説明

コンテンツ権利移譲システム、および方法

【課題】端末が通信を開始したことを契機とした、コンテンツの権利移譲を可能とすること。
【解決手段】端末10は、権利移譲サーバ30と電子機器20とに、情報を送信する。電子機器20は、受信した情報を権利移譲サーバ30に送信し、権利移譲サーバ30からコンテンツをダウンロードする。権利移譲サーバ30は、電子機器20から受信した情報がユーザ情報管理サーバ40に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定された場合に、コンテンツを利用する権利を管理する貸出情報記憶部を更新する。また、権利移譲サーバ30は、電子機器20から受信した情報に基づいてコンテンツサーバ50からコンテンツを取得し、電子機器20に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ権利移譲システム、および方法であって、特に、端末が通信を開始したことを契機として、コンテンツの権利を移譲するコンテンツ権利移譲システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、書籍、音楽、動画などのコンテンツがデジタル化され流通するようになったことにより、ユーザは簡単にコンテンツを取得し、楽しむことができるようになった。しかし、このようにコンテンツを簡単に取得し、利用できるようになった半面、コンテンツが不正にコピーされ、不正にコピーされたコンテンツが流通しているといった問題点があった。
【0003】
そこで、上記問題点を解消するシステムとして、デジタル化された書籍などのコンテンツが記録された図書館サーバと、コンテンツの貸出依頼があったときに、貸出期限情報を含む時限鍵を生成し、コンテンツを時限鍵で暗号化し、時限鍵によって暗号化されたコンテンツと時限鍵とを共に秘密鍵で暗号化する暗号鍵生成装置と、暗号鍵生成装置から出力された暗号化信号が記録される記録媒体と、記録媒体に記録された暗号化情報を復号化し、コンテンツを閲覧可能とする閲覧装置とを備える時間期限付き貸与システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−025438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたシステムでは、コンテンツを貸与することはできるが、コンテンツを利用する権利を移譲することや、コンテンツを利用する権利を管理することはできないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1に開示されたシステムでは、コンテンツを他のユーザに貸す(又貸しする)といった、ユーザ同士におけるコンテンツの交換ができないため、コンテンツの流通拡大を妨げるといった問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、端末が通信を開始したことを契機とした、コンテンツの権利移譲を可能とする権利移譲システム、および方法を提供することを目的とする。また、ユーザ同士のコンテンツの権利移譲を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1) 本発明は、ユーザが利用し、情報を送受信する端末(例えば、図1の端末10に相当)と、前記ユーザが利用し、コンテンツをダウンロードする電子機器(例えば、図1の電子機器20に相当)と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ(例えば、図1の権利移譲サーバ30に相当)と、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバ(例えば、図1のユーザ情報管理サーバ40に相当)と、コンテンツとコンテンツIDとを対応付けて記憶するコンテンツサーバ(例えば、図1のコンテンツサーバ50に相当)と、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、前記端末は、コンテンツIDおよび自己の端末情報を、前記権利移譲サーバと前記電子機器とに送信する第1の送信手段を備え、前記電子機器は、受信したコンテンツID、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、前記権利移譲サーバから前記コンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、を備え、前記権利移譲サーバは、前記コンテンツIDと前記端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段(例えば、図2の貸出情報記憶部304に相当)と、受信した機器IDと端末情報とが、前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する照会手段(例えば、図2の機器照会部301に相当)と、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、前記受信した端末情報に書き換える更新手段(例えば、図2の更新部302に相当)と、前記受信したコンテンツIDに基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得する取得手段(例えば、図2の取得部303に相当)と、受信したアドレス情報に基づいて、前記取得したコンテンツを前記電子機器に送信する第3の送信手段と、を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0010】
この発明によれば、端末の第1の送信手段は、コンテンツIDおよび自己の端末情報を、権利移譲サーバと電子機器とに送信する。電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツID、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を権利移譲サーバに送信する。電子機器のダウンロード手段は、権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードする。権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する。権利移譲サーバの照会手段は、受信した機器IDと端末情報とが、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する。権利移譲サーバの更新手段は、照会手段により、記憶されていると判定された場合に、貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、受信した端末情報に書き換える。権利移譲サーバの取得手段は、受信したコンテンツIDに基づいて、コンテンツとコンテンツIDとを対応付けて記憶するコンテンツサーバからコンテンツを取得する。権利移譲サーバの第3の送信手段は、受信したアドレス情報に基づいて、取得したコンテンツを電子機器に送信する。したがって、端末が通信を開始したことを契機として、コンテンツの権利をユーザに移譲し、権利が移譲されたコンテンツを電子機器にダウンロードすることができる。
【0011】
(2) 本発明は、(1)のコンテンツ権利移譲システムについて、認証情報を発行する認証サーバ(例えば、図3の認証サーバ60に相当)を備え、前記認証サーバは、前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記電子機器に送信する第4の送信手段と、を備え、前記権利移譲サーバは、前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第5の送信手段を備え、前記権利移譲サーバの第3の送信手段は、前記認証サーバから受信した認証情報をコンテンツとともに、前記電子機器に送信し、前記電子機器のダウンロード手段は、前記認証サーバから受信した認証情報と、前記権利移譲サーバから受信した認証情報とが一致する場合に、前記権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードすることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0012】
この発明によれば、認証サーバの発行手段は、権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する。認証サーバの第4の送信手段は、発行された認証情報を、権利移譲サーバに送信するとともに、受信したアドレス情報に基づいて、電子機器に送信する。権利移譲サーバの第5の送信手段は、受信したアドレス情報を、認証サーバに送信する。権利移譲サーバの第3の送信手段は、認証サーバから受信した認証情報をコンテンツとともに、電子機器に送信する。電子機器のダウンロード手段は、認証サーバから受信した認証情報と、権利移譲サーバから受信した認証情報とが一致する場合に、権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードする。したがって、電子機器がコンテンツをダウンロードする際に認証を行うことにより、コンテンツが不正にダウンロードされることを防止することができる。
【0013】
(3) 本発明は、(1)または(2)のコンテンツ権利移譲システムについて、前記端末の第1の送信手段は、前記コンテンツの利用期間を示す期間情報を、前記権利移譲サーバに送信し、前記権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、前記コンテンツIDと、前記端末情報とに、前記期間情報を対応付けて記憶し、前記権利移譲サーバの更新手段は、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、前記受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている期間情報を、前記端末から受信した期間情報に書き換えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0014】
この発明によれば、端末の第1の送信手段は、コンテンツの利用期間を示す期間情報を、権利移譲サーバに送信する。権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、コンテンツIDと端末情報とに、期間情報を対応付けて記憶する。権利移譲サーバの更新手段は、照会手段により、記憶されていると判定された場合に、貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている期間情報を、端末から受信した期間情報に書き換える。したがって、電子機器にダウンロードされるコンテンツの利用期間を設定することができる。
【0015】
(4) 本発明は、(1)から(3)のコンテンツ権利移譲システムについて、前記端末および前記権利移譲サーバと通信可能な第2の端末(例えば、実店舗の端末)を備え、前記端末の第1の送信手段は、前記第2の端末に端末情報を送信し、前記第2の端末は、前記端末から受信した端末情報とコンテンツIDとを前記権利移譲サーバに送信することを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0016】
この発明によれば、端末の第1の送信手段は、第2の端末に端末情報を送信する。第2の端末は、端末および権利移譲サーバと通信可能であって、端末から受信した端末情報とコンテンツIDとを権利移譲サーバに送信する。したがって、端末の処理の一部を第2の端末が代替することができる。
【0017】
(5) 本発明は、ユーザが利用可能なコンテンツを有する電子機器(例えば、図5の電子機器22に相当)と、前記ユーザが利用し、前記電子機器が有するコンテンツのリストを有する端末(例えば、図5の端末11に相当)と、コンテンツの返却先である返却先端末(例えば、図5の返却先端末70に相当)と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ(例えば、図5の権利移譲サーバ32に相当)と、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバ(例えば、図5のユーザ情報管理サーバ40に相当)と、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、前記端末は、前記返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記電子機器に、前記自己の端末情報と前記返却先端末の端末情報を送信する第1の送信手段を備え、前記電子機器は、受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする制御手段と、を備え、前記返却先端末は、受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第3の送信手段を備え、前記権利移譲サーバは、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段(例えば、図6の貸出情報記憶部304に相当)と、前記電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、前記返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する判定手段(例えば、図6の判定部307に相当)と、受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、が前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する照会手段(例えば、図6の機器照会部301に相当)と、前記判定手段により、一致すると判定され、かつ、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除する削除手段(例えば、図6の削除部308に相当)と、受信したアドレス情報に基づいて、前記利用制御要求を前記電子機器に送信する第4の送信手段(例えば、図6の利用制御要求部309に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0018】
この発明によれば、端末の第1の送信手段は、返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、電子機器に、自己の端末情報と返却先端末の端末情報を送信する。電子機器の第2の送信手段は、受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を権利移譲サーバに送信する。電子機器の制御手段は、権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする。返却先端末の第3の送信手段は、受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を権利移譲サーバに送信する。権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する。権利移譲サーバの判定手段は、電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する。権利移譲サーバの照会手段は、受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、がユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する。権利移譲サーバの削除手段は、判定手段により、一致すると判定され、かつ、照会手段により、記憶されていると判定された場合に、貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、受信した端末の端末情報を削除する。権利移譲サーバの第4の送信手段は、受信したアドレス情報に基づいて、利用制御要求を電子機器に送信する。したがって、端末からコンテンツ返却先の返却先端末への通信を契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバの貸出情報記憶手段を更新することにより、コンテンツの権利を、ユーザからコンテンツ返却先に移譲し、権利を移譲したコンテンツを電子機器において利用できなくすることができる。
【0019】
(6) 本発明は、(5)のコンテンツ権利移譲システムについて、前記端末の第1の送信手段は、前記リストに基づいて、前記ユーザが削除するコンテンツを指定した場合に、前記指定されたコンテンツのコンテンツIDを前記電子機器に送信し、前記電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを前記権利移譲サーバに送信し、前記権利移譲サーバの削除手段は、前記判定手段により、一致すると判定され、かつ、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、前記電子機器から受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除することを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0020】
この発明によれば、端末の第1の送信手段は、リストに基づいて、ユーザが削除するコンテンツを指定した場合に、指定されたコンテンツのコンテンツIDを電子機器に送信する。電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを権利移譲サーバに送信する。権利移譲サーバの削除手段は、判定手段により、一致すると判定され、かつ、照会手段により、記憶されていると判定された場合に、貸出情報記憶手段において、電子機器から受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報のうち、受信した端末の端末情報を削除する。したがって、ユーザは、電子機器が有するコンテンツの中から、コンテンツ返却先に権利を移譲するコンテンツを指定することができる。
【0021】
(7) 本発明は、(5)または(6)のコンテンツ権利移譲システムについて、認証情報を発行する認証サーバを備え、前記認証サーバは、前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記電子機器に送信する第5の送信手段と、前記権利移譲サーバは、前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第6の送信手段と、受信した認証情報を前記返却先端末に送信する第7の送信手段と、を備え、前記返却先端末は、受信した認証情報とコンテンツの利用制御要求を前記電子機器に送信する第8の送信手段を備え、前記電子機器の制御手段は、前記認証サーバから受信した認証情報と、前記返却先端末から受信した認証情報と、が一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にすることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0022】
この発明によれば、認証サーバの発行手段は、権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する。認証サーバの第5の送信手段は、発行された認証情報を、権利移譲サーバに送信するとともに、受信したアドレス情報に基づいて、電子機器に送信する。権利移譲サーバの第6の送信手段は、受信したアドレス情報を、認証サーバに送信する。権利移譲サーバの第7の送信手段は、受信した認証情報を返却先端末に送信する。返却先端末の第8の送信手段は、受信した認証情報とコンテンツの利用制御要求を電子機器に送信する。電子機器の制御手段は、認証サーバから受信した認証情報と、返却先端末から受信した認証情報と、が一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にする。したがって、端末と返却先端末との通信により伝送される情報による本人確認と、電子機器がコンテンツを利用不可にする際に行う認証情報による端末確認と、の両方によって、より強固なセキュリティを確保し、コンテンツが不正に利用不可にされることを防止することができる。
【0023】
(8) 本発明は、コンテンツを提供するユーザが利用可能なコンテンツを有する送信側電子機器(例えば、図8の送信側電子機器23に相当)と、前記コンテンツを提供するユーザが利用し、前記送信側電子機器が有するコンテンツのリストを有する送信端末(例えば、図8の送信端末12に相当)と、前記コンテンツを受領するユーザが利用する受信側電子機器(例えば、図8の受信側電子機器24に相当)と、前記コンテンツを受領するユーザが利用する受信端末(例えば、図8の受信端末71に相当)と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ(例えば、図8の権利移譲サーバ33に相当)と、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバ(例えば、図8のユーザ情報管理サーバ40に相当)と、前記送信端末の端末情報と前記受信端末の端末情報とを対応付けて記憶する許可情報サーバ(例えば、図8の許可情報サーバ80に相当)と、コンテンツとコンテンツIDとを対応付けて記憶するコンテンツサーバ(例えば、図8のコンテンツサーバ50に相当)と、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、前記送信端末は、前記受信端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記送信側電子機器に、前記自己の端末情報と前記受信端末の端末情報とを送信する第1の送信手段を備え、前記送信側電子機器は、受信した送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と、自己の機器IDと、自己のアドレス情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする制御手段と、を備え、前記受信端末は、受信した送信端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記受信側電子機器に送信する第3の送信手段を備え、前記受信側電子機器は、受信した送信端末の端末情報、および受信端末の端末情報を前記権利移譲サーバに送信する第4の送信手段と、前記権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、を備え、前記権利移譲サーバは、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段(例えば、図9の貸出情報記憶部304に相当)と、前記送信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報が、前記受信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と一致するか否かを判定する判定手段(例えば、図9の判定部307に相当)と、受信した機器IDと受信した送信端末の端末情報とが、前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第1の照会手段(例えば、図9の機器照会部310に相当)と、前記受信した送信端末の端末情報と、前記受信した受信端末の端末情報とが、前記許可情報サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第2の照会手段(例えば、図9の許可情報照会部311に相当)と、前記受信した送信端末の端末情報に基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得する取得手段(例えば、図9の取得部312に相当)と、前記第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、前記判定手段により、一致すると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段の端末情報を、前記受信した受信端末の端末情報に書き換える更新手段(例えば、図9の更新部313に相当)と、受信したアドレス情報に基づいて、前記取得したコンテンツを前記受信側電子機器に送信するとともに、前記利用制御要求を前記送信側電子機器に送信する第5の送信手段(例えば、図9の利用制御要求部309に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0024】
この発明によれば、送信端末の第1の送信手段は、受信端末に自己の端末情報を送信するとともに、送信側電子機器に、自己の端末情報と受信端末の端末情報とを送信する。送信側電子機器の第2の送信手段は、受信した送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と、自己の機器IDと、自己のアドレス情報と、を権利移譲サーバに送信する。前記送信側電子機器の制御手段は、権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする。受信端末の第3の送信手段は、受信した送信端末の端末情報と、自己の端末情報と、を受信側電子機器に送信する。受信側電子機器の第4の送信手段は、受信した送信端末の端末情報および受信端末の端末情報を権利移譲サーバに送信する。受信側電子機器のダウンロード手段は、権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードする。権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する。権利移譲サーバの判定手段は、送信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報が、受信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と一致するか否かを判定する。権利移譲サーバの第1の照会手段は、受信した機器IDと受信した送信端末の端末情報とが、ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する。権利移譲サーバの第2の照会手段は、受信した送信端末の端末情報と、受信した受信端末の端末情報とが、許可情報サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する。権利移譲サーバの取得手段は、受信した送信端末の端末情報に基づいて、コンテンツサーバからコンテンツを取得する。権利移譲サーバの更新手段は、第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、判定手段により、一致すると判定された場合に、貸出情報記憶手段の端末情報を、受信した受信端末の端末情報に書き換える。権利移譲サーバの第5の送信手段は、受信したアドレス情報に基づいて、取得したコンテンツを受信側電子機器に送信するとともに、利用制御要求を送信側電子機器に送信する。したがって、送信端末から受信端末への通信を契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバの貸出情報記憶手段を更新することにより、コンテンツの権利をユーザ間で移譲し、コンテンツを受領するユーザ電子機器である受領側電子機器に、権利が移譲されたコンテンツをダウンロードすることができる。
【0025】
(9) 本発明は、(8)のコンテンツ権利移譲システムについて、前記送信端末の第1の送信手段は、前記リストに基づいて、前記送信端末のユーザが提供するコンテンツを指定した場合に、前記指定されたコンテンツのコンテンツIDを前記送信側電子機器に送信し、前記送信側電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを前記権利移譲サーバに送信し、前記権利移譲サーバの更新手段は、前記第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、前記判定手段により、一致すると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、前記受信した送信端末の端末情報に更新し、前記権利移譲サーバの取得手段は、前記受信したコンテンツIDに基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得することを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0026】
この発明によれば、送信端末の第1の送信手段は、リストに基づいて、送信端末のユーザが提供するコンテンツを指定した場合に、指定されたコンテンツのコンテンツIDを送信側電子機器に送信する。送信側電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを権利移譲サーバに送信する。権利移譲サーバの更新手段は、第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、判定手段により、一致すると判定された場合に、貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、受信した送信端末の端末情報に更新する。権利移譲サーバの取得手段は、受信したコンテンツIDに基づいて、コンテンツサーバからコンテンツを取得する。したがって、送信端末(送信側電子機器)のユーザ、すなわちコンテンツを提供するユーザは、送信側電子機器が有するコンテンツの中から、コンテンツを受領する受信側電子機器のユーザに権利を移譲するコンテンツを指定することができる。
【0027】
(10) 本発明は、(8)または(9)のコンテンツ権利移譲システムについて、認証情報を発行する認証サーバを備え、前記認証サーバは、前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記送信側電子機器に送信する第6の送信手段と、を備え、前記権利移譲サーバは、前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第7の送信手段と、受信した認証情報を前記受信側電子機器に送信する第8の送信手段と、を備え、前記受信側電子機器は、受信した認証情報と、コンテンツの利用制御要求と、を前記送信側電子機器に送信する第9の送信手段を備え、前記送信側電子機器の制御手段は、前記認証サーバから受信した認証情報と、前記受信側電子機器から受信した認証情報とが一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にすることを特徴とするコンテンツ権利移譲システムを提案している。
【0028】
この発明によれば、認証サーバの発行手段は、権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する。認証サーバの第6の送信手段は、発行された認証情報を、権利移譲サーバに送信するとともに、受信したアドレス情報に基づいて、送信側電子機器に送信する。権利移譲サーバの第7の送信手段は、受信したアドレス情報を、認証サーバに送信する。権利移譲サーバの第8の送信手段は、受信した認証情報を受信側電子機器に送信する。受信側電子機器の第9の送信手段は、受信した認証情報とコンテンツの利用制御要求を送信側電子機器に送信する。送信側電子機器の制御手段は、認証サーバから受信した認証情報と、受信側電子機器から受信した認証情報とが一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にする。したがって、送信端末と受信端末との通信で伝送される情報による本人確認と、送信側電子機器が、コンテンツを利用不可にする際に行う認証情報による端末確認と、の両方により、より強固なセキュリティを確保し、コンテンツが不正に利用不可にされることを防止することができる。
【0029】
(11) 本発明は、ユーザが利用可能なコンテンツを有する電子機器と、前記ユーザが利用し、前記電子機器が有するコンテンツのリストを有する端末と、コンテンツの返却先である返却先端末と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバと、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバと、を備えるコンテンツ権利移譲システムにおけるコンテンツ権利移譲方法であって、前記端末が、前記返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記電子機器に、前記自己の端末情報と前記返却先端末の端末情報を送信する第1のステップ(例えば、図7のステップS1に相当)と、前記返却先端末が、受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第2のステップ(例えば、図7のステップS2に相当)と、前記電子機器が、受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第3のステップ(例えば、図7のステップS3に相当)と、前記権利移譲サーバが、前記電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、前記返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する第4のステップ(例えば、図7のステップS4に相当)と、前記権利移譲サーバが、受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、が前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第5のステップ(例えば、図7のステップS5に相当)と、前記権利移譲サーバが、前記第4のステップにおいて、一致すると判定され、かつ、前記第5のステップにより、記憶されていると判定された場合に、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除する第6のステップ(例えば、図7のステップS6に相当)と、前記権利移譲サーバが、受信したアドレス情報に基づいて、利用制御要求を前記電子機器に送信する第7のステップ(例えば、図7のステップS7に相当)と、前記電子機器が、前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする第8のステップ(例えば、図7のステップS8に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲方法を提案している。
【0030】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、端末が、返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、電子機器に、自己の端末情報と返却先端末の端末情報を送信する。次に、第2のステップにおいて、返却先端末が、受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を権利移譲サーバに送信する。次に、第3のステップにおいて、電子機器が、受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を権利移譲サーバに送信する。次に、第4のステップにおいて、権利移譲サーバが、電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する。次に、第5のステップにおいて、権利移譲サーバが、受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、がユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する次に、第6のステップにおいて、権利移譲サーバが、第4のステップにおいて、一致すると判定され、かつ、第5のステップにより、記憶されていると判定された場合に、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、受信した端末の端末情報を削除する。次に、第7のステップにおいて、権利移譲サーバが、受信したアドレス情報に基づいて、利用制御要求を電子機器に送信する。次に、第8のステップにおいて、電子機器が、権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする。したがって、端末からコンテンツ返却先の返却先端末への通信を契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバの貸出情報記憶手段を更新することにより、コンテンツの権利を、ユーザからコンテンツ返却先に移譲し、権利を移譲したコンテンツを電子機器において利用できなくすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、端末が通信を開始したことを契機とした、コンテンツの権利移譲が可能となる。また、ユーザ同士のコンテンツの権利移譲が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態に係る権利移譲システムの構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る権利移譲サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第2の実施形態に係る権利移譲システムの構成図である。
【図4】第2の実施形態に係る権利移譲サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第3の実施形態に係る権利移譲システムの構成図である。
【図6】第3の実施形態に係る権利移譲サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第3の実施形態に係る権利移譲システムの処理フロー図である。
【図8】第4の実施形態に係る権利移譲システムの構成図である。
【図9】第4の実施形態に係る権利移譲サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて、詳細に説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0034】
<第1の実施形態>
図1から図2を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、本実施形態における権利移譲システムは、例えば、コンテンツの購入やレンタルに伴い、コンテンツサービス事業者からユーザへ、コンテンツを利用する権利を移譲するものである。
【0035】
<権利移譲システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る権利移譲システム1の構成図である。図1に示すように、権利移譲システム1は、端末10、電子機器20、権利移譲サーバ30、ユーザ情報管理サーバ40、およびコンテンツサーバ50を備える。各装置間は、例えばインターネットなどの通信ネットワークで接続される。なお、端末10が家庭内にある場合に、端末10と電子機器20とは、例えば、イーサネット(登録商標)ワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワークやWiFi(Wireless Fidelity)無線ネットワークなどの通信ネットワークで接続されてもよい。
【0036】
第1の実施形態に係る各装置の機能について、図1とともに、図2に示す第1の実施形態に係る権利移譲サーバ30の構成を示す機能ブロック図を用いて説明する。
【0037】
端末10は、ユーザが利用する端末であって、電子機器20にコンテンツをダウンロードする際の契機となる通信を行う。第1の実施形態において、端末10は携帯電話機とするが、端末10は通信機能を有していれば良く、例えば、PHS、PDA、ゲーム機などであってもよい。
【0038】
端末10は、電子機器20にダウンロードするコンテンツのコンテンツIDを取得すると、電子機器20および権利移譲サーバ30それぞれに、コンテンツIDおよび端末10の端末情報を送信する。なお、電子機器20および権利移譲サーバ30への送信のタイミングは、同時でなくてもよい。また、端末10は、コンテンツの利用期間の入力をユーザから受け付けた場合には、受け付けたコンテンツの利用期間を権利移譲サーバ30に送信する。
【0039】
ここで、コンテンツIDとは、コンテンツを識別する情報であって、例えば、コンテンツサービス事業者、コンテンツが対象とする電子機器の機器ID、コンテンツの種類、コンテンツのジャンルを識別するジャンルID、コンテンツを識別するユニークなIDを含む。
【0040】
ここで、コンテンツとは、例えば、ウェブページ、ウェブサイト、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、絵画および図表などの映像データ、ゲームおよびソフトウェアなどである。また、端末情報とは、例えば、端末を識別する端末ID、端末のユーザを識別するユーザID、携帯電話端末の電話番号などである。
【0041】
端末10は、コンテンツサービス事業者が、インターネット上において、コンテンツの提供を行っているマーケットプレイスや、現実世界においてコンテンツの提供を行っている実店舗などから、コンテンツIDを取得する。ここで、コンテンツサービス事業者とは、コンテンツの販売やレンタルなどにより、ユーザにコンテンツを提供する事業者である。また、端末10は、コンテンツを所有する友人から、コンテンツIDを取得してもよい。なお、端末10は、コンテンツIDを、通信ネットワークを介して取得してもよいし、端末10へのユーザからの入力によって取得してもよい。
【0042】
電子機器20は、ユーザがコンテンツをダウンロードする機器であって、例えば、デジタルテレビジョン受像機、セットトップボックス、デジタルフォトフレームなどである。電子機器20は、コンテンツIDおよび端末情報を端末10から受信すると、コンテンツID、端末情報、自己の機器ID、および自己のIPアドレスを権利移譲サーバ30に送信する。ここで、機器IDとは、電子機器を識別するユニークなIDであって、例えば、電子機器の種類、電子機器のハードウェア構成、および電子機器を識別するユニークなIDを含む。また、端末10からコンテンツの利用期間を受信した場合には、受信したコンテンツの利用期間も権利移譲サーバ30に送信する。
【0043】
ユーザ情報管理サーバ40は、端末により操作できる電子機器を記憶し、具体的には、端末情報と、機器IDとを対応付けて記憶する。
【0044】
コンテンツサーバ50は、コンテンツサービス事業者が管理するサーバであって、コンテンツと、コンテンツIDと、を対応付けて記憶する。
【0045】
権利移譲サーバ30は、コンテンツサービス事業者が管理し、コンテンツを利用する権利を移譲するサーバである。図2に示すように、権利移譲サーバ30は、機器照会部301、更新部302、取得部303、および貸出情報記憶部304を備える。なお、図示しないが、各部は送受信部を介して端末10などと情報の送受信を行っている。
【0046】
機器照会部301は、電子機器20から受信した、機器IDと、端末情報とが対応付けて記憶されているかユーザ情報管理サーバ40に照会する。なお、機器照会部301は、端末10から受信した端末情報を用いてもよい。照会の結果、記憶されている場合には、電子機器20が、端末10により操作ができる電子機器であると判定する。一方、記憶されていない場合には、電子機器20が、端末10により操作ができない電子機器であると判定する。電子機器20が端末10により操作ができない電子機器である場合には、後述する更新部302により貸出情報記憶部304が更新されない。この場合、端末10や電子機器20にコンテンツの権利移譲ができない旨の通知を行ってもよい。
【0047】
更新部302は、後述する貸出情報記憶部304において、電子機器20から受信したコンテンツIDに対応する端末情報を、端末10から受信した端末情報に書き換える。これにより、コンテンツを利用する権利を移譲することができる。なお、更新部302は、端末10から受信したコンテンツIDを用いてもよい。また、端末10からコンテンツの利用期間を受信した場合に、更新部302は、コンテンツIDおよび端末情報に基づいて、前記貸出情報記憶部304の期間情報を更新する。
【0048】
取得部303は、電子機器20から受信したコンテンツIDに基づいて、コンテンツサーバ50からコンテンツを取得する。なお、取得部303は、端末10から受信したコンテンツIDを用いてもよい。そして、取得部303は、電子機器20から受信した電子機器20のIPアドレスに基づいて、取得したコンテンツを電子機器20に送信する。
【0049】
貸出情報記憶部304は、コンテンツを利用する権利に関する情報を記憶し、具体的には、コンテンツID、端末情報、期間情報を対応付けて記憶する。コンテンツを利用する権利に関する情報を記憶する貸出情報記憶部304が、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ30に備えられることにより、コンテンツを利用する権利をコンテンツサービス事業者が管理することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末10が電子機器20および権利移譲サーバ30と通信を開始したことを契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ30の貸出情報記憶手段を更新することにより、コンテンツの権利を、ユーザに移譲し、権利が移譲されたコンテンツを電子機器20がダウンロードすることができる。
【0051】
<第2の実施形態>
図3および図4を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態における権利移譲システムは、例えば、コンテンツの購入やレンタルにおいて、コンテンツをダウンロードする際に、端末認証を行う。
【0052】
<権利移譲システムの構成>
図3は、第2の実施形態に係る権利移譲システム2の構成図である。図3に示すように、権利移譲システム2は、端末10、電子機器21、権利移譲サーバ31、ユーザ情報管理サーバ40、コンテンツサーバ50、および認証サーバ60を備える。
【0053】
第2の実施形態に係る各装置の機能について、図3とともに、図4に示す第2の実施形態に係る権利移譲サーバ31の構成を示す機能ブロック図を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0054】
電子機器21は、第1の実施形態の電子機器20が備える機能に加え、コンテンツをダウンロードする際に認証を行う機能を有する。具体的には、電子機器21は、権利移譲サーバ31および認証サーバ60それぞれから認証情報を受信し、両者の認証情報が一致するか否か判断する。判断の結果、一致すると判断した場合には、電子機器21は、権利移譲サーバ31からコンテンツをダウンロードする。一致しないと判断した場合には、権利移譲サーバ31からコンテンツをダウンロードしない。
【0055】
認証サーバ60は、権利移譲サーバ31から電子機器21のIPアドレスを受信すると、認証情報を発行する。そして、認証サーバ60は、受信したIPアドレスに基づいて、発行した認証情報を電子機器21および権利移譲サーバ31に送信する。ここで、認証情報は、電子機器21がコンテンツをダウンロードする際の認証に用いられ、例えば、機器IDとワンタイムパスワードとにより構成される。
【0056】
権利移譲サーバ31は、図4に示すように、機器照会部301、認証情報要求部305、更新部302、取得部303、ダウンロード要求部306、および貸出情報記憶部304を備える。
【0057】
認証情報要求部305は、認証サーバ60に電子機器21のIPアドレスを送信し、認証情報を要求する。そして、認証情報要求部305は、認証サーバ60から認証情報を取得する。
【0058】
ダウンロード要求部306は、認証情報要求部305にて取得した認証情報を、取得部303にて取得されたコンテンツとともに電子機器21に送信する。そして、電子機器21にて、権利移譲サーバ31および認証サーバ60それぞれから受信した認証情報が一致すると判断された場合に、送信したコンテンツが電子機器21にダウンロードされる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子機器21がコンテンツをダウンロードする際に認証を行うことにより、コンテンツが不正にダウンロードされることを防止することができる。
【0060】
<第3の実施形態>
図5から図7を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態における権利移譲システム3は、例えば、コンテンツの返却に伴い、ユーザからコンテンツ返却先に、コンテンツを利用する権利を移譲するものである。
【0061】
<権利移譲システムの構成>
図5は、第3の実施形態に係る権利移譲システム3の構成図である。図5に示すように、第3の実施形態に係る権利移譲システム3は、端末11、電子機器22、返却先端末70、権利移譲サーバ32、およびユーザ情報管理サーバ40を備える。
【0062】
第3の実施形態に係る各装置の機能について、図5とともに、図6に示す第3の実施形態に係る権利移譲サーバ32の構成を示す機能ブロック図を用いて説明する。なお、第1および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0063】
端末11は、通信機能を有する端末であって、ユーザが利用し、コンテンツを返却する際の契機となる通信を行う。第3の実施形態においても第1の実施形態の端末10と同様に、端末11は携帯電話機とする。また、端末11は、電子機器22が有するコンテンツのリストを、電子機器22と共有する。これにより、ユーザは、返却するコンテンツを端末11により指定することができる。
【0064】
端末11は、返却先端末70への通信要求、例えば、返却先端末70へ電話をかける操作をユーザから受け付けると、返却先端末70に自己の端末情報(以下、端末情報とする)を送信し、電子機器22に、端末情報および返却先端末70の端末情報(以下、返却先端末情報とする)を送信する。なお、電子機器22への送信のタイミングは、返却先端末70への送信と同時であってもよい。また、端末11は、リストに基づいて、返却するコンテンツがユーザから指定された場合には、電子機器22にコンテンツIDを送信する。
【0065】
電子機器22は、ユーザがダウンロードしたコンテンツを有する機器である。電子機器22は、端末情報および返却先端末情報を端末11から受信すると、端末情報、返却先端末情報、自己の機器ID、および自己のIPアドレスを権利移譲サーバ32に送信する。なお、端末11からコンテンツIDを受信した場合には、受信したコンテンツIDも権利移譲サーバ32に送信する。また、電子機器22は、権利移譲サーバ32から利用制御要求を受信すると、有するコンテンツを利用不可にする。コンテンツを利用不可にするとは、電子機器22のユーザがコンテンツを利用できなくすることであり、コンテンツを削除することや、コンテンツへのアクセス権限を失くすことである。
【0066】
返却先端末70は、通信機能を有する端末であって、コンテンツ返却先が使用する端末である。コンテンツ返却先は、例えば、コンテンツサービス事業者である。端末11から端末情報を受信すると、端末情報、および返却先端末情報を権利移譲サーバ32へ送信する。
【0067】
権利移譲サーバ32は、コンテンツサービス事業者が管理するサーバであって、コンテンツを利用する権利を移譲するサーバである。図6に示すように、権利移譲サーバ32は、判定部307、機器照会部301、削除部308、利用制御要求部309、および貸出情報記憶部304を備える。ただし、図示しないが、各部は送受信部を介して返却先端末70などと情報の送受信を行っている。
【0068】
判定部307は、返却先端末70から受信した端末情報および返却先端末情報と、電子機器22から受信した端末情報および返却先端末情報と、が一致するか否か判定する。判定の結果、一致する場合には、電子機器22が、端末11から返却先端末70に返却要請されたコンテンツを有する機器であると判定する。一方、一致しない場合には、電子機器22が、返却要請されたコンテンツを有さない機器であると判定する。電子機器22が返却要請されたコンテンツを有さない機器と判定された場合には、後述する削除部308により貸出情報記憶部304が更新されない。この場合、端末11や電子機器22に、コンテンツが返却できない旨の通知を行ってもよい。
【0069】
削除部308は、貸出情報記憶部304に記憶されている端末情報のうち、電子機器22から受信した端末情報を削除する。これにより、コンテンツを利用する権利を、ユーザからコンテンツ返却先に移譲することができる。なお、削除部308は、端末11から受信した端末情報を用いてもよい。また、貸出情報記憶部304において、電子機器22から受信した端末情報を、返却先端末70の端末情報に書き換えてもよい。さらに、電子機器22からコンテンツIDを受信した場合には、貸出情報記憶部304においてコンテンツIDに対応付けられている端末情報のうち、電子機器22から受信した端末情報を削除する。
【0070】
利用制御要求部309は、電子機器22から受信したIPアドレスに基づいて、利用制御要求を電子機器22に送信する。
【0071】
<権利移譲システムの処理フロー>
図7は、第3の実施形態に係る権利移譲システムの処理フロー図である。
【0072】
まず、ステップS1において、端末11は、端末情報を返却先端末70に送信し、端末情報および返却先端末情報を電子機器22に送信する。
【0073】
次に、ステップS2において、電子機器22は、端末情報、返却先端末情報、自己の機器ID、および自己のIPアドレスを、権利移譲サーバ32に送信する。
【0074】
次に、ステップS3において、返却先端末70は、端末情報、および返却先端末情報を、権利移譲サーバ32に送信する。
【0075】
次にステップS4において、権利移譲サーバ30の判定部307は、電子機器22および返却先端末70それぞれから受信した、端末情報、および返却先端末情報が一致するか否か判断する。そして、一致する(YES)場合には、ステップS5に処理を移し、一致しない(NO)場合には、処理を終了する。
【0076】
次にステップS5において、権利移譲サーバ30の機器照会部301は、電子機器20から受信した機器IDと端末情報とが対応付けて記憶されているかユーザ情報管理サーバ40に照会することにより、電子機器20が、端末10により操作ができる電子機器であるか否か判断する。そして、機器照会部301が、電子機器20が、端末10により操作ができる電子機器であると判断する(YES)場合には、ステップS6に処理を移し、電子機器20が、端末10により操作ができない電子機器であと判断する(NO)場合には、処理を終了する。
【0077】
次に、ステップS6において、削除部308は、貸出情報記憶部304に記憶されている端末情報のうち、電子機器22から受信した端末情報を削除する。
【0078】
次に、ステップS7において、利用制御要求部309は、電子機器22から受信したIPアドレスに基づいて、利用制御要求を電子機器22に送信する。
【0079】
次に、ステップS8において、電子機器22は、権利移譲サーバ32から利用制御要求を受信すると、有するコンテンツを利用不可にする。
【0080】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末11からコンテンツ返却先の返却先端末70への通信を契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバ32の貸出情報記憶部304を更新することにより、コンテンツの権利を、ユーザからコンテンツ返却先に移譲することができる。
【0081】
<第4の実施形態>
図8、図9を用いて、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態における権利移譲システム4は、例えば、ユーザ間のコンテンツレンタルやコンテンツ譲渡に伴い、ユーザ間で、コンテンツを利用する権利およびコンテンツを移譲する。
【0082】
<権利移譲システムの構成>
図8は、第4の実施形態に係る権利移譲システム4の構成図である。図8に示すように、第4の実施形態に係る権利移譲システム4は、送信端末12、受信端末71、送信側電子機器23、受信側電子機器24、権利移譲サーバ33、ユーザ情報管理サーバ40、コンテンツサーバ50、および許可情報サーバ80を備える。
【0083】
第4の実施形態に係る各装置の機能について、図8とともに、図9に示す第4の実施形態に係る権利移譲サーバ33の構成を示す機能ブロック図を用いて説明する。なお、第1、第2、および第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0084】
送信端末12は、通信機能を有する端末であって、コンテンツを提供するユーザ(以下、提供ユーザとする)が利用し、ユーザ間でコンテンツのレンタルや譲渡する際の契機となる通信を行う。第4の実施形態においても第1の実施形態の端末10と同様に、送信端末12は携帯電話機とする。また、送信端末12は、送信側電子機器23が有するコンテンツのリストを、送信側電子機器23と共有する。これにより、ユーザは、レンタルや譲渡するコンテンツを送信端末12により指定することができる。
【0085】
送信端末12は、受信端末71への通信要求、例えば、受信端末71へ電話をかける操作をユーザから受け付けると、受信端末71に自己の端末情報(以下、送信端末情報とする)を送信し、送信側電子機器23に、送信端末情報および受信端末71の端末情報(以下、受信端末情報とする)を送信する。なお、送信側電子機器23への送信のタイミングは、受信端末71への送信と同時であってもよい。また、送信端末12は、リストに基づいて、受信側電子機器24にレンタルや譲渡するコンテンツが提供ユーザから指定された場合には、送信側電子機器23にコンテンツIDを送信する。
【0086】
送信側電子機器23は、提供ユーザがダウンロードしたコンテンツを有する機器である。送信側電子機器23および後述する受信側電子機器24は、例えば、デジタルテレビジョン受像機、セットトップボックス、デジタルフォトフレームなどである。また、送信側電子機器23は、送信端末情報および受信端末情報を送信端末12から受信すると、送信端末情報、受信端末情報、自己の機器ID、および自己のIPアドレスを権利移譲サーバ33に送信する。なお、送信端末12からコンテンツIDを受信した場合には、受信したコンテンツIDも権利移譲サーバ33に送信する。
【0087】
受信端末71は、通信機能を有する端末であって、コンテンツを受領するユーザ(以下、受領ユーザとする)が利用する端末である。受信端末71は、送信端末12から送信端末情報を受信すると、送信端末情報、および受信端末情報を受信側電子機器24へ送信する。
【0088】
受信側電子機器24は、受領ユーザがコンテンツをダウンロードする機器である。受信側電子機器24は、受信端末71から送信端末情報および受信端末情報を受信すると、送信端末情報、受信端末情報、自己の機器ID、および自己のIPアドレスを権利移譲サーバ33へ送信する。
【0089】
許可情報サーバ80は、コンテンツのレンタルや譲渡を互いに許可している提供ユーザおよび受領ユーザを記憶し、具体的には、送信端末の端末情報と受信端末の端末情報とを対応付けて記憶する。なお、許可情報サーバ80は、レンタルや譲渡ができないコンテンツを識別する情報を記憶してもよく、例えば、レンタルや譲渡ができないコンテンツのジャンルIDを拒否ジャンルIDとして記憶してもよい。
【0090】
権利移譲サーバ33は、コンテンツサービス事業者が管理するサーバであって、コンテンツを利用する権利を移譲するサーバである。図9に示すように、権利移譲サーバ33は、判定部307、機器照会部310、許可情報照会部311、取得部312、更新部313、利用制御要求部309、および貸出情報記憶部304を備える。ただし、図示しないが、各部は送受信部を介して送信端末12などと情報の送受信を行っている。
【0091】
機器照会部310は、送信機器照会部(図示せず)および受信機器照会部(図示せず)を備える。送信機器照会部および受信機器照会部は、第1の実施形態において説明した機器照会部301と同一の機能を有するが、後述するように照会に用いる情報が異なる。送信機器照会部は、送信側電子機器23から受信した、送信側電子機器23の機器IDと、送信端末情報とが対応付けて記憶されているかユーザ情報管理サーバ40に記憶されているか否か照会し、送信側電子機器23が、送信端末12により操作ができる電子機器であるか否かを判定する。受信機器照会部は、受信側電子機器24から受信した、受信側電子機器24の機器IDと、受信端末情報とが対応付けて記憶されているかユーザ情報管理サーバ40に記憶されているか否か照会し、受信側電子機器24が、受信端末71により操作ができる電子機器であるか否かを判定する。
【0092】
許可情報照会部311は、送信側電子機器23から受信した、送信端末情報と、受信端末情報とが対応付けて記憶されているか許可情報サーバ80に照会する。照会の結果、記憶されている場合には、送信側電子機器23と受信側電子機器24との間のコンテンツのレンタルや譲渡が許可されていると判定する。一方、記憶されていない場合には、送信側電子機器23と受信側電子機器24との間のコンテンツのレンタルや譲渡が許可されていないと判定する。この場合、送信側電子機器23にコンテンツの提供ができない旨や、受信側電子機器24にコンテンツの受領ができない旨の通知を行ってもよい。
【0093】
取得部312は、送信端末情報に基づいて、貸出情報記憶部304からコンテンツIDを取得する。そして、取得部312は、取得したコンテンツIDに基づいて、コンテンツサーバ50からコンテンツを取得する。なお、送信側電子機器23からコンテンツIDを受信した場合には、取得部312は、受信したコンテンツIDに基づいて、コンテンツサーバ50からコンテンツを取得する。そして、取得部312は、受信側電子機器24から受信したIPアドレスに基づいて、取得したコンテンツを受信側電子機器24に送信する。
【0094】
更新部313は、貸出情報記憶部304に記憶されている、送信側電子機器23から受信した送信端末情報を、送信側電子機器23から受信した受信端末情報に書き換える。なお、更新部313は、受信側電子機器24から受信した送信端末情報および受信端末情報を用いてもよい。これにより、提供ユーザから受領ユーザへ、コンテンツを利用する権利を移譲することができる。また、送信側電子機器23からコンテンツIDを受信した場合には、貸出情報記憶部304に記憶されている、送信側電子機器23から受信した端末情報のうち、受信したコンテンツIDに対応付けられている端末情報を受信側電子機器24から受信した端末情報に書き換える。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によれば、送信端末12から受信端末71への通信を契機として、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバの貸出情報記憶手段を更新することにより、コンテンツの権利を、提供ユーザと受領ユーザとの間で移譲し、受領ユーザの受信側電子機器24に、権利が移譲されたコンテンツをダウンロードすることができる。
【0096】
なお、コンテンツ権利移譲システムの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを、コンテンツ権利移譲システムを構成する各機器に読み込ませ、実行することによって本発明のコンテンツ権利移譲システムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置などのハードウェアを含む。
【0097】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0098】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0099】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
【0100】
(変形形態)
(1)第1の実施形態において、端末10から権利移譲サーバ30に情報を送信しているが、権利移譲システム1が実店舗の端末を備え、実店舗の端末が権利移譲サーバ30に情報を送信してもよい。具体的には、実店舗の端末がコンテンツIDを取得したことに応じて、端末10にコンテンツIDを送信する。そして、実店舗の端末は、コンテンツIDを受信した端末10から端末情報を受信し、受信した端末情報とコンテンツIDとを権利移譲サーバ30に送信する。
【0101】
(2)第3の実施形態において、権利移譲システム3が第2の実施形態で説明した認証サーバ60、および認証情報要求部305を備え、電子機器22は、返却先端末70からの要求により、有するコンテンツを利用不可にする。具体的には、権利移譲サーバ32は、貸出情報記憶部304を更新した後、電子機器22に認証情報を送信する。そして、電子機器22は、返却先端末70および認証サーバ60それぞれから認証情報を受信し、両者の認証情報が一致するか否か判断する。判断の結果、一致すると判断した場合には、電子機器22は、返却先端末70から受信した利用制御要求に応じて、有するコンテンツを利用不可にする。これにより、通信により伝送される情報、例えば、通話により音声データによる本人確認と、電子機器22が、コンテンツを利用不可にする際に行う認証情報による端末確認と、の両方によって、より強固なセキュリティを確保し、コンテンツが不正に利用不可にされることを防止することができる。
【0102】
(3)第4の実施形態において、権利移譲システム4が第2の実施形態で説明した認証サーバ60、および認証情報要求部305を備え、送信側電子機器23は、受信側電子機器24からの要求により、有するコンテンツを利用不可にする。具体的には、権利移譲サーバ33は、貸出情報記憶部304を更新した後、受信側電子機器24に認証情報を送信する。そして、送信側電子機器23は、受信側電子機器24および認証サーバ60それぞれから認証情報を受信し、両者の認証情報が一致するか否か判断する。判断の結果、一致すると判断した場合には、送信側電子機器23は、受信側電子機器24から受信した利用制御要求に応じて、有するコンテンツを利用不可にする。これにより、通信により伝送される情報、例えば、通話により音声データによる本人確認と、送信側電子機器23が、コンテンツを利用不可にする際に行う認証情報による端末確認と、の両方によって、より強固なセキュリティを確保し、コンテンツが不正に利用不可にされることを防止することができる。
【0103】
なお、各実施形態および変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0104】
10 端末
20 電子機器
30 権利移譲サーバ
40 ユーザ情報管理サーバ
50 コンテンツサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用し、情報を送受信する端末と、前記ユーザが利用し、コンテンツをダウンロードする電子機器と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバと、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバと、コンテンツとコンテンツIDとを対応付けて記憶するコンテンツサーバと、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、
前記端末は、
コンテンツIDおよび自己の端末情報を、前記権利移譲サーバと前記電子機器とに送信する第1の送信手段を備え、
前記電子機器は、
受信したコンテンツID、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、
前記権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、
を備え、
前記権利移譲サーバは、
前記コンテンツIDと前記端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段と、
受信した機器IDと端末情報とが、前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する照会手段と、
前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、前記受信した端末情報に書き換える更新手段と、
前記受信したコンテンツIDに基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得する取得手段と、
受信したアドレス情報に基づいて、前記取得したコンテンツを前記電子機器に送信する第3の送信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システム。
【請求項2】
認証情報を発行する認証サーバを備え、
前記認証サーバは、
前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、
前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記電子機器に送信する第4の送信手段と、
を備え、
前記権利移譲サーバは、
前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第5の送信手段を備え、
前記権利移譲サーバの第3の送信手段は、
前記認証サーバから受信した認証情報をコンテンツとともに、前記電子機器に送信し、
前記電子機器のダウンロード手段は、
前記認証サーバから受信した認証情報と、前記権利移譲サーバから受信した認証情報とが一致する場合に、前記権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項3】
前記端末の第1の送信手段は、
前記コンテンツの利用期間を示す期間情報を、前記権利移譲サーバに送信し、
前記権利移譲サーバの貸出情報記憶手段は、
前記コンテンツIDと、前記端末情報とに、前記期間情報を対応付けて記憶し、
前記権利移譲サーバの更新手段は、
前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、前記受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている期間情報を、前記端末から受信した期間情報に書き換えることを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項4】
前記端末および前記権利移譲サーバと通信可能な第2の端末を備え、
前記端末の第1の送信手段は、
前記第2の端末に端末情報を送信し、
前記第2の端末は、前記端末から受信した端末情報とコンテンツIDとを前記権利移譲サーバに送信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項5】
ユーザが利用可能なコンテンツを有する電子機器と、前記ユーザが利用し、前記電子機器が有するコンテンツのリストを有する端末と、コンテンツの返却先である返却先端末と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバと、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバと、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、
前記端末は、
前記返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記電子機器に、前記自己の端末情報と前記返却先端末の端末情報を送信する第1の送信手段を備え、
前記電子機器は、
受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、
前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする制御手段と、
を備え、
前記返却先端末は、
受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第3の送信手段を備え、
前記権利移譲サーバは、
コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段と、
前記電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、前記返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、が前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する照会手段と、
前記判定手段により、一致すると判定され、かつ、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除する削除手段と、
受信したアドレス情報に基づいて、前記利用制御要求を前記電子機器に送信する第4の送信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システム。
【請求項6】
前記端末の第1の送信手段は、
前記リストに基づいて、前記ユーザが削除するコンテンツを指定した場合に、前記指定されたコンテンツのコンテンツIDを前記電子機器に送信し、
前記電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを前記権利移譲サーバに送信し、
前記権利移譲サーバの削除手段は、
前記判定手段により、一致すると判定され、かつ、前記照会手段により、記憶されていると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、前記電子機器から受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項7】
認証情報を発行する認証サーバを備え、
前記認証サーバは、
前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、
前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記電子機器に送信する第5の送信手段と、
前記権利移譲サーバは、
前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第6の送信手段と、
受信した認証情報を前記返却先端末に送信する第7の送信手段と、
を備え、
前記返却先端末は、
受信した認証情報とコンテンツの利用制御要求を前記電子機器に送信する第8の送信手段を備え、
前記電子機器の制御手段は、
前記認証サーバから受信した認証情報と、前記返却先端末から受信した認証情報と、が一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にすることを特徴とする請求項5または6に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項8】
コンテンツを提供するユーザが利用可能なコンテンツを有する送信側電子機器と、前記コンテンツを提供するユーザが利用し、前記送信側電子機器が有するコンテンツのリストを有する送信端末と、前記コンテンツを受領するユーザが利用する受信側電子機器と、前記コンテンツを受領するユーザが利用する受信端末と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバと、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバと、前記送信端末の端末情報と前記受信端末の端末情報とを対応付けて記憶する許可情報サーバと、コンテンツとコンテンツIDとを対応付けて記憶するコンテンツサーバと、を備えるコンテンツ権利移譲システムであって、
前記送信端末は、
前記受信端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記送信側電子機器に、前記自己の端末情報と前記受信端末の端末情報とを送信する第1の送信手段を備え、
前記送信側電子機器は、
受信した送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と、自己の機器IDと、自己のアドレス情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第2の送信手段と、
前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする制御手段と、
を備え、
前記受信端末は、
受信した送信端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記受信側電子機器に送信する第3の送信手段を備え、
前記受信側電子機器は、
受信した送信端末の端末情報および受信端末の端末情報を前記権利移譲サーバに送信する第4の送信手段と、
前記権利移譲サーバからコンテンツをダウンロードするダウンロード手段と、
を備え、
前記権利移譲サーバは、
コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段と、
前記送信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報が、前記受信側電子機器から受信した、送信端末の端末情報および受信端末の端末情報と一致するか否かを判定する判定手段と、
受信した機器IDと受信した送信端末の端末情報とが、前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第1の照会手段と、
前記受信した送信端末の端末情報と、前記受信した受信端末の端末情報とが、前記許可情報サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第2の照会手段と、
前記受信した送信端末の端末情報に基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得する取得手段と、
前記第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、前記判定手段により、一致すると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段の端末情報を、前記受信した受信端末の端末情報に書き換える更新手段と、
受信したアドレス情報に基づいて、前記取得したコンテンツを前記受信側電子機器に送信するとともに、前記利用制御要求を前記送信側電子機器に送信する第5の送信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲システム。
【請求項9】
前記送信端末の第1の送信手段は、
前記リストに基づいて、前記送信端末のユーザが提供するコンテンツを指定した場合に、前記指定されたコンテンツのコンテンツIDを前記送信側電子機器に送信し、
前記送信側電子機器の第2の送信手段は、受信したコンテンツIDを前記権利移譲サーバに送信し、
前記権利移譲サーバの更新手段は、
前記第1および第2の照会手段により、記憶されていると判定され、かつ、前記判定手段により、一致すると判定された場合に、前記貸出情報記憶手段において、受信したコンテンツIDに対応付けて記憶されている端末情報を、前記受信した送信端末の端末情報に更新し、
前記権利移譲サーバの取得手段は、
前記受信したコンテンツIDに基づいて、前記コンテンツサーバからコンテンツを取得することを特徴とする請求項8に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項10】
認証情報を発行する認証サーバを備え、
前記認証サーバは、
前記権利移譲サーバからアドレス情報を受信すると、認証情報を発行する発行手段と、
前記発行された認証情報を、前記権利移譲サーバに送信するとともに、前記受信したアドレス情報に基づいて、前記送信側電子機器に送信する第6の送信手段と、
を備え、
前記権利移譲サーバは、
前記受信したアドレス情報を、前記認証サーバに送信する第7の送信手段と、
受信した認証情報を前記受信側電子機器に送信する第8の送信手段と、
を備え、
前記受信側電子機器は、
受信した認証情報と、コンテンツの利用制御要求と、を前記送信側電子機器に送信する第9の送信手段を備え、
前記送信側電子機器の制御手段は、
前記認証サーバから受信した認証情報と、前記受信側電子機器から受信した認証情報とが一致する場合に、受信した利用制御要求に応じて、自己が有するコンテンツを利用不可にすることを特徴とする請求項8または9に記載のコンテンツ権利移譲システム。
【請求項11】
ユーザが利用可能なコンテンツを有する電子機器と、前記ユーザが利用し、前記電子機器が有するコンテンツのリストを有する端末と、コンテンツの返却先である返却先端末と、コンテンツサービス事業者が管理する権利移譲サーバと、端末情報と機器IDとを対応付けて記憶するユーザ情報管理サーバと、を備えるコンテンツ権利移譲システムにおけるコンテンツ権利移譲方法であって、
前記端末が、前記返却先端末に自己の端末情報を送信するとともに、前記電子機器に、前記自己の端末情報と前記返却先端末の端末情報を送信する第1のステップと、
前記返却先端末が、受信した端末の端末情報と、自己の端末情報と、を前記権利移譲サーバに送信する第2のステップと、
前記電子機器が、受信した端末の端末情報、返却先端末の端末情報、自己の機器ID、および自己のアドレス情報を前記権利移譲サーバに送信する第3のステップと、
前記権利移譲サーバが、前記電子機器から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報が、前記返却先端末から受信した、端末の端末情報および返却先端末の端末情報と一致するか否かを判定する第4のステップと、
前記権利移譲サーバが、受信した機器IDと、受信した端末の端末情報と、が前記ユーザ情報管理サーバに対応付けて記憶されているか否かを判定する第5のステップと、
前記権利移譲サーバが、前記第4のステップにおいて、一致すると判定され、かつ、前記第5のステップにより、記憶されていると判定された場合に、コンテンツIDと端末情報とを対応付けて記憶する貸出情報記憶手段に記憶されている端末情報のうち、前記受信した端末の端末情報を削除する第6のステップと、
前記権利移譲サーバが、受信したアドレス情報に基づいて、利用制御要求を前記電子機器に送信する第7のステップと、
前記電子機器が、前記権利移譲サーバからコンテンツの利用制御要求を受信すると、自己が有するコンテンツを利用不可にする第8のステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ権利移譲方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−22521(P2012−22521A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159892(P2010−159892)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】