説明

コンテンツ処理装置、コンテンツ送信装置、コンテンツ受信装置、コンテンツ配信システム、コンテンツ同期処理プログラム、および記録媒体

【課題】 コンテンツ送信装置が他のコンテンツ送信装置に置き換えられたとしても、コンテンツ受信装置が、同期を取り直すことなくコンテンツを同期処理する。
【解決手段】 時間情報生成部205は、交流電源201によって供給される交流電圧の波形に存在する特異点の情報に基づき、送信側時間情報を生成する。コンテンツ処理部206は、所定のコンテンツに、送信側時間情報を付加する。通信部207は、送信側時間情報付きコンテンツを、通信部211に送信する。時間情報生成部210は、交流電源201によって供給される交流電圧の波形に存在する特異点の情報に基づき、受信側時間情報を生成する。コンテンツ処理部212は、コンテンツに付加されている送信側時間情報と、時間情報生成部210によって生成される受信側時間情報との相関に基づき、コンテンツを同期処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の装置と互いに同期を取りながらコンテンツを処理するコンテンツ処理装置、コンテンツ送信装置、コンテンツ受信装置、コンテンツ配信システム、コンテンツ同期処理プログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しい放送サービスとして地上波デジタル放送サービスが注目されている。このサービスにおいては、テレビやビデオデッキなど家庭内機器に対する高画質の画像を、MPEG2TS(Moving Picture Experts Group 2 over IP Transfer System)方式によって伝送する。また、携帯電話などのモバイル機器に対する画像を、MPEG4方式によって、ストリーム伝送する。
【0003】
MPEG2TS方式は、プッシュ型の通信形態である。すなわち、この方式では、データ送信装置が主導的にデータを送信し、データ受信装置は、データ送信装置に合わせてデータを受信し処理する。伝送経路上において発生する遅延に揺れがある場合は、データ受信装置において、受信したデータを一時的に格納するための緩衝データバッファを設けて、データ転送遅延の揺れを解消する方法が主に取られる。但し、この方法では、プッシュ型であるMPEG2TS方式によってデータをストリーム伝送する場合、緩衝データバッファのアンダーランエラーやオーバーランエラーを生じさせないように注意する必要がある。
【0004】
ここで、データ送信装置やデータ受信装置が備えるローカルクロックのドリフトとジッタとが問題になる。クロックドリフトとは、装置を生産する時のロット差によって生じる、絶対時間とのずれのことであり、これは定量的な誤差量である。例えば、1ヶ月間に絶対時間より2秒遅れるドリフトを有するクロックは、3ヶ月後に絶対時間より6秒遅れる。クロックジッタとは、温度などの環境が変化することによって生じる、ドリフト量の揺れのことであり、これは可変な誤差量である。このように、データ送信装置やデータ受信装置が備えるローカルクロックでは、装置を取り巻く環境に応じて絶対時間からのずれが絶えず変化している。
【0005】
すなわち、各々の装置が備えるローカルクロックをそのまま利用するだけでは、同じシステムに含まれるデータ送信装置とデータ受信装置との間において、ローカルクロックの絶対時間が互いに一致しない問題が生じてしまう。その結果、両装置においてデータを同期処理できないため、緩衝データバッファにアンダーランエラーやオーバーランエラーが生じる可能性が存在する。このような、データ送信装置のローカルクロックと、データ受信装置のローカルクロックとにおけるドリフトやジッタを解消する技術の一つが、特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1には、入力される電力の電源周波数に同期した電源同期パルスを利用して、クライアント装置のクロック信号の周波数を、サーバ装置のクロック信号の周波数に同期させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−180255号公報(2004年(平成16年)6月24日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたネットワークシステムでは、クライアント装置のクロックを、サーバ装置のクロックに同期させる。そのため、同期対象となるサーバ装置の切り替えが発生するごとに、クライアント装置は、新たに切り換えられたサーバ装置に対して同期を取る必要がある。
【0008】
例えば、ユーザは、テレビの視聴中、番組の途中にCMが放送されると、よく、リモコンで他局のチャンネルに変えることがある。このとき、ユーザが、BS放送のチャンネルから地上波デジタル放送のチャンネルに切り替えると、テレビに供給されるコンテンツデータ(動画データ)の供給元となるチューナー機器が、BSチューナーから地上波デジタルチューナーに切り替わる。この場合、特許文献1のネットワークシステムでは、テレビが、同期を取る対象をサーバ装置にしているため、同期引き込みが完了するまでの間、コンテンツデータを再生するときに、画像が乱れたり、音声が途切れたりするなどの問題が発生する。
【0009】
また、最近のビデオデッキは、追っかけ再生機能やタイムシフト機能と呼ばれる機能を搭載している。これらは、放送中の番組をビデオデッキにおいて記録媒体に記録しながら、同時にユーザはその記録した番組を最初から見ることのできる機能である。これらの機能を用いて番組を視聴しているとき、ユーザが、CMを飛ばしたり、再生スピードを上げたりするなどして、放送中の番組に追いついた場合、テレビは、再生する映像を、ビデオデッキに記録されている記録済み映像から、チューナーから供給される放送中の映像に切り替える必要がある。このとき、テレビに供給される動画データの供給元が、ビデオデッキからチューナーに切り替わる。そのため、テレビが同期を取る対象を、これらのサーバ装置にしていると、ユーザが放送中のチャンネルを切り換える場合と同様の問題が生じる。
【0010】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、同期を取る対象の装置が別の装置に切り替わったとしても、コンテンツを同期処理し続けることができるコンテンツ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンテンツ処理装置は、上記の課題を解決するために、他の装置と共に所定の交流電源を共有し、送信または受信する所定のコンテンツを処理するコンテンツ処理装置であって、前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、前記特異点情報に基づき、前記コンテンツを処理する際に参照される時間情報を生成する時間情報生成手段と、前記コンテンツと、前記時間情報とを関連づけて、前記他の装置に送信する送信手段と、前記他の装置から送信される前記コンテンツと、前記送信されるコンテンツに関連づけられている前記時間情報とを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツに関連づけられている前記時間情報と、前記特異点検出手段によって生成された前記時間情報との相関に基づいて、前記受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、コンテンツ処理装置では、特異点検出手段が、所定の交流電源波形(たとえば交流電源から入力される交流電圧の波形)に存在する特異点を検出し、検出した特異点に関する特異点情報を生成する。たとえば、特異点検出手段は、特異点として、ゼロクロス点やピーク点などの、交流電源の波形上に周期的に現れる点を検出し、この点を検出したことを表す特異点情報を生成する。また、生成された特異点情報に基づき、時間情報生成手段が、時間情報を生成する。このとき、時間情報生成手段は、たとえば周期的に生成される特異点情報に基づき、特異点生成の時間間隔を表す時間情報を生成する。
【0013】
ここで、コンテンツ処理装置では、送信手段が、所定のコンテンツと、生成された時間情報とを関連づけて、他の装置に送信する。たとえば、送信手段は、コンテンツに時間情報を付加して、同じ交流電源を共有する他のコンテンツ処理装置に送信する。このとき、コンテンツを受信するコンテンツ処理装置では、他のコンテンツ処理装置によって送信されたコンテンツおよび時間情報を、受信手段が受信する。
【0014】
コンテンツ処理装置では、コンテンツ処理手段が、受信したコンテンツを処理する。このとき、コンテンツ処理手段は、受信したコンテンツに関連づけられている、他のコンテンツ処理装置によって生成された時間情報と、自身が生成した時間情報との相関に基づき、コンテンツを処理する。ここで、コンテンツを送信するコンテンツ処理装置と、コンテンツを受信し処理するコンテンツ処理装置とは、いずれも、共通する交流電源の波形に基づき特異点を検出し、当該検出した特異点に関する情報に基づき、時間情報を生成している。一般に、交流電源の波形における周波数や振幅などの特性は、極めて厳密かつ精密に調整されている。したがって、共通する交流電源の波形に基づき生成される双方の時間情報は、互いに同一のタイミングで生成されることが保証される。換言すると、コンテンツを送信する側のコンテンツ処理装置における時間情報と、コンテンツを受信する側のコンテンツ処理装置における時間情報とは、互いに同一の間隔で更新される。
【0015】
これにより、コンテンツ処理手段は、双方の時間情報の相関に基づき、たとえば、自身の時間情報を受信した時間情報に合わせるなどして、コンテンツを処理すべき時刻を調整してから、コンテンツを処理する。したがって、コンテンツ処理手段は、コンテンツを送信する他のコンテンツ処理装置に同期して、受信したコンテンツを処理できる。ここで、仮に、コンテンツを送信する側のコンテンツ処理装置が、他のコンテンツ処理装置に置き換えられたとしても、新たなコンテンツ処理装置も、共通する交流電源の波形に存在する特異点に関する情報に基づき、時間情報を生成する。したがって、新たな送信側のコンテンツ処理装置において生成される時間情報は、受信側のコンテンツ処理装置において生成される時間情報と、互いに同一のタイミングで生成されることに変わりない。これにより、コンテンツを送信する側のコンテンツ処理装置が、他のコンテンツ処理装置に置き換えられたとしても、コンテンツを受信する側のコンテンツ処理装置は、新たなに同期を取り直すことなく、コンテンツをそのまま同期処理し続けることができる効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係るコンテンツ処理装置は、前記時間情報に基づいて、前記時間情報を補正するための基準信号情報を生成する基準信号情報生成手段と、前記基準信号情報を、前記他のコンテンツ処理装置に送信する基準信号情報送信手段とを備えていることが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、あるコンテンツ処理装置によって生成された基準信号情報が、コンテンツを処理する他のコンテンツ処理装置に送信される。このとき、あるコンテンツ処理装置から別のコンテンツ処理装置に送信される基準信号情報は、時間情報に基づいて生成されるものであり、かつ、時間情報を補正するためのものである。したがって、基準信号情報を受信する各コンテンツ処理装置では、受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する時間情報を補正する。これにより、各コンテンツ処理装置において、時間情報が互いに一致することになる。すなわち、各コンテンツ処理装置は、互いに完全な同期を取りつつ、受信したコンテンツを処理できる効果を奏する。
【0018】
また、このとき、基準信号情報に基づき時間情報を補正した各コンテンツ処理装置は、共通する交流電源の波形に存在する特異点の情報に基づき生成される時間情報に基づき、コンテンツを処理し続ける。これにより、いったん完全に同期を取った各コンテンツ処理装置は、その後、互いに同一のタイミングで生成され続ける時間情報に基づき、コンテンツを処理する。したがって、コンテンツを送信するコンテンツ処理装置が、別のコンテンツ処理装置に置き換わったとしても、コンテンツを受信して処理する各コンテンツ処理装置は、新たなコンテンツ処理装置から新たに基準信号情報を受信しなくても、互いに同期を取りつつコンテンツを処理し続けることができる。
【0019】
本発明に係るコンテンツ処理装置は、上記の課題を解決するために、所定の交流電源の波形に存在する特異点を検出して特異点情報を生成し、当該特異点情報に基づき時間情報を生成し、当該時間情報に基づき、前記時間情報を補正するための基準信号情報を生成して送信する基準信号情報送信装置から送信された前記基準信号情報を受信する基準信号情報受信手段と、前記受信した基準信号情報に基づき、時間情報を生成する時間情報生成手段と、前記コンテンツと、前記生成された時間情報とを関連づけて、他のコンテンツ処理装置に送信する送信手段と、前記他のコンテンツ処理装置によって送信されたコンテンツと、このコンテンツに関連づけられている時間情報とを受信するコンテンツ受信手段と、前記受信したコンテンツに関連づけられている前記時間情報と、前記時間情報生成手段によって生成された前記時間情報との相関に基づいて、前記受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、基準信号情報送信装置は、所定の交流電源波形(たとえば交流電源から入力される交流電圧の波形)に存在する特異点を検出して特異点情報を生成し、当該特異点情報に基づき時間情報を生成し、当該時間情報に基づき、時間情報を補正するための基準信号情報を生成して、送信する。この基準信号情報送信装置によって送信された基準信号情報を、コンテンツ処理装置において、基準信号情報受信手段が受信する。これにより、コンテンツ処理装置において、基準信号情報に基づき、時間情報が生成される。また、コンテンツ処理装置では、送信手段が、所定のコンテンツと、生成された時間情報とを関連づけて、他のコンテンツ処理装置に送信する。このコンテンツおよび時間情報は、コンテンツ受信手段が受信する。
【0021】
コンテンツ処理手段は、受信したコンテンツに関連づけられている時間情報と、時間情報生成手段によって生成された時間情報との相関に基づいて、受信したコンテンツを処理する。ここで、いずれの時間情報も、基準信号情報受信手段が受信した基準信号情報に基づき、生成されるものである。この基準信号情報は、基準信号情報送信装置において、交流電源波形に存在する特異点の情報に基づき生成される時間情報に基づき、生成される。すなわち、いずれの時間情報も、共通の交流電源波形に存在する特異点に関する情報に由来するものである。一般に、交流電源波形における周波数や振幅などの特性は、極めて厳密かつ精密に調整されている。したがって、共通する基準信号情報に基づき生成される双方の時間情報は、互いに同一のタイミングで生成されることが保証される。換言すると、コンテンツを送信する側のコンテンツ処理装置における時間情報と、コンテンツを受信する側のコンテンツ処理装置における時間情報とは、互いに同一の間隔で更新される。
【0022】
したがって、本装置は、他のコンテンツ処理装置との間において、コンテンツを同期処理できる。さらに、交流電源を共有しなくても、他のコンテンツ処理装置との間においてコンテンツを同期処理できる。
【0023】
なお、本発明に係るコンテンツ処理装置では、コンテンツ処理手段は、前記受信したコンテンツの再生、記録、および編集の少なくともいずれかを実行することが好ましい。さらに、前記交流電源の波形における特異点は、波形のゼロクロス点(たとえば交流電源から入力される交流電圧の値がゼロになる点)や、波形のピーク点(たとえば交流電源から入力される交流電圧の値が最大値になる点)や、波形に乗っている特徴的なノイズであることが好ましい。
【0024】
本発明に係るコンテンツ送信装置は、上記の課題を解決するため、所定のコンテンツ受信装置と共に所定の交流電源を共有し、所定のコンテンツを前記コンテンツ受信装置に送信するコンテンツ送信装置であって、前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、前記特異点情報に基づき、前記コンテンツを処理する際に参照される送信側時間情報を生成する時間情報生成手段と、前記コンテンツと、前記送信側時間情報とを関連づけて、前記コンテンツ受信装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、特異点検出手段は、所定の交流電源の波形(たとえば交流電源から入力される交流電圧の波形)に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する。また、時間情報生成手段は、生成された特異点情報に基づき、所定のコンテンツを処理する際に参照される送信側時間情報を生成する。また、送信手段は、コンテンツと、送信側時間情報とを関連づけて、所定のコンテンツ受信装置に送信する。このコンテンツ受信装置は、コンテンツ送信装置と共に、交流電源を共有している。
【0026】
上記の構成によれば、コンテンツ送信装置では、特異点検出手段が、交流電源波形に存在する特異点を検出し、検出した特異点に関する特異点情報を生成する。たとえば、特異点検出手段は、特異点として、ゼロクロス点やピーク点などの、交流電源波形上に周期的に現れる点を検出し、この点を検出したことを表す特異点情報を生成する。また、生成された特異点情報に基づき、時間情報生成手段が、送信側時間情報を生成する。このとき、時間情報生成手段は、たとえば周期的に生成される特異点情報に基づき、特異点生成の時間間隔を表す送信側時間情報を生成する。
【0027】
また、送信手段が、コンテンツと送信側時間情報とを関連づけて、コンテンツ受信装置に送信する。一般に、交流電源波形における周波数や振幅などの特性は、極めて厳密かつ精密に調整されている。したがって、交流電源波形上の特異点に関する情報に基づき生成される送信側時間情報は、ローカルクロック等に比べて、より正確なタイミングで生成されることが保証される。このように、コンテンツ送信装置は、コンテンツ受信装置がコンテンツをより正確に同期処理するために必要な情報を、コンテンツ受信装置に提供できる効果を奏する。
【0028】
本発明に係るコンテンツ受信装置は、上記の課題を解決するため、所定のコンテンツ送信装置と共に所定の交流電源を共有し、前記コンテンツ送信装置によって送信されたコンテンツを受信し処理するコンテンツ受信装置であって、前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、前記特異点情報に基づき、前記コンテンツを処理する際に参照される受信側時間情報を生成する時間情報生成手段と、前記コンテンツ送信装置によって送信される前記コンテンツと、前記送信されるコンテンツに関連づけられている送信側時間情報とを受信する受信手段と、前記受信したコンテンツに関連づけられている前記送信側時間情報と、前記特異点検出手段によって生成された前記受信側時間情報との相関に基づいて、前記受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0029】
上記の構成によれば、コンテンツ受信装置では、特異点検出手段が、所定の交流電源の波形(たとえば交流電源から入力される交流電圧の波形)に存在する特異点を検出し、検出した特異点に関する特異点情報を生成する。たとえば、特異点検出手段は、特異点として、ゼロクロス点やピーク点などの、交流電源波形上に周期的に現れる点を検出し、この点を検出したことを表す特異点情報を生成する。また、生成された特異点情報に基づき、時間情報生成手段が、受信側時間情報を生成する。このとき、時間情報生成手段は、たとえば周期的に生成される特異点情報に基づき、特異点生成の時間間隔を表す受信側時間情報を生成する。
【0030】
ここで、コンテンツ受信装置では、受信手段が、コンテンツ送信装置によって送信されるコンテンツおよび送信側時間情報を受信する。さらに、コンテンツ処理手段が、受信したコンテンツを処理する。このとき、コンテンツ処理手段は、受信したコンテンツに関連づけられている、コンテンツ送信装置によって生成された送信側時間情報と、自身が生成した送信側時間情報との相関に基づき、コンテンツを処理する。ここで、たとえば、コンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、コンテンツを受信し処理するコンテンツ受信装置とが、いずれも、共通する交流電源波形に基づき特異点を検出し、当該検出した特異点に関する情報に基づき、時間情報を生成しているとする。一般に、交流電源波形における周波数や振幅などの特性は、極めて厳密かつ精密に調整されている。したがって、共通する交流電源波形に基づき生成される送信側時間情報および受信側時間情報は、互いに同一のタイミングで生成されることが保証される。換言すると、コンテンツを送信する側のコンテンツ送信装置における送信側時間情報と、コンテンツを受信する側のコンテンツ受信装置における受信側時間情報とは、互いに同一の間隔で更新される。
【0031】
これにより、コンテンツ処理手段は、送信側時間情報と受信側時間情報との相関に基づき、たとえば、自身の受信側時間情報を、受信した送信側時間情報に合わせるなどして、コンテンツを処理すべき時刻を調整してから、コンテンツを処理する。したがって、コンテンツ処理手段は、共通する交流電源の波形に基づき送信側時間情報を生成してコンテンツと共に送信するコンテンツ送信装置に同期して、受信したコンテンツを処理できる効果を奏する。ここで、仮に、このようなコンテンツ送信装置が、他のコンテンツ送信装置に置き換えられたとしても、新たなコンテンツ送信装置も、交流電源の波形に存在する特異点に関する情報に基づき、送信側時間情報を生成する。したがって、新たなコンテンツ送信装置において生成される送信側時間情報は、コンテンツ受信装置において生成される受信側時間情報と、互いに同一のタイミングで生成されることに変わりない。これにより、コンテンツ送信装置が、他のコンテンツ送信装置に置き換えられたとしても、コンテンツ受信装置は、他のコンテンツ送信装置と新たに同期を取り直すことなく、コンテンツをそのまま同期処理し続けることができる効果を奏する。
【0032】
本発明に係るコンテンツ配信システムは、上述したコンテンツ送信装置と、上述したコンテンツ受信装置とを含んでいることを特徴とする。この構成によれば、コンテンツ送信装置が他のコンテンツ送信装置に置き換えられたとしても、コンテンツ受信装置が新たなコンテンツ送信装置と同期を取り直すことなくコンテンツを同期処理し続けることができるコンテンツ配信システムを提供できる。
【0033】
なお、上記コンテンツ処理装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記コンテンツ処理装置をコンピュータにて実現させるコンテンツ同期処理プログラム、およびそのコンテンツ同期処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0034】
さらに、上記コンテンツ送信装置も、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記コンテンツ送信装置をコンピュータにて実現させるコンテンツ同期処理プログラム、およびそのコンテンツ同期処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0035】
さらに、上記コンテンツ受信装置も、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記コンテンツ受信装置をコンピュータにて実現させるコンテンツ同期処理プログラム、およびそのコンテンツ同期処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、本発明に係るコンテンツ処理装置は、受信したコンテンツに関連づけられている時間情報と、時間情報生成手段によって生成された時間情報との相関に基づいて、受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段を備えているため、コンテンツを送信する側のコンテンツ処理装置が、他のコンテンツ処理装置に置き換えられたとしても、あらたに同期を取り直すことなく、コンテンツをそのまま同期処理し続けることができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について、図1〜図3を参照にして以下に説明する。
【0038】
まず、本発明の第1の実施形態に係るサラウンドシステム1の概要について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る、本発明の同期処理技術を利用した5.1チャンネルサラウンドシステム1の全体構成例を示す図である。この図に示すように、サラウンドシステム1は、交流電源101と、ビデオサーバ102と、テレビ103と、センタースピーカー104と、フロントスピーカー105と、リアスピーカー106と、サブウーファー107とを含んでいる。
【0039】
サラウンドシステム1において、ユーザ108は、テレビ103に表示される動画、および、センタースピーカー104等から発せられる音声を視聴する。
【0040】
交流電源101は、サラウンドシステム1に含まれるビデオサーバ102等の各装置に、共通する交流電圧を供給する。これにより、各装置は、交流電源101を共有する。後述するように、交流電源101は、サラウンドシステム1に含まれる各装置が、コンテンツを同期処理する際に参照する時間情報を提供する。
【0041】
なお、交流電源101は、電力会社から送られてくる一般の電力を家庭内の各装置に供給する電源であればよい。たとえば、交流電源101は、50ヘルツまたは60ヘルツの周波数を有する交流電圧を、サラウンドシステム1に含まれる各装置の供給するものであればよい。
【0042】
ビデオサーバ102は、ビデオサーバ102が備えるハードディスクなどの内部記録媒体や、ビデオサーバ102が備えるDVDドライブを利用してデータの書き込みを行うことができるDVDメディアなどの外部記録媒体に、映像や音楽などのコンテンツを記録する。また、前記内部記録媒体や外部記録媒体から映像や音楽などのコンテンツを読み出し、交流電源101から供給される交流電圧波形の特性に基づいて処理し、テレビ103やスピーカー104〜107に出力する。
【0043】
テレビ103は、ビデオサーバ102から入力される映像コンテンツなどを再生する。また、交流電源101から供給される交流電圧波形の特性に基づいて、スピーカー104〜107との間で同期を取りつつ、映像コンテンツなどを再生する。
【0044】
スピーカー104〜107は、ユーザ108から見て前方からの音を発するセンタースピーカー104、前方左右からの音を発するフロントスピーカー105、後方左右からの音を発するリアスピーカー106、および、迫力ある低音を発するサブウーファー107によって構成される。これらのスピーカは、ビデオサーバ102から入力される音声コンテンツなどを再生する。また、交流電源101から供給される交流電圧波形の特性に基づいて、テレビ102や、他のスピーカーとの間において同期を取りつつ、音声コンテンツなどを再生する。
【0045】
以下に、コンテンツ配信システム20として、本発明に係る同期処理技術を利用した5.1チャンネルサラウンドシステムを例にあげて説明する。
【0046】
まず、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム20の概要について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システム20の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ配信システム20は、交流電源201と、コンテンツ送信装置202と、3台のコンテンツ受信装置203とを含んでいる。コンテンツ送信装置202およびコンテンツ受信装置203には、同じ交流電源201から、共通する交流電圧が供給される。この交流電圧に基づき、コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置203とは、互いに同期を取って、コンテンツを処理する。
【0047】
本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ送信装置202およびコンテンツ受信装置203について、図1を参照にして以下に説明する。
【0048】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ送信装置202およびコンテンツ受信装置203の構成例を示すブロック図である。すなわち、この図は、本発明の第1の実施の形態に係る同期処理技術を利用した、5.1チャンネルサラウンドシステム1における高品質なコンテンツ再生時の動作を表す。
【0049】
図1に示すように、コンテンツ配信システム20は、交流電源201と、ビデオサーバ102などのコンテンツ送信装置202と、テレビやスピーカーなどのコンテンツ受信装置203によって構成されている。ここで、コンテンツ送信装置202は、特異点検出部204と、時間情報生成部205と、コンテンツ処理部206と、通信部207と、基準信号情報処理部208とによって構成されている。一方、コンテンツ受信装置203は、特異点検出部209と、時間情報生成部210と、通信部211と、コンテンツ処理部212と、基準信号情報処理部213とによって構成されている。
【0050】
交流電源201は、上述した交流電源101と同様なものであるため、その説明を省略する。
【0051】
コンテンツ送信装置202に備えられる特異点検出部204は、交流電源201からコンテンツ送信装置202に供給される交流電圧波形に基づき、特異点情報を生成して、時間情報生成部205に出力する。これにより、時間情報生成部205は、入力された特異点情報に基づき、時間情報を生成する。コンテンツ受信装置203に備えられる特異点検出部209および時間情報生成部210も、特異点検出部204および時同様に動作する。
【0052】
コンテンツ送信装置202およびコンテンツ受信装置203には、交流電源201から共通する交流電圧が供給されている。その結果、コンテンツ送信装置202に備えられる時間情報生成部205によって生成される送信側時間情報の進み具合と、コンテンツ受信装置203に備えられる時間情報生成部210によって生成される受信側時間情報の進み具合とは、完全に同一になる。時間情報生成部205は、受信側時間情報と完全に同じ具合に進行する送信側時間情報を、コンテンツ送信装置202に備えられるコンテンツ処理部206に出力する。コンテンツ処理部206は、コンテンツ受信装置203に送信するコンテンツに、入力された送信側時間情報を付加し、通信部207に出力する。通信部207は、送信側時間情報付きコンテンツを送信する。
【0053】
一方、コンテンツ受信装置203では、コンテンツ送信装置202によって送信される送信側時間情報付きコンテンツを、通信部211が受信する。通信211は、受信した送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ処理部212に出力する。コンテンツ処理部212は、入力されたコンテンツに付加されている送信側時間情報と、コンテンツ受信装置203に備えられる時間情報生成部210が生成した受信側時間情報との相関を取る。すなわち、コンテンツ処理部212は、両者の相関に基づき、コンテンツを処理する。これにより、コンテンツ受信装置203は、通信経路上で発生する伝送ジッタを解消してコンテンツを再生できる。すなわち、コンテンツ受信装置203は、コンテンツ送信装置202との間で同期を取りつつ、コンテンツを処理できる。
【0054】
また、コンテンツ送信装置202に備えられる時間情報生成部205は、基準信号情報処理部208に送信側時間情報を出力する。基準信号情報処理部208は、入力された送信側時間情報に基づいて基準信号情報を生成し、通信部207に出力する。通信部207は、入力された基準信号情報を、コンテンツ受信装置203に送信する。
【0055】
一方、コンテンツ受信装置203では、通信部211が基準信号情報を受信し、基準信号情報処理部213に出力する。基準信号情報処理部213は、時間情報生成部210から入力される受信側時間情報と基準信号情報に含まれている送信側時間情報とを比較し、補正情報を生成する。基準信号情報処理部213は、生成した補正情報を時時間情報生成部210は、入力された補正情報に基づき、自身が管理する受信側時間情報を補正する。これにより、コンテンツ送信装置202において生成された送信側時間情報と、コンテンツ受信装置203において生成された受信側時間情報との間にあるオフセットを解消できる。したがって、コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置203とは、コンテンツを同期処理できる。すなわち、たとえば、コンテンツの品質劣化につながる伝送路上で生じる遅延揺れを抑制できる。
【0056】
また、このとき、コンテンツ配信システム20に含まれる複数のコンテンツ受信装置203が、同一の基準信号情報に基づき、自身の管理する送信側時間情報をそれぞれ補正する。したがって、各コンテンツ受信装置203は、互いに完全に同一な時刻において、コンテンツを同期処理できる。すなわち、各コンテンツ受信装置203において処理されるコンテンツは、互いに足並みを揃えて処理されるため、たとえば各コンテンツ受信装置203がそれぞれ異なるスピーカーであり、複数チャンネルの音声を再生するものである場合、再生される音声にずれが生じない。
【0057】
以上に説明したコンテンツ同期処理の詳細については、以下の各実施形態において説明する。
【0058】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について、図4〜図7を参照にして以下に説明する。
【0059】
まず、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ配信システム30の概要について、図4を参照して説明する。すなわち、図1におけるビデオサーバ102とテレビ103との間でコンテンツを伝送する場合を例にとって説明する。
【0060】
図4は、本発明の第2実施形態に係るコンテンツ配信システム30の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ配信システム30は、交流電源201と、コンテンツ送信装置300と、コンテンツ受信装置305とを含んでいる。コンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305には、同じ交流電源201から、共通する交流電圧が供給される。この交流電圧に基づき、コンテンツ送信装置300とコンテンツ受信装置305とは、互いに同期を取って、コンテンツを処理する。
【0061】
なお、本実施形態では、コンテンツ送信装置300が上述したビデオサーバ102に相当し、コンテンツ受信装置305がテレビ103に相当する。すなわち、コンテンツ送信装置300は、コンテンツ受信装置305にコンテンツを配信する装置である。また、コンテンツ受信装置305は、コンテンツ送信装置300から配信されたコンテンツを受信し、処理する装置である。ここでいう「コンテンツの処理」とは、配信されたコンテンツの再生、記録、および編集のうち少なくともいずれかを実行することである。
【0062】
本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305について、図5を参照にして以下に説明する。
【0063】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ送信装置300は、特異点検出部301と、時間情報生成部302と、通信部303と、コンテンツ処理部304とを備えている。
【0064】
特異点検出部301には、交流電源201からコンテンツ送信装置300に供給される交流電圧が入力される。特異点検出部301は、入力される交流電圧の波形に基づき特異点を検出する。また、検出した特異点を表す情報を、時間情報生成部302に出力する。なお、交流電圧波形の特異点として、コンテンツ送信装置300に供給される交流電圧が0Vになるゼロクロス点や、交流電圧が最大値となるピーク点や、電子レンジなどの他の電気機器から交流電圧に混入されるノイズなどがある。
【0065】
時間情報生成部302は、特異点検出部301から入力される特異点の情報に基づいて、送信側時間情報を生成する。このとき時間情報生成部302は、送信側時間情報として、時刻の間隔に関する情報を生成すればよい。たとえば、特異点検出部301から10msの間隔で特異点情報が入力されている場合、この10msを示す情報を、送信側時間情報として生成する。また、他にも、入力される特異点情報の回数を数えることによって、コンテンツ送信装置300がコンテンツの送信を開始した時点から経過した時刻を測定し、この時刻を示す情報を、送信側時間情報として生成してもよい。なお、時間情報生成部302がどのような送信側時間情報を生成するかについては、コンテンツ送信装置300において予め定められていればよい。すなわち、時間情報生成部302は、予め定められている条件に基づいて、送信側時間情報を生成すればよい。
【0066】
時間情報生成部302は、また、生成した送信側時間情報を、通信部303およびコンテンツ処理部304に出力する。なお、この送信側時間情報は、時間情報生成部302が備えているローカルクロックに基づいて、常時、新たな値に更新されている。そのため、時間情報生成部302は、ローカルクロックの有する僅かな誤差を解消するために、特異点検出部301から入力される特異点の情報を利用する。
【0067】
通信部303は、コンテンツ処理部304から入力される、コンテンツ配信システム30に含まれるコンテンツ受信装置305へ送信すべきコンテンツに、時間情報生成部302から入力される送信側時間情報を付加して送信する。
【0068】
コンテンツ処理部304は、コンテンツ受信装置305へ送信すべきコンテンツを、通信部303に出力する。
【0069】
一方、コンテンツ受信装置305は、特異点検出部306と、時間情報生成部307と、コンテンツ処理部309と、通信部308とを備えている。特異点検出部306の動作は、上述した特異点検出部301の動作と同一であるため、説明を省略する。さらに、時間情報生成部307は、上述した時間情報生成部302の動作と同一であるため、説明を省略する。なお、時間情報生成部307は、生成した時間情報を、受信側時間情報としてコンテンツ処理部309および通信部308に出力する。
【0070】
通信308は、コンテンツ送信装置300から送信された送信側時間情報付きコンテンツを受信し、コンテンツ処理部309に出力する。コンテンツ処理部309は、通信部308から入力される送信側時間情報付きコンテンツから、送信側時間情報を抽出し、時間情報生成部307から入力される受信側時間情報との相関を見て、コンテンツを処理する。
【0071】
ここでいう送信側時間情報と受信側時間情報との「相関」とは、双方の時間情報に所定の法則が成立することである。この法則の例として、双方の時間情報が完全に一致することや、双方の時間情報のオフセットが一定に保たれることや、双方の時間情報のオフセットが経過時間に対して定量的に変化することなどがある。また、ここでいう「コンテンツの処理」とは、コンテンツを再生、記録、および編集の少なくともいずれかを実行することを意味する。例えば、映画や音楽などのコンテンツをTVやスピーカーなどで、コンテンツ提供元で設定した時間通りに再生する処理や、記録メディアに録画や録音する処理などがある。
【0072】
次に、コンテンツ送信装置300がコンテンツ受信装置305に送信側時間情報付きコンテンツを送信するときの手順について、図6を参照して以下に説明する。
【0073】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ送信装置300が、送信側時間情報付きコンテンツをコンテンツ受信装置305へ送信する際の処理手順を説明するフローチャートである。図6に示すように、まず、特異点検出部301は、入力される交流電圧の波形に特異点があるか否かを判定する(S401)。特異点があるとき、特異点検出部301は、検出した特異点に関する情報を、時間情報生成部302に出力する。なお、特異点には、交流電圧が0Vになるゼロクロス点や、交流電圧が最大になるピーク点や、コンテンツ配信システム30に含まれる交流電源201を共有する電子レンジなどの他の電気機器に起因する、交流電圧波形に載っているノイズなどがある。
【0074】
時間情報生成部302は、入力された特異点の情報に基づいて送信側時間情報を補正する(S402)。具体例を挙げると、電力会社から供給される家庭用の100V交流電圧の周波数は一定に保たれている。たとえば、関東地区においては50Hzに、関西地区においては60Hzに調整されている。つまり、関東地区の家庭では、交流電圧の周波数は50Hzであるため、交流電圧の波形の1周期は20msである。したがって、特異点検出部301は、入力される交流電圧波形において、特異点としてゼロクロス点を検出するとき、交流電圧の波形の半波長である10msに一回の割合でゼロクロス点を検出する。
【0075】
時間情報生成部302は、このタイミングで検出される特異点に関する情報が入力されるとき、例えば、ある時点で特異点情報を入力されたときの送信側時間情報が「2時間36分51秒98」を示すとき、次に特異点情報を受け取ったときには、送信側時間情報を10ms増加させ、「2時間36分51秒99」にカウントアップする。さらに、次に特異点情報を入力されたときには、送信側時間情報をさらに10ms増加させ、「2時間36分52秒00」にカウントアップする。これにより、時最小単位10msでカウントアップ可能な送信側時間情報を、正確に作り出すことができる。
【0076】
なお、時間情報生成部302は、ローカルクロックを備える場合、さらに精度の高い送信側時間情報を作り出すことができる。この場合、一度特異点情報を入力されてから、次に新たな特異点情報を入力されるまでの間、送信側時間情報をローカルクロックに基づいて細かくカウントアップすればよい。なお、ローカルクロックは、それ自体がドリフトやジッタを有している。そのため、より精度の高い送信側時間情報を生成したい場合、入力される特異点情報に基づきPLL回路などを用いてローカルクロック自身を調整すればよい。
【0077】
つぎに、コンテンツ処理部304は、コンテンツ配信システム30に含まれるコンテンツ受信装置305に送信すべきコンテンツがあるか否かを判定する(S403)。ここで、送信すべきコンテンツがある場合、コンテンツ処理部304は、このコンテンツを通信部303に出力する。通信部303は、入力されたコンテンツに、時間情報生成部302から入力された送信側時間情報を付加する(S404)。その後、通信部303は、送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ送信装置300送信する(S405)。
【0078】
なお、通信部303は、時間情報生成部302から入力される送信側時間情報を加工してから、コンテンツに付加してもよい。例えば、コンテンツを送信する先のコンテンツ受信装置305において、コンテンツの処理時間を予めコンテンツ送信装置300において指定するために、コンテンツの伝送に必要な時間などを加味した送信側時間情報を、コンテンツに付加すればよい。また、例えば、コンテンツを受信する装置が映像コンテンツを1.2倍の速度で再生する場合、コンテンツ送信装置300は、送信側時間情報を1.2倍の速度に合わせて加工してコンテンツに付加すればよい。
【0079】
次に、コンテンツ受信装置305が、コンテンツ送信装置300から送信された送信側時間情報付きコンテンツを受信して処理するときの手順について、図7を参照して以下に説明する。
【0080】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ受信装置305が、コンテンツ配信システム30に含まれるコンテンツ送信装置300から送信された送信側時間情報付きコンテンツを受信し、当該受信した送信側時間情報付きコンテンツを処理する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【0081】
図7に示すように、まず、通信部308は、コンテンツ送信装置300から送信される送信側時間情報付きコンテンツを受信したか否かを判定する(S501)。ここで、送信側時間情報付きコンテンツを受信した場合、通信部308は、当該受信した送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ処理部309に出力する。
【0082】
コンテンツ処理部309は、通信部308から入力される送信側時間情報付きコンテンツを、自身が備えるデータバッファに一時的に格納する。同時に、入力されたコンテンツを処理するタイミングを、コンテンツに付加されている送信側時間情報に基づいて算出し、処理タイミングとしてデータバッファに記憶する(S502)。また、コンテンツ処理部309には、時間情報生成部307から受信側時間情報が入力される。これにより、コンテンツ処理部309は、入力される受信側時間情報と、データバッファに記憶されている処理タイミングとを比較し、コンテンツを処理するタイミングになったか否かを判定する(S503)。このとき、当該入力された受信側時間情報が、データバッファに記憶している処理タイミングと一致した際に、データバッファに一時的に格納していたコンテンツを取り出して、処理する(S504)。具体的には、コンテンツ受信装置305がテレビである場合、コンテンツ送信装置300が設定した、コンテンツの処理タイミングに合わせて再生する。また、コンテンツ受信装置305がビデオデッキである場合、コンテンツを、コンテンツ送信装置300が設定したタイミング通りにビデオテープに録画する。
【0083】
以上のように、交流電源201を共有するコンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305では、いずれも、交流電源201から供給される共通の交流電圧の波形に基づき、この波形に含まれる特異点に関する情報が生成される。また、生成された特異点情報に基づき、時間情報が生成される。このとき、コンテンツ受信装置305は、コンテンツ送信装置300において生成された送信側時間情報と、自身が生成した受信側時間情報との相関に基づき、コンテンツを同期処理する。これらの送信側時間情報および受信側時間情報は、いずれも、交流電圧に基づき生成されるものである。通常、交流電源201から供給される交流電圧は、波形の特性(周波数や振幅など)が、極めて厳密に調整されている。したがって、共通する交流電圧に基づき、コンテンツ受信装置305およびコンテンツ送信装置300において生成される特異点情報は、互いに、同一の時間間隔をおいて生成されることが保証される。これにより、送信側時間情報および受信側時間情報は、いずれも、互いに、同一の時間情報(時刻の間隔等)を示すことが保証される。したがって、コンテンツ受信装置305は、コンテンツ送信装置300がコンテンツを処理するタイミングと同一のタイミングにしたがって、受信したコンテンツを同期処理できる。
【0084】
さらに、コンテンツ配信システム30では、仮にコンテンツ送信装置300が故障するなどして他のコンテンツ送信装置300に置き換えられたとしても、コンテンツ受信装置305は、入力される交流電圧に含まれる特異点に基づき時間情報を生成し、当該生成した時間情報に基づき、コンテンツを処理する。すなわち、コンテンツ受信装置305は、新たにコンテンツ配信システム30に加わったコンテンツ送信装置300から、コンテンツ同期処理のための情報を受け取る必要がない。したがって、コンテンツ配信システム30では、コンテンツ送信装置300が他のコンテンツ送信装置300に置き換えられたとしても、コンテンツ受信装置305は、新たなコンテンツ送信装置300との間で、再び同期を取ることなく、コンテンツを同期処理できる。
【0085】
なお、ゼロクロス点などの特異点のうち、いずれを検出対象とするかについては、コンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305において予め定められていればよい。すなわち、コンテンツ配信システム30に含まれる各装置は、他の装置が検出対象とする特異点と同一種類の特異点を検出するように予め設定されていればよい。これにより、コンテンツ送信装置300が特異点として例えばゼロクロス点を検出する場合、コンテンツ受信装置305も、特異点としてゼロクロス点を検出する。
【0086】
また、コンテンツ送信装置300とコンテンツ受信装置305とは、一体化された構成であってもよい。すなわち、本発明を、上述したコンテンツ送信装置300およびコンテンツ受信装置305の機能を併せ持ったコンテンツ処理装置としても実現できる。
【0087】
また、コンテンツ送信装置300は、送信側時間情報と、コンテンツとを、別々にコンテンツ受信装置305に送信してもよい。このとき、通信部303は、送信側時間情報と、コンテンツとを関連づけて、コンテンツ受信装置305に送信すればよい。たとえば、通信部303は、送信側時間情報とコンテンツとに同一に識別子を割り当て、コンテンツ受信装置305に送信する。コンテンツ受信装置305では、送信側時間情報とコンテンツとに割り当てられている識別子に基づき、送信側時間情報とコンテンツとの対応を確認する。これにより、コンテンツ受信装置305は、ある送信側時間情報が設定されているコンテンツを、自身が管理する受信側時間情報との相関に基づき、処理できる。
【0088】
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態について、図8〜図10を参照にして以下に説明する。
【0089】
まず、本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ配信システム60の概要について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ配信システム60の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ配信システム60は、交流電源201と、コンテンツ送信装置300と、2台のコンテンツ受信装置305と、基準信号情報送信装置600とを含んでいる。コンテンツ配信システム60に含まれる各装置には、いずれも、同じ交流電源201から、共通する交流電圧が供給される。この交流電圧に基づき、各装置は、互いに同期を取って、コンテンツを処理する。
【0090】
特に、コンテンツ配信システム60では、基準信号情報送信装置600が、基準信号情報を生成し、コンテンツ受信装置305に送信する。コンテンツ受信装置305は、受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正する。これにより、複数のコンテンツ受信装置305は、互いに完全に同期を取って、コンテンツを処理できる。
【0091】
本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置600について、図9を参照にして以下に説明する。
【0092】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置600の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、基準信号情報送信装置600は、特異点検出部601と、時間情報生成部602と、通信部603と、基準信号処理部604とを備えている。
【0093】
特異点検出部601は、基準信号情報送信装置600に供給される交流電圧の波形を観測して、特異点を検出する。また、検出した特異点に関する情報を、時間情報生成部602および通信部603に出力する。
【0094】
時間情報生成部602は、特異点検出部601から入力される特異点の情報に基づいて、時間情報を生成し、当該生成した時間情報を基準信号情報処理部604に出力する。
【0095】
通信部603は、基準信号情報処理部604から入力される基準信号情報をコンテンツ配信システム60に含まれる他の装置へ送信する。また、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置から送信される基準信号情報を受信し、基準信号情報処理部604に出力する。
【0096】
なお、基準信号情報とは、コンテンツ配信システム60に含まれる各装置の間で同期処理を行うために用いられる情報である。この基準信号情報は、コンテンツ配信システム60において、受信相手を特定せずに送信される。これにより、基準信号情報は、受信先の各装置において共通して使用される。この基準信号情報に基づき、コンテンツ配信システム60に含まれる各装置は、コンテンツの同期処理を行う。たとえば、各装置は、基準信号情報に基づき、自身の管理する時間情報を補正する。この基準信号情報として、例えば、ビーコンなどの制御信号や、時間的な情報を含むデータフレームおよび制御フレームなどがある。
【0097】
基準信号情報処理部604は、特異点検出部601から入力される特異点の情報や、時間情報生成部602から入力される時間情報などに基づいて、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置へ送信すべき基準信号情報を生成し、通信部603に出力する。
【0098】
基準信号情報送信装置600が、ビーコンなどの制御信号を基準信号情報として送信するときの手順について、図10を参照して説明する。
【0099】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置600が、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置にビーコンなどの制御信号を基準信号情報として送信する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、基準信号情報処理部604は、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置に送信する基準信号情報を生成する(S701)。このとき、基準信号情報処理部604は、生成する基準信号情報に、基準信号情報を送信するタイミングにおける送信側時間情報を含めてもよい。なお、基準信号情報の送信されるタイミングはコンテンツ配信システム60において使用される通信網の仕様や規格に基づいて、決定されるものである。例えば、仕様に基づきビーコン周期が20msと定められている通信網の場合は、基準信号情報にとしてのビーコンを送信するタイミングは、前回のビーコンを送信したタイミングから20ms後になる。
【0101】
次に、基準信号情報処理部604は、時間情報生成部602から入力される時間情報に基づき、生成された基準信号情報を送信すべきタイミングになったか否かを判定する(S702)。ここで、基準信号情報処理部604は、基準信号情報を送信すべきタイミングになったときに、基準信号情報を送信するように通信部603に対して指示する。これにより、通信部603は、基準信号情報処理部604から入力された基準信号情報を、コンテンツ配信システム60に含まれる他の各装置へ送信する(S703)。この後、基準信号情報処理部604は、次の基準信号情報を送信する準備に入る(S701)。
【0102】
なお、基準信号情報送信装置600は、前記した基準信号情報を送信する一連の処理に基づき、基準信号情報としてビーコンなどの制御信号だけでなく、時間的な情報を含むデータフレームや制御フレームを送信してもよい。この場合、基準信号情報を送信するタイミングは自由であり、コンテンツ配信システム60や基準信号情報送信装置600を実装する際の設計仕様に基づいて決定すればよい。
【0103】
基準信号情報送信装置600が、基準信号情報として、データフレームや制御フレームなどを送信するときの手順について、図11を参照して説明する。
【0104】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置600が、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置に、基準信号情報として時間的な情報を含むデータフレームや制御フレームなどを送信する際の処理手順の別の例を説明するフローチャートである。
【0105】
図11に示すように、特異点検出部601は、入力される交流電圧の波形に、特徴的なノイズを検出したか否かを判定する(S801)。ノイズを検出した場合、特異点検出部601は、時基準信号情報処理部604に、そのノイズに関する情報を特異点情報として出力する。時間情報生成部602は、入力されたノイズ情報に基づき送信側時間情報を生成し、基準信号情報処理部604に出力する。基準信号情報処理部604は、時間情報生成部602から入力される送信側時間情報に基づいて、ノイズが検出された時点における送信側時間情報と入力されたノイズ情報との双方が含まれる基準信号情報を生成する(S802)。その後、基準信号情報処理部603は、生成した基準信号情報を通信部603に提供出力する。これにより、通信部603は、コンテンツ配信システム60に含まれる他の装置に基準信号情報を送信する(S803)。
【0106】
なお、一般に、ノイズは、自然発生的で価値を有さないものという意味がある。しかし、本発明における交流電圧の波形に存在するノイズとは、交流電圧波形の理想形から外れているという広義の意味を有している。よって、ここでいうノイズには、自然に発生するノイズ以外にも、コンテンツ配信システム60に含まれる各装置が同期処理を行うために意図的に発生させたノイズも含まれる。また、電力搬送技術など電力線を利用したデータ伝送技術において用いられる搬送波も、理想的な交流電圧波形に乗せられたノイズに含まれる。
【0107】
なお、基準信号情報送信装置600によって送信された基準信号情報を、コンテンツ受信装置305が受信し、当該受信した基準信号情報に基づき、送信側時間情報を補正する際の処理手順については、上述した第1の実施形態に係るコンテンツ受信装置202における処理手順と同一であるため、その説明を省略する。
【0108】
以上のように、コンテンツ配信システム60では、複数台のコンテンツ受信装置305が、基準信号情報送信装置600によって送信される基準信号情報を受信し、当該受信した基準信号情報に基づき、受信側時間情報を補正する。これにより、複数台のコンテンツ受信装置305において、コンテンツを処理する際の時刻の基準となる受信側時間情報の進み具合が、完全に同一となる。すなわち、受信側時間情報の周波数が完全に一致し、位相も完全に一致する。これにより、複数台のコンテンツ受信装置305は、補正後の受信側時間情報に基づきコンテンツを処理するため、コンテンツを完全に同時に同期処理できる。
【0109】
また、基準信号情報に基づき受信側時間情報を補正した複数のコンテンツ受信装置305では、その後、仮にコンテンツ送信装置300が別のコンテンツ送信装置300に置き換えられたとしても、受信側時間情報の進み具合の周波数と位相は、互いに同一のまま変化がない。したがって、複数のコンテンツ受信装置305は、新たなコンテンツ送信装置300との間で新たに同期を取ることなく、受信したコンテンツを同期処理できる。
【0110】
なお、コンテンツ配信システム60には、複数台の基準信号情報送信装置600が含まれていてもよい。このとき、ある基準信号情報送信装置600は、コンテンツ配信システム60に含まれる他の基準信号情報送信装置600に、基準信号情報を送信してもよい。すなわち、複数の基準信号情報送信装置600は、互いに基準信号情報を提供しあってもよい。
【0111】
また、基準信号情報送信装置600は、基準信号情報を、コンテンツ送信装置300に送信してもよい。このとき、コンテンツ送信装置300は、受信した基準信号情報に基づき、送信するコンテンツに付加する送信側時間情報を補正すればよい。
【0112】
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態について、図12〜図14を参照にして以下に説明する。
【0113】
まず、本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ配信システム90の概要について、図12を参照して説明する。図12は、本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ配信システム90の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ配信システム90は、交流電源201と、コンテンツ送信装置202と、2台のコンテンツ受信装置203と、コンテンツ処理装置900とを含んでいる。コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置203には、同じ交流電源201から、共通する交流電圧が供給される。この交流電圧に基づき、コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置203とは、互いに同期を取って、コンテンツを処理する。一方、コンテンツ処理装置900には、交流電源201から交流電圧が供給されない。その代わり、コンテンツ処理装置900は、コンテンツ送信装置202によって送信される基準信号情報を受信し、当該受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正することによって、コンテンツを同期処理する。これにより、コンテンツ処理装置900は、交流電源201を共有することなく、コンテンツ配信システム90に含まれる他の装置との間で、コンテンツを同期処理できる。
【0114】
本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ処理装置900の詳細について、図13を参照して以下に説明する。
【0115】
図13は、本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ処理装置900の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ処理装置900は、通信部901と、時間情報生成部902と、コンテンツ処理部903とを備えている。
【0116】
通信部901は、コンテンツ処理部903から入力される、コンテンツ配信システム90に含まれる他の装置へ送信すべきコンテンツに対して、時間情報生成部902から入力される送信側時間情報を付加する。さらに、当該送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ配信システム90に含まれる他の装置へ送信する。また、コンテンツ配信システム90に含まれるコンテンツ送信装置202から送信された、送信側時間情報付きコンテンツを、受信し、コンテンツ処理部903に出力する。さらに、コンテンツ配信システム90に含まれるコンテンツ送信装置202から送信された基準信号情報を受信し、時間情報生成部902に出力する。この基準信号情報は、コンテンツ送信装置202が、交流電源201から入力される交流電圧の波形に存在する特異点に基づき生成した時間情報に基づき生成する。
【0117】
時間情報生成部902は、通信部901から入力される基準信号情報に基づいて、受信側時間情報を生成する。また、生成した受信側時間情報を、通信部901およびコンテンツ処理部903に出力する。
【0118】
コンテンツ処理部903は、コンテンツ配信システム90内の他の装置へ送信すべきコンテンツを通信部901に出力する。また、通信部901より入力される、コンテンツ送信装置202から送信された送信側時間情報付きコンテンツに対しては、そのコンテンツに付加されている送信側時間情報と時間情報生成部902から入力される受信側時間情報との相関に基づき、コンテンツを処理する。
【0119】
この実施形態では、コンテンツ処理装置900は、コンテンツ処理システム90に含まれる他の装置との間で、交流電源201を共有しなくてもよい。また、交流電源を用いなくてもよい。すなわち、図12は、交流電源201を共有しないコンテンツ処理装置900や、または交流電源201を用いないコンテンツ受信装置900が、交流電源201を共有するコンテンツ送信装置202およびコンテンツ受信装置203によって構成されているコンテンツ配信システム90に参加する例を示すものである。
【0120】
コンテンツ処理装置900が、受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正するときの手順について、図14を参照して説明する。
【0121】
図14は、本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ処理装置900が、コンテンツ配信システム90に含まれるコンテンツ送信装置202から送信された基準信号情報を受信することによって当該受信した基準信号情報に基づき自身の管理する受信側時間情報を補正する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【0122】
図14に示すように、まず、通信部901は、コンテンツ送信装置202から送信される基準信号情報を受信したか否かを判定する(S1001)。このとき、通信部901は、コンテンツ送信装置202から送信された基準信号情報を受信した場合、当該受信した基準信号情報を時間情報生成部902に出力する。時間情報生成部902は、受信した基準信号情報に基づいて、自身が管理している受信側時間情報を補正する(S1002)。例えば、時間情報生成部902は、基準信号情報の一つであるビーコンが20msの周期で送信されてくる場合、ビーコンを受信するたびに、受信側時間情報を20msづつカウントアップすればよい。
【0123】
なお、時間情報生成部902がローカルクロックを備えており、そのローカルクロックによって受信側時間情報をカウントアップさせている場合、ローカルクロックの有するロット誤差を解消するために、ビーコンを受け取った時の受信側時間情報の経過分(増加分)が20msになるように、受信側時間情報を補正すればよい。また、PLL(Phase Locked Loop)などの平滑化回路を利用することによって、ローカルクロックそのものの進み具合(進行速度)を補正し、ローカルクロックのロット誤差を解消してもよい。
【0124】
本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ処理装置900が、受信した送信側時間情報付きコンテンツを処理する際の処理手順については、前述の第2の実施形態におけるコンテンツ受信装置305が実行する処理手順と同様であるため説明を省略する。
【0125】
〔実施形態5〕
本発明の第5の実施形態について、図15〜図17を参照にして以下に説明する。
【0126】
まず、本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ配信システム110の概要について、図15を参照して説明する。
【0127】
図15は、本発明の第の5実施形態に係るコンテンツ配信システム110の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ配信システム110は、交流電源201と、コンテンツ送信装置202と、3台のコンテンツ受信装置1100とを含んでいる。コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置1100とには、同じ交流電源201から、共通する交流電圧が供給される。この交流電圧に基づき、コンテンツ送信装置202とコンテンツ受信装置1100とは、互いに同期を取って、コンテンツを処理する。また、コンテンツ送信装置202は基準信号情報を送信し、コンテンツ受信装置1100はこの基準信号情報を受信する。これにより、各コンテンツ受信装置1100は、受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正する。したがって、各コンテンツ受信装置1100は、コンテンツを完全に同期処理できる。
【0128】
本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置1100の詳細について、図16を参照して以下に説明する。
【0129】
図16は、本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置1100の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、コンテンツ受信装置1100は、特異点検出部1101と、時間情報生成部1102と、通信部1103と、コンテンツ処理部1104とを備えている。
【0130】
特異点検出部1101は、コンテンツ受信装置1100に供給される交流電圧波形に基づき、特異点を検出する。検出した特異点に関する情報を、特異点検出部1101は、時間情報生成部1102に出力する。
【0131】
時間情報生成部1102は、特異点検出部1101から入力される特異点情報に基づいて、受信側時間情報を生成する。また、生成した受信側時間情報を、通信部1103およびコンテンツ処理部1104に出力する。さらに、特異点検出部1101から入力される特異点情報を、特異点が検出された時の受信側時間情報と共に、図示しないデータバッファに一時的に記憶する。また、通信部1103から基準信号情報が入力されると、入力された基準信号情報に含まれる特異点の情報および送信側時間情報と、自身の記憶する特異点情報および受信側時間情報とを比較する。これにより、自身の管理する受信側時間情報を補正する。
【0132】
通信部1103は、コンテンツ処理部1104から入力される、コンテンツ配信システム110に含まれる他の装置に送信すべきコンテンツに対して、時間情報生成部1102から入力される送信側時間情報を付加する。さらに、当該送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ配信システム110に含まれる他の装置へ送信する。また、コンテンツ配信システム110に含まれるコンテンツ送信装置201から送信された、送信側時間情報付きコンテンツを受信し、当該受信した送信側時間情報付きコンテンツを、コンテンツ処理部1104に出力する。
【0133】
コンテンツ処理部1104は、コンテンツ配信システム110に含まれる他の装置に送信するコンテンツを、通信部1103に出力する。また、通信部1103が受信した、コンテンツ配信システム110に含まれるコンテンツ送信装置201によって送信された送信側時間情報付きコンテンツの入力を受ける。これにより、入力された送信側時間情報付きコンテンツに付加されている送信側時間情報と、時間情報生成部1102から入力される受信側時間情報との相関に基づき、入力されたコンテンツを処理する。
【0134】
コンテンツ受信装置1100が、受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正するときの手順について、図17を参照して説明する。
【0135】
図17は、本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置1100が、コンテンツ配信システム110に含まれるコンテンツ送信装置201から基準信号情報を受信し、当該受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【0136】
図17に示すように、まず、特異点検出部1101は、入力される交流電圧の波形から、特異点を検出したか否かを判定する(S1201)。特異点検出部1101は、特異点を検出した場合、当該検出した特異点に関する情報を、時間情報生成部1102に出力する。時間情報生成部1102は、入力された特異点情報を、その特異点が検出されたタイミングにおける受信側時間情報と共に、図示しないデータバッファに記憶する(S1202)。つぎに、通信部1103は、基準信号情報を受信したか否かを判定する(S1203)。ここで、通信部1103は、基準信号情報を受信すると、時間情報生成部1102に、当該受信した基準信号情報を出力する。
【0137】
時間情報生成部1102は、通信部1103から入力される基準信号情報に含まれる特異点情報と、自身が記憶している特異点情報とを比較し、互いに一致する特異点情報が存在するか否かを判定する(S1204)。ここで、時間情報生成部1102は、互いに一致する特異点を発見したとき、基準信号情報を送信したコンテンツ送信装置201が特異点を検出した時点における送信側時間情報と、自身が記憶している特異点を検出した時点における受信側時間情報とを比較する(S1205)。
【0138】
時間情報生成部1102は、送信側時間情報と受信側時間情報とを比較した結果、互いの時間情報に差がある場合は、その差が零になるように、自身の管理する受信側時間情報を補正する(S1206)。なお、例えば、時間情報生成部1102は、受信側時間情報を補正するとき、受信した基準信号情報に含まれる、コンテンツ送信装置201が送信側特異点を検出した時点における送信側時間情報で、自身の管理する受信側時間情報を上書きすすればよい。また、時間情報生成部1102は、受信側時間情報を一度に上書きするのではなく、送信側時間情報と受信側時間情報との差が、時間の経過とともに徐々になくなるように、受信側時間情報をカウントアップしたり、あるいはカウントダウンしたりしてもよい。さらには、自身が備えるローカルクロックの進み具合を調整すること、たとえばローカルクロックの進行速度をより速くしたりより遅くしたりすることによって、送信側時間情報と受信側時間情報との差を徐々に無くしてもよい。
【0139】
本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置1100が、受信した送信側時間情報付きコンテンツを処理する際の処理手順については、前述の第2の実施形態におけるコンテンツ受信装置305が実行する処理手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0140】
〔実施形態6〕
本発明の第6の実施形態について、図18および図19を参照にして以下に説明する。
【0141】
図18は、本発明の第1〜5の実施形態に係る各装置の外観例を示す図である。この図に示す装置は、コンピュータ本体1301、ディスプレイ装置1302、FD(Flexible Disk)1304が挿入されるFDドライブ1303、キーボード1305、マウス1306、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)1308が装着されるCD−ROM装置1307、およびネットワーク通信装置1309を備えている。
【0142】
この装置の機能を実現する同期処理プログラムは、FD1304またはCD−ROM1308等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を通じて、コンピュータ本体1301に供給される。この同期処理プログラムが、コンピュータ本体1301によって実行されることにより、上述した各実施形態におけるコンテンツの同期処理や時間情報の補正処理などが行われる。
【0143】
なお、前記同期処理については本発明の第1〜5の実施形態における各装置が実行する処理手順と同様であるため、説明を省略する。また、同期処理プログラムは、通信回線およびネットワーク通信装置1309を介して、他のコンピュータからコンピュータ本体1301に供給されてもよい。
【0144】
また、同期処理プログラムを格納するための記録媒体は、FD1304およびCD−ROM1308に限定されるものではなく、磁気テープ、MO(Magnetic Optical disk)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、IC(Integrated Circuit)カードなどであってもよい。
【0145】
図19は、本発明の第1〜5の実施形態に係る各装置の構成例を示すブロック図である。図19に示すコンピュータ本体1301は、CPU(Central Processing Unit)1401、ROM(Read Only Memory)1402、RAM(Random Access Memory)1403、およびハードディスク1404を備えている。
【0146】
CPU1401は、ディスプレイ装置1302、FDドライブ1303、キーボード1305、マウス1306、CD−ROM装置1307、ネットワーク通信装置1309、ROM1402、RAM1403、またはハードディスク1404との間で、データを入出力しながら処理を行う。
【0147】
FD1304またはCD−ROM1308に記録されている同期処理プログラムは、CPU1401により、FDドライブ1303またはCD−ROM装置1307を介して、ハードディスク1404に格納される。これにより、CPU1401は、ハードディスク1404から同期処理プログラムを適宜RAM1403にロードして実行することによって、上述した同期処理を行う。
【0148】
なお、この同期処理については、上述した第1〜5の実施形態における各装置が実行する処理と同様であるため、その説明を割愛する。
【0149】
本明細書に開示されている各実施形態は、あくまで、全ての点において、本発明の具体的構成をいくつか例示しているに過ぎない。したがって、これらの記載は、本発明を上述した各実施形態に制限するものではない。例えば、各実施形態では、コンテンツ送信装置からコンテンツ受信装置へ、無線や有線などの通信路を介してコンテンツが伝送されている。しかし、本発明に係るコンテンツ配信システムは、コンテンツ送信装置が、DVDなどの記録メディアにコンテンツを記録して提供し、コンテンツ受信装置は、そのコンテンツが記録された記録メディアから、提供されたコンテンツを読み出して処理する、といった構成であってもよい。
【0150】
また、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲に記載されている説明によって示される。すなわち、特許請求の範囲に記載されている事項と均等の意味のものや、特許請求の範囲内における変更は、全て、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0151】
たとえば、上述した各実施形態では、特異点検出部について、交流電源から入力される交流電圧の波形に存在する特異点を検出する例を説明した。しかし、特異点検出部はこの構成に限定されるものではなく、交流電源の波形に存在する特異点を検出するものであればよい。その意味では、特異点検出部は、交流電源から入力される電流の波形に存在する特異点を検出する構成であってもよいし、この構成に限定されることもない。
【0152】
また、本発明に係る装置は、他の装置から取得したストリームコンテンツの品質劣化を防ぐため、前記コンテンツを扱う複数の機器間で時間的な整合性を確保する機能を有する装置であって、前記装置は交流電源波形の特異点を検出する手段と、前記特異点の検出に基づいて時刻情報を生成する手段と、コンテンツに前記時刻情報を付与して他の同様の装置に送信する手段と、交流電源を共有する他の装置から時刻情報の付与されたコンテンツを受信した際には、自装置の時刻情報と前記コンテンツに付与された時刻情報との相関に基づいてコンテンツの再生、記録、編集の少なくとも一つの処理を行う手段とを、備える構成であってもよい。
【0153】
また、本発明に係る装置では、さらに、前記時刻情報に基づいて複数の機器間で時間的な整合性を確保するための基準信号情報を生成し交流電源を共有する他の装置へ送信する手段を備えることが好ましい。
【0154】
また、本発明に係る装置は、他の装置から取得したストリームコンテンツの品質劣化を防ぐため、前記コンテンツを扱う複数の機器間で時間的な整合性を確保する機能を有する装置であって、交流電源波形の特異点を検出し、前記特異点に基づいて時刻情報を生成し、前記時刻情報に基づいて複数の機器間で時間的な整合性を確保するための基準信号情報を生成して送信を行う他の装置から前記基準信号情報を受信する手段と、前記受信した基準信号情報に基づいて時刻情報を生成する手段と、コンテンツに前記時刻情報を付与して他の装置に送信する手段と、前記他の装置から時刻情報の付与されたコンテンツを受信した際には自装置の時刻情報と前記コンテンツに付与された時刻情報の相関に基づいてコンテンツの再生、記録、編集の少なくとも一つの処理を行う手段とを、備える構成であってもよい。
【0155】
また、本発明に係る装置では、前記交流電源波形の特異点は、交流波形のゼロクロス点であることが好ましい。
【0156】
また、本発明に係る装置では、前記交流電源波形の特異点は、交流波形のピーク値を示す点であることが好ましい。
【0157】
また、本発明に係る装置では、前記交流電源波形の特異点は、交流波形上に載ったノイズであることが好ましい。
【0158】
また、本発明に係るプログラムは、他の装置から取得したストリームコンテンツの品質劣化を防ぐため、前記コンテンツを扱う複数の機器間で時間的な整合性を確保するプログラムであって、前記プログラムは交流電源波形の特異点を検出するステップと、前記特異点の検出に基づいて時刻情報を生成するステップと、コンテンツに前記時刻情報を付与して他の装置に送信するステップと、交流電源を共有する他の装置から時刻情報の付与されたコンテンツを受信した際には自装置の時刻情報と前記コンテンツに付与された時刻情報との相関に基づいてコンテンツの再生、記録、編集の少なくとも一つの処理を行うステップで構成される、コンピュータを機能させるためのプログラムであってもよい。
【0159】
また、本発明に係るプログラムでは、さらに、前記時刻情報に基づいて複数の機器間で時間的な整合性を確保するための基準信号情報を生成し交流電源を共有する他の装置へ送信するステップで構成されることが好ましい。
【0160】
また、本発明に係るプログラムは、他の装置から取得したストリームコンテンツの品質劣化を防ぐため、前記コンテンツを扱う複数の機器間で時間的な整合性を確保するプログラムであって、交流電源波形の特異点を検出し、前記特異点に基づいて時刻情報を生成し、前記時刻情報に基づいて複数の機器間で時間的な整合性を確保するための基準信号情報を生成して送信を行う他の装置から前記基準信号情報を受信するステップと、前記基準信号情報の基づいて時刻情報を生成するステップと、コンテンツに前記時刻情報を付与して他の同様の装置に送信するステップと、前記他の装置から時刻情報の付与されたコンテンツを受信した際には自装置の時刻情報と前記コンテンツに付与された時刻情報の相関に基づいてコンテンツの再生、記録、編集の少なくとも一つの処理を行うステップで構成される、コンピュータを機能させるためのプログラムであってもよい。
【0161】
また、本発明に係る記録媒体は、少なくとも、上述したいずれかのコンピュータを機能させるためのプログラムの一つを記録したコンピュータが読取可能な記録媒体であってもよい。
【0162】
本発明によれば、ソース元となる機器の違いから生じるコンテンツ伝送の品質劣化を防ぎ、高品質なコンテンツ伝送サービスを提供することが可能となる。また、本発明の別の効果によれば、複数の機器が容易に同じ時刻情報を共有することができるため、複数の機器で同時にコンテンツを再生したりすることが可能となる。例えば、5.1chサラウンドシステムの各スピーカーに対してコンテンツデータを別々に伝送した場合でも、各スピーカーからのズレなく音声コンテンツデータを再生することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、他の装置との間でコンテンツを同期処理するコンテンツ処理装置として利用できる。したがって、たとえば、5.1チャンネルサラウンドシステムに含まれるスピーカーなどとして、本発明を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ送信装置およびコンテンツ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る、本発明の同期処理技術を利用した5.1チャンネルサラウンドシステムの全体構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ送信装置およびコンテンツ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ送信装置が、送信側時間情報付きコンテンツをコンテンツ受信装置へ送信する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ受信装置が、コンテンツ配信システムに含まれるコンテンツ送信装置から送信された送信側時間情報付きコンテンツを受信し、当該受信した送信側時間情報付きコンテンツを処理する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置が、コンテンツ配信システムに含まれる他の装置にビーコンなどの制御信号を基準信号情報として送信する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る基準信号情報送信装置が、コンテンツ配信システムに含まれる他の装置に、基準信号情報として時間的な情報を含むデータフレームや制御フレームなどを送信する際の処理手順の別の例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るコンテンツ受信装置が、コンテンツ配信システムに含まれるコンテンツ送信装置201から送信された基準信号情報を受信することによって当該受信した基準信号情報に基づき自身の管理する受信側時間情報を補正する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第5の実施形態に係るコンテンツ受信装置が、コンテンツ配信システムに含まれるコンテンツ送信装置から基準信号情報を受信し、当該受信した基準信号情報に基づき、自身の管理する受信側時間情報を補正する際の処理手順を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の第1〜5の実施形態に係る各装置の外観例を示す図である。
【図19】本発明の第1〜5の実施形態に係る各装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0165】
1 サラウンドシステム
20 コンテンツ配信システム
30 コンテンツ配信システム
60 コンテンツ配信システム
90 コンテンツ配信システム
101 交流電源
102 ビデオサーバ
103 テレビ
104 センタースピーカー
105 フロントスピーカー
106 リアスピーカー
107 サブウーファー
108 ユーザ
110 コンテンツ配信システム
201 交流電源
202 コンテンツ送信装置(コンテンツ処理装置)
203 コンテンツ受信装置(コンテンツ処理装置)
204 特異点検出部(特異点検出手段)
205 時間情報生成部(時間情報生成手段)
206 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
207 通信部(送信手段)
208 基準信号情報処理部(基準信号情報生成手段)
209 特異点検出部(特異点検出手段)
210 時間情報生成部(時間情報生成手段)
211 通信部(受信手段)
212 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
213 基準信号情報処理部(基準信号情報生成手段)
300 コンテンツ送信装置(コンテンツ処理装置)
301 特異点検出部(特異点検出手段)
302 時間情報生成部(時間情報生成手段)
303 通信部(送信手段)
304 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
305 コンテンツ受信装置(コンテンツ処理装置)
306 特異点検出部(特異点検出手段)
307 時間情報生成部(時間情報生成手段)
308 通信部(受信手段)
309 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
600 基準信号情報送信装置
601 特異点検出部(特異点検出手段)
602 時間情報生成部(時間情報生成手段)
603 通信部(基準信号情報送信手段)
604 基準信号情報処理部(基準信号情報生成手段)
900 コンテンツ受信装置(コンテンツ処理装置)
901 通信部(受信手段)
902 時間情報生成部(時間情報生成手段)
903 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
1100 コンテンツ受信装置(コンテンツ処理装置)
1101 特異点検出部(特異点検出手段)
1102 時間情報生成部(時間情報生成手段)
1103 通信部(受信手段)
1104 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
1301 コンピュータ本体
1302 ディスプレイ装置
1303 FDドライブ
1304 FD
1305 キーボード
1306 マウス
1307 CD−ROM装置
1308 CD−ROM
1309 ネットワーク通信装置
1401 CPU
1402 ROM
1403 RAM
1404 ハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置と共に所定の交流電源を共有し、送信または受信する所定のコンテンツを処理するコンテンツ処理装置であって、
前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、
前記特異点情報に基づいて、前記コンテンツを処理する際に参照される時間情報を生成する時間情報生成手段と、
前記コンテンツと、前記時間情報とを関連づけて、前記他の装置に送信する送信手段と、
前記交流電源を共有する他の装置から送信される前記コンテンツと、前記送信されるコンテンツに関連づけられている前記時間情報とを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツに関連づけられている前記時間情報と、前記時間情報生成手段によって生成された前記時間情報との相関に基づいて、前記コンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項2】
前記時間情報に基づいて、前記時間情報を補正するための基準信号情報を生成する基準信号情報生成手段と、
前記基準信号情報を、前記他の装置に送信する基準信号情報送信手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項3】
所定の交流電源の波形に存在する特異点を検出して特異点情報を生成し、当該特異点情報に基づいて時間情報を生成し、当該時間情報に基づいて、前記時間情報を補正するための基準信号情報を生成して送信する基準信号情報送信装置から送信された前記基準信号情報を受信する基準信号情報受信手段と、
前記受信した基準信号情報に基づいて、時間情報を生成する手段と、
所定のコンテンツと、前記時間情報とを関連づけて、他のコンテンツ処理装置に送信する送信手段と、
前記他のコンテンツ処理装置から送信されるコンテンツと、このコンテンツに関連づけられている時間情報とを受信するコンテンツ受信手段と、
前記受信したコンテンツに関連づけられている前記時間情報と、前記時間情報生成手段によって生成された前記時間情報との相関に基づいて、前記受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツ処理手段は、前記受信したコンテンツの再生、記録、および編集の少なくともいずれかを実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項5】
前記交流電源の波形に存在する特異点は、前記波形のゼロクロス点であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項6】
前記交流電源の波形に存在する特異点は、前記波形のピーク点であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
【請求項7】
前記交流電源の波形に存在する特異点は、前記波形に載っている特徴的なノイズであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置を動作させるコンテンツ同期処理プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのコンテンツ同期処理プログラム。
【請求項9】
所定のコンテンツ受信装置と共に所定の交流電源を共有し、所定のコンテンツを前記コンテンツ受信装置に送信するコンテンツ送信装置であって、
前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、
前記特異点情報に基づき、前記コンテンツを処理する際に参照される送信側時間情報を生成する時間情報生成手段と、
前記コンテンツと、前記送信側時間情報とを関連づけて、前記コンテンツ受信装置に送信する送信手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ送信装置。
【請求項10】
所定のコンテンツ送信装置と共に所定の交流電源を共有し、前記コンテンツ送信装置によって送信されたコンテンツを受信し処理するコンテンツ受信装置であって、
前記交流電源の波形に存在する特異点を検出し、当該検出した特異点に関する特異点情報を生成する特異点検出手段と、
前記特異点情報に基づき、前記コンテンツを処理する際に参照される受信側時間情報を生成する時間情報生成手段と、
前記コンテンツ送信装置によって送信される前記コンテンツと、前記送信されるコンテンツに関連づけられている送信側時間情報とを受信する受信手段と、
前記受信したコンテンツに関連づけられている前記送信側時間情報と、前記特異点検出手段によって生成された前記受信側時間情報との相関に基づいて、前記受信したコンテンツを処理するコンテンツ処理手段とを備えていることを特徴とするコンテンツ受信装置。
【請求項11】
請求項9に記載のコンテンツ送信装置と、請求項10に記載のコンテンツ受信装置とを含んでいることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項12】
請求項9に記載のコンテンツ送信装置を動作させるコンテンツ同期処理プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのコンテンツ同期処理プログラム。
【請求項13】
請求項10に記載のコンテンツ受信装置を動作させるコンテンツ同期処理プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのコンテンツ同期処理プログラム。
【請求項14】
請求項8、12、および13のいずれか1項に記載のコンテンツ同期処理プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−246188(P2006−246188A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60920(P2005−60920)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】