モバイル機器上のコンテンツが利用可能でないということがしばしば発生する。
【0010】
例えば、上記の車載AV機器の場合、モバイル機器上のコンテンツを車載AV機器によって再生していた運転者が、イグニッションスイッチをOFFして降車し、次の乗車までの間に、モバイル機器を操作してその無線ネットワーク機能をOFFすることがある。実際、電池駆動であるモバイル機器の省電力のため、ユーザが無線ネットワーク機能をOFFすることはしばしば行なわれる。この場合、乗車時にイグニッションスイッチONによってコンテンツ再生装置である車載AV機器の電源がONになり、無線ネットワークに接続したとしても、コンテンツサーバであるモバイル機器が無線ネットワークに接続できないため、モバイル機器上のコンテンツは利用できない。
【0011】
特許文献1の方法では、上記例に示したようなコンテンツサーバがネットワークに接続できない場合の考慮がなされておらず、再生を再開することができない事態が頻発するという問題がある。さらには、運転者がイグニッションスイッチONから発車するまでに、その事態に気づかないということが十分にあり得る。この場合、ユーザは一旦車を停車させるか、運転中にモバイル機器の操作をするなどの対応を強いられ、危険な事態となる可能性がある。また、モバイル機器を操作せずにそのまま放置した場合には、通信エラーとして処理され、中断位置からの再生再開ができなくなる可能性がある。
【0012】
本発明は、上記車載AV機器のようなコンテンツ再生装置が無線ネットワークに接続した際に、上記モバイル機器のようなコンテンツサーバが接続されていなかったとしても、直ちにエラーとせずに、速やかに接続可能となるよう、ユーザにコンテンツサーバであるモバイル機器の操作を行なうよう通知して、中断位置からの再生再開を可能とする機能の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記課題を解決するため、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、コンテンツの再生開始時にコンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部と、コンテンツの再生再開時にコンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部とを備え、サーバ接続復元部によりコンテンツサーバに再接続された時点で、記憶部の情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生する。
【0014】
ここで、記憶部はコンテンツの再生中断時に取得した中断時刻情報を更に記憶し、記憶部の情報が有効期限内であった場合に、記憶部の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツ再生するようにしてもよい。
【0015】
記憶部で記憶されるコンテンツサーバ情報は、UPnP DAで規定されるサーバ機器を特定するための情報でありUUID(Universally Unique Identifier)を含む。また記憶部で記憶されるコンテンツメタ情報は、UPnP AVで規定されるXML形式のデータとしてコンテンツサーバから取得され、コンテンツのタイトル、コンテンツの在処、コンテンツのコーディック種類などを含む。また記憶部で記憶される中断位置情報は、コンテンツ再生装置で管理されるコンテンツの先頭位置からの経過時間あるいはデータサイズである。サーバ接続復元部は再接続手段として、メッセージを画面出力するか、通知音を音声出力するか、または無線LAN機能を切替える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生しているとき、ユーザの都合により再生を中断し、かつ再開時にコンテンツサーバと接続できなかった場合にも、コンテンツサーバを無線ネットワークへ接続復帰させ、再生再開時に中断位置からの再生を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成の一例を示す図
【図2】本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成の一例を示す図
【図3】図1、図2の無線ネットワークにおける無線LAN機能の接続可能な組み合せを表す図
【図4】コンテンツ再生装置12の機能ブロック図
【図5】コンテンツ再生装置12のハードウェア構成の一例を示す図
【図6】コンテンツ再生装置12のソフトウェア構成の一例を示す図
【図7】コンテンツ再生装置12の再生中断動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図8】コンテンツ再生装置12の再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】コンテンツ再生装置12の再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図11】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図12】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図13】コンテンツ再生装置12の有効期限確認付き再生中断動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図14】コンテンツ再生装置12の有効期限確認付き再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する本発明の実施の形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。まず、本発明が前提とする無線ネットワークの構成を説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成例である。無線ネットワーク1は無線LANのアクセスポイント11を有し、車載AV機器を具体例とするコンテンツ再生装置12と、モバイル機器を具体例とするコンテンツサーバ13とを、例えばIEEE802.11方式のプロトコル、あるいは、その発展プロトコルなどの所定のプロトコルを用いて無線接続する。この無線接続を介して、コンテンツ再生装置12はコンテンツサーバ13とDLNAの技術ガイドラインに準拠した通信を行なって、コンテンツサーバ13上のコンテンツを選択して、ストリーミング再生する。
【0020】
この場合、アクセスポイント11は無線ネットワークの親機となるためのアクセスポイントモード機能を有している。また、コンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13は無線ネットワークの子機となるためのクライアントモード機能を有している。そして、コンテンツ再生装置12はDLNAにおけるDMPの機能を持ち、コンテンツサーバ13はDLNAにおけるDMSの機能を持つことによって、上記したストリーミング再生の機能を実現する。
【0021】
なお、本例ではコンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13はそれぞれ1台ずつの構成であるが、DLNAに準拠すればそれぞれ複数台の構成も可能である。
【0022】
図2はアクセスポイントを有さない無線ネットワークの構成例である。この無線ネットワーク2では、コンテンツ再生装置12にアクセスポイントモード機能を有するか、またはコンテンツサーバ13にアクセスポイントモード機能を有するか、またはコンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13の両方がアクセスポイント機能を必要としないアドホックモード機能を有する場合に可能である。無線ネットワーク2においても無線接続が確立した後は、図1の無線ネットワーク1の場合と同様に、DLNA準拠の通信によりコンテンツのストリーミング再生が可能となる。
【0023】
図3は、図1、2の各ネットワーク構成における、コンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13における3つの無線LAN機能(アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能)の接続可能な組み合わせを表している。図3中の各行の組み合わせで無線接続が可能となる。なお、アクセスポイントモード機能については、外部ネットワークとの接続を含まないWiFi ダイレクトに準拠するものであってもよい。
【0024】
図4は図1、図2におけるコンテンツ再生装置12の機能ブロック図である。コンテンツ再生装置12はDLNAにおけるDMPとして機能し、ユーザによる操作入力を受けて、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバ13をDLNAで規定された通信プロトコルによって制御し、コンテンツサーバ13上に蓄積されたコンテンツを選択してストリーミング配信を開始させる。そして、コンテンツ再生装置12は、ストリーミング配信されたコンテンツを受信して再生し、映像はLCDのような表示デバイスに表示し、音声はスピーカやヘッドフォンから出力する。
【0025】
具体的に、コンテンツ再生装置12は、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルに従った無線通信を行なうためのネットワークI/F21を備える。ネットワークI/F21はアクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能のいずれかまたは全てを有し無線ネットワークと接続する。
【0026】
また、コンテンツ再生装置12は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部22と、操作入力に応じて特定のコンテンツサーバに特定のコンテンツをストリーミング配信させたり、ストリーミング配信を中断・停止させたりするためにコントロール信号を送受信する再生コントロール部23とを備える。再生コントロール部23は、コントロール信号によって、コンテンツサーバ13を接続相手として選択し、コンテンツの選択や再生、中断、停止などの再生操作をコンテンツサーバ13に指示する。
【0027】
コントロール信号はDLNAの技術ガイドラインに従って作成された通信データであり、ネットワークI/F21から無線ネットワークを介してコンテンツサーバ13と送受信される。コントロール信号によってコンテンツサーバ13を特定する際に用いられる情報が、コンテンツサーバ情報である。コンテンツサーバ情報には、UUID(Universally Unique Identifier)が含まれ、コンテンツサーバを一意に特定することができる。
【0028】
また、コンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21から受信されたコンテンツメタ情報を受信し内容を解析するコンテンツメタ情報受信処理部24と、コンテンツメタ情報受信処理部24により受信されたコンテンツメタ情報からコンテンツのリストを生成するリスト生成部25と、リスト生成部25によって生成されたリストを表示するリスト表示部26とを備える。コンテンツメタ情報は、DMSであるコンテンツサーバ13から、DLNAに従ったXML形式のデータとして送信される。コンテンツメタ情報には、コンテンツのタイトル、コンテンツの在処、コンテンツのコーディック種類などコンテンツを特定しストリーミング再生を可能とするための情報が含まれる。
【0029】
また、コンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21から受信されたストリーミングデータそのものの受信制御を行なうストリーミング受信処理部27と、ストリーミング受信処理部27で受信されたストリーミングデータをデコードして再生するストリーミング再生部28と、再生されたコンテンツの映像を表示するストリーミング表示部29とを備える。
【0030】
上記したように再生コントロール部23は、操作入力部22からのユーザの操作入力をもとに、コンテンツサーバ13との間で送受信するコントロール信号を生成して、コンテンツサーバ13からのストリーム配信を制御する。コンテンツの再生開始時に、ユーザはリスト表示部26によって表示されたリストを確認して、再生したいコンテンツを選択する操作を操作入力部22に行なう。
【0031】
このとき再生コントロール部23は、リスト生成部25からリスト表示部26に表示中のコンテンツメタ情報リストを取得し、操作入力とのマッチングを取って、再生すべきコンテンツのコンテンツメタ情報を特定する。その後、再生を指示するコントロール信号をコンテンツサーバ13に送信することによって、当該コンテンツのストリーミングデータを受信して再生を開始する。
【0032】
このストリーミング再生開始時に、再生コントロール部23は、再生中断に備えて記憶部31にコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報とを記録する。また、再生コントロール部23は、操作入力部22から操作入力によってストリーミングの再生中断の指示があった場合、ストリーミング再生部28に再生中断を指示し、さらにストリーミング再生部28より中断位置情報を取得して記憶部31に記録する。
【0033】
上記のように記憶部31に記録されたコンテンツサーバ情報、コンテンツメタ情報及び中断位置情報は、操作入力部22から再生再開の操作入力があった場合に、再生コントロール部23が再生再開のコントロール信号を生成する際に参照される。
【0034】
また、コンテンツ再生装置12は、再生再開時にコンテンツサーバ13が無線ネットワークに接続されていない場合に機能するサーバ接続復元部30を備える。再生コントロール部23は、再生再開時にコンテンツサーバ13へコントロール信号が送信できない場合、サーバ接続復元部30を起動する。サーバ接続復元部30は、特定のメッセージを画面に表示するか、特定の音声を出力することによって、ユーザにコンテンツサーバ13を無線ネットワークに接続するように通知する。また、サーバ接続復元部30は、特定のメッセージを画面に表示するのに加えて、操作入力部22からのユーザの操作入力により無線LAN機能を選択させてもよい。この場合、サーバ接続復元部30は、ユーザの操作入力により選択された無線LAN機能に変更するようネットワークI/F21に指示を行なう。
【0035】
図5は、コンテンツ再生装置12のハードウェアの構成例である。
CPU43に、操作入力部22、ROM40、RAM41、RTC(リアルタイムクロック)42、記憶部31、ネットワークI/F21、デコード部45、グラフィック生成部49が接続されている。
【0036】
操作入力部22は、キーマトリックスによって押下されたキーが特定されるハードキー、ボタン、スイッチ、キーボードであってもよいし、押下によって座標情報が通知されるタッチパネル、タッチパッドあるいはマウスであってもよい。
ネットワークI/F21は、アンテナ44を介し、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルにしたがった無線通信を行なう。また、ネットワークI/F21は、アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能のうち1つ以上を有し、複数の機能を有する場合にはCPU43からの制御によって切替えが可能である。
【0037】
記憶部31は、電源OFF時にも記録された情報を保持する。従って記憶部31は、FLASHROM、EEPROM(登録商標)のような半導体メモリやHDDといった不揮発の記録媒体であるか、DRAMやSRAMといった揮発性の記録媒体である場合には、電源OFF時のバックアップ電源を持つ。
デコード部45では、CPU43から供給されたストリーミングデータを音声信号と映像信号とに分離後に伸長処理する。音声信号は音声信号処理部46でD/A変換などの信号処理が施され、音声信号増幅部47で所定のレベルに増幅された後、スピーカ48に供給される。一方、映像信号はグラフィック生成部49に供給され、グラフィック生成部49で他のグラフィックデータと合成されて、表示部50に供給され表示される。表示部50は、リスト表示部26およびストリーミング表示部29となるLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイのような表示デバイスである。なお、サーバ接続復元部30が画面表示を行なう場合にも表示部50が用いられる。
【0038】
CPU43では、ROM40に記録されたソフトウェアを、RAM41を一次保存領域として利用しながら実行し、再生コントロール部23、コンテンツメタ情報受信処理部24、リスト生成部25、ストリーミング受信処理部27、ストリーミング再生部28、サーバ接続復元部30の各機能を果たす。また、CPU43で実行されるソフトウェアが現在時刻などの時刻情報を取得する際には、RTC(リアルタイムクロック)42が用いられる。RTC42は電池や無停電電源などによって駆動されることで時刻情報を保持する。
【0039】
図6は、上記ハードウェア構成のコンテンツ再生装置12のCPU43によって実行されるソフトウェアのブロック図である。
操作入力ドライバ51は、操作入力部22によって入力された操作をイベントとしてアプリケーションに通知する。
記憶部ドライバ52は、記憶部31へのデータの記録、参照を制御する。
デコードドライバ53は、デコード部45を制御し、ストリーミングデータを供給してデコード処理を実行させる。
【0040】
グラフィックドライバ54は、グラフィック生成部49を制御し、高速なグラフィック描画や画像合成を実施する。
ネットワークドライバ55は、ネットワークI/F21を制御し、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルに従った無線通信を実行させ、3つの無線LAN機能(アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能)の切替えを制御する。
【0041】
OS56は、プロセス制御、ファイル制御、デバイスドライバ制御、メモリアクセス制御、割り込み制御などソフトウェアの基本機能を提供する。また起動時にRTC42より時刻情報を取得し管理する。
ネットワークプロトコル57は、OS機能に含まれるIPv4、IPv6などのネットワーク層プロトコル、およびTCP,UDPなどのトランスポート層プロトコル、およびHTTP,RTPなどのセッション層のプロトコルである。
【0042】
入出力ライブラリ58は、操作入力ドライバ51、記憶部ドライバ52、デコードドライバ53、グラフィックドライバ54の各機能、およびOS56が管理する時刻情報をアプリケーションから利用するための関数群である。
コンテンツメタ情報受信処理部24は、UPnP AVに規定されるコンテンツ選択機能を実行する。
コンテンツサーバ通信処理部59はUPnP DAに規定される機器発見・能力交換の機能を実行する。
【0043】
ストリーミング受信処理部27は、HTTP、RTPなどセッション層プロトコルを用いたストリーミングデータの受信処理を行なう。
ストリーミング再生部28は、入出力ライブラリ58によりデコードドライバ53を利用して、ストリーミング受信処理部27で受信したストリーミングデータをデコード部45に供給し、ストリーミング再生を実現するよう処理する。
【0044】
コンテンツ再生装置アプリケーション60は、操作入力ドライバ51からユーザの操作入力を通知され、再生コントロール部23、およびサーバ接続復元部30の機能を実行する。再生コントロール部23の機能を実行する際には、コンテンツサーバ通信処理部59からコンテンツサーバ情報を取得して利用する。さらにコンテンツ再生装置アプリケーション60は、コンテンツメタ情報受信処理部24からコンテンツメタ情報を取得し、リスト生成部25の機能を実行する。
【0045】
以上、図4、図5、図6で示したとおり構成されたコンテンツ再生装置12について、以下にその再生中断再開の処理手順を説明する。
【0046】
図7は、コンテンツ再生装置12における中断動作の処理手順である。
最初にコンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21を介して、再生コントロール部23がUPnP DAプロトコルを用いることにより、コンテンツサーバ情報を取得して、コンテンツサーバ13と接続する(ステップS101)。
次に、コンテンツメタ情報受信処理部24がUPnP AVプロトコルを用いてコンテンツサーバ13からコンテンツメタ情報を取得し、リスト生成部25にてコンテンツメタ情報のリストが生成され、リスト表示部26に表示される。ユーザは表示されたリストを確認して、操作入力部22を介して再生したいコンテンツを選択する。
【0047】
再生コントロール部23は、ユーザ入力とリスト生成部25から取得したコンテンツメタ情報のリストから、再生すべきコンテンツのコンテンツメタ情報を特定し、コンテンツサーバ13に再生を指示するコントロール信号を送信する。このコントロール信号によりコンテンツサーバ13からストリーミング配信されたコンテンツは、ストリーミング受信処理部27にて受信処理されストリーミング再生部28に供給される。その結果、コンテンツ再生装置12はストリーミング再生部28にてコンテンツを再生する(ステップS102)。
【0048】
ステップS102の後、再生コントロール部23は再生中断に備えて、取得済みのコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報とを記憶部31に記録する(ステップS103)。
ストリーミング再生中、操作入力部22を介してユーザからの再生中断操作があった場合(ステップS104でYes)、再生コントロール部23は、ストリーミング再生部28に対して再生中断を指示し、その中断位置情報を取得する(ステップS105)。そして、再生コントロール部23は取得した中断位置情報を記憶部31に記録する(ステップS106)。以上によって、コンテンツ再生装置12は再生中断中の状態となる。
【0049】
なお、ステップS103は、イグニッションOFFのような電源OFF動作であってもよい。その場合CPU43上のソフトウェアはステップS106の終了を待って電源OFF処理に移行する。
【0050】
図8は、コンテンツ再生装置12における再開動作の処理手順である。
図8において、まずコンテンツ再生装置12は、図7の手順によって再生中断中の状態となる(ステップS201)。再生中断中に操作入力部22を介してユーザからの再生再開操作があった場合(ステップS202でYes)、再生コントロール部23は、記憶部31からコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報と中断位置情報とを参照する(ステップS203)。
【0051】
そして、再生コントロール部23は、UPnP DAプロトコルを用いて、参照したコンテンツサーバ情報と適合する無線ネットワーク上のコンテンツサーバ13を探索する(ステップS204)。探索が成功し、コンテンツサーバ13と接続できた場合(ステップS205でYes)、再生コントロール部23は、コンテンツメタ情報と中断位置情報とを用いて、コンテンツサーバ13に中断位置からのストリーミング配信を指示するコントロール信号を送信し、その結果、コンテンツ再生装置12は、中断位置からのストリーミングを受信して再生を行なう(ステップS207)。
【0052】
探索が失敗し、コンテンツサーバ13と接続できなかった場合(ステップS205でNo)、再生コントロール部23は、サーバ接続復元部30を起動し、サーバ接続復元動作を実行する(ステップS206)。
なお、イグニッションONのような電源ON動作を再開動作とみなす場合は、図9のように、ステップS201、ステップS202を省略してもよい。
【0053】
図8、図9において、サーバ接続復元部30では、コンテンツサーバ13を接続可能な状態にするために、表示部50にユーザに対するメッセージを表示する。
図10は、サーバ接続復元部30によって表示されるメッセージの一例である。メッセージ71の表示を見ることによって、ユーザはコンテンツサーバ13の無線ネットワークを接続可能状態にして、DLNAのDMS機能を有効にする。
【0054】
これにより、ステップS204において、コンテンツサーバ13の再探索が成功し、その結果コンテンツサーバ13との接続が確立し(ステップS205でYes)、中断位置からの再生を行なうことができる(ステップS207)。なお、サーバ接続復元部30のメッセージ通知は、画面への表示に限らず、音声データとしてROM40上に記録しておき、スピーカ48を用いて出力してもよい。
【0055】
さらにサーバ接続復元部30による画面表示は、図11の例のように、無線LAN機能を変更するよう選択させる表示であってもよい。図11ではメッセージ71に加えてボタン72を表示し、タッチパネルで押下するなどの手段で選択させることにより、無線LAN機能の変更が可能である。図3に示した接続可能な組合せになるように、無線LAN機能を変更することによって、コンテンツサーバ13の無線LAN機能が変更された場合に、も対応することが可能となる。
【0056】
無線LAN機能の変更方法は、表示ボタン72を押下するたびに、アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能をトグルで変更してもよいし、表示ボタン72の押下によって図12に示す無線LAN機能の選択を促すメッセージ73の表示に切替えて、ボタン74、ボタン75、ボタン76を選択させることにより、各々に対応するアクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能に切替えてもよい。
【0057】
図13、図14は、再生中断時に中断時刻を記憶部31に記憶することにより、記憶した情報の有効期限を設けた場合の処理手順である。図13の中断処理においては、図7のステップS106をステップS301に替えて、中断操作があった場合に、中断位置情報に加えて中断時刻情報を記憶部31に記憶する。
【0058】
図14の再開動作においては、図9のステップS203の前に、ステップS401とS402を追加する。まず、再生コントロール部23は、記憶部31から中断時刻情報を参照する(ステップS401)。それから、再生コントロール部23は現在時刻を取得して中断時刻情報との差から経過時間を算出し、記憶部31に記憶された情報が有効期限内か確認する(ステップS402)。有効期限内として許容される経過時間の最大値はあらかじめROM40内に記憶された数値を用いるか、またはユーザからの設定によってあらかじめ記憶部31に記録しておいた数値を用いてもよい。
【0059】
以上のように本実施の形態によれば、記憶部31とサーバ接続復元部30とを備えることにより、ユーザの都合により再生中断したストリーミング再生の再生再開時に、コンテンツサーバ13と接続できなかった場合にも、接続可能な状態にするよう促すメッセージをユーザに通知することができるため、接続不能状態から直ちに復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となる。
【0060】
また、サーバ接続復元部30が無線LAN機能を切替える機能を備えることによって、コンテンツサーバ13で無線LAN機能が切替えられていた場合にも接続不能状態から復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となる。さらに、記憶部31に中断時刻情報の記録を行なう機能を備えることによって、コンテンツサーバ情報、コンテンツメタ情報、および中断位置情報に有効期限を設定することができるため、長期間中断されていた場合には再開を行なわないといった制御が可能となる。これによって、中断から再開までの期間が、ユーザが忘れてしまうほど十分長期間だった場合には、望まれない再開動作を行なわないよう抑止することが可能となる。
【0061】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0062】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu-ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0063】
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0064】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0065】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかるコンテンツ再生装置は、再生中断したストリーミング再生の再生再開時に、コンテンツサーバと接続できなかった場合にも、接続不能状態から復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となるという効果を有し、無線ネットワークを介して接続したコンテンツサーバ内に格納された、音楽ファイルや映像ファイルといったコンテンツをストリーミング再生することが可能な車載AV機器等のコンテンツ再生装置に有用である。
【符号の説明】
【0068】
11 アクセスポイント
12 コンテンツ再生装置
13 コンテンツサーバ
21 ネットワークI/F
22 操作入力部
23 再生コントロール部
24 コンテンツメタ情報受信処理部
25 リスト生成部
26 リスト表示部
27 ストリーミング受信処理部
28 ストリーミング再生部
29 ストリーミング表示部
30 サーバ接続復元部
31 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークに接続したコンテンツ再生装置に関し、より詳細には、無線ネットワークを介して接続したコンテンツサーバ内に格納された、音楽ファイルや映像ファイルといったコンテンツをストリーミング再生することが可能なコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ネットワーク上のコンテンツサーバに音楽ファイルや映像ファイルなどのコンテンツを蓄積しておき、そのネットワークに接続された複数の再生装置によってコンテンツサーバ上のコンテンツを共有し再生するための設計ガイドラインとしてDLNA(Digital Living Network Alliance)が多くの機器に採用されている。DLNAは、コンテンツの再生装置であるDMP(Digital Media Player)と、コンテンツサーバであるDMS(Digital Media Server)を定義し、その準拠すべき設計ガイドラインを定めている。DLNAでは、ネットワークの基盤技術として、既にインターネット接続で一般的に用いられている、Ethernet(登録商標)、IEEE802.11、TCP/IP、HTTP、RTPなどを採用する。
【0003】
また、DLNAでは、DMPとDMSとがお互いの機器を発見し能力交換を行なうためのプロトコルとして、UPnP DA(Universal Plug And Play Device Architecture)を採用する。さらに、DLNAは、DMPがDMSからコンテンツの一覧を取得し、コンテンツを選択・再生するためのプロトコルとして、UPnP AV(Universal Plug And Play Audio Visual)を採用する。これらにより、DLNAに従えば、ネットワークを介して、コンテンツサーバに蓄積されたコンテンツをコンテンツ再生装置でストリーミング再生することが可能となる。
【0004】
また一方で、記憶デバイスの高集積化や、インターネットによるコンテンツの配信サービスの普及によって、無線ネットワーク機能を持つモバイル機器にコンテンツを蓄積し利用することも一般化されてきている。従って、モバイル機器がDLNAを採用することによって、コンテンツサーバとして利用されるユースケースが今後ますます増えることが想定される。
【0005】
例えば、無線ネットワークを備えDLNAを採用する車載AV機器が、上記したモバイル機器とネットワーク接続するようなユースケースが想定される。この場合、コンテンツサーバとなるモバイル機器に蓄積されたコンテンツを、コンテンツ再生装置となる車載AV機器に送信し、ストリーミング再生することが可能となる。
【0006】
ところで、車載AV機器においては、自動車のイグニッションスイッチOFF/ONによる、コンテンツ再生の中断再開は頻繁に起こるが、多くのユーザが中断されたコンテンツはその中断位置から再生が再開されることを期待している。従って、従来あるような、機器自体にコンテンツが蓄積されている車載AV機器の場合には、中断位置を記憶しておいて、再開時に記憶した中断位置から再生する機能を有しているのが通常である。運転開始前にユーザ自身に中断位置からの再生再開を行なうために煩雑な操作を強いることは、安全運転から注意を逸らすという意味で望ましくないため、このような機能の実現は非常に重要である。
【0007】
上記例で示した、コンテンツサーバに蓄積されたコンテンツをコンテンツ再生装置である車載AV機器で再生する場合においては、下記特許文献1によって、同様の再生中断再開機能の実現が可能である。だだし、下記特許文献1では、コンテンツサーバは有線ネットワークによって事前に接続されており、コンテンツ再生装置がネットワークに接続した時点で、直ちに蓄積されたコンテンツを利用できることを前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4715535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、モバイル機器がコンテンツサーバである場合には、機器自体の電源ON/OFFのみならず、無線ネットワーク機能のON/OFFやDLNA機能のON/OFFが、モバイル機器に対するユーザ操作によって容易にできてしまうため、コンテンツ再生装置がネットワークに接続した時点では、モバイル機器上のコンテンツが利用可能でないということがしばしば発生する。
【0010】
例えば、上記の車載AV機器の場合、モバイル機器上のコンテンツを車載AV機器によって再生していた運転者が、イグニッションスイッチをOFFして降車し、次の乗車までの間に、モバイル機器を操作してその無線ネットワーク機能をOFFすることがある。実際、電池駆動であるモバイル機器の省電力のため、ユーザが無線ネットワーク機能をOFFすることはしばしば行なわれる。この場合、乗車時にイグニッションスイッチONによってコンテンツ再生装置である車載AV機器の電源がONになり、無線ネットワークに接続したとしても、コンテンツサーバであるモバイル機器が無線ネットワークに接続できないため、モバイル機器上のコンテンツは利用できない。
【0011】
特許文献1の方法では、上記例に示したようなコンテンツサーバがネットワークに接続できない場合の考慮がなされておらず、再生を再開することができない事態が頻発するという問題がある。さらには、運転者がイグニッションスイッチONから発車するまでに、その事態に気づかないということが十分にあり得る。この場合、ユーザは一旦車を停車させるか、運転中にモバイル機器の操作をするなどの対応を強いられ、危険な事態となる可能性がある。また、モバイル機器を操作せずにそのまま放置した場合には、通信エラーとして処理され、中断位置からの再生再開ができなくなる可能性がある。
【0012】
本発明は、上記車載AV機器のようなコンテンツ再生装置が無線ネットワークに接続した際に、上記モバイル機器のようなコンテンツサーバが接続されていなかったとしても、直ちにエラーとせずに、速やかに接続可能となるよう、ユーザにコンテンツサーバであるモバイル機器の操作を行なうよう通知して、中断位置からの再生再開を可能とする機能の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、上記課題を解決するため、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、コンテンツの再生開始時にコンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部と、コンテンツの再生再開時にコンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部とを備え、サーバ接続復元部によりコンテンツサーバに再接続された時点で、記憶部の情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生する。
【0014】
ここで、記憶部はコンテンツの再生中断時に取得した中断時刻情報を更に記憶し、記憶部の情報が有効期限内であった場合に、記憶部の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツ再生するようにしてもよい。
【0015】
記憶部で記憶されるコンテンツサーバ情報は、UPnP DAで規定されるサーバ機器を特定するための情報でありUUID(Universally Unique Identifier)を含む。また記憶部で記憶されるコンテンツメタ情報は、UPnP AVで規定されるXML形式のデータとしてコンテンツサーバから取得され、コンテンツのタイトル、コンテンツの在処、コンテンツのコーディック種類などを含む。また記憶部で記憶される中断位置情報は、コンテンツ再生装置で管理されるコンテンツの先頭位置からの経過時間あるいはデータサイズである。サーバ接続復元部は再接続手段として、メッセージを画面出力するか、通知音を音声出力するか、または無線LAN機能を切替える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るコンテンツ再生装置によれば、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生しているとき、ユーザの都合により再生を中断し、かつ再開時にコンテンツサーバと接続できなかった場合にも、コンテンツサーバを無線ネットワークへ接続復帰させ、再生再開時に中断位置からの再生を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成の一例を示す図
【図2】本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成の一例を示す図
【図3】図1、図2の無線ネットワークにおける無線LAN機能の接続可能な組み合せを表す図
【図4】コンテンツ再生装置12の機能ブロック図
【図5】コンテンツ再生装置12のハードウェア構成の一例を示す図
【図6】コンテンツ再生装置12のソフトウェア構成の一例を示す図
【図7】コンテンツ再生装置12の再生中断動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図8】コンテンツ再生装置12の再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図9】コンテンツ再生装置12の再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図10】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図11】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図12】サーバ接続復元時に表示されるメッセージ表示の一例を示す図
【図13】コンテンツ再生装置12の有効期限確認付き再生中断動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【図14】コンテンツ再生装置12の有効期限確認付き再生再開動作の処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する本発明の実施の形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。まず、本発明が前提とする無線ネットワークの構成を説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態におけるコンテンツ再生装置を含む無線ネットワークの構成例である。無線ネットワーク1は無線LANのアクセスポイント11を有し、車載AV機器を具体例とするコンテンツ再生装置12と、モバイル機器を具体例とするコンテンツサーバ13とを、例えばIEEE802.11方式のプロトコル、あるいは、その発展プロトコルなどの所定のプロトコルを用いて無線接続する。この無線接続を介して、コンテンツ再生装置12はコンテンツサーバ13とDLNAの技術ガイドラインに準拠した通信を行なって、コンテンツサーバ13上のコンテンツを選択して、ストリーミング再生する。
【0020】
この場合、アクセスポイント11は無線ネットワークの親機となるためのアクセスポイントモード機能を有している。また、コンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13は無線ネットワークの子機となるためのクライアントモード機能を有している。そして、コンテンツ再生装置12はDLNAにおけるDMPの機能を持ち、コンテンツサーバ13はDLNAにおけるDMSの機能を持つことによって、上記したストリーミング再生の機能を実現する。
【0021】
なお、本例ではコンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13はそれぞれ1台ずつの構成であるが、DLNAに準拠すればそれぞれ複数台の構成も可能である。
【0022】
図2はアクセスポイントを有さない無線ネットワークの構成例である。この無線ネットワーク2では、コンテンツ再生装置12にアクセスポイントモード機能を有するか、またはコンテンツサーバ13にアクセスポイントモード機能を有するか、またはコンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13の両方がアクセスポイント機能を必要としないアドホックモード機能を有する場合に可能である。無線ネットワーク2においても無線接続が確立した後は、図1の無線ネットワーク1の場合と同様に、DLNA準拠の通信によりコンテンツのストリーミング再生が可能となる。
【0023】
図3は、図1、2の各ネットワーク構成における、コンテンツ再生装置12およびコンテンツサーバ13における3つの無線LAN機能(アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能)の接続可能な組み合わせを表している。図3中の各行の組み合わせで無線接続が可能となる。なお、アクセスポイントモード機能については、外部ネットワークとの接続を含まないWiFi ダイレクトに準拠するものであってもよい。
【0024】
図4は図1、図2におけるコンテンツ再生装置12の機能ブロック図である。コンテンツ再生装置12はDLNAにおけるDMPとして機能し、ユーザによる操作入力を受けて、無線ネットワークに接続したコンテンツサーバ13をDLNAで規定された通信プロトコルによって制御し、コンテンツサーバ13上に蓄積されたコンテンツを選択してストリーミング配信を開始させる。そして、コンテンツ再生装置12は、ストリーミング配信されたコンテンツを受信して再生し、映像はLCDのような表示デバイスに表示し、音声はスピーカやヘッドフォンから出力する。
【0025】
具体的に、コンテンツ再生装置12は、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルに従った無線通信を行なうためのネットワークI/F21を備える。ネットワークI/F21はアクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能のいずれかまたは全てを有し無線ネットワークと接続する。
【0026】
また、コンテンツ再生装置12は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作入力部22と、操作入力に応じて特定のコンテンツサーバに特定のコンテンツをストリーミング配信させたり、ストリーミング配信を中断・停止させたりするためにコントロール信号を送受信する再生コントロール部23とを備える。再生コントロール部23は、コントロール信号によって、コンテンツサーバ13を接続相手として選択し、コンテンツの選択や再生、中断、停止などの再生操作をコンテンツサーバ13に指示する。
【0027】
コントロール信号はDLNAの技術ガイドラインに従って作成された通信データであり、ネットワークI/F21から無線ネットワークを介してコンテンツサーバ13と送受信される。コントロール信号によってコンテンツサーバ13を特定する際に用いられる情報が、コンテンツサーバ情報である。コンテンツサーバ情報には、UUID(Universally Unique Identifier)が含まれ、コンテンツサーバを一意に特定することができる。
【0028】
また、コンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21から受信されたコンテンツメタ情報を受信し内容を解析するコンテンツメタ情報受信処理部24と、コンテンツメタ情報受信処理部24により受信されたコンテンツメタ情報からコンテンツのリストを生成するリスト生成部25と、リスト生成部25によって生成されたリストを表示するリスト表示部26とを備える。コンテンツメタ情報は、DMSであるコンテンツサーバ13から、DLNAに従ったXML形式のデータとして送信される。コンテンツメタ情報には、コンテンツのタイトル、コンテンツの在処、コンテンツのコーディック種類などコンテンツを特定しストリーミング再生を可能とするための情報が含まれる。
【0029】
また、コンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21から受信されたストリーミングデータそのものの受信制御を行なうストリーミング受信処理部27と、ストリーミング受信処理部27で受信されたストリーミングデータをデコードして再生するストリーミング再生部28と、再生されたコンテンツの映像を表示するストリーミング表示部29とを備える。
【0030】
上記したように再生コントロール部23は、操作入力部22からのユーザの操作入力をもとに、コンテンツサーバ13との間で送受信するコントロール信号を生成して、コンテンツサーバ13からのストリーム配信を制御する。コンテンツの再生開始時に、ユーザはリスト表示部26によって表示されたリストを確認して、再生したいコンテンツを選択する操作を操作入力部22に行なう。
【0031】
このとき再生コントロール部23は、リスト生成部25からリスト表示部26に表示中のコンテンツメタ情報リストを取得し、操作入力とのマッチングを取って、再生すべきコンテンツのコンテンツメタ情報を特定する。その後、再生を指示するコントロール信号をコンテンツサーバ13に送信することによって、当該コンテンツのストリーミングデータを受信して再生を開始する。
【0032】
このストリーミング再生開始時に、再生コントロール部23は、再生中断に備えて記憶部31にコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報とを記録する。また、再生コントロール部23は、操作入力部22から操作入力によってストリーミングの再生中断の指示があった場合、ストリーミング再生部28に再生中断を指示し、さらにストリーミング再生部28より中断位置情報を取得して記憶部31に記録する。
【0033】
上記のように記憶部31に記録されたコンテンツサーバ情報、コンテンツメタ情報及び中断位置情報は、操作入力部22から再生再開の操作入力があった場合に、再生コントロール部23が再生再開のコントロール信号を生成する際に参照される。
【0034】
また、コンテンツ再生装置12は、再生再開時にコンテンツサーバ13が無線ネットワークに接続されていない場合に機能するサーバ接続復元部30を備える。再生コントロール部23は、再生再開時にコンテンツサーバ13へコントロール信号が送信できない場合、サーバ接続復元部30を起動する。サーバ接続復元部30は、特定のメッセージを画面に表示するか、特定の音声を出力することによって、ユーザにコンテンツサーバ13を無線ネットワークに接続するように通知する。また、サーバ接続復元部30は、特定のメッセージを画面に表示するのに加えて、操作入力部22からのユーザの操作入力により無線LAN機能を選択させてもよい。この場合、サーバ接続復元部30は、ユーザの操作入力により選択された無線LAN機能に変更するようネットワークI/F21に指示を行なう。
【0035】
図5は、コンテンツ再生装置12のハードウェアの構成例である。
CPU43に、操作入力部22、ROM40、RAM41、RTC(リアルタイムクロック)42、記憶部31、ネットワークI/F21、デコード部45、グラフィック生成部49が接続されている。
【0036】
操作入力部22は、キーマトリックスによって押下されたキーが特定されるハードキー、ボタン、スイッチ、キーボードであってもよいし、押下によって座標情報が通知されるタッチパネル、タッチパッドあるいはマウスであってもよい。
ネットワークI/F21は、アンテナ44を介し、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルにしたがった無線通信を行なう。また、ネットワークI/F21は、アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能のうち1つ以上を有し、複数の機能を有する場合にはCPU43からの制御によって切替えが可能である。
【0037】
記憶部31は、電源OFF時にも記録された情報を保持する。従って記憶部31は、FLASHROM、EEPROM(登録商標)のような半導体メモリやHDDといった不揮発の記録媒体であるか、DRAMやSRAMといった揮発性の記録媒体である場合には、電源OFF時のバックアップ電源を持つ。
デコード部45では、CPU43から供給されたストリーミングデータを音声信号と映像信号とに分離後に伸長処理する。音声信号は音声信号処理部46でD/A変換などの信号処理が施され、音声信号増幅部47で所定のレベルに増幅された後、スピーカ48に供給される。一方、映像信号はグラフィック生成部49に供給され、グラフィック生成部49で他のグラフィックデータと合成されて、表示部50に供給され表示される。表示部50は、リスト表示部26およびストリーミング表示部29となるLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイのような表示デバイスである。なお、サーバ接続復元部30が画面表示を行なう場合にも表示部50が用いられる。
【0038】
CPU43では、ROM40に記録されたソフトウェアを、RAM41を一次保存領域として利用しながら実行し、再生コントロール部23、コンテンツメタ情報受信処理部24、リスト生成部25、ストリーミング受信処理部27、ストリーミング再生部28、サーバ接続復元部30の各機能を果たす。また、CPU43で実行されるソフトウェアが現在時刻などの時刻情報を取得する際には、RTC(リアルタイムクロック)42が用いられる。RTC42は電池や無停電電源などによって駆動されることで時刻情報を保持する。
【0039】
図6は、上記ハードウェア構成のコンテンツ再生装置12のCPU43によって実行されるソフトウェアのブロック図である。
操作入力ドライバ51は、操作入力部22によって入力された操作をイベントとしてアプリケーションに通知する。
記憶部ドライバ52は、記憶部31へのデータの記録、参照を制御する。
デコードドライバ53は、デコード部45を制御し、ストリーミングデータを供給してデコード処理を実行させる。
【0040】
グラフィックドライバ54は、グラフィック生成部49を制御し、高速なグラフィック描画や画像合成を実施する。
ネットワークドライバ55は、ネットワークI/F21を制御し、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルに従った無線通信を実行させ、3つの無線LAN機能(アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能)の切替えを制御する。
【0041】
OS56は、プロセス制御、ファイル制御、デバイスドライバ制御、メモリアクセス制御、割り込み制御などソフトウェアの基本機能を提供する。また起動時にRTC42より時刻情報を取得し管理する。
ネットワークプロトコル57は、OS機能に含まれるIPv4、IPv6などのネットワーク層プロトコル、およびTCP,UDPなどのトランスポート層プロトコル、およびHTTP,RTPなどのセッション層のプロトコルである。
【0042】
入出力ライブラリ58は、操作入力ドライバ51、記憶部ドライバ52、デコードドライバ53、グラフィックドライバ54の各機能、およびOS56が管理する時刻情報をアプリケーションから利用するための関数群である。
コンテンツメタ情報受信処理部24は、UPnP AVに規定されるコンテンツ選択機能を実行する。
コンテンツサーバ通信処理部59はUPnP DAに規定される機器発見・能力交換の機能を実行する。
【0043】
ストリーミング受信処理部27は、HTTP、RTPなどセッション層プロトコルを用いたストリーミングデータの受信処理を行なう。
ストリーミング再生部28は、入出力ライブラリ58によりデコードドライバ53を利用して、ストリーミング受信処理部27で受信したストリーミングデータをデコード部45に供給し、ストリーミング再生を実現するよう処理する。
【0044】
コンテンツ再生装置アプリケーション60は、操作入力ドライバ51からユーザの操作入力を通知され、再生コントロール部23、およびサーバ接続復元部30の機能を実行する。再生コントロール部23の機能を実行する際には、コンテンツサーバ通信処理部59からコンテンツサーバ情報を取得して利用する。さらにコンテンツ再生装置アプリケーション60は、コンテンツメタ情報受信処理部24からコンテンツメタ情報を取得し、リスト生成部25の機能を実行する。
【0045】
以上、図4、図5、図6で示したとおり構成されたコンテンツ再生装置12について、以下にその再生中断再開の処理手順を説明する。
【0046】
図7は、コンテンツ再生装置12における中断動作の処理手順である。
最初にコンテンツ再生装置12は、ネットワークI/F21を介して、再生コントロール部23がUPnP DAプロトコルを用いることにより、コンテンツサーバ情報を取得して、コンテンツサーバ13と接続する(ステップS101)。
次に、コンテンツメタ情報受信処理部24がUPnP AVプロトコルを用いてコンテンツサーバ13からコンテンツメタ情報を取得し、リスト生成部25にてコンテンツメタ情報のリストが生成され、リスト表示部26に表示される。ユーザは表示されたリストを確認して、操作入力部22を介して再生したいコンテンツを選択する。
【0047】
再生コントロール部23は、ユーザ入力とリスト生成部25から取得したコンテンツメタ情報のリストから、再生すべきコンテンツのコンテンツメタ情報を特定し、コンテンツサーバ13に再生を指示するコントロール信号を送信する。このコントロール信号によりコンテンツサーバ13からストリーミング配信されたコンテンツは、ストリーミング受信処理部27にて受信処理されストリーミング再生部28に供給される。その結果、コンテンツ再生装置12はストリーミング再生部28にてコンテンツを再生する(ステップS102)。
【0048】
ステップS102の後、再生コントロール部23は再生中断に備えて、取得済みのコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報とを記憶部31に記録する(ステップS103)。
ストリーミング再生中、操作入力部22を介してユーザからの再生中断操作があった場合(ステップS104でYes)、再生コントロール部23は、ストリーミング再生部28に対して再生中断を指示し、その中断位置情報を取得する(ステップS105)。そして、再生コントロール部23は取得した中断位置情報を記憶部31に記録する(ステップS106)。以上によって、コンテンツ再生装置12は再生中断中の状態となる。
【0049】
なお、ステップS103は、イグニッションOFFのような電源OFF動作であってもよい。その場合CPU43上のソフトウェアはステップS106の終了を待って電源OFF処理に移行する。
【0050】
図8は、コンテンツ再生装置12における再開動作の処理手順である。
図8において、まずコンテンツ再生装置12は、図7の手順によって再生中断中の状態となる(ステップS201)。再生中断中に操作入力部22を介してユーザからの再生再開操作があった場合(ステップS202でYes)、再生コントロール部23は、記憶部31からコンテンツサーバ情報とコンテンツメタ情報と中断位置情報とを参照する(ステップS203)。
【0051】
そして、再生コントロール部23は、UPnP DAプロトコルを用いて、参照したコンテンツサーバ情報と適合する無線ネットワーク上のコンテンツサーバ13を探索する(ステップS204)。探索が成功し、コンテンツサーバ13と接続できた場合(ステップS205でYes)、再生コントロール部23は、コンテンツメタ情報と中断位置情報とを用いて、コンテンツサーバ13に中断位置からのストリーミング配信を指示するコントロール信号を送信し、その結果、コンテンツ再生装置12は、中断位置からのストリーミングを受信して再生を行なう(ステップS207)。
【0052】
探索が失敗し、コンテンツサーバ13と接続できなかった場合(ステップS205でNo)、再生コントロール部23は、サーバ接続復元部30を起動し、サーバ接続復元動作を実行する(ステップS206)。
なお、イグニッションONのような電源ON動作を再開動作とみなす場合は、図9のように、ステップS201、ステップS202を省略してもよい。
【0053】
図8、図9において、サーバ接続復元部30では、コンテンツサーバ13を接続可能な状態にするために、表示部50にユーザに対するメッセージを表示する。
図10は、サーバ接続復元部30によって表示されるメッセージの一例である。メッセージ71の表示を見ることによって、ユーザはコンテンツサーバ13の無線ネットワークを接続可能状態にして、DLNAのDMS機能を有効にする。
【0054】
これにより、ステップS204において、コンテンツサーバ13の再探索が成功し、その結果コンテンツサーバ13との接続が確立し(ステップS205でYes)、中断位置からの再生を行なうことができる(ステップS207)。なお、サーバ接続復元部30のメッセージ通知は、画面への表示に限らず、音声データとしてROM40上に記録しておき、スピーカ48を用いて出力してもよい。
【0055】
さらにサーバ接続復元部30による画面表示は、図11の例のように、無線LAN機能を変更するよう選択させる表示であってもよい。図11ではメッセージ71に加えてボタン72を表示し、タッチパネルで押下するなどの手段で選択させることにより、無線LAN機能の変更が可能である。図3に示した接続可能な組合せになるように、無線LAN機能を変更することによって、コンテンツサーバ13の無線LAN機能が変更された場合に、も対応することが可能となる。
【0056】
無線LAN機能の変更方法は、表示ボタン72を押下するたびに、アクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能をトグルで変更してもよいし、表示ボタン72の押下によって図12に示す無線LAN機能の選択を促すメッセージ73の表示に切替えて、ボタン74、ボタン75、ボタン76を選択させることにより、各々に対応するアクセスポイントモード機能、クライアントモード機能、アドホックモード機能に切替えてもよい。
【0057】
図13、図14は、再生中断時に中断時刻を記憶部31に記憶することにより、記憶した情報の有効期限を設けた場合の処理手順である。図13の中断処理においては、図7のステップS106をステップS301に替えて、中断操作があった場合に、中断位置情報に加えて中断時刻情報を記憶部31に記憶する。
【0058】
図14の再開動作においては、図9のステップS203の前に、ステップS401とS402を追加する。まず、再生コントロール部23は、記憶部31から中断時刻情報を参照する(ステップS401)。それから、再生コントロール部23は現在時刻を取得して中断時刻情報との差から経過時間を算出し、記憶部31に記憶された情報が有効期限内か確認する(ステップS402)。有効期限内として許容される経過時間の最大値はあらかじめROM40内に記憶された数値を用いるか、またはユーザからの設定によってあらかじめ記憶部31に記録しておいた数値を用いてもよい。
【0059】
以上のように本実施の形態によれば、記憶部31とサーバ接続復元部30とを備えることにより、ユーザの都合により再生中断したストリーミング再生の再生再開時に、コンテンツサーバ13と接続できなかった場合にも、接続可能な状態にするよう促すメッセージをユーザに通知することができるため、接続不能状態から直ちに復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となる。
【0060】
また、サーバ接続復元部30が無線LAN機能を切替える機能を備えることによって、コンテンツサーバ13で無線LAN機能が切替えられていた場合にも接続不能状態から復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となる。さらに、記憶部31に中断時刻情報の記録を行なう機能を備えることによって、コンテンツサーバ情報、コンテンツメタ情報、および中断位置情報に有効期限を設定することができるため、長期間中断されていた場合には再開を行なわないといった制御が可能となる。これによって、中断から再開までの期間が、ユーザが忘れてしまうほど十分長期間だった場合には、望まれない再開動作を行なわないよう抑止することが可能となる。
【0061】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0062】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu-ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0063】
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0064】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0065】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかるコンテンツ再生装置は、再生中断したストリーミング再生の再生再開時に、コンテンツサーバと接続できなかった場合にも、接続不能状態から復帰して中断位置からの再生を行なうことが可能となるという効果を有し、無線ネットワークを介して接続したコンテンツサーバ内に格納された、音楽ファイルや映像ファイルといったコンテンツをストリーミング再生することが可能な車載AV機器等のコンテンツ再生装置に有用である。
【符号の説明】
【0068】
11 アクセスポイント
12 コンテンツ再生装置
13 コンテンツサーバ
21 ネットワークI/F
22 操作入力部
23 再生コントロール部
24 コンテンツメタ情報受信処理部
25 リスト生成部
26 リスト表示部
27 ストリーミング受信処理部
28 ストリーミング再生部
29 ストリーミング表示部
30 サーバ接続復元部
31 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、前記コンテンツの再生開始時に前記コンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、前記コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部と、前記コンテンツの再生再開時に前記コンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部とを備え、前記サーバ接続復元部により前記コンテンツサーバに再接続された時点で、前記記憶部の情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記記憶部は前記コンテンツの再生中断時に取得した中断時刻情報を更に記憶し、前記記憶部の情報が有効期限内であった場合に、前記記憶部の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツ再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記サーバ接続復元部は、ユーザにコンテンツサーバを接続可能な状態にするよう促すメッセージを画面出力することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記サーバ接続復元部は、ユーザにコンテンツサーバを接続可能な状態にするよう促す通知音を音声出力することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記サーバ接続復元部は、前記無線ネットワークに接続するための無線LAN機能を切替えることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生方法であって、前記コンテンツの再生開始時に前記コンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、前記コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶部に記憶する記憶ステップと、前記コンテンツの再生再開時に前記コンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続するサーバ接続復元ステップと、前記サーバ接続復元部ステップにより前記コンテンツサーバに再接続された時点で、前記記憶ステップで記憶部に記憶した情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生するステップとを含む、コンテンツ再生方法。
【請求項7】
請求項6記載のコンテンツ再生方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生装置であって、前記コンテンツの再生開始時に前記コンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、前記コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶する記憶部と、前記コンテンツの再生再開時に前記コンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続する手段を提供するサーバ接続復元部とを備え、前記サーバ接続復元部により前記コンテンツサーバに再接続された時点で、前記記憶部の情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記記憶部は前記コンテンツの再生中断時に取得した中断時刻情報を更に記憶し、前記記憶部の情報が有効期限内であった場合に、前記記憶部の情報を元に中断前の中断位置からコンテンツ再生することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記サーバ接続復元部は、ユーザにコンテンツサーバを接続可能な状態にするよう促すメッセージを画面出力することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記サーバ接続復元部は、ユーザにコンテンツサーバを接続可能な状態にするよう促す通知音を音声出力することを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記サーバ接続復元部は、前記無線ネットワークに接続するための無線LAN機能を切替えることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
無線ネットワークに接続したコンテンツサーバからコンテンツを受信し、受信したコンテンツをストリーミング再生するコンテンツ再生方法であって、前記コンテンツの再生開始時に前記コンテンツサーバから取得したコンテンツサーバ情報およびコンテンツメタ情報と、前記コンテンツの再生中断時に取得した中断位置情報とを記憶部に記憶する記憶ステップと、前記コンテンツの再生再開時に前記コンテンツサーバに接続不可能な場合にユーザに再接続可能な状態にするよう促す報知をして再接続するサーバ接続復元ステップと、前記サーバ接続復元部ステップにより前記コンテンツサーバに再接続された時点で、前記記憶ステップで記憶部に記憶した情報を元に中断前の中断位置から前記コンテンツを再生するステップとを含む、コンテンツ再生方法。
【請求項7】
請求項6記載のコンテンツ再生方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−70307(P2013−70307A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208593(P2011−208593)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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