説明

コンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム

【課題】通信ネットワークを介してウェブサイトにおいて、社会の現実を踏まえながら、前向きに若者が独力で将来を設計できるように支援することを目的とする。
【解決手段】通信ネットワークを介してウェブサイトにて提供するシステムであり、働くこと・人とかかわる様々な出会いの場の情報とそのアクセスの仕方、職業観・勤労観を育む情報の提供などアドバイス・支援を行い、大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成し、サポートする。また、このシステムは、若者が前記ウェブサイトを利用した際の前後の心理状態、コンテンツの利用履歴などの情報をデータベースに蓄積し、そのデータに基づいて、若者の心理状態を常に良い方向へと導くように提供するコンテンツを制御する手段を備えるように構成される。この結果、若者が独力で将来を設計できるよう、様々な支援情報などのコンテンツを、若者の心理状態に応じて、適切に提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援方法、および学習支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して、将来に対する様々な情報を、利用者に配信するウェブサイトは広く普及されてきている。大学情報や企業情報、適性検査など充実した情報を利用者に提供しようとする場合、ホームページを構成するコンテンツの量の増加は避けられない。
【0003】
一般に、コンテンツ量の多いホームページは、利用者が知りたい情報がどこにあるのかを分かりにくくしてしまい、結果として、本当に求めている情報にたどり着けなくすることがある。ウェブサイトの検索フォームを設けたり、メニューを設けたりすることによって、利用者をそれぞれの情報に誘導しているが、たどり着けたとしても、その情報が利用者に将来に対して前向きに動機付けできるとは限らない。
【0004】
また従来の教育においては、利用者の心理状態を誘導することは、先生や教育者の経験則に基づいてなされるのが一般的である。したがって、どのような場合に、どのような経路で、利用者の心理状態に変化を促すかは、先生や教育者の資質、力量に求められるため、利用者へ将来に対して前向きに動機付けできるように対応することは、一般的な方法論として確立しにくい状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のウェブサイトにおける情報誘導は、基本的に利用者が主体となるものであった。このため、利用者は、目的とする情報に関連する用語またはキーワードを予め知っておく必要があった。さらに、知りたい情報を利用者自身が漠然としか把握していない場合、このような情報誘導手段を効果的に使用することはできなかった。
【0006】
従来、個々の利用者のウェブサイト利用履歴からニーズが分析されてきた。このような利用者のサイト利用履歴に、ウェブサイトを利用する前後の心理状態の情報を加え分析すれば、その分析結果から利用者へ適切な情報を予測して個々の生徒や若者ごとに対応することができる。
【0007】
本発明は、利用者が独力で将来を設計できるように、利用できる様々な支援情報などのコンテンツを制御し、利用者の心理状態に応じて、適切に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、利用者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供する将来設計学習支援システムであって、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計学習教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、前記2つのデータベースの各情報に基づいて若者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を制御する処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記処理手段は、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新手段と、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断手段による判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更する手段と、を備えることが好ましい。
【0010】
前記プロセス判断手段は、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断する手段を有することを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有してもよい。
【0011】
前記プロセス判断手段は、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断する手段を有してもよい。
【0012】
前記プロセス判断手段は、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断する手段を有してもよい。
【0013】
本発明は、別の側面において、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、利用者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供するとともに、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、を備えた将来設計学習支援システムで用いる処理方法であって、前記2つのデータベースの各情報に基づいて利用者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を動的に制御するステップを有することを特徴とする。
【0014】
前記コンテンツの提供を動的に制御するステップは、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新ステップと、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断ステップによる判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更するステップと、を備えることが好ましい。
【0015】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有してもよい。
【0016】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断するステップを有してもよい。
【0017】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断するステップを有してもよい。
【0018】
本発明は、さらに別の側面において、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、利用者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供するとともに、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計学習教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、を備えた将来設計学習支援システムで用いる処理プログラムであって、前記2つのデータベースの各情報に基づいて利用者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を動的に制御するステップを実行させるものである。
【0019】
前記コンテンツの提供を動的に制御するステップは、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新ステップと、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断ステップによる判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更するステップと、を有することが好ましい。
【0020】
コンテンツの提供を動的に制御するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。
【0021】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有してもよい。
【0022】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断するステップを有してもよい。
【0023】
前記コンテンツの提供を判断するステップは、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断するステップを有してもよい。
【0024】
このような構成によれば、利用者毎に提供するコンテンツを、将来設計学習中に若者にとって最適な状態に更新・維持し、制御することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータ化されたコンテンツを、利用者の心理状態に応じて好適に制御することができる、コンテンツ提供の制御機能を有する処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0026】
本発明によれば、利用者に必要性の高いと予想されるコンテンツの情報を提供することにより、利用者の心理状態を夢や希望を持ち、前向きに行動する傾向へと導くことができる、コンテンツ提供の制御機能を有する処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0027】
本発明によれば、利用者に必要性の高いと予想されるコンテンツの情報を提供することにより、利用者によるコンテンツ選別を支援することができる、コンテンツ提供の制御機能を有する処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0028】
本発明によれば、利用者毎に見た方が良いコンテンツを差別化して提示することができる、コンテンツ提供の制御機能を有する処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0029】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係るコンテンツ利用の制御機能を有する将来設計学習支援システムで用いるサーバ装置、その処理プログラム、及びその処理方法の実施の形態を添付図面を参照に説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る将来設計学習支援システムの全体構成を説明するものである。図1に示す将来設計学習支援システムは、利用者の教育を行う事業者側に置かれるサーバ装置としての将来設計学習サーバ1と、利用者の将来設計学習で使用されるクライアント装置としての将来設計学習用クライアント2とを備える。将来設計学習サーバ1及び将来設計用クライアント2の間は、インターネットやイントラネット等の通信ネットワーク3を介して例えばTCP/IPに代表される通信プロトコルに基づいて互いに通信可能な状態に接続される。
【0032】
この内、将来設計学習用クライアント2は、本実施形態では既知のウェブプラウザ機能を有するPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置が適用される。なお、PCに限らず、この将来設計学習用クライアント2には、少なくとも通信ネットワーク3上のウェブサーバとの間でHTTPやXML等の所定のページ記述言語で作成されたウェブ情報(文字、静止画、動画像、音声等で構成)をやり取りするウェブプラウザ機能を有する情報処理装置であれば、いずれのコンピュータマシンでも適用可能で、例えばPDA、携帯電話、PHSでも構わない。
【0033】
将来設計学習サーバ1は、少なくとも通信ネットワーク3上のウェブサーバとして機能する情報処理装置であれば、専用機及び汎用機のいずれのコンピュータマシンも適用可能で、その台数は1台でも複数台でも構わない。この将来設計学習サーバは、ハードウェア構成上、その一例として、図示しない内部バスに接続されたCPU、メモリ(ROM/RAM)、及び周辺機器接続用のI/O等から構成される。周辺機器には、磁気ディスク(ハードディスク等)等の記録媒体に対する読み出し/書き込みのアクセスを実行するディスク駆動装置や、LANカード等の通信I/F(インターフェース)等が含まれ、通信I/Fが図示しないルータ等の通信装置を介して通信ネットワーク3に接続される。
【0034】
この将来設計学習サーバ1は、上記のCPUの処理により実行されるソフトウェア(プログラム及びデータ)の構成上、その一例として、例えば所定のOS(オペレーションシステム)及びそのOS上で動作するアプリケーション・ソフトウェア等が、上記ROMや磁気ディスク等の記録媒体に実装されている。
【0035】
上記アプリケーション・ソフトウェアには、周辺機器用ドライバ、TCP/IPに代表される通信プロトコル、ウェブサーバ用ソフトウェア、及びデータベース管理システム等の既知のソフトウェアのほか、利用者へ提供する将来設計学習に関する情報の制御を総合的に管理するための将来設計学習支援プログラム(本発明のサーバ装置の処理プログラムを成す)11と、この将来設計学習支援プログラム11の処理で使用される将来設計教材DB(本発明の将来設計教材データベースの一例を成す)及び利用者DB(本発明の利用者データベースの一例を成す)13が含まれる。
【0036】
将来設計サーバ1は、ウェブサイトを提供するウェブサーバを示している。将来設計サーバ1には、ユーザID及びパスワードを必要とすることなく誰でも閲覧することができるページと、予めユーザID及びパスワードを登録しておき、このユーザID及びパスワードの認証を経て閲覧することができるページとが設けられている。
【0037】
ユーザID及びパスワードを登録する際には、利用者は、ウェブサイト上の入会フォームに、所属、団体名、生徒番号、氏名、ニックネーム、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、携帯アドレスなどの項目を記入して送信する。将来設計サーバ1のCGIプログラムは、送信されてきた入会フォームを点検し、必須記入項目が記入されていれば登録を認可し、ユーザIDおよびパスワードを利用者DB13に格納する。
【0038】
ここで、将来設計サーバ1が実行する将来設計学習支援プログラム11の処理内容、及びその処理対象の将来設計教材DB12及び利用者DBの構成内容を図1及び図2に基づいて説明する。
(将来設計学習支援プログラム)
将来設計学習支援プログラム11は、図1に示すように、将来設計学習クライアント2との間で必要な情報のやり取りを将来設計学習1サーバに実行させ、これにより、以下のような利用者による将来設計学習の管理及びその支援のための機能を有する。
【0039】
1)将来設計学習の開始時におけるログオン処理では、利用者DB13の認証情報を参照して、利用者の認証を行う機能を有する(利用者の認証機能)。
【0040】
2)将来設計学習中の状態では、利用者に対し所定のコンテンツデータを提供し、将来設計学習の進捗状況を管理する機能を有する(コンテンツ管理機能)。
【0041】
3)アンケートなどの実施時には、その回答結果を将来設計学習結果として、利用者DB13に記録及び更新する機能を有する(利用者DBの更新機能)。
【0042】
4)利用者の将来設計学習状況、心理状態を特定の条件に基づき判断し、提供する将来設計学習のコンテンツ利用の制御する機能を有する(コンテンツ提供制御機能)。
【0043】
(将来設計学習教材DB)
将来設計学習教材DBは、図2に示すように、そのデータレコード構成の一例として、キーとして使用される「単位(将来設計学習コンテンツの単位)」121と、そのキーにより検索・特定可能なデータとしての「コンテンツデータ」122から構成される。
【0044】
また、コンテンツデータ122には、「単位」121の内容である将来設計学習資料、アンケート、テスト、及び解答が含まれ、いずれも文字、静止画像、動画、音声等の情報から構成される。この将来設計教材DBを利用することにより、「単位」121をキーにして、これに対応する「コンテンツデータ」122を読み出すことができる。
【0045】
利用者DB13は、図2及び図3に示すように、利用者に関する情報を基本となるデータベースであり、「利用者認証情報」131、「将来設計学習状況」132、及び「プロセス管理情報」133の各データベースに大別される。以下、各情報内容毎に説明する。
【0046】
(利用者認証情報)
「利用者認証情報」131は、図2に示すように、そのデータレコード構成の一例として、キーとして利用される「ユーザID」1311及びその認証用の「パスワード」1312と、そのキーにより検索・特定可能なデータとしての利用者登録情報1313及び1314から構成される。
【0047】
このユーザDB13内の「利用者認証情報」131を利用することにより、「ユーザID」1311及び「パスワード」1312をキーにして、これに対応する利用者登録情報1313及び1314のデータを取得することができる。
【0048】
(将来設計学習状況情報)
「将来設計学習状況情報」132は、図2に示すように、そのデータレコード構成の一例として、キーとして利用される「ユーザID」1321と、このキーにより検索・特定可能な「単位終了結果」1322、「アンケート結果」1323、「単位終了履歴判断条件」1324、「アンケート判断条件」1325、「プロセス判断条件」1326とから構成される。
【0049】
この利用者DB13内「将来設計学習状況情報」132を利用すると、「ユーザID」1321をキーに、前記構成データ1322〜1326を取得することができる。
【0050】
前記構成データのうち、「単位終了結果」1322には、各コンテンツの将来設計学習終了結果が格納される。「アンケート結果」1323には、利用前後のアンケートの回答内容が、「単位終了履歴判断条件」1324、「アンケート判断条件」、1325及び「プロセス判断条件」1326には、提供するコンテンツの利用の制御を判断するための判断条件が格納される。
【0051】
(プロセス管理情報)
「プロセス管理情報」133は、図3に示すように、そのデータレコード構成の一例として、「プロセス評価表」1331を用いて、検索が容易となる形式で各コンテンツ利用のプロセスに関する評価情報を管理している。
【0052】
図3に示した例では、A、B、Cというコンテンツ毎に行と列が設けられ、行はn回目のコンテンツ利用、列はn+1回目のコンテンツ利用を表す。例えば図3において、行Aと列Bが交わる箇所はコンテンツAからコンテンツBへとコンテンツを利用したプロセスを意味する。
【0053】
また交わる箇所の各値は予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに算出された評価を表す。例えば行Aと列Bが交わる箇所の値が3の場合、コンテンツAからコンテンツBへとコンテンツを利用したプロセスに対する評価が3であることを意味する。
【0054】
またこの「プロセス評価表」には、心理状態レベル毎に各表が設けられる。例えば図3において示される心理状態レベルlev1とは現在将来に対して夢や目標を持っていない心理状態を示し、心理状態レベルlev5では夢や目標を持っている状態を示す。心理状態レベルlev1での行Aと列Bが交わる箇所の値が3の場合は、現在将来に対して夢や目標を持っていない状態でコンテンツAからコンテンツBを利用したプロセスに対する評価が3であることを意味する。
【0055】
さらにこの「プロセス評価表」は、「アンケート結果」1323をもとに、予め設定された基準に基づいて各評価値を更新する。この評価値の更新により、常に利用者の意見を反映するシステムとなる。
【0056】
以上のように、将来設計学習サーバ1は、本実施形態では、将来設計学習支援プログラム11、将来設計学習教材DB12、及び利用者DB13を格納する情報処理装置として、将来設計学習用クライアント2からのアクセスが発生した場合、将来設計学習支援プログラム11を実行することにより、そのアクセス要求を受け取り、その要求に応じて、後述する処理を実行する。
【0057】
この処理には、例えば、利用者DB13を参照して利用者の認証を行い、将来設計学習支援システムに関するウェブ情報を成す所定形式の各種画面(ログオン画面、将来設計学習メニュー画面、将来設計学習コンテンツ画面、将来設計学習終了画面等)や将来設計学習教材DB12の各将来設計教材内容を成すコンテンツデータを提供したり、将来設計学習コンテンツの提供を制御したり、利用者DB13を更新したりする処理が含まれる。
【0058】
これに対し、将来設計学習用クライアント2は、本実施形態では、利用者が将来設計学習を行うための情報処理装置として、そのウェブブラウザの機能を使用し将来設計学習用画面を表示し、これにより、不特定多数の利用者による将来設計学習を可能とする。
【0059】
この将来設計学習用クライアント2を用いた若者による将来設計学習は、通信ネットワーク3を介して将来設計学習サーバ1にアクセスすることで実施される。このアクセスにより、将来設計学習サーバ1から、上記の将来設計学習支援システムに関する各種画面がウェブ情報として将来設計学習用クライアント2側に送られ、その画面上に表示され、これによりユーザに提供される。これらの各画面で入力された情報は、将来設計学習用クライアント2から将来設計学習サーバ1に送信され、その将来設計学習支援プログラム11による処理対象となる。
【0060】
(本実施形態の全体動作)
次に、本実施形態の全体動作を図1〜図5を参照して詳細に説明する。
【0061】
図4は、本実施形態の将来設計学習支援システムによる将来設計学習フローを示す。図4において、まず、将来設計学習支援システムによる将来設計学習の開始に際し、利用者の操作により将来設計学習用クライアント2から通信ネットワーク3経由で将来設計学習サーバ1にアクセスされ、ログオンが行われる(ステップA1)。
【0062】
このログオンは、将来設計学習クライアント2に表示された所定のログオン画面上に、「ユーザID」1311及びその「パスワード」1312を入力することで行われる。このログオン画面上で入力された情報は、将来設計学習教材サーバ2の将来設計学習支援プログラム11実行処理により、利用者DB13の「利用者認証情報」131内の利用者の「ユーザID」1311及び「パスワード」1312と比較され、正しいと判断された場合、ログインを許可し、利用者登録情報1313及び1314が取得される。一方、この認証情報が一致しない場合、エラーを示すメッセージが将来設計学習用クライアント2に返信され、処理が終了する。
【0063】
上記利用者の認証情報が一致し、「利用者認証情報」131が得られると、将来設計学習支援プログラム11は、得られた「利用者認証情報」131を確認し、将来設計学習DBに格納されている将来設計学習支援プログラム11を実行する。またログインした際に現在の心理状態のアンケート表を将来設計学習クライアント画面に表示する(ステップA2)。
【0064】
利用者がアンケート表に記入し、アンケート結果が得られると、その情報が将来設計学習サーバ1側に送られる。これにより、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行することにより、「ユーザID」1321をキーにして、「将来設計学習状況情報」132に将来設計学習状況のデータレコードを作成する。
【0065】
次に、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行することにより、将来設計学習用クライアント2側に将来設計学習メニューであるコンテンツ選択画面の情報を送り、その将来設計学習コンテンツ選択画面を表示させる(ステップA3)。
【0066】
上記にて、利用者により将来設計学習コンテンツ選択画面上でコンテンツが選択されると、その情報が将来設計学習サーバ1に送られる。これにより将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行して、将来設計学習教材DB12から「コンテンツデータ」122を取得し、その将来設計学習コンテンツを将来設計学習用クライアント2に送信する(ステップA4)。
【0067】
これにより、提供された将来設計学習コンテンツに従って、利用者により学習やテスト等が行われる(ステップA5)。この学習後、コンテンツに含まれる終了用メニュー(次のコンテンツへと進むためのメニューボタン等)が選択されると、その情報が将来設計学習サーバ1に送られる。これにより、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行して、利用者DB13のデータ更新を行う(ステップA6)。
【0068】
このデータ更新に際し、まず、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行して、「ユーザID」1321をキーとして、利用者DB13の「将来設計学習状況情報」132にアクセスし、単位終了結果1322を更新する。
【0069】
また、コンテンツに含まれる終了メニューが選択された際に、コンテンツ利用結果アンケートが表示される。アンケートが回収された場合、同じキーにより「アンケート結果」1323にその回答データを格納し、更新する。
【0070】
さらに、アンケート結果の回答データをもとに、「プロセス管理情報」133のプロセス評価表1331の評価値の再設定を行い、その評価値を更新する。
【0071】
続いて、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行して、コンテンツ提供の制御を行う(ステップA7)。このコンテンツ利用の制御機能の処理フローを図5に示す。図5において、将来設計学習サーバ1が将来設計学習支援プログラム11を実行することにより、ステップB1〜B5の処理が行なわれる。
【0072】
まず、利用者DB13の「将来設計学習状況情報」132が参照され、「ユーザID」1321をキーにして、「単位終了結果」1322、「アンケート結果」1323がチェックされ、コンテンツ利用の制御条件が取得される(ステップB1)。
【0073】
このコンテンツ利用の制御条件には、前述した「単位終了履歴判断条件」1324、「アンケート結果判断条件」1325、及び「プロセス判断条件」1326が含まれる。この各判断条件1324〜1326には、予め設定された条件式が格納される。この各条件式には、比較対象とする将来設計学習結果(「単位終了結果」1322及び「アンケート結果」1323)、プロセス管理情報133をもとに各コンテンツの利用を制御するか否かの判断可能な条件が設定されている。
【0074】
次いで、上記条件式によって示される比較対象の将来設計学習結果(「単位終了結果」1322、「アンケート結果」1323)が、「将来設計学習状況情報」132の該当データレコードから取得される(ステップB2)。
【0075】
このコンテンツ利用の制御判断に際し、例えば1)「単位終了履歴判断条件」1324の場合には、将来設計学習結果として「単位終了結果」1322が参照され、その単位終了結果を元に予め設定された判断式に基づき各コンテンツの利用を制御するか否かが評価される。また、2)「アンケート結果判断条件」1325の場合には、将来設計学習結果として「アンケート結果」1323が参照され、そのアンケート結果を元に予め設定された判断式に基づき各コンテンツの利用を制御するか否かが評価される。さらに、3)「プロセス判断条件」1326の場合、ログインした際の心理状態のアンケート結果と将来設計学習結果として「アンケート結果」1323が参照され、プロセス管理情報133の「プロセス評価表」1331より、予め設定された判断式に基づき各コンテンツの利用を制御するか否かが評価される。
【0076】
上記全ての判断条件1324〜1326の各判断式と、将来設計学習結果(単位終了結果、アンケート結果)とを用いた評価の結果、コンテンツ利用の制御が自動的に行なわれる(ステップB3)。
【0077】
上記コンテンツ利用の制御の処理が終了すると、前述した図4に示す将来設計学習フローのステップA3の処理(将来設計学習メニュー表示)に戻り、上記と同様の処理が繰り返し実行される。
【0078】
ここで図4に示す将来設計学習フローの説明に戻り、将来設計学習支援プログラムを終了する場合には、ステップA3の処理(将来設計学習メニュー表示)にて、将来設計学習用クライアント2に表示される将来設計学習メニュー画面から、利用者の操作により、将来設計支援プログラム11の終了項目が選択される。この情報は、教材サーバ1側に送られる。
【0079】
上記操作が終了すると、将来設計学習サーバ1は、将来設計学習支援プログラム11を実行することにより、将来設計学習用クライアント2に対し利用者向けの将来設計学習支援システム終了のメッセージを送信し、これにより将来設計学習支援システムは終了となる(ステップA8)。
【0080】
従って、本実施形態によれば、利用者の将来設計学習状況に関する情報を総合的に管理するための将来設計学習支援プログラムを将来設計学習サーバが実行することにより、将来設計学習教材DB、利用者DBに格納される将来設計学習状況情報やプロセス管理情報を更新すると共に、これらの情報を基に動的に利用者へのコンテンツ提供の制御をする将来設計学習支援システムを提供できる。
【0081】
なお、本発明は、代表的に例示した上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することができる。これらの変更例や変形例も本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施形態に係る将来設計学習支援システムの全体構成を示す概略ブロック図。
【図2】将来設計学習教材DB及び利用者DBのデータベース内容を説明する図。
【図3】利用者DBのプロセス管理情報内容を説明する概略フローチャート。
【図4】将来設計学習支援システムによる将来設計学習フローを説明する概略フローチャート。
【図5】支援プログラムによるコンテンツ利用の制御処理フローを説明する概略フローチャート。
【符号の説明】
【0083】
1 将来設計学習サーバ
2 将来設計学習用クライアント
3 通信ネットワーク
11 将来設計学習支援プログラム
12 将来設計学習教材DB
13 利用者DB
131 利用者認証情報
132 将来設計学習状況情報
133 プロセス管理情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に働くこと・人とかかわることの意欲・関心の高揚と、夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え、社会の現実を踏まえながら、前向きに生徒や若者が独力で将来を設計できるように支援するために、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、利用者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供する将来設計学習支援システムであって、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計学習教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、前記2つのデータベースの各情報に基づいて若者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を制御する処理手段と、を備えたことを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、前記処理手段は、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新手段と、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断手段による判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更する手段と、を備えたことを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、前記プロセス判断手段は、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断する手段を有することを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム。
【請求項4】
請求項2記載のシステムにおいて、前記プロセス判断手段は、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断する手段を有することを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム。
【請求項5】
請求項2記載のシステムにおいて、前記プロセス判断手段は、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断する手段を有することを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する将来設計学習支援システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、利用者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供するとともに、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計学習教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、を備えた将来設計学習支援システムで用いる処理方法であって、前記2つのデータベースの各情報に基づいて若者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を動的に制御するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、前記コンテンツの提供を動的に制御するステップは、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新ステップと、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断ステップによる判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更するステップと、を備えたことを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する処理方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記コンテンツの提供を判断するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、前記コンテンツの提供を判断するステップは、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、前記コンテンツの提供を判断するステップは、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理方法。
【請求項11】
請求項1記載のシステムにおいて、利用者が大人としての生活や職業生活への夢と希望を育成するために必要とされる様々なデータを格納し、そのデータをウェブ情報として、通信ネットワークを介して、若者により使用される将来設計学習用のクライアント装置に提供するとともに、将来設計学習に関するコンテンツデータを格納する将来設計学習教材データベースと、少なくとも利用者毎の将来設計学習状況に応じたコンテンツの利用履歴情報、将来設計学習を利用する前後の心理状態を更新可能に格納する利用者データベースと、を備えた将来設計学習支援システムで用いる処理プログラムであって、前記2つのデータベースの各情報に基づいて若者の将来設計学習状況、心理状態に応じて、利用者の心理状態を常に良い傾向へと導くようにコンテンツの提供を動的に制御するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムにおいて、前記コンテンツの提供を動的に制御するステップは、コンテンツが利用される毎に前記利用者データベースの各情報を更新するデータ更新ステップと、データ更新手段により更新された内容に基づいてプロセス判断ステップによる判断結果をもとに提供するコンテンツを動的に変更するステップと、を備えたことを特徴とするコンテンツ提供の制御機能を有する処理プログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムにおいて、コンテンツの提供を動的に制御するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。
【請求項14】
請求項12記載のプログラムにおいて、前記コンテンツの提供を判断するステップは、予め設定されたコンテンツ利用結果を基準とした条件をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。
【請求項15】
請求項12記載のプログラムにおいて、前記コンテンツの提供を判断するステップは、過去に利用したコンテンツ利用履歴情報をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。
【請求項16】
請求項12記載のプログラムにおいて、前記コンテンツの提供を判断するステップは、コンテンツを利用する前後の心理状態をもとに判断するステップを有することを特徴とする将来設計学習支援システムで用いる処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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